8 DOREI品評会
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視点:
人
狼
墓
少
霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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ふひ、ふひひ!人狼になど……くれてやるものかヨ!
(0) 2010/03/31(Wed) 23時半頃
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性根の腐った支配人。
素顔を隠したバイヤー。
秘められた貴族の遊戯。
人はみな快楽のしもべ。
今宵は誰しも裏の顔を覗かせて。
惑乱の宴は果てしなく。
欲望もまた尽きることはない。
(#0) 2010/03/31(Wed) 23時半頃
―――― 奴隷品評会 開幕 ――――
(#1) 2010/03/31(Wed) 23時半頃
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―― 某日 ヨアヒムの別荘 舞台裏 ――
忙しい、忙しい。
[幾重にも巡らされた薄い紗幕の向こう側は、非日常の世界。 妖しく燦めくシャンデリアの下、舞台には宝石箱をひっくり返したかのように古今東西のオモチャが集まっている。 一際目を惹くのは、観賞用の魚の居ない巨大なアクアリウム。 猛獣の居ない檻は、ただ冷たくそこに在り。 四隅に拘束具のついた、とても寝台とは呼べない鉄の実験台は贄を欲する。 じゃらり、絶え間なく耳を擽る鎖の擦れる音。 道化は化粧の口を笑みに固定し、誘う。]
さぁ、どの商品がお客様のお気に召しますやら。
(1) 2010/03/31(Wed) 23時半頃
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[中肉中背、年齢から性別まで不詳の道化師が、舞台の裏で準備に励んでいる。 周囲に控えるは屈強な男たち。金によって雇われた彼等は、商品を決して逃さぬよう、虎視眈々と周囲に目を光らせている。が、華やかな舞台には相応しくないため、裏方に専念する者たちだった。 会場は舞台と客席に分けられる。舞台の向かって左端に、道化の席があった。裁判官さながら、運命を左右する木槌が一つ置かれている。 一段低くなった客席には、舞台に上がるための階段が中央に設えられ、たっぷり均等の間隔を開けて背のついた椅子が五つ。そこに座るべき主を待っていた。 ]
(2) 2010/03/31(Wed) 23時半頃
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[派手な格好をしていても、彼すら今宵は添え物、主役ではない。 舞台裏から更に奥まった控え室には、裏口から次々と商品が運ばれてくるはずで。 道化はただ、宴の前の奇妙な静けさの中、自分に課せられた仕事を全うする*だけだった。*]
(3) 2010/04/01(Thu) 00時頃
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―車中―
[窓の外、カーテンを少し引いて見詰める]
ふふ。 どんな子がいるのかしら。
[目を細めて口許に浮かぶ微笑。黒のドレスの裾から見える白い足首が揺れて、足を組みなおす。 彼女と、運転手しかいない車内で、くすくすと漏らす声。 扇情するような、仕草。 鏡を見て、髪に乱れがないか、メイクの具合はどうかと確かめて、やがて、車は別荘へと近づいていく]
(4) 2010/04/01(Thu) 01時頃
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― チェンバレン家別荘/一室 ―
さて、そろそろ出かける時間か……。
[青年は視線を落としていた革表紙のアルバムから、視線を上げた。壁時計を見やれば、そろそろ出発すべき時刻を指している。 開かれたアルバムには、一人の少女が作品に仕上げられていく様 ――白磁の肌にタトゥーが彫られ、ピアスの数が増える様が鮮明に記録されていた。
ルーカスに取って、『人間(奴隷)』は『カンバス』だ。 それは、父親から受け継いだ趣味。 ルーカスの手によって一つの作品と仕上げられた奴隷は、買値の何倍、時に何十倍の価値が付く。]
(5) 2010/04/01(Thu) 01時半頃
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今回は、私の眼に叶うカンバスは、あるだろうか。
[それ故にか、彼がカンバスを選ぶ眼は厳しい。 本業でなく趣味が為もあるのだろう。 金にも余裕があれば、気にいった作品しか手掛けようとしない。
しかしながら、最後の作品が売れてから、早2ヶ月ほど経っていた。そろそろ、創作意欲がむくりと頭を擡げ始めている。 暫く気にいったカンバスが見つからなかったが、今度こそは……と、密やかな期待が口を出た。
パタリ――アルバムが閉じられる。]
(6) 2010/04/01(Thu) 01時半頃
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爺、車を用意してくれ。
[時代錯誤なシルクハットを被りながら、 ルーカスは車の手配を命令する。 向かう先に、本日は自身の姉も来ることは、 おそらくはこの時点では*知らない*]
(7) 2010/04/01(Thu) 01時半頃
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[奴隷を買うのは、これが初めてではない。 夫が死んでからというもの、暇を潰すために奴隷に手を出したのがはじめて。
以前買った子は、息子に見つかって処分させられてしまった。 先妻の子である彼は、歳の余り変わらない彼女に対し、はじめは羨望の眼差しで、暮らし始めてからは同情を、彼にとっての父親が死んでからは、劣情を。 政略結婚、というよりも、彼女の父親と夫との間で交わされた約束のために嫁いで来たせいか、夫に対する情はそれほどなかった。 けれども、その息子を見る目も夫へ向けるものとそう変わらない。 書類上「息子」である以上は、とそれを理由にして誘いに乗ることもなく、だからこそ、お気に入りだった奴隷を処分されたのだが]
――二人、欲しいわ。 メイドと絡ませるのは、飽きたもの。 男でも女でも、番いで。
[くすくすくす、と声が響く。 目を伏せて、車が到着するのを待つ事に、*した*]
(8) 2010/04/01(Thu) 02時頃
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─ 薄暗い地下室 ─
「さぁさ、きれいにするんだよ。 御主人様に気に入られるように、きちんと磨きをかけなくちゃァねぇ?」
[せむしの老婆はしわがれた声で囁き、冷たい水に手拭いを浸した。 一糸纏わぬ姿のままおとなしく佇む女を、調度品の掃除をするように丹念に磨き上げていく。
女はほんの僅か冷たさに身を竦めたが、声をあげることは無かった。 ただ、ほんの少し眉が下がったくらい。]
(9) 2010/04/01(Thu) 02時頃
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道化師 ネイサンがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(道化師 ネイサンは村を出ました)
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いらっしゃい、お客様。
もう少々、お待ち下さいねぇ。
[道化は恭しく礼をする。そして、舞台袖の方を指差した。]
待ちきれぬ方は、あちらへ。 続々と、今宵の「商品」が届いて参ります。
(10) 2010/04/01(Thu) 02時頃
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―― ??? ――
[車から移されたのは時代錯誤の馬車。前方からカポカポと蹄が石畳を蹴る音が振り子時計のように規則正しく鳴っている。 肉の薄い尻の下で、ゴトゴトと馬車の揺れる振動が伝わっていた。ただ、その音と獣臭さと振動でしか、自身の状態を確認することができなかった。 銀鼠の睫毛も長く憂う葡萄酒色の瞳は、今は目隠しの奥に隠され、分かるのは怯えを見せまいと真一文字に緊く結んだ唇と、僅かの汗を浮かせた小造りな鼻梁のラインのみ。 その服装は、上流貴族のそれ。お仕着せの人形でなく、見事に馴染んだ深い藍色のシルクシャンタンの燕尾服。目隠しさえなければ、馬車で移動する貴族の御曹司そのものに見えただろう。 馬車が止まった。見知らぬ男が、急かしながら馬車を追い出す。視界が不自由なため一歩も動けぬ小さな影は、半ば引きずられるようにして馬車からその建物へと押し込められた。 ガシャン、と近くで金属の重々しい音がした。同時に、ひやっと左足首に触れる硬質の冷たさが、処刑台のギロチンを思わせる。 ただ息を殺して、周囲の状況を確かめようと、視覚以外の全ての感覚を研ぎ澄ませていた。 ]
(11) 2010/04/01(Thu) 02時頃
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[続いて櫛を通されていくブルネットの長い髪は、緩やかな川の流れのように僅かに波打って背の半ばまで。 いささか艶に欠けるけれど、香油を馴染ませればそれも補えよう。
清められた白磁の肌に着せられていくのは、黒革のコルセットにガーターベルト。網タイツの足元にはヒールの高い不安定な靴を履かされて。 程よく熟した優美な曲線を際立たせるそれは、凡そ衣服という用途を全く果たさぬような代物。 髪と同じブルネットの淡い茂みは、やや不安げに身を竦めて揺れた。
細い首に嵌められた太い鎖のついた首輪は、彼女が人ではなく愛玩用のただの生き物である事の証。 老婆に促されて差し出した両手は、胸の下で木製の手枷で拘束される。 柔らかそうな二つの乳房は丁度両腕に挟まれて、深い谷間を際立たせていた。]
(12) 2010/04/01(Thu) 02時半頃
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[赤い天鵞絨の敷かれた木箱へとそっと横たわり、蓋を閉ざされて小さく息を漏らした。
一度斜めに傾いで、ズルリと滑る音の後からは、道行く車輪の振動と先ゆく馬の蹄音だけ。
女は人ではなく、ただの高価な商品に過ぎない。 声も漏らさず、嘆くこともせず、ただの積荷として荷馬車に揺られてゆく。]
(13) 2010/04/01(Thu) 02時半頃
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―― 控え室 ――
[座らされた椅子は硬い木製。無骨な背凭れを後ろ手に抱いて、両手首が戒められる。 これでは、自身の手で目隠しを外すことは不可能だ。 そして左足からジャラリと下がった重い桎も、椅子の脚の一つと括られて、どうにも逃げ出せない状態。 ざわついた中にも異様な雰囲気を感じ取るも、これから何が起こるのか分からない。 ただ小さな獲物は時折びくりと肩を跳ねさせながら、少しも収まらない動悸を持て余していた。]
誰か……誰か。 どうなっている、ここはどこだ。
[家の再興のためには、莫大な金がいる。 融資してやると儲け話に飛びついてしまったことを、今更呪っても遅い。 世間知らずの坊やは、威厳を込めようと思いつつも、どうしても震えてしまう声で、あまり期待しないまま返答を待っていた。]
(14) 2010/04/01(Thu) 02時半頃
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― ??? ― [これは男が会場へ出かける数十日ほど前の話。 蝋燭の灯りだけで照らされた地下室に男は居た。 暗い部屋を良く見れば飛び散った肉片が散乱しているのが解るだろう。 血とたんぱく質が焼けたにおいに混じり、体液のにおいもある。 男が首を振るに合わせ、後ろで一つに縛った濃い金糸が揺れる]
だから、この間のは壊れたんだって。 いや……中から破裂させてしまって……ああ、そうだよ。 そろそろ新しい玩具がほしいんだ。 良いだろう?
[薄いシャツと黒のスラックスというラフな格好で、男はソファに座っている。 手にした受話器から電話越しに、相手へ甘く絡むようなバスバリトンで囁くのは愛の言葉でなく、金の話]
ニ三匹買えるくらいの金、工面してくれないか。 勿論――何時も通り礼はするからさ。
[薄い唇が歪む。 地下室からは、男の低めのバリトンが暫く会話を続けていた**]
(15) 2010/04/01(Thu) 03時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 03時頃
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―― ??? ――
[視界をひらひらとふさぐ布がうざったらしいったらなかった。 いつもは気にしたことはなかったけれど、こういうときはとても不便だった。 ディスターシャもそうだ。幾ら馴染めないからと言って着るんじゃなかった]
(逃げないと)
[ここが自邸であるはずなのに、何故その中で追いかけ回されているのか。 それもわざわざ、父のいない時に。まるで誰かの差し金みたいだ。 濃色の髪。この国の人間にしては幾らか明るい色の肌。硬翠の瞳。 そんなに、『誰か』は自分の存在が気に食わないのだろうか。 だからと言ってそう簡単に殺されてやるわけには]
───ッ?!
[衝撃。背後だったように思う。意識が濁って遠のいていく。 『殺すよりもっと面白くて有意義な遊びがあるさ』 転がる自分を見下ろしながら聞こえたその声は、確かに血の繋がった人間のものだった]
(16) 2010/04/01(Thu) 07時頃
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―― 控え室 ―― [どのぐらい意識がなかったのか。 それとも故意に眠らされ続けていたのか。 転がされていたのが解るのは関節が痛いからだ。
それだけじゃない。何やら枷のようなものまで。 勘弁しろ、と叫ぶよりも先に呆気にとられた。 格子の嵌った部屋。
*わけがわからない*]
(17) 2010/04/01(Thu) 07時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 07時半頃
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― 控室 ―
[控室の隅。暗い影の中。
重い左足は伸ばしたまま 右足は曲げて両腕で抱える。 その先の手首を繋ぐ枷。
ぎり、と奥歯を噛みしめるも 歯にはあたらず布を噛むのみ。
表情は両腕の内に隠す。 堪えるように 耐えるように。
残された眼差しは鋭く まるで、野生の獣に似て。]
(18) 2010/04/01(Thu) 10時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 10時半頃
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[身動ぎしても、ぎしぎし轢むのは椅子ばかり。拘束は緩まない。]
あ……。
[乳白色の素肌で感じる、人が増えた気配。 漏らした声は予期せぬ高さ。普段の低い作り声ではなく。 慌てて口を噤む。そして、また開く。]
だ、れ……?
[この世で自身の知己など、極少数であるのに。 話しかけても答えられぬ相手もいるなど想像もしないまま、虚空に何度も問いかける。]
(19) 2010/04/01(Thu) 10時半頃
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[金色の瞳は影の中から増えた人の姿だけを捉え 言葉を発する事を禁じられた口は沈黙を守る。]
――――。
[両手も動かせなければ目隠しをされた少年らしき人影に 手を伸ばすこともままならない。
自由がきく四肢は右足のみ。
溜息さえ白い布に吸い込まれれば金の瞳を細め ほど良い肉付きの腕で曲げた右足を抱え直した。]
(20) 2010/04/01(Thu) 10時半頃
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[――― ジャラ。
両手首を繋ぐ鉄の鎖の音が小さく響いた。]
(21) 2010/04/01(Thu) 10時半頃
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[自分ではない、鎖の音。潜めて消えそうな息遣い。]
答えないか、一体どういうつもりだ。
[不安は沸々と憤りに変換され、一層高圧的に問うものの、自身の姿を思えばそれは何と滑稽なことだろう。]
(22) 2010/04/01(Thu) 11時頃
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[繰り返す呼吸で口元の白布だけ熱くなる。
周囲を探る声の主に太めの眉を顰めて 肩を竦めるが相手からは見えるはずもなく
上から問うような言葉遣いに抱く感情は 違和感。]
―――――。
[タン タン と革靴先で床を二度叩いた。]
(23) 2010/04/01(Thu) 11時頃
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[「静かにしろ」と罵声が浴びせられる。が、それは望んだ答えではない。]
僕以外にもいるのか? ……Yesなら一度、Noなら二度、鳴らせ。 まずは了解なら一度。
[靴とも鎖とも言わず、やり易い方法で。 すーはー、上擦りそうになる声を必死で低く抑える。 手首には縄跡が痣になってしまっているだろう。緊張で手の平に滲む汗。]
……君は誘拐犯か?
(24) 2010/04/01(Thu) 11時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 11時頃
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[タン。 ――― 了解、と一度 靴先を鳴らし
タン。 他に誰かいるか ――― Yes、と靴先を鳴らし伝え
タン タン。 誘拐犯か ――― No、と二度 靴先を鳴らした。]
(25) 2010/04/01(Thu) 11時半頃
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[答えらしい答えが返ってきた。こくり、と細い喉元が動く。 質問は吟味して、最低限に。]
では、君も連れて来られた者か?
[我ながら、甘過ぎる罠にかかったものだと辟易する。]
ここがどこか分かるか?
(26) 2010/04/01(Thu) 11時半頃
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――――…
[続けられた問い。
… タン。 連れて来られたか ――― ゆっくりと一度靴を鳴らす。
タン。 ――― そして、もう一度、鳴らす。]
(27) 2010/04/01(Thu) 12時頃
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本当か!?
[まさか、分かるとは思っていなかった。 けれど、場所が分かったところで、何がどうなるわけでもない。 想像の限り、あらゆる場所を挙げた。気の遠くなるような作業。 けれどこうして気を紛らわしてでもいなければ、発狂してしまいそう。 公共の施設か、個人の邸宅か、屋内で間違いないか、時間をかけて行われる問答。]
……ご苦労。 ところで、君は、
[ここから逃げたくはないのか、と問いかけて飲み込んだ。 それが可能ならば、自分だってとっくにそうしている。]
男性、か……?
[特に何か判断材料があったわけではない。咄嗟に出たのはそんな滑稽な問い。 話し相手になってくれてありがとう、と。感謝の言葉がその唇から紡がれることはない。]
(28) 2010/04/01(Thu) 12時頃
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[無理やり連れて来られたわけではない。 これから奴隷として扱われるのだと理解したうえで この場所に、いる。
ただ、それを伝える術を今は持ってない。
誰かの家か別荘か、そのような場所の一室。 その程度の理解だが、少年に足音だけで伝える。]
―――?
[不意に問われたのは、自分個人に対するもの。 靴音は、一度 タン と鳴らした。]
(29) 2010/04/01(Thu) 12時頃
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そう、か……。
[安堵の溜息。強張っていた肩から力が抜けた。 どこか、自身を女性と知って娼婦の真似事でもさせられるのかも知れないと、危機感を抱いていたが。どうやら連中もまだ、自分の性別には気づいていないようだと。]
なら、連中の目的は何なのだろうか。 どうせまた、着せ替え人形にでもされるのか。 うんざりだな……。
[自身は、その容姿が周囲に抱かせる感想を熟知している。 素肌に触れるブラウスの生地は、シルクサテンの上質な滑らかさ。 襤褸を纏わされているわけではないことは分かる。]
この目隠しを外せ……はしないよな。クッ。
[ちり、と擦れた手首が痛んで顔を顰める。]
(30) 2010/04/01(Thu) 12時頃
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[目的は解らない。 肉体労働とかそんなもんだろうと思い込んでいる。
金色の瞳で少年を見つめたまま こちらからの問いは不可能状態で]
[タン。 目隠しは――― 外せない。
じゃら、と小さく両手首の鎖の音を鳴らした。]
(31) 2010/04/01(Thu) 12時半頃
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―別荘前―
[ようやく到着したのか、ドアが開く]
ありがとう。 荷物はお願いね?
あの子から連絡があっても、取り次いでは駄目よ。
[釘を刺すのを忘れずに、無口な運転手を見遣った。ストールを肩にかけ、胸元で合わせる。シルクで仕立てられた黒いドレスは、膝までスリットの入ったシンプルなもの。 間近で見れば、刺繍と、宝石が鏤められているのがわかるだろうか。
屋敷で出迎えた男に会釈をして中へと入る。 手元にはバッグと黒金糸で織られた洋扇子。顔の半分をそれで隠し、人に会えば小さく頭を下げた]
(32) 2010/04/01(Thu) 13時頃
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ごきげんよう。 後で、案内してくださる?
今は少し、身体を休めたいの。質のいいワインとソファが欲しいわ。
[バイヤーであるネイサンに会釈と挨拶をして、強請ると、用意されたソファへと身を*沈めた*]
(33) 2010/04/01(Thu) 13時頃
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畏まりまして御座います、奥様。 遠路はるばるお疲れでしょう。 飛び切りのワインを用意させますよ。
[心得たように頷いて、館の者に案内をさせる。会場の上階にある客間の卓上には、軽い茶菓子から香り高い紅茶、年代もののワインまで取り揃えられているのだった。 それも、今宵の客の身分を思えば、あって当然のものばかり。]
(34) 2010/04/01(Thu) 13時頃
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─ 更衣室 ─ [裏口からそっと運び込まれる化粧箱の中、長い睫毛を伏せて息を殺していた。 ぎぃ……と長い余韻を残して引き開けられる蓋。かけられた声に許されて、ようやく身を起こす。
使用人らしき醜女の、嫉妬と侮蔑の混ざったような視線。 困ったように目をそらし、俯いた。]
「これはまた、随分と趣味のいいお人形さんだねぇ。 またあの方が買っていって壊してしまうんだろうさ。」
[驚くことも、怯えることも、女には許されていなかった。 女に許されている表情は、憂いを帯びた淡い笑みのみ。
箱から下ろされて不安定なヒールで立つと、身支度を整えやすいよう従順に従う。 豪奢とも言える豊かな肢体と、それを際立たせる過激なボンテージを覆っていくのは、足首までの清楚な漆黒のカソック。 長い髪も白と黒のヴェールに覆われる。
見た目だけならば、敬虔な修道女だと偽れるだろう。 首にかけられているのは十字架では無く、鎖のついた首輪だけれど。]
(35) 2010/04/01(Thu) 14時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 14時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 14時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 15時頃
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[細く不安定なヒールの靴で楚々と歩めば、丸みを帯びた腰は自然と劣情を誘うように揺れる。
控え室でおとなしく待つように言われ、その中へと静かに入っていった。 目を伏せたままなのは、あたりを見回すことを許されていないから。 壁際に静かに、調度品のように佇む。]
(36) 2010/04/01(Thu) 15時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 15時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 15時頃
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― 控室 ―
[表情と口元を隠し膝を抱え 相変わらず部屋の隅から動こうとはしない。
左足の枷の先には鉄球と繋がっていて 逃げ出すことは不可能だと言っている。
鉄の匂い。 それが近いのだけは悪い気はしなかったが 他の状況は、いいとは言えるものではない。]
――――。
[新たな人の姿を>>36 金色の瞳でちらりと見た。]
(37) 2010/04/01(Thu) 15時頃
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──控室──
[言葉と音。通訳が無くても聞ける会話。 言葉も随分聞き取りやすい滑らかさで助かった。 これがスラングだらけだったら耳を塞ぐにも難しい。 母国語は当然。それから英語、フランス語。これは基礎教養だから大丈夫。 それから、邸にいた者から幾らか教わった片言の日本語。 これだけ解るなら情報はどれくらいか手に入れられる]
──…?
[ひとつ影が増えた。異教徒の服装。 微かに身を捩れば右半身の鎖が音を立てた]
(38) 2010/04/01(Thu) 15時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 15時頃
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[幾人かの人の気配に、恭しく一礼。 人とみなされぬ彼女に許された、数少ない反応の一つだった。]
(39) 2010/04/01(Thu) 15時頃
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|
[研ぎ澄ませた聴覚が、ざわめきと靴音の中から、僅かな衣擦れを掬う。]
また、増えたか。 言葉は喋れるか……いや、いい。 大方は把握したし、話したところで
[この状況から解放されるわけではないのだ。 流暢な上流階級の英語はさぞ聞き取り易いだろう。 今は、落ち着かせようと声調を低く保つことに、酷く神経を使っているけれど。 最早、どこか諦めも漂う溜息。]
(40) 2010/04/01(Thu) 15時半頃
|
|
…。
[入ってきた姿が揺れた。 それから、目隠しした子供。轡を噛まされた男。 よくよく見れば他にもっといたのかもしれないけれど、 今の時点で気づけたのはそれだけだった]
『───話すがいい。 ここに来た理由は解らんが、話し相手ぐらいにはなってやる』
[それは滑らかなクイーンズイングリシュ。それは問いかけの言葉。 諦観を示したようなその言葉>>40へと投げかける]
(41) 2010/04/01(Thu) 15時半頃
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|
[増えていく人の気配。 金の視線を向けるのみ。
言葉ないまま、英語が聞こえれば視線を移して 異国風の姿が目にとまれば、瞬きを一度。]
(42) 2010/04/01(Thu) 15時半頃
|
|
ほう、少しはまともな話しのできそうな者が来たな。 生憎ながら無駄話の相手は募集していないが。
[ツンと一度はそっけなく返すが、相手に視界の自由があれば、細く痩せっぽちな影が、必死に震えを隠そうと奥歯を噛み締めていることに気付くだろう。明らかに虚勢の痩せ我慢だった。]
理由、か……。
[金に釣られたなど、浅ましくて口にしようもない。それだけで羞恥と屈辱にあどけない丸さを残した頬が薔薇色に燃えた。ただ、]
それより、これからどうなるんだ、僕は。
[努めて冷静を装う。知りたいような、知りたくないような。]
(43) 2010/04/01(Thu) 16時頃
|
|
『何だ。聞き取りにくいとは言わせん』
[一つ視線がこちらを向いた。何やら瞬いたのが見えた。 金色をしている。夕日の沈む海の端線みたいな色だとおもう]
『無駄話とは、そんな形をしておいて、笑わせる。 つまらん疑心で身を滅ぼすくらいなら、今の状況を教えて下さいとでも 泣いて請うほうが利口ではないのか…子どもの考える事など、解らんがね』
[小さく溜息をついて、格子に凭れる。 右半身が動くたびに、鎖がじゃり、と歪な音を立てた]
『さぁ?概ね売りとばされるか、何らかの見世物にされるか。 まあ、臓器売買の商品にされるか…と行ったところが妥当かね。 健康な子供の臓器を欲しがる親は多い。 愛情があれば、親は子供の為にどれだけでも金を積む』
[まるで人ごとのように言ってのける。 状況を把握しているわけではない。けれど、推測は幾らでも出来た]
(44) 2010/04/01(Thu) 16時頃
|
|
こ、子供……だと……!
[ギシリ。一際大きく椅子が揺れた。自由な片脚が地団太でも踏むように床を蹴ると、ぐらぐらと危なっかしく傾く。]
無礼者! そういう貴様は子供ではないんだろうな!?
