75 サプリカント王国の双子
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[新米庭師を告発するようなガードの言葉。 幾つもの違和感を含むそれは、確かにただ訪れていたから、というだけでこの場に呼ばれた客人たちよりはよほど犯人らしく思えた。 なんて不運な。 それでなくても遅刻とリリィとの大騒ぎで目玉食らったろうに、その上容疑者だなどと。 残念、と思うのはどこか深くに。]
――ベネディクト、事実ですか?
[問う言葉はひどく端的だった。 強く否定をしないところ、虚偽は含まれていないのだろうが。]
(196) 2012/01/13(Fri) 23時頃
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[ベネディクトから返答はあったろうか。 それを聞くか聞かないか、頭痛を訴える金の髪の――紅茶を受け渡しそこねた――青年を見やる。 部屋と頭痛薬を、とシルヴァーナに言われれば一歩進み出た。]
大事ありませんか、エゼルレッド様。 至急、部屋の手配とお薬をお持ちいたします。 それと、先程お渡しできませんでしたお紅茶をお持ちいたしましょう。 少しは落ち着かれるかと。
ハンス、シルヴァーナ様とミッシェル様をお願いします。 ――どうか、心休めていただけるよう。
[そうして、応接間を離れようと。 近くの使用人に任せず、王女付きの使用人自らが動くことの違和感に気づくものはいたろうか。 それでもまずは、一人になる必要があった。]
(200) 2012/01/13(Fri) 23時頃
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――ミラ?
[呟かれた名を思わず繰り返し、振り返る。 そうすれば更に皺の深まった眉が視界に入ったろうか。 それで、聞いた名のことは意識からそれていく。]
酷く、痛みますか。 少しお休みください。 お部屋には使用人を一人つけます。
[そうして、空き部屋に向かう。 途中、使用人を一人呼びつけながら。]
(218) 2012/01/14(Sat) 00時頃
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[なぜ、その名を。 そう思って振り向いた。 それは十年前に失われたはずの名前。
凍りつくミッシェルの貌のいろが見えた。 そうだろう。 それは、もうだれも知らないはずの名前なのだから。]
(*3) 2012/01/14(Sat) 00時頃
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