73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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どうしたんだよ?モリス。 お前…ほんとにどっか悪いんじゃない?
[触れた彼の肌は、熱かったか、冷たかったか。 やっぱり様子がおかしいから、そこらのベッドに押し込んで…]
レオナルドさん、探してくるよ。 具合悪いみたいだって、伝えといたほうがいいよね?
[ぽんぽんとかけたお布団を叩いて、寝てろと言い聞かせる。
こんなことが昔…、いや、逆だ。多分言われた方。
どうでもいいことだったと頭の中から追い出して、元生徒会長を探しに部屋を出る。]
(262) 2011/12/24(Sat) 07時半頃
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レオナルドさんー?
[廊下に響く声は、変声期を終えても太くは成りきらなかった声。 けれど上擦れば掠れるのは、子供のままでは居られなかった肉体の象徴のよう。
何処に居るんだろうと窓の外へ目をやれば、 寒そうなのに遊んでる先輩の姿。
声をかけようと窓を開ければ、冷たい風と花の匂いに思わず身を竦めた。]
ヴェスさーん。何してんすか? そんな格好で遊んでたら、風邪引いちゃいますよ? なんか、流行ってるみた…い、……だし。
[語尾が尻窄みになったのは、その白い手が真っ赤に染まって見えたから。
花の香り、赤い色、くらりとする。 氷の割れて落ちた下で、ぼくはなにをみたのだっけ…]
(263) 2011/12/24(Sat) 07時半頃
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[こんな事をしたら兄に怒られそうだ、なんて頭の片隅によぎったけれど、 気がつけばやんちゃだった子供の頃のように、窓から外へ飛び出していた。 その勢いのまま、積もった雪に足を取られてベシャリと派手に転んで雪の中へ突っ伏す。]
…冷たッ!!
[ふかふかの雪の感触は、冬の川の冷たさに似ていて、 左目に口付けて笑って逃げた、あの姿が脳裏をよぎって逃げる。
見たんだよと家族に訴えたことも、高熱で寝込んだ子供の戯言と笑い飛ばされて、 夢だったと納得して忘れたはずだったもの。]
なにしてんすか!! その手、何して…!!
俺の事手当しといて、自分がそんなになってるなんて、 どうかしてるっすよ…ヴェスさん。
[中へ戻ろう…と手を差し出しながら、その赤から目を逸らせなくなる。 薔薇の香りがする…と思った。]
(264) 2011/12/24(Sat) 08時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/12/24(Sat) 09時頃
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[私より沢山見たことがある? 人が外面を信じるよりもずっと悪いことをしている自覚があるこの、私よりも。 それは、大きな見栄を張ったのか、見るような何かがあるのか、とても引っかかって。]
……ロバートのことが、好き? そんなことは……
[無いと、即答出来なかった。 自分でもわからない、しかし好きと言うほどのプラスな感情なのだろうか?これが。
とても情けない顔になったのかもしれない。 自分の気持ちや考え、行動に自信が持てない。 こんな事ははじめてで、動揺した。]
(265) 2011/12/24(Sat) 09時頃
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[ロバートが立ち去るの今度は阻止出来ず廊下に佇んだまま、見送る。
暫くして、呪縛から溶けたように歩き出すと自室へ急ぐ。 なんだこの気持ちは。]
……そんな筈は、無い。 誰かに好意なんて。私が。
[ぐるぐると脳内ではロバートの言葉が。見つめた瞳が、近づいた時の熱が、忘れられそうにない。
誰もいない部屋に戻ると、漸くそこでヴェスを思い出し自分の毛布を抱えて部屋を出た。 まだ中庭に居るのなら、引っ張ってでも部屋に連れ戻ろうと姿を探して**]
(266) 2011/12/24(Sat) 09時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2011/12/24(Sat) 09時頃
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2011/12/24(Sat) 09時頃
モリスは、ぼんやりとしている。
2011/12/24(Sat) 09時半頃
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―回想―
あっ、ごめん。いや、薬貰いに来ただ……うわっ!
