164 天つ星舞え緋を纏い
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―神社へ向かう道―
[足が向かったのはそんな思い出のある場所。 記憶に引き摺られたのか、笛の音を聞いた所為かは分からない。 急ぐでもなくゆっくりと、足を進めて]
(48) 2014/02/19(Wed) 21時半頃
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― 通りのどこか ―
[坊主が足向けた先には、ひとりの女。>>43幼き日に顔を合わせた事も有った筈だが、やはり覚えてはおらぬだろう]
...ああ、確か出戻りの、雪客というたか。
[無遠慮に、巷の噂に上ったことを口にして、坊主は女の傍に寄る]
喰ろうたか、だが、其方も酷い有様よな。すっかり凍えておる。
[氷を操る女に対して言うには、場違いとも思える言葉を口にして、白い頬に手を伸ばした]
(49) 2014/02/19(Wed) 21時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 21時半頃
機織り 雪客は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 21時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 21時半頃
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[坊主が手を伸ばすと同時、ぼう、と、小指ほどの熱持たぬ緋色の鬼火が浮かび、女の周囲をゆらゆらと巡り出す]
オン カカカ ビサンマエイ ソワカ...
[唱えた真言が女を癒すかどうかを坊主は知らぬ。 ...それが地蔵菩薩の真言であったのは、偶然だったか否か]
(50) 2014/02/19(Wed) 21時半頃
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[その後もいくらか、言葉は交わしたろうか。やがて、坊主はじゃらん、と錫杖を鳴らし、雪客に背を向けた]
疲れているなら、休めば良い。いずれ全てが終わろうからな。
[女の周囲を巡る鬼火はそのままに、縁深き光を探して、再び歩み出す*]
(51) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
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─ 神社近辺 ─
[歩きつつ、ふと思い返すのは幼い頃。 都暮らしから一転した環境に上手く馴染めず、移り住んだばかりの頃は、神社の境内でひとりでいる事が多くて。 それに変化が訪れたのは、偶然、里の子と出会ってから。
最初は上手く話せなかった事もあり、名を問われても、あき、と母が呼ぶ愛称で返すのが精一杯で。 そんな様子が、女子に見えた……と後に知った時には、さすがに不機嫌になったものだが]
……でも。 いたから、なんだよな。
[少しずつでも、里と打ち解けよう、と思えたのは。 時を共にできる者がいてくれたからが大きく、だから]
(52) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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─ 川の辺 ─
[半紙の蝶を送り出してしばらくして、仰向けの状態から身を起こし、片膝を立てて座り込む。 寝転んだことで地面に落ちた狐狸は飛び跳ねて華月斎の肩へと登って来た]
…おまえらにも頑張ってもらわんとなぁ。
[指の先で狐狸の喉を擽ってやる。 こうしていると小さいだけで本物の狐狸のように見えるが、手触りはやはり布のものだった]
あいつが火を使うんやとすると、ちぃと不安やけど…。 ま、やってみんと分からんわな。
[半紙に紙人形に布人形。 どれもこれも燃えやすいものだ。 素材の不安はあれど、何も出来ないとは限らない]
水芸ん道具も持って来るんやったかねぇ。
[紡ぐ言葉はどこか冗談染みた雰囲気が乗っていた]
(53) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
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……だから、さ。
[内で光がざわめく。 近づく闇を祓い鎮めよ、と]
やっぱり、諦めるわけには、いかない。
[相変わらず、何を、と口にはしないけれど。 神社へ向けて歩いてくる姿>>48に向ける視線に、迷いはなく]
……ちょうど良かった。 今、探しに行くかと思ってたんだ。
[呼びかける口調は静かに凪いだもの]
(54) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
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― →川辺 ―
[一度出逢った気配を辿るのは、容易だった。思う方に足を進めれば、じゃらんじゃらんと鳴る錫杖の音が、華月斎にも届くだろう。そして坊主の耳には、川のせせらぎの音が涼やかに届く]
(55) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
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─ 川辺 ─
[せせらぎの音を掻き消さんとするかのように鳴る錫杖の音>>55]
……やはし、あいつが先かぁ。
[一平太は、華月斎には鎮められたくないと言った。 そう言った者が近付いて来るなどあるはずもない]
駄賃はくれたらんで。 わいには、まだやらなあかんことがある。
[近付く音と共にやってくる姿がはっきりとして来た頃、その場に立ち上がり正面から相対した]
