84 戀文村
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・・・・・・そうね。
[ベネットについての噂は聞いた事がある。それについての陰口も何度か聞いてきた。それについてどうこうと思った事はなかったのだが、今は少し事情が違ったかもしれない]
・・・私がさっきセレストの事を聞いて一瞬思ったのはね。
「エリアスじゃなくてよかった」
って事。ほんの一瞬だけど、本当にそう思ったんだ。 いや、今も本当はそう思ってるのかもしれない。 エリアスや、あるいはもしもっと大事な人に赤紙が届けられて、ベネット、あなたがそのまま本屋を続けていたら・・・ やっぱり考えるかもしれない。 「どうして」って。「なぜあなたが」って。
・・・・・最低だね。私・・・・
ごめん。お茶・・・淹れてくれる?ヤニクさんのも。
[本当はダーラを見つけて、何もかも忘れるほど浴びるように酒を飲みたかった。だけど、少しは気も紛れるかと、藁にもすがるような思いでそう頼んだ]
(200) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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────。
[セレストの泣き声を胸に抱いて、何度も黒髪をくしけずる。 柔らかい髪に唇を寄せて、瞳は空を仰ぎながら]
やり残した事はないか? 遺したい言葉はないか?
[問いかける声は、あくまでも柔らか。]
(201) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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[震える手で、文字を書く。]
"いる。 けれど、その人はきっと自分からと知れば受け取らない"
『なぜそう思うの?』
[俯いて吸い込む息が震える。時が来れば、その時に と書き、非礼を詫びて立ち上がり敬礼する。 茶くらい淹れるという願いを固持し、老婆の家を後にした。
歩いて歩いて、誰もいない路地裏ともいえぬあぜ道、地面に崩れ落ちる。 嗚咽すら出ない喉を呪って、荒々しい、鼻息を響かせる]
(202) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ブローリンは、口を開け放って、空気の震えない慟哭、空に向かって吠えた。
2012/03/26(Mon) 23時半頃
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[縋りつく彼女に腕を回す、小柄な背はすっぽりと収まった]
そうよね、貴女も……だったわ。
[年下の、特にセレストと同年の彼女にはせめて 年上として、姉として気丈に振舞いたいと思うが]
(203) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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―本屋― ……おや、正直者ですねミッシェルさん。 そういうの、好ましいと思います。 個人的にはですが。
[青年はミッシェルの願いを受けて、奥へ一度下がり 次に出てくるときはなんでもない顔をして、紅茶のポットを持って出てきた。 小瓶には、僅かながらのブランデー。 薄い茶葉に香り付け程度のものではあるが]
私も、セレストさんだと聞いて一瞬過ぎったのは ――――でなくてよかった……でしたからね。
所詮、私達は自分を作るモノが大事なんですよ。 小さなこの村そのものも身内のようなものですが 其れよりも肉親や心砕く方に、想いは向かうんでしょう 両手が届く範囲には、限りがあります。
[三つのカップにブランデー入りの紅茶を注ぎながら告げる 声は水音にかき消される程度のちいさなものだったが]
(204) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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[やり残したことはないか、そう聞かれて>>201]
手紙を…ナタリアさんのところに手紙を預けようと思ってた。 それが終われば、もう…大丈夫。
[カフェで書いた手紙を持って、]
(205) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ええ、役場でお世話になりましたし……
[そして、自分の雇い主ダーラと姉妹のように親しい。 昨日も店に来て、泊まっていたはず。
途中まで、いいかけて。ハッとする。]
……まさか、セレストさんまで?
[憤りを隠せず、ベネットにぶちまけるミッシェル。 それを自虐的な表情で受けとめるベネット。 2人を無言で見つめる。]
(206) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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[縋りつく相手も、自分と同じように哀しみに沈んでいる。 判っているのに、縋りつくことは、やめられず。 収まった腕の中、嗚咽混じりに呟く。]
ヨーランダさんも、セレストちゃんを追って行くのかもしれない。 2人とも生きて欲しいのに……。 でも、私は、2人を止める言葉を持っていないの。
[過去、姉を止める言葉もなかった。]
みんなに、生きて幸せになって欲しいのに……どうして……。
[戦争は何もかも奪おうとするのか。 言葉は途切れ途切れ、そしてやがて、思い出したように ダーラに願う。]
(207) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ねぇ、ダーラさん、ヤニクさんに、早く村を離れてって 云ってもいいです、か? ヤニクさん、いなくなって大変になることは、 できるだけ、私、手伝うから……。
[酷く言葉足らずではあるが、伝わるだろうか。 旅人である彼なら、死から逃げれる可能性もあると。]
(208) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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・・・ありがとう。
[ポットを持って再び出てきた店主にお礼を言って、カップを受け取った。自分の体が思った以上に冷えていた事に、一口飲んで初めて気づいた]
――――?・・・・だけど私にもいるかもしれない。そんな人が。
[よく言葉は聞き取れなかったが、深くきき返すのはそれこそ野暮だと口をつぐんだ]
・・・・そうね。誰もが同じくらい大事ってわけでは、多分ない。当然なのかもしれないけれど・・・ だけど、やっぱり私の知っている人達には、それでもできるだけ幸せに、悔いなくあってほしいと思うのも、やっぱり本心だよ。
ねえ、ベネット。それにヤニクさん。・・お酒は飲める方?