[苛々とそのまま天鵞絨張りの窮屈な靴の爪先が床を蹴った。]
見えないものは仕方無いだろう。 こんな悪趣味な連中だったとは。 ああ、莫大な金が動く、とは聞いたがな。
[相手の答えのどれも、胸中では予想していたことであり、また否定したいことでもあった。 むっつりと、いかにも不機嫌な顔の下半分、さらりと流れた銀の前髪が黒革のアイマスクと儚いコントラストを演出する。見様によっては、舞踏会用の仮面と言えなくもない。]
(45) 2010/04/01(Thu) 16時頃
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|
[>>44聞き取りやすく、丁寧な英語を話す異国風の男。 言葉を発せないのは見えている相手だったので
こく
小さく頷きを返す。
とはいえ金の視線は、鋭さを失わないままで >>45上がる声と靴先が床を蹴る音へと向けられた。]
(46) 2010/04/01(Thu) 16時半頃
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『お前よりもおそらくは少しは大人だ。別に子供ではないとは言わん。 無礼はどちらだか…まあ、欧州の人間はプライドだけはやたら高いからな。 好きに喚くが良かろうよ、お子"様"』
[見ているだけなら愉快。それがこんな状況でなければよかったなとは心から思った]
『金が動く───成程、これが、"遊び"』
[苛立ちが言葉に澱みを作る。 不愉快だ。不愉快で仕方がなくて、腹立たしい。 けれど現状、どうする事も出来ないなら静観するか、足掻くか]
『…それにしても、目隠しに轡に枷。おまけに格子。 まったく、好事家の趣味が聞いてあきれる』
[小さく頷く男を見た。自分よりも幾らか年かさに見える。 あまり明るくはない部屋では、陰影だけで年齢なんて幾らでも変化しそうだったけれど]
(47) 2010/04/01(Thu) 16時半頃
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諸事情で社交界デビューはしてないが、 これでもじゅう……!
いや、何でもない。
[思わず激昂して実年齢を口にしかけて、無理矢理口を閉じた。少し舌を噛んでしまった。 この背格好では、少年と思われていた方が得策だし、ずっとそう振舞ってきた。 レディの扱いとは無縁、ウィングフィールド伯爵のたった一人の跡取り息子。 実年齢からすれば、あまりに低すぎる身長と貧弱な体格を論われただろうから、悔しいが続きを飲み込む。]
遊び、だと? 永遠に重労働でも課せられるのかと思っていたが、 ……それではたしかに、大した金にもならんだろうからな。
(48) 2010/04/01(Thu) 16時半頃
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[轡と聞いて、先ほどの足音の返答の主に納得がいった。]
このあたりで有名な好事家、か。 思い当たる者もいるが、眠らされた間に車で何時間走ったのかも分からないからな。
[もしかしたら国外かも知れない。誘拐にしては攫う人数が多いようだ。 増して身代金を要求しても、最早少年に後ろ盾はなく、伯爵家には債務以外は残っていない。]
(49) 2010/04/01(Thu) 16時半頃
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『…社交界?は、これはこれは。 可哀想な血統書付きもいたものだ』
[血統書、という時点では自分もそうだが、最早そんな事はどうでもいい。 どうせ自分を売りに出した張本人は解っている]
『さあ、俺は"遊び"と言われてここに連れてこられた。 お前にとってはどうだかは、知らないね』
[遊び。とても趣味の悪い遊び。 檻から放り出されたら、きっとそこに待っているのはろくでもないこと。 格子に少し身を預けると、背中が真っ直ぐに冷たかった。幾らか寒くもある。 この気候と、僅かな光量から察するには、時刻ではないだろうということだけわかっている]
(50) 2010/04/01(Thu) 17時頃
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なんだ、集められたのは、 そういった身分の者たちばかりではないのか。
[ふ、と鼻から抜ける空気に嘲りが混ざる。]
遊び、ね。 趣味の悪い大人の遊戯がどんなものか、 僕には想像もつかない。
[せめて自由な首を横に振った。]
(51) 2010/04/01(Thu) 17時頃
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[交わされる会話。
思うことはあれど、表情は隠したまま 影の中で右膝を抱え続けている。
ただ、 遊び その単語の時だけは眉が顰められた。]
(52) 2010/04/01(Thu) 17時半頃
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『身分など、関係あるものか。 こんな場所に連れてこられるなんて金に困っているか、 よっぽどの物好きか───宜しくない血統書付き、そんなものだ』
[息を吐きだす。小さくくしゃみをした。 やはりこのような寒い場所は己には合わない]
『想像しといたほうが身のためかも知れん、とは忠告してやる。 実際どうなるかは…蓋が開けてのお楽しみ。かな』
(53) 2010/04/01(Thu) 17時半頃
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想像なんて……。
[今、この文字通り手も足も出ない状況より、酷いことなどあるものか。 くしゃみが聞こえる。 厚手のテイルコートは、肉づきの薄い身体を暖める防寒具としても役目も充分に果たしていた。]
風邪をひいても放置されるのだろうか。
[ポツリと漏らした独白は、肌寒い空気に溶けて消えた。]
(54) 2010/04/01(Thu) 18時頃
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『…。 お前は、何かを知っているのか』
[少しだけ。 光量の少ない部屋の中で金が揺れた気がしてちらりと視線を向ける。 轡は取って欲しいと頼まれたらとるわけだが、その様子もないなら 左手を伸ばすことも轡を外すこともきっとないだろう]
(55) 2010/04/01(Thu) 18時頃
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[硬翠の瞳がこちらを向けば一度瞬き 顔の表情を解るように膝を抱えた両腕の上に顎を置いた。]
―――。
[知っている事は少ない。 斜陽した家業が抱えた借金は、予想を超していた。
だから ――― だから 俺は、 ]
――――…。
[表情を険しくしたまま、首を振って>>55返事をした。]
(56) 2010/04/01(Thu) 18時半頃
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『事実は小説より奇なり。されど逆もまた真なり。 …保険をかけるのは、悪いことではないだろう』
[もう一つくしゃみをして、微かに震えた。 やはり自分にはこの場所は寒い。ちり、と微かに鎖が笑った]
……轡を外せと叫ばないのがその意味か。
[男>>56の表情、仕草。最早諦観に近いのだろうか。 思わず零れた言葉は母国の言葉。溜息が一つ。 空の見えない天井を仰ぐ。 微かな光に、空気の中の粒子がちらちらと輝いていた]
…これだから、欧州の人間は。
[小さく呟く。 何でもかんでも思い切りがいいととるべきか]
(57) 2010/04/01(Thu) 19時頃
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―――…ぅ?
[異国の言葉は理解できず、金の瞳を瞬かせる。 声は布越しで伝わりにくい。]
(58) 2010/04/01(Thu) 19時頃
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『───何でもない』
[微かにくぐもった声が聞こえた。 呻きに似ている響きだ。バザールの裏側で時折聞こえる]
『必要なら取ってやる。 そのままを望むなら、手は出さない。 どうする』
[空いた左手で、自分の口元を指差した。 男の同じ位置に在る轡を示すように]
(59) 2010/04/01(Thu) 19時頃
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[屈強な男が周囲から目を光らせているのが解る。 何度か暴れたせいで現状がある。
それ故、この猿轡を外すことを許可されるか解らないが]
―――――。
[金の瞳は鋭いまま、ひとつ頷く。 その後、先に と 視線を目隠しされたままの少年へと向ける。]
(60) 2010/04/01(Thu) 19時半頃
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そのままを望むわけがないだろう。 けれど……。
[この悪趣味な拘束を施した主も、まだそう離れてはいないだろう。 先ほどの怒鳴り声。身が竦む。 きっと殴られただけで、顔の形が変わってしまう。 連中は、本当に人形のように丁寧に鄭重にこの身を扱うけれど、それは抵抗をあまりしないからで。
想像力を働かせたら、あまり芳しくない結末が見えて。 ゆっくりと首を、左右に振った。]
どうせ、見えても碌なものではないだろう。 逃げ出せるならさておき。 欧州の、と言ったな。 ではネイティブスピーカーより堅苦しい君は アフリカか東洋の生まれかい。
[それでも混ざるは侮蔑の色。]
(61) 2010/04/01(Thu) 19時半頃
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轡の君は、大方縄でも噛み切ったか、 罵詈雑言が五月蝿かったかだろう。
[それでも、一時を紛らわしてくれたものへの心遣いとして、野蛮な、と続けようとした口を閉ざすことに成功した。]
(62) 2010/04/01(Thu) 19時半頃
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『解った。…?』
[ちゃり、と音を立てて立ち上がる。鎖はどれぐらいの長さがあるのだろう。 ただ、右手も、右足も鎖の先は鉄格子に繋がっていたから どれほどの距離を歩けるのかも解らないままだった。 歩いて長さを確かめるほどの精神的余裕は今ようやくここで生まれたといっていい]
…。
[金の視線は椅子の子供へと向かっていた。 そちらの目隠しを先に解けということだろうか]
(63) 2010/04/01(Thu) 19時半頃
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『残念だがどちらもはずれだ。 まあ、そんな選別を掛けたところで、肌の色ひとつ、ここでは意味がない。 どこの血統書付きだか知らんが、ここでは御大層なお子様の 身分一つ何の役に立たんとその体で思い知ればいい』
[立ち上がり、衣の裾を払う。 翡翠色は少し汚れてしまっていた。気に入っていたのにと思う。 身分が役に立たないのは自分がこうして繋がれている時点で 百以上に承知していたからこその言葉]
『それなら多少はお前と話すより幾らか喋れそうだ。 いっそ、お前が次に外した轡を使ってみるか。 見えても碌でもないというならその眼隠しは外さずとも構わんのだろうしな。 話せなくなれば、余計な会話もせずに済むだろうよ』
[ちら、と子供のほうを見てから足は男のほうへ向かう]
(64) 2010/04/01(Thu) 19時半頃
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無礼者、口を謹め! 僕は……僕は……ッ!
[華々しく名乗る伯爵家の名も、自身の子爵の地位も、地に堕ちて久しい。 ぎりぎり、と食い縛る歯が鳴った。]
どうせなら轡より耳栓がいいな。 下賎の言葉が届かなくなる。
[ふん、と流暢な英国語の聞こえてくる方に後頭部を向けるようにして顔を逸らす。心証は最悪だった。 喋られない方の男性らしきの方が些かマシだ。]
身分はなくとも、品性は失うべきものではない。
(65) 2010/04/01(Thu) 20時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 20時頃
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『無礼? 名乗りもせず、ただ自分の不愉快を撒き散らし 傲慢な言葉を投げるのがそちらの礼義か? …まったく、無礼はどちらだか』
[吐き捨てるように小さく呟いた。 その間に、鎖を歌わせながら轡の男に近づいていく。 右の手がどうにも重くて使いにくい事この上なかったが、 時間をかけて彼の轡は外されるはずだ]
『…品性、ね。まあ、好きに言葉だけでも飾り立てれば良かろうよ』
[そんな事、物の役にも立ちはしないだろう。 恐らく、この格子の外側では特に。 あったところでどうなるものでもないだろうから。 外した轡はどうしたものか。首を傾げてそれを見降ろした]
(66) 2010/04/01(Thu) 20時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 20時半頃
小僧 カルヴィンは、無視を決め込み、ずっと耐えている。下唇に血が滲んだ。
2010/04/01(Thu) 20時半頃
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―それは、1週間前のできごと―
[暗闇の中で、銃声が鳴る。
一発、二発、三発。
派手に飛び散る空の薬莢が、月に照らされてきらりと光った。]
(67) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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…、ぷ は ッ !
[外された猿轡。 布越しで生温くない空気を肺に吸い込む。]
あーー。 しんどかった。
[深呼吸をその後、数回繰り返してから 金色の瞳で猿轡を持ったままの青年を見上げた。]
(68) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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―1週間前―
[己に纏わり付く犬――野良犬にしてはやけに洗練された動きをした犬を撃ち殺し、女は唾を吐いた。]
チッ。何なのこれ。袋小路はよろしくないわね。 さっさとここから抜け――…っ!
[ルガーMk2を構え、女は追っ手の数を数える。全部で4人。1人あたり2発で仕留めるにも、弾数が1発足りない。]
そういうこと。さっきの犬はアンタ達の差し金だった訳ね。アタシもヤキが回ったものねぇ。こんなところでくたばるかもしれないなんて。
[そう言うと、不敵に笑って、コンクリートを蹴り上げ飛び出した。サイレンサーで口枷を架せられた銃が吠え、目の前の男が1人、また1人と血飛沫を上げて倒れてゆく。]
(全員を撃ち殺すことが不可能でも、逃げ出すことさえできれば――…)
[3人目を大地に転がし、残る1人に銃口を向ける。残りは1発。マガジンを装填している余裕は無い。ならば残された1発は目眩しにして逃亡するための「銀の弾丸」として使うしかない。]
[夜の街に、銃声が鳴り響く。 1発は、女がトリガーを引いた、ルガーMk2の遠吠え。 そしてもう1発、女の腹を撃ち抜く、マカロフの咆吼――…]
(69) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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[それから数日間、女は何処とも分からない場所に監禁されていた。その場所では、屈強な男が代わる代わるやってきて、女にとある用件を問うという光景がよく見られた。
『盗み出したデータの在処は?』
だが、女はそれに答えることはしなかった。何故ならそれが女の「仕事」だから。爆破テロの為の計画書を諜報部員に盗ませるのが悪い――それが、女が放つ唯一の言い分だった。]
[また、中には女の身体を蹂躙することを目的として其処にやってくる者も居た。この数日間で何人の肉棒を身体に刺されたか、数えるのも面倒だったせいもあり、女は全く覚えていない。
彼女の肉体に刻まれた無数の傷痕の中で、左胸の側部に刻まれた薔薇のタトゥーが鮮やかな色を放っている。それを観察しにくる間抜けも来訪したのだが、その件については割愛しよう。]
(70) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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[服用しているピルの効果が切れ、子宮から血が大量に流れ出し始めた朝から2日後のこと。「情報調達の道具」としても「玩具」としても利用価値の無くなった女が、何処かへと「移送」されることが決定したらしい。]
(馬鹿ねぇ……アタシの生理は3日で止まるのに。血ィ見てビビってンじゃないわよ。このインポ野郎共。)
[くつくつと笑いながら、女は乗り物――随分と時代錯誤な馬車――に押し込まれた。]
[空を見上げ、己が何処へ行くかを考える。考えても仕方が無いことではあるのだが。]
はー……煙草吸いた……
[女が盗み出した『計画書』は、既に彼女が所属する部隊に送信済みだった。そしてデータを送信したモバイルは、大きな河の底に沈めた。もし魚がそれを誤って食べてしまったとしても、それは魚の「自己責任」というものだ。]
[それと同じ頃。女が所属する部隊から、彼女が除名されるという処分が決定していた。だがそんなことは、彼女の中では全て織り込み済みのことだ。
――…己の存在など、あの河に棲む魚と同じものでしかないのだから**]
(71) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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ありがとよ。
[警備をしてる男たちの視線を察して 口数は少なく、礼を告げる。
それから唇を噛んでいる少年へ 姿勢を崩さないまま視線を向け]
口。 血ィ、出てんぞ。
(72) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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……ッ わかっている。
[それくらい。 恐怖に縮めたい身は椅子の形に縛られたまま、節々が痛む。 偉そうな方と違って、口調は粗いものに、ああこんな声だったのか、程度の感想。 どちらも願ってやまない、成人男性の低い声。無理をした作り声とも違う。 ただ今は、隙を見せないようにと全神経を尖らせて、]
なんだ、外しても 文句を言われたり仕置きされたりはなかったのか。
[良かったな、と呟いてそれきり、自分からは何も懇願はしない。]
(73) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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…。 『…別に』
[予想外。 きっとこちらはそんな顔をして、男を見下ろしていただろう。 何だ、この、まるで風船が割れたかのような。 とらないほうが良かったかもしれない、と、そっと思った。
この男、予想外に───喧しい。
唇を噛む姿をちら、と横目に見る]
『別に構いはしないだろう。 自分で自分を傷つけているだけなのだから』
[それは冷たい言葉だったかもしれない]
『己で商品価値を下げたと殴られるが関の山だ。 大体、品位だの何だのを気にするくらいならいっそ舌でも噛めば良いものを』
(74) 2010/04/01(Thu) 21時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 21時半頃
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[童顔と、よく言われるのは低めの背のせいもあった。 座ったままならそれも解らないのだろうけれど。
地声がでかいらしく声は潜め気味で視線を上に上げ]
なんだよ、その顔。 つーか、お兄さんこっちの人じゃねぇんだな。
見たことない服着てるし…
[ん?と同じように視線を少年へ向けて]
さっきは声出せなくてまともに返事出来なくて悪かったな。
目隠し取ってやりてーんだけど 足は重いし手は動かせねーしで最悪な状態なんだ。
(75) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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[壁際を飾る美術品のように、女はその位置から微動だにしない。 少年や青年の呻く声や悪態が聞こえれば、僅かに眉を下げるけれども。
助けなくてはと考えることすら、女には許されていなかった。 許されているのは、主となる方の言いつけに従うことだけ。 拘束された彼らが主の候補ではないことくらい、流石に学のない女にも理解のできる事実であった。]
(76) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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『別に、と言っている。 …なんだ、こちらの人間でなくてはいけないとでも?』
[見たことない、と言われた翡翠を軽く翻し、 結局は元いた通りに。金の瞳の男の傍らから格子の傍に戻る。 そのたびに、ちゃりん、ちゃりん、と金属は歌を囁く]
『本人は更に耳栓をお望みのようだ。 取らなくても構わんだろう』
[それが青年に返した翡翠の答えとなった。 ちら、と壁際の女を見てから、視線を伏せた。微動だにしない。 いっそあれぐらいに子供も静かであればよいのにとは思えども口には出さない]
(77) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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下賎に侮られたまま死んでは、 家の再興どころではない。 こんなところで遊んでいる暇もないはずなんだがな。
[フッと自嘲気味に血で紅い唇が笑みを象る。]
別にいい。貴君等の顔が見えても、 僕に何の得があるわけでもないからな。 むしろ、視えてしまったら、舌を噛みたくなるかも知れない。
[自己の境界もあやふやになってしまいそうな暗闇の中で、ぞくりと背筋を一度震わせた。]
(78) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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― 至るヨアヒム別荘 ―
[チェンバレン家別荘を出て、暫く。 チェンバレン家の長男は、高級車の柔らかな椅子に身を預けていた。過ぎ行く景色を眺めていれば、>>32見覚えのある車のナンバーと、その車を操る運転手を認めた。]
おや?あの車は姉さんのではないかな。
[すれ違うその先にあるのは、ヨアヒムの別荘しかない、か。 ルーカスは、片方の眉をひょいとあげた。]
……姉さんにも、困ったものだ。
[言葉とは裏腹、表情に呆れの色は微塵もない。 あるのは少しの微笑。 グロリアの名ばかりの息子が、彼女の気にいりの奴隷を処分してしまったとは、弟の耳にも入っていたようである。]
(79) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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いっそのこと、今度作る作品は、 姉さんに贈ってみるのも良いかもしれない。 流石に、実の弟からの贈り物を勝手に処分は出来ないだろうから。
[そんな思いつきを独り語ちる。 ――姉が、自分の贈り物(作品)を気にいるかは別である、が。
やがて、ルーカスの乗った車は、ヨアヒム別荘に静かに到着する。 ドアが開けられるのを待ち、運転手が差し出すステッキを取りながら、車外へと降り立つ。]
やあ、本日はお邪魔するよ。 ところで、私の姉も、今日は主賓なのかい?
[ルーカスを迎えに出たのは道化のような男だったか、否か。 見えた屋敷の者に、挨拶と問いを1つ。 返事はおそらくYesだろうか。 なんにしても、鷹揚にルーカスは1つ頷いて見せた。]
(80) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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嗚呼、そうだね、少し休もうか。
[此方が何か云う前に、先に姉の件>>33があったからか、 休息場所と飲み物を勧められた。 案内を受ける間に、オークションまで時間がまだあることと、 控室を覗いても良い旨が伝えられるならば、 気まぐれに控室に向かおうと思うやもしれぬ。]
(81) 2010/04/01(Thu) 21時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 22時頃
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別にそうは言ってねーけど…―――。
[金属音を聞きながら、彼を見送る。 ずっと静かに佇む女性の姿。 弁えてるその姿、時折視線の端に飛び込んでいた。]
―――――。
[家の再興。 言葉を止めて、また 顔の表情を隠すよう 膝を抱えた。**]
(82) 2010/04/01(Thu) 22時頃
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ええ、ミセス・チェンバレンもお越しですよ。 おや初耳でしたか。
[それは失礼致しました、と深々と礼をする。と、帽子が落ちそうになって、戯けて被り直して見せた。 毛染めをした黒よりやや緑がかった不可思議な髪が、道化の衣装の基調色と重なる。]
お寛ぎになるのでしたら、客間へ案内させます。 一足先に商品を眺めてみたければ、こっそりお通し致しますよ。
(83) 2010/04/01(Thu) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 22時頃
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[異国風の男と視線があった。 あまり見かけぬオリーブ色の肌は、育った屋敷の下人とも違う色。黒い毛並みは似ていても縮れてはいないし、ぽってりと厚い唇でもないようで。 混血は珍品だと笑っていた母の主を思い出す。 確かに珍しいなりに調和した姿は魅力的なものなのだろう。 アレならば先に買い手がつくだろうと、羨ましくも思ったなど言えぬこと。
いつも鏡越しに見る己の姿を思い出す。 傷一つなく美しい生きた芸術品になるべく育てられたハズなのに、それを台無しにする口元のホクロ。 そこが良いのだと、母の主は言っていたのだけれど…。 それでも売りに出すのだから、おそらく飽いて手放されるのだろう。 飽きられ手放されてここへ来たというのに、売れ残ってしまったら…。 そう思えば目元の憂いは僅かに深まるか。]
(84) 2010/04/01(Thu) 22時頃
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実の姉といえど、逐一行動を把握してる訳ではないからね。
[趣味と云えど、芸術家を気取っている貴族の男は、道化姿の人の、不可思議な色合いの髪をさり気無く灰青の眸で確認しつつ、薄く笑って見せる。]
一先ず、一服してからかな。 君が忙しいなら、他の者に案内させてくれ。 良いカンバス(商品)があることを期待しているよ。
[一足先に商品を……との言葉に、是と笑みを深めながら示す。 けれど、先に客間へと願い、ワインでなくアールグレイを1杯所望するのだった*]
(85) 2010/04/01(Thu) 22時頃
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道化師 ネイサンは、メモをはがした。
2010/04/01(Thu) 22時半頃
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― 現在/屋敷 ― [男はヨアヒムの別荘へとやってきていた。 迎えに出てきた者へ黒皮のジャケットを預けると、何時ものようなシャツとスラックス姿になる。 男の身分は此処に集まる貴族としては相応しいものではない。 が、纏っている衣服はラフではあるものの、オーダーメイドで作らせた一点ものだ]
今回は丈夫な奴が欲しいんだ。 使えそうなのはいるかい?
[道化の格好をしたバイヤーをみかけ、低い声で希望を口にする]
ああ、案内が頼めるなら。
[こっそりと。 >>83似た言葉を貰った男は、頷いてみせた]
(86) 2010/04/01(Thu) 22時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 22時半頃
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…誰が下賤だ。
[それは苛立ちに似た音の響きだ。 家の復興。それを聞いて男も黙ってしまっていた。 どうもこの面倒な感情の波には付き合いきれない]
『家、ね』
[小さく一人ごちる。 自分がいなくなったあと、あの場所はどうなったのだろう。 報道規制。隠滅。調査の手は、入らないのだろう。 そんなものは親兄姉の手にかかれば容易いのかもしれない。 自分がいた国はそういう国だから。
軽く天井をあおげば鉄格子の冷たさが後頭部にも触れる。 また小さなくしゃみ。女がこちらを見ていることなど、気づきもしなかった]
(87) 2010/04/01(Thu) 22時半頃
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紐 ジェレミーは、控え室の扉を開く。
2010/04/01(Thu) 22時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/01(Thu) 23時頃
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― 控え室外 ― [男は控え室までやってくると、道化と別れ扉の前へ立つ]
……
[ドアノブに手をかけ薄く開いた。 廊下の明かりが僅かに中へ漏れる]
(88) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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― 控室 ―
――――…ちりん。
[部屋の片隅で、小さく鈴が歌う。]
…り…―――ん。
[続けてもう一度。 むくりと、その音に合わせて影が動いた。]
(89) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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― 至る控室前 ―
[ゆっくりと紅茶を味わってから、ルーカスは宛がわれた客室を出た。室内ということもあり、シルクハットは客室に置いて来ていたが、男の手にはステッキが握られていた。 案内をかってでた使用人は、道化姿の者ではなかっただろうか。案内に従って控室の方へと向かう。]
おや……
[辿り着いた場所には、先人がドアを開けようとしている姿があった。シャツとスラックスというラフな格好は、主賓には見えない。しかし、だからこそ使用人にも見えず、商品(カンバス)にも見えない。]
……やあ、君も商品を先に確かめに来たのかい?
[やや躊躇って、ルーカスは先人に、そう声をかけた。 ――かの紐の噂は、このような場に居る者なら聴いたことはあるものなのだろうか?あるならば、返答によっては想い至るやもしれない。]
(90) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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―― 控え室 ――
何の音だ。 猫でも飼っているのか、ここは。
[不自由な視界に苛立ちは募る募る。 俯いた顔を少しだけ音のした方に向けるが、どうせ見えはしないのだ。 同時に、キィと扉が開く音も聴覚は捕えていた。]
(91) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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[ドアが開く気配にほんの僅か首をそちらに向け、息を詰めたままそっと道を開けるように身を引いた。
その後は調度品のように、じっと立ったまま。]
(92) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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――屋敷のある町近く――
[町行く人々が眼を奪われ言葉を失う。 ざわめきの波は人の塊を割り、まるで、 十戒。 文明も発達し機器もそろそろコードレスというこの時代に 歩く足音がたたないのは足裏を護るものが無いから。
黒塗りの輿(こし)を揺らさぬよう担ぎ歩く男達。 汗光る筋骨逞しい彼等が身に纏うのは、腰布ただ一枚だ。 担がれた八角形の輿の台座の隅には八本の細い柱が立てられ、 天蓋から流れる半透明な布の中、人が寝そべるシルエット。 柔らかい布紐は台から沢山流れ、男達の腰の辺りで揺れる。
何かのロケかとテレビカメラを探す人、 携帯電話に付属するカメラで写真を撮る人、 勇気を振り絞って何かがあるのか聞く人、 その異様な男達はそれらに対してアクションをする事は、ない。]
(93) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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―夕陽が照らし出す煉瓦道― [葡萄蔓の買い物籠にパンや、野菜、色とりどりの品物を詰め込んで 少女は帰り道を急いでいた。 横髪を編み上げたややふわふわなたっぷりした髪が揺れている。]
近道とは言え、この道暗いんだもの。でも急がなくっちゃ。ママに怒られちゃうわ。
[菫色の瞳はそんな不安げな心を映し出すようにやや曇る。]
……んっ!!
