231 獣ノ國 - under the ground -
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…貸すって言ったんだからな!もらってくぞ!
[白衣を一旦脱いで。作業着の上に上着を羽織り、その上にまた白衣を羽織る。ボロ布でも、ないよりマシだ。…はて、何をするのに?何をするのに、ないよりマシなのだろうか]
ったく、調子狂う…
[困惑の対象を自分の心にまで広げながら、呼び止められなければその場をあとにしようとしただろう。自分は自由を求めてるのだと、言い聞かせる為に]
(22) 2015/07/12(Sun) 12時半頃
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[あたま、という回答>>*2は私に不穏な印象を与えた。 頭数が多い方が、脱走の成功率が上がる。……囮に、できるから。 そんな印象はきっと被害妄想で、私は自分が思った以上にナーバスになっていることを悟る。 隠し事のせいだろう]
行かないわ。 ……少なくとも、今は、まだ。
[だから、続いた誘いの言葉>>*3にも、私は乗らなかった。 私は、外に出たい。外の世界に行ってみたい。 その気持ちは本物だけれど、だからこそ、軽はずみな行動は避けなければならない。 私は、抗うために抗っているジリヤとは、違う。 私が行動を起こす時、その行動は手段であって、目的ではない。 だから、計画は周到に練られなければならないのだ]
(*4) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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[そんなことを考えていたのに]
私が、誰かを呼んでいた? いいえ、知らないわ。
[人との接触は少ない方がいいと考えている私が、誰かの名前を呼ぶなんて、考えられない。 問い>>*3の意味がわからず、私の声には微かに不審が混じる]
何のことを言っているのかしら。
(*5) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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――プール――
[ ぱた、と水音を、鱗ののる肌に聞き取りながら――>>1:246「処罰」の言葉には首を振る。勿論、チェビィの意向ならば従っただろうが。 諦観するくらい、決まり決まった流れだった。たべたらしかられる。うみじゃないから。]
―― 、しんだら。
[ ふ、と。幼少から知る瞳の色が、失せる瞬間を。2度と、その手がにおいつける花も、ほんもののひかりすら映さないのだと思えば。 手を濡れたその髪に伸ばし、――手袋を外した側だと気がついて、そのままに下ろし込んだ。傷つけたいわけでは、ない。
自由、と抗う針鼠へ。そらをとうたう2羽への憧憬も。 忠告をくれた男の背へ願ったことも。今度、への返事も。
全部本当で、彼らから何も奪いたいなど思っていない。]
……“ここ”で? …満腹なら、たべない。
[ 満腹。充足なんて、吸水口から摂取する“まぜもの”の味に感じた事など、1度もなかったが。――たとえば、ここのひとをものを全部たべきったら、「満腹」になるんだろうか。人間が情動をとめらないように、どうしたってとまるわけもない、と思いながら。
たべて、たべて、たべて。――そのあとは? *]
(23) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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…――俺をここからだしてよ、チェビィ、
[ さかなはうみでおよぐもの。 いずれ満たされない、とぜんぶをくい潰すことになるのなら。――鱗の肌と擦り付けあったって、混ざり合えるわけもない。
本気で彼>>1:253に縋る気もなく、ただ独り言じみて。手袋を嵌め直しては、身を離して小さく落とした。 冗談、と誤摩化しつつ。まずは地図がいるかと、隔離された白壁を思いながら。はた、と気付いたように。]
……チェビィは、そとに行きたくないの?
[ 言ってから、居住が彼の本意でないなら、酷な問いだったのかもしれないと。男は然程変わらぬ姿で“ここ”にいる。10数年でそうなのだから、見目よりずっと以前から、白亜に囲まれているのだとしたら。 変わらないまま幾度と、いついつも。ここで同胞の、ヒトのひかりが失せるのを見ていたのだろうか。
「うみじゃない」と、“ほんとう”を告げた彼はどんな顔をしていたろう。――しんかい、と。自らを形容して告げたそれを、反芻しては。彼はその色を、……知っている?
