208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】
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……薬、
[譫言のように、主の言葉を繰り返す。 この気分の悪さは、薬を欠かしたせいなのだろうか。 ならば、本当に久々に夢を見た理由も。]
……飲んでない、です……
[そう答えれば、血のように赤い錠剤は手渡されるのだろう。 血のように、赤い。
摘み上げたそれを、口に運ぼうとして、動きは止まる。 椅子についたまま、見上げる視線は主の瞳を見つめて。]
吸血鬼が、……血の味を、恐れることは ……あるん、ですか、
[震える声で、問いかけた。]
(63) 2014/12/27(Sat) 19時頃
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……人の血を、口にする夢を、見て。
[自分は吸血鬼なのだと思えば、それは命を繋ぐために、必要な行為と言えるのだろう。 食事を摂りたい、眠りたい、それらと同等の欲求なのではないだろうか。
けれど、あの夢の内容を脳裏に思い描けば、恐怖にも似た拒絶の気持が湧き上がるのだ。 こんな事をしてまで、生き延びたくないと。 けれどこうでもしないと、生きていけないのだと。 血を欲したのは、喉が渇いていたからで。
辛気臭い、鬱陶しい。 真っ直ぐに届く毒に、眉を軽く寄せて、吸血鬼からコップを受け取り、薬を流し込む。
カップからカフェオレを一口、飲み込んで。]
ごちそうさま、……あの、
気分が、……優れないので、……部屋で、寝ていてもいいですか。
[せっかく用意されたクロワッサンを、口にできないことを暗に詫びる。]
(67) 2014/12/27(Sat) 20時頃
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[それは、本当に、人の血を求めて行った行為だったのか。
水と共に流しこむ錠剤。 暫くすれば、この不快感すらも曖昧の中に沈んでいくのだろう。]
……看病は、要らない、……大丈夫、……です 気分が、……少し、悪いだけ、だから、
少し、休めば……大丈夫、
[何故、眼前の主は笑うのか。 薬を口にしたことに、そんなにも安堵しているのか。
椅子に座ったまま頭を下げ、止められなければ立ち上がり、食堂を後にする。 困ったように笑う顔>>68に、微かに唇を弓なりに曲げ。 差し込まれるように述べられる、チョウスケからの提案>>72に、緩く首を横に振る。]
(74) 2014/12/27(Sat) 20時頃
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平気。 ……夢なんて、滅多に見ないから。
混乱している、だけ。
[そう制せば食堂を抜け、部屋へと歩き、戻る。
薬の効きはじめの、独特の酩酊感。 酒に酔った時のものとは違う感覚にきつく眉を寄せ、それでも真っ直ぐに部屋へと辿り着くだろう。 誰かがついてきていたとして、それを拒絶する気力も無かったのだが。]
(75) 2014/12/27(Sat) 20時頃
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→ 自室 ―
[部屋の戸に、薬は括りつけられていた。 気付かなかったのは、仕方がないと思う。 相応の理由が、あったのだから。
扉を開き、閉めるのもそこそこに寝台へと歩み寄れば、赤く汚れたシーツの上へと倒れこむ。 様々な臭いの混ざり合った気配。 開かれた窓のお陰である程度は払拭されているが、名残のような淀んだ気配は残っていた。]
………、
[寝台の中、緩慢に瞬きを繰り返していたが、そのうちに瞼は閉じられる。 窓から入り込む風が、短な赤毛を揺らした。*]
(78) 2014/12/27(Sat) 20時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/12/27(Sat) 20時頃
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― 自室 ―
[うつらと眠りに身を委ねかけていたのを、引き戻したのは額に触れた冷たい感触だった。 看病は要らないと、主に言ったはずなのに。 く、と寄った眉間の皺を、額に乗ったタオルは隠す。
いくら主とはいえ、文句でも言う権利はあるだろう。 そう思い、瞼を微かに開いたところで、指に絡む暖かな熱。]
……クアトロ、……?
[その指先があまりにも温かいものだったから。 弱く絡む指先に、そっと、力を込めて。]
(102) 2014/12/27(Sat) 22時頃
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……で、 ……良いんだよな?