[背後から突然現れた何者かに口を塞がれ何かを嗅がされ、少女は気を失った。 買い物籠から買った物が零れ落ち、地面に転がる。
それだけが少女が“現実”にいたという証。
なんと言うことのない平凡な毎日。 そんな少女の日常は呆気なく終わりを告げた]
(94) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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[ゆっくりと、まずは床に手をついて。 次にその手を支えに身体を起こしていく。
艶を帯びた黒がさらりと垂れ、着崩れた着物から白い肌が顔を覗かせる。 身に纏った羽織の紅が更にその白を引き立てていた。
やがて身体を起こしきって、二度、瞬きを。]
―― じゃらり ――
[ひやりと感じる重み。 両の手首にはいつの間にか枷が嵌められていた。
そして、他に人が居る事>>91に気付けば、其方に漆黒の双眸を向ける。]
(95) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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ねェ、まだ着かないの?
[不意に布の隙間からほっそりとした指が覗き、 輿の横にぴたり沿って歩くスーツ姿の初老の男へと声が降った。 鼻下に整えられた髭を蓄えた男は声に顔を上げ、答えを返す。 輿とスピードを揃えたままの足並みがリズムを崩す事は、無い。]
(96) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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ん、そう。 嗚呼そういえば、ボクの秘緒(ひも)も来るかもね。 直ぐにでも欲しそうな声だったし…――久し振りに会うのも楽しみ。
[甘く耳朶を擽り纏わり着くような、ジャズシンガーのような掠れた声。 天蓋から降りる布の隙間から見えるのは指とシルエットのみ、 それに対して初老の男は笑みを添えて頷き返していた。]
(97) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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― 控え室前 ― [変わったベルの音が聞こえた。 しかし男は中へ入ろうとはしない]
……おや
[背後に近づく足音に気付いたのだった。 僅かに開いた扉は、僅か数秒で閉じられる]
誰かと思えば――
[振り返った男に丁度声がかかる。 薄い唇を持ち上げ、低い声で笑った]
そうだよ。 いくら俺でも、此処から黙って持ち去るつもりはないさ。
(98) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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久し振りだよ。 本当に…此処に来るのも、久し振り。
[言葉の最後は するり 消える指を追うように隙間を埋める布の中。
甘み抑え苦味感じられる香が薄く薫るのは、 寝そべる足元の炉から細く細くたち、 指を出していた間だけ隙間から僅かに漏れた、青煙。
紫油伽楠香――贈って呉れたのは電話の相手だったかどうか。]
(99) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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[男達の担ぐ輿は、大きな屋敷の前で止まる。 両開きの扉がゆっくりと開いて行くのは、内からの力。 輿の横に控えて居た初老の男が中に居た道化姿の男に話しかけ、 男達はそっと輿を床へと下ろす。 地面と水平を保ち続けるその腕は、見事という他なかった。]
(100) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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…?
[鈴の音。何かが開く音。 微かに格子の向こうに向けていた硬翠を再び暗い中へと向ける。 何だろう。思うだけなら無言でも出来る。 もう、何が出ても誰が来てもそれほど驚かないだろうという気分になっていた。 変な、覚悟のようなものが鳩尾の下に仕舞いこまれたかのような]
(101) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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…、……。
[黙ったまま、黒は其処に居た人を順に見ていった。 少し身体を揺らせばまた、りんと小さく鈴が鳴る。
その鈴は白い喉元に飾られていて。 少しつりあがった目じりと艶やかな髪も相まって、黒い飼い猫を彷彿とさせるだろうか。 尤も、「猫」と言った少年が此方の姿を伺う事は出来ないのだけれど。]
(ここは、……?)
[漸くその疑問に到達した頃、キィという音が聞こえただろうか。]
(102) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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[しゃらり]
[不意に耳に心地よい衣擦れの音をさせ、天蓋から吊るされた何枚もの薄布が開かれる。 そこに寝そべって居るのは、細身の人物。 柔らかくしなやかな薄布を幾重にも重ねた衣は、 何処の国のものとも知れない。 敢えて例えるならば、アラビアかインドが近いだろうか。
墨色の髪は光が当たると白銀に透ける。 形良く整った高い鼻に細い眉の下の濃い睫毛、横に長い瞳と薄い口唇。 ひとこと美麗と言えるであろう容姿は性別を感じさせず、 浮かべる表情は陰鬱な其れと 口元にだけ、微かに笑み。
気だるげに口唇から息を吐き、ゆっくりと立ち上がった。]
(103) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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後で荷物が来るよ。 部屋は何処?
[立ち上がると同時、輿を担いでいた男の独りが彼の足元に跪いた。 輿の内から布を持ちふわりと揺らすと、主が歩む道へと敷かれる。 影落ちる表情でそれを見て歩き出す客の後ろ、 無駄に長い薄布がヒラヒラ、まるで踊り娘の衣装のように揺れた**]
(104) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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[少女が目を覚ましたのは、見慣れない場所だった。 目に映ったのはやけに冷たげな天井だっただろうか。 そして次に気づいたのは両手が後手で重いものを括り付けられていると 言う感覚。 それだけでなく足も思うように動かせない。両足も拘束されているようだ]
(ママ…パパ…!! 助けて!!)
[声を出そうとしたのに声は出なかった。 それがさらわれる前に嗅がされた薬の所為だとは少女自身は 知る由もなく。
ただ、自分が寝かされている、やや固い寝台の感触が ますます少女の不安を掻き立てるものでしかなかった。 そして少女がまたあずかり知らぬことだが、 連れてこられた特殊さゆえに、また、他に連れてこられた者たちとは 別の控え室だったということも。たった一人。それが彼女の不安を煽る。 妙な足元からの冷たい空気もますます増大させていた]
(105) 2010/04/01(Thu) 23時頃
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―客間―
[部屋に流れるクラシック音楽。手に持ったグラスは空で、視線はグラスを通し、窓の外へ注がれている。 誰か他にも客が来たらしいと、立ち上がった]
どなたかいらした様ね? ねえ、それで、彼らは何処にいらっしゃるのかしら?
[彼ら――商品を指す言葉。 控えていた使用人に声をかけた。案内されるのなら、後をゆっくりとした足取りでついていく]
(106) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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― 控え室前 ―
嗚呼……
[彼とは何度か、このような場で顔を合わせたことがあっただろうか。低い声の応えに、ルーカスは灰青の眸を細める。 微かに開いて閉じた部屋からは、鈴の音がした。]
黙って持ち去って後腐れが出るよりは、 金に困ってないなら、きちんと清算する方が良い。
――君の主人が、金を出し渋るとも思えないしね。
[小さく肩を竦める。 さて、秘緒の主人とルーカスは見えたことはあったか。 ふっと思い立ったように尋ねる。]
君、一人かい?
[主人は?と、暗に問う言葉を向けた。]
(107) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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[一筋射した開扉の隙間も、黒革に覆われた葡萄酒色の双眸には届かない。 扉が閉じたのは分かったけれど、人の気配が増えた様子はない。僅か首を傾げる。]
(108) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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― 控え室前 ―
俺の主人? 何の話だ。
[男は首を傾いだ。 名は名乗れど身分を明かしたことは無い。 ただ、貴族ではないだろうことは仕草や態度を見ていればわかるだろう]
”友達”なら 今回は来ると言っていたよ。 久しぶりに会えそうだ。
(109) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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若者 テッドは、鈴の音に部屋の隅から、金色の瞳を自然と向けた。**
2010/04/01(Thu) 23時半頃
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[金属の音。鈴の音。 その二つは似ていて違うから、不協和音にしかならない。 空いた扉が閉まる音。それには今度は視線を向ける事はない。
顔を上げたのは、また女だったか。 喉元の鈴。まるで犬の鑑札だ。 その様子をただ見守るに至る]
(110) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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[廊下を歩き、向かうのは控え室。 顔は扇子で隠したまま、漸くあちらだと言われて見やれば、見知った顔がそこにあった]
――ルカ。 貴方も、来ていらしたのね。 そちらは、どちら様かしら?
[並び立つ男を眺める。洋装は一見ラフにも思えたが、その質は確かなものだとわかる。 ならば自分と同じ立場のものだと、笑んで見せた。
もっとも、口許は見えなかっただろうが]
(111) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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― 控え室前 ―
これは失敬。『友人』か。
[唇の端を僅かに持ち上げて見せた。 軽い謝罪は、彼の身分を貴族ではないと判断してのことか。]
お会い出来るなら、愉しみだな。
[云い終えた後、背から聴き知った声が掛った。 振り返り、向ける顔は、微笑。]
やあ、姉さん、ご機嫌麗しく……。 此方は、たまにこのような場でお会いする方ですよ。
[姉の姿に、ジェレミーを紹介する。 互いの名の交換は、当人同士に任せた。]
(112) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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貴方こそ、ご機嫌いかがかしら。お父様は、元気でらした? たまには顔を出せといわれるのだけど。
このような場、そう。
[軽く頷いて、ジェレミーの方へ会釈を一つ]
初めてお目にかかりますわ。 私、グロリア・チェンバレン、と申しますの。
[手は扇子に、もう片方は腰元に。 握手を求めるつもりはないようだった。 名を全て名乗ることはしない。ルーカスが知り合いならば、生来の姓だけで充分だと判断してのこと]
(113) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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― 控え室前 ― [男からは一切身分は明かさない。 ヴェスパタインが隠していなかったとしても]
いや、気にしなくて構わないよ? ――…嗚呼ほんとうに、愉しめそうだ。
[寧ろ奴隷と間違われないだけマシだと軽口を言い 固い靴音に視線を上げると、豪奢な黒のドレスに身を包んだ女が見えた。 ふと、印象がルーカスに重なる]
あぁ……
[姉と呼ぶ彼の言葉で納得に至った。 褐色の瞳を細め、唇を吊り上げる]
御機嫌よう、ご婦人。 私の事はジェレミーと呼んで貰いたい。
[そうして、男はルーカスにもした同じ自己紹介を彼女に向けた]
(114) 2010/04/01(Thu) 23時半頃
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[男は後ろ手で挨拶をかける。 握手を求められていないのは相手の態度で充分理解出来たので]
Gloria? 栄光――…輝くように美しい貴女に似合いの名だ。
[名を聞くと男は歯の浮くような台詞を送り それから少し照れ臭そうに俯いて片手で顔を覆った]
(115) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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ジェレミー? そう、どこか名のある家の方かしら? どちらでも、構わないけれど。
あら、お世辞がお上手ね。 栄光なんて言葉、余り私に似合う物でもないけれど。
[表情は変えず、ジェレミーを見詰めた。それも数瞬の事で、すぐにドアの方へと視線は移る]
その向こうにいるのでしょう? 貴方方は見にいらしたのではないの?
(116) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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こんな場所で身を明かすのは、お互いのためでは無いよ。 聡い貴女なら、わかるだろう?
[俯いた顔を上げると其処にはもう蛇を思わせる笑みがある。 落ちてきた前髪を片手で横へ流し]
見に来たのだけれど、中が暗くてまだよく見ていないんだよ。 そういえば変わったベルの音がしたな。 毛色の変わったのがいるのかもしれないね。
[ふと鈴の音を思い出して口に出す]
(117) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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[ちちち、と出血した下唇と舌で猫を誘う音を出す。 来いと招くのは背後に回された手でなく足。足招きとでも言うべきか。]
なんだ、猫じゃないのか。
[反応がないと、手慰みにもならないと、腹立たしいばかりの道程を反芻する。]
(118) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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[明るい光が差したのは、ほんの数秒の事。 また軽い音をたてて、扉は重く口を閉ざした。]
――――…。
[一体何がどうなっているのか。 だるさの残る頭と手持ちの材料で状況を把握するのは困難で。 じゃらりと冷たい手枷を触った後、もう一度他の面々を見た。 その時、此方を見ていた金色と目が合っただろうか。]
…あの、此処は……?
[問いかけるのは、東の国の言葉。 透き通るような声で紡がれるその言葉を理解出来る者は、どれ位居ただろう。]
(119) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 00時頃
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― 控え室前 ―
[そもそもジェレミーの身分に関して、ルーカスは特に気に止めていない。『主人』と出たのは、単純に推測に過ぎなかった。『友人』というならば、受け入れる。 この場では、どんな形であれ『金』があるものが、主賓だ。]
私と父さんは相変わらずですよ。 母さんも…ですけれどね?
[ジェレミーから姉へと、視線を移した男は、父の話題に、微笑を微苦笑へ変える。その後は、交わされる挨拶を眺めた。 手持ち無沙汰か、手に持ったステッキを、時折、掌に向けて打ち掴むという仕草を見せた。]
(120) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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――― ??
[再び聞こえたのは鈴の音ではなく異国の言葉>>119。 解らない、と意志を伝えるために首を振る。
左足の先に重い鉄球があるため 声の主へ歩み寄ることもできないまま 膝を抱えて蹲ったままの姿勢は崩さない。
ただ見慣れない衣服に、金色の瞳を数度、瞬かせた。**]
(121) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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説明は、そこの偉そうなのが教えてくれるよ。 生憎僕は、……。
[問う言葉は異国のもの。 通訳もなしに何故、と。 教養は欧州の言語だけで、東方の音に明るくはなかったが、おそらく自分と同じく「ここはどこ」から始まるのだろうと。視界が効くのならば、その分把握できることも多かろう。]
これは、いよいよ見世物小屋めいてきたな。
[屈辱だ、とさっき切れた傷が塞がらぬまま、また血潮が流れた。]
(122) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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それもそうね。気になさらないで? 貴方の素性を知りたかったわけではないの。
[笑みは絶やさない。 ルーカスから聞けた肉親の様子には、少しだけ目を伏せた]
相変わらずなの、そうね。お父様は、昔からそうだわ。 ベルの、音。何かしら? 可愛い子が欲しいわ、私。
[目に浮かぶのは、期待の色。扉の方へと近寄る]
(123) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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[起き上った女。 まるで猫を誘うような子供の仕草。 小さく、く、と喉が音をたてて笑った。
聞こえた声はどうにか解る言葉。 だから、紡いだ言葉も何処かカタコトとしていた]
───「だれモ、しラナイ」
[この原語に関しては、語彙は少ない。 それは尋ねた東の女へうまく伝わるのだろうか。 解らないけれど、試してみるだけの時間は与えられている]
(124) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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― 控え室前 ―
嗚呼、一先ず、中見てみますか?
[パシっとステッキと己が手で音を鳴らして、 2人の言葉を受けて灰青をドアに向けた。]
暗いなら、灯を持ってきた方が良いのだろうかね。
[さて、気の利く使用人がいたならば、 灯の一つや二つは用意してくれようか。]
私は、良いカンバスがあることを願ってますよ。
[姉の言葉に、それ以上肉親のことを洩らさないのは敢えてか。 商品に対する言葉にだけ、穏やかな声音で返した。]
(125) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 00時頃
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なんだ 俺と親密になりたいのかと少し期待してしまったのに。
[グロリアへそう笑って、扉へ近づく彼女のためにその場を退いた]
(126) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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灯りを落としているのにも、意味はあるんだろう 趣向の一つだと思えばいいんじゃないかな?
[ルーカスにそう告げる。 見える範囲が狭くなれば、一度に全員を見る事は難しいかもしれない。 それもまた良いだろうと、男は笑う]
(127) 2010/04/02(Fri) 00時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 00時頃
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[幾つかの人の気配、衣摺れ、微かな鈴の音。 話し声の幾つかは意味のわからぬ歌のように聞こえる。
一歩扉から壁際へ下がると、かつりと不安定な高いヒールが鳴った。]
(128) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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― 控え室前 ―
嗚呼、真っ暗という訳ではないのか。 ランプで一つ一つ確かめる趣向なのかと思ったよ。
――出来れば、眸の色や肌の色を確かめたいのだが、 はっきりと知るのは、本番ということかな。
[笑う男に、同じくルーカスも笑って見せた。]
(129) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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[室内の採光窓の具合も、現在の時刻も、視界を奪われた者にしてみれば大した問題ではない。 不可思議な発音のやりとりが為されるのを、聞くとはなしに聞きながら、先ほど開いたと思われる扉の方に、全神経を集中させていた。]
(130) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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カンパスね、貴方のそれに口を出すつもりはないけど、程ほどにね?
[ルーカスを見る視線は少したしなめるように見えるか]
あら、「客」同士が親密になるのは、どうなのかしら? 禁止はされていなかったように思うけど、推奨は、されないでしょうね。 でもごめんなさい? 私遊ぶ相手は選ぶのよ。
貴方を選んだら、私の方が火傷しそうですもの。
[くすくす、と扇子の向こうで声をあげた]
(131) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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|
[男たちの靴音と明らかに違う、華奢な踵にのみ許された硬質の音に、ガタリ、椅子が轢んだ。 淑女に許された装いの一つである拷問器具のように小さく踵の細い靴は、尽きせぬ羨望の対象だったから。 この場に、女性も居るのかと、胸に暗雲を抱くとともに、か細い呻きが零れた。]
(132) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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― 控え室前 ―
おや、「親密」には幾らか種類があるだろう? 安心して良いよ、貴女に火傷をさせる心算は無いんだ。 しかし交流が増えるには気にする必要は無いと思うが 残念ながら振られてしまったようだ。
[くす、とグロリアへ向け吐息で笑みを零し]
ああ、灯りが全く無いわけじゃない。 薄暗いから扉を開いただけじゃ見えないってだけさ。 檻もあるから、中へ入っても大丈夫だろう。
[ルーカスへ返事をする]
(133) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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『偉そうなのはいい勝負だろう。 自分を棚にあげるつもりか、お子様』
[見世物小屋。恐らくそれは間違いないだろう。 けれど歪んだ闇夜のムーランルージュと洒落込むには混沌としている。 もう一度溜息をついて鉄格子に頭を預ける。 幾らか温まっていたそれも、やはり最初は酷く冷たい。 また一つくしゃみが出そうだったけど、それは薄い翡翠の袖口で 無理やり音を押し込めてしまった]
(134) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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― 控え室前 ―
……姉さんみたいに、 物分かりの良い女性ばかりだと良いのですけどね。
[程々にという姉の言葉に、弟は薄く笑う。 同じ趣味を持つ父を母が理解してるかと問われると ――疑問が残るが。]
よろしければ、今度の作品は姉さんにお贈りしましょうか。 お気に召せば、ですけれどね。
[ふっと此処に辿り着く前に、思い立ったことを口にする。 しかし、火遊び云々に関して口を挟まないのは ――チェンバレン家が、ある意味特殊だからか。 そも、そうでなければ、姉弟揃ってこの場には居ないだろう。]
(135) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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ええ、そうね、ある程度距離を保った親密なら、ありなのかしら? 本当に貴方が残念におもってるのかどうか、わからないけど。 出会ったのがここでなければ、考えていたかもしれないわね。
[笑みは変わらない。ドアが開けば、中を覗きこむようにして、きらきらと目を輝かせた]
(136) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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|
此処で出会ったからこその交流があるだろう? ……例えば、お互いの玩具を交換したり ね。
[男はグロリアの背へそう言葉をかける。 扉が開いても入るのは一番最後にしようと決めていた]
(137) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 00時半頃
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― →控え室 ―
そうか、此処で立ち話も……だしな。 一先ず、入りましょうか?
[ジェレミーの言葉に、また一つ頷く。 扉はおそらく使用人が開けるだろう。 それを、貴族の長男は、当たり前のように受け入れる。 そして、レディーファーストと、姉を先にと促すか。 ジェレミーが最後に入る様子であれば、姉の後、2番手で部屋に入ることとなる。]
(138) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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|
達観しているといって欲しいわ。 貴方の作品を私に? そうね、悪い話ではないけれど、作品次第かしら? 私が気に入るような仕上げにして? 中途半端は、駄目よ?
[ルーカスにくすりと笑って。後からかかった声に振り向かず、扇子を振った]
あら、だって私、ここにきた目的は一つだもの。 それ以外の事に余り興味はもてないの。
[扉が開く。薄暗い中、鎖の音といくつかの気配]
(139) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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|
[扉が再び開かれた。足音が連なる。 ひゅっと鋭く吸い込んだ呼気。 アイマスクの作り出す仮初めの暗闇の中で、ひっそりと息を殺す。 恐怖を露にすまいとしても、健康的な乳白色だった皮膚は蒼褪めてしまっていた。]
(140) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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−控室−
…。
[今度こそ扉は開いたのだろうか。そんな感じの音がしていた。 格子に体を預けたまま、ちらりと硬翠を向けるのは音のほうへ。 少しだけ、翡翠のうすきぬを手の内に握りこんだのはきっと無意識で、 右の手が胡坐の膝からするりと落ちれば、ガシャンと歪な音がした。 はっきりと扉のほうから歩いてくる音に、向けるのは睨む様な負の視線]
(141) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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|
[重い扉が開かれ、外で立ち話をしていた気配がこちらへ視線を向けるように思えた。
壁際におとなしく佇んでいた女は、彼らに向かって優雅に礼をする。 人とみなされぬ彼女に許された、数少ない反応の一つ。 首に嵌められた首輪の太い鎖が、じゃらりと重い音をたてた。]
(142) 2010/04/02(Fri) 00時半頃
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[先を促されて中へとはいる。最初に視界に入るのは動くもの。修道女に見える女性が会釈するのが目に入った]
貴女は、ご自分の立場がわかってらっしゃるのね?
[その女性へ、檻の近くまで歩み寄って声をかけた。手を伸ばせば、届くだろうか]
綺麗な、肌。 そして綺麗な顔。 少し、熟れているようだけど。
(143) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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だ、れ……だ。
[擦れる声を生唾でを嚥下して励ます。]
この最悪の趣向の主か、それとも、
[助け、ではあるまい。 連れて来られた時に周囲を取り巻いていた男たちを薙ぎ倒すような英雄は、現実にはいないと身に沁みて知っている。]
(144) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[目が合った金色―――膝を抱えた青年は、ゆるりと頭を振る。 それは此方の問いかけに、答えられないと言っているようで。
次に返って来たのは、先程「猫」と言った少年から。 単語の端々は聞き取れたが、馴染みの無い言葉は早口に聞こえて、すっと身に入ってこない。]
…???
[黒を瞬かせていると、今度は翡翠の青年から声が返った。 青年の言葉は何処か拙いが、その言葉を聞くと少しだけ瞳を伏せる。]
…そう……、ですか…。
[呟いて。 床に視線を投げると、汚れてしまった紅色の羽織が目に留まった。 それは、母が旅立ちの際に着せてくれたもの。
そう、あの日の朝に―――。]
(145) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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|
― 控え室 ― [グロリアの声に男は返答をしない。 開いた扉から、廊下の明かりが控え室へ漏れるのは 男が入り扉が再び閉まるまでの間]
へぇ。
[甘く低い声で呟くと、革靴の音をわざと立てて格子へ近づいた。 向かうのは毛色の変わった異国の男の目前。 檻が間を隔てている]
今回は男を幾らか増やしたのか。
[別室に一人置いている事は、ここへ案内される途中で聞いている。数を合わせるつもりなのかと考えつつ近づけば、睨むような視線に気付く]
(146) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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|
[だるい頭が漸く起き始めた頃。 口を閉ざしていた扉がまた、キィと音を立てた。]
――――、…!
[今度は誰かが入ってきて。 びくり、と身体が揺れる。]
―― りりん… ――
[それに伴って、鈴も小さく歌った。
息を呑んで、口を結ぶ。 入ってきた人物に問いかける少年の姿を見れば、その話に真剣に耳を傾けた。 出来るだけ聞き取らなくては。 今は少しでも情報を得たかったから。]
(147) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[女性に声をかけられて、返す表情は憂いを帯びた淡い笑み。 失礼にならぬよう、視線は向けずに伏せたまま。 伸ばされた手が頬へ触れても、なにか反応を返すのは許されてはいない。
お褒めの言葉を頂いて、僅かはにかんだように頬を染める。]
(148) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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|
「…そのウチ、イヤでもワかるトキがくる」
[紅色は暗い場所でもよくわかる。 あまり期待はさせないほうがいいだろう。 そんな感情は、自然と拙い言葉で紅纏う女へと投げかけられたか]
───。
[足音はいくつだったか。そのうちの一つが傍で止まった。 単純に見上げているだけではない。 睨むようにその金の髪の男を睨んでいたか。 口は、言葉を紡がなかったけれど、はっきりとその唇の端に不満を描く]
(149) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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― 控え室 ―
[>>139姉の言葉に、小さく喉を鳴らしながら控室へと入った。 作品次第の前に、カンバスの影響も大きいだろう。 出来るならば2人。 姉の興味が向かう先を1人と、自分の興味が向かう先を1人。 落とせるのが理想かと、薄暗い室内で灰青の眼を眇める。]
おや、珍しいな。
[姉の興味は、修道女のような女に。 ジェレミーの興味は、異国の男に向かったか。
ルーカスは、鈴の音に惹かれるように、明らかに東洋人と判る女の元へと向かった。もしかすれば、金の眼がその様を射抜いていたやもしれぬ。金の眼にも興味を惹かれつつも、一先ずは、耳を欹てている様子の、その女に近寄った。]
(150) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[かかった声は少年のような声。 そちらを見ると、暗い中、幼く見える少年がいた]
誰、といわれても、今はまだ秘密かしら? ふふ。
それに、名を尋ねる時は、自分が先に言うものよ?
