17 吸血鬼の城
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― サイモンの部屋 ―
[姿を現した記者の言葉に目を細める]
貴方はサイモンを案じて来たのね。 メアリーに案じられ この人にも案じられて 本当にしょうのない人。
[黒薔薇の執事の声が聞こえれば緩く微笑み]
ありがとう。 貴方はサイモンと違っていいこね。 怪我した大きな迷子の手当てもして呉れたし
……そうね、ご褒美を考えておかなくてはね。
[囀る声は享楽の宴に相応しい甘い響き]
(368) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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良家の娘 グロリアは、緊張感の欠片もなく、男達を見つめる。
2010/06/20(Sun) 22時半頃
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そう、可愛い私の薔薇。 ……食事を終えたら、私の元へ来るが良い。
口直しをやろう。
[己の血を分け与える行為を仄めかす柔かな声音。 吸血鬼の本能を強める為 己の下へ縛り付けておく為 今一度、あの極上の悦楽を共にと誘った]
(*20) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 22時半頃
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貴方にとっての最善の策は、私に関わらない様にするのが一番かもしれないな。 さっき目を通した本で、聖なる銀と強い信仰心が魔を避けると記述されていた。 私は信仰心弱く役に立たないものだが、貴方なら効果があるかもしれない。
[表情の暗くなった少女に痛々しさを感じて、首から下げていた銀のロザリオを外して、少女の首に付ける。]
本当に役に立てなくてすまない。 このロザリオが君の役に立つ様に祈っているよ。
いや、ロザリオが役に立つと言う危険な事が起きる前に、ここから逃げ出せるように探ってみるから。
[見込みは薄いのは分かっている。 でもせめて少女の気持ちを明るくさせたい想いで言葉を紡ぐ。]
ではもう私から離れた方がいい。
[部屋の扉を閉じると、本来の目的の浴室に向かう*]
(369) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[視線を投げた先で、男が名乗る。 ベネットの強張った表情を伺いながら ふと聞き覚えのある名に笑みを零した]
そうか。 ……あれの血縁か。
[帳面に記した名。 喰らったのは何時だったか]
(370) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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>>363
[微笑み、それを飲み干す娘。 彼女の今までの歩みとは、どれほどのものだったのだろうかと、しばし考える。
まだ生娘に見える。 美しさとあどけなさは、きっとまだ恋など知らぬのだろうとも。
今まで、たくさんの人にあって、 その中でも、恋も知らず、死ぬことを嘆いて、それでも命繋ぎ止められず、逝ってしまった姿を幾人かは見た。]
(371) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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――……少し、横になられるといい。 眠くなったら、眠っていてもいいのですよ。
[飲み終えたカップを取り、テーブルに戻す。 薬の効用は、いくばくかして出るだろう。
いずれにしろ、休むことが今の彼女には大事な気がした。
それと、一つ、悩む。 その身体、確かに人は死に追い込むであろう。 だが、吸血鬼にはどうなのか。試したことはない。 こればかりは……。
そう考えている顔は、少し、神妙になる。]
(372) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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奏者 セシルは、御堂を出れば、客室方面へ
2010/06/20(Sun) 22時半頃
薬屋 サイラスは、長老の孫 マーゴの手が、想像以上に冷たいことに眉を寄せた。
2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[背後から聞こえた冷徹な声に、振り向く。 乗り込んだくせにいちいち驚いている自身が情けなかった。あの時はああ言ってしまったが、ベネットの方が、ずっと腹が据わっているかもしれない]
――メアリーさんから、お話を窺いましたので。 とりあえず、生きてらっしゃるようで良かったですよ。
危急の件で、お話したい事があるのですけど……
[軽く笑いながら、サイモンの方に近づこうとする。 もう一人の城主と、その従者たる男。冷たい声音で放たれた『処分』の一言が、耳の底で響く。 名前が書かれていた以上、この男は近いうちに消される。何とか、それを伝えたい。しかし、この状況では――]
(373) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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――…嗚呼。
[仄めかされたその行為は女の望むもの。 込み上げる歓喜が女の聲を切なく震わせる]
記者と黒薔薇が傍におりますが…… 滞りなく成し遂げてみせましょう。
愛しいお兄様のために。
(*21) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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─???:いつかの時─
『……綺麗だろう?』
[夢の中。兄が嬉しそうに微笑みます。]
『綺麗な薔薇だろう?』
[白い薔薇。亜麻色の髪の乙女。銀の羽根。]
『──…私のローズ。』
[愛しげに呼びかける声。]
(374) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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─城内:サイモンの部屋付近廊下─
『皆様の無事を───…』
[マーゴットの祈りの声は、宴の華やかさにも似つかわしくなく、どこか不安げに響いたものでした。>>179
──無事。 その言葉が、兄の警告にも重なって響きます。
逃げろ、逃げろ…と。 切羽詰った声、けれども自らは決して逃げようとはしない、兄の漆黒の瞳に浮かんだ決意。それらが全て、胸騒ぎを書き立てるのです。]
お兄さま……。
[気がつけば、わたくしは兄の部屋への道を急いでいました。]
(375) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[御堂でしばし己が身を抱きしめるようにして、佇んでいた。 呼吸を沈めて、常と変わらぬように客室方面へと向かう。
>>346主がかけようとした言葉など知るよしもなく、 けれど足を運んだ先はどうしたことか、かつての部屋に近く]
――おや、これは小さなお客様。 なにか不自由なことは、ございませんか?
