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うん。
[笑んでくれるミッシェルには、再度頷いて]
有難う。好きにさせて貰うわ。
――…?
[不意に彼女の様子が変わったように見えた。 彼女が呟く名は、脈絡の無いものだった。]
……ミッシェル。
[心配そうに彼女を見上げるけれど、その表情を見たら、止めることは出来そうに、なかった。]
…うん。――ありがと。
[ワインを呉れるという言の葉に対しての礼を告げるも、矢張り心配そうに、ミッシェルを見送った。]
(51) 2010/07/07(Wed) 03時半頃
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[欠けた魂に響く声――…]
そう、オスカーさん。
[其の名を、ぽつり繰り返す。 若いからこそ……、病で弱り死すよりも。
一瞬の内にその生を刈り取った方がいいのだろう、か。]
彼の魂を――。 死病に怯えないように、旅出させてあげるの、ね。
[意識は闇に沈んで――**]
(*3) 2010/07/07(Wed) 04時頃
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…やだ、ヴェス、ど、して…
どう、して、返事…くれないの…!
[何度も心の中でヴェスに呼びかけるが、返ってくるはずの声が聞こえなくて。 ヴェスの元へと向かう間にどんどん悪い想像が浮かんで、いつしか涙ぐみながら走っていて。
彼の気配を最後に感じた場所に辿り着いた時には、既に泣いていた。]
─…ヴェス? 居るの?
[教会の戸を、ぎぃ…と押し開け、中を見て。
呼吸が一瞬、止まった。]
(52) 2010/07/07(Wed) 04時頃
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ヴェ、ス。
─…メア、リ?
[教会の床に、折り重なるように倒れている二人の姿。
呆然としながらその傍まで近寄って、ヴェスの首が裂かれていることに気付いて血の気が引いた。]
なん、で。
[頑張ると、言っていたのに。 出来る限りをすると、言っていて。 私のことも、いつも彼なりの言葉で励ましてくれたのに。]
どうして。
[病ではない何かが、彼の命を奪ったのだと示している現状が、理解できなくて。]
ねぇ、ヴェス。メアリ。おきて。
(53) 2010/07/07(Wed) 04時頃
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[血で汚れるのも構わずに二人を揺すっても、その手から伝わるのは冷たく硬い感触だけで。
流れる涙はそのままに、もう動かぬ二人に向けて言葉を続けて。]
ねぇ、やだよ、こんなの。
生きてる限り、頑張るって、言ったじゃない。 どうして、こんなことに、なったの。
ヴェスがいなく、なったら。 セシ兄が、泣いちゃうよ。
ねぇ、ヴェス、ねぇ…ねぇ。 やだよ、…私を、セシ兄を、置いてかないで。
ねぇ、ヴェス─…!!
[泣きながらヴェスの名を呼んで、思い浮かぶのは、大好きな人の悲しむ姿。 今ある現実と近い未来の現実、そのどちらも悲しくて、苦しくて。 骸となった二人に縋るように伏せて*泣き崩れた。*]
(54) 2010/07/07(Wed) 04時頃
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ヴェス……か。
[ミッシェルの言い残した名を反芻しながら、ワインを揺らす]
…―――
[彼が死んだことは、"識っていた"。 ミッシェルの青褪めた表情を見れば その後の彼女の行動、目の当たりにするものも明らかで]
――…残酷ね。
(55) 2010/07/07(Wed) 04時半頃
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慈悲、無慈悲、慈悲、無慈悲。
[花占いのように交互に呟いて]
残るのは何なのかしら…――
[ふ、と息を吐いた後、ころころと笑った。 酒精の上戸の所為もあるのだろう。 一人、ころころ、ころころと、わらいつづける**]
(56) 2010/07/07(Wed) 04時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 04時半頃
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[気がつけばまた、あの夢のなか。 ぐるりと並んだ扉は15。 二つは開いて、二つは壊され、ひとつは静かに錆び付いて朽ち果てる。
くたくたの古いぬいぐるみをギュッと胸に抱いて、不安そうにあたりを見回した。]
(57) 2010/07/07(Wed) 09時半頃
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[暫く迷って選んだのは、微かにオルガンの音色が漏れ聞こえる扉。 その向こうの様子を伺うように、そっと扉を薄く開けて、あいだから中を覗き込む。]
…ぁ。
[ヘタリとその場に座り込み、ぎゅうとぬいぐるみを抱きしめた。]
……だめ。見ちゃだめ、聞いちゃだめ…。 見つかってしまったら…… [オルガンを弾く手が止まる。 ゆっくりと静かに床に広がる赤。
怖くて怖くて、ぎゅっと眼を閉じてぬいぐるみにすがりついた。]
(58) 2010/07/07(Wed) 10時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 11時頃
