25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[親は天性の誘惑者だった。 何故彼が裏町に居たのか、知る事は結局無く 教わった事といえば満月の夜毎行われる――
多才な芸妓を持つ花と その稽古を身につけたのは少年なれど 型どおり 譜面どおりの所作 毒花咲かずしては凡才に留まる
噂のロビンは、少年の内で眠る朱いろの花 芽吹くときは、もうあと僅か]
(*30) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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[様々な考えの合間に思うことは多々あれど]
…何の騒ぎだ?
[鼓膜に強く響く音に、誰か理由ひとつ知らぬものかと。 笛の音であるということは、よく解るのだけど]
(*31) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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これもまた、おもしろき音色よ。
[返す言葉は気怠げに。]
宴席はまだ続いているようだけれど…今少しは身を休めたくてね。 [ひとときの淡い眠りだけでは消えぬ甘い余韻に、今は酔うばかり。]
(*32) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[聞こえた音、ふたつ]
この身宴に在らずして 知り得る事叶わぬが
[病の元は、いま此処に。 硬い蕾が人食い花に化けるまで、動けずに居る]
先刻の 夜光の音とはまた違う
食欲そそる音――…嗚呼、私の目覚めは
満月は、未だか**
(*33) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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あぁ、月が…満ちる、ね。
[くす、と微かに笑う音は、蕾が花咲く時を待つ。]
(*34) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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…まったく。
[慾深い花達だと思えど、己もまた変わらない。 喰らいたい。月が真円へと近づけば近づくほど
喰らいたくて堪らない]
(*35) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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[そして散った花のあとに咲くのは 生あるものを惑わせからめとる、毒の花]
我こそ 巷に流れる噂の花
月夜に、艶やかに咲き誇る――私の名はイビセラ。
愚かな駒鳥は、もう要らぬ**
(*36) 2010/08/04(Wed) 09時頃
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[月の光に当てられて、思いは胸を焦がすのみ。]
あぁ…このまま穢れず美しいまま、永遠にわたしの中に納めてしまいたいのに、 この子が穢れに染まりきり、艶やかに色を変えるさまにも心惹かれてしまう。
[喰らってしまえば、永遠にそのままを留めて置けるけれど…]
(*37) 2010/08/04(Wed) 11時頃
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永遠など……生有るものには訪れぬ
[宵待月冴える夜 薄い笑み零し、聞こえた音を拾うは 泡沫に消え行く名も無き花でなく]
死と生が、我等が力 そうでしょう
(*38) 2010/08/04(Wed) 11時頃
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満月の前夜の小望月――…子持月 ……臨月は訪れた
明日はお目見え出来ようか この声届く貴方方に**
(*39) 2010/08/04(Wed) 11時頃
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満ちては欠け、また満る、空に輝く月が如くに、 せいを喰らいて死出へ導き、新たなせいを蒔く我らなれど… [複雑な胸の内は、焦がれる痛み。]
花ひらくを、楽しみに待っているよ。
(*40) 2010/08/04(Wed) 11時半頃
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…何の花が開くかと思えば
[まどろみの中に聞こえた聲に小さな欠伸が一つ。 気だるげな声は数拍置いてから]
見えるは"晩餐"の時にて。 ……愉しませてもらおうか。
[低く、哂う]
(*41) 2010/08/04(Wed) 12時半頃
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[目覚めた花は、ふと思い出す]
――…して、晩餐に並ぶは 誰ぞ?
(*42) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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[時折歯にしっかりとした食感を寄せるのは 細かく刻まれた塩漬けの心臓。 悪くはないが、殺したての肉に比べれば鮮度が違う]
主から喰らうか。花から喰らうか。 …イビゼラ、だったか。 お前は誰を喰いたいと望む。
(*43) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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喰らいたい……私が?
