222 【完全RP】湖畔の村【誰歓】
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[ヒューとチャールズを見送り、少し、フランシスカと歓談した後。]
じゃ、またな。
[そう言って、代金を支払って、店を後にした。]
[その後は、顔馴染みの店なんかを回ったりしてから、帰路へ。*]
→回想終了
(27) 2015/04/20(Mon) 02時頃
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―回想:昼下がりのキッチン―
[ちいさな、嘘を吐いた。 おばあ様が居ない事を確認したのは、帰宅してすぐの事。
今もまだ屋敷の中に居ないかどうかは、私は知らない。 けれど彼の対応をしていないから、居ない事は多分本当。
以前帰りが遅かった時に、なんとなく尋ねてみたら 薬屋に、そう教えてくれた事が何度かある。 昔なじみの友人で、ついつい長話を、と。 だから、今回もそうだろうと思い込んでいるだけで、出掛けた先も、本当は知らない。
ただ、そう伝えた方が、少しでも、お話出来る気がして… あぁ、謝らせてしまった。罪悪感に胸がちくりと痛む。だから緩く首を振って]
折角届けに来て下さったのに、ごめんなさいね。
[本当は、嘘なの。ごめんなさい。 言葉の裏にそっと本当の謝罪を隠した]
(28) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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やっぱり、人狼の仕業、なんでしょうか?
[おずおずと、険しい顔の集団に声を掛けてみたら、一斉に睨まれて一瞬怯む。それでもなかなか返答がないから、此方も訝しげに見つめ返していたら、やがて村長が口を開いた。]
「あの噛み口、あの爪痕、人間の仕業とは思えぬ。 …人狼が現れたんじゃ。この村にも紛れ込んだんじゃ!」
[唾を飛ばしながら、白髪の髭だらけの口をもごもごと動かして、村長はなおも訴える。]
「先程、村の衆から人狼が出ても「無事だった」村の話を聞いた。その村では疑わしい村人を毎夜一人ずつ選んで処刑していったらしい。」
[―――――今、この老獪は、なんと言った?]
(29) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[私の手を冷やすために、彼の手も随分と冷えてしまった。 けれど如何していいか判らなくて、されるが侭に 処置を施してくれるその手元を物珍しそうに眺めている。
大事そうに、労る様に、 そんな風に扱われているその手が、まるで、 自分の一部ではなかったような気がしてくる。 ぼんやり見惚れて居れば>>75突然始まる彼の昔話。
彼が、最初の『天使様』だと知らない私は、 その後何度か出逢った探検隊の誰かだったのだろうと、 そんな風に納得して]
ふふっ…、この村で子供時代を過ごした方は、 皆通る道なのかしらね。 私も、やってみたかったわ、幽霊屋敷のお化け探し。
[友達と外で遊び回るだなんて、あの頃の私は知らなかった]
(30) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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見付かったのがおばあ様じゃなくて、 貴方きっと、とっても運がよかったわ。 おしりが真っ赤になるまで叩かれた子も居たもの。
私は、…私はどんなお客様であれ、 多分きっと、嬉しかったと思うから…
…だから、遊びに来てくれてありがとう。
[懐かしむ様目を伏せて、微笑んで、 彼の心の中に眠る幼き日の彼に、そっとお礼を返す。
きっとずっと気に病んで居たのだろう。 大丈夫だと伝えたくて、処置を受けるその手でそっと、 彼の手を握り返せば、途端に彼が戸惑ったから、
勘違いをして慌てて放して ごめんなさい、と謝罪の言葉を一つ紡いだ]
(31) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[薬代に少し色を乗せて代金を支払う。断られるなら、 火傷の治療分と配達代にはたりなかったかしら?と 更に追加しようとすることで、そのまま収めさせただろう]
配達、ご苦労様。
[>>76「また。」 次の約束をくれた彼の言葉を素直に受け止められたのは、 牧師様とのやり取りがあったからだろう。 はにかむように、それはそれは嬉しそうに微笑んで、 手を振り見送った。