[指は、女性の肌に触れたまま、頬を染める様子に目を細めた]
従順な、いい子ね。
[どこかで鳴る鈴の音。ベルに似た音はこれか、と見回し、異国の少女が目に入る。面立ちが東洋のそれで、面白そうに微笑んだ]
(151) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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― 翡翠傍 ― [見下す視線は愉しげに細められている]
……ふぅん。 この服には見覚えがあるよ。
[香を買い付けに行った商人が確か似たような白い衣服を着ていた。 男は遠くに見える幾らかより先ず知った翡翠の装束を纏う者に興味を持ったのだった]
遠くから連れてこられて、大変だったろう。 体調は大丈夫かい? ああ、其の前に言葉はわかるかな。
[問いかけは随分と場にそぐわない。 囁きを落とすバスバリトンは矢張り何処か甘さが混じっている]
(152) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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良家の息子 ルーカスは、小僧 カルヴィンの声には、灰青を一度這わせたか。
2010/04/02(Fri) 01時頃
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……。
[嫌でも分かる時が来る。 翡翠の青年はそう言った。 影を帯びたその言葉。
嫌な予感は、既にしていて。 不安は徐々に募ってきていた。
東の国を発つ前の事を少しばかり思い出したから。]
あ…、…
[歌う鈴の音に、靴音が此方へと向いて。 一人の男が近寄ってくる。 少しだけたじろぐと、じゃらと鎖が音を立てただろうか。]
(153) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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僕はッ……、
[同じ偉そうでも、検分するかのような新たな入室者たちの空気は、自分に近い、或いは属するものの臭いがした。 知っている者が居て欲しいのか、居ないで欲しいのか。 惨めな姿を知られる屈辱もあったが、]
……シルバーバーグ子爵、カルヴィン・オールディス。
[継ぐはずだった亡き父のものでなく、自身の爵位を厳かに伝えた。]
今は、まだ……秘密……。
[女性のものと分かる台詞を繰返す。これから何かが始まるのか。 常に想像は最悪の場合に、と偉そうな声の主は言った。 ふるり、一つ拒絶するように頭を振る。]
(154) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[隣の部屋の喧騒はここまで伝わってこない。 怯える少女の不安感を煽るための趣向。 何も知らされず、突然つれて来られ、 ほぼ身動きできないように拘束されている状態]
(…誰か助けて!)
[ただ少女はわずかに身をひねるしか出来ない。微かに身体が揺れるたびに ひやっとした空気が少女の白い肌を撫でる。 その感触にますます怯え、やがて、瞼から涙が、下へと零れ落ちた]
(155) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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…。
[見覚えがある。 自国を訪ねたり、関わったことがあるなら見た事はあるだろう。 これが自国の伝統的な衣装だからこそ]
『寒い。それだけだ』
[発音は異国の風貌には似合わぬような滑らかさと正確さ。 その言葉だけで、男の問いかけをすべて満たしただろう。 何処か甘い響きが滲むのを感じたのか、硬翠は一層の鋭さを増す。 表情にしっかりと滲むのは嫌悪。小さく、吐き捨てるかのように]
(156) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[声が名を告げる。その名に眉を顰め]
子爵を貰いながら、何故ここにいるのかしら? でも、名を名乗っていただいたのですもの、答えるわ。 私は、グロリア、よ。
[姓は告げず修道女の傍を離れ、カルヴィンと名乗った少年の方へと向かう。檻をはさんでわかるのは、目隠しか]
(157) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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― 東の国の女傍 ―
……その服装は、チャイナではないね。 昔は黄金の国と呼ばれた国のものかな。
[女の傍に寄ると、格子越しか服を確かめ呟く。 チリリ、ジャラリと二つの音が重なる。 ふむ――と顎に手を宛て、彼の国の言葉を紡ぐ。]
『君は黄金の国の出身(ジャパニーズ)かい?』
[滑らかな和国語が、ルーカスの唇から流れた。 その背後で、少年が名乗りを上げるのを聴いた。]
(158) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[何か見世物に相応しい、目に留まるものが別にあるのだろう。 自身の上を視線が辿る感じはあまりなく、早鐘を打っていた心臓も次第に落ち着き始める。 遠くから。珍しい。そんな単語が拾えれば、矢張り見世物小屋なのだろうかと、嘲蔑される自身を想像して、羞恥に僅か身悶えた。 震えを抑制しようとしても、キシキシと椅子は笑う。 アイマスクの下で、ずっと伏せていた睫毛を一度しばたたいた。]
(159) 2010/04/02(Fri) 01時頃
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[青年から返って来た言葉は意外にも流暢だった。 睨む相手を見遣る瞳は相変わらず愉しげに細めている]
寒いだけなら問題ないな。
[風邪は引いていないようだとわかる。 男は彼に防寒具を与える事をしなかった。 奴隷に慈悲が必要だと思ったことは無い]
病気をしているわけでなし ……育ちの割りに、丈夫そうだね。
[憶測を挟んでものを言う。 言語教養のある者でも、幾らかイントネーションは違うもの。 それを此処まで使いこなせるとなれば――と。 少し向こうで交わされる幾らかの言葉は耳に入っているが 其方へはまだ、反応を向けない]
(160) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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それは、僕が聞きたい。
[どうやら相手は名を知らぬよう。 そしてまた、耳にした名も親しい内には聞き覚えがなかった。 安堵と失望が同時に押し寄せる。 父が失脚した経緯を語るには、高すぎる矜持が邪魔だ。 憫れを乞うという術を、少女は未だ身につけていない(からこうなった)]
レディ、御尊顔を拝謁しても?
[紳士たれとの教育で叩き込まれた。 暗に目隠しを外して欲しいと乞うにしても、あの偉そうな声の主に向けるより幾らかマシだ。 心持ち顎を上向けて、どちらに居るか分からない女を探して首を巡らせる。]
(161) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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爵位や身分は、ここでは関係ないと。
どこかの偉そうな男が言っていましたが。 そういうこと、なのでしょう?
[一応、聞き分け良い『コドモ』を演じてやる。 荒縄と毳立った粗末な椅子は柔らかな皮膚を傷つける。 そして左足の枷。 自身と近しい身分の者に、その姿を見られることは憚られたが、それならこちらからも相手を検分してやろうと、もう一度ゆっくりと瞬く。長い睫毛が柔らかな革を打った。]
(162) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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[…いい子ね。 その言葉が耳へと甘く響く。 控えめに小さく頭を下げ、やわらかく笑みを浮かべた。
機嫌を損ねてはならない。気に入ってもらわねばならない。 選んで頂けたら、それだけでこの身分にとっては幸せなこと。
他へと興味が移る様子に、ほんの僅か寂しそうに眉が曇った。]
(163) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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ここにいるあなたに聞くべきではなかったかしら? 私の顔を? 良いけど、そういう時ははっきりとお願いしなさいな。目隠しを取ってくださいって。 [目隠しへと手を伸ばした。下ではなく上へずらせば、少年の顔が薄明かりの中見える]
あら、存外綺麗な顔をしているのね。女の子、みたいだわ。
[痩せた身体は、少し丸みを帯びているようにも見えた。 アイマスクはずらしただけで、何かの拍子に下がってしまうかもしれない。 顔は半分隠したまま、カルヴィンへと微笑んだ]
(164) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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[男は目の前で立ち止まると、灰青の瞳で此方の姿を観とめる。 その様子に警戒しながらも、紡がれる言葉には必死に耳を傾けて。 格子の向こうの男なら何か知っているかもしれないと、頭の中で文を組み立てていると。]
―――…!
[男が話す流暢な母国語に、漆黒は丸くなった。 問いかけに、こくりと頷いた後、少しだけ身を乗り出す。]
あ、あの…っ! …此処は、何処なんですか?
貴方は…、…?
[募る不安を打ち消したい、そんな一心で。 透き通るような声は少しだけ焦れた色を帯びていた。]
(165) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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[ステッキを持った男から、己よりもずっと流暢な日本語が聞こえれば 赤い衣の女への説明はそれで済むだろうと日本語を話すその頭は 暫く英語に集中するために切り替えられる]
『そこまで柔でもない。 体の丈夫不丈夫はきちんと鍛えさえすれば防げるものだ』
[育ちの割に。こちらの素性を知っているとでもいうのだろうか。 勿論言ったつもりはないが、親と関わりがあれば知る者もいるだろう。 ゆっくりと瞬きを一つ。睨む視線が男の前から消えたのはその一瞬だけ]
(166) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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へぇ。
[相変わらず睨みあげてくる青年に、男は矢張り愉しそうに笑っている。 甘く囁くような声は其れが地声だと彼に伝わっているかどうかは知らない]
鍛えているのかい? なら、多少の無茶も大丈夫かな。
[片手を顎に、もう片手は其の手の肘を包むようにして考え込む。 上から下まで、翡翠を纏う彼を見遣ると、一人納得したように頷いた]
(167) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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[少女のように可愛らしい顔。そう評して、飾り立てられるのはいつものこと。 線の細い輪郭に小作りな頤、肌理細かで弾力のある頬、涼やかながらも大きな葡萄酒色の瞳。端正な、と言って過言でないだろう、本当に少女なのだから。 爵位をもちながら、必要以上の肉をつけぬよう食事制限が設けられていたのも、少年に見える体躯を保つため。 久方ぶりに光を取り戻し瞳孔が大きく潤んだ瞳にも、仄暗い室内はちょうどよかった。思ったより近くに、婦人の顔。予想していたより年嵩だったが、その感想は述べてはいけない気がした。 乏しい明かりの下でも、纏うドレスの値段くらいは分かる。 そして、隔てる鉄格子と、朽ちかけた椅子の酷さまで目の当たりにして、歯軋りした。 本来なら、自分も『あちら側』の人間のはずだ。 が、強張る表情を何とか引き攣らせながら笑みを作ろうとする。 扇から覗く、グロリアと名乗った婦人の顔半分、その瞳をひたと見詰め、]
まだ、少し……。
[首を傾けながら完全に取り去って欲しいと願ったところで、無情にもずり落ちた憎き黒革に、またも視界を障られた。]
(168) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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[不安そうな声をあげる者たちを、見るとはなしに眺めている。 この世界しか知らない自分と違い、彼らは外の世界や自由を知っているのだろうか?
そんなものを願うことなど、生まれた時から許されては居なかった。 値踏みをして行くお客様の様子を、視線を向けぬままそっと伺った。]
(169) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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― 東の国の女傍 ―
『嗚呼、ジャパニーズで正解か。』
[仕事のため、または趣味として、語学はある程度習得している。 ジャパニーズマネーの大きさは、知れたところ。 故に東の国の言葉は、滑らかに話すことができる。
焦れたような女とは違い、男はあくまでゆっくりと構える。 問いかけに、持っていたステッキの先が、女の喉元に伸びる。 チリリ――鈴の音が触れて響くか。]
『私は、しがない芸術家さ』
[柔らかく微笑みながら、嘯く。 此処はどこの問いに、少し考えるような間が開く。]
『此処は、君の運命を決める場所、かな』
[薄闇の中、灰青を細めながら漆黒を上から見下ろした。]
(170) 2010/04/02(Fri) 01時半頃
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『馬から振り落とされないくらいには』
[あの動物と付き合うには幾らか体力も技術もいる。 馬に乗るのは好きだったから、自然とそれだけの体力がついただけの話。 別段意図的に鍛えているわけではないから、翡翠のうすきぬで包まれた その体は鍛える、というよりは細く締まったという印象に近い]
…ふざけたことを
[零れたのは自国の言葉。 無茶。この場で何が始まろうとしているのか、まだ解らない。 推測はできるがそれは確信ではないのだ。 甘く囁くような声が妙に感に障るのは大嫌いな兄に似ているからだと気づいた。 そんな事、勿論言うつもりはないわけだが、思いだしただけで更に表情に 不愉快という名前の色が添えられる]
(171) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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[周囲を観察する暇はなかった。チッと内心だけで舌打ちする。 はらりと同時に零れた銀糸が、頬を擽った。]
(172) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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何かしら。言いたいことがあれば言っていいのよ? 他の方がどう思うかわからないけど。
[少し、と聞こえたところで又アイマスクが下がる]
取り去ってあげても良いのだけど、そうしているのも可愛らしいわ。
[口許に笑み。 聞こえた異国の言葉、弟と違い、喋ることは苦手としていたが、聞き取るのは可能で]
事情わからないのね。 綺麗な、黒髪。
[艶やかな、闇の中でもわかる黒髪。 檻の中を見回して、もう一人いるのに気づいたか。 少し離れていて、傍には寄れなかったが]
後は? 他には、いないの?
[数を確かめるために、たずねる]
(173) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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はい、ミセス・チェンバレン。 実は……。
[こっそりと、影のように入室していた道化が耳打ちする。]
別所にもう一人、娘が。あちらも眺めるだけですが。
[案内致しましょうか、と屈強な男を連れて来る。 逃げようとしたなら取り押さえるための、用心棒だ。]
(174) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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[馬、と言う単語に思わず男は噴き出した]
っくく、馬か。 そうだね、振り落とされちゃ話にならない。 しっかり乗ってくれなくては。
[肩を震わせ、笑いを堪えながら話す。 恐らくはそれも気に障ったのだろう。 しかし男は彼の毀れた言葉を解さない]
精々体調管理には気をつけておくんだね。 また後で、Jade。
[男は彼に勝手に名をつけ、そう呼んだ。 不愉快そうな表情すら、男の嗜虐心を煽るだけだった。 愉しげに、満足した様子で踵を返す]
(175) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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紐 ジェレミーは、ふと壁際の修道女に視線を止めた。
2010/04/02(Fri) 02時頃
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[ネイサンの耳打ちににっこりと微笑んで]
なら、案内して頂戴? 眺めるだけでもちろんいいのよ。
そんな無粋な用心棒も要らないわ。 ちゃんと枷は付けているのでしょう?
[カルヴィンの前を離れ、速く案内しろとばかりにネイサンへと歩み寄った]
(176) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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長老の孫 マーゴは、すすり泣く音が聞こえるだけで声は*上げられず*
2010/04/02(Fri) 02時頃
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はぁ、まぁ……動けないように、とは聞いていますがね。 その辺の村娘を適当に攫った来たみたいでして。 騒ぎにならないよう、お気をつけ下さい、奥様。
[エスコートする先は、案内も不要な隣室。 けれど堅苦しいのが、この場のお決まり。]
起きてますでしょうかねー。
(177) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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[周りで交わされる会話。 しかし今は目の前の男との会話だけに集中していた。 馴染みの無い無数の言葉を集めるよりも、 慣れ親しんだ一つに絞った方がきっと効率がいいだろうから。
相手の返答を待っていると、男のステッキが此方へと伸びて。 それには少し顔を強張らせたが]
――…ちりん。
[ステッキは首元を触れ、鈴は一声啼いた。 見上げる男の顔には、柔らかな微笑み。]
(178) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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芸術家…?運命…?
[此方の問いに答えた男の言葉を、鸚鵡返しに追う。 細められた灰青にはどきりとして。 ぱっと少し俯いて、視線を床に投げた。]
あの…意味が、よく…。 私は、行かなければいけない所があるんです。 此処から出して頂けませんか? 一分でも、一秒でも無駄にはしたくないんです。
(179) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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……ッ
[苛立つ。癪に障る。何なのだろうこの男は。 馬という単語が何だというのだろう。 はっきりと舌を打った。包み隠すことはない。 品がないと言われたところでそんなこと気にするつもりもない]
『…下らんことを』
[翡翠(jade)。それはおそらくこのきぬのせいだろうと解っている。 二度と会いたくない。そんな言葉を吐きだしてしまえばよかったか。 大きな溜息と不機嫌そうな表情。 格子に身を預けたまま、不愉快は尚も表情を染める]
(180) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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それは大丈夫よ。声をあげられるようなことは、しないわ。
[案内された隣室へと足を運ぶ。村娘と聞けばそう、と軽く頷くだけ。扉を開くと、寝台に寝かせられた少女がいて]
ここで一人? それは少し、寂しいわ。
[寝台のほうへと歩いていく。手足とも拘束されていて、又声も出ないようだった]
(181) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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[青年が不愉快そうにすればするほど、男は満たされた。 くつくつと哂い、その場から離れる。 気付くとグロリアの姿が無かった。 満足したのだろうかと、特に追いかけることはしない。 それよりもと 男は先刻目に留めた修道女のいる壁が見える位置まで行くと、声もなくただ不躾にその様を眺めた**]
(182) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 02時頃
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― 東の国の女傍 ―
[背後でかわされる会話は、頭に止まっているかはともかく、ルーカスの耳に届いてはいる。少なくとも、姉の言葉>>173には、弟である彼は「そうですね」と此方の母国語で相槌を打った。]
『行かなければならない所、か。
さて、困ったな……。 君の願いが叶うかどうかは、君の運命を握る人次第だよ。 私もその一人だが。 私が君の願いを叶えるという、保障は出来かねる。』
[女が俯くと、ルーカスはステッキの先を手の内に握った。 そして謎かけのような言葉を、落とし]
『君の願いを叶えてくれる先に、 【買われる】と良いね。』
[微笑と共に、最大のヒントを与えると、ユルリと踵を返した。]
(183) 2010/04/02(Fri) 02時頃
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[その後も、頭を振ったりして何とか目隠しを外そうと試行錯誤するも、結局再び光を見ることはなかった。 体力はあまりない、増して男のそれと比べるべくもない。 無駄に疲れたと、見えた範囲の情報を総合する。 莫大な金の出所は、先ほどから入退室を繰返す貴族風の者たちだろう。 集められたのは、遠路はるばる、異国人まで混ざって多種多様で男女は恐らく半々。それでも『男を増やした』らしい。]
出資者を求めるのならば……。
[先ほどの婦人に取り入れば、気に入られれば、叶うだろうか。 少女は未だその薄い胸に、儚い希望を抱いていた。]
(184) 2010/04/02(Fri) 02時半頃
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[硬翠の瞳を眇めて離れる男を睨み、 それから格子の向こうに背を向けて息を吐きだす。 僅かな光に、照らす明かりが幾らか増えて格子のうちの様子も 幾らかはっきりとこの目に映る]
(買われる)
[それは片言の日本語を使う聴力でどうにか拾った単語。 ああ、結局予想は当たりなのだと思うと鳩尾の辺りがひやりとした。 ただでさえ自分の肌に合わない室温は微かに身を震わせて、 格子に繋がれた鎖がちりりと歌った]
(185) 2010/04/02(Fri) 02時半頃
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[すすり泣くような声が聞こえた。 少女の傍によって行くと、眼は開いただろうか]
貴女も、囚われたの。 ……寒そうな、足元ね?
[拘束された足元、ひらりとスカートを捲った]
生娘かしら? なら、大切に扱わなければならないわね。
[くすくす、と笑い声を漏らす。捲られたスカートの下、少女は何もはいていなかった。取られてしまったのか、どうか]
(186) 2010/04/02(Fri) 02時半頃
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[踵を返せば、姉が別室へ向かう様が。 ジェレミーが、修道女の元に向かうのも灰青に映るだろう。]
今回は随分、面白いカンバス候補がそろったものだね。
[ジェレミーとは間を置いた位置、壁際で男は嗤う。 薄闇に眼を凝らして、今此処にあるカンバス候補を値踏みする。
――さて、次はどれを間近に見ようかと。
金の眼が印象的な青年は、名を聴けば、思い至ることもあろうか。 姉が興味を抱いて、今ジェレミーの視線を浴びている修道女。 明らかに異国風なJadeと呼ばれた青年も良い。 爵位を持ちながら此処に在る、目隠しと戦っている、傍目少年。 別室に居るというカンバス候補も気になる。
東の国の女の反応はいかがだったか。 灰青はそれぞれを映しながら、少しの間、妄想に耽る**]
(187) 2010/04/02(Fri) 02時半頃
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[男の話は、やはり不透明で。 此方に向けられる言葉は理解できても、内容が理解できない。]
―――…え?
[更に続けられた、謎かけのような言葉。 それに顔を上げ、男を見上げる。 此方に向けられる微笑。 確かに笑っているのに、その笑みは不安を掻き立てていく。]
あ、っ…!待っ―――
[懇願するような瞳で、踵を返す男に手を伸ばそうとしたが、ずしりと重い枷が邪魔をして咄嗟にその行動は叶わない。 ぐらりとバランスを崩しその場に蹲ると、ちりんと鈴が啼いた。 男は振り返ったか、否か。]
(…ととさま、かかさま……。)
[蹲り、目に留まった紅い羽織をぎゅっと掴んで想うは、母国の父と母。 その、父と母に「売られた身」である事は――未だ知らず。**]
(188) 2010/04/02(Fri) 03時頃
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[触れようとしてやめる。スカートを元に戻し、今度は少女の顔を見下ろした。 まだあどけなさの残る少女]
可愛い顔。 助けて欲しいの? ごめんなさい? 私の一存では、無理なのよ。
[笑って、その髪の毛を撫ぜた。顔にかかった髪を避けて、乱れた髪の毛を手櫛で梳いてやる。 整え終わると、微笑んでから、その場を後にした]
あの子、傷避けないでちょうだいな。生娘なら、なおさら買った後が愉しみだもの。
[ネイサンの耳元で囁いて、控え室へと*向かった*]
(189) 2010/04/02(Fri) 03時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 03時頃
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[鈴の音がしていた。出られない。 出るなら、死ぬか、買われるか、そのどちらかとそういうことだろう。 それこそ、舌を噛むのが一番早いだろうに。 けれど他の檻の鳥がそんな素振りを見せない理由が解らない。
何を望むのだろう。金か。自由か。 流石に悦楽という発想は己の中にはなかった。 まさか自ら進んでこのような場所に来る者がいるなんて 流石に発想できるほど柔軟な頭ではなかった]
…。
[空も見えない。空気の粒子はまだちらちらと揺れていた。 小さく吐き出した息は白く濁ったりしなかったけれど、 胡坐の上に投げ出された手は爪先へ近づくほど酷く冷たかった]
(190) 2010/04/02(Fri) 03時頃
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本屋 ベネットは、軽く目を伏せて、また溜息を───ひとつ*
2010/04/02(Fri) 03時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 03時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 09時半頃
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[格子越しに投げかけられる不躾な視線。 飾り気の無いカソックの布越しに、内側の淫らな…下着とも言えぬような服飾品を見透かされているかのような心持ちで、ほんの僅か身を固くした。 前で組んだ手は、まるで見えない枷に封じられたよう。 右手の上に左手を重ねて押さえる姿勢は、服従を表すのだと躾けられていた。]
[ヒールの高い靴で不安定な足首。緊張しきった脹脛に太股。 コルセットに絞められた細い腰から尻へと描かれる優美な曲線。 蛇のようにねっとりとした視線に耐えきれず、紅の塗られぬ薄い唇の間から僅かに漏れる吐息。 両腕に圧迫されるように誇張された胸は、呼吸とともにゆっくりと上下する。
されど、視線を遮ることも…ましてや熱くなる身を知られることなど許されぬ。 女は人としてみなされず、一切の意志も自由も許されぬ。 許されているのは、促しに従うことひとつのみ。]
(191) 2010/04/02(Fri) 10時頃
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|
[壁際の修道女の内側を知らない。 ただ、上から下まで舐めるような視線は、薄明かりの中で 細く高いヒールの靴に目をとめてはいた]
……
[声もなく、ただ蛇のような笑みを浮かべ 両腕に挟まれた胸元が上下する様を暫く見ていた。 それでも相手が拒絶も不安も抱えぬ様に見えると、男は首を傾ぐ]
御前は従順そうだね。 現状に不安や不満は?
[存分に視線で冒し終えると、低く囁いた。 両手は後ろへ。檻越しといえど、商品へ手を伸ばす事はしない]
(192) 2010/04/02(Fri) 10時頃
|
|
― 客室 ―
[豪華な屋敷の割りに調度品が少ないのは、変わった客が多いからなのだろう。 そう、この男のように。 屈強な男達に運ばせた大量の薄布は、既に部屋の天井や壁から吊り下げられ、まるで幻想的な鍾乳洞をイメージしているかのようだ。 央に置かれた、羽根を詰めた布の袋のようなベッドに寝そべり、足元に跪く男に足の爪を磨かせて居る。]
いつきても、窓が開かないのは不満。 もっと敷地を大きく取って、開けさせてくれれば良いのに。
[廊下に面した扉は開け放たれたまま。 不満そうに艶ある口唇を尖らせ、初老の男に文句を言う。 細い青煙は、廊下へと香りを届けて居た。]
(193) 2010/04/02(Fri) 10時頃
|
|
…いえ、何も。
[低く甘い声で囁かれ、震えるようなか細い声で答える。 短い言葉はそれでも、フィドルのように密やかに響いたか。 女のその身の曲線も、優美なその楽器を思わせるもの。]
(194) 2010/04/02(Fri) 10時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 10時頃
|
[修道女の声はViolinでなくFiddleのよう。 音は同じ ただ、扱いは天と地ほどに差があるだけ]
弁えているようだね。 ……嗚呼、若しかして
[男は身分こそ無いが馬鹿では無い。 この現状で不満も何も無いという相手に、察するのは簡単だった]
御前は既に完成しているのかな。 作る楽しみが無いね。
[だから あえて男は彼女を不安にするような言葉を選び、笑顔で囁く]
(195) 2010/04/02(Fri) 10時頃
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|
― 控室 隅の方 ―
[扉が開いて入って来る人の姿。 影の中から、静かに瞳を光らせる。 買う側の人間だと身なりや口調で理解できた。]
……。
[少年が名乗る名は、こんな場所には相応しくないもの。 家のため ――― そんな言葉が思い返された。
異国の言葉による会話は、炭鉱育ちの男には 理解できないものだったけれど時折、金の瞳を影から向ける。 鈴の音が、何度か聞こえていた。]
―――。
[紳士風の男と視線が合いそうになれば、すぐに逸らした。]
(196) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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―― 控え室 ――
[異国の者には相当寒く感じられているのだろうが、着衣の上質さも相俟って、少女を震わせるのは気温でなく得体の知れないこの場の不気味さだった。 運が良ければ、この上ないパトロンを得るだろう。その誘い口上を信じたい。目にした婦人の身形はなる程、経営が傾き名ばかりの伯爵家であったウィングフィールドより金だけはあるのだろう。 頭脳をフル回転させて、さて誰にどのように保護の話を持ちかけようと、算段する。 少女はまだ、自身の身に起こるだろう災難を知らない。 座った姿勢のまま、じっと周囲の話に耳を傾けている。 現状に不満がないという、酔狂ながら落ち着いた声も聞こえてきて、鼻頭に皺を寄せた。]
(197) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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小僧 カルヴィンは、連れて来られた者はみんな金に困窮している者、そしてライバルだと認識しつつある。
2010/04/02(Fri) 10時半頃
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[東の国の女が手を伸ばそうとした仕草は、背を向けていれば、男の灰青に止まることはなかった。ただ、懇願するような異国の言葉と、啼く鈴の音に、僅かばかり唇の端をあげた。]
やあ。私の顔は直視に耐えないかな? 君の眸は、吸い込まれそうな金だね。
[女の傍を離れ、ややあり。 ジェレミーが、修道女風の女の不安を煽るような言葉を聴きながら、逸らされた視線の元へとルーカスは向かった。 逃げられれば、逆に興味が湧くものであった。
高い位置から、金の眼の青年を灰青は見下ろす。]
(198) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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― 客室 ―
ねェ、他の客はまだ来てないの?