[モリスはサイラスにされるがままにベッドに押し込まれ。]
……わりぃ。部屋で寝てたんだけどどうも辛くてさ。
[レオナルドを探してくると言ったサイラスを見送るとモリスはベッドの中で丸くなる。]
(267) 2011/12/24(Sat) 09時半頃
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[エリアス自身をよそに、薔薇はくすりと笑う]
いいねぇ…青春ってやつかな。 でも悪いことしちゃったみたい…
[別に人が憎いとか、そんな感情は欠片もなくて。 自分が見つめてきた生徒達が、皆かわいいだけのこと]
…ねぇ、君は…薔薇のトゲ、なんともないのかい?
[ノックスとの会話からは、モリスの心情までは汲み取れず]
薔薇のトゲは君に何もささやかない?
(*65) 2011/12/24(Sat) 09時半頃
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……やべ。やっぱり苦しいわ。
[サイラスに顔を覗きこまれた時。そして、その体でベッドに押し込まれた時。
明らかに胸が苦しくなった。]
もしかして、これって、オレ、サイラスの事を……
(*66) 2011/12/24(Sat) 09時半頃
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もしかして、これって、オレ、サイラスの事を……
[モリスは先ほどの出来事を思い出す。]
(268) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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モリスは、顔が赤くなった。
2011/12/24(Sat) 10時頃
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ばっ、ばかっ! ばかばかばかばかオレのばかっ!
[モリスはベッドから飛び起き自分の頭をポカポカと殴っている。]
(269) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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そ。よかったね、気がついて。 やっぱり、薔薇のトゲは悪戯好きだね。
大丈夫だよ。全然、変じゃない。 そういうものだから。
[薔薇の精は甘い声で囁いた]
…彼に、いうのかい?
(*67) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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さ、サイラスはもオレも男だし、ただの友達じゃんよ。確かに仲はいい……と思うけど。 何考えてんだオレのばかっ!
[モリスはベッドの上でごろんごろんのた打ちまわっている。]
(270) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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あれ、その声は、薔薇の、主さんだっけ?
[モリスは細々とした声で呟く。]
ちょっと聞いてくださいよ。 やっぱりオレ、おかしいっス。サイラスの顔見てると、何か胸が詰まるっつーか、苦しいっつーか……
(*68) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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さ、サイラスに言うって、まさか、やっぱりこれってオレがサイラスの事す……
[モリスはいっそうベッドの上でのた打ちまわっている。]
(*69) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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ヌシってか…僕、ヨーセイってやつ。 庭に咲いてる薔薇の。 なんか今年は妙に調子よくて咲きそうになったのはいいんだけど… 吹雪でいろいろとね。
で?それは確か温泉でもお医者さんでも治せないってやつじゃないの? 棘はお手伝いしかしないからね?
苦しいなら…ゆるめないとね? きっと彼も、何か苦しいはずだよ。
(*70) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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…そうなんじゃ、ない?
[棘が恋愛感情をもたらすのか、 棘はきっかけにしかならないのか。 そこまでは、人ではない薔薇にはわからない]
否定なんてしないよ。 この子だって…そういう人、いるみたいだし。
(*71) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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で、でも、オレはダメっス。 こういうの、初めてじゃないし、オレは汚い人間っスから。例え好きでも、サイラスとは釣り合わないっス……
[モリスは意気消沈した声で呟く。]
(*72) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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そんなの、僕が知る訳ないじゃないか。 自分で考えて決めなよ。 それとも、僕が似合わないといったら君は諦めるのかい? 諦めたのを人のせいにする?
僕はこの学校の生徒は皆好きだからね。 僕の花が原因でもなんでも、そんな「好き」って感情は、報われてほしいね。
(*73) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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――オレ、バイトで、そういう事した事あるんです。
[少し泣きそうな声でモリスは呟く。]
(*74) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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で?ソレを僕にいって、何ていってほしいの?