(56) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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―神社近く―
[光宿すひとのかたち。 その声>>54を聴く前から、何となくだが誰かは分かっていた。 灼かれてしまわぬ様、眼を細くして]
そっか。 一応、訊くけど、何か用事か。
[返ってくる言葉は予想できていて、敢えて問いとして紡ぐ]
(57) 2014/02/19(Wed) 22時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 22時頃
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─ 神社近辺 ─
[今の自分が闇にどう見えているかは定かではないから、目を細める仕種に緩く首を傾ぐ]
……一応、って、なぁ。
[紡がれる問い>>57に、零すのは大げさな息、ひとつ]
……日向と、沼太郎さん……光がふたつ、闇に喰われた。 俺はこれ以上、闇に光を喰わせたくない。 俺自身も、喰われたくない。
だから……闇を祓い鎮める。 そのために、探してた。
[問いに答える口調はごく穏やかに凪いだもの。 未だ懐収める笛に今宿る、秋の穏やかさにも似て]
(58) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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― 川辺 ―
[立ち上がり、正対した手妻師の肩の上には狐と狸>>56]
どうでも良いが、お前、少々真剣味が足らんぞ、琥珀。
[指摘する声も決して重みがあるとはいえず]
やらねばならん事、か。 弟を祓うことも、その内か?それは少々お人好しのお前には荷が勝ちすぎておろうに。
[それ故に、と、言って、錫杖をじゃらん、と前に振ると、遊環には、鮮やかな緋色の焔が纏われる]
わしが、その荷を降ろしてやろう。おさななじみ、の、よしみでなあ。
[声は軽いまま、けれど、細める瞳は鋭く強い]
(59) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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― 通りのどこか ―
は……随分、遠慮ない……のね。 ……事実、だけど、さ……。
[む、と唇が軽いへの字を結ぶも。 変に気を遣う振りをして詮索するような連中よりはよっぽど好ましいとも思う。]
こんなの……慣れて、ないんだし……仕方、な……。
[伸ばされた手に言葉は途切れた。 普段であれば手を払い除けたかもしれないが、そうしなかったのは女なりに弱っていたからか。 もしくは、同じ星を宿すものだったからか。]
(60) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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[ゆらり。 自身の刀とは似て非なる緋色が朧げに映る。 熱のない焔、これがこの男の力かと覚る。 その真言がなにかは分からずとも。 唱える声がただ心地よく、声が止むまで目を閉じ、じっと聞き入っていた。]
(61) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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[完治はせずとも、ゆっくり歩くだけなら苦にならない程には回復できたか。]
ありがと……助かったわ……。
[一つお辞儀して。 視界の晴れた目で男の顔をみる。 その目元に、見覚えがあるような気はしたけども、女はすぐには思い出せない。]
(62) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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─ 川辺 ─
人んこと言えんのか?
[法泉の言葉>>59に、笑う。 墓地に居た時に見せた複雑さはもう無い]
一だけやない。 ……全部や。 おまえも、他ん奴も、ぜぇんぶ祓ったるわ。
おまえに降ろしてもらうような荷ぃは、いっこも無いで。
[法泉が錫杖を振ると同時、右手で懐から半紙を引き抜く]
狸と狐の化かし合い、始めよやないか。
[冗談めいて言いながら、手の中で半紙を細かく千切り始めた]
(63) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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終わる、か…… 終わったら、どうなるんだろね……? 今だってもう…こんなだし……。
[生まれ育った里。 三行半を突きつけられた時も。既に両親が他界してしまっているのに、帰る場所なんてここしかなかった。
けども、今はまるで知らぬ場所の様に変わり果ててしまった。]
ううん……考えたって、仕方ない、か。 どうなるもんでもない。
[独り言の様に呟いて。]
(64) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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……あんたもさ、喰いにいくんでしょ?
生きててね。 ――死んじゃったら、借りも返せないし、さ。 私、あんたみたいにお経なんて唱えられないしさ。
[万全の状態であれば同行しただろうが、現状では足手まといでしかないだろうと、話が終われば女は見送るのみ。*]
(65) 2014/02/19(Wed) 22時半頃
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― 川辺 ―
やれ、欲の張った狸よのう。
[全部を、という華月斎の言葉に>>63返す声音はどこか愉しげにさえ響く]
狐と狸の化かし合い、ならば...