[男が甘ったるい声で声を掛けた先は廊下を歩く道化。 廊下から見れば部屋は天井から吊るされた薄布ばかり、 だが声で客であることは知れるだろう。]
下見? 嗚呼…品物のチェックしてるのか。 [他の方々は、との言葉にほっそりした指で口唇に触れる。 冷たい指先もまた、爪の先まで磨かれて居る。]
(199) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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どうしようかな。 んん…
[扉際、道化の足を止めた侭暫し考える。 ついと伸ばした手の先、指が薄布を揺らして]
ねェ、この屋敷の中の警備は万端なんでしょう? じゃあ品物の拘束を緩めてみて欲しいな。 逃げる子も居るだろうけど、それを見たいなぁ。 [玄関の扉は厳重。 会場も準備中ならば入れないだろう。 控え室と少しの廊下、それにエントランスくらいなら、と。 憂い帯びる瞳の下、悪戯ぽい笑みを浮かべてのお強請り。]
始まったらそれも無理だし…――駄目?
(200) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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[女はただの商品。ただの高価な玩具に過ぎない。 格子の向こうの貴婦人と生物学上は同じ生き物であっても、扱いには天と地ほどの差があるだろう。
囁かれた言葉に、整えられていない太い眉は僅かに憂いに曇っていく。 されど、口答えなど許されぬ女はただ長い睫毛を伏せるのみ。]
いえ、ワタクシなど至らぬところばかりでございます。 なにとぞ、ご指導を…。
(201) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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[されど、不安に僅か震えたように聞こえた声すらも、相手の望みを察知して装ったものに過ぎぬだろう。 女は人としてみなされず、己の意志を持つことも許されない。 主となる方の望むように、彼らの求める反応を返すだけの玩具で居続けなくては。]
(202) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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―― 客間 ――
[道化はどこへでもさりげなく現れる。まるで宙から出でるように。]
お客様の趣向には従うよう仰せつかっておりますが。 果たして奴隷が自ら逃げるでしょうかね。 不心得者と、傷をつけるほど罰するのは お買い上げいただいてからに願いますよ。
それと、準備中の会場には立ち入らせませんように。 未だ事情を把握していない者もいて、 それが絶望に歪むのが悦いと仰る方もいらっしゃいますし。
[帽子を小脇に抱えて深く一礼。それが了承の合図。]
(203) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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― 控室 隅の方 ―
[鉄格子を挟んでも距離のある位置。 左足の足枷、その先の鉄球は逃亡を二度としない為のもの。
膝を抱えたまま鼻から下の表情は隠したまま 高い位置からの言葉に、視線を上に向けて]
―――…、
[最初の言葉は口を開いて息を漏らして閉じるだけだった。 声にはならなかった、と。 それに一番驚いたのは、自分自身。 一寸だけ、金の瞳が大きく開くがすぐに元に戻る。]
……いんや、 そーゆーわけじゃねぇけど…。
ん? ―― 目?
(204) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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道化師 ネイサンは、パンパン、と軽く手を叩き、すぐさま手配する。
2010/04/02(Fri) 10時半頃
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[微かな表情の変化は、男を満足させるに至らない]
……指導が必要なのは
[と、ちらり少年に見えるものや、Jadeへ 男はその部屋に居るものを見渡す]
御前よりも他にいるようだよ。
[不安げに揺らいだ声。 其れをもっと煽りたいと思いながら 男はそれ以上を求めず修道女へ背を向けた]
(205) 2010/04/02(Fri) 10時半頃
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―― 控え室 ――
[屈強な男たちが、ノックとともに入ってくる。 命令通りに、やがて拘束は緩められ、檻の鍵は開けられた――。 その後の行動は各自次第。入口裏口、そして会場である地下ホールだけは、厳重な警備に守られてはいるが。]
(206) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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ふふ、有難う。 だから此処は、好きだよ。
[お辞儀をする道化に、ほっそりとした指を振ってみせる。 くすくすと零れる笑みの音と裏腹に、瞳は変わらず陰鬱。]
逃げないなら逃げないで、面白いよねェ。 あ、勿論それで自死を選んじゃったりする子が居たら、 「責任」は取るよ。
[気だるげな空気は僅かに薄れ、寝そべっていた体を起こす。 質の良い事はひとめで知れる布を重ねた衣をひらめかせ、 裸足で柔らかい布を踏んで立ち上がった]
(207) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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慈悲深い方が……。
アナタタチの戒めを緩めるようにと、 取り計らって下さいましたよ。
感謝するように。
[最後にニタァリ、朱に塗りたくられた口元を笑わせた。]
(208) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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くれぐれも、怪我にだけは気をつけてくださいねェ。
(209) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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道化師 ネイサンは、枷以外の拘束が解かれたのは、マーゴの居る隣室も例外ではない。
2010/04/02(Fri) 11時頃
紐 ジェレミーは、突然の侵入者にもさして驚いた様子を見せず、彼等の行動を見ていた。
2010/04/02(Fri) 11時頃
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― 金の眼の青年の傍 ―
[貴族の男の、一見冷たく見える灰青は、青年の束縛を確かめる。 重い鉄球は、青年のやんちゃぶりを表しているか。 自身の口元に白絹の手袋で覆われた、指先をあて、上がる金の視線に、緩く灰青を細める。芸術家を気取る男は、カンバスの色合いも非常に気にしている。]
嗚呼、眼だ。 直視に耐えられるなら、 もっと君の眸を近くで見たいのだけれどね?
[くつっと喉を鳴らした丁度その時か。 まるでルーカスの願いを聴きとめたようなタイミングで、屈強な男達が部屋に入り、檻の鍵を開いたか。]
(210) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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酔狂な……
[男は呟く]
こんな事をするのは、「彼」だろう? 客間にいるのかな。
[商品から視線を外し、男の興味は他へと向く]
(211) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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―― 控え室 ――
[力任せに椅子が引っ張られ、右足が宙を掻く。 このまままたどこぞに攫われるのかと身を竦めた少女だったが、全く予想外なことに、椅子に縛り付けていた荒縄が解かれた。 続く道化の言葉に、早速自由になった両手で黒革のアイマスクを外し、床に叩きつけ、踏み躙った。]
せいせいした。 見世物は御免だ。
[ここに集うが出資者ならば、自らの命運を担う者は己がまなこで見定めたいと。 仁王立ちの小さな子爵は、まず周囲を見回し、あまりに雑多な様子と動物園の如き檻に渋面になった。]
(212) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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慈悲深い……ね。
[道化の言葉に、ルーカスは軽く肩を竦めた。 ジェレミーの零した言葉で、おそらくは彼の『友人』の仕業と知る。]
嗚呼、本当に怪我には気をつけた方が佳いよ。 ――君が、君たちがどんな理由で此処に居るかは知らないが、 少なくとも金を得たいのならば、気をつけることだ。
[一瞬、灰青を向けたのは、アイマスクを床に叩きつける、一見少年のようなカンバス候補に。
――自ら商品価値を下げることはないようにと、暗に道化の言葉に重ねながら告げる。 理由知らねば、また謎かけのような言葉に聴こえるのだろうか。]
(213) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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[使用人たちが入ってきて拘束を解き解放していくのを不思議そうに見遣って、邪魔にならぬよう隅に控えた。
目隠しを外して床へ叩きつけるやんちゃな少年の様子に、黒い伏し目がちの瞳はパチリと一度瞬く。
女は逃げない。逃げることすら考えもしなかった。 外へ出て何をするかなどと、思いつくはずも無いのだから。]
(214) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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[少年が目隠しを投げる様子を傍目に見て、哂う]
見世物の方が、マシだと思うがね。
[戒めを解かれた彼等は踊る事を望まれているのだと 知っているのかどうか。 周囲を一瞥した後に、男は控え室を出る]
前の部屋と同じかな。 始まる前に――御礼をしておかなくてはね。
[向かう先は一つだった]
(215) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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僕も暴力に訴えるような野蛮な真似はしないさ。
[金髪の紳士――どこかグロリアと面差しが似ているようだが、薄暗くて確認はできなかった――の言葉に、堂々と返す。自ら痛い思いをしたいような被虐趣味はない。あるとすれば、舌を噛み切りたい衝動と戦っているぐらいのものだ。 金を得たいのなら、と目的を的確に突いてくる言葉には、肯定も否定もせず。 左足につけられた足枷の先の鉄球を両手で一度持ち上げて、すぐに下ろした。]
これは、どうにかならないのか。
[他の者たちも、思い思いのところにつけられた枷だけはそのままだった。肩を落とす。 転がし半分、引きずって歩くしかなさそうで、まるでびっこ引きのようだと思うと情けなかった。 まずは逃げるより先に、同じ檻の中の者を確かめるように見回す。]
(216) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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本当はモニタでも見たい所だけど、 記録に残るのは無理だから、仕方ないね。
[手をくるりと翻せば肩にかけられた細い薄布が巻きつく。 廊下へと青煙を漂わせた侭の部屋、扉は開いたまま。 一歩外へ出ると目の前には細かい細工の手すりが在り、 見下ろせば下は吹き抜けのエントランスが見える此処は2階。
僅かにざわめいて感じるのは、急に仕事の増えた道化達が動き回るのと、きっと品物の幾らかは騒いで呉れるだろうという期待の胸裏。
手摺に片手を着いて凭れ掛かり、階下を見下ろしている。]
(217) 2010/04/02(Fri) 11時頃
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― 控室 ―
――――…、…そいつは、 どうも。
[喉を鳴らす男の灰蒼を下から睨む金。]
??
[檻の中に入って来る男たちに、視線を奪われた。]
(218) 2010/04/02(Fri) 11時半頃
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[暗闇に溶けるような黒と、鮮やかに浮かび上がる白のコントラスト。 カソックだ。何故清貧を貫くはずの修道女がこの場に、と葡萄酒色の瞳が丸く見開かれる。 一呼吸置いて、ロザリオと呼ぶには風変わりなそれ、犬の首輪のようなものに目が留まった。]
罰当たりな! 神に遣える身にまで、このような侮辱を……!
[自身へのアイマスクと同じ趣旨なのだろうと察して、見当違いの憤慨。]
先ほどの猫の鈴のようなものは、これが?
(219) 2010/04/02(Fri) 11時半頃
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― 1Fロビー ―
[男は控え室を出るとエントランスまで戻ってくる。 革靴の音を止め、濃い金色の頭を振って周囲を見渡す]
……久しぶり。
[見下ろす相手が目に入り、階段を登りながら鼻を鳴らした]
この趣向は貴方か。
(220) 2010/04/02(Fri) 11時半頃
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良家の息子 ルーカスは、紐 ジェレミーが、『友人』の元へ行くなら、「よろしく伝えてくれ」と、短く言葉をかけたか。
2010/04/02(Fri) 11時半頃
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― エントランス階上 ―
嗚呼、久し振り、元気だった?
[階下に現れたのは、見知った金糸。 墨色の髪に縁取られた顔の憂いが、僅かに消えて 口端を上げて笑みを形作った。]
うん、そうだよ。 面白そうでしょう?
[言って手摺に凭れるのと逆の手をひらりと掬った薄布ごと揺らす様子は、此方へ上がって来い、と言う手招きにも似た態。]
(221) 2010/04/02(Fri) 11時半頃
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― 金の眼の青年傍 ―
暴力に訴えると、君の場合、 一捻りで君が終わってしまいそうだな。
[矜持高そうな少年(だと今のところは思っている)の言葉に、可笑しそうに男は嗤う。枷については、曖昧な微笑を一度浮かべてみせた。 そして、灰青の視線は一度、睨む金に戻る。
――さて、此方は檻からの開放に、どのような反応を示すのだろうかと、興味深げな色を眸に乗せて。]
――…っふ
[されど、背後から聞こえる少年の憤慨に、堪えきれず音として苦笑を零した。]
(222) 2010/04/02(Fri) 11時半頃
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……それが分かっているからだが、 可笑しいか?
[屈強な男たちの後姿を見たならば、腕っ節で敵わぬことぐらい明らかで、うんざりした調子で返した。]
金を積んでくれる者に手を上げても 僕に得はないだろう。
[まさか笑われているのが自分とも思わず、淡々と口にしつつも、視線は修道女風の女性のもとへ。カソックの下からでも分かる胸の膨らみに、つい目を奪われてしまうのは、女性の観点からでも布を押し上げる肉のボリュームが圧倒的だったから。]
(223) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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小僧 カルヴィンは、痣の残る手でこっそり、自分の胸元を確かめた。とてもとてもささやかだった。愕然とした。
2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 2F ―
勿論。 見ての通り。
[元気かと問うにはそう応え、相手の様子を窺った。 揺れる薄布に招かれて階段を上がる。 エントランスの見えるその場所へ立つと男は薄笑いを止めた]
――面白くなるといいがね。 今回のは変わった面々が多かったよ。
[すんと、狗のようににおいを嗅ぐ。 甘さの少ない伽羅が鼻孔を擽ると、瞳を細めた]
(224) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 控室 隅 ―
[両手の枷も外された。これで幾分自由度が増えた。 が、前科のせいか足枷はそのままだった。]
逃げれねーってのに、何のつもりだ…。
[舌打ちをひとつしてから、ようやく立ち上がる。 ぱん、と尻を叩いて埃をほろう仕草。]
(225) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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[少年の激昂の意味はよくわからず、ただ叱られたような気がして僅かに身を竦めた。 この布一枚下に隠された、煽情的で不謹慎な服飾品に気がつけば、どんなふうに思われてしまうだろう?
いや、この子もいずれ…そのような姿で衆目に晒されてしまうかもしれないけれど。]
(226) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 2F:エントランス階上 ―
元気ならよかったよ。 ボクも、安心。 [彼が薄笑いを止めるのと対照的に、甘ったるい声でくすくすと笑いながら 冷たくほっそりとした指先を、狗のような仕草をした彼の喉仏へと差出し、つと降ろす。 皮膚には触れないけれど温度は判る程のギリギリの距離。それから彼の前へと垂れる金の髪を持ち上げ、ゆっくりと横へ手を動かしてさらりと落とし]
ふぅん…変わった、子? 使えそうな子は、たくさん居た?
[俯き加減で上目で見る顔に、笑みは一瞬で消える。 落としたと思われた髪の先は指先に捕らえ、くるりと回して巻きつけられていた。]
(227) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 金の眼の青年傍 ―
[再度、灰青は少年を映す。]
賢明な判断だな。
[薄闇の中、少年が修道女風の女に近づくのは見えた。 胸元を確認する様子は見えなかったが、ふっと少年の前で修道女風の女に手を出してみたらどうだろうか、などと嗜虐心が僅かばかり擡げる。 オークション前でも、おさわり程度なら許されていただろうか。
パンっと妄想を落とすように、乾いた音が聴こえた。 音の元に、唇の端を持ち上げてみせる。]
随分、暴れたのではないか。 だとしたら、その結果だろう。 無理やり連れて来られた口かい?
[金目の青年の言葉に、クツリと喉を鳴らした。]
(228) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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[首輪に鈴は見当たらず、小首を傾げる。 少女にとって、神の使徒は敬うべき――或いは敬うふりをすべき相手であった。その衣装だけで、彼女の前でだけは身分を笠に着る言動は謹もうと思う程度には。]
まるで犬猫の扱いを、されるべき方ではないのに。
[周囲の男の、にたにたした欲に塗れた視線でまで、彼女が穢されるような気がして厭わしかった。]
失礼ですが、お名前は?
(229) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 2F ― [見下す顔は彼には向けない。 絡むような声音で笑う相手の指が向けられる先を知り 唾を飲み込んだ。 ひんやりとした体温が頬を掠めた]
使えそうかどうかは、まだわからないね。
[ほぼ身長の変わらぬ相手を見遣る。 其の表情に、少し考えた後言葉を付け足した]
ただ、壊したくなる子は 居たな。
[男の少し節ばった指は幾重にも重なる薄布へ伸びる。 意趣返しのような仕草で]
(230) 2010/04/02(Fri) 12時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 12時頃
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― 控室 隅 ―
[灰青の瞳の主、名も知らない男。 名前を名乗っていたのは、確か―――グロリア、という女だ。 異国の言語でなければ、交わされる会話は耳に入れていた。
ず、と左足に重みを感じる。 強めに引けば、ずり、と鉄球が位置を僅かにずらす。]
――― 悪かったな。
[悪態をついて格子越し、一歩だけ影から歩み出てくる。 背は高くはないが肉付きの良い青年の姿。]
…、言う必要ねーだろ。
[無理やり連れて来られたかどうかなんて、言いたくないと また睨んだ。]
(231) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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―控え室― [控え室に戻る頃、戒めが解かれ、檻が開け放たれていた]
あら、出られるようになさったのね。 でもいいのかしら? 枷をつけてるとはいえ、望んできてないものもいるのでしょうに。 あの子、とか。 [隣室の少女を思い浮かべる。 先ほどの修道女へと近づくカルヴィンの姿が見えて、その旨を抑える様子に目を細めた]
どうか、なさったの? 貴方には、神に仕えるものに彼女が見えるのかしら? ……躾けられ具合からすれば、ただの衣装に見えるわ。
とても、従順なんですもの。彼女。
[檻の中へと足を踏み入れて、修道女の傍へ]
(232) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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―― 控室 ――
[え、と振り返ればそこには、先ほどの婦人の姿。黒のドレスを着こなす様をじっくり観察すれば、まさに社交界に相応しい人物だと見受けられた。故に、親しみと同時に酷い劣等感に嘖まされる。]
躾? シスターは神の従順なしもべだろう?
[やがてじわじわと「衣装」の意味が理解できてきて、益々冒涜だと激昂することになる。衆目がなければ、首輪つきの彼女にこそ平手をあげていたかも知れない。 肩で大袈裟に呼吸をし、キッと目尻を吊らせて修道女の格好をした女性を睨みつけた。]
(233) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 12時半頃
小僧 カルヴィンは、良家の娘 グロリアとカソックの女を見ないようにして、檻を出て行く。
2010/04/02(Fri) 12時半頃
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それに、そう、神に仕えるものだとして、ならなおさら、欲しい方は欲しいのでしょう。
[首元の枷へと手を伸ばす。冷たい感触が指に触れた]
貴女は、これをはずしても、逃げないわね? 檻が開いても、ここから動かないのですもの。
貴女の名前は?
[少し身を屈めて視線を合わせ、修道女の瞳を見つめた]
はずす事は、叶わないでしょうけど。 ルカの好みになら、合うかしら? 貴女の肌、綺麗だもの。
でも、ルカはあちらに夢中かしら?
[視線をルーカスのほうへ向けた。控え室の隅、弟と向かい合うように立つ青年の姿。 金の目が、映る。
――綺麗な色、と呟いた]
(234) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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…ツィー。 そう、呼ばれております。
[名を問われ、控えめな返答。 帽子の紳士の視線には気付かぬまま、 歩み寄ってくるその姉の様子に、カソックの端をつまみあげて優雅なお辞儀を。
足元からは僅かに、高く細く不安定なヒールの靴と、白い肌を飾る網タイツが覗くか。]
(235) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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― 金の眼の青年傍 ―
[睨む金の眼は、さながら手負いの狼か龍か。 密か、インスピレーションを刺激されながら、青年の言葉を聴く。 背は高くないが、肉付きの良い身体には、タトゥーが栄えそうであった。]
おや、そんな調子で良いのかな? もし、君が――嗚呼、名前を聴いても良いのかな? 先に私が名乗るのが礼儀かもしれないがね 金目当てに此処に居るのなら、 私はそれを叶えることが出来るかもしれない相手だというのに。
[あえて自分からは名乗らぬまま、柔らかい微笑を湛え、そんな言の葉を織る。 背後に姉の声が聴こえた。並べてみれば姉弟であることは知れようか。
言の葉は遠まわしに、>>223の言葉で金目当てだと知れた少年にも向いていたが、修道女風の女と男の姉に気を捕らわれていたならば、届かぬものなのかも知れない。]
(236) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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−オークション会場−
[それからいくばくかの時間、女は眠りについた。 彼女を拘束する者達が何故か己に一切手出しをしなかったこともあり、騒いでも暴れても何も変わらないのならば休息を取った方が幾分ましだ……という判断を下したのだ。
馬車が止まる振動に身体を突き上げられ、目を醒ます。]
へぇ……ここで「踊れ」っての? 神に仕えしテロリストのおにーさん。 アタシ、ポールダンスはできなくもないけど、ワルツは苦手よ?
[ジャラリと足枷を鳴らして、不敵に微笑む。 実は一番得意なダンスはカポエイラだったりするのだが、それについて口にすることはなかった。]
(237) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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[結局、彼女を「シスター・ツィー」と呼び慕うことはなかった。 シルクハットとステッキあの紳士のようにはいかないが、落ち着いた色合いのテイルコートで館内を闊歩するのは、足枷さえなければまるで立場が異なるよう。 そんな倒錯的な格好で、逃亡劇とはいかない物見遊山の歩みは、まず隣室へ、そこで泣き暮れる少女へと向けられた。 年の頃は同じか自分が上だろうか。自分を生かすための思考をしないと見える相手に対し、愚鈍、と感想を抱いて手を貸すこともしないまま廊下に戻る。一人だけ特別待遇な部屋なのが解せなかった。]
もてなすなら、僕にすべきだろうに……。 ここの主は一体どんな悪趣味なのやら。
(238) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
|
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 12時半頃
小僧 カルヴィンは、未だ自分の立場が分かっていない。
2010/04/02(Fri) 12時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 12時半頃
|
[修道女を睨み、出て行く少年の姿を見やれば、興味深そうにその姿を目で追った]
我が強いのも、嫌いではないわ。 躾ける楽しみが増えるもの。
でも、矜持の高さはここでは面倒なだけね。 楽になりたければ、意識を変えたほうがいいのよ。
[優雅な笑みは崩さず、また修道女へと向いて。伝えられた名前に笑みで返し、お辞儀する足元から頭までを眺めた] 貴女は、元々がそうなのかしら? まるで、そう躾けられた様ね。貴女の仕草も、心持も身体も。
[枷へ伸ばした手を下へと辿る。曲線を描いて、豊満な胸の形を掌で撫でた]
(239) 2010/04/02(Fri) 12時半頃
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聴こえてますよ、姉さん。
[夢中との単語に反応し、少し姉に顔を向けた。 その仕草で、帽子は取っている為、乱れ髪を節高い指先で一度撫で付ける。
姉と呼んだことで、姉弟の関係は、その場に居た者にとっては周知のこととなるか。
灰青は一度、修道女風の女に向けられた。]
肌が綺麗なのは良いことですよ。
[タトゥーを彫るのには、と語尾に消えた言葉は、姉には分かっただろうか。]
(240) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 13時頃
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あら、ルカ。聞こえるように言ったのよ? そちらの彼は、いかがなの? とても、瞳が綺麗ね。
[ツィーから手を離し、ルーカスのほうを向いた。 そちらへと歩み寄っていく]
(241) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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― 控室 ―
[名前。
ダヴィド家の者としての誇り、プライドが名乗りを邪魔した。 眼前の男に買われれば家が救われる、救えると解ってても]
――――… っ
[息を呑んだ。 悔しさが喉を詰まらせる。]
…それが命令じゃねー限り 名乗る必要なんてねーだろ。
[買い主にしか懐かない獣のような金の瞳でまた睨む。 グロリア――そう名乗った女の視線を感じればそちらにも金を向けた。彼女の瞳の色や髪の色は、目の前の男ののものよく似ている 気がした。]
(242) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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[脚を動かす度に、足枷に付けられた鉄の玉がガコンと重い音を立てる。 視界の隅で何やら会話をしている男達の言葉に耳をそばだて、その内容を聞き取る。]
(なるほどねぇ……人身売買、か。 邪魔者の排除と活動資金の調達にはピッタリだわ。
アタシは「売り物」になるって寸法…ふうん。ま、わかりやすい話ねぇ。 白人が奴隷売買に掛けられるなんて、ご先祖様が見たら爆笑しながら憤慨するわね、きっと。)
[と心の中で呟きつつも、耳では重要な情報を得ていた。 どうやら自分は、「とある金持ちの屋敷で働いていたメイド兼子守」として競売に掛けられるらしいことが*判明した*]
(……期待したって母乳なんて出ないわよ。)
(243) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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―控室―
[扉の鍵が開く音がした。 出る者、止まる者、自分は───出られない。 枷の鎖の先は、鉄格子に繋がっている。 だが、ここがどんな場所か見ておきたくはある。 逆を返せば知る権利があるはずだから]
『───そこの』
[見張りと思しき男に声を掛ける。 道化がいたなら道化に声を掛けたかもしれないが]
『枷を変えてくれ。 ここの散策がしたくても、これでは歩けない』
[じゃら、と鎖を響かせ、その意味を示す]
(244) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 13時頃
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貴方は、元気そうね? あちらにいる異国の彼も興味深いけど。
名前を名乗らないのなら、新たにつければいいのだわ。
それが嫌なら、名乗ることね。
[金の目の男の前まで行くと、扇子で表情は隠したまま、ツィーへしたのと同じように、下から上までを見やる。 肉付きのいい身体。
くすくすと、*笑う*]
(245) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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君は、壊すの、早すぎるよ。 [ジェレミーの言葉に、口唇を尖らせて僅かに不満げな声。 薄布は軽く、引けばすぐに彼の手に絡め取られ肩から落ちてしまう。]
ゆっくり、じっくりしないと。 例えば20歳の子なら、20年分の重みがあるんだよ? それを味わわないと――もったいないよ。
[まるで長く寝かしたワインか何かの事のよう。 ジェレミーの髪を遊んでいた手は離れ、手摺の上を指が滑る]
(246) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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枷だけは残念ながら。 鉄球と繋ぎ代えさせることはできますが、 全部外すわけにはいきません。
[飄々とした調子で、道化は笑みを崩さない。 指示すれば、率えた男たちが言いつけ道理に事に及ぶ。]
(247) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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[姉。
そう呼ぶのなら、すとんと納得はしたが 兄弟揃って ――― と考えれば]
――――。
[悪趣味。視線は鋭く。 出ていくものがいても追うことはしないまま 格子越しの兄妹を 睨んだ。]
(248) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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[そのように躾けられている。それを肯定するかのように頷く。
母の主は代々趣味の良い方で、犬猫の毛並みを良くするかのように美しい男女を集めては子を産ませ、その子同士を更に交配して行き、代々美しい二本足の愛玩動物を作り上げていたようで。
母がそうであったように、自分もそのような生き物なのだと体の芯まで染みていた。]
……ぁぁ、お戯れを…。 [検分するかのように服の上から柔らかな曲線をなぞるたおやかな手のひらに、困ったように眉を寄せて微かな声を漏らす。 心の底から嫌がってはならず、かと言って最初からはしたなく悦んでもいけない。 恥じらうような反応が、相手を喜ばせるものだと理解していた。]
(249) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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― 金目の青年傍 ―
[近寄ってくる姉の言葉に、男は小さく片方の眉を上げた。]
ええ、金の眼とは珍しいでしょう? 姉さんに贈り物するなら、男の方が良いかと思いましてね。
[背後で青年が息を飲む音が聴こえた。 振り返れば、また睨む眼は、手負いの獣のようだと再度思う。]
命令だと言えば、名乗るのかな……。
[首を傾げれば、姉の辛辣な言葉>>245が飛んだ。 姉の笑い声にあわすように、弟の顔に浮かぶのは苦笑。
その背後で、道化がアラビア風の衣装をまとうカンバス候補と会話していたか。]
(250) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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[続いた行動は少し予測外だった。 枷が───]
(──外された?)
