84 戀文村
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/27(Tue) 23時頃
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[……と口に出来れば良かったのだろうか。 ただの機械の筈の通信機から何かが溢れて来る。 その想いに衝動的に口を付き掛けるが。 だが結局それを言葉には出来ず]
すまない。
[口に出来たのは何に対してか。謝罪のみ]
(*52) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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私が指を離そうとすると、また泣き始めて──。
…────馬鹿な話だけど、 ずっと、自分の居場所がないと感じていた私が、 その時初めて、この村に受け入れられたような気がしたんだ。
必要とされている、ここに居てもいいんだ──って、 そう、思えたんだ。
(304) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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[店主とクラリッサのやり取りを、机に半ばもたれたままで眺めていた。きっとこの童話の修繕には、自分の知らないやり取りがあったのだろう]
・・・・大事なものなんだね・・?
そうだ、ベネット。 私も結局、セレストに赤紙が来たなんて人づてでしか知らないんだけど・・・
村の誰か、知ってるかもしれない。 見てきた方がいいのかな・・
[店の外、寒々とした村を眺めてもちかけた]
(305) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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アタシがそんなもの持っていても無くすだけ。 あんたを困らせてやるわ。 だから、いやよ。
ギリアンさんにも、めちゃくちゃ怒られるのよ。
[抱きついてくるヨーランダを、ぎゅと抱きしめて 震えないように、ただそれだけを強く握る拳のまま背に回す]
……まだ、ベネットの方が背が高かった頃よね。
(306) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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[二人の様子を静かに見ている]
……そうだよ…… 二人が…離れちゃダメだよ…
[微笑んで呟いた]
(307) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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[ミッシェルの言葉に、青年は困った顔で微笑んだ]
赤紙が来た、と 朝一番に駆け込んできたのはヨーランダさんでした。 若しかしたら、本人から直接聞いたのかもしれませんね
[窓の外をちらと見遣る。 随分時間が過ぎていたのだなと、少し驚きつつ]
……あれから随分経っていますし ご存知の方も多いでしょう 気になるようでしたら、行ってこられては?
[そう返事を向けた。 自身は外に出る気が、矢張り無い様子で]
(308) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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その時こっそり誓ったんだ。
何があっても、この子を守ろうって。 私も、この村の家族に加えてくれたこの子の為に、 出来る事ならなんでもしよう──って。
…──それ以降も、 一部の大人達の態度は相変わらずだったから、 あまりおおっぴらに何かする事は出来なかったが、 大きくなったセレストは、やはり変わらず私を慕ってくれて、 私のつまらない言葉で笑ったり泣いたりしてくれて──…。
(309) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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人殺しでいいなら、アタシにくれば良かったのに。
ねぇホレーショー。こうなったら、皆で静かに眠りましょう? 手伝ってくれるわよね。
[ヨーランダの決意が固いから、出る言葉は、村を覆う仄暗いもの]
順番に、すれば……ネ。
(*53) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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セレストのお陰で、私は未だ、ここにいる事が出来る──。
(310) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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・・・・そうなんだ。ヨーランダさんが。 きっとそうなんだと思う。
[墓地で、2人佇んでいた姿を思い出した]
・・・・うん。 わかってる。・・・
[だけど、会って何を言うというのだろう。きっと月並みな事しか言えはしない]
・・・ベネットは、行かないんだ。 ・・・そう言えば、私あなたがこの店の外でいるのって、見た事がない気がする。
[椅子から腰を持ち上げようとして、ふと思いついたように呟いた]
(311) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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えっ、でも、それだと悪いわ……。
[この物資不足の中で、修繕する道具も、 そう容易く手に入ったものとは思えない。 返された代金に戸惑い、助けを求めるのは、ミッシェルへ。 大事なものか?と、問われれば、コクリと頷くけれど。]
嗚呼……、いつ出発するのか、聴くのを忘れてた。 もしよかったら、判ったら私にも教えてくれませんか?
[彼女が、セレストの旅立ちの時を聴きに行くと言うならば、 願い事を一つ紡ぐ。 ベネットの口から出る、もう一人の女性の名に、 クラリッサの眸は揺れた。]
(312) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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ギリアンさんに、そっくりよ。 頑固で、決めたら絶対に譲らないんだから。
でもね、これだけは言わせなさい?
セレスはアタシの妹でもあるのよ。 それにヨーランダ、アンタもね。
そのこと、わかってる?
