82 謝肉祭の聖なる贄
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[鼓笛の音が流れる中。 茶色の大神様は人型の化身を解き。 本来の姿に戻った。
そして、最初の贄の少年に近づくと。 まずは喉笛に牙を立て、爪で胸を切り裂き息の根を止め。 裂いた胸から心臓を抉り出し、高く掲げると。
広場の観客たちは歓声を上げた。
茶色の大神様はその心臓に一口齧りつき。 残りを皿に移すと……少年の頭を喰らい始める。 赤い血飛沫は祭壇のあちこちを染め。 血の香りが周囲を満たす。]
(94) 2012/03/15(Thu) 19時頃
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[る、と喉が鳴る。 生命の無い死肉なのが幸い、贄の脚の間に昂った熱を捻じ込みたいという欲は、強烈な自制心の堰に押し留められていた。**]
(*24) 2012/03/15(Thu) 19時頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 19時頃
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[それに誘われたのか年若い白金の大神様も。 本来の姿に戻り、贄を喰らい出す。 しばらくして、それを味わった後の咆哮は高らかに響く。]
(95) 2012/03/15(Thu) 19時頃
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実に旨そうに喰うものだ。
[歓喜して貪る年若い同胞や、欲情しながらそれを抑えている同胞たちを、目を細めて眺めながら。 呟いた声は、人に向けるものとは違う響きを含む]
(*25) 2012/03/15(Thu) 19時頃
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[灰白色の大神に似た獣神がその牙を立てるのは、切り裂かれさらし出された内臓。 未発達のやわらかい肉はあまり好みではないので、それらは同胞たちに任せ。 長い腸を咥え引きずり出し、台座から落ちそうになるそれを前脚で押さえながら食む。
久々の血肉の馨と味に目を細め、味わうようにゆっくりと咀嚼して。 台座の上に溜まる紅に舌を伸ばし舐め啜る。
少量の血肉でとりあえずの気が済んだのか。 あとは同胞たちに委ね、同胞たちが貪る様をしばらくは眺めているだろう]
(96) 2012/03/15(Thu) 19時半頃
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[人は歓喜の声を上げ 贄 喰われるを――否 大神の喰らうを 喜び見る]
[は ――と こぼした吐息 沸き立つ声に かき消える] [舌に穿った 痕が疼く いまだ熱もて 赤く舌滲ませる
同じく滲んだ焦げ色は 眉根寄せるまま 生贄の様子探る]
(97) 2012/03/15(Thu) 19時半頃
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[白い肩掛け 顔は見えぬ 帽子被った男の贄に意識が向かう]
―― そこそこに金有る家が まだ望むのか
[眉根に籠もる力増す 脳で比する 各家の 暮らし向きまでは知らねども]
(98) 2012/03/15(Thu) 19時半頃
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――……は
[ようやく息をついたのは、 初老の大神の指を舐ったあと、彼が食されている贅の元へと立ち上がった時、
その長き角の獣神へと変化していく後ろで、小さなとさりという音をたてた。]
――……っ
[膝関節をたしかめ、肩の幾度か回し、痺れを逃そうとしている。 ただ、眸は、その大神たちが食事を行うさま映している。]
――……
[彼らが食事が終えるころには、また膝をついた姿勢に戻る。ただ、汗の滴ったあとを拭くことはできなかったが…。微かに濡れた髪の間からは、それでも変わらぬアクアマリンがじっと辺りを見据えている。]
(99) 2012/03/15(Thu) 19時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 20時頃
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[贄の血肉に大神たちが群がる風景を茫洋と眺めていた。 骨を折る音なども、直に鼓膜に響いて。 知識のみで、実感など無かったはずのものが、じわじわと我が身に染みるような感覚に陥る。 …食われるのは、名誉であり、喜びなのだ、と。 そこに声がかかり、緩慢な動作でそちらを見た。 贄を羨ましく思う気持ちは恐らく、己の表情に出ていただろう。]
…他にできることが無い、し。 それに…家の為、だけじゃ、ない。
[帽子の下の双眸は、しかと目前の彼を見ている。 相手には帽子の影になり、見えないだろうが。]
(100) 2012/03/15(Thu) 20時頃
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[尖る視線は ゆくりと此方むく顔へ上裸へ注がれる "同じ"の表情 見えるは口元のみ]
―― じゃあ、何のため
[端的に 視線の合わぬ 男に投げる]