[首を傾げる。 何故とは思えど、追及はしない。 ただ、感謝するという言葉だけ残して格子を出る。 小さなくしゃみが一つ。取り敢えずは暖かいところへ行きたかった。 だから扉を開けて邸内を歩いてみることにする]
(251) 2010/04/02(Fri) 13時頃
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本屋 ベネットは、格子の代わりに鉄球を引き摺りながら邸を歩くことになった。
2010/04/02(Fri) 13時頃
小僧 カルヴィンは、廊下から漂ってくる不可思議な香に鼻を聳やかせた。
2010/04/02(Fri) 13時半頃
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― 2Fエントランス階上 ― [不満げな音が毀れるのを聞いて、男は困ったように笑う]
早いかな? これでも前のよりはもった方だけど 思った以上に柔な作りだったんだ。
[するりと布が落ちる音がする。 髪を軽く引っ張っていた感覚が途切れた。 絡めとった薄布をショールのように羽織ってみせながら バスバリトンで囁くように言葉を返す]
じっくり味わうだけが愉しみ方じゃないさ。 一番旨い時に極上の方法で、ってのもわるく無いものだよ?
[酒の飲み方の話でもするように。 それから、褐色の瞳は相手の手が向かう先へ向けられた。 手すりの向こうには玄関ロビーが見える]
(252) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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[異国風の―――あの男か、と思いながらも視線は固定。]
つけたきゃ好きにすればいい。
[それで済むなら、それで構わないと思う。 女の笑い声―――理解なんて出来ない。 商品を確かめるような視線とは、金を合わせないようにし]
…
[贈り物にする、とさらりと言う男はなお理解出来ない。 瞳は鋭さを増して、奥歯を噛んだ。
命令なら―――。
唇を引いて、苦笑いを浮かべる男を 見上げた。]
(253) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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―→邸内―
『外せとは言っていない。 別の物に変えろと言っただけだ』
[これでは歩くもままならなかったから。 道化には軽く睨むような視線だけ残して、 扉の外へと右を引き摺りなら歩き出した。 空気の僅かな流れを溯りながら、足は歩く]
(───何の……香…?)
[微かに感じたのは匂い。 それを確かめるかのようにゆっくり道を辿る]
(254) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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―― 廊下 ――
[逃げようと思っていたわけではない。それは足枷が封じていたし、無駄な足掻きだとどこか冷め切っていたから。 金持ちであることを惜しげもなく見せびらかした結果のような館の、目を休ませる空間もないほどに埋め尽くされた精緻な彫刻に天井画に額縁にと見ていたら眩暈がしてきた。 そして、嗅いだことのない香りに誘われる蝶のように歩いた先、人影を見つけて柱の影に隠れて、話を窺う。]
(255) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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じゃあ。 君が見繕ったその極上、の瞬間を、ボクにも見せて? ちゃあんとデコレーションしてさ…君の手で。
[もう一度相手へと伸ばした手は、ほぼ同じ身長の彼の首を掠め 肩上をまた触れるか触れないかの位置、横へと流れ落ちる。 優雅とも言える動きに見えるのは、何枚もの薄布が動きを追うから。 辺りに二人の話し声は聞こえるだろう。 ただ、ジェレミーと対する男の格好は少しばかり変わっている>>103為、異様な光景にも見えたかもしれない。]
(256) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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デコレーション……ケーキの話か?
[少女の脳内では、二人の男が手作りのバースデーケーキを贈りあうの図が展開されていた。]
(257) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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― 金目の青年傍 ―
まぁ、姉さんが名前を付けたいのならお好きに。 どの道、此処ではナンバーが振られることでしょうが。
[金目の青年が唇を引き、見上げる先は、 名を尋ねていながら、現時点では、そう頓着した様子を見せない。
作品にするならば、ナンバーでなく、名を呼びたいのはあったが。 今、現在、金目の青年はキャンバス候補なだけで、手がけている作品ではない。]
あちらの青年も気にされていましたが、宜しいのですか?
[右足を引きずりながら出て行く、異国の青年に視線を向け、姉に問う。]
(258) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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君も、動きたいのなら動くと良い。 動けるというのも、貴重なものかもしれないよ?
[そして、金目の青年にもそう告げると、踵を返した。 近づくのは、ツィーと名乗ったカンバス候補に。 握ったステッキの先が、女の顎の先に伸びる。]
(259) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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― 2Fエントランス階上 ―
[掠め取った薄布の一つを羽織る男の傍で 蝶が舞うように薄布が踊る]
御楽しみの瞬間を? ――…お安い御用。
この前のお使いより、よほど楽な注文だね。
[伽楠香のにおいが、恐らくその布にも染み付いているのだろう。 男の視線は整った目前の相手でなく、階下へ。 玄関口には捕らえられていたモノの姿が見えない]
しかし。 ……貴方の趣向は、今回ばかりははずれかい? 一向に来ないじゃないか。
(260) 2010/04/02(Fri) 13時半頃
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小僧 カルヴィンは、柱の影からは、ジェレミーの後姿と、薄布が絡む様子しか見えない。
2010/04/02(Fri) 13時半頃
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[顎の前へと突きつけられた杖と、その先のお姿をおずおずと見て。]
…申し訳ございません。 どうすればよいのか、わからなくて…
[自分の意志で何かを見て歩くなどという発想すら、頭には無かった。]
(261) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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[番号が振られるなら、それでいい。 家の事など関係なく、自分が買われ そして―― 家が助かるなら それで、いい。]
―――。
[じゃらり、鉄の鎖の音。その先の鉄球。 逃亡を許さない解放に意味など見出せない。
悪趣味だ。 再度、心の内で呟いてから
もう1人の異国から来た女へ視線を向ける。]
…ぇーと、…
[言葉が通じないので何と言葉を掛ければいいかは解らない。]
(262) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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あれ、でもお使い、愉しかったでしょう? ふふふ。
[開け放たれた部屋の中、 腰布一枚の屈強な男が並ぶのは覗けば見える。 その手前、スーツの執事然とした男が控えるのも]
来ないなら来ないで良いじゃない。 それはそれで、開場が楽しみだしねぇ?
[階下を覗くジェレミーに愉しげに答えながら、 階段や廊下を視線だけでゆっくりと流し見る。 人影が見えればそれは止まるが、柱の影や階下に見えるかどうか。]
(263) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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[階上からの視線には気付かぬまま、金髪の男の後ろを通り過ぎようとするが、
ガチャン!
大きな音をたてて鉄球が燭台に引っかかり、盛大にすっ転んだ。]
……っきゃあ!!
[悲鳴は、無意識に高く短く。]
(264) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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― 修道女風の女傍 ―
[女の顎を捉えたステッキの先は、捉えた先を少し持ち上げるように動く。]
……君は、そういう感じであるね。 飼い主によっては、それを壊すのも愉しいと思うのかもしれないな。
[ツィーが零した言葉と、眼差しに、薄く微笑む。 ステッキの先は、直ぐに顎先からは落ちる。]
確かに美しい肌をしている。 カンバスとしては、最高の肌だ。
(265) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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[顎先から落ちたステッキの先は、撫でるように胸元に落ち、頂に軽く触れる。 さて、反応はどうであろうか。
その後ろで、金目の青年が、東国の少女に話しかけたそうなのを悟ると、振り返らずに問う。]
通訳は必要かい?
[申し出は、気まぐれに。]
(266) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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小僧 カルヴィンは、慌てて再び柱の後ろへと回りこむ。
2010/04/02(Fri) 14時頃
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……まぁ、ね。 滅多に無いものを見せてもらってきたよ。
[肩を竦める]
開場が愉しみ――嗚呼、本当に。 そういえば未だ到着していないのもあるらしいよ。 取っておきかな?
[相変わらずだと相手に対して思いながら 玩んでいた布に飽きた男は 羽織っていた其れを手摺へ垂らした]
何処の逸話だったかな。 羽衣で男が釣れるってのは。
(267) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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紐 ジェレミーは、間もおかず上がった悲鳴に、思わず口の傍をつり上げた。
2010/04/02(Fri) 14時頃
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…ありがとうございます。
[男の口元に淡い笑みが浮かぶのを見て、目を伏せて小さく頭を下げる。 化粧の施されていない肌は、それだけに素材の良さを際立たせている。
カンバス、そう聞いて思い出すのは、屋敷に訪れる客が連れていた肌に色粉のみを身につけた踊り子の姿。 飾られるさまを思えば、うっとりと微かなため息が漏れるか。]
(268) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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[音に僅かに眼を瞬かせ、腰まで流れる髪を揺らし視線を向け。
それでも手摺に片手を預けて傾ぎ立つ男は、優雅で美麗。 陰鬱にも見える憂いを添えた瞳と笑みを湛えた口元で、 揺れる墨色の髪がシャンデリアの光を捉えて白銀に透けた。]
そこに居るのは…――だれ? [言葉をつむぐと同時、部屋の中で音がしたのは 主に危険がないかと動いた男の気配。 視線だけで諫め首を傾けると肩から髪がさらさら落ちる。]
(269) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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―― 一階廊下 ――
…………。
[誰何されれれば出ない訳にはいかない。先ほどの控え室にはなかった声、気配。 顔を真上に向けるようにして、二人の男が階段の欄干越しに下を窺っているのと対峙する。天井に飾られたシャンデリアが、綺羅綺羅と憎らしいほどに眩しく、少女の髪もまた淡いプラチナブロンドのように煌めいた。]
名を問う時は自分から、と。 それもここでの流儀ではないのか?
[足元の鉄球は小さな影になるべく隠すようにして、胸を張った。]
(270) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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[修道女の姿をした女。 けれど、歩く音、慣れているかのような立ち振る舞いは違和感。 悪戯な杖の動きは見ないようにしながら 異国の女の方へと、ズリ、重い鉄球を引きながら歩み寄る。]
―――…
[眉を下げた顔で見下ろし、また唇を引いた。 言葉の壁は面倒だな、と 思った心境を 読んだかのような言葉>>266。]
――― いらねぇよ。
[反発する声で返す。 こちら側の会話の通訳を申し出るなんてと き、とまた睨んだけれど彼はこちらを向かずに 言葉を発していたとその時に気付けば
悪趣味だ。 また、心の内で呟いた。]
(271) 2010/04/02(Fri) 14時頃
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― 二階エントランス上 ― [死角になっていた、柱側から音が聞こえた。 思わず口の端を吊り上げて、特に出資者を守るわけでもなく 男は階下へ視線を向ける]
早速釣れた。 ……しかし、耳障りなほど高い悲鳴だね。 声変わりは未だかい。
[誰だと問う声に出てきた少年へ向けて薄布を放った]
それは対等な相手に対する流儀じゃないかな、坊や?
[くつくつと喉を鳴らして哂う。 男は名乗る心算が無い様子]
(272) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[葡萄酒色の瞳を射抜く派手なシャンデリアに片手を眼前に翳すようにして。 羽衣と見紛う衣装は、ふわふわと頼りなく、また貴人の長く艶やかな髪まで同化して神秘的にすら見えた。 二人とも屈強と表するほどの体格ではないが、逃げ惑う必要など此方にもないと両足を踏ん張る。本当は、心臓が爆けそうに高鳴っていた。]
僕は僕が命運を預けるべき人を探している。 それと、此処がどういう場所かを知るために。
話を中断させてしまったなら、申し訳ない。 不調法は詫びよう。
[貴族の作法の行き届いた会釈を一つ。それで済ませてくれないかと、内心願いながら。]
(273) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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― 二階エントランス上 ―
[見上げる小さな姿が自分の屋敷で飼う小動物と重なって、 思わず笑みが深まった。 くすくす、と喉奥で笑いながら手摺に頬杖を着く。 アレは商品なのかな、客なのかな、と、いう問いは 言葉にする前にジェレミーの言葉>>272で察し]
ボクには流儀なんてないけどねェ。 やりたいようにやるだけだし?
[小声はジェレミーにだけ届くくらい。 少女には、ただ微笑んで見下ろしている風に見えるのだろう。]
(274) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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― 修道女風の女傍 ―
[悪戯なステッキの先は、それ以上の動きは見せない。 すっと引かれたそれは、男の手の内に引かれる。
女の漏らす、あまやかな息を聴きけば、飾り立てるインスピレーションを覚える。脳裏にスケッチを描きながら、ルーカスは顔を背後に向けた。]
Nice to meet you. は『初めまして』だ。
まあ、これくらいは通訳にはならないかな。 雑学の一つと覚えると良い。
[相手の内を知らぬまま、男は唇の端を微かにあげた。 それは揶揄いにも似た、彼から言わせればきっと悪趣味な表情だったか。]
(275) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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人を魚のように言うのはやめていただきたい。 グロリア嬢は名乗ってくださったが?
[変声期の話はタブーであった。む、と双眸を眇めて、赤らんだ頬を擦る。 いずれ番号で呼ばれることになる名であると、本人は未だ知らない。]
い、今のは少し驚いただけ……だ。
[こほん、と空咳で誤魔化した。 吸い込んだ香が、ちくちくと肺に甘い棘を刺す。 どうやら身分が取り払われる場とはいえ、グロリアのように(少女の視点からは)紳士淑女らしい振る舞いは、この二人には適用されないのだとも、素早く悟った。 落ちてくる前髪を忙しなく掻き上げ、首が痛くなっても上方を向いたまま、降ってくる言葉を待つ。]
(276) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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─ ??? ─
[グラグラと頭が揺れている。否、揺れているのは地面かもしれない。 指一本も動かせないと言うのに、足元が崩れ落ちそうに心許ない。 身体が弛緩している。だから、手足を縛られていてもまともに痺れると言う感覚が無い。口元を柔らかな布で塞がれていなければ、涎を垂らしてしまいそうなほど。 時代劇の映画でしか聞いた事の無い、大きな車輪が軋むような音が聴こえる。揺れているのは、明らかに自動車ではないこの乗り物の所為か。時折、風を切るような音と、馬のいななきが聴こえる。]
まさ か、 馬車……か?
[それは声にはならない。]
(277) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[目元も柔らかな布で塞がれている。 真っ暗闇の中、時折何か壁のような物にぶつかるような(薄ぼんやりとした)感覚がある。もしかすると自分は柩のような箱の中に居るのかもしれないと思う。]
何が、ろう、し れ
[頭の中に響く声すら呂律が回らない。 弛緩したまま酔っている。布の中に籠った息は湿り気を帯びていて、熱があるようで気持ちが悪かった。何故こうなったのか、まずは思い出すのだ、と片隅の理性が叱責しようとする。思い出せ、思い出せ──イアン。]
(278) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[思い出せるものは、悪夢のような連想ゲーム。 大事な何かが抜け落ちている。大切な事を忘れてしまっている。
柔らかな布 シルク? 触れた事もないような上質の。
葡萄色の 微笑 瞳? ブロンド 揺れる、煌めき シャンパンタワー 上下非対称のタワー 否、あれはシャンデリアだっただろうか?]
(279) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[硝子が壊れた。 硝子が壊れた。 壊れたような、微笑。 耳元をくすぐる笑い声達。複数の ブロンドの彼に、紳士が囁いた言葉は「 」 空白。何か大切なものが目の前で壊された ような気がする。
──だが、思い出せない。
「君が行きたがった場所に連れて行ってあげるよ。」 「その為の準備をしよう。」
薔薇。湯の香り。キツくて甘ったるい香料。 目眩がする。 大理石の冷たさ。背筋が震える。 冷たさではなく、身体の熱さに。]
(280) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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不調法とかは、どうでもいいよ。
命運か… ま、間違っていない言葉かもしれないね。
[足を踏ん張る少女に、頬杖を着いたまま答える。 それから視線で階段を示して]
どういう所か知りたいなら、此処まで上ってきたら? 教えてあげるよ。
[あらわになった足の元に、鉄球が見えたから。 悪戯っぽく笑って首を傾けた。]
(281) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[全身の肌を丁寧に撫で回されるような感覚。]
──ッ ん
[意識は途切れてしまいそうだ。 揺れの酷い乗り物が大きくカーブを曲がった拍子に、鼻腔に残っていた甘ったるい匂いが強くなり──。酔いが酷くなる。]
(282) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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[後はただの、嗚呼、きっと夢なのだろう。
黄金のスフィンクスが見下ろすなか、壁面のモザイクタイルの薄っぺらい人間達が抜け出し、大理石の台の上に横たわるイアンの全身に包帯を巻いて行く。グルグルと丁寧に巻かれた手足は身体は、触れられる度に新鮮なナイルの魚のように跳ねるが、たかぶる波とは対照的に、徐々に身動きが取れなくなっていく。
内臓を抜かれていない。 だから、俺はミイラじゃない。 そんな事を考えたような気がしなくも無い。
熱は一点に集中して行く。ピラミッドを築き上げるように。 悪夢は限界までたかまり、けれども解放される事は無く。 思いがけず啜り泣きそうになってしまったところで、意識の糸が切れる。それは眠りと言えるのだろうか。薬物に酔ったままの一時の安息。 今のイアンに、これから先、おのれの身に起きる出来事が予見出来るわけもなく**。]
(283) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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― 二階エントランス上 ―
[会釈する少年を、相変わらず手摺にもたれるようにして見下している。 隣で毀れる笑みに、頷いた。 やりたいように――その結果男は今の少年とま逆の立場にいる]
女の子みたいな悲鳴だったよ。 怪我はしていないかい?
[>>281彼に続けて、男もまた少年へ声をかける。 声音は変わらず低く甘い]
(284) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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……ッ!
[鉄球は持てない重さではなかったが、ずっと続けていたら腕の筋肉がすぐに悲鳴をあげるだろう。何より、そんな無様な姿を偉そうな男たちの笑いものにされるというのが、耐えられなかった。 結果、ますます鉄球を相手の視界から隠すように移動しながら、上方を睨み続ける。――首が痛い。]
生憎、フォークより重いものを持ったことがないので。
[肉体労働が苦役ならば、役立たずとも言える東方のジョークに擬えて、殊更低く重々しい声(当人比)を搾り出した。]
(285) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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怪我、は……。
[そういえば、あの道化も怪我には気をつけろと釘を刺していた。]
少し足を挫いた、ようだ。
[それもこれも忌々しい鉄球足枷のせいだ。が、なけなしの矜持は、それがまるで無いもののように優雅な立ち居振る舞いを己に課する。]
め、女々しいというのは侮辱だ。 訂正しないか。……いや、いい、そのことは。 悲鳴、は……聞かなかったことにして貰えると嬉しい。
[性別に関わることとなると、急にあれこれ内包したものを誤魔化そうと、言葉尻を濁らせるのに必死。]
(286) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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紐 ジェレミーは、小僧 カルヴィンが何か行動を起こすたびにくすくすと意地の悪い笑みを浮かべた。
2010/04/02(Fri) 14時半頃
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―――…「ハジメアシテ」
[聞き慣れない異国の言葉を反芻する。 異国の女にはどう聞こえたかは解らないまま]
――――― ッ。
[上がる口の端は 苛立ちを覚える。]
(287) 2010/04/02(Fri) 14時半頃
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|
[眩しいのはシャンデリアか、階段の上方を陣取る男たちか、その地位か、館を取り巻く金か。 上向いたまま、唇を真一文字に結び続けるのは難しい。 ぷは、と酸素を求めるように息継ぎ。 本来ならば自身も背負うはずだった、輝きが遠い。 視界が強烈な白光で塗り潰される錯覚。二本の足がふらついた。]
(288) 2010/04/02(Fri) 15時頃
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|
そっか、じゃあ誰かがたまたまそこを通りかかって、 それが君の望む情報をくれる、君の望む人な事を 願っているといいんじゃない?
[少女のジョークにも、頬杖を着いたまま口元の笑みは崩さない。 そもそも、この男は自分から動く気は本当に無いのだから、 言葉は意地悪でも悪戯でも無くただの本心だ。]
(289) 2010/04/02(Fri) 15時頃
|
|
[仕草一つを取れば少年の其れに敵いはしない 男はしかし、今彼を見下ろしている。 内心で愉悦を覚えるのは何度目になるだろう]
挫いた? ……嗚呼、枷かな。
[そうしてちらと隣へ視線を映した。 あれが見えて尚階段を上がって来いと言ったのならと 肩を震わせ笑みを零す]
――俺は、意地悪なんだよ、お譲ちゃん。 悲鳴はしっかり聞こえたし、訂正もしてやらない。
[少女のように扱う呼び名を向ける。 其れが間違いでないとは、未だ気付けてはいない。 足をふらつかせる様子を、階上から高みの見物を続けている]
(290) 2010/04/02(Fri) 15時頃
|
|
……もう結構だ! どうぞ、ご歓談の続きを!
[そんな都合のいい情報提供者がいないことくらい、揶揄われていることくらい、莫迦でも分かる。 お嬢ちゃん、という呼びかけが一番癇に障った。 無意識に張り上げた声はまた、どうしても甲高くなってしまうのだけれど。
足元が覚束無いまま、引きずる鉄球が見えるのも構わず階段前を横切り、一階の更に奥へと向かう。 と、薄れた香りから、矢張りあれはどちらかの男から馨っていたのだと把握した。 控え室の檻からは出られても、館という巨大な檻からは逃れられぬまま、その途中で何とも情けないことに、貧血で倒れてしまうことに*なる。*]
(291) 2010/04/02(Fri) 15時頃
|
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 15時頃
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― 壁際へ ―
[ネイティブでないルーカスの耳にも、若干惜しいと思われる発音が届いた。ネイティブである女がどう判断したかは分からないが、ある程度の満足を覚え、一つ金目の青年に頷いて見せた。
つっと、身を扉近くの壁際へと男は移す。 腕を組み、薄闇の中を覗う。
金目の青年が、異国の女とコミュニケーションを取ろうとするならば、それはそれを面白がっているようにも取れるかもしれない。
興味が薄れるまでは、男の姿は控え室にあるのだろう。 もしかすれば、まだ届いていないカンバス候補が来るやもしれないという、期待もあったか**]
(292) 2010/04/02(Fri) 15時頃
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―――…怒ったみたいだよ?
[足元が縺れるのでは無いかと思いつつ 少年の姿が奥へ消えるのを見送った]
あの小うるさい口は縫い付けてしまうのもアリかな。 咥えさせられなくなるのが難点だけどね。
[そんな感想を零しながら、男は落とした一枚の薄布を拾いに階下へ向かう。 においに導かれて彷徨っているモノが他にいる事を知らず 後で部屋へ届ければ男たちが主の望む処置をするだろうと**]
(293) 2010/04/02(Fri) 15時半頃
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君は意地悪だねぇ? ほら怒っちゃったよ、あんなに大きな声を出して。
[少女の張り上げた大声にも笑みを崩す事は無く、 ジェレミーへと横目で言葉を投げる。 視線を戻すと少女は怒ったように去る所で]
あれはまだ立場が判ってないのかなァ? あんなもの引き摺ってるのに…ああ、認めたくないだけなのかもしれないね。
[少女の言葉通り、歓談と言った声音で話した]
(294) 2010/04/02(Fri) 15時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 15時半頃
ランタン職人 ヴェスパタインは、紐 ジェレミーが階下へ降りる背を陰鬱な瞳と笑み口のまま、見送った。
2010/04/02(Fri) 15時半頃
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やだねぇ、俺の所為にするのかい?
[階段を下りながら、男は振り返る。 歓談の調子で話すが彼と異なる男の声質もやはり甘さを含んでいる。傍で音だけを聞いているだけならば、心地好い響きだろう]
――認めたく無いだけならいいけど 理解出来てないとしたら、救いようが無いかもね。
[薄い唇を吊り上げた笑顔は、矢張り蛇を思わせる。 獲物を絡め取るのは、もう少し先だが**]
(295) 2010/04/02(Fri) 15時半頃
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―一階エントランス― [すん、と、小さく鼻を鳴らしたのは薫りの流れて来る方を確かめるように。 右側が重くて少しだけイライラしていた。 視界が開ける、それと同時に声が聞こえた] ───。
[間違えようが無い。 先程の苛つく声と他に辺りを見回して]
……何だ?
