166 あざとい村
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─調理室─
ふにぃ……
[ず〜んと頭の奥が重たくて、意識がしっかりたもてない。]
(28) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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うにゃあ…
[ひたすらにぼーっとする。足音がして、誰かが何かを解説する声が聞こえた気がするが、内容までは頭にはいってこなかった。
──こんなに言ってる言葉がわからないってことは、 もしかしたら、宇宙人に浚われちゃったんだろうか。
それはこまる。と、思ったけれど、身体が上手く動かない。それに、ふわふわするし、暖房でも入っているんだろうかなんだか随分熱い、とアオイは思った。]
うぅ〜〜…あついよぉ やだぁ、これ、ぬぐぅ……
[寝ぼけたまま、羽織っていたジャージから腕を抜く。キャミソール一枚の肩は露になったが、腰にパーカーを結んでいるのもあって、全部は脱げなかった。]
(29) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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あうぅ〜
[脱げない。というか、半端に腕が抜けて、動きにくくなった。目をとじたまま左右に身体を捻る。──弱っていると、ぺちっと重たい頭に衝撃があった>>14。]
にゃぁぁ??
[なにをするのか。宇宙人がついに攻撃をはじめたんだろうか。夢うつつのままいやいや。と首をふった。脱ぎかけの袖口だけをばたばたとふる。しかし、多少はだけはしても結局脱げなかった。]
(30) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[隅に運ぼうとするカイルの行動も、夢うつつで宇宙人に浚われそうになっていることに変換される。]
やぁぁ 〜〜カイル、カイルぅぅぅ… ボク連れてかれちゃうよぉぉ…
[助けを呼んでいる気で名前を呼んだ。──小学校時代に、子供同士、男子からからかわれるようなこともあったけど、ここぞというときに庇ってくれたのはカイルだ。せめてもの抵抗の心算で、目の前にある身体にぎゅうう。と細い腕を回した。相手の腰と思しきあたりに鼻先を押し付けながら、いやいや。と首をふる。]
… いたっ
[抵抗は、いい加減にしろ。と再度はたかれたことで止まった。]
(31) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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ぁいたたたぁ…
[ぺたんとその場に座り込む。抱きついていた腕の力を緩めて、後ろ頭を撫ぜやった。まだぼんやりしたまま、開いた目が目の前にいるカイルを見た。]
あれ… カイルだ…
[──ああ、なんだ。やっぱり助けに来てくれたんだ。
まったく夢うつつが抜けないままでそう考える。]
(32) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[寝ぼけきった頭で、こんな宇宙の果てまで来て、シノン先輩のことはいいんだろうか。とか、いろいろな過ぎったりもしたけれど]
……でも、嬉しいかな… えへへへ。
[助けにきてくれたんだ。と、誤解したままに、 へにゃっと嬉しげに笑みくずれた。]
(33) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[うだうだと寝ぼけていたのは周りにも聞こえていたかもしれない。 意識がはっきりしていれば、目の前のカイルの呆れ顔にも気づけただろう。
でも、このときは、カイルが目の前にいてくれたのが、 ただただ嬉しくて、それ以外のことが頭になかった。]
……
[どこか緩んだ表情のまま、たれ目がぱちり、と瞬く。]
(34) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[ボーっとした目が、カイルの顔を見て、三秒を数える。 カイル。と、無色のリップを塗っただけのつややかな唇が動いて]
…すき…
[向きあう相手にしか届かない微かな声量で、本音が漏れた。]
(35) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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……
[そのまま、にへー。と、笑う。]
(36) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[本当は、本当は、 ずーっと黙っておこうかと思ったことだったけれど、このときはそんなことまでは頭が回っていなかった。
言えなくなってしまうかも。という不安が、 逆に働いたのもあったかもしれない。
ただ、抱え込んでいた悩みや息苦しさが、ゆっくり溶けていく。もっと頭がしゃっきりしてたら、わかんないってなんだよ。ばか。とか、そういうことも言ってたのかもしれないけれど。
ただ、身体が温まるような安堵感が、眠気を誘って]
(37) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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… ぐぅ…
[アオイは、家庭科室の片隅で再度、深い眠りに落ちた。]
(38) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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[くったりと倒れた先では、つつくと柔かいほっぺたが すっかりつぶれまんじゅうになっているが、 ぱっと見た様子では、随分と幸せそうだっただろう。
結局、アオイは調理室ではごはんを食いはぐれて、 カイルに背負われて体育感に戻ることになった>>14。]
(39) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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─体育館─
[背負われて戻ったアオイは、マットの上でくうくうとすっかりねこけて、まったく使い物になってはいなかった。よって、ヒューによるジリヤへの給仕シーンはすっかり見逃してしまったし、暖房具集めと言う名前のかけ布団探しは、セシルやロビンの手によって為されることになっただろう。]
んんん… おなかすいた…
[ごろり、と寝返りをうつ。結局家庭科室でお腹に入れられた物と言えば酒のみであり、空腹は解消されていない。寝ぼけた声でうめいてから、うぅ。と唸って目を開けた。]
(40) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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[目の前には白いシーツがある。寝ぼけ眼でぱちぱちと瞬いた。だいたい夜は電気を消して寝るから、明かりが点いていることに違和感を覚える。]
………うん……?
[すっかり家で寝ているような気でいたせいで、覚醒した意識が現状を認識するのにいくらか時間が要った。]
(41) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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…………あ。
[数秒後、置かれている状況を思い出した。]
(42) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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〜〜〜!! …ジリヤ!!