例えば叶えられない社交辞令の言葉だったとしても、 其れでも良かった。純粋に嬉しいと、そう思えた*]
(32) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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―回想:夕暮れの湖畔―
[微かに波打つ湖面にオレンジ色の夕焼けが煌めく景色は 確かに綺麗だったけれど、いつもより綺麗かどうかは やっぱり私には、わからない。
>>70飛ぶ鳥の影を追いかけて居たら、声を掛けられて、 其処に人が居た事に気付く。
牧師様と一緒に居た、女性と同じ給仕服。 同一人物かどうかまでは判らないけれど]
……ごきげんよう。
[にこり微笑んで深くお辞儀を返す。 彼女の纏うぎこちなさは私にとっては 慣れ親しんだものだったから、何を思う事も無い]
(33) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[>>74おばあ様の所在を問われて、少し考え込む。 なんとなく、私からの逃げ道を探して居る様に見えて。 それなら他の大人達の様に、 ただ立ち去れば良いだけなのに…
細やかな疑問にほんの少し悩んだその間に >>77新しい人影が増えた。 さらさらの金の髪が、夕陽の色を吸い込んで艶めく様に 幼い日の『天使様』をなんとなく思い出して、見惚れた。
>>80給仕服の女性が迎える様に手を振るのを見て、 彼女が私の傍で足を止めざるを得なかった 本当の理由に気付く。
二人はきっと、此処で待ち合わせをしていたのだろう、と]
(34) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[ならば私が立ち去れば丸く収まる話だ。 給仕服の彼女とは別な理由で…
…――その場を辞すつもりで一歩、退いたけれど、 女の子の、明るい声に呼び止められる。
あどけない笑みが愛くるしくて、見惚れている間に 手を取られて、驚きに目を丸くする。
今日ひとに触れられるのは、二度目。 こんなこと、今迄だって、滅多に無かったのに…
素敵な一日の魔法はまだ続いていたのね、なんて 曇り無い笑顔を向けてくれる彼女に、そっと微笑み返した]
(35) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[牧師様のお知り合いなら、彼女もきっと、大丈夫、 そんな風に前向きに考えられる細やかな勇気が、 知らず心の内に生まれていた]
マーゴです、…えぇと――……
[何と自己紹介したらいいのかしら? そう考えるのは今日二度目で、 …一度目の彼とのやりとりを思い返して、 ふと、思い付く、多分きっと、この言い方が 誰にとっても判り易い、そんな気がして]
…――幽霊屋敷の。
[おどけた風に笑って伝えれば、彼女は 彼女たちはどんな顔をしただろう?]
(36) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[掴んでくれたその手を怖々と握り返す。
…言ったら、困らせるだろうか? けれど、言ってみたかった言葉がある。 今なら言っても、いいかな?
逡巡したのは一瞬だけで、思い切って、声にする]
『どうぞ、よろしくお願いします』
[よろしく、だなんて。初めて使う言葉。 どんな反応を返されるだろう? 恐怖はあったけれど、不思議と、後悔は無かった]
(37) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[>>124給仕服の女性の慌てた様子で、 あぁ、私も帰らなくちゃ、そう気付く]
今日は……何時もより湖が美しいんですって。 きっと何か素敵な事が起こる、前触れだろうって、 …牧師様が。
[私にはたくさん訪れたから、だから、きっと]
お二人にも、素敵な事が訪れますように。
[暗くなる前にと頭を下げて別れの挨拶を伝える前に、 ふと思い出したように話し出す。 突然何を、と、変な子だと思われたかもしれない。 けれど誰かに伝えたくて。
慌てて帰る給仕服の彼女の耳にも届いただろうか? 彼女は牧師様に別な事を>>0:155言われていただなんて、 私は知らない*]
(38) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[「無事だった」だと?