[確かめるように、小さな声で尋ねたのは、朧に形の残る昨晩の事を思い出してか。
違う名があると、告げられた。 しっかりと自分へと告げられた筈なのに、それすらももう曖昧だ。 長い名ではなかった気がする。 けれど、そんな些細な事すら覚えていられないなんて、とんだ笑い草じゃぁないか。
自分が情けなくて、ただそれだけで、涙が滲む。]
………っ、
[涙腺が弱くなっているのは、身体が弱っているからだと信じたい。]
(*44) 2014/12/27(Sat) 22時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/12/27(Sat) 22時頃
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……いや、平気、 何か、食べられるって状態でもねぇけど、……
[ゆるゆると息を吐きながらそっと額のタオルに触れる。 微かに位置を動かし、腫れた瞼にそっと触れさせた。
こんな朝に薬を口にするなんて、本当に珍しい事だったから。 朦朧とする視界に、朝の陽光が映るのが、少しばかり違和感だった。]
もう少し、繋いでて、
[手を、指先を。 これ以上を、曖昧の中に消してしまわないように、縋るように。]
(116) 2014/12/27(Sat) 23時頃
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じゃぁ、やっぱり、……もう一つの名前のほうが、正しいんだろうな、
[その反応に、静かにそう悟る。 これで、自分の記憶がどれほどに曖昧なものなのか、彼も理解してくれただろうか。 今はただの穴あきの記憶かも知れない、けれどそのうちに、細かな断片すらも消えていくのだろう。
耳に、かろうじて残る、愛してるの響き。 あの音も、表情も、全て。
怖い夢は見ていない。だから首を横に振る。 涙を隠すべくタオルをずらすも、目尻から落ちた涙はタオルの縁から零れていく。]
どうして、……忘れるんだろうって、 ……忘れたくないことも、全部、……全部、忘れちまうのは、……何でだろうって
[子供のように、泣きじゃくりながら、言葉を吐き出す。 不安も、恐怖も、猜疑心も全て内包したような声。]
(*46) 2014/12/27(Sat) 23時頃
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……どうしたら、いいんだと思う……?
[そんな事を、彼に聞いたとして答えが得られるはずないというのに。 言葉にせずには、いられなかった。]
(*47) 2014/12/27(Sat) 23時頃
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……ん、 腹は、減ってるんだけど、……
[昨晩の食事も、今朝の朝食も、結局食べられていない。 残された食事はどうなったのだろう。 食事が残され、廃棄されるということには抵抗がある。
せめて、昼食くらいは口にするべきだろう。 主には恩を感じている。 必要以上に、悲しませたくはない。
赤い瞼に、冷えた感触が心地良い。 はぁ、と息を吐き出して。]
悪い、……有難う、
[タオルの下、瞬きを繰り返す動作は、緩慢に。]
(132) 2014/12/28(Sun) 00時頃
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[それでも、そのタオルが外されれば、濡れた赤い瞳がその顔を見上げるだろう。 瞬きの度、涙は溢れて次々落ちる。
自分よりもマシだとはいえ、彼だってきっと、そこまで多くを覚えていられるわけでもないだろうに。 その僅かを、自分の為に割いていいのか。 不安げに、眉は寄る。]
……ここを離れたら、……多少は、覚えていられる、かな、 お前の名前も、……声も、言葉も、全部、……
[それが、とても魅力的な提案に思えたのは、きっと気のせいではないのだろう。 全ての約束も、言葉も、自分の心の揺らぎ全て、覚えていられるのならば。
けれど、それは同時に、]
……忘れたいことも、……全部…… 思い出して、しまう……?