そとの、奥のひかりを知っているのなら、朝と夜を知らせるだけのつくられたひかりに。――己なら、耐え切れるだろうか。]
(24) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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――プール→――
――たべる、けど。俺と?
[ ぐう、と数度目の腹の虫を聞きながら。我慢できるだろうか、とマスクを受け取る>>1:255のすら摘むよう、彼から、においから離れながら。顔ごとそらして、「くつわ」をはめこんだ。じりとズレるそれの端、吸収口をこんと叩きつつ。 そういえば、替えを貰わないままだった。
誰が誰も、彼のように「やさしく」はないから。――とおくむかしにきく“うみ”の声音を思いながら。きっとはやくした方がいいのだろう、と足先を直す。]
俺のしりたいこと。
[ やはり彼は、そとを、ここのなにかを知っているのだろうか。 自らよりは小さく映るだろうその姿を眺めつつ、その奥に、一体どれだけのことを潜めているのだろうと。――“ふゆ”に眠る亀が甲羅に、大事なみをかくすみたいに。
フードごとマスクを被り直せば、ひとつ頷きながら。彼がいう“ごはん”の先へ同伴しようと、足を進めただろう。]
(25) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 13時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 13時半頃
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[ きょとり。 男は珍しくその瞳に不思議そうなそれを揺らめかせた。 ―――そう、期待していなかったのだ。 「撫でる」ことで牽制し、またそれに対しての反応など。 棚から牡丹餅。闇の中の光。その程度だと高を括っていたのだが ――― いやはや、これはこれは、と喉を鳴らす。
混乱 。 疑問 。 惑い 、 そして探る 。
まるで羊だと思った。迷える羊、……教会に来ていた輩と同じである。 ]
( ………おなじ。 )
[ ――――ひとも。けものも。 同じだと、思う。
それは男の底に蹲る本音であった。思考放棄では無く、 ―――目前に悩む彼女は、こんなにも。ひとらしい。
その心が何色であるかは察すること無く。
結ばれる髪から目を逸らし、男は白亜の空間を見据えた。何よりも歪んでいるのはこの空間だと言わんばかりに。 真白なそこが、目に輝いていたい。長い前髪の奥、伏せがちになりつ僅少瞬きでもしていれば、――聞こえた問い>>21には。 ]
(26) 2015/07/12(Sun) 13時半頃
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―――守ってくれないのですか? …さみしいですねえ。
[ いつぞや鮫の彼にも言ったように、決まり文句じみてさみしいと、男は言った。口元に手を当てがっては、薄ら笑いを隠すようにして。 眉を寄せて困ったように首を傾げてみれば ” それ ”らしく見えただろうか?
女医に歯向かっていた時のように、また平生誰かに噛み付いていた時よりも柔な口調を耳に流し。 その澄んだ瞳を真直ぐに見つめた 。奥まで透けそうに、綺麗ないろだと、思った。
―――そうして煽ったのに、彼女はどう答えてくれたか。 例え噛み付かれようとものらりくらりとするのみに留めるが。 ……軈て、着直された自らの上着と白衣がはためく音を聞きながら、白と黒とが重なるのをみた。
( …その白衣の意味は何だ…? ) 最早羽織る意味さえなさそうなそれに、胸中深刻さに似た疑問を落としつつ。…まあ、彼女がそれで良いなら、良いのだろう 。]
(27) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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行ってらっしゃい、 ” ジリヤ ”。
[ 挨拶の意味を彼女が知ることは、あるだろうか。 行ってらっしゃい 、 おかえりなさい 。 祈りのように捧げた言葉で、背を向けた彼女の「 帰り」を ―― 願う。 ]*
(28) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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[そうして私は、私にしては珍しいお節介をした]
仮に、今は誰もいなくても、これから誰かが来るかもしれないわ。 誰にも会いたくないのなら、簡単に食べられるものを受け取って、部屋で食べてはどうかしら。