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― 墓地 ―
……ん
[やがて眠る者を待つ場所の準備が整い、 其れを見下ろしながら小さく頷いた。 傍には未だ名が刻まれていない墓標がある。]
誰か、文字、書けるかな
[ぽつり呟いた。 女は字の読み書きなんて出来なかった。 誰も出来ぬのなら"彼"の衣服の切れ端でも結べば良いか、と。]
[ペラジーやコリーンが"彼"を運んで来るのなら 此方だと、合図する心算で墓前にて待つ。]
(59) 2010/07/07(Wed) 11時半頃
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――酒屋→墓場――
[ペラジーが先導する馬が曳く荷台に横たわるゴドウィンの遺体を労わり、もう片方の手には男の好きだったお酒をもって、墓場へと進む。
墓場に着く頃にはすっかり黄昏ていていたけど、ぼんやりと名の無い墓標の傍で佇むピッパの姿が見えた。
ペラジーが彼女の方に向かうのを見れば、そのままその後に従って。どうやら、彼女はゴドウィンのための準備をしてくれていたようで、その事に感謝を述べつつ。]
ごめん、なさい。 私も、文字は書けないわ。
[街には住んで居たけど、裏路地での最低な生活。そんな教養を身につける環境ではなかった。
衣服の切れ端でもとのピッパの言葉を聞けば、彼の左手の手袋が眼に留まった、だろう――…。]
(60) 2010/07/07(Wed) 12時半頃
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そう。
[ペラジーは?と問いたげな視線を向けたりもして。 誰も書けぬのであればコリーンの視線を追い]
その手袋。
[それにしようか、とコリーンへ微笑み掛けた。 墓標の準備が出来たのなら、]
ちょっと待っててね 小屋に棺があるか、見てくるから。
[一度、墓地の小屋の中へ。 やがて棺を一つ、引きながら戻るだろう。]
(61) 2010/07/07(Wed) 12時半頃
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[手袋にしよう、かと微笑みかけるピッパに同意してから、ペラジーを向いて。彼女も文字を書けぬのであれば、それを墓標の代わりにする事にした。手袋の下の肌には酷い火傷があったけど、今となってはその事を彼に聞く術は無く、そっとその手を撫でてあげる。
棺を取りに墓地の小屋へと向かうピッパを見送り、戻ってくれば]
あなたは涙で見送られるのは、厭でしょうから。 もう、泣かないけど――…。
向こうでは、好きなだけお酒を飲んで、明るく暮らして……。
[3人で彼の遺体を棺に納めようとして、手にした彼の好きだったお酒を棺の中に入れてあげようと]
(62) 2010/07/07(Wed) 12時半頃
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[棺を引き戻れば、 三人で彼の遺体をなんとか棺の中へ。 コリーンが零す言の葉にちらり彼女を見遣り]
…
[そ、と棺の中の彼へと視線を移す。]
じゃあ。
[コリーンに手で、お酒を、と示した。 ペラジーへも視線を向けて]
何か、あれば。
[他に何か入れる物があるのなら、と同じ様に 手で示し、あったのなら其れを待つ。]
(63) 2010/07/07(Wed) 13時頃
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おねがい、するわね。
[手で示されれば、お酒をピッパに手渡して。他に何かと問われれば――…]
葉巻もあれば良かったんだけど……。 もう、街からこの村に馬車は来ないでしょうし。
[好きな葉巻が吸えなかった事が心残りだったと、ぽつり告げて。見捨てられたこの村の事を思い、儚んだ。]
でも、ピッパさんにペラジーさん……。 あなた達に見送られるのなら、ゴドウィンさんもきっと幸せ、ね。
(64) 2010/07/07(Wed) 13時頃
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― 回想:大通り ―
[馬車の手綱を引き、大通りを行く。 途中、窓や路地裏から覗き見える棺。 マスターと同じように病で倒れる人達が本格的に現れたのだと、どこか冷静にそれを見ていた。]
― 回想終了 ―
(65) 2010/07/07(Wed) 13時頃
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― 墓地 ―
[文字の解らない自分は緩く首を振るだけだったが 棺に入れたい物は問われて荷車から白色のダリアの花束を持ち出し、琥珀色のボトルを包むように棺に置いた]
(66) 2010/07/07(Wed) 13時頃
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ん。
[お酒の瓶を受け取れば、棺の中へ。 葉巻、という呟きには眠る彼の表情をじっと見つめる。 流石に用意は出来ず、少し寂しげな表情を見せた。]
……綺麗だね。
[ペラジーが添えたダリアは素直にそう思えて。 ふんわりと微笑して]
棺。……閉じるね。
[一度、断りを入れる。]
(67) 2010/07/07(Wed) 13時頃
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[見送られるのならば。 幸せだと、彼女は言う。 近しい位置に居る彼女へ囁くように]
……貴女は
[その声は無機質で]
私に対しても――、 本気でそう、思ってるの?