(209) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ブローリンは、年甲斐もない、と思いながら、袖に顔を押し当て、兵舎に戻っていく。
2012/03/26(Mon) 23時半頃
ホレーショーは、ヨーランダはどうしているだろうと心配になった。
2012/03/26(Mon) 23時半頃
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─ 墓地 ─
手紙か。 それは届けないといけないな。
手紙──…。
[女の胸裡に一人の人物の顔が浮かぶ。 しかし緩く首を振って]
…──柄でもない。
(210) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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[そして、場面を切り替えるかのように。 ベネットはお茶と修繕した楽譜の話を切り出した。]
ありがとうございます。
[エリアスでなくてよかったと安堵を漏らすミッシェルには。]
誰にでも、そういうひとはいると思いますから。
[正しくはなくと間違っていない。 もし、自分が救えるなら。 さらってでも逃がしたい……もし、本人が望むなら。 そう思う相手がいるのだから。]
(211) 2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ブローリンは、自責に苛まれながら報告書を書き終わり、村に出ようか、寝てしまおうか思い悩む。
2012/03/26(Mon) 23時半頃
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ヤニクさん
[>>206淹れた紅茶のカップを向けて、青年は微笑む]
サイモンさんに引き続いてセレストさん どうにも、この国は女子供手段を選ばない様子です。
[机の端に綴り直した本が映る。 青年の笑みに苦い色が混じった]
誰でも、この人だけはと思う相手は居るでしょう 自身の命より軽いか重いかは人それぞれとして。
お酒、私はダーラと張り合えるくらいには飲めますよ。 ヤニクさんは?
(212) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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お酒ですか……
[ブランデー入りの紅茶を飲みながら。 ミッシェルの言葉に。]
すみません、実はあんまり……
[酒場では演奏に差し支えるから飲まないし。 飲めば、どうしても思い出してしまう。 親友とのことを。**]
(213) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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どうする、一緒に行こうか?
[手紙を見せるセレストに、腕の力を緩める。]
一人で行けるなら、 私は最期の仕事の準備に一度家に戻ろうと思う。
…──午後からヴァイオレットとハワードの埋葬だ。
どうでもいいっちゃいいんだが、 これも仕事だからな。
[くすり。と笑んで]
間に合ったら、お前も来るか?
[首を傾げた。]
(214) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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[柄でもないと首をふるヨーランダに>>210]
…一人でも、思い浮かぶ人がいるなら、書いたほうがいいんじゃないかしら…手紙。 一緒に、持っていかない?
[ナタリアのところへ、送り主には届くあてのない手紙ではあるが。]
(215) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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[こんな提案をしながらも、ヨーランダに甘えていいのだろうかと、思い悩むセレストがいる。
自分の我儘に付きあわせていいのかと悩んでいる。]
(216) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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ヨーランダは、セレストに手紙を書くよう勧められ、少し考えこむ。
2012/03/27(Tue) 00時頃
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[聞こえる嗚咽混じりの声に、優しく肩を叩き 聞こえた言葉に息を詰め]
追ってって、いっても。 だめよ、そんなの。ヨーランダまで行かれたら……
そんなこと、言っていたの?
……いえ、手は足りているけれど。 言ったとして、この村からそう簡単に出れるかしら?
[多分、村を出た「事にする」のが一番簡単だけれども たった一人の為に、と考えてふ、と緊張を解いた 自分の為に母を殺めた、それと同じことじゃないかと]
(217) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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…──そうだな。
[頷いて]
なら、一旦家に入ろう。 お茶でも淹れるから、待っていてくれ。
何、すぐに書き終わる。 元々長い文章は苦手だから。
[考え込んでいる様子のセレストの背を押して、すぐ近くの自宅へと誘った。]
(218) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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・・・そうね。誰にでも一番大事な人は・・・ 手紙を残したいと思う人はいるわ。
[自分はどうだろう。手紙を残すほどの相手。それはエリアスか、いや、それとも・・・]
もう誰でも、赤紙が届くかもしれないんだよね。
[ぽつりとつぶやいた]
・・・そうなんだ。ベネットがそんなに飲めるなんて、なんだか意外。ヤニクさんが飲めないのも。 ・・よければ、近いうちにダーラさんのお店で。一度付き合ってもらえない? 私のわがままなんだけど・・・ね。 聞いてますよ、ヤニクさんピアノも弾けるんだって。
[ブランデーがわずかに入っているのか、体の芯まで温まる気がする紅茶。ゆっくりと飲み干して、そう持ちかけた]
(219) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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ヨーランダさんのことは、私の考え過ぎかも……。 でも、セレストちゃんに ひとりで行(往)くのは、怖い?って聞いてたから。 答え聞くのが怖くて、逃げてきちゃったの。
[それでYESが返ったなら、とる行動は1つな気がして。]
ヤニクさんの件は、難しくても、出来ればって思ってる。
[非力な自分に何ができるかは、判らないけれど。 思うことを、言葉足らずに、けれど真剣にダーラへと伝えようと。]
(220) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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おや、しまった 紅茶にブランデーが混じっているんですよ
[あまり飲まないらしい、ヤニクの言葉>>213 青年はしまったと表情を変える]
……手紙を、ですか?