[>>358 影に先導される姿を認めれば、会釈して言葉をかける。 この子は彼の連れであったな、とふと思いながら]
(376) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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黒薔薇か……あれは、 我等の食事を見る時 なんとも言えぬ顔をする。
[愉しげに笑い、何の問題も無いと囁く]
記者が居たとして、従者は何の為に居るのか 上手く使うと良い
愛しい――…私のローズ。
(*22) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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あら、お知り合いでしたの?
[...はヴェスパタインの呟き(>>370)を聞けば、そんな感想を漏らす]
(377) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[>>362
願わくば、俺に牢屋を使うなんてことになりませんように。 初対面用の胡散臭い笑顔の下、切に男は願った。 >>364 趣味が悪いと評してしまった手前、視界の悪い先にいる 城主が翳った顔をしたらしいことを知り男は本気で焦る。 上手いフォローも見つからないので黙っていたが。]
…ワインいただきます。 [何故バレたと言わんばかりの表情で]
(378) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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いや、この者は知らぬが。
[グロリアに首を振る]
……同じ姓を持つ女を知っている。 それだけの事。
(379) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[笑う記者が近付こうとすればすっと目を細め]
危急の件――… 貴方が何を知ったかは知らないけれど 全てが遅すぎたのよ。
もう何を言っても間に合わない。 誰もこの城から逃れられない。
だって、お兄様が望んでいるのだから。
[くすくすと愉しげに笑み零す自らの唇に指先を宛がう]
サイモン…… 貴方も欲しいのでしょう? もう我慢の限界なのでしょう?
[男を誘う声は魔性のもの。 サイモンは抗えず女との距離を無くした]
(380) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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−サイモンの客室−
……いいえ、お嬢様。 私はただ仕事をしたまでにございます。
[恭しく一礼し、笑みを浮かべる。]
それよりもお嬢様。 貴女様には、私を褒めてくださるより他に、なされるべきことがあるのではございませんか?
……このお方は、いかがいたしましょう。
[イアンの方へと視線を向ける。]
逃がしますか? ここにいていただきますか? 或いは……
(381) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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>>370 [城主が微笑めば本能的にさらに警戒心を強め、が、続いた言葉はそれを忘れさせる]
……あれの、血縁……?
[この城にやってきた血縁。その可能性があるのは姉ただ一人の筈で。やはり姉はこの城に来ていたのだと。]
その……城主様は……私の姉をご存知なんですか?
