291 Fate/Goddamned Omen
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―序 2019年2月××日早朝―
[のっぺりとした白く無機質な部屋、壁の一面にかかる大型のモニターと簡素なベッド、大量の本と映像ディスクを積み上げた机。それだけが存在する部屋に、通信音が響き渡った]
ふわーぁ……なんだい。こんな朝から。 知ってると思うけど、僕、今日の24時まで丸一日有給取ってるんだぞ。 忙しくて今まで積んでた「暗殺天使★コルデーちゃん」とか、「リンドヴルVSネオプルガサリ」とか、「ごとばと!!」とか、「カリ・ユガ救世主伝説メテヤ」とか、あの辺全部見てしまうつもりで食料も運び込んで臨戦態勢敷いたんだ。 だから、新しい特異点でも発生しない限りは邪魔しないでくれって……
……え?所長から?
(@0) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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―2019年2月××日10:00―
カルデア管制部主任の秋間助より業務連絡。
本日マルヨンマルマル、国連よりカルデアに対し重大な勧告事項が発令された。 ついては、マスター及び契約サーヴァントに対し、これより本件についてブリーフィングを行う。
該当者及びレイシフト担当スタッフはこの放送を聴き次第至急、管制室へ集合してほしい。繰り返す……
(@1) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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来てくれたね。さっそくだが時間がない。いきなり本題に入らせてもらう。
他でもない、数か月前にパキスタンに発生したスーパーセル(超巨大積乱雲)の事だ。 この巨大な嵐は数か月前にモヘンジョ・ダロ周辺に発生、その後徐々に勢力を拡大し、現在は半径数百kmにまで至っている。
既に飲み込まれた都市の観測施設では、この嵐の最外部に触れた場所からまるでバターが溶けるように削り取られている瞬間の映像が確認できた。 内部からは通常の手段ではいかなる反応も