[震える声で、言葉にする。 世界は、そうも都合のいいようには、できていないだろう。 その掌を握ったのは、半ば無意識で。]
(*57) 2014/12/28(Sun) 00時頃
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[タオルが落ちるのも構わず、体を起こす。 傾ぐ、重い頭を支えながら、それでも腕を伸ばし、指は繋いだままその頭を抱く。
その首元に顔を押し付け、緩く首を横に振る。]
……覚えていられないのがこの場所のせいだとして。 忘れていられるのも、この場所のお陰だと思う。
[苦い記憶も、傷の痛みも。 それを逃げだと言われようとも、永遠に逃げていられるならばそれもある種の救いと変わる。 忘却は、害と同時に救いでもあった。
少なくとも、自分には。]
……もし、いつか俺に、全部を受け止められる覚悟ができたら、 旅に出るのも、悪くないかもしれねぇな、って。
[『もし』『いつか』 それは成されないであろう、不可能にちかい不確定の未来への言葉。 けれど確かに言葉にした真意は、それが紛い物ではないと誓うようなそれ。]
(*58) 2014/12/28(Sun) 00時頃
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[体を離し、タオルを拾い上げる。 再び寝台に横たわれば、自らその額にタオルを広げて。]
……昼まで、寝る 寝たら、また、忘れそうだけど、
……体、怠くて、
[涙の跡の残る顔のまま、目を閉じる。 繋いだ指に篭められた力を、そっと緩めた。]
クアトロ、……、 ……いや、
[曖昧に揺蕩う意識が、それを拾い上げたのは、ほんの偶然で。 それでも、忘れないように、言葉に紡ぐ。]
……ボリス、?
(*59) 2014/12/28(Sun) 00時頃
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[結び目を切られたバンダナは、部屋に散る包帯の一部に紛れてしまっているのだろう。
起きたら、部屋を片付けて。 それからシーツも、洗濯しないと。 昨日干したままのシーツを、結局昨晩は取り込んでいない。
今日行う雑用に関して、何も言われていない筈だから。
起きたら、することを済ませて。 少しだけ、主に話をしに行こうか。
ガラスを割った事だとか、もっと、様々な事を。
覚えていられたら。]
[額の上へと置き直したタオルの感触に、目を閉じる。]
(134) 2014/12/28(Sun) 00時頃
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[瞼を閉じる。 身体に満ちる怠さは、薬の齎すものか。 定時に摂取しなかったことで思い出した記憶を、無理矢理に、深い霧の奥に閉じ込めていくように。
指に触れた温度すら、頼りなくなる。 二人分の指の体温。 肌の境界すら、曖昧に。]
……ん、 昼には、起きる、……
[ただそれだけをはっきりと告げれば、夢も、現も、曖昧に。]
(147) 2014/12/28(Sun) 01時半頃
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[愛している、その言葉は留めておけるのだろうか。 忘れたことすら忘れてしまえば、傷だって傷まなくなる。 それでも、痛みを感じぬ自分を前にしても尚、傷を負ってもいいと、彼は笑うのか。]
……いつでも、諦めてくれて、いいから。
[一緒に、二人で。 重ねられる言葉に、そう返したのは、やはり僅かの罪悪感から。 それでも、今直ぐ止めろと口にしなかったのは、その想いに少しでも触れていたかったから。
『もし』『いつか』自分に確固たる自我が根付いた時、その想いに返せるのだろうか。 裏切ってしまうかもしれないと、その想いに脅えて口に出せない言葉を、告げられるのか。
忘れずに、待っている。 その言葉に小さく、頷く。]
覚えておいて、……俺の代わりに、
[その懇願ごと、その腕の中へと。]
(*68) 2014/12/28(Sun) 01時半頃
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[ボリス、本当の名と告げた彼の声。 その短かな音の響きを、忘れないように。
異を唱える声は聞こえない。 間違っていないのだろう、覚えていられて、よかったと思う。
額の上へと落ちたもの、微かに立てられた音は、シーツの衣擦れに紛れていく。 疑問を口にする気力も、既にない。]
………、
[深く、息を吸い、息を吐いて。]
(*69) 2014/12/28(Sun) 01時半頃
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[じわりじわりと闇に意識が飲まれていく。 暖かな、掌の温度の感覚すら遠のく頃に、寝息が聞こえだすのだろう。
やがて、夢という形で現れる、かつての風景の断片達。 幾つも、幾つも浮かんでは、赤い影に飲まれていく。
思い出さないように、痛みを感じないように。 それは、主の身勝手な優しさなのだろうか。
そしてそれは、本当に救いなのだろうか。
疑問すら一つも残さず。 夢を見た事すらも思い出させず。
浅い、浅い、眠りと記憶の境目を、意識は揺蕩う。*]
(148) 2014/12/28(Sun) 01時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/12/28(Sun) 02時頃