[がばっと跳ね起きる。寝こけている場合ではなかった筈だ。倉庫に閉じ込める、という話になっていたところまでで記憶は途切れていて、そのあとどうなったんだろう、慌てて回りを見回す。]
(43) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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[ぱっとあたりを見回して、倉庫に貼られた札を見つける。]
〜〜〜…そ、っか。 もう、中……ですか……
[この場を離れられないシノと視線があって、説明に眉を下げる。 最後に声をかけられなかったのが悔やまれて、肩を落とした。]
(44) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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ごめんなさい、ボク……
[肝心なときにすっかりねこけて、何をやっているんだろう。]
… 何か、変わったことって、ありましたか?
[状況を把握したくて、シノに直裁に問う。 と、そのタイミングで、スージーから声が上がった>>27。]
(45) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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アオイは、体育館の中に、セシルの姿を探す──けれど、見つからずに
2014/03/09(Sun) 04時半頃
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[スージーの言葉にセシルを探す、探して──見つからない。 誰からも、声があがる様子もなくて]
……っ、うそ だ
[ぎゅっと心臓を掴まれたような心地がする。]
(46) 2014/03/09(Sun) 04時半頃
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うそ……うそだ。
[勝手に皮膚がざわざわする。悪い予感ばっかりが積もっていく。 それを否定したくて、嘘だと言葉を繰り返す。]
〜っ、セシルがいなくなったりなんて、するわけないよ……!
だって、ほら、ダン先生を探しに……行くって……
要ってた……じゃあ、ないか……
[でも、そう言っていたのは、いったい何時間前の話だ。どれだけ寝ていたかも覚えていない。セシルの事だから、すっかり全部やりおえた後だって、ぜんぜんおかしくなかった。食事の時間のすぐ後にだって、十分な時間はあっただろう。]
(47) 2014/03/09(Sun) 05時頃
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そんな…
[なんでだろう。──くらくらする。セシルがいないってことが、 なんだか上手く、認識できない。]
(48) 2014/03/09(Sun) 05時頃
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[呆然としたまま、すぐには立ち上がれない。]
ボクの……
[自失したような声が、小さく落ちた。]
(49) 2014/03/09(Sun) 05時頃
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[はっとした声は、どこか何かに気づいたようにも響く。]
ボクの、せいだ……
[乾いた声、ひとつ零して、マットの上についた手が震えた。]
(50) 2014/03/09(Sun) 05時半頃
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[ぎっ。と指がシーツの下のマットを握り締める。]
〜〜〜っ
[じわ。と目端に涙が滲んだ。]
(51) 2014/03/09(Sun) 05時半頃
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[嫌な予感はあった。見つからないんじゃないかっていう。
セシルは時々意地悪なときもあるけど、ほんとのほんとに怖がらせるようなことを意味なくしたりしないから。]
っ…さがして……っ、さがしてきます……っ!
[でも、だからって、じっとしていることもできなくて、スージーに続いて、体育館から駆け出す。彼女が走り出したのはもっと前のことで、背中はとっくに見えなくなってはいたのだ*けれど*。]
(52) 2014/03/09(Sun) 05時半頃
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─放送室前─ >>68
……っ!
[呼び止めにびくりと細い肩が揺れる。 ぱっと、潤んでいる目が後ろを振向く。]
………でも、でも、セシルが……っ
[まだ見つかっていない。うろたえたように反論しかけた言葉は、威嚇するように大きなヒューの声にさえぎられた。びくりとして立ちすくむ。]
(79) 2014/03/09(Sun) 16時半頃
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[>>69 ヒューが放送室に入り、スージーに声をかける。その間だけは、放送室の入り口前に立ったままで待ち、]
でも、 …でも
[戻るぞ。ともう一度言われて、怯えた子猫のように前かがみに身を縮めた。上着にしていたジャージは体育官においてきてしまって、今は素肌の肩が震える。]
(80) 2014/03/09(Sun) 16時半頃
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[放送室から出てきたヒューを、目端を赤くしてみやる。]
でも……
ボク、ほんとに、戻って大丈夫なのか
…自分が、 わからない、です。
(81) 2014/03/09(Sun) 16時半頃
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[不安を口にして、一度ぎゅっと目を閉じた。スージーやシノンは、占いや札を扱うことが出来るのなら、セシルが言ったように悪霊つきの可能性は低いのだろう。──けれど、自分については、なんの保障もない。]
〜〜っ先輩は、戻ってください。 今は、スージーを守ってあげなきゃ……
[狩人候補であるヒューは戻った方がいい。よく確認もせずに疑ってしまった負い目もあって、ヒューに対しての疑いは表層に浮かんではこなかった。]
でも、ボクは…… 離れてた……方が、いいってことだって、 あるかもしれない。
[とりついた悪霊が、どんなふうに皆を消してしまうのかはわからなかったけれど。]
(82) 2014/03/09(Sun) 17時頃
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[それでも、離れていることで安全度が高まるなら、それでもいい気がしてしまった。]
…まだ、悪霊が残ってるなら…
皆や… スージーを守れるヒトが、 残った方が、いいと思って。
… でも、ボクには、なんの力も……ないから、〜〜〜っ
[──セシルを守れるようなだけの力もなんにも。思ったら、視界が一気に滲んでしまった。慌てて、腕で目をぐしっと擦った。]
(83) 2014/03/09(Sun) 17時頃
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