(66) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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─神社近辺─
よく考え違いするからなぁ。 だから、一応だよ。
[相手の首を傾ぐ仕草>>58すら、よく見えない。 眼を細めたまま]
そっか。ひなが。
[明之進の次に仲良くなった子。妹みたいに思っていたのは昔の話だった。 本当は己よりずっとしっかりした娘で、一にぃなんて呼ばれるのが何だか申し訳ないくらいで]
……沼太郎様も、そっちだったんだ。
[『時を失してからでは遅いぞ』 茶屋で団子と共に貰った言葉が頭に浮かんで、消えていった。 その意味は未だに上手く掴めていない]
(67) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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[結局、齎された言葉は予想通りで。 小さく息を吐いて]
……なぁ、明之進。 うちの兄様って、狸に似てたかなぁ。
[此方が紡ぐのは一見、何の関係も無い言葉。 彼と知り合って間もない頃は、何かあるとすぐ兄の話をしていた。他に話が無かったというのもあるが。 ここ最近の芸名でなく、その時の呼び方で、口にして]
よく、思い出せなくってさぁ。
[最後にその顔をちゃんと見れたのは、何時だっただろうか]
(68) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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間抜けな狸が、負けるもの、と相場は決まっておるぞ!
[華月斎がちぎり始めた半紙が力を得る前に、と、ぶん、と宙に環を描いた錫杖から、焔が一筋、燃える矢のように手元を狙って放たれる*]
(*7) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2014/02/19(Wed) 23時頃
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─ 神社近辺 ─
[一応、の理由>>67にほんの少し苦笑する。 説明が上手くできなくて、妙に行き違った事もそういやあったか、と。 思ったのは短い時間]
ああ。 沼太郎さんは、俺も本当についさっき、知ったんだけどな。
[そう言って、それから。 息吐いた後に向けられた問い>>68に、一つ瞬いた]
(69) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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……兄さんが……狸に?
[久しぶり聞いた気がする呼びかけを交えた問いに零すのは、こちらはずっと変えていない呼びかけを交えた疑問の呟き]
……まあ、似てるといえば、そうかも。
[賑やかしな所とか、と。 言いかけた言葉は、続いた言葉に途切れて、消えて]
思い出せない、って。 ……お前、どれだけまともに顔を合わせてなかったんだよ。
[代わりに口をついたのは、どこか呆れたような言葉と、それから]
(70) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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……思い出せないなら、自分で見て、確かめろよ。
[言いながら、懐に収めた笛を掴んで、引き出す]
まぶしくて見えない、っていうんなら。 ……ちゃんと向き合えるように、その闇、鎮めてやる。
[くるり、手の中で回された笛は、舞うが如き動きで緩やかに大きな弧を描き。 その先端が、ぴたり、一平太へと向いた]
(71) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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─ 川辺 ─
[半紙を千切る手つきに無駄は無い。 何度も何度も繰り返し覚えた、身に染み付いた動き]
欲張りで何が悪い。
[愉しげな声>>66に笑い返し、懐の扇を右手で引き抜き、開いた]
(72) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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狐かて、出し抜かれる時があろうや!
[千切り終えた半紙を宙へと放り投げる。 その間にも迫る、焔の矢>>*7。 ひらり散る半紙がいくらか燃えたが、構わず扇を振り上げた。 巻き起こる風により舞い上がる、数多の蝶。 手元を狙った焔は、華月斎が動いたために手ではなく左腕を焼き抜けて行った]
(*8) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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っ あ、 っつぅ……!
こなくそ!!
[脇を締めるように左腕を引き、焼ける痛みを堪える。 その間に右手の扇を頭上に翳し、ひらひらと左右に揺らし蝶を巻き込みながら眼前へと下ろして。 扇に蝶を纏わせ左へと流すと、右へと振り抜いて密集した蝶の大群を法泉へと走らせた。 ひらり舞う姿とは対照的な、直線を描く軌道。 法泉の居る位置を駆け抜けさせるようにし、抜けた直後には扇を振り上げて上空へと蝶を逃がした]
(*9) 2014/02/19(Wed) 23時頃
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さすがに玄人と言うべきか、手妻師の動きには無駄というものが一切無い。 形成す前に燃やしてしまおうとした焔は、出来上がった蝶のいくらかを灼き、手妻師の左腕に僅かな火傷を残しただけに終わる]
焔は熱いに決まっておるわ!
[それでも、手傷は与えたか、と、嵩にかかって再び錫杖を振ろうとするも、一見優雅に扇に纏われた数多の蝶が、艶やかに舞う姿とは裏腹に、蜂の如く鋭い動きで、坊主の目前へと襲い来る]
(*10) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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ち...!
[あれ程速い動きでは、燃やそうとしても焔を我が身に向かわせるだけ、そう判断して、横跳びに避ける]
…つうっ!
[乱舞する蝶の紙の翅は、鋭く薄い刃となって、全てを避けきれなかった坊主の腕や顔を、薄く鋭く切り裂いた]
(*11) 2014/02/19(Wed) 23時半頃
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