162 絶望と後悔と懺悔と
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違う、のに…
[単純に、喜んで居たいのに。 命を果たそうと体は動く。
全ては、――喜びの為に。]
(*76) 2014/02/11(Tue) 01時半頃
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……うん、
[僕は素直に手を離す。赤い眼どうしが視線を交わし合って、離れてく。>>248
真弓ねーさんが負けるわけないよね。 じゃあ、やな予感の正体って、何なんだろう]
(251) 2014/02/11(Tue) 01時半頃
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[>>247首筋から背にかけて灼熱が奔り、 僅かに遅れて激痛に襲われる。 きっと、こうなることは分かっていたはずなのに、 それなのに――零瑠を殺せなかった]
おまえ、だって……じ、ゆう に [目の前が昏くなり、膝から崩れ落ちた*]
(252) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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[双眸の赤が揺れる。 唇を振るわせ、言葉を紡ごうとするも叶わない。
――…止めて。 周を傷付けたくはないのに。
抗えない。 服と皮膚を、肉を抉る感覚が伝わってくる。じくりと滲んだ血が、周の背の白を真っ赤に染めた。]
(253) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 02時頃
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[自由になれるのだろうか。
もし。もしも自由になれたとして。 どう生きていけば良いのか。
人には戻れない。 永遠に鬼のまま。
血を求める鬼のまま。
魂と体を囚われてしまった。]
あまね、あまね……ぐす、あまね……
[崩れ落ちる身を抱き止める。 双鬼はいつの間にか姿を消していた。]
(254) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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[一つの影が、もう一つのそれを庇うような動き>>237に。 庇う、という動き、に。 僅か動揺した。 それが隙になったかもしれない。
敵と対峙している時に隙を見せるなど、あるまじき行為。 それでも動揺してしまったのは、5年前のことを思い出したからだ。 守ろうとして、守れなかったこと。
だから、一人が地面を蹴ったこと>>246に反応が遅れた。]
(255) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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くっ、
[一歩、後ろに飛んだが距離を取るまでは間に合わず。 致命傷は避けた。 が、相手の左手の爪が首を掠る。
見えたフードの下。口元の笑みに、相手を敵と認識して武器を握る。]
(256) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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[揺れる髪は、5年前より伸びた。 背も少し伸びた。 顔つきも、年相応に見えるようになって。
しかし、髪の色は変わらない。 リカルダが、「嫌いじゃない」と言ってくれた髪の色は、変わらないまま。
成長して変わった自分を見てもらいたいと思いながらも、久し振りに会うなら気付かないかもしれない。 遠くからでも見つけられるように、と。 願掛けを兼ねて。切らずに伸ばしている髪。
(257) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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『贖いをなさい──菖蒲』
[耳の奥で聲がする。
己の罪を贖えと、玉を転がすような聲で言う。]
(258) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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[優しく笑う直円に やはり絢矢は笑顔を返せぬまま]
うん、識ってる。 こんな痩せっぽちのボクより、 直お兄ちゃんは、きっと強い。
だけどボクは──敗けない。 ボクはこの日の為に、訓練を続けて来たんだからね。
[会話が始まると手を出さなくなったホリーを横目で見て その参戦意志のないことを確かめると、 絢矢は編み上げブーツの下の地面をジャリと踏んだ。]
(259) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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周ちゃんやお兄ちゃんを見習って ボクも偶には口上を述べるべきかな?
──行くよ。
(260) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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[周囲では未だ、戦いが続いている。零瑠に向けられる怒声をぎりと睨み付け、唇に笑みを乗せて見せた。]
……
[そうして、無防備な周の首筋に牙を立てて短く吸う。
『家族』の血は、口内にほろ苦さを残すものの、くらり鬼としての歓喜を引き起こした。]
――此処を、崩す。
[宣言と共に周の体を肩に担ぐ。 屈み、落とした小太刀を、手離しているのなら周のものと共に拾う。
悲鳴だけではなく命を奪う為に刃を煌めかせた。]
(261) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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右の漆黒は『菖蒲』 ──母を弑した罪なる名。
[左足を軽く後ろに引き、自然に腰を落とす。]
左の漆黒は『常磐』 ──父を黄泉路へ誘いし姿なき兄の名。
[右手をやや前方へ伸ばし、 左の剣先は急所を守るように心臓の前へ。]
(262) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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『妹』と『兄』
対の罪名(つみな)を以って贖いの刃と成す──。
(263) 2014/02/11(Tue) 02時頃
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桜庭絢矢──、参る。
(264) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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アヤワスカは、直円へと、一直線に駆け出した。**
2014/02/11(Tue) 02時半頃
直円は、アヤワスカへとブレながら向かっていく。「虫」のように**
2014/02/11(Tue) 02時半頃
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柊! 一気に攻めるぞ!
