42 廃棄人形ーeverlasting love marionetteー
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全
ケイトは、×行ってます→○行ってきます
CEDRIC 2011/01/18(Tue) 10時頃
ケイトは、*そう、きっと寝不足が原因。*
CEDRIC 2011/01/18(Tue) 10時頃
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―病室―
――……
[ゆっくりと目を開ければ見慣れない白い天井が視界に映り、 ピッ、ピッ、という電子音が静かに部屋に響く]
……私は……
[視線だけ動かして周囲の様子を見る。 人形が修理されるような工房ではなく、 人間とほとんど変わらぬ設備が整えられた病院の一室]
……まだ、壊れて……
[力を込めれば僅かに体が動く。 若干痛みの残る喉を震わせて、彼の名を呟いた]
――サイラス……
(12) CEDRIC 2011/01/18(Tue) 22時半頃
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[がちゃり、とドアの開く音が聞こえる。 部屋に入った来た看護士の女性と視線があえば、 彼女は少し慌てた様子で人形医を呼びに出て行った]
……あれから……
[一体、どうなったのだろうか。 サイラスは、ソフィアは、どうしているだろうか。 検査を受けたり、警察の事情聴取を受けたりしていれば 瞬く間に数日の時が流れた]
(13) CEDRIC 2011/01/18(Tue) 23時頃
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―病室―
[自身の腕に繋がれたチューブの中を滴る 点滴の雫を見つめながら、物思いに耽る。 目覚めてから数日ではあるが、あれから数ヶ月が経っていたらしい。 警察からはサイラスが捕まり、犯行を認めているという話を聞いた]
……サイラス……
[自分は人形だし、完全に機能停止はしなかった。 余罪もあるらしいが、そこまで酷い重罪になるものではないらしい。 そろそろ何かしら動きが取れるようになってもおかしくないが……]
(37) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 00時半頃
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……? あ、あ……
[ドアが開く音がして入り口へと視線を向ける。 そこには以前と変わらぬ様子で、懐かしい二人の姿があった]
サイラス……それにソフィアも…… 二人とも、よく……
[二人を見れば、目の端にうっすらと涙が浮かび、 かすれていた小声が、さらにかすれ具合を増した]
(40) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 01時頃
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サイラス……
[涙を流す彼を見て、心が締め付けられるような気分になる。 自分が人形である以上、多分それは錯覚以外の何者でもないのだろうけど]
……大丈夫、大丈夫。 私はあの時、そして今、あなたの本当の感情を知った。 どんな結果になろうと、それが私の望みだった。 あなたは私の望みを叶えてくれただけ……だから、大丈夫。
[そう言って、微かな…… 本当に微かな、それでいて晴れやかな笑顔を浮かべた]
(43) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 01時頃
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ソフィア……
[苦笑を浮かべて自分とサイラスを見守る姿へと視線を向け]
……ありがとう。こうしているだけで、 あなたが私との約束を守ってくれたことが分かる…… だから、本当にありがとう。 ……ソフィアが、サイラスをここへ?
(45) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 01時半頃
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……サイラス……私は……
[そこで一旦言葉を区切り、少しの間無言になる]
……私は、人形だから死ぬことはない。 ただ――壊れるだけ……
[事実を告げているだけ。それなのに、何故か胸が痛い。 きっとそれは生きていてくれてよかった、と。 そう思ってくれる彼の喜びを 潰してしまうような言葉だから――]
……サイラス。あなたは、私に何を望むの? 私は人形だから、出来ることは限られているけれど…… 私は、望み通りにあなたの感情を知った。 ……だから、今度はあなたの望みを叶えたい……
(50) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 01時半頃
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[悪戯っぽい笑みを浮かべるソフィアへこちらも笑顔を返し]
ふふふ……そう。サイラスはずるい。 ……でも、毎日通わせてしまってごめんなさい。 もっと早く快復できればよかったのだけど……
[相手が腕組みをして怒る様子を見せれば、 しゅん、とした表情になり]
……それも、ごめんなさい。 でも、一緒に帰っていたら、 それはそれでソフィアもサイラスの毒牙にかかっていたかも?
[そう言って少し可笑しそうに笑った]
(54) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 02時頃
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あ……
[彼の囁き。それが耳元に生まれた瞬間、 人形の身体を流れる冷たい血に熱が入ったような気がして]
――……うん。
[惚けるような表情を浮かべた後に、耳元で囁き返す]
……あなたの子を宿すことも出来ない、この身体だけれど…… それでも今、この冷たい血に人の温もりが宿ったような、 そんな気がする……サイラス……
(59) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 02時頃
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ケイトは、サイラスにそっと囁く……
CEDRIC 2011/01/19(Wed) 02時頃
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――愛してる。私の"知識"にある何よりも、ずっと……
(60) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 02時頃
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―IF:病室―
――……
[ゆっくりと目を開ければ見慣れない白い天井が視界に映り、 ピッ、ピッ、という電子音が静かに部屋に響く]
……私は……
[視線だけ動かして周囲の様子を見る。 人形が修理されるような工房ではなく、 人間とほとんど変わらぬ設備が整えられた病院の一室]
――私は、一体……?