百発百中、人狼だけを狙って処刑することなど、ほぼ不可能だろう。それができているなら今頃すでに人狼は捕まえられている。
つまり、罪もない人間が、少なからず殺されているのではないのか。
青年は目の前が真っ白になった。 あまりの衝撃と怒りに頭がくらくらしてきた。
……そうしてその方法を、この老獪どもはどうする気なのだ。青年は言葉を待った。 いや、待たなかった方が、よかったのかもしれない。]
「この村でも、その方法を実行したいと思う」
[嗚呼、なんてこと。 それでは無差別に人を食い殺す人狼と、何ら変わらないではないか!]
(39) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[思いは言葉として口から出ていた。]
…無実の人は、どうするんですか。 本当に、人間だった場合は、どうするんですか…!
[握りしめた拳が痛い。 精一杯、怒り、喚き散らさないように、己を抑える。 しかし返ってきた言葉は、青年の心をどん底に突き落とすものだった。]
「多少の犠牲は、しょうがなかろう」
[青年は駆け出した。 信じていた者に裏切られた気分だった。 いや、正確には、村全体に。
こんな時に牧師さまの言葉が頭をよぎる。
「私はこの村が好きです」
牧師さま―――今俺は…そうは、思えません。]
(40) 2015/04/20(Mon) 03時頃
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―― 村奥の屋敷前 ―― [無我夢中で駆けていたら、こんなところまで来てしまったようだ。昨日、数年ぶりに訪れた、幽霊屋敷。
疑わしきものに投票を、そう言われた時真っ先に頭に浮かんだのは、この屋敷の少女と、怪我をしたあの旅人だった。
まさか、その二人が人狼だとは…思わない。 思わないが、その投票とやらでもっとも票を集めやすいと、そう思ってしまったのだ。
会ったところで何ができよう? ―――いや、何もできない。
それでも。 昨日、「遊びに来てくれてありがとう」と笑った少女が。 握り返された手のぬくもりが。
忘れられなかった。**]
(41) 2015/04/20(Mon) 03時頃
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サイラスは、マーゴのもとを訪ねるか、止めるかで迷っている。**
2015/04/20(Mon) 03時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 03時頃
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─ 歌うあひる亭前 ─ [チャルに会えた>>107続く言葉に]
そうか、心配させて、すまん。 俺も、すっかりだった。
[と言えば、ははっと笑いが零れた。
チャルが、中に声を掛ける>>108 その様子を外で見ていた。
チャルも、中に居る奴らも皆この村に住んでいて、生きている。何だか、皆が羨ましかった。親切にしてもらって嬉しいと思う自分と、その反面結局は自分はここの人間ではない。
そんな事は分かってる。
男は、こっそり故郷を思い出し、小さく息を吐いた*]
(42) 2015/04/20(Mon) 03時半頃
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─ →教会>>110 ─ [チャルに連れられて、教会へと歩いていた。 チャルの話で、酒場に居た女は、フランシスカという名前だと知った。]
ああ、かなり美味かったなー。 …踊り子なのかぁ。見てみたいな。
[と、他愛のない話を交わしたか。]
(43) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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[湖の側にある教会に辿り着いた。 初めに、この湖畔の村に来た時は、気付かなかったが、それ程大きくはないが、立派は作りだった。 故郷の村に居た時は、教会に行く機会も無かった。しかし、教会のはとても眺めが良い。]
…へぇ。良いとこに立ってるな。
[と、目の前の湖に血の様に真っ赤な夕焼けが映えて、昼間とは違う表情を見せていた。]
(44) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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[離れに案内されれば。 とても、シンプルな作りだったろうか。ならば、男にはそちらの方が好ましくて]
……ありがとうな。恩にきる。 俺、感謝してんだ、これでも。 素性の分からない、外から来た俺を チャルも、村の奴らも、親切にしてくれる。 なんて言うか……
[嬉しいんだ。なんて続けるのが恥ずかしく思えて。言葉が続かなくても、恐らく顔に出ていただろう。 ”皆に会えて良かった”と*]
(45) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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[チャルがベッドを用意してくれた>>128何か香りがして] …ハーブか?植物は詳しくねーけど、 いい匂いだな。
[ベッドに座り込めば、さらに香った。よく眠れそうだ。怪我を治すには、寝るのが一番だ。 チャルにまた礼を告げた。
彼が部屋から出れば、男はベッドにその重たい体を投げ出した。]
…石鹸の匂いが…する…
[相当疲れていたのだろうか、男は横になった途端に眠りに誘われた**]
(46) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 04時頃
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―屋敷の外―
[大き過ぎる真っ黒の男性の外套だけを羽織って、 裸足に靴だけを履いて。中に服は着て居ない。 着替えは風呂敷包みの手荷物の中に下着から何まで、一式。
何時も以上の不審者の体で、代々探索の子供たちが潜った 塀の綻びを潜って、外へ。 少し無理矢理潜り抜けて、埃を払う。
着替える前に、身を清めたい。 全身べたべたして、気持ちが悪かったから。 けれど、何処に行こう? 湖の水では冷たいかしら?
