256 【突発RP村】胡蝶の夢
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[ はく、と息を深く吸いました。 力の抜けた足腰は、崩れ落ちましょう。 ふわりと広がる黒は、 顔を覆う、両の掌には、ぽたりと雫が落ちます。
── … よかった、 と。]
……… ああ、神よ。
[ 案ずるあのひとは、“ 人狼ではない ” その真実を知れた私は、安堵からでしょう。 包丁を握り締めたまま、聖堂の中央で、 意識を手放したのです。*]
(24) 2016/11/16(Wed) 03時半頃
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[ 私の衣類は、血に塗れてなどいませんでした。 黒に、黒が重なって、 見えなくなっている訳でもないのです。 私の身体から、血の臭いさえしないのでしょう。
私は、この掌で、トレイルを、 …… 殺せなかったのですから。]
(25) 2016/11/16(Wed) 03時半頃
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[ …… ── 切っ先は、彼の心臓へ、 深く刻まれることはなかったのです。
決意を固めた私の判断を鈍らせたのは、 食堂の戸の開く音の所為でした。>>2 咄嗟に、物陰へと隠れましょうか。 暖炉に蒔きを足す男の鼻が別の何かで、 占められていて、私の匂いに気付かなければよいと、 願うばかり、…… でした。
息を飲み、彼が眠りに落ちるのを待ちましょう。 すやすやと寝息が聞こえ始めてようやくです。 最後にもう一度、トレイルの寝顔を見ましょう。
…… 額に軽く、口づけを。 その後、半ば逃げるように、駆け出したのです。]
(26) 2016/11/16(Wed) 03時半頃
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[ 此の手は、救う為にある筈なのです。 どんな形となろうとも、救う為にあるのです。
…… しかし、私たち人間には口があります。 対話をせずして殺すなど、到底私には、 出来ない行為だったのかもしれません。]**
(27) 2016/11/16(Wed) 03時半頃
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―三日目・早朝―
["わたし"が心に入り込んだ"あなた"は 目を覚まし、違和感を覚えるでしょう。
いいえ、もはや、あなたはわたしであると言っても 過言ではないのかもしれないわ。
目覚めは、空が白んでゆく頃合。 けれど雪に閉ざされた室内は暗く、 まるで牢屋に入れられていた時のような 冷たさを感じます。]
(28) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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……人狼
[昨日の朝に見つかったキャサリンは 一体いつ、殺されたのかしら。
きっと、そう、夜中。 獣が動く時間は夜と相場が決まっている。そうでなくて?
それが誠であったからこそ、 あなたが目覚めたタイミングは、 少々遅かったと言わざるを得ないでしょう。]
(29) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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[部屋を抜け出そうとして、 咄嗟に扉を開けるのをやめたのは 誰かの気配が、廊下を歩んでいったからでした。>>10>>11
こそこそする必要はありません。 ただ、もしその足音が人狼のものであるのなら。 咄嗟に働いた防衛本能なのでしょう。
この部屋の前を通り過ぎて 進むべき個室は限られています。
心音が速くなるのは、当然のこと。 もしかしたらその足音は、 まさに今から人を襲おうとしているのかもしれませんから。]
(30) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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[足音が静まった頃、今度こそ扉を開き足音が向かった方向を見ますが、不意に鼻をついた血の匂いに息を呑むのです。 匂いの元はどこなのかわかりません。
その血と人肉の塊が、たった今廊下を通り過ぎたばかりだったのですから、廊下にもその匂いは、微かに残っていたのです。]
……、ッ
[既に匂いがするということは、 誰かが犠牲になっているのでしょうか。
ただ、一つの疑念。今扉の前を通った存在が、この奥の個室で今まさに人を襲ったにしては、匂うのが早すぎるのです。
焦りに唇を噛み、足音が向かった方向とは反対へと進んだ先で、あなたは強くなる血と死の匂い気づき、一つの個室の前で足を止めました。
犯行は、終わったあとでした。 震える手で、扉を開けた先で
幼き亡骸を、目にします。]
(31) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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……。
[少女の死を、受け入れがたい思いは 同じ心からよぉく伝わってきます。
けれど、あの時も>>2:45、今も、 あなたが声を上げなかったのは 理解をしていたのです。
何の理解かというと、死というものへの理解です。]
[人が殺される場面を、わたしは見てきました。 革命戦争のときに、襲撃された私たちの宮殿では 多くの召使や衛兵が、義勇兵によって殺されたのです。]
[あなたは死を目にしたことがなかったけれど、 わたしが同居していたゆえに、"識って"いたのです。]
(32) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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……赦す?
[自問のような声が漏れました。 愛くるしい少女の命を奪ったその存在を、 赦せるのか、と己に問うたのです。
マタイによる福音書にはこのような一節がありましたね。
「しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。 だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」
あなたはその意味を知っていますか?