[>>219ミッシェルの呟きに、青年は視線を向けた]
今残すなら、クラリッサさんですかね。 修繕した本をとりにきておいてくださいね、って。
[手紙を残したいと思う人。 青年は微笑みに真実隠して、小さく息を吐く]
ヤニクさんや、ミッシェルさんにも 一番大事な……お相手はいらっしゃるんでしょうか。
(221) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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……そうね。ヤニクなら。
(*36) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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祖父や父の晩酌に付き合っているうちに自然と覚えたんです。 ……ダーラのお店で飲む事が出来るのは、もっと先にするつもりでしたが [誘いかけられ、青年は少し思案した後口を開く]
近いうちに 三人そろっているうちに、そういう機会をいただけるなら 久方ぶりに本屋の外へ出ることにしましょうか。 ピアノが弾けるなら、是非 修繕した楽譜の、あの曲をと強請ってしまいそうです。
[何気ない普段の会話を心がけながらも、所々に変化が見える。 大っぴらに外へ出られるのは、戦争が終わってからだと思っていたのだけれど]
(222) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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なるほどね・・ って、本の修繕なんかやってたんだ。何の本かは、聞かない方が良さそうだね?
[カップを机に置いて、少し腫れぼったく熱を持った両目をこすった]
・・・・・いるといえば、いるのかな。 だけど・・・本当にその人に手紙を書くことになるかはわからない。・・・よね。
[どうやら人前で涙は見せずに済みそうだ。と、そこで初めてベネットの目を見て言った]
(223) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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[誰にも逢いたくなくてわざと時間を掛けて顔を冷やす]
ダーラ、泣いてっかな。 いや、皆泣くよな。
[セレストと聞いて思い出すのは彼女を妹の様に 可愛がっていたダーラの事。 だがヨーランダの様子を見れば、この村が皆纏まって 家族の様なもので。 誰が欠けてもこの村ではいけないのだ]
何処とも判らない場所で砕け散るなんて…やっぱり…。
[静かに言葉だけが零れ落ちた]
(224) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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−本屋− [本屋に届ける封筒は幾つか。 他の村の人間に届けるのとは少し違い どちらかといえば、仕事に関連するものが多い]
すまないね、こればっかりは。 その代わりに手紙が来ているが、中身はいつもの雑誌のようだねえ。
[少し厚みのあるそれは、恐らく雑誌だ。けれど娯楽性は殆どない。 中には行っている雑誌はプロパガンダの無料ペーパー。 これを店に出すかどうかは主次第。 あまりいい顔をしなかったのは、中身を知っていればこそ]
なんだい、預かっていくよ。
[渡した大振りな封筒と引き換えに受け取ったのは 村の中の伝言のようなその手紙。 それでも仕事であるし、悪い手紙ではないから 男は少しばかりの笑顔でそれを受け取った。 ヨーランダとすれ違ったのはちょうど本屋を出るときのこと]
(225) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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[背中を押されてヨーランダの自宅へ]
あ、ありがとうございます。
[すべてを受け止めてくれたヨーランダ。 なぜそこまでしてくれるのか、私のために それが…納得できずに、それでも聞くタイミングすら逃していた。]
(226) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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[それらをクラリッサとミッシェルのところへ配達し、 すべての配達が終了したのは日が落ちるころ。 彼女たちがその中身を呼んだかは自分のあずかり知らぬところで、 耳に挟んだ色つきの手紙の話のことを忘れようとするかのように 男は早々に仕事を終えて眠ってしまった]
(227) 2012/03/27(Tue) 00時頃
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・・・それなら早い方がいいかもしれないね。 もしダーラさんに会ったら、話してみる。
楽譜だったんだ、修繕したの。・・へえ、なんだか私も聞いてみたい。 明るい曲だと・・・いいなあ。
[ようやく、少しだけ口角を上げ、三日月のような口元の笑みを作って。そう言った]
(228) 2012/03/27(Tue) 00時半頃
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