…君、もしそのサイラスって子が同じことしてたら、汚いって思うんだ?
(*75) 2011/12/24(Sat) 10時頃
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最初は、ちょっとぎゅっとさせて、って事だったけど。 実は、帰ってくる前も、薔薇園でちょっと……
(*76) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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違う!サイラスはオレみたいにそんな汚いことはしない!
[直面してもいない相手に怒りをぶつける。]
サイラスはオレみたいに小遣い目当てでそんな事するヤツじゃない! オレはともかく、アイツをバカにしないでください!
[モリスは少し興奮した様子で叫ぶ。]
(*77) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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そう。薔薇園で。…君の感覚で言ったら、 僕なんて汚く見えてしょうがないんだろうね。
[実際エリアス自身にそんな経験は勿論ないのだけども]
別にいいんじゃない? 僕にはわからないのは、本当なんだから。 君が後悔しなければいいと思うよ。
(*78) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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たとえばの話。 キミのことをサイラスが知らないように、サイラスのことを、キミはどれだけ知ってるのさ。
キミは…否定されたいの。それとも肯定されたいの? 僕に、どんな答えを求めてるのさ。
(*79) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/12/24(Sat) 10時半頃
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……肯定も、否定もしてもらう気はないっス。話を聞いてもらいたかった、だけではあるので。 ただ、どうしてこんな気持ちになってるのか、薔薇となんか関係あるのかは、知りたかったスけど。
[モリスは力強く言う。]
(*80) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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―中庭―
べにばらさいた どうしてさいた はるまでまてず まふゆにさいた だれにきいても だれもしらない べにばらさいた ほんとのこたえ
[乾いた空気に乾いた細い歌声。 寒さに強い自信はあるが、そうは言っても 寒いものは寒いに代わりなく。 少しずつ血が流れていくものだから 雪は赤くなるばかり]
(271) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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[二人を探して廊下を歩く。 まず行ってみたのは食堂だった。 後片付け中の寮母を捕まえて、聞いては見たけどすでに食堂を後にしたという話で]
誰かの部屋で遊んでるとか?
[それなら特に問題ないのだが。 先ほどいた廊下が見えて、まだジェフたちの姿があることを確認すると、そのまま引き返した。
薔薇の香りが、どこからか漂う。
それが自身に呼び起こすものは情欲ではなく、それが転じた痛み。 最も、何故その痛みがあるのかはまだ知らず]
(272) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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まだ、サイラスに関しては気持ちがまとまってないというか。 アイツの事、好きだけど、自分はアイツにそんな事出来る資格は無いって気持ちは、ありますから。
[モリスは少し間をおいて。]
でも、後悔はするなって言葉は、受け取らせて頂きます。 ありがとう。
(*81) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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そう。聞くだけなら、聞くよ。 でも、答えは求めないでほしい。
…キミは何か、負い目に生きてしまうタイプじゃないのかな。 …咲いた花も、後は散るだけだと、 咲いたことを後悔してるのかもしれない。
でも、いいじゃない。 咲かない花は花ではないもの。 過去のない人間なんて、いないでしょ? 僕は、過去は過去でいいと思うよ。
頑張りな。きっと棘は、後押しだけ。
キミやノックスが思いを遂げることができたら、 薔薇の棘は…
[感染する、とは言わない。 それで人が死ぬわけではないから。 問われても、そこだけはぼかして話をするだろう]
(*82) 2011/12/24(Sat) 10時半頃
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[セレストと部屋に戻る廊下の途中。 言葉のないこの時間が、とても重く感じられて。
迎えに来てくれた彼に、どんな顔していいのかわからない。 今何かをいったら、ぼろぼろと余計な言い訳すらしてしまいそうで]
…セレス…ちょっとだけ、頭冷やしてくる…。 ごめん、すぐに戻るから。
[彼の答えを待つまでもなく、そっとその場を離れて。 雪の外に向かおうと]
(273) 2011/12/24(Sat) 11時頃
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