[驚きに染まった母国語。 薄いきぬが視界で揺れていた]
(296) 2010/04/02(Fri) 15時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 15時半頃
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[五月蝿い口、という言葉には思わず深めにうなずいて。]
やっぱり意地悪だね。 …たとえそうだとしても、救う気なんかない癖に。
[階下に下りた男に、くすくす笑いを添えた声は届いたか。 手摺に肘を着くと髪がさらりと肩から前へと落ちる。
相変わらず、男は自身から動く気配は無い。 ただ手摺に凭れて階下を見下ろしていたけれど]
…――ん?
[別なる影>>296が見えれば、そちらへと視線を縫いとめる]
(297) 2010/04/02(Fri) 15時半頃
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― 控室 ―
[鉄格子越しに、灰青の男が頷いたのが解った。 顔は向けないまま、彼が壁際に向かったのが解れば 異国の女の元へ両足を屈めてしゃがむ。]
―――…
[とはいえ、挨拶しか教えられていないので困ったものだ。 逃げることも出来ないし慰めの言葉も ―――こんな現状では、と 眉を下げる。]
どっか 身体、悪くねーか?
(298) 2010/04/02(Fri) 16時頃
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[薄いきぬが揺れていて、長い髪が陰翳を付ける。 天井からの弱い灯は更にそれを色濃くしていた。 変わっている。まるで古きハレムの女達のような纏い。
金の髪の男はこちらに声を掛けてきたら、 やはり自分をJadeと呼んだだろうか]
『それは、俺の名前では無い』
[だからと言って名乗るわけでも無く。 もう一度階上に視線を持ち上げる。 紫油香の薫りは、上から落ちて着ていると気付いたからだ]
(299) 2010/04/02(Fri) 16時頃
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[階下の彼が見上げると、眼が合った。 細い眉の下、陰鬱な目を墨色の髪が縁取る。]
どうしたんだい? 迷った?
[そんな筈無いのは、やや右を引き摺るようにしている様子からわかる事だったけれど、甘やかな声で軽い言葉を投げかける。 ジェレミーと彼が見知った様子なら、より一層彼が「シナモノ」であるのだろうという予測は濃くなって。]
(300) 2010/04/02(Fri) 16時頃
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― 控室 ―
[妹の方が歳が近そうな姿がそこにあって、 伸びる黒髪は珍しくて目が奪われる。
自分の首元に指を置いて 彼女の鈴のついた首元を金の瞳で見る。]
(それ)
[言葉が通じないから身振りで教えるようにして 指先を動かして首から外す仕草をする。]
(逃げるつもりなら 外せよ)
[伝わったかどうかは解らないまま言葉のない会話をした。]
(301) 2010/04/02(Fri) 16時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 16時頃
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迷う以前の問題だ。 『──香のような薫りがしたので何処からだろうと。 そうしたら、ここまで来ていた』
[ぼやいたのは母国語。 それが理由と伝えたのは滑らか過ぎる英語。 そんな風に見上げた男に告げる言葉は 使い分けられていた。 硬翠色の視線を持ち上げて、問い掛ける]
『この香を薫いているのは、お前か?』
[初対面の相手に投げるには不遜な言葉。 遜るべき相手は今はここにはいなかったから]
(302) 2010/04/02(Fri) 16時頃
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[男は、沢山の言語を扱えない。 代わりに後ろに控える執事然とした男が、通訳として彼の言葉を男に伝える役は出来るけれど、ぼやきは聞こえなかったようだ。 男は階下の者の言葉に細い眉を央へと寄せる。 美麗と言われる貌が、歪められた。]
「お前」、って、ボクに言ってるの?
[問いへの答えは渡さない。]
(303) 2010/04/02(Fri) 16時半頃
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『他に、誰が?』
[見上げて言っているのだから、他の選択肢は無いはずだ。 畏れも何も無いままに硬翠は階上の男を見上げる。 それは先程金の髪の男に投げたと同じく、 射殺すを望むかのように鋭く真直ぐに]
(304) 2010/04/02(Fri) 17時頃
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…ボク、君に何かしたかなァ? そんなに敵意剥き出される理由がわかんないんだけど?
[射殺す程の鋭い視線。 柔い笑みすら浮かべ、手摺に凭れるように身を乗り出して 首を傾けてみせる様子は、見た目よりも精神的に幼い仕草。]
寧ろ親切に、迷ってるか聞いてるのに。 怖いなァ。
[睨まれても怯えの表情は浮かばない。 手に巻きつけた薄布をひらひらと揺らして見せた。]
(305) 2010/04/02(Fri) 17時頃
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『質問の答えになっていない。この香はお前かと聞いている。 大体、この建物中に味方がいるなんて思ってもいない。 何かされたかどうかなんて関係もない』
[ここに来てから誰一人相手に取ったところで親和性を見せた覚えはない。 ひらひらと揺れる薄いきぬが余計に苛立ちを増長させる]
『それに、俺は迷ったとは言っていない。 あの部屋への道ぐらいちゃんと覚えている』
[戻らなくていいなら本当は戻りたくもない。 けれど、扉を開くだけのものが今はない。 鍵も、権力も、金も。 総てが今の自分からは奪われている]
(306) 2010/04/02(Fri) 17時半頃
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うん、この香はボクのだよ。 これで良いのかな?
[細く青い煙は背後の開け放たれた扉から。 相手の敵意が剥き出された侭の様子にも動じる様子無く、 手摺に頬杖を着いて見下ろしている。 ひらり、布が動きに遅れて、舞う。]
そーいう態度を好む人も居るかもしれないけど、 博打、かもしれないよ?
[肩から腕へと纏わる布で口元を隠し、くすと笑うのは相手の神経を逆撫でする心算まんまんの、少し大きめな響く声。 それから手を大きく動かし、階上からひらひらと手と布を振り]
…あんまり賢いとは言えないんじゃないかなァ。
[甘ったるい掠れた声を降らせて、手摺から消えた。 部屋へと戻るけれど、やはり変わらず扉は開いた侭で**]
(307) 2010/04/02(Fri) 17時半頃
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『…最初からそう言えばいい』
[ゆっくりと吐き出した息は苛立ちに濁る。 そして、理解する。自分を翡翠の名で呼ぶ男と同じだ。 結論はただ一つ、癪に障る気に入らない]
『博打で結構。忠告傷み入るが余計な世話だ』
[わざと癇に障るような言葉を投げてくる声に、 逆に返した声は酷く静かなものになった。 頭を冷やしたわけではない、こんな問答が馬鹿馬鹿しくなったからだ]
…賢さなど、こんなところで何の役に立つんだか。
[先はもう見えている。先程拾った日本語。買われる。 それはつまり自分達は既に人でないと扱われているということだ。 ならば、今更何を言ったところで、どうしたところで変わるのは生きるか死ぬかくらいだろう。
解っているが故に鳩尾に横たわる諦観はまた冷たさを増すばかり。 余計に冷えた指先は溜息で綺麗に整えられた爪先を温めることしか出来なかった]
(308) 2010/04/02(Fri) 18時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 18時頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 18時半頃
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― 控室 ―
[言葉のない会話は続いたか、終わったかの頃。 日本から来た女が付いて来るのなら止めはしないまま 曲げていた足を伸ばして立ち上がる。]
――― …
[足の裏を使って鉄球をゆっくり転がしながら格子の外へ。 足への負担がこれで幾分か減る。 どうでもよい知恵が身についていた。]
(309) 2010/04/02(Fri) 19時頃
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[>>296翡翠の彼もまた控え室から抜け出したのだと知る。 男は唇を吊り上げて哂った]
――…やあ、Jade 御機嫌は如何?
[決まり文句のような出会い頭の挨拶に、名が違うと言われても気に留める事もなければ名を問うこともしない。 ヴェスパタインが言う通り、やはり男は意地が悪いのだ。 仄かに香の移った薄布を拾い上げると、会話を始めた二人を置いてその場を通り過ぎる]
アレも、地べたに這い蹲らせたいタイプの子だね。
[翡翠に対する感想を零し、己の出資者の部屋へ布を届けると男は客室へ戻っていく。 使用人を呼びつけ、キームンを注文した。熟成期間の指定を告げたが、注文どおりの品は間をおかず運ばれてくる。 蜜のような甘い香りを楽しみながら、品物たちの顔を思い出している*]
(310) 2010/04/02(Fri) 19時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 19時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 19時半頃
琴弾き 志乃は、若者 テッドが立ち上がれば、それに倣って同じようにと立ち上がろうとしただろうか。**
2010/04/02(Fri) 20時頃
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(来るのか?)
[同じように立ち上がる異国の女の姿。 修道女風の女はどうするのだろうかと視線を一度向けた。]
―――――。
[鈴の音がまだ聞こえるのなら眉は一度しかめただろう。 それでもどこかに脱出の糸口があるのなら、と 格子から出てこの家の間取り図を頭に入れようと。]
……
[壁際にまだ灰青の男がいたのなら、無言のまま横を通り過ぎようと]
(311) 2010/04/02(Fri) 20時半頃
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―― 一階廊下 ――
[そういえば、最後に食事を摂ったのはいつだっただろう。 くらくらと眩暈が激しくて、鉄球を抱いてその場に踞る。]
……僕としたことが、こんな、こんな……。
[惨めだった。とてつもなく惨めで、また下唇に歯をたてる。 きゅう、と心細そうに腹が鳴る。慣れない場所での極度の緊張、疲労も積もってもう一歩も動けそうになくて。]
まさか、厨房に忍び込んで摘み食いするわけにいかないし……。 食事は用意されないのだろうか。
[認めたいのではなく真に「立場が分かっていない」世間知らずの少女は、館の中で行倒れ寸前だった。]
(312) 2010/04/02(Fri) 20時半頃
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若者 テッドは、良家の息子 ルーカスの横を通り過ぎれたのなら鉄球をうまく転がしつつ一階へと向かい
2010/04/02(Fri) 20時半頃
若者 テッドは、小僧 カルヴィンの姿が見える一階の廊下まで上がってきた。
2010/04/02(Fri) 20時半頃
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― 客室 ―
[ざわめきは玄関から階段を上り二階へ。 台車の転がる音は毛足の長い絨毯に吸い込まれる。]
あ、もう来たのかい? それは嬉しいな。
[部屋に運ばれて来たのは、2m四方はあろうかという程大きな箱。 後からくる「荷物」とやらに満足げに頷き、 其れが男たちの手によって開かれるのを見詰めて居た。]
此ればかりは一緒には無理だったからね… ふふ。
(313) 2010/04/02(Fri) 21時頃
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[葡萄酒の雫がじんわり滲む。 全てが面倒で、厭わしくて、寂しくて、どうしようもない感情が綯交ぜになる。 が、人の気配を感じると、テイルコートの袖でごしごしと拭いて、気丈にも面差しを上げた。]
こんなところで萎れていたら、 家の再興なんてできなくなる。
[紛い物のカソック、目隠し、集められた囚人の異様に見目麗しくまた珍奇に富んでいること。全てを考えれば、答えが導き出せない頭ではないのに、頑に心は思考を拒否して、現実を認識しない。]
……脱走の準備か?
[テッドたち一行には、そんな感想を。]
(314) 2010/04/02(Fri) 21時頃
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― 一階廊下 ―
こんなんぶらさげてちゃ、 逃げる事はできねーだろうさ。
[ごろりと靴の裏で転がす鉄の玉は大きく重みのあるもの。
少年(と、まだ思っている)の声に視線を向ければ 見えていなかった瞳の色が捉えられて]
お前は? 暢気に散歩ってわけでもねーだろ?
(315) 2010/04/02(Fri) 21時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 21時頃
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そうだな、結局はこの館が檻だ。 逃がす気なんてないくせに。
それに逃げても、行くアテなんてない。
[貴族然とした相手でないなら、無理に対等にあろうと肩肘張ることもない。 それでも、つい癖で相手の視界から鉄球を隠そうとはしてしまうのだが。 子供らしさの残る丸みを帯びた頬をぽぅと赤らめながら、もじもじと告白する。]
お腹が空いて……。
(316) 2010/04/02(Fri) 21時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 21時半頃
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― 控室 ―
あ…、…。
[ちりん。 立ち上がる際に啼いた鈴の声に目の前の彼が眉を顰めると、 すまなそうに眉を下げて、首元の飾りを取ろうと。 すっと上げられた手首に今は枷は無くて、代わりに右の足に錘のついた枷が嵌められていた。 白く軟い手首には、赤い枷の痕が出来ていたかもしれない。]
……あの…。
[鈴の飾りを取り終えると、小さく口を開いて。 それはすぐに閉じられたが、一度口を結んでから、ゆっくりと。 金色に漆黒を合わせて彼に言葉を紡ぐ。]
(317) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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『ゆっくり 聞く 言葉 わかります。 話す 上手ないです。 ついていく いいですか? 貴方 悪い 違うみたい。』
[わかる単語を並べて、文を作ろうとする。 それは相手に伝わったか。
彼が同行を許可したなら、共に檻を出るだろう。 鉄球を転がす様を真似てみようかと思ったが、着長では巧くいかず。 結局は片足を引き摺って後をついていく。
灰青の男の傍を通り過ぎる時には。 先を行く彼の影に隠れるように少しばかり身を潜めたかもしれない。]
(318) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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ふぅーーん。
[背が低い自分よりも、まだ低い少年を見下ろしながら 些か、意外そうな声を出した。
行くアテ、確かにここがどこだか解らなければ むやみやたらと外に出ても捕まるのがオチだ。]
…
…… ん?
[空腹の告白には、片眉を下げて ふ、と笑う。]
あーー。 確かに、俺も減った。
[志乃にも解るように、腹を一度ぽんと叩いてから 両手で押さえながらお腹が空いた顔をしてみせた。]
(319) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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厨房で恵んでもらおうか。
[あまりに厳しい食事制限に、真夜中に抜け出してよく摘まみ食いしていたことも、それが見つかるときつい仕置きがあったのも、今は昔の話。 提案してみるものの、少女もこの館の構造が分かるわけではないので、肩を竦める。]
それとも、さっきの道化? みたいな者に頼むとか……。
食事が出して貰える待遇なのか、謎だが。
[先ほどの部屋から漂う珍しい香の中に、食べ物のそれはなかっただろうかと思い出しながら。]
(320) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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― 一階廊下 ―
[檻を出て、廊下へと出る。 光を浴びれば、艶やかな黒髪は一層輝きを増して。 歩くたびにさらさらと揺れる。
やがて一階へと上がってきた頃だったか。 先に檻を出て行った少年と遭遇する。 交わされる二人の会話はまだ聞き取れなくて。 単語の端々から内容を想像するので精一杯だった。]
(321) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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『…空腹?』
[少年の最後の言葉を反芻する。 次いで傍らの彼も、身振り手振りで空腹を伝える。 どうやら彼らはお腹がすいているらしい。 そう言えば確かにお腹がすいた。 思って、帯へと手を伸ばす。 のど飴位なら持っていたはず。 腹の足しにはならないだろうけれど、気が紛れれば少しはマシだろう。
此処に来るまでに落としていたり、取り上げられていない事を願いつつ、帯を探ろうとすれば。 ちりん、と先程外した飾りが床へと落ちただろうか。]
(322) 2010/04/02(Fri) 21時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 21時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 21時半頃
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― 一階廊下 ―
そー上手くいくかー? 俺達の待遇は、良いとは言え…
[単語を合わせただけの会話でも 意志疎通はかろうじてできる異国の女。
帯を探れば揺れる黒髪 ―― つい視線を向けて
鈴の鳴る音に我に返る。]
!
(323) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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― 控え室 ―
[金の眼の青年と、異国の女の不器用なコミュニケーションを、ルーカスは暫くの間、可笑しそうに見詰めていた。]
おやおや、随分嫌われてしまったようだな。 まぁ、別段、困ることでもないけれどね。
[無言で去る青年と、それに隠れる様な女を見送って、苦笑と共に零す言の葉は、修道女風の女と、もし男の姉の姿があるのなら、聴こえたことだろう。]
隣にもう一人、カンバス候補が居るのだったか……。
[ルーカスもまた、壁際から離れる。 はたして、隣の部屋にカンバス候補は、まだ居たか。 居たにしても、その容姿を確認しただけで、特別声を掛けなかったのは、辿り着く前、胸元から取り出した懐中時計で知った時刻故。]
(324) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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[ざわめきが耳を擽る。 明らかに道化達のそれとは違うそれは、階下。
人肌ほどに温めた蜂蜜酒の入った陶器を手に、 背負う苦味ある香に甘いそれを足し、 階下を眺めて居る。
手摺には何時しかその肌を傷付けぬよう、 薄布が巻かれていた。]
(325) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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!
[りん、と鈴が鳴る。自分が猫と勘違いしたそれ。 飾りの風体をしていたが、彼女自身のものか、それともここで着けさせられたものか。 後ろめたいことなどないはずなのに、思わず反射的に一歩引いて固まった。 チャラ、と遅れて鎖が擦れる。]
大事ならものなら、持っておけ。不要なら捨て置け。 ……意志があるんだろう。言葉は通じないようだが。
[明かりの下で見たなら、珍しい絹の織り目は奇異に映る。 身振り手振りで鈴の処遇を提案してから、ふと廊下の先に目をやって、]
あちら側はまだ行っていないが……。 鉄球をつけたまま、食料を盗むのも難しいだろうな。 気に入られれば、茶会にでも招かれるのかも知れないが。
……君、名は。僕はあそこで名乗ったぞ。 名乗らないなら、ずっと「君」のままだな。 不便ではないから、好きにするといい。
(326) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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― 至る1階廊下 ―
……軽食でも貰おうか。
[懐中時計で知った時刻に、零れる独り言。 緩やかな足取り。されど、コンパスに見合った速度で階上へと向かえば、1階の廊下に集まるカンバス候補達の姿が在った。丁度、鈴に関してやり取りがあったタイミング。]
やあ、少しどけてくれないかな。 私は、軽く食事を取りたいのでね?
[彼らが空腹を覚えているとは知らず、また、自分が端を通るという選択肢はないような態で、道を開けるように願った。]
(327) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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― 客室 ― [祁門の薫りを暫し楽しみ、男は思い出したように時計へ視線を送る]
そういや飯が未だか。
[ソファーに腰掛けたまま、辺りを見渡す。 受話器へ手を伸ばし、幾らかの注文を付けた。 男に自ら出向くなどと言う思考は無い。 程なく運ばれてくるだろう食事を待つ間、手持ち無沙汰になる]
(328) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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……ご一緒願えませんか。
[背に腹は代えられない、とはこのことだろうか。 なるべく控え目に、乞食には聞こえぬように、言葉を選んだ。 当然、金髪の紳士の側からは鉄球が見えぬ立ち位置をわざわざキープして、もう一歩下がる。]
(329) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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― 一階廊下 ―
[どこからか香りがして鼻を擽った。 ん、と思うも鈴を拾って志乃へと渡そうとする。]
簡単な単語なら知ってるみたいだ。 さっき、喋ってた。
[少年に向けそう伝えてから]
気にいられる ねぇ…
[意味深に言葉を届ける。 名を尋ねられれば、ああ、と名乗ろうと口を開くが 食事を取るために一階へ上がって来た男の声に言葉が止まった。]
(330) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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… っ
[飯を共に食べようとする少年の言葉に
は?
と、喉まで出た声を飲み込んだ。]
(331) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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――…りん!
[鈴が地面とぶつかって、声を上げた。 その音に二人が反応する。 少年は一歩身を引いて、身を強張らせる。 その様子につられるように、あ、と声を発して。 鈴を渡されれば。]
『ごめんなさい。』
[小さく、それだけ告げて。 鈴の処遇の提案には必死に耳を傾け、最終的には落とさないよう 懐へと仕舞う事にした。
その折だっただろうか。 灰青の男がやってきたのは。
その姿を認めると、先程と同じく控えめに隠れるように。 少しだけ金色の彼の傍へと寄った。**]
(332) 2010/04/02(Fri) 22時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 22時頃
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―― 食堂裏厨房 ――
[ちょうどその頃、貴族のお客用の食事は整いつつあった。 言いつけのあった分は銀蓋で熱々の状態を保ったまま部屋にワゴンで運ばせ、それ以外は食堂にと晩餐の準備。 余興の前の儀式のようなものだ。何せ、この館の主であるヨアヒムが、人三倍は食べるのだから。]
(333) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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[客間には絶えず紅茶と焼きたての茶菓子が提供される。 けれど、それが『商品』に行き渡ることはない。 貴族が気紛れを起こして施すというなら、別だけれど。]
(334) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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― 1階廊下 ―
[階上からあまり嗅ぎ慣れぬ香が降ってくる。 少し視線を向ける。エントランスの方から薫ってくるようだ。
僅か細めた灰青は、少年(と思っている少女)の願いに、金目の青年の裡を体現するかのように一瞬見開かれた。]
ふっ、あははははは 君は面白いことを云うね。
[基本的に、主人と奴隷が食事を共にすることなどあり得ない。 例外はあるだろうが、例えば、ルーカスは作品としての教養に食事指導をすることもある。出来あがった作品は、作品として買い取り先の主人と食事を共にすることもあるからだ。
少年の願いは、自分の立場を判っていない、と取れた。 判っていないのか、判りたくないのかは、男には知れないが、笑いのツボに見事に嵌ったようだ。]
(335) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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― 客室 ― [空いたカップをテーブルへ置いて、男は菓子をつまみながら 部屋に備え付けられていた本を読むでもなく頁を捲っていた。
食堂からワゴンで運ばれる晩餐は食事に五月蝿いヨアヒムが用意させるだけあって極上の食材を使ったものばかり。 程なくその食欲を促す香りが>>330一団体の傍を そしてヴェスパタインの傍を通ることになる]
(336) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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[結局名乗らない傍らの青年――珍しい黄金の瞳をしている――の顔と、紳士の爆笑に、気圧されてもう一歩引く。 テイルコートの尻尾が不穏な空気を孕んで揺れた。]
そんなに、可笑しいことを言っただろうか。 このままでは、もう動けそうにないんだ。
[飼い殺すために連れて来たのか、との問いは飲み込んだ。 肯定されれば、餓死しか待っていない。 物憂げな表情は、取り繕わぬ本当のもの。]
(337) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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小僧 カルヴィンは、傍らを通り過ぎ運ばれるワゴンからの食欲をそそる匂いに、きゅうと腹が鳴った。
2010/04/02(Fri) 22時半頃
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― 1階廊下 ―
よろしい。 笑わせてくれた礼に茶くらいは振る舞おうか。
[クツクツと喉を鳴らして、是と云う。 笑い涙に滲んだ灰青は、金目の青年と、それに寄り添うような異国の女にも向けられる。]
君たちも良ければ、どうぞ? 次、何時食べられるか知れないからね。
さて、では、早く道を開けてくれないかな? 部屋に戻れない。
[ヨアヒムが同席を願うならば、晩餐は食堂に出向くつもりであるが、軽食であれば宛がわれた客室で取る気である。
言葉を紡ぐ男の脇を、使用人が食事を上階に運ぶ為に過ぎて行った。良くしつけられた使用人は、聞きかじった会話を拾い、ほどなくルーカスの部屋にも軽食を運んでくれることだろう。]
(338) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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― 一階廊下 ―
[謝る異国の女には謝るなと緩く首を振ってから 懐に鈴をしまうのを見た。
爆笑する紳士、立場を弁えていない少年に肩を落とした。]
っわー…
[ワゴンががらがらと音を立てて食事を運び過ぎていく。 確かにあんな飯なら食べたいけれどと内心は思うが そんなこと、叶うわけはないと金の目を 細めた。]
(339) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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―― 一階廊下 ――
[紳士の言葉に、パッと少女の笑顔が輝いた。 連れて来られてから、猜疑に凝り固まっていた全てを取り払って。 それが食べ物絡みなのが、未だ稚い証拠。 すぐに『餌付け』という単語が浮かんできたが、空腹により優先されるべきものはない。]
……感謝する。 君たちは?
[どこか釈然としないものを感じながらも、首を縦に振らないわけがない。すぐに畏まった礼を一つ。 それから、同行者となりかけた二人に問うた。]
(340) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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って、
――― はァ?
[道楽にも程がある。 細めた瞳を見開いた。
気紛れで ――― 悪趣味だ。
印象はやはり変わらずのまま 彼が通るだけの道は開けた。]
茶 だけ らしいけど 飲ませて くれるって
行くか?