(313) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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[ダーラの拳を背に感じ、女も腕に力を込める。 落とした声に、確固たる意志を滲ませて]
これは私の我儘だ。
セレストを一人で行かせたくない。 けれど、共に行く事は出来ない。
村は兵士に取り囲まれていて逃げる事は不可能だろう。
だからせめて───…
(314) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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……戦争が始まって、村の青年が召集されてから 外は針のむしろのようなものですからね
[思いついたようなミッシェルの声。 青年は微笑み頷く]
人目につく時間に外には出ませんよ。 精々真夜中に墓地に向かうくらいです。
[其れこそ他人が見れば怪しいことこの上ないが]
(315) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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ああ、あんた達が安らげるなら手伝ってやるよ。
[その場にはいないが、無機質な鉄の塊の向こうの張り詰めた、 痛い程純粋な想いが伝わって来る。 この想いを戦火で散らせるくらいなら、と改めて決意を固め。
ただ、それに自分を含めなかったのは。 この村の人々には安らいで欲しいと思ったから。 自分は戦場で散るべきだと判っていた。 地獄に落ちて、馬鹿な上官達を引き摺り込むのが役目だと。 だからこの村で眠る事は出来ないと…決めていた]
(*54) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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彼女を奪われる前に、共に果てたい。と───…。
(316) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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……私にはこのブックカバーだって 十分贅沢品ですから。
[返した代金は受け取らぬよう、カバーを持った両手を 後ろ手にし]
そうですね 出発の時間がわかれば、私にもお知らせください 余裕があればで構いませんよ。
[クラリッサの言うに自身も同意を向ける。 口実にしていることへ、罪悪感が僅かに湧いたが]
(317) 2012/03/27(Tue) 23時頃
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[ダーラの「妹」と言う言葉に、女の声に嗚咽が混じる。]
…──ッ、ダーラ、
あぁ。 あぁ……、わかってる──…。
(318) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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――……ズルイ子。
三人で、暮らすんでしょう。 アンタたちから家賃を得て家を守る筈だったのに。
ああもう、今夜はウチで飲みましょう? 店も開けないわ。 それで、いいかしら。
(319) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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[夜に歩けば、昼間は気づかなかった村の静けさが耳につく。 昔は、日が暮れても窓の外はもう少し騒がしかった。
普段と違うのは、朝の騒ぎのせいかもしれないけれど。 普段を知らないから判断はつけられない。 人がいる家には明かりがともっているけれど、火が消えたままの家も、ある。 そんな風景に僅かに吐息をこぼして、ゆっくりと家へと続く道を歩いた]
(320) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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でも、許して──、くれ──ッ、 セレストを一人にしたくない、んだ──…。
どうせ私も、すぐに徴兵されて、 全く別の所で、死ぬ事になる──…。
そうなる前に、共に過ごしたこの村で、 この、《家》、で──っ、
死───……、 なに?
[最後まで言い切る前に、ダーラの声に遮られた。 少し、きょとんとして見上げた後、意味を理解して、月白の瞳を笑みの形に細めた。]
…──ありがとう。
(321) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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……アンタも、もうこの村の一員よ。 そこ忘れないで。
[小さく息を吐いて、あのときの―母を殺めた時―と同じ顔になる]
アタシは皆を眠らせるまで、起きているわ。それでいい。
(*55) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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・・・・そうなんだ。だけど、そうだね。 ここは居心地がいいから。
・・夜にお墓なんて、ホント吸血鬼みたい。
[軽くくすりと笑うが、きっと彼なりに何か弔うものがあるのだろう。きっとそれは当然の事だ]
・・ああ、くれるんだったら受け取っておけばいいんだよ。 誰かほかの人のための使い方だってできるんだし。
[クラリッサからのすがるような視線に、静かに答えた]
(322) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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さてと・・・・ それじゃ、ちょっと誰か知ってる人がいないか聞いてくるね。 ダーラさんのお店も開いてないか、ちょっとだけ見てこようかな。 別にお酒飲むだけなら、誰の家でだってできるけどさ。 ベネットが外に出にくいならここでだっていいし・・
[そう言って無理強いするように腰を浮かし、本屋から外に出る。少しだけ振り返って]
・・・ありがとうね。
[そう言って一度店を後にした]
(323) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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ダーラが行きそうなとこ…って言っても…俺が行ける場所じゃねえな。
[妹の様に大切にしていたセレスト、 そして同じように大切にしていたヨーランダ。 多分、きっと3人は寄り添っているだろうと想像がつく。
そんな中に自分がずかずかとどんな顔をして入れと言うのか。
行く宛を無くし、彷徨う様に]
(324) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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[二人のやり取りを見ていた。微笑んでいたが、目からは涙が溢れていた]
私は…なんて……
[なんて愛されていたんだと思うと、涙が止まらない]
(325) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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妹たちの我侭を聞くのも、姉の役目。でしょ? ただ、黙って見送れないだけ。
それぐらい許して頂戴。
[見上げてくるヨーランダの両頬に手を添えて むにりと頬肉を引っ張った
アタシは笑顔になれているだろうか]
(326) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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…ダーラさん。 私は(戦地に)行くよ、…だから…私には毒を盛らないでね。
[おどけた言い方をする。でも本気である]
(*56) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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―村の道―
・・・・エリアス?
[誰か知った者はいないかと歩くが、いつの間にか外はとうに暗く。歩いているものもまばらだった。ふとよく見知った後ろ姿を見つけ、声をかける]
・・・・ねえ、エリアス。セレストさんに会わなかった? ・・ほら、・・・・見送りがいつになるか、聞いておこうかなと思って。 あんまり人が多くても、居心地が悪くなっちゃうかもしれないけど。
[表情ははっきりとは見えないだろうが、どこかいつもより愁いた様子で]
(327) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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ミッシェルは、暗い中で、他にも近くに誰かいるのかもしれないが
2012/03/27(Tue) 23時半頃
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―本屋―
居心地の良い空間だと思っていただけるなら何よりです。 好きなだけ入り浸ってくださって構わないんですよ? その代わり、新鮮な血を少々頂きますが。
[冗談交えて少し嬉しそうに返す。 代金については、それでも微笑んだまま受け取る様子を見せず]
此処で酒盛りは……そうですね 店の奥でなら是非に。 ダーラが店を閉めてまで来てくださるかは、謎ですけどね。
[店を出ようとするミッシェルを見送ったが]
――――え?
[振り返った彼女の言葉に、青年はぽかんと 一瞬素顔で驚いたのだった]
(328) 2012/03/27(Tue) 23時半頃
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