[されど何処か諦めを含んだ声色。 "呪い"という噂を知っているのかどうかは知らない。 されど、問わずには入れない琥珀色の眸。]
(*4) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[ペラジーが用意した白いダリアの花束が添えられれば、ピッパの言葉に同意するように柔らかに微笑み]
ええ、綺麗――…。
[閉じるねの言葉には、ただ、こくり頷いた。]
(68) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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……。
[見送られて幸せと言うコリーンに 「そんなんじゃ無い」と思わず首を振りかけたけれど彼女を困らせるだけなので我慢するように息を吐いた。]
ん。 それじゃ、またね。
[ピッパの言葉に緩く頷き、棺の中のマスターの頬を数度撫ぜる。 まだ温もりと柔らが残しているマスター。 久方ぶりの死の感触に懐かしさすら感じる。 表情を曇らせる事も無く、胸元でゆるやかに手を振り彼に別れを告げた。]
(69) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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流浪者 ペラジーは、歌い手 コリーンやピッパが花を褒める言葉を聞けば、曖昧に微笑を浮かべるだけで。
2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[コリーンの頷きを。 ペラジーの緩やかな別れの手振りを。 眸で確りと確認してから棺の蓋を動かしていく。]
おじさん。 少しの間、リンダの事を宜しくね。
[自身もすぐに逝くから、とは言わない。 きっとそんな言葉は彼が良しとはしないだろうから。
だから笑みは絶やさなかった。 彼の身体が蓋の向こう側へ消えていく。]
またね―――。
(70) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[囁かれた無機質な声。]
――…ええ
[ゴドウィンなら、彼女に見送られれば、幸せだろうと感じたのは事実だったから。
ただ、本気でそう思うかと、問う言葉に含まれる意味は、それでは無いだろう。 聞いた、噂――…。 でも、その噂は噂では無いだろう、か。
小さな村は異端者を弾きたがる。]
あなたは、本当に誰かを呪い――…。 殺した、訳ではないでしょ?
それとも、誰かを本気で呪い……殺した――と謂うの? 呪い殺したい人は、いるの?
[問う琥珀を静かに、見返す]
(*5) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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掃除夫 ラルフは、まだうとうとと、ゆめのなか。
2010/07/07(Wed) 13時半頃
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さぁ
[曖昧に笑った。 実際、人を殺めるなんて事はした事が無い。 けれど。"呪い"という点では曖昧に笑うしか、無かった。]
ただ。
[ただ、と。 遮る声は、鋭く、冷たい。]
願わずとも傍に居るだけで人が死んでいく。 其れを呪いと謂わずに、何と呼ぶの?
[自警団に向けたものと同じ、醜悪な笑み。 これで彼女が怯えるのなら、それが最善だ、と。]
(*6) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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……。
[戦場の死者のようにモノとして扱われない――。 むしろその点の方がマシなのかなとぼんやり思う。 棺の閉じる乾いた音。ふと、息を吐き司祭も遺族も居ない葬儀故に自分が先に棺に土を掛けた。]
(71) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[近付く蹄の音に気づき墓地の入口へ視線を向ける。 自分たちと同じように荷車にのせられ引かれる棺、遺族たちに担がれた棺、続く葬列に目眩のようなものを感じて視線を逸らした。]
(72) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[棺を閉じると一度"彼"から離れた。 ペラジーが先に土を掛けるのをやや後方から見守る。]
墓標。 ……御願い出来る、かな
[墓標に触れようとはしなかった。 手袋がきつく結わかれた其れを眸で示し、 二人の内、どちらかに御願いしたい、と眸が向く。]
(73) 2010/07/07(Wed) 13時半頃
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漂白工 ピッパは、流浪者 ペラジーの視線の先を追うが、すぐに眸を逸らした。
2010/07/07(Wed) 13時半頃
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[>>*6 冷たい声に――。 翡色の瞳が、揺れる。]
其れを呪いと呼ぶのなら――…。 私も呪われているでしょう、ね。
[母親も、小さな弟も疫病にその命を刈り取られた。 ギリアンは、女のせいじゃないと慰めてくれたけど、女があの人を戦場へと、死へと追いやった事実は変わらない。
様々な死が女の傍にあった。]
(*7) 2010/07/07(Wed) 14時頃
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――でも、ね。 あなたが、他の人が吐く無責任な噂に縛られ――…。 ――続ける事なんて、ないのよ?
それを哀しむ人が居る事も知って?
[醜悪な笑みに、怯える事無く静かに。 ちらり、ゴドウィンの横の小さな墓標を、そしてもう一人別の顔を思い描いて]
(*8) 2010/07/07(Wed) 14時頃
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[ペラジーが何かを我慢するように息を吐くのには気付かないまま。 二人がゴドウィンに告げた、またね、の言葉を、ピッパが棺の蓋を閉めるのを静かに見守る。
やがて、ペラジーが棺に土をかけ始めれば、同じように棺の上に土をかけ始め。]
私がする、わ。
[墓標に触れようとせず、お願いと瞳を向けるピッパに]
(74) 2010/07/07(Wed) 14時頃
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