困り果てた所に>>41見付けた彼がが天使に見えたのが、 実は二度目だなんて私は知らない]
(47) 2015/04/20(Mon) 06時半頃
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[男に生まれた彼ならばきっと知らぬ筈はない栗の花に似た青臭さと、まだ塞がりきらぬ、外からは見えぬ箇所に負った傷から滲む僅かな血の匂い。 外套に隠れ切らず襟から覗く白い肌に執拗に刻まれた赤い痣。
この身に何が起こったか、何とも判り易い風体で、 けれど昨日となにも変わらぬ気配で、 どこか困ったように微笑んだ。
お風呂を貸して下さらないかしら? なんて、昨日初めて言葉を交わした相手に、 我ながら、可笑しなお願い。
ああでもどうやって伝えよう。 声が碌にでないのだった。
考えている間に、強い日差しにくらりと目が廻って、 思わずその場にへたり込んだ*]
(48) 2015/04/20(Mon) 06時半頃
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―昨夜の出来事―
[散歩から帰った私を出迎えたのは、豪華な夕食だった。 私の誕生日は、明日よ?そう言わずには居られなかった。
けれどおばあ様は、揶揄する私の言葉なんて聞こえていないみたいに、険しい顔をしていたから、ああ、何か話せない事があるんだろうと、私はそれ以上問うのを止めた。
食後のお茶はなんだか不思議な匂いがして、 思わずおばあ様を見たら、真っ青な顔で震えていた。
ああ、これがお役目なのね。 貴方の、そして、私の。
きっと何か良くない事が起こる。 嘘の下手なおばあ様を見れば一目瞭然だったけれど、 私は構わずお茶を飲み干した。
おばあ様は酷く驚いた顔をして、そして、とっても後悔をしている様子だったから、大丈夫よ、そう伝えたくて微笑んだけれど…ぐらり、世界が廻って意識が遠のいたから、上手く笑えたかは判らない。
けれど、遠ざかる意識の端で、随分と久し振りにおばあ様が強く抱きしめてくれたのは判った]
(49) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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[熱い…。 ぼんやり意識が浮上した時には、ベッドの上に居た。 傍らの姿見に映る私の姿は中々に笑えるものだった。
纏め上げた髪に、花飾りとレースのヴェール 爪先まで隠れるドレスに、肘で覆う手袋で肌を隠して 頭のてっぺんからつま先まで、純白で包まれた私が居た。
実物を見た事は無い、けれど、今の私が”何”の格好をさせられているのかはなんとなく判った]
(花嫁…。)
[一体誰の、なんて、問わずともいずれ判るのだろう。 何時も見ている天蓋がまるで檻の様に見えてくる。
檻なんてなくても、鎖なんて無くても、 私は逃げも隠れもしないのに。
身体が熱い、 内側からじわじわと蝕むような熱を持て余す]
(50) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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[『旦那様』が現れたのは、夜が更けてからだった。
「ああやっと逢えた、僕のマーゴ。僕だけのマーガレット」 「出逢ったあの日のままの君にもう一度出逢えるなんて」 「もう二度と放しはしない、愛している…君だけをずっと」
壮年の男が、鼻息荒く喚いている。 強く抱きしめられて、身体をまさぐられて、
本の中の知識でしか知らないその先の行為に 与えられる熱と、痛みと、息苦しさに、 中々意識を手放す事は叶わず、 夜が明ける迄、ただ、ただ、男の下で喘ぎ続けた]
(51) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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―早朝:自室―