[何故自分はここに横たわっているのだろう。 この喉の痛みは何なのだろう。 ――この胸の空白は何なのだろう]
……分からない……知らない……
(75) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時頃
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[自分はケイト。"知識"を蒐集する実験用の人工生命。 ――自身に分かることは、ただそれだけ。 最低限与えられた初期知識のみだった。 やがて自分が目覚めたことを知った 医者や看護婦が自分のことを教えてくれた。 起動から既に9年経っていること。 サイラスという人に暴行を受けて脳に当たる部分が損傷し、、 自動的にフォーマット処理が行われたということ。 何もかも、実感が湧かなかった。 それは全て、自分の「知らないこと」だった]
(76) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時頃
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[そうこうしている内に数日が経った。 幾人か訪れた警察の人間は サイラスという人について尋ねてきたが 自分にはまるで覚えが無かった]
……ご協力できず、申し訳ありません。
[謝ると彼らは大して気負いも無く、 別に気にしないでほしいと言ってきた。 本人も罪を認めているし、ほぼ確認だけだから、と]
(77) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時頃
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[窓の外の晴れた空を見る。切り取られた小さな空]
……早く、退院して外へ行かないと……
[かすれた声でつぶやく。 薬の匂い、冷たさを感じる壁や天井の白。 もう十分なくらいに知ることができたと思う]
……早く"知識"を集めないと……
[胸の中の空白が痛む。 ――どれだけの"知識"を集めても、それはもう二度と蘇る事はない。 胸を満たす空虚な感覚が、遠く囁いていた――]
(78) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時頃
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[ドアの開く音がして、そちらへと視線を向ける。 入ってきたのは、若い男性と女性の二人組。 医者とも看護士とも警察とも思えなかった]
……こんにちは。 ……すいません、どちら様でしょうか。 もしかして、私の関係者の方ですか?
[何の感慨も無い、無機質なかすれた声。 ただ、疑問を尋ねる声で、そう問いかけた]
(81) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時頃
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[女性が自分の名前を呼んで、戸惑うような、焦るような、 ――絶望するような表情を浮かべた]
……ご、ごめんなさい。 私、何か失礼なことを……?
[冗談、一体何が?この女性のことが分からないことだろうか、 ――それは、これっぽちも冗談ではなかったのだが]
(84) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時半頃
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[男性が自分の名前を呼んで、言葉を詰まらせる。 何やら様子がおかしいことに首を傾げて]
……ごめんなさい。 ご存知かもしれませんけど、 実は私、製造されてから今までの記憶が無くて…… ……失礼ですが、あなたはどちら様なのでしょう?
[再度、問いを投げかける。それは残酷なもの。 それでも、そんなことは知る由も無く。 ただ、自分の"知識"の補完のために。問いを投げた]
(85) CEDRIC 2011/01/19(Wed) 23時半頃
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約束……
[自身の"知識"を探す。約束。 互いにこれから先のことについて、取り決めをすること。 ――そんな、辞書のような言葉の意味が、 自身にとっての「約束」の"知識"]
……ごめんなさい。 あなたは、私と何か約束をした……? ……差し支えなければ、それを教えてもらえない?
(89) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 00時頃
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サイ……ラス……
[その名前は何度か聞いている。 私を襲った人。この喉と胸の奥の痛みの元凶……]
あなたが……サイラス……
[その声は、はっきりと怯えを含んで病室に響く。 ベッドの上の身体が、微かに震える。 それは恐怖なのか。妥当に考えるのであれば、そうとしか思えない。 だが、目の前の彼の瞳からは大粒の涙が溢れ――]
……何故、泣くのですか? ――私には、あなたの感情が分からない。
(90) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 00時頃
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彼を、助けて……と、私が?
[何故だろう。彼は私を襲ったはずなのに。 私は自身を襲う人を心配していたのだろうか? やや、非論理的であると思うが……]
……分からない。分からないけれど…… ……あなたは、泣きそうな表情をしている。彼も泣いている。
[二人の表情を交互に見つめた後で、呟く]
……私は"知識の担い手"である以前に、人に作られた人形…… 人の悲しみを宥め、命令に従う「義務」がある。 ……あなた達は、私に何を命じますか?
(92) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 00時頃
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[彼の……サイラスの言葉を聴く。 「本当はずっと、君のことが――」 その先の言葉は予測出来る。 つまり彼は、彼を愛せと言いたいのだろう]
……ならば、この首を絞めずとも、 そう命じて下さればよかったのに。 ……自身の命に別状が無い限り、私が逆らうことはありません。
[実にシンプルな構図だ。何も問題は無い。 ……胸の空白が、微かに疼いた気がした]
(96) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 00時半頃
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―――……
[二人から告げられた言葉を聴く。 彼の言葉は、自身の予想とは違い、 どこか、悲壮な重みを感じられる。 その重みは、胸の空白の底を微かに埋めたような気がした]
……分かりました。 まずソフィア。私に少し、時間を下さい。 私は今、あなたに並びうる物を何も持っていません。 それでは、あなたと対等には到底なれない。 だから、私に私を積み上げる時間を下さい。
(98) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 01時頃
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そしてサイラス、私はあなたに全てを与えます。 償いの機会も。あなたが望むもの、 私があなたに与えうるものを全て。
[静かに、まるで神に誓うように言葉を紡ぐ]
……だから、二人とも、私を求めてください。 それが、私の存在意義でもある。 それに……
(99) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 01時頃
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この胸の空白が、あなた達を求めているような気がするから……
(100) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 01時頃
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[手を差し伸べる彼女の手を握る。 人の温もり。かつての自分もこれを感じていたのだろうか。 力強く頷く彼の瞳を見つめる。 私の胸の空白が求めるものはこれなのだろうか。 まだ、自分には何も分からないけれど――]
それでも、きっと……
[ここからでも新たな何かは生まれるのだろう。 ――私は、それを知りたいと、そう思っていた**]
(104) CEDRIC 2011/01/20(Thu) 01時半頃
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