(382) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[ >>370>>379 事件を探りにこの城へ来た友人たち。 案外、イアンもベネットも正解に近いのではないか。 そんな錯覚を引き起こした。
この城主サマはミッシェルを知っているのか。 それを追及するのは友人の立場だろう。自分は―
そう思った男は、チラリとベネットを見る。]
(383) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[僅かな間の後 ドナルドの一言に、城主は頷き許可を与える]
嗚呼、口にあうと良いが。 ……其れで
[ちらと深紅の瞳で地下牢を一瞥し]
そなた等、何故このような場所に? 城内見物にしても、見るべきものは無いと思うが。
(384) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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はい。 ――ありがとうございます。
[サイラスが己に投げる視線の、裏によぎる思いなど知らず。 横になった方がよいとの勧めに、初めて帽子とヴェールを取る。
はらり、と、黒い髪が幾筋か、蒼白な額に掛かった。]
少し…御言葉に甘えさせて頂きますね。
[靴を脱いで足元に揃え、 体を倒して、ベッドのなかに潜りこむ。
サイラスに微笑をむけてから、ゆっくりと、瞼をおろした。]
(385) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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―― 自分たちの客室 ――
トーニャ、入るぞ。
[ノックして室内へ入るが、トーニャの姿はなく、手前のベッドは多少、乱れているのが見てとれる。]
(386) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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……。 ……。
…ジタバタしても仕方ねぇ。
[自分に云い聞かせるように言葉にして、荷物をサイドテーブルに置いた。]
(387) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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――廊下――
[ひたひたと音も立てずに進む影に先導されて、長い廊下を恐々と歩く。自分の足音と息遣い以外には、何の音も聞こえない]
――……。 ……。
[不意に影が揺らめき、何事かと目を凝らせば、先刻ヘクターと会話していた執事の男性に、会釈と共に言葉を向けられる]
あ、はい。……大丈夫です。
[闇の中に輝く蒼い瞳に返す言葉には、警戒の色が見えたかも知れない]
(388) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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─城内:サイモンの部屋付近廊下─
サイモンお兄……あっ。
[兄の部屋の前。 しんと静かなその部屋の前、開いた扉の丁度廊下との境目近くに、一人の人影が見えています。>>367 石のお城の黒き薔薇。
従者の背に、足を速めて兄の部屋の前へと向かうのでした。]
ロビン…ですか? サイモンお兄さまが、どうかしまして?
[兄の姿は、ついぞ白薔薇の間に現れませんでした。 或いはそれを咎められるのかと、声が不安に揺れるのです。]
(389) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[洗面ボウルに水差しの水をあけ、サイラスから買ったレモングラスを浸す。
スキットルを取り出して中の酒を飲み干すと、中に入れた石がカラカラと鳴った。 蓋をあけたまま、スキットルも水に沈める。
レモングラスの爽やかさに、ほんの少しオーク樽の燻りの混じった香りが溶けてゆく。]
(390) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[ロビンの恭しい礼に瞬きのみで応え]
本当は二人きりが良かったのだけれど 観客がいるというのも何時もと違って愉しいかしら。 見たいというなら此処にいさせても構わない。 けれどね、私の邪魔をするようなら…… 勿論、分かっているわよね、ロビン。
[イアンへと眼差しを向けて]
お願いだから邪魔をしないで。 貴方も命は惜しいでしょう?
[メアリーがこの場に現れても緩く微笑むのみで 女はサイモンの肩にしなやかな腕を絡めた]
(391) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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遅すぎた? サイモンさん、あなた――
妹さんがいらっしゃっているんですよ!わざわざあなたを探しに、ここまで!一緒に帰らないんですか!
[声は届いていない。 これが『吸血鬼』の魔力なのか。魔性の声に堕ちようとするサイモンの様子に、『彼女』の面影が重ならんとしてしまう。
向けられるロビンの視線。己の無力さを――そして愚かさを否が応にも思い知らされそうになり、刹那よろめいた。だが、視線を女とサイモンから外す事が出来ない]
(392) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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―廊下―
これって……。
[男がつけてくれた銀のロザリオを手にとって眺める。]
あなたにとって大切なものではないのですか……?
[不安げに問う。]
けど……ありがとうございます。 私には、してあげられることは多くはありませんが……。 貴方の無事を祈っています。
[浴室へと向かう男の背中を見送り、ロザリオを握って目を瞑った。]
(393) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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>>385
ええ、おやすみなさい。 大丈夫、みていてあげます。
[マーゴがそのままベッドに潜り込む際は背中を向け、薬瓶を片付け、変わりに、香を一本、燭台にたて、火を点ける。 やがて、紫の花がそよぐ香りが部屋を満たす。
振り返り、目蓋を閉じた娘の横に腰掛け、その褐色の髪の乱れを直した。]
――……残酷、とは、こういうことを
いうかと思います。
[その声が聞こえているかどうかはわからない。 ただ、素直な感想として出た。]
(394) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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