[目覚めて最初に見たのは、肩の向こうに揺れる天井。 終わりを迎えた気がした行為は、いつのまにやら再び始まっていたらしい。
涙も声も昨夜の内にすっかり枯れた。 疲弊しきった身体は重く、けれど昨夜より感覚だけははっきりしているから性質が悪い。
昨夜の紅茶の……――薬が切れたのだろう。 薬なんて盛らなくたって、暴れも拒みもしないのに。 どうせ逃げる場所も、助けを求める相手も居ないのだから。 自害する事を怖れたのかもしれない。けど…]
(お茶会の、約束をしたもの)
[薄く微笑めば、何かを勘違いした『旦那様』を喜ばせたらしい。 嬉しそうに、夢中になってこの身を求め、貪る男の姿は、何だか微笑ましくて、重い腕を持ち上げて、抱き締めてみた。
欲に溺れたその顔は到底人間には見えなかったけれど、 大きい犬だと思えば、愛せる様な気がした]
(52) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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[客も碌に訪れないであろうこんな片田舎の宿であったにも関わらず、この屋敷が広く、豪華な造りになっているのには、理由がある。
昔、忍びで貴族や富豪達が通っていたらしい。 所謂、逢引をする場として、使われていたらしい。
裏手を囲う森は、深く閉ざされている様に見えて、 隠された道がある。途中までは、馬車が通れるだけの道が。 この『旦那様』もきっと、其処を通って来たのだろう。
……――忍び、逃げ出す為に、この部屋にも抜け道がある]
(53) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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[カーテンの隙間から差し込む光で、凡その時間を測る。
ぐっすりと眠る『旦那様』の隣から抜け出した。
別段、逃げ出したかった訳では無い。 逃げる場所なんて、ありはしない。 ただ少しだけ、一人の時間が欲しかった。 澄んだ空気を吸って、気持を整理する、時間が。
私の衣服はどろどろに汚れたドレスしか見当たらなかったから、『旦那様』の着て来た外套を借りた。 汚してしまう事になるだろうけれど、後で謝ろうと決めて。
彼一人で来たという事は無いだろう。 おばあ様独りで、私を着替えさせて運ぶだなんて出来っこないし。 だから、誰にも見つからないように隠し通路を辿って外へ]
(54) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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[体中が痛むのが、なんだか楽しかった。 足許が多少ふらついたけれど歩けない事は無い。
裏口からこっそりと屋敷の外に出る。 おばあ様が居たけれど、何も言わなかった。 ただ無言で、靴と、何か柔かい物の入った包みを渡してくれた。
私が戻らなければ、おばあ様ははどうなるんだろう? 少しだけ、興味があったけれど、そうならない方が良いと思った。 おばあ様が私と距離を取っていたのは、多分、このため。 おばあ様が私にとっての足枷にならないように。
でもね、おばあ様。私、貴方が本当の家族じゃなくたって、 どんなにそっけなくして見せたって、 本当は優しくて、私の事を出来る限り愛してくれたって、知ってるの]
少し、お散歩にいきたいだけ、すぐに戻るわ。
[殆ど音にならない声で、けれど伝わっただろうか?]
(55) 2015/04/20(Mon) 07時頃
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― 昨夜、教会 ―
[教会へたどり着いた。 後ろを振り向けば、西日に赤く染まる湖畔があった。>>44]
はい、良い眺めでしょう。 とても気に入ってるんですよ。
[自分も好きな、目の前の景色を褒められて嬉し気に笑った。]
(56) 2015/04/20(Mon) 07時半頃
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