(101) 2012/03/15(Thu) 20時頃
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[射るような視線だと思うのは、己の気の弱さだろうか。 手の端で自らの身の白布をぎゅっと握りしめ]
…俺の為。 俺は、必要とされたい、から。
[小さく、だが、確かな声]
(102) 2012/03/15(Thu) 20時頃
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[両脚から食える肉を粗方剥ぎ終えたところで、身を引き動きを止める。 肩を上下させて、荒い息を整える、ふーっふーっという音が赤く濡れた唇から幾度か洩れ。
先端が血で染まった銀灰の髪を鬱陶しそうに振り払う頃には、元の通りの冷厳な貌を取り戻していた。 ――ただし、発情の花香はその身に仄かに纏わりついて、消え去ってはいない。]
(*26) 2012/03/15(Thu) 20時頃
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[食んだ量が少なかったからか、その変化はごく僅かなもの。 人の目にはその微かな変化は見分けがつかないかもしれないし。同胞でも、気付くか気付かないか微妙な程度の変化ではあるが。
贄を貪る様を見守っていたその大神の、灰白色だった毛並みは。灰青色程度にまでは濃くなっていただろう**]
(103) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[やがて銀灰の髪を打ち振るい、大神のひとりが贄から身を離した。 朱に染まった指を長い舌でぞろり舐めながら、ゆるゆると壇上から降りる。 肌蹴た黒衣を清めた手で直したその顔は、元の通りの冷厳さでありながら、どこか気だるげでもあった。**]
(104) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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……もっと喰えば違うだろうか。
[灰白あらため灰青の大神は、己の前脚についた血を舐めとりながら小さく呟いた。 けれど、この贄をそれほど食べたいとは思わないので、次の贄まで待っても良いか――と。 ふるり、と耳を揺らして頭を振った]
(*27) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 20時半頃
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[首傾げれば 黒檀揺らぐ 小さな声 言い切る言葉耳にいれ] [縛る言葉なくば 衆人の眼差しなくば 歩んでいって あの帽子 はじき落としてみようか
などと考えれば 指動く 表に出すのは それのみで]
必要と されてないのか
[返す言葉は 繰り返し 感情乗せず 口にする] 今回 もしくは次の機会 [残された 機会をただ口に するだけの それでも贄に 動きがあるか 見るために
大神が戻るのならば それ以上 口を開くべきもない]
(105) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[残る機会を 口にしつつ 帽子の贄より 残る機会の少ない贄に 焦げ色 少しく視線をやった けれど口開かずに]
(106) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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フランシスカは、視線は落ちる
2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[肉を喰む顔を僅かにあげて、宴に加わる同胞を見る。 怜悧で冷徹で普段は眉一つ動かさぬ奴が、獣らしい部分を垣間見せるこの瞬間が堪らなく好きだ。 剥き出しになる獣性を、もっと見たいと思う。
言葉にせずとも、尾は雄弁に高揚を語るか。]
(*28) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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>>103 [先ほどまで背にあった、初老の大神が獣神となりて、 だが、またその毛並の色がやや濃くなったこと、
意識としては気づかず、ただ、アクアマリンは無意識に目を細める。
ただ、それからは、姿勢はやはり保ったまま、 大神たちの振る舞いを窺っているだろう。
口は一文字に引き結んだまま。]
(107) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[褐色の青年を置き去りにし。 銀灰色の大神様も姿を変え。 すでに上半身の失われた贄の元へ。
残った下半身を引き裂き。 頬に着いた血を舌で舐めながら。 音を立てて貪り食べる。
別の生き物のように蠢く舌は。 先ほど自分の目尻に触れたもの。 血を滴らせ肉を喰む口は涙を拭ったもの。]
(108) 2012/03/15(Thu) 20時半頃
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[白灰色の大神様は角のある異形の狼に。 わずかに残った臓物を喰らい終わる頃。 その毛並みは生気を得たかのように青みを増した。]