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− 自室 −
[昼餉のベルが鳴る。 薄く開いた瞼に、高い陽射しが触れる。 すっかり温くなったタオルがずり落ち、首筋に触れるのが不快だった。 傍らの洗面器にタオルを放り込み、身体を起こす。]
……ん、……
[何故、午前から眠っていたのだったか。 思い出すのに時間がかかるも、かろうじて、断片を思い出すに至るか。 昼食後にはシーツを洗わないと、と思いながら、寝台から抜け出して。]
……、
[お願い、と書き添えられた一文に気付けば、ふと頬を緩ませた。 名の代わりに残された数字に、その瞼の数字を思い出す。 その紙面を指先で撫で、小さく折りたたんで机の中へとしまいこんだ。
なくしてしまわないように。]
(180) 2014/12/28(Sun) 15時頃
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……まー、シーツは洗わねぇとなー……
[そう、寝台を見下ろし呟けば、部屋を出る。
夜、昼と抜いていては流石に空腹だ。 飢える感覚はあまり、好かない。
食堂への集まりはどの程度だっただろう。 定位置に座れば腰を下ろし、ミルクのグラスに手を伸ばす。
一口二口と飲み込んで、グラスを置けば匙を取る。 ミルクリゾットを匙で軽く混ぜ、ほんの数粒を掬い上げれば啄むように口にした。]
(181) 2014/12/28(Sun) 15時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/12/28(Sun) 15時頃
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[ほんの少しずつ口にしていたのは、重ねられた命令へのほんの反抗心。 そういえば、同じ声で何かを、告げられていたような。 咀嚼にあわせた、緩慢な仕草の、瞬き。
その問いかけ>>184があったのは、二口目をと口を開いた時だったか。 そのまま、匙ごとを皿へと戻し、苦笑する。]
……薬を飲み忘れて、 少し、色々あっただけ、……です
今はもう、大丈夫。
[何か仕事でも、と言いたげに、まだ赤みの残る瞼を細めて首を傾げる。 匙の代わりに、グラスに手を伸ばせばまた一口を飲み込んだ。]
(189) 2014/12/28(Sun) 15時半頃
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[問いかけに、眉を寄せる。
今日の予定、自分の部屋の掃除と、洗濯と、後は何があっただろうか。 他に何も無かった筈、そう断定する為の要素は、あまりにも少ないけれど。]
…… 一応、今日は平気、です。
……食後でも?
[ならば急いで食べる必要があるだろうか。 グラスを置いた手は、再び匙へと伸びる。]
(197) 2014/12/28(Sun) 16時頃
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……はい、
[急ぐ必要はない、その言葉に小さく頷き、零さぬよう匙を口へと運ぶ。 柔らかく煮こまれた、温かなリゾットは空腹の胃を優しく温める。 ゆっくりと、食事を口に運んでいた手付きは、次第に常通りのペースへと早まっていくだろう。
カステラの最後の一口を口に放り込み、牛乳で流し込む。 一通りの皿を空にすれば、ふ、と息を細く吐いた。
何もせずとも三度、与えられる十分な食事。 清潔な水、穏やかな気候。 それらの対価として、主は何を求むのか。
月光を受け艶めく黒髪。 差し伸べられた手を、縋るように掴んだ夜。 あの夜から、何度の満月を数えたか。
皿から視線を離せば、ライジの方を見つめる。 視線が合えば、何処へ向かえばいいかと問うただろう。]
(200) 2014/12/28(Sun) 16時半頃
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[食事を終えたか、席を立ち談話室にという姿に軽く頭を下げる。
入れ違いにやってきた隣席の者>>204の調子は、常と変わらぬように見えた。 問いかけに小さく頷けば、口の中のものを飲み込んで。]
軽く、寝た。 ……薬が効いたんだと思う。
……木乃伊じゃなくて、ヒューです。
[呼べますよね、とは朝のこと>>72を指してか。 席を立った後も、命令の形でクアトロを寄越したとは知らぬまま。
最後にとっておいたカステラは、口の中で甘く解ける。]
……ごちそうさま、……美味しかったです
[温かな食事は、やはり、格別だと思った。 食卓に主の姿がまだあれば、その方向に軽く頭を下げて食堂を後にしただろう。]
(207) 2014/12/28(Sun) 17時半頃
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→ 談話室 −
[主の笑みへ、此方も笑みを返した後、食堂を出る。 途中の廊下で、窓の報告を忘れたことを思い出すも、少しの間の後ライジとの約束を優先したか。
談話室の前、普段は遠慮無く入っていく場所ではあるが、少しの間、足を止めて。]
……し、つれい、します
[恐る恐るといった風に、中へと入る。 壁に凭れた横顔が、此方を見るのに小さく頭を下げた。]
あの、……何か俺に用、が?