赦すことは悪人のためにするのではなく、 自分自身のためにすることです。
死という結果が残った時、 今、出来ることを考えなさい。]
(33) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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……ゆるす。
[今度は疑問形でなく、ただぽつりと。 少女の亡骸に背を向け、ひとりの人物を探します。
彼がどこにいるかは知っていましたから 食堂へと足を向けました。
三人の男性が、椅子やソファで、 眠りに落ちている様が目に映ります。
あなたは絞り出せぬ声を、胸中へ落とします。
大の男が三人もいるのに、何故あなたがたは 止められなかったの?と。]
(34) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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[それもこれも ひとりの男性の所為だ、と。
視線を向ける先にいるのは トレイルという名を持つ、茶色い髪の青年。
赦しましょう、ローズマリー。 目を覚ましたら、罪を告白させ 贖罪へと導くのです。]
(35) 2016/11/16(Wed) 08時頃
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―――ぃ、や
[浮かぶのはわたしの笑顔ではなく あなたのくしゃりと歪んだ泣き顔でした。
ほろほろと頬に伝う涙は、 最早、何を悲しみ、何がつらいのか
あなた自身にも理解ができません。
理由を聞きたいと、あなたは言いました。>>2:71 けれど、あなたは昨日それを実行しましたか? 見えた茶色の髪に、声をかけることをしましたか?>>2:180]
(36) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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[逃げたのです。 あなたは、眼前にある恐怖から 死を齎される恐ろしさから逃げたのです。
会話で理解するつもりなど、 元々なかったのかもしれません。]
――――――…ちがうわ。
[あなたは、微かに声をあげました。 その"違い"について、語るより先に。
トレイルに歩み寄り、短剣を取り出します。]
(37) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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[迷いがなかったのか 何も考えることができなかったのか
あなたの胸中は空っぽで わたしが知ることはできませんでした。
短剣は勢いをつけ、トレイルの胸元へおちてゆきます。
―――突き刺さった瞬間、肉を貫く感覚に ぐっと目をつむって。
ひゅう。ひゅう。
トレイルが苦しげに呼吸音を漏らしました。 ひとを殺したことなどない、かよわい腕が 一度で心臓を貫くことはできません。
引き抜いて、返り血を浴び、 再び刺して、その繰り返しを何度行ったのでしょう。]
(38) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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[ヴェスパタインとジェフが 目覚めぬことが不思議です。
起きていても、おかしくはなかった。 それほどに、殺気と肉を抉る音で 死に満ちた場所と化していました。
やがて絶命を悟った頃に、 短剣から手を離し、深く息を吐きます。]
(39) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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[遺体のそばに短剣を残したまま、 食堂から去り、やがて駆け出すあなたは どこへたどり着いたでしょうか。
返り血を浴び、緋色に染まった衣服と身体。
頬についた血を拭いながら 言うのです。]
(40) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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これが、私の
赦し、です。
[愚かなほどに、無邪気な笑みを浮かべて。**]
(41) 2016/11/16(Wed) 08時半頃
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[御伽噺を囁くのはきっとキャサリンだろう。 人狼は人間を食べてしまう。 止めるには殺すしかない。 そんな話をしていた事を思い出した。
人間を襲う獣がいれば、 森に分け入り容赦なく屠るだろう。 殺すか殺されるかの関係ならば、 その道が自然と浮かぶのに――。
人の姿をして、人の言葉を操る相手。 ましてや既知であるなら判断は鈍る。 言葉を交わして確かめようとするのは、 誰がそうと知れぬから冤罪を恐れるもあり。]
(42) 2016/11/16(Wed) 09時頃
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[アイリスの部屋の扉を叩き、 もう一度話をしてみようか。 そう思いながらもそれを先送りにしてしまう。
焼きあがったばかりのパンをかじり、 暫くはもつであろう量の残りのライ麦パンは、 調理場の片隅に置いておく。
力尽くで止めるという方法がありながら その日は誰かを疑いきれず 何もせぬまま部屋に戻り眠りについた。]
(43) 2016/11/16(Wed) 09時頃
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ケヴィンは、ローズマリーの“赦し”を知るのは、翌朝のこと。
2016/11/16(Wed) 09時頃
オーレリアは、ローズマリーの身を案じながら、微睡むのでした。
2016/11/16(Wed) 09時半頃
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― 三日目 ―
[朝になれば自然と目覚める。 よほどのことが無い限り寝過ごすことはなかった。 この天井を眺めるのも三度目。 窓を叩く吹雪の激しさはまだ変わらぬようだった。 自分たちを閉じ込め隔離する不思議な力でも働いているのか。 誰かのように御伽噺じみたことを考えてしまうのは、 雪がここまで降ることが珍しい地域だからで、 外に出られない現状に圧迫感を懐いているからだろう。]
――… 生きてる。
[胸に手を置いて確認するように呟く。 キャサリンを殺した、人狼なる存在が此処にいるならば また犠牲が出ることは予想がついた。 だから、己の生を確認した次は、 他の者の無事を確かめようと思い部屋を出る。]
(44) 2016/11/16(Wed) 10時頃
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[廊下に出ると開けられた扉があり、 其処にはヴェスパタインの姿>>9と 声掛けるアイリス>>13が見える。
ハナの部屋の前まで歩み寄れば、異臭が鼻をついた。 少女の首筋に見えるは牙の痕。 中を喰われたようなその惨状はまるで 獣が獲物を喰らったようなあとを彷彿させる。]
……ハナが襲われたのか。 ヴェスパタイン、……
[名を呼ぶもすぐに動けぬ状態と思えば]
他の人に、知らせてこよう。
[言い置いてから、二階にある部屋の扉を一通り叩き、 ハナの死を伝えにまわる。]
(45) 2016/11/16(Wed) 10時頃
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[二階をまわり終われば、一階へとおりる。 食堂に足を踏み入れると、また、異臭。 団欒の場にはそぐわぬ血の匂いが其処にも漂う。
キャサリンの次に犠牲になったのは、ハナで、 では、この血の匂いは――。
考え、その元を探そうと辺りを見回せば 血に濡れた短剣>>40と動かぬトレイルの姿があった。
歩み寄れば胸に刺し傷が見える。 トレイルの傍らで膝を折り]
…… トレイル ?