(109) 2012/03/15(Thu) 21時頃
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[けふ、と満足そうな息をついて、口元を拭う。 半分残った少年の白い顔をぺろりと舐めると、 デザートだと言わんばかりに、見開かれたままの柘榴色の瞳を抉り、口の中へ放り込んだ。
宴台から降りれば、血に汚れた毛皮を清めに人が来る。 衣を羽織って人型を取るも、 未だ高揚残るせいか、耳と尾と四肢の先は獣の姿を残したまま。
先程の席へと戻ってどっかと座ると、 ころころと口の中で目玉を転がし遊ぶ。]
(110) 2012/03/15(Thu) 21時頃
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ホレーショーは、酒持って来いと催促したり。
2012/03/15(Thu) 21時頃
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[肝を食む最中、大きな茶色の手が毛皮に触れた>>84。 小さな大神は一瞬、気づくか気づかないか程度にびくりとしたものだったが。 それがくしゃりと撫でる感触だと判れば、どこかほっとしたような、 また嬉しそうな様で、長い尾をふるりと振ったのだった。
やがて銀灰の主も、角持つ灰白の主も、贄のところまで喰らいに来て。 その訪れに、ひくり、小ぶりな鼻を一度ひくつかせながら――。 白金は若き贄の肝をぺろりと平らげ、その周りにあった柔肉を はぐはぐと貪りだしていた。]
(111) 2012/03/15(Thu) 21時頃
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[同胞たちが喰い残された降りはじめる頃に、様子を眺めていた灰青色の獣神もゆるりと本来の姿のままでその場を降りる。 毛皮についた血を清めようと近付いてくる人間達には、それ以上近付く事を赦さぬ低い唸り声を上げて睨んだ後。
小さく頭と尾を振れば、その姿は人型へと変化して。 ようやく、その身体に人間が触れる事を赦した]
(112) 2012/03/15(Thu) 21時頃
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………………う、るる。
[銀灰から微か匂う花のようなかおり。 過去に顔を合わせていた祭りの際に覚えていたかおりではあった、が。 何だかんだで今でも、うら若い小さな神には少々刺激が強かった模様。
できるだけ、気にしないようにして、白金は淡い肉を食む。]
(*29) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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[銀灰の髪に血に浸った跡を残して、元の席へと戻る途中、人が寄り来って血の汚れを清めに掛かる。 それを物憂げに受け入れ、白い貌は先ほど舞の途中で待たせた褐色の贄に向けられた。]
(113) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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[食む最中に、老けた声がぼんやりと耳に触れれば。 その響きのいろに、白金の尾はまたふるりと揺れたもので]
(*30) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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[人が大神たちの血を清めるためにと近づいていく。 大神を絶対とし、その姿を崇め奉る。
青年はやはりそれも無言のまま、見つめている。 獣の姿が人型へと変わり、その血を拭う白い布が紅色に染まっていく。
そのように育った。 その血肉になれるようにと。
]
(114) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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……選り好みせねば色艶などすぐに戻ろうよ。
[随分と経ってからぽつりと。 僅か皮肉ないろの戻った声音で呟く。]
(*31) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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[尾を振りながら贄に貪りつく紅だらけの白金は、 血色の肝に淡い筋肉に、あばら骨や背骨の一部まで噛み砕いて呑み込む。 そんなこの神が台から降りたのは、大神たちの中でも最後の方だった。
宴を降りたおおかみは、そのままの姿で座り込んで 白金に映える紅をぺろりぺろりと舐めとっていく。 その毛並清めようとする人間たちの姿に気付けば、舌は動きを止めて。 暫く待つように、との意味籠めて一唸りして、暫し思案の態。]
(115) 2012/03/15(Thu) 21時半頃
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