[真白な雪の中でも目立つ赤の実を、探す。
守備隊員は周に構わず武器を振るうことだろう。けれど、自分の手以外では傷を着けたくなくて、零瑠は庇うのだ。**]
(265) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[見ているようで見てない、 個を個として認識していない。 ――白を纏う者は、吸血鬼を殺す。
だから、殺される前に殺さねば。
抉った爪が翻る、浅い。 一撃でしとめ損ねたのは、やはり白軍服だからか。 握られた武器に、踏み込みは阻まれるか。
ならば、沈んでその足を狙い蹴る。 瞬間だけ、ふわりと緋いフードが浮いた]
(266) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[零瑠が周の名を呼ぶ声は涙に濡れていた。 首筋に立てられる牙。 流れ出す血と共に、生命そのものを奪われる感触は、 おぞましいものの筈なのに、どこか甘美なものを内に秘めて]
これ、が おまえの いたみ、……なんだ、な。 [言葉を紡ごうとしても。僅かに唇の端が引き攣るように歪むだけ。体が担ぎ上げられる感覚>>261 やがて、意識は暗闇に*溶けていった*]
(267) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[初めまして―直円の顔をした男が赤い瞳でそうつぶやいた>>168>>173]
なに言ってるの? にいにその子だれ? ほら、まどかだよ
[ホリー様と呼ばれる少女と直円を交互に見つめた。>>173 明らかに二人はこちらの敵意をみせているのだけど体は底から冷えついたように動けないでいた]
(268) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[リカルダは何を怯えていたのだろう。 触れた小さな手に、囁いた言葉は――]
……だいじょうぶ、 敵は殺してあげるから。
[歪んだ唇は――微笑まない。 ただそんな言葉を紡いでた。
鮮やかな色が間近にある、 何の色だろう、覚えのある色だ。 夕暮れ時の色ガラス、シチューの中の彩り、 ―――あの日の家]
(269) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[両腕に装着した禍々しい鈎爪 赤くらんらんと光る瞳はまさしく鬼のものだ]
にぃに…なにいってんだよ。 ずっと待ってたんだよ
[きゅっと傷ついたように唇をかんだ>>176]
(270) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
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[目の前の敵。 爪先が掠った傷口から、血が滲む。 これだけで済んだのは日頃の鍛錬のおかげだろう。 周との稽古のおかげ、と。息を吐いて。
気を抜いていた心算はない。 ただ、今までの敵よりも早い動きに少し反応が遅れた。
足を狙い沈んだ敵の顔>>266が、ちらりと見えて。]
……え?
[零れる、間の抜けた声。]
(271) 2014/02/11(Tue) 03時頃
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[5年前のあの日から、探していた一人。 大事な家族の、一人。]
まゆ、み……?
[想像していた、彼女の姿よりも僅か幼い顔ではあったが。 しかし見間違うはずもない。
やっと会えたと思う心がここにあった。 まさか、と思う心がそこにあった。
武器を向けていた手が、緩む。 それは、油断とは違う、戸惑いと混乱の証拠。]
(272) 2014/02/11(Tue) 03時頃
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[全員散れ――絢矢の声が戦場に響く>>178
しびれたように動かなかった四肢が その声に反応して一歩後方に飛跳ねると臨戦態勢を取った。その一瞬の間に何人もの機動隊が傷ついていくのが横目に見えた。]
あいつ、くっそつよい女だな
[軽やかに刀を振るうホリーをきっと見上げる。 気づかないうちにしっとりと汗に濡れた両手で もう一度双刀をしっかと掴み直すと。祈祷台の仲間を助けるために戦いの中へ飛び込もうとした瞬間。
絢矢の言葉にひゅっと息を止めた>>190]
…絢矢
(273) 2014/02/11(Tue) 03時頃
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[>>271 緊張の緩んだ声、――隙だらけだ。
潜り抜けるように身を寄せた、 容赦なく銀の爪撃を重ねて、
引き結ばれたままの唇が動く。首がゆるりと傾く。 なにか聞こえた、なんだったのか]
……ああ、
[>>272 場違いにも自分の名前だった、それを理解した。この場に自分の名を呼ぶ者があるのをおかしいと考える、けれど]
(274) 2014/02/11(Tue) 03時頃
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[おかしいけれど、 今、目の前にいるのは――]
でも、あなた、吸血鬼を殺すのよね。
[感情の剥離した声で、 その尖った先端を、突きつける]
(275) 2014/02/11(Tue) 03時半頃
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………、てき……。
[真弓ねーさんがこんな顔してるってことは。間違いなく敵がそこにいるんだ。>>269
敵とはすなわち、“僕ら”に刃向う者。 “僕ら”とはすなわち――5年前、鳥籠のような世界に放り込まれて、吸血鬼になった“家族”のこと。
だから、だから―――]
(276) 2014/02/11(Tue) 03時半頃
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え……?
[敵の動きが、鈍る。>>272 気付いたんだ。さっき戸惑いながら真弓ねーさんの名前を呼んでたし]
覚えてて、くれたんだ、 …キャロライナにーさん。
[忘れられてた方がどれほどよかったんだろうね。 違う、僕は心のどこかで、忘れられててほしいって願ってたんだ。 その方が傷つかないで済むんだから。 “始祖様”や“お姉様”に服従しながら、今の“家族”のことしか信じなくなってる僕のことを。
姿かたちは変わらない。 たった一つ変わった部分を隠すように選んだ帽子の色は、 塗り替えられる前の眼の色と同じ、朽葉色]
(277) 2014/02/11(Tue) 03時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 03時半頃
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―回想―
[>>*57 折り方を書いているリカルダの前、 ふうせんうさぎを紙に戻して、また折りなおす。 手本のように何度かそれを繰り返した。
一度その形が失われてしまっても、 折り紙なら元に戻すのは簡単だった]
――……、
[呟くような問いかけにも、答える術が無い。 自分も同じ問いを持っていたけれど――、 何がいけなかったのか、考え続けて飽和した]
[紙を折る手を止めれば、 自分には何も変わらないように見える、 その小さな体を抱き寄せる*]
(*77) 2014/02/11(Tue) 03時半頃
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[直円を任せる そう先に口にすると、絢矢はその名の如く まっすぐに混戦の中へと飛び出していく]
いっつもみんな、 そうやって
[憎々しげにちっと舌打つ そして一瞬のすきに見失った直円の姿を捜した]
(278) 2014/02/11(Tue) 03時半頃
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