25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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天満月の御子息さまとやら ……何処に居るのか とんと顔を見ぬが……。
やれ、どちらも私では不足と謂うか。 流石に 傷の付く事よ
(*78) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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お前を抱いて…食いたくなってしまうのはまずかろう?
喰われるのもごめんこうむりたい。
(*79) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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……抱く?
私を幾ら抱いても孕まぬよ 受け継いだのは、種付ける術
喰らいたくなっては――確かに困る。
(*80) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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何だ、まだ言うのか。
[からかうような響きを残して幾らか低い声は嗤う]
危ないと言うなら其の身を矛に身を立てれば好い。 丁度いい手本が傍にある。
[なあ、と話の矛先は霞へと向かう。 傷が付こうが付くまいが、己には関係ないとは口にはせねど]
…いいだろう。 ならばしばらくそのままで待つがいい。
(*81) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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本当の事。
[嗤う音に、拗ねたこえ。 暫し間が空いた]
簡単に謂う。 私の居た場所は、貴方達の想像のはるか底辺 誰にも見捨てられた裏路地に子捨てが何故この世に起きるのか 財持つ家に生まれたものには遠い話。
(*82) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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――では、俟とうか 幾時も幾日でも
(*83) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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だから、今更だと言っている。 少しは学べ。
[間が開いたことに疑問など持たない。 こちらもまた、幾らか喋っていた故 一つに意識を集中させるほどのことはしない]
その無理難題を越えたくて花になったのではないのか? 己が選んだ道に、後悔するのであれば去れば好いだけのこと。
…では、お前が稲羽の松になる前には、迎えに行こう。
[それは古いうたの話]
(*84) 2010/08/04(Wed) 19時頃
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花になったのは……嗚呼、解らない 親は何故 同じ道を歩ませてくれなかったのか
世を狂わせる 其の為に危険の中へ留まり続けたのでは、無かったのか
[思い馳せるも、答えは出無い]
――直ぐに帰るといいながら 待てども待てども、置き去りのまま
[詠うこえが聴こえた気がした。 古い古い、知っているのは、冬の知識]
それは、失せもの戻るまじない歌……?
(*85) 2010/08/04(Wed) 19時頃
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知りたければ、調べればいい。
[書庫にいけば答えは見つかる。 敢えて答えるつもりもない。]
(*86) 2010/08/04(Wed) 19時頃
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別れを詠む 去なばの山の ……知りたいのは、うたの意味ではなく
[記憶の引き出しにあったのは もう千年もそれ以上も、古い古い書物のうた]
私が知るは 失せ者かえるよう、願うものでもあった故 其れを知る貴方は……失せものでもあったかと
詠み違えたか?
(*87) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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読み違えも甚だしいな。
[それは結構な切り返しであったように思う]
言ったはずだ。 遠回しな言い回しは好かんと、ついぞさっき。 大体、失せものなど
[少しだけ、間が開いて息を吐き出した]
私には、ない。
(*88) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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そう――…か?
[僅かな間は微かな疑問を浮かばせたが]
なら、良い
[短く零す]
(*89) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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何だ。この返答では不満か。
[どう聞いてもその言葉尻は上がっていて、 息を一つ吐き出す]
…それで。 何処に迎えに来いと言うんだ。
(*90) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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否、詮索はせんよ 立ち入るなと謂うならば。
[冬色が翳る 眉を下げて]
先刻の、庭に そのまま居る
足の怪我を失念していて ……立ち上がれなくなった
ひとつ花が其処にあるけれど
(*91) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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[無言の答え。 それが意味するものは推して知れとばかり 男は答える言葉を作らない]
…立ち上がれない? お前は子供か。
[呆れたように呟いて、息を吐き出した。 花と聞けば目を細め、もうすぐその花の後姿も見えるだろう頃]
(*92) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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……姿は見ての通り 私も、昨夜生まれたばかり
子供には違いない
[くすくすと、わらう。 花開く 柔かな花びらの其の通り 徐々に変化しているのは トゲ混じる冬の名残が消えていく証拠]
(*93) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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成程、まあ、それは確かに道理やも知れん。 随分老成した子供もいたものだ。
[納得はすれどそれよりも先にまず呆れが生まれる。 軽い笑い声に肩を竦めれば溜息は重く一つ吐き出される]
(*94) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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…イビセラと呼ばねば、自分だと解らないか。
[微かに空いた言葉の間に首を傾げる。 目の前にいるからには、流石にそれぐらいには気付くというもの]
(*95) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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……ロビンでも、名も無き花でも、徒花でも 何とでも呼ばれれば気付く。
少し意識が飛んだ。 日に当たりすぎたか……何かしたのやも。
[空いた間は名の通り空白の一瞬。 咲いた花にその間の感情が無い]
(*96) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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だったら、すぐに反応するんだな。 狼憑き以外のいる場所で、少しでも余計な疑いを 持たれるような事はするな。
[見下ろす視線は幾らか冷たく。 それは己にとって不利不必要となればいつでも切り捨てると言わんばかりに]
(*97) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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ならば余り動揺させぬよう願う まだ……抑えられぬ
どちらもなど、貴方が謂うから。
(*98) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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動揺?何のことだ。
[動揺させることなんて何一つした覚えはない。 当然、何か動揺させるような事を云った覚えもない]
(*99) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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[あまりに酷い扱いだったが 同じ担がれ方で無いのは、救いだった。 自覚こそ無いけれど]
……剪定の、くだり どうにも冬の名残が、抜けぬ
どちらも叶えれば良いなどと 欲を張る事を覚えてしまったら、如何する。
[足りぬ言葉を注ぎ足して 花は大人しく担がれている]
(*100) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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ん? ……ああ。
[よくは解らないが、選定に関して 何か動揺するようなことがあったのだろう。 芝を踏みながら向かうのは主達の客室のある棟]
別に構わんのではないか。 慾など貼りたい時に張らなくて如何する。
[やはり平気な顔をして、男は花を担いで歩を進めた]
(*101) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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其れは、いけない。 慾を出して、二つを追っては どちらも手に入れられず、終わる [花は否定するが]
種付けも食事も 秘密裏に 見つかっては……身の破滅
余所見をしては、ならぬ 手玉に取るのは私の筈 とられては……
[胸を打つ音が、幾らも早い。 くだんの話が予想以上に響いているようだった]
(*102) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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…まあ、何でも構わんが少しは黙れ。 そのままでいると
[階段を上がった瞬間に口にした]
舌を噛むぞ。
(*103) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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[威勢が良い方が踊り食いが楽しいとか、そういえばそんな話はあったけれど、そんな事が噂になっているなどとは存ぜぬ。]
(*104) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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――――…
[呟いた時には既に咬んでいたものだから 思考までそこで一度止める]
こちらで話すに、支障は無かろうに。
[媚混じる拗ねた声色]
(*105) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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文句があるなら私は今すぐお前を 後ろに放り出してもよかったんだが?
[後ろ、すなわち顔面から階段に落ちることになる。 結局は放り出さないまま自分の部屋へと連れてきたわけだ。
まさか声を挟まず垂れ流し状態の会話を聞いて 霞が踊り食い云々など考えているとは知る由もない]
(*106) 2010/08/05(Thu) 00時頃
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[階段から放り出されたなら どうなるかは目に見えている。 暫し、恨みの念だけを思い浮かべた。
粗末な褥での踊り食いを見たことはあっても まさかいまここで脳裏に過ぎることは流石にない]
(*107) 2010/08/05(Thu) 00時頃
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