[もしフィリップが、食事を受け取ってくることを私に依頼するなら、引き受けるつもりで。 さて、フィリップの好む、簡単に食べられるものとはなんだろう。 リクエストをしてもらえると、助かるのだけれど**]
(29) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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寂しいって、お前…
[>>27イエスでも、ノーでもなく、寂しい。謎の回答にまた調子が狂う。そして、相手が寂しがることに、なぜか動揺する。なぜだ?なんの理由で?相手はニンゲンだ。あの ニンゲンなんだ]
[行ってらっしゃい。その言葉が自分に向けられた事は、何回あっただろうか。それには答えずに、食堂から去る。…答え方がわからなかった。なぜ、答え方を探ろうとしたのかも、わからなかった]
(30) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 14時頃
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[ 梟に窘められた兄は、気にしているのかいないのか。 毛づくろいをはじめたから、それなりには 気にしているのだろう。 彼女と話す時に僕がよく「しーっ」とするのもあって すっかり”駄目”の通りに押し黙っている。
僕は爪先で兄の頭を撫でて、食堂の中の話>>20に 耳を傾けて…そうして、何となく彼女の違和に気付く。
ぽや、とまあるくした瑠璃で 白い部分の無い 夜を吸い込む目を覗きこんで 今度は僕の蒼碧の手が彼女の目元に吸い込まれる。
( いつもならこっちの図書室じゃないし ) ( いつもなら、もっと……声が。)]
僕が熱に浮かされているからそう思うのだろうか。]
(31) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ そんなところへ、また。 彼女はとても優しいけれど、こういう事>>29は珍しい 僕は はくりと開いた口をゆっくりと閉じて ]
……誰にも会いたくない。…まゆみ、以外は。 でも、みずと りんご、ほしくて……
……ね、なにか あった?
[ なんだろう、と彼女に問えど その答えは与えられず 僕はふす、と鼻を鳴らす。
食堂からそいつらを取ってきてくれるというのは とってもとっても有り難かったから、 僕はインコみたいに頭を何度も下げて 食堂からそれらを持って来てくれる彼女を待った。]
(32) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ 兄さんが「アリガト!」と啼いて 僕は片手に林檎と水のボトルを抱えて礼をする。
何となく感じる違和感については 若干諦めつつも それじゃ、と手を振る気にもなれなくて。
変な時間に寝てしまったし ”夜のひと”たる彼女と、 彼女のせかいの、傍に居てみたかった。]
さっき起きて いま、寝起きで。 まゆみ、今夜はどこに居るの?
僕も居たら、いけない?
[ 彼女の抱えた本を赤い爪でコツコツとつついて ”静かにしてるから” と、兄の嘴をつまんだら 若干兄の機嫌を損ねた気もするけれど、まぁいいか。]
(33) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ 夜と朝が重なる、誰は彼時。 煤けた図書室で本を読む彼女を見つけるのは 僕が唄い出す前のこと。
ひとりを好む彼女の背で、茶色の羽を撫でた時間は いつもとても短かったから
夜ならば、もう少しながく あの斑の星降る羽に、手が届くかなあ なんて。*]
(34) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[髪を結び、ごく軽い身支度をして、 彼は部屋を出る。 ここは朝陽がささない。
管理された棟内で、そっとマイクに口を寄せる。]
(35) 2015/07/12(Sun) 15時半頃
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[それから、梯子を下に降りる前。
頬を撫ぜる隙間風が吹くほうを見たならば、 そこに、番犬の姿はあっただろうか。*]
(36) 2015/07/12(Sun) 15時半頃
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[“誰にも会いたくない”>>32の中に、私のことは含まれていないよう。そのことに少し安堵した。 私がフィリップに声を掛けたことが、彼の傷にならなければいい]
それで、足りるの?