[短く吐息を零す。 暫しの間]
種を植えるなら、育ててゆけぬものを 喰らうなら、財有るものを
[声の届く二人とは、間逆かもしれず 謡うように節をつけて囁く]
嗚呼 しかし 幼い肉は柔らかく美味と謂う
悩ましい
(*44) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…柔い肉の味は霞に聞くがいい。 私は、あまり好まん。喰らわぬわけではないが。
[率先して子供を、とはあまり言い出さぬ口。 霞のほうは、誰を好むのであろうとは思いはすれど]
(*45) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…――雛鳥は
[からかうような囁き]
さぞ、美味かろうや
(*46) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…雛、ねえ。
[あまり興味はないのか、呟きもうつろ]
旨味はあるが、食感に欠ける。 まあ、初物に食うには好いかも知れんが。
(*47) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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先ずは前菜 幾つか挟んで漸くメイン デザートは最後にとっておくもの
[さて雛鳥は何処に当てはまるか、と哂い]
ただ…――形式に拘らぬ晩餐であれば 好きなものを好きなだけ 皿を手に歩き回れば良い
[付け加える]
此度の晩餐は……どちら?
(*48) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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初物は傷みやすい。 喰らうなら早めが好かろうね。
[くつ、と小さく喉を鳴らすのは愉快さか。 それとも、憶える餓えによる期待か]
皿を持ち歩くも構わんが、食後の甘味ぐらいはゆっくりと味わいたいもの。 …そういうものは、取っておくが良いと思う。 皿を持って歩きまわってばかりでは、忙しなかろう。
(*49) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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喰らうて良いなら、今すぐにでも
[腹の底から込み上げる本能が 急かすように焦らすように蠢いている]
嗚呼……腹が空いた
(*50) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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糧として、喰らうのならば…
[そっと腹を撫でるのは、一夜の夢を見せた法師のことか。]
食べ頃ならば、若い桜の猫が盛りか。 だが、ようやく開く花のお目見えならば、先ずはどなたかに、一夜の夢でも魅せてごらんよ。 いくら美しくとも、徒花は要らぬ。
(*51) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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腹が空いて堪らんならば、一番食いでが有るのは小山のような肉饅頭では無いかえ? [くく、と落とす揶揄。]
ああ、雛鳥は食後の水菓子に…
(*52) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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桜の猫は、其処に見えるが 嗚呼でもこれは……若しかしたら
これから、化けるやも。
[冬色の瞳が春を見る]
……私が、徒花と? 面白い
[薄く、哂った]
噂の花を咲かせてみせよう 一夜でなく、この日の下で
(*53) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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脂身が不味そうで食う気にもならん。 悪食のお前と一緒にされては困る。
[そも、元々の基準が違う立場。 好みの肉に困ったことがなければ 不味い肉を放り出すなど日常茶飯事]
…なるほど。 随分と面白い趣向だ。
[低く、喉が哂う。見せてみろ、とばかり。 丁度視認できる位置から鉄色は咲き始めの花を見下ろす]
(*54) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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肉饅頭は肉饅頭を喰らうているよ。
[今しがた伝えられたそれを聞かせ]
余程、執心の様子。 他所に懐いた雛鳥など、もう要らぬ
喰らうにしろ、あれは 人数分も無いようだ
[胸を押さえながら呟く。 テラスからの視線に気付き、つと目を伏せた]
此処ならば、置いてある筈 暫し間を。
流石に私は、ナイフ刺さる痛みに耐えて舞う気は無い故に
(*55) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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では…愉しませて貰おうか。
[微かに口元を歪めて、嗤う]
(*56) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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噂の主を、その目で見るといい
[艶を抑え、爽やかな春の音色を自在に操る。 小鳥の挨拶も木々の葉が甘く囁くさまも 確かに其処に映し出されていた**]
(*57) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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…存外、普通だな。
[周りの噂如何ではなく。 随分な口を叩いて見せたように聞こえたので]
てっきり、猫を食らうつもりなのかと思っていたのだが。
(*58) 2010/08/04(Wed) 16時頃
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おや、普通と謂うか
[苦笑を零す]
……朝日の下に相応しい音色を選んだ心算だったが ひとつ、惑わしの歌でも奏でようか
猫を喰らうて欲しいなら
(*59) 2010/08/04(Wed) 16時半頃
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