[声を掛けて、肩へと手を置くは、 まだ、息があるかもしれない、目覚めるかもしれない、 そんな淡い思いがあったせいかもしれない。]
(46) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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―聖堂―
[二階には戻れませんでした。 着替えようとも、隠そうともしませんでしたが、 ただ、いっときでも良いから、あなたは逃げたかったのですね。
この修道院で血まみれのあなたが見つかるのは、 時間の問題でしょうけれど。
赦しを与えた、はずなのに 聖堂へと足を踏み入れたのはなぁぜ? 心のどこかで、赦しが欲しかったのかもしれません。]
(47) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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[かつ、こつと、静寂に響く靴音は止まり 横たわる女性の姿を見つけました。>>24
駆け寄って、その姿を見つめ、呼吸に上下する胸元に心底安堵して、隣でへたりこむのです。]
貴女まで、失いたくは、ないの。
[オーレリアの、伏せられた目元にかかる銀糸をそっと梳き、その顔ばせを見つめているあなたの想いは。 全ての人へと与えたいと願う、博愛なのでしょうか?]
(48) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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[オーレリアの無事を確認して微笑みますが あなたは、彼女の傍にはいられないと 立ち上がり、場を後にしようとします。
美しく、慈悲深い彼女に、 この汚れた手を伸ばしたことすら、 罪のように思えてしまったのですから。*]
(49) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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─ 3日目 ─
[ …… 目蓋を持ち上げた時、 身体は酷く、冷えていたのでしょう。 ふると、睫毛が震えて、体を起こします。 まともに寝ぬ日が続いた所為か、 全身に痛みが、走りますが気にしている余裕はありません。 脈打つ鼓動、胸に掌を添えましょう。]
…… 生きて、います。
[ 私の力が、誰かに漏れていたならば、 私が、“ 占い師 ”であると、 人狼に気付かれてしまっていたならば、 命はないかもしれない、と。
手にした包丁を見詰めます。 私のこの、掌は。私のこの、力では。]
(50) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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[ すん、と鼻を鳴らせば、 …… 赤の香りを感じ取りましょう。 傍に、誰かがいた気配があるのです。>>49 床を見下ろせば、僅かに残る赤い血でした。
瞠目し、自らの身体に、触れましょう。 けれど、何処にも怪我はなく、 私は、無事であることを確認します。]
だれ、なの ……… ?
[ 其れでは、一体 …… ? 俯けば、はらりと落ちる前髪がありましょう。 軽く梳かすように、指を滑らせて、 誰かに、あたたかく触れられたことに、>>48 気付くのでした。 辺りには、誰もいません。]
(51) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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[無骨な手が、トレイルの肩に触れた瞬間、 ケヴィンには黒いもやのようなものが視えた。 彼こそが人狼である、と、 墓守から譲り受けた力を教えてくれる。]
トレイルが、人狼――……、
[呟いて、口許を押さえる。 力が発動した反動か、心臓が悲鳴をあげた。 苦痛に眉を顰めて、うずくまりそうになるのを 床に手をつき、ぎりぎりのところで堪えた。]
……っ、
[知らせねば、と思うのに、体は思うように動かず 苦しげな、呻きが 落ちる。**]
(52) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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[ 誰がそばにいたのかすら、分かりませんから。 このまま、護身の為に、 包丁を持っていようかと思考を巡らせますが、 流石に其れは出来ぬと、 調理場へと返しに向かうこととしました。
道中、鉄錆の匂いを感じたでしょう。 意味すること、とは ……
── 新たな死者の存在でした。]
は、 …… だれ、 今度は、
[ 私が、判断を鈍らせた所為かしら。 其れとも、また、別の。 臭いの方へ、足を進めたくはありますが、 凶器を手にしたままでは、向かえません。 足早に調理場へと、踏み込むのでした。]
(53) 2016/11/16(Wed) 10時半頃
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