[歩み寄りながら、問いかける。 その手の届かない距離で足を止めたのは、ここ最近の彼の手足の挙動を警戒してか。]
(210) 2014/12/28(Sun) 18時頃
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……あ、ぁ、 ……はい、
[問いへの答えは、得られない。 促されるまま、その背を追って奥の部屋へと向かう。
小さな空間、中央に設えられたピアノ。 示されるままに椅子に腰掛け、蓋へと体重を預けるその顔を見上げる。 ピアノの為に用意された部屋なのだろうか。 発される声は、常とは違う響きを持っている、気がした。]
……色々、……あぁ、昼の? あまり、聞いても楽しい話では、
[そう、誤魔化そうとするも、思案するような様子に言葉は途切れる。 名を尋ねるのに、瞬きを一つ。]
ヒュー。……ファミリーネームは、無い。 ……ただの、ヒュー。
[それは、今までも、これからも。]
(215) 2014/12/28(Sun) 18時半頃
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[それからすこしばかりの間を置いて、唇を開く。 視線を外し、微かに目を細めた。]
……良くない、夢を見て……
[否、それだけではない。 それはただの、切欠だ。
泣いた理由は別にあった、けれどそれを口にしていいものか。 言葉を選ぶように、眉を寄せる。]
……人よりもずっと、記憶が曖昧で。そのせいで、誰かを傷つけていて。 俺は、傷つけた事すら忘れているのが、……嫌だった。
……既に、何を忘れちまったのかすら、覚えてなくて。 情けなくって、……、
[子供のように涙を流した事と、クアトロと交わした“約束”は、口にはしなかった。 寝台で繋いだ指の温もりすらも、既に曖昧だったから。]
(216) 2014/12/28(Sun) 18時半頃
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……面白い話じゃ無い、でしょう?
[苦く笑えば、ようやっと視線を上げる。
そうして、その首に残る赤い跡に気付けば視線は其処へと留まるか。 傷ではない、では何の跡か。 微かに眉を寄せたのは、無意識に。]
(217) 2014/12/28(Sun) 18時半頃
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[貸借、その言葉に眉を寄せる。その後に、目を伏せて首を横に振った。 頭を蹴った、それは痛みとして覚えている。 けれど、何と言葉を交わしたのだったか。 そも、何のためにあの時、彼居たあの場所へ行ったのだったか。
寂しいもの、それがきっと普通の感情なのだろう。 けれどそんな感情を抱かせた事すら、自分は覚えていられない。 全てを強引に覆い隠されて、残った“自分”とは一体何なのか。 知らず、下唇を噛み締めて。]
……貴方との、こと、
[問いかけに、目を細める。 切り裂かれた包帯と、赤く汚れたシーツ。傷を撫でる指先、身体を抱く腕。 交わした言葉は、]
俺の、主人となる、と、…… ……貴方の傍に、と……、……そんなような、ことを、
[確かめるように言葉にしながら、未だ払拭しきれぬ不安が胸を占めていくのに気付いた。]
(222) 2014/12/28(Sun) 19時頃
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