[ゆっくりと志乃に言葉を伝えた。]
(341) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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小僧 カルヴィンは、嬉々としてルーカスに道を譲る。現金なものである。
2010/04/02(Fri) 22時半頃
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[さて、男は当然奴隷となるモノと飯を同席するような人間ではない。
ただ、運ばれる食事がどうなるかは 男が関与出来るところでなく。
使用人が襲われたとすれば、その食事はここへ届く事は無いだろう]
(342) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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[どっちにしろ1人にしておくのも危ないかと思い]
行くよ。
[空腹なのは間違いない。 水分でも胃に入れるに越した事はない。]
(343) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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[少女は豪華食事満載のカートを追い駆けたい気持ちに駆られたが、ぐっと我慢して雛のようにルーカスの後ろについて歩く。 彼の遠慮ないコンパスからすれば、鉄球を転がしながらの行程は大変な労働にもなったが、その先にご褒美(食べ物)がぶら下げられていては、抗いようもないのだった。]
(344) 2010/04/02(Fri) 22時半頃
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― 1階廊下→エントランス ―
[茶をとは云っているが、スコーンなどの軽食も付いてくることだろう。――まぁ、それを彼らが知らずにワゴンが襲われても、ルーカスの笑いのツボを更に刺激されるだけなのだが。
少年(少女)は、軽食も付いてくると、表情から理解できた。 状況は分かっていなさそうなのとの、アンバランスにまたルーカスの喉が鳴る。
道が開かれれば、遠慮ない足取りで、振り返ることなく先を行く。]
おや…―――
[視線を上げれば、2階エントランス部分に人影があるか。 漂う香りの持ち主らしい人は……]
失礼。ジェレミー殿のご友人かな? 私は、この場ではルーカスとだけ一応名乗っておきましょうか。
[下から声をかけず、階段を上がり切ってから、同等の立場として挨拶を向けた。]
(345) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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─ 控え室 ─
[古城の別荘に相応しい時代掛かった馬車で運び込まれるのは、重々しい彫り物の入った柩。蓋には、真新しい金文字でイアンの名前が刻まれている。 屈強な男達の手で運ばれたそれは、控え室に置かれ、慎重に蓋を開けられた。
「丁寧に梱包しておいた。 意識が有るなら包帯の一部だけ解いてやって“ミイラ”はそのままに。 意識が戻らない様なら、梱包を解いてラッピングしてくれ。 私の“友人達”が望むなら、梱包を如何するか、彼等に任せても構わない。」
重い柩が床に降ろされる気配に、イアンの意識は**──。]
(346) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時頃
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チェンバレン様がお部屋で? 至急、手配しておきましょう。
[まるで最初からそうであったかのように、整って行く軽食の準備。 ローストビーフやらスモークサーモンやら、やたら肉々しいものが挟まったホットサンドとグリーンサラダが用意される。]
どうせ、御主人様とは 定刻に会場でご対面できますしね。
ああ、でも今は『商品』が野放し状態ですから、気をつけて。
(347) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時頃
良家の息子 ルーカスは、ランタン職人 ヴェスパタインとは、一先ず挨拶のみで、宛がわれた客室へと足を向けることとなる。
2010/04/02(Fri) 23時頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時頃
紐 ジェレミーは、届いた食事にやたら肉が多いなとぼやきながら食事を始める事にした**
2010/04/02(Fri) 23時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時頃
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−廊下→控室−
(……食べてきて良かったァ。)
[猛禽類のような目を細めて、状況を見守る。]
(間抜け顔して食べ物に目を向けるなんて、愚の骨頂。 気ィ抜いたらあっという間に「飼い馴らされて」終わり。子供がそれするならともかく、大人がああなったら……ねぇ。)
[奴隷を連れてゆく役目を仰せつかった男の横顔を見て、呟くように告げる。]
……私は何処に連れてゆかれるのですか? 恐ろしくて堪りません。
(348) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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―― エントランス ――
[また舞い戻ってしまった魔の階段。見下ろす視線からはなるべく避けるようにして、隅を鉄球を抱えてよじのぼる。 振舞われる軽食には、完璧なる作法を披露し、足枷さえなければ対等の特権階級の友人であるかの如く振舞うことになる。 それ全て、紳士には含み笑いの対象になるのだと、知りもせず。]
(349) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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(なんつーか… 子守り気分?)
[少年と、女が目の届く位置にいるのを見てそんな事を思う。 それと同時に、家族のことを 思い出してしまう。]
――――…
[静かに、ルーカスと名乗った男と共にエントランスまで。 異国の女の足にある鉄球も自分のと同じように靴の裏で ごろりと転がして歩きやすいようにした。]
(350) 2010/04/02(Fri) 23時頃
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小僧 カルヴィンは、ワゴンだけでなく、頑健な男に連れられていく女と擦違ったが、鉄球を隠すのに必死だった。
2010/04/02(Fri) 23時頃
子守り パティは、何かに必死な表情を浮かべる華奢な「王子様」を横目に見た後、控室へと向かった。
2010/04/02(Fri) 23時頃
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― 至る客室 ―
[漂う香りの主と、挨拶のみ交わして、 一先ず餓えたカンバス候補達に軽食を振る舞うこととした。 途中、屈強な男たちに連れられる女が見えれば、一度値踏みするような灰青を向けた。]
……軽食にしては、随分肉々しいな。
[部屋に落ちつくと、暫し後、運ばれてきたものは、まるで彼らの裡を読んだようなもの。 おそらく、此処の使用人が分かってやっているのだろう。 ――否、ヨアヒムの好みかもしれぬ。
少年(少女)が取り澄ました顔で、それを食べるのを、ルーカスは可笑しそうに見詰める。金目の青年と異国の女も居たのだろうか。居たならば同じような視線を向けるだろう。]
(351) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時半頃
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−控室−
この部屋は……!?
[畏れのような表情を浮かべ、控室を見回す。 豪華な調度で彩られた廊下とは明らかに異なり、どこかぞんざいさを含んだ造りをした部屋。
案内人の男が居なくなったことを確認すると、鉄格子で鎖されるであろう部屋をぐるりと一周見渡して、目を細めた。]
まあったく、こういうのって、誰向けのインテリアなのかしらね。 買われる側に恐怖を与える為かしら?それとも買う側を勃起させたり濡らしたりする為?
……小金持ちが売春婦とモーテルでセックスしたくなるのって、こういう気持ちなのかしら。
[流暢かつあまり品のよろしくない英語で、ぽつりとつぶやく。 そして控室の真ん中に鎮座する柩を、足先で小突いた。]
(352) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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[廊下ですれ違った女もまた、こちら側なのだろうと察する。 香りの主だ近付けば察して、手に持つ酒を一度見た。 会釈もしないまま、金の瞳を逸らし足を運ぶ。
金持ちの歪んだ道楽。 毛嫌いしているのに、足を突っ込んでしまった。
唇を一度引いてから、ルーカスの客室へと向かう。 用意された食事 ―― 顔色は変えずのまま]
腹 減ってたら 食っとけ
[志乃にはゆっくりとそう告げた。]
(353) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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[女はいまだ壁際に控えたまま。 命令も指示も新しくいただいていない以上、従うのは最初にもらった「ここに居ろ」という指示。
空腹を感じても、自ら欲しいとは言わなかった。
飢えてやつれても、満ち足りて肥えても、どちらにしても美しさを台無しにするのだと聡い主人ならば理解しているだろうから。
運び込まれた大荷物の異様さに、僅かに瞬いた。]
(354) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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―― 客室 ――
[ぴんとのばした背筋。机と上半身の間は拳一個分。 紅茶のカップを傾ける仕草から、巧みに食事を切り分け、銀のフォークで口に運ぶ。一連の動作が流れる音楽のように洗練された貴族のそれ。]
助かりました。
[素直にルーカスには感謝を述べ、それ以外は黙々と食事に専念する。 肉っぽかったりやたらこってり脂がのっているのが、少女の胃には少しもたれた。 今はまだいくらか信頼の宿る眼差しで、紳士の顔を見詰める。]
色々な人がいるものだな、ここには。 枷の者も、枷のない者も。
[ふ、と表情を和らげて感謝の証に一度目を伏せた。]
(355) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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[男は茶をひと口、口にしてそれからなにも口にはしない。
来た道、周囲の間取り。 逃げだせるのならどこから、と考えていた。 自分ではなくてそれは、他人にも有効だろうと。
険しい面持ちは崩さないまま。**]
(356) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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−控室−
[部屋の片隅に、修道女の格好をした女神像が鎮座していた。 否。彫像だと思ったらヒトだった。]
……なんだ生きてるんだ。そこの「ヒト」。 枷を付けられた彫像なんて、どんだけ下品なのとか思ったら。
[顎をくいと上げ、話をするよう促す。 手に掛けられた枷の鎖が、ジャラリと音を立てる。]
(357) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
|
/*
業務連絡
開始まで90分を切りました
(1日目は72h予定、長すぎの場合は48h時点でコミットします)
今一度、役職の確認をお願い致します。
奴隷→村人 お客→囁き狂人 ★人狼は希望しないで下さい!
(#2) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時半頃
子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/02(Fri) 23時半頃
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― ルーカス客室 ―
[金目の青年は、紅茶を一口飲んだ以上は何も口にしようとしない。それに当初受けたイメージが更に深まる。手負いの獣だ。
――ルーカスの気まぐれは、後を考えれば残酷とも云える。 他の買い主が、食事をまともに与えるかは分からない。 それを本能で悟っているのだろうか?と、想像して男は愉しむ。]
いや。大したことではないよ。
[逆に分かっていなさそうな少年(少女)の礼の言葉と、いくらか信頼の乗った眼差しに、ルーカスは可笑しそうに灰青を細める。
――例えば、ジェレミーが喋れぬように少年(少女)の口を縫おうと云ったことはルーカスは知らぬことだが、咥えなくなる以前に食べられなくなるという、良い例だろう。]
(358) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
|
|
そうだね。 君は、その差をどのように捉えているのかな?
[眼を伏せる少年(少女)に、表面上は相手が望むよう、上流階級の親しい友人に話しかける優雅さを持って尋ねるのは、枷のあるなしの差。
――優しさと残酷さは、時に表裏一体か。]
(359) 2010/04/02(Fri) 23時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 00時頃
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勝者と敗者。
けれど、敗者がのしあがるための機会が、 今与えられている。
ここで、お金が……融資が得られると聞いて来ました。
[視線を落とすと、紅茶の底に残った水面に自分の顔が頼りなげに波紋に揺れていた。]
だから、貴方がたと接点を持つのは、悪くないことだと。
ミセス・グロリアは貴方の姉君だったか……。 彼女も、悪くはない。
[少なくとも、蜘蛛の巣のように薄布を巡らせ階段上に罠を張っていた者たちに比べれば。今は侮蔑の視線を感じないから。]
それにしては、足枷や拘束がいきすぎで、 悪趣味だと思うけれど、それくらいは……我慢、する。
僕にはどうしてもお金が必要だから。
(360) 2010/04/03(Sat) 00時頃
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― 廊下→客室 ―
『…はい。』
[お茶の誘い。 どうするかと問われると困ったように眉を下げたが、行くよ。と金色の青年が言えばこくりと頷く。 そして灰青の男に警戒したまま、後に続いた。
警戒する相手に別段何かされた訳ではない。 けれど、彼が見せた表情と、あの言葉が気になって。 様子を伺うように、漆黒は時折灰青の男―――ルーカスを見ていた。
道中、歩き難そうに片足を引きずっていると、金色の青年は足元の鉄球を器用に転がしてくれた。 それのおかげで幾らか歩きやすくはなったが、枷のついた足首は少しひりひりと痛んできていた。]
(361) 2010/04/03(Sat) 00時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 00時頃
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― 二階:エントランス階上 ―
[匂いに視線を彷徨わせた時、足音が一人分。 階段を上り歩んでくる様子に、視線を向けた。]
ん、――初めまして、ルーカス殿。 ボクはヴェスパタイン。
[ジェレミーの友人、との言葉にはひとつ、頷いた。 彼の紳士然とした身のこなしには、 憂い含む視線が僅かに細められる。
挨拶を交わした後、去る背にはひとつ吐く、息。]
(362) 2010/04/03(Sat) 00時頃
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|
敗者が、のし上がる為の機会、か…―――
[少年の言葉に、男の眼は細まる。表面上浮かぶのは穏やかな微笑。彼が望むままのし上がる機会など、この状況に置いて、砂漠で求む一粒の砂を見つけるのに等しいのではなかろうか。]
まぁ、姉さんは、そうだね。
[弟が知っている範囲ならば、そこまで奴隷の扱いが酷い部類には入らないと云えるか。]
しかし、悪く『は』ないなどと、 上から目線をあの人が受け入れるかは知らないよ。
[少しばかり困った表情を見せた。]
さて、何故、君はそこまで金を必要とするのかな? 君の名前は確か…―――
[ウィングフィールド伯爵の話は、懇意でなくとも噂では聴いたことがあるだろう。記憶を蘇らす鍵にと、再度名を確かめる。]
(363) 2010/04/03(Sat) 00時頃
|
|
僕はシルバーバーグ子爵……、
[ウィングフィールド伯爵家の跡取りの唯一の嫡子。 それ故強制されてきた、男としての生き方。 身内の恥だ、幾らか気落ちした途切れ途切れの低い声で、どこにでも転がっているような不幸な身の上話。]
家の経済状況がよくなくて、と言えば伝わりますか。 没落貴族、と言われてしまえばそれまでで。
[意地でも父の名は出さない。 事業の失敗で、全てを見捨てて――家の名からも、一人残されることになる子供からも、逃げた男。 今まで父のような紳士になるべく育てられてきたが、今では全く尊敬できなくなっていた。あのような無責任な男には、自分はならないと堅く誓って。 動揺したのか、空になったカップがカチャンとけたたましく鳴った。]
(364) 2010/04/03(Sat) 00時頃
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−控室−
[足元に鎮座する柩を見下ろす。]
I,a,n,…あとは読めないわね。装飾過剰で。 貴族様っていうのは、どうしてこうも無駄なことが好きなのかしら。ま、「子孫を残す」以外には特にやることが無い人間が考えることなんて解らないわ。
ここに入ってるのは死体? 買われた人間の成れの果てかしら。
ヘイ、ファッカー。イアンなんたらいうんでしょ? 起きてるんなら返事しなさい。 死んでるんなら「死んでる」って言えば良いわ。
(365) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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|
上から目線……は、
謹みます。
[左足だけ半端に怠い。それが紛れも無い、勝者と敗者の壁の証。 反発しそうになったが、腹が満たされ幾らか余裕も出てきた。 小さく頷いて、落ちてきたサラサラの前髪を鬱陶しそうに払う。 食事が終わると、手持ち無沙汰になって、瞳と同じく深いワインレッドのリボンタイを結びなおしたりと、そわそわし始める。]
(366) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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小僧 カルヴィンは、良家の息子 ルーカスの背中を追っていた時に、ヴェスパタインの名前もちゃっかり記憶していた。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
─ 控え室 ─
[僅かな隙間だけ開いた状態で置かれた柩の蓋は、パトリシアに蹴飛ばされて>>352床にずり落ちた。 重い音が響く。 重厚な葡萄色のクッション材で内側を覆われた柩の中を覗き込む者があれば、ミイラのように真っ白な包帯で丁寧に巻かれた男の姿を見つけるだろう。イアンの身長は185cm。この屋敷の中ではどうかは知れないが、肉体と肉体がぶつかり合うスポーツを好む男性の身長の中では「普通」だろうか。 意識が有るのか無いのか、イアンの認識するところの壁から伝わる振動に、包帯のミイラは身じろぎをしようとした。まるで、真っ白い芋虫のように。]
── … …、
[パトリシアの呼び掛けは聴こえているのか、声は響かない。ミイラは答える事が出来ない。]
(367) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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― 客室 ―
[部屋に入れば、お茶と軽食を振る舞って貰えた。 食べ物を目の前にして今にも鳴りそうなお腹。 先に食事に手をつける少年。 金色の青年の一言も後押しして。]
…いただきます。
[静かに手を合わせてぺこりと頭を下げると、すっと綺麗な指先が軽食へと伸びた。 その手首には赤い色がついていて。 それは紅い羽織りと同じく、白い肌によく映える。
手にしたものは頬張る事なく、しとやかに身体の中へおさめられていった。 その様からは育ちが悪くない事が見て取れるだろう。]
(368) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
記者 イアンは、柔らかな白い包帯越しに、夢にしては剣呑な響きの声を聴いたような気がした。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
…えぇ、生きております。
[不躾にかけられた勇ましげな女の声に、小さく頷いて答えた。 彼女の強い眼差しは、この場にはあまりに場違いに思えて、 それだけに…この先酷い目に合うのではないかと、そんな不安を僅かに抱く。
蹴り開けられる棺。 中に収められた大柄な包帯の固まりに、わずかにぎょっとするか。 けれども、死臭はまとっていないように思えた。]
(369) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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―少し時は遡る― [>>186突然、掛けられた声に、目を見開いた。 映ったのは黒い豪奢なドレスを纏った女性]
(…貴女【も】?…他に誰かいるの?)
[足元から強く流れ込む冷たい空気。身震いする。思うように動けない身体では 自分の目からはどうなっているかは確認できない。 だがだんだんぼやけた頭がはっきりしてくると、なんとなく恐ろしい予感がした。
自分を見下ろす女性から掛けられた言葉。 髪を梳かれてもよけることはなかったが 別の意味でいやな予感が膨れ上がってくるのをうっすらと感じつつあった]
[少し時間がたって、入ってきた男たちに身震いした。 思わず抵抗しようとした身体を押さえつけられ悲鳴を上げようとしたが、 それは声にならず。 しかし辛うじて動ける程度には枷は解かれた。 両腕に一つずつ、鎖と鉄球が付いてはいたけど。 暫く後にはいってきた少年?>>238には気がつかなかった。 彼女が動く気力を取り戻せるのは*さて*]
(370) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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|
(敗者……?)
[食事をとりつつも、警戒と聞くことは忘れない。 ルーカスと少年が交わす会話は、黒い瞳だけをきょろりと動かして、猫のようにじっと眺めていた。 滑らかな異国の言葉はやはりすんなりと理解は出来なかったが、学んだ事のある言語が主流となっていたのは不幸中の幸いか。 そしてふと、険しい顔の青年を視界の端に捉えれば]
『空腹 言ってました。 ……貴方は 食べない?』
[金色の青年にだけ聞こえるよう、ぼそりと囁いた。]
(371) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
|
― 客室 ―
嗚呼、なるほどね。
[異国の女の窺うような視線は、今この時も続行されているのだろうか。そうだとしても、ルーカスは気にする様子は見せない。上品に咀嚼する様を、好ましげに見さえした。
子爵と名乗る少年(以下少女と記す)の言葉に、思い当たる案件があったのか、そうでないのか、どちらにしても理解を示すように、一つ男は頷く。カシャンと鳴る食器の音には、やや窘めるような視線を向けるも、声を荒げたりしない。
――表面上は英国紳士を気取っている。 (英国生まれかは、さて……。)]
まぁ、私よりは、姉さんの方が君の望みを叶えてはくれそうかな? 姉さんの機嫌を取るのが、近道だろうね。
[上から目線を慎むという言葉に、僅かに唇の端をあげる。]
(372) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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|
大して面白い話題も提供できず、 恐縮だ……です。
[慌てて言い直す。 その存在だけで充分面白がられているとは、本人は知らない。 風変わりな女性の食事風景を一瞥。 東洋では、箸と呼ばれる二本の棒で食事をするのではなかったか。 その作法を注視する。意外と見苦しくはなかった。]
(373) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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|
家の復興を願うならば、君が君でいなければならないのだろう?
[ジェレミーやヴェスパタインが、どのような趣向の持ち主かはハッキリしていないが、少なくともルーカスの元に来れば少女は作品として生まれ変わらざる得ない。それを踏まえての言葉。しかし、今の段階では少女に取って意味の判らない言葉に過ぎないか。
あえてはっきりと彼女の立場を謂わぬのは、知った時の表情を愉しむ者も居る為。この段階で、その嗜好を持つものの愉しむを奪うことはしない。]
手持無沙汰なら、出ていっても構わないよ? 不作法だとは、謂わないさ。
[少女のある程度の情報が得られれば、そわそわする相手に自由にすれば良いと、穏やかな口調で告げた。]
(374) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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−控室 >>367−
……白い芋虫。 なあにコレ。死体にしてはよく動くじゃない。
ねえイアンなんたら言うヒト。 残念なことに、アンタを解放してあげるにも自由に手が動かないのよね。そこのマリア像は、アタシの言葉じゃ動かないみたいだし。
アンタがイケメンだったら許してあげなくもないけど、不細工だったらハラワタ引き抜いてぶっ殺すわよ。
……なあんて、冗談だけど。 アタシはアンタを殺せる「立場」にはないし、ねぇ。
ま、これやった人間は、アンタの面構えなり身体なりを想像して楽しめって趣向でもお持ちなのかしら。
……趣味悪ぅ。
(375) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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|
[イアンの両手は胸の前で交差する形に固定され、上から丁寧に包帯で拘束。両足は揃えられている。素材は柔らかな布で有っても、ここまで丁寧に巻かれては身動きが出来ない。
鼓膜に届く音は霞んで遠い。 遠いけれど、何かしら道中、悪夢の中で聞いていた音達とは異なる意識を伝えているような気がした。
柩の中、ミイラの足元には手のひらに収まる程度の大きさの丸い透明な分厚い硝子と、何か強い力でプレスされて出来たような小さな黒い金属塊が入っている。その事はイアンはまだ知らなかった。
道中と変わらず、熱をおびたままの身体。しかし浮上する疑念。 ──だ れ だ? そう問いたい意識とは裏腹に、その白い塊はピクピクと胴を動かすだけ。]
(376) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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良家の息子 ルーカスは、小僧 カルヴィンが語尾を謂い直すのを聴いて、また一つ喉を鳴らす。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
はい、気に入っていただければ。
[乳白色の顔色が、食事を摂って随分と良くなった。 ルーカスの助言には、これも素直に頷く。 大分棘の取れた態度は、この姉弟に対してのみ向けるもの。 誂えられた衣装や、重たい足枷を一巡した後、きちりと膝上に両手を揃えて、何とも奇妙な空気のお茶会の一端を担っている。]
(377) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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― 客室 ― [食事を終えた男は階下の使用人に連絡を取る。 勿論ワゴンを下げさせる為。 身分の高い男が 商品と食事をしているとは、露ほども知らない。 やがて男の部屋の扉が開かれ、使用人が顔を見せる]
(378) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
|
[──女? 米語? 道中よりは幾分酔いから醒めてきているものの、イアンは極当たり前の事から反芻しなくてはならない状態だった。
両目を覆われた視界は暗く、自分は海を渡って取材に来たのではなかったか。パーティーの行方は如何なって、自分はこうなっているのか。]
(379) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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−控室 >>369−
ハァイ、麗しのマリア様。 意外と素敵な声をしているのね。 もっと喋ればいいのに。
[この趣味の悪い部屋に、過剰なまでに馴染んでいる修道女姿の「ヒト」をまじまじと観察する。おそらく彼女は「自ら喋る」ことに慣れていないのだろう。なんとなくそれを肌で感じる。]
まあいいわ。 ここで何が起こるのかは「知らない」けれど、スーパーマンが来ないことはよくわかるわ。だってここには電話ボックスが無いのだもの。
[ちらりと女神像を見る。 彼女の「世間に対する知識量」と「反応の仕方」を確認するかのように。]
(380) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
|
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 01時頃
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― 客室 ―
[少女が云い直す様に、少しの微笑を贈る。また、異国の女と金目の青年が互いに想いやる様も、灰青に時折収めたか。
奇妙な茶会。 しかし、ルーカスは、何気に何も口にしては、いなかった。 そのことに気が付くカンバス候補は居たか否か。
時が来て、彼らが居なくなれば、 男は改めて温かな紅茶とスコーンを所望するのだった*]
(381) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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僕は僕で……ええ。 だから舌を噛むこともできない。
[ふと、双眸に翳が過ぎる。それも一瞬。 咎められないようなので、一礼してまた鎖の音をさせながら、退室する。 どこをどう通ったかは覚えていないが、なるべくヴェスパタインやあの金髪の男が居なさそうな道を選んで。]
……どこへ行こうと言うんだ。 出口なら、そこにあるのに。 枷を抱えたまま、警察に駆け込む、か……?
[だからといって、債務が消えるわけでもない。 あらぬ希望を打ち消す。 少女の幻想――白馬の王子様は、現実世界には居ないのだ。]
(382) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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−控室−
[白い包帯に丁寧に「梱包」された身体がビタビタと撥ねるのが、視界の端に映る。]
イキが良いのね。 見た目は全身ペニスみたいだけど。
[柩の中身には、触れない。 あくまで自分は、「買われる」側の人間なのだということを忘れてはいけない……というよりは、包帯に巻かれた巨大なペニスを観察するのが楽しそうだなぁと思ったのが正解なのだが。]
(383) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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―客室―
さて、そろそろかい?
[扉を開けてやってきた使用人に首を傾ぐ。 低い声は近辺の廊下程度になら届いていた]
しかし 性奴として連れて来られているのがわかってる子は 何人いるんだ?
[詳しい数は返って来ない。 まあいいさと呟いて、皿がワゴンに乗って戻っていくのをただ何となくみていた。 食事の三分の一は食べ残されている。 否、量が多すぎるのだ。 この館の主が恐らくひとより三倍食べるのだろう]
(384) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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…いえ、わたくしなど。
[恐縮するように身を竦めて、一歩下がる。 続いた言葉にはよくわからないというように、眉を下げた。
娯楽を与えられる立場にはない。人とみなされぬただの調度品には、必要のないもの。 ものを知らずとも支障はない。 相手の語る言葉に聞き入って頷くことが出来れば十分。 大抵の偉そうな人間は、講釈を聞くよりも己の知識をひけらかす方がお好みなのだから。]
(385) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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―― 控え室 ――
やれやれ、残ってるのはこれだけですか。 従順な、と褒めるべきでしょうかね。
さて、脱走したモノたちも連れ戻さないと。 この趣向が、お客様のお気に召したらいいんですけど。 まさか窓から逃げたりしていないでしょうね。
[パンパン、と手を叩いてガタイの良い男たちを集める。 『商品』を舞台に運ぶようにと指示して、正体不明の道化師は自らの持ち場へと向かうのだった。]
(386) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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[芋虫 死体 マリア ぶっ殺す
手が動かない?
芋虫が自分だと言う事に、即思い至るほどにおつむは働かない。 剣呑な声の主に「死んでいない」と伝えようとして、イアンはおのれ口には喉を詰めすぎない程度に布が詰め込まれており、動かそうとしても手足の指一本動かない事に気付いた。
自分は取材先のパーティーで乱闘騒ぎでもしでかして袋詰めにされたのだろうか。幾ら高級なシャンパンを浴びるように飲んだとして、アルコールで簡単に酔うとは思えなかったから、薬物でも振る舞われたか。キラキラのシャンデリアとシャンパンタワー、屋敷中に飾られた動物の剥製とパーティーの時に配られた本革のマスク、イアンはシマウマを被った以外に記憶が無い。
イアンの纏められた両足を誰かが引っ張る。 それはイアンを詰めた柩を運んで来た屈強な男の一人だったが、イアンは声の主の女に引っ張られたのかと勘違いする。]
(387) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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[ペニス
こういう単語は聞き逃さない。
──セックスなら出来るが、勃起して痛いから歩く気は無い。 やりたいなら俺を解いて、ベイビーが乗ってくれ。 そうだ、これを解いてくれ。
しかし、準備を整えようとラッピングに掛かる下男達が黙々と作業を行おうとしているだけだ。]
(388) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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>>385 ……ふうん。
[短く答えて、眉をしかめる。 猛禽類のような目が、上品な女神像を観察するように眺め回し、そして視線を逸らした。]
いいえ特に問題は無いわ。 ま、お互いに「良い御主人様」に買われるように、祈りましょうねぇ。
(389) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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