[フィリップは水と林檎が欲しいと言う。 同じ鳥でも、梟と鸚哥では随分と食べるものが違っていて、私には到底足りないその量で、フィリップは足りるのだろうか]
気にしないで。 大した手間ではないわ。
[お節介は感謝と共に受け入れられて、何度も頭を下げるフィリップに首を振ると、私はさっさと食堂へ向かった。食堂は目の前なのだから、本当に大した手間ではないのだし。 なにかあった? という問いかけへの返事を、ひとまず保留にして]
(37) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[ 殆ど予想していた梟のこたえ>>*4には、ただ1つ頷くにおさめた。ひり、とその声の間に硬い色を覗けば、それも当然だろう。とのみ、奥、彼女の“心”の状態には意識も向けられないまま。
“すくなくとも、――”と、慎重に足した梟に、 いつかは。とそらをとびうたう2羽の姿を思いめぐらせる。 いつかは。彼女だけでない、他の「同胞」たちも、“手段”をとるときがくるかもしれない。
――うみに標を立てるように。失敗するにしろ、成功するにしろ。何かしら“そと”へのそれを残していけるだろうか。 ……ただ。それが必要かも、”いい”結果を結ぶかも分からず。ましてそんな余裕があるかすら知れなかった。*]
(*6) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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はい、どうぞ。
[水と林檎は難なく手に入り、私はすぐに二羽の前に戻ることになる。 戦利品というほどでもないそれを手渡して>>33、慣れないお節介は分不相応な感謝をされて、なんだか少し居心地が悪い]
今夜は、部屋に戻るわ。 第二図書館には、人間がいたから。 ……え。
[そういえば、こんな時間に私がここにいるのは珍しいかと、簡単に理由を説明する。 思わぬ申し出に少し驚いて、返事には瞬き一つ分の間が開いた]
(38) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[フィリップがそんなことを言ったのは、私の様子が少し違って見えたせいか、それとも彼に何かがあったからなのか。 なにかあった? という質問。赤く腫れた彼の目元。 どちらでもおかしくない。もしかしたら、両方なのかもしれない]
別に、構わないわ。
[フィリップは、隣室の住人。その隔たりは、どうせ壁一つ分。 その距離を詰められても、構わないと思えた。 彼の声は、私を煩わせるものにはならないから]
何のおもてなしも、できないけれど。
[殺風景な私の部屋を思い浮かべ、それだけ、付け足した]
(39) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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……、気のせい?
[ “知らない”とキッパリ>>*5言われてしまえば、自らの聴覚にすら首を傾げる。確かに、(最近のあれそれは別として)施設で窺う梟の傍に、あまり人影も獣影も見つけたことはなかった。それでも、たしかに聞こえた言葉は。
あれは――、と思い返すうちに。もし彼女が意識を逸らしたり、また会話を閉じることがあれば、それまでに留めただろう。]
“ かあさま ”。
[ ――やがてぽとり、と。その「なまえ」の意味すら知らなければ、不完全な音程で落としたそれは、届いたのだったか。 よんでいる、と自分は思ったけれど、もしかしたらなまえですらないのかもしれない、と巡らせながら。もし彼女が声に含めた不審を一層濃くするようなら、それ以上を切り上げる事も考えつつ。]
(*7) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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―昼前/第二図書室―
……ん、あーぁ。あー…………
[寝起きはどうにも低血圧で、寝ぼけ眼をゴシゴシと擦り、頭を掻き、上体を起こせばズルリと掛けられたタオルケット>>1:244がズルリと落ちて]
…あれ?ボカァ、こんなの被って寝た覚え無いぞ、と
[誰かが親切に掛けてくれたのか。とも思った時、この施設で自分に親切にしてくれる者に真っ先に心当たりが無く 思い出すのはアーロンの言葉>>1:142]
い、いやいやいやいやいや ありえねーってハナシ。非科学的だし そんなの居るわけが…わけが……
(40) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[人差し指と親指でそのタオルケットを持ち上げれば、確実に誰かが持ってきたであろう、この部屋には似つかわしくないくらい綺麗なタオルケットで 寝ぼけて自分が被ったなんて事はまずあり得ない。という事は――]
いや、そんな……まさか、な
[その正体が明である事もつゆ知らず、低血圧な朝(昼前)は更に血の気が引くような思いをする事となった**]
(41) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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―第一棟・自室―
