65 In Vitro Veritas
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[ニックの言葉に頷きながら、 それでも、赤毛がイワセを求めるならば、
きっと、手を下すだろう。 ニックはきっと驚くだろうけれど、
彼はオリジナルに誑かされてしまったのだと…。 だけど、彼がイワセにそこまで捧げるのなら、
悲しいけれど、そうしようと…。]
(*25) 2011/10/03(Mon) 20時半頃
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>>100
そうだな。戻ってはこない。 そして、お前の目も、きっと……。
[ニックからほどける赤毛の手。 床に落ちたそれをそのまま見ている。]
みんな、好き? みんなって?
ここにいるオリジナルも、俺たちも、みんな?
[その言葉に眉は寄る。 好きといって、涙を流せば、抱き寄せてくれる誰かが……きっと今までは赤毛にはいつもいた気がする。
そう、愛される人……。]
(101) 2011/10/03(Mon) 21時頃
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[問いに応えない。 そんな赤毛を見ている視線は、だんだん醒めたものになってくる。
自分はまだしも、こんなに思っているニックに対しても、 何も、応えないなんて…。]
――…ニック……。 赤毛はこのままのほうが幸せだと思うか?
[少し、苛立ったように、囁く。]
(*26) 2011/10/03(Mon) 22時頃
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――……もう、目がない んだ。 ペナルティもちだ。
[その意味、ニックはわかるだろうと…。]
(*27) 2011/10/03(Mon) 22時頃
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そうか……。
[ニックの答えは、ニックらしかった。 だけれども、だからこそ、 そんなニックの想いに応えず、 そして、己の問いにも応えない、 そんな赤毛に苛立ちは増す。]
――…俺も、部品になんかならない。 だけど、俺は、 あんな風に生きていたくはない。
[ちらりと赤毛を見やる。]
ニック…… 俺は、今、赤毛よりも、お前のほうが大事だよ。 お前は、誰かと誰かを比べたりはしないだろうけど…。
[でも、それよりも、なお、自分が大事だとは、言わない。 だけど、ニックも大事なのは事実で……。]
(*29) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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>>105
[反応しない赤毛に、ため息をつく。 そして、ニックに耳打ちするだろう。]
――……
(107) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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で、俺は、行くけど、ニックはどうする?
[赤毛の様子はそれでも、見ながら、 でも、目を伏せて動かないところを見て、
こちらも、目を伏せる。]
(108) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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ニック……。
[その瞳の危うい光。 それは、でも、己も同じ。
ただ、ニックは純粋。己は利己的で…傲慢という言葉は知らないけれど、そうだと知っている。]
ニック、お前は、いいやつだ。
[もし、一緒に部屋を出たなら、その出口で、そう呟く。 そして、手を伸ばし、その頬に触れようとする。]
(*33) 2011/10/03(Mon) 23時頃
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>>*34 [セシルの肩にしるし、をつけたとき、 彼がそう呟いたなら、返事をするだろう。]
[それは、名前を呼んでもらったのだと、勘違いをする。 そして、目を少し開いてから、
小さく、笑んだ。]
(*39) 2011/10/03(Mon) 23時半頃
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>>*38 [ニックが人気者なのは知っている。 でも、コーダはだからと特に近寄ったりはしなかった。
だから、意図的に彼に触れたのは、とても珍しいことで…。]
ニック……。
[その頬を撫でて、肩に抱き寄せる。]
(*41) 2011/10/04(Tue) 00時頃
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そう、
ニックは、本当に、 優しいね。
[頭を撫でて、髪に口づける。]
(*42) 2011/10/04(Tue) 00時頃
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ああ、ニック、 そう、俺のオリジナルだけど……。
あれは、俺がやるから。
[そして、嘘をつく。]
(*43) 2011/10/04(Tue) 00時頃
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セシルは、コーダはニックといっしょに当直室を出た。
2011/10/04(Tue) 00時頃
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>>*44
うん、そうだ。
[それは、あのとき、確かにそうだった。 赤毛を守りたくて、イワセを殺した。それは事実。
だけど、いまは、心持が変わってきている。 人数を減らすなら、
もう死にそうなやつは死ねばいい。 そんな、合理的な、
だけど、純粋なニックの言葉を訊けば、 いまの考えは伏せる。]
(*46) 2011/10/04(Tue) 00時頃
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[そして、ニックがこちらのぬくもりも求めてくれば、さらに抱きしめてから、
そっと、解放する。]
――……ニック、 くれぐれも、気を付けて……。
[そして、彼が誰かのところに向かっていくのを見送った。]
(*47) 2011/10/04(Tue) 00時半頃
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>>121
[ニックがネクとネクのオリジナルの遺体から、何かを探っている。 そして、食料を赤毛に渡して去ったのを見て、苦笑いを零した。]
――……ニックは本当に優しいね。
[そう告げると、彼はこちらに笑んだ。]
(127) 2011/10/04(Tue) 00時半頃
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[ニックはこれから、また、オリジナルの誰かを壊しにいくのだろう。 その姿に気を付けて、と声をかけた。
そして、自分はまだ、当直室の扉の見えるところにいる。]
(129) 2011/10/04(Tue) 00時半頃
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― B1階 スタッフルーム ―
[当直室の様子を伺いながら、 スタッフルーム。
雨宮セシルの荷物にふと目をやった。]
――…音楽 ああ、もっと……
聴きたい。
[ヴァイオリンのケースに手を伸ばす。**]
(139) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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[そして、自分のオリジナルを想う。]
(*48) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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------------------------------------------------ コーダ(ラテン語のcaudaに由来するイタリア語・coda、 「尾」の意)とは、楽曲において独立してつくられた 終結部分をいい、しばしば主題部とは違う主題により 別につくられているものを指す ------------------------------------------------
(*49) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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[貴方とは違う]
[だけど]
[]
(*50) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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[貴方がいなければ、自分はない]
(*51) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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[貴方の終わりをどうか自分と……。]
(*52) 2011/10/04(Tue) 06時半頃
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