[フィリップがそれでもいいと頷いたなら、誰かに見つかる前に、と部屋へ向かう。 部屋に着けば扉を開けて、どうぞ、と中へと促した]
本当に、何もないでしょう? 適当に座ってもらって構わないわ。
[小さなクローゼットと、姿見と、ベッドだけ。テーブルと椅子すらない。 およそ、誰かをもてなすには向かない部屋だ。……もっとも、誰かをもてなそうなんて思ったこともなかったけれど。フィリップの部屋がもっと殺風景だなんてことは知らない。 フィリップにベッドを示し、私も座る。他に座るところもないし]
お腹空いてるんでしょう? 気にせず食べるといいわ。
(42) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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はーぁ……
[起きてから目が覚めて、ようやく冷静な思考を取り戻した今 二人の管理人が怪我をして。内一人は二度も。尤も、嫌いな相手だからどうだろうと構わないし、もう一人は自ら突っ込んで行ったのだ。それこそ自分が責任を感じる必要なんてありゃしない]
あー、あー……あぁぁぁぁぁぁぁ
[それでも。誰かが自分のせいで怪我をしたのは事実だ “また”自分の“責任”で誰かを失うかもしれない事件を起こした 誰も居ない第二図書室で頭を抱えては並べた椅子の上をゴロゴロと転がり回って、それからドシンと盛大な音を立てて落っこちる]
(43) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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っ痛ぅぅ〜〜〜!! …はぁ。俺のせい、で……ィクシッ!!
[落ちた衝撃で埃が舞って、それが鼻に入れば自然とクシャミが出てしまう 寝起きで、機嫌が悪くて、それから罪悪感もあって、更に追い打ちを掛けるようなクシャミで衝動的になったなんて、誰かが信じるだろうか]
――ッ!!あ゛あ゛!!
[机の上にあった分厚い辞書のような本、それから外の世界について書かれたパンフレット、それに随分と昔のコミックもあっただろうか 脳裏に焼き付いて離れない、好きだったヒト。否、獣人の死が更にノアの苛立ちを加速させて、机の上にあった本もペンも、全てひっくり返す]
(44) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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クソッ…!!ゴホッ、あー…畜生
[咳とクシャミが止まらないくらい埃が舞った頃には第二図書室の一部は完全に荒らされていて。もしもフクロウの彼女が見たらガッカリさせてしまうだろうか、なんて冷静になってからふと判断する けれどどうにも元に戻す気にもなれないまま、ふらふらと第二図書室を後にする]
(45) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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―第二図書室→庭園―
…………。
[まるで魂が抜けたようにボーッとしながら、造花だらけの庭を見つめて 大体地下に昼夜の概念があるのか、とか。この庭はどうなってんだ。とか。今になって色々な疑問が湧き上がるも、全て自分にとってはどうでも良い事なのかもしれない]
軽率ってハナシ。今も昔も…
[1%の可能性のために、全てを失ったり。無駄な事をしてしまったり 命に関わる問題ではなかったけれど、決して良い事をしたとも思えない]
研究室、戻ろっかなぁ
[ボソリ、誰かに聞こえるわけでもなく呟いてからただ庭園を眺める**]
(46) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 18時頃
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[私の質問に、返ってきたのは長い沈黙>>*7だった。 勘違いか何かだったのだろうか。というか、そうとしか思えない。だって私は、誰かを呼んだ記憶などないのだから。 そこで、話は終わったのだと、そう思った時に、不意にその言葉は落とされた]
[“かあさま”]
[それは、初めて聞く言葉のはずで、私には縁のない言葉のはずで、それなのにどうして私は、こんなに衝撃を受けたのだろう。 どくりと、心臓が脈打ったのだろう。 私のどこかが、警鐘を鳴らす。言ってはいけない。いや、その言葉で“呼んではいけない” それなのに、私の唇は。口数の決して多くないはずの私の唇は、その言葉を鸚鵡返した]
………………かあさ、ま。
[初めて口にする言葉のはずなのに、妙にしっくりとその言葉は私に馴染んで。 そして私の唇は、聞いていない言葉まで勝手に綴る]
とう、さま。
[何だそれは。そんなもの、私は知らない。 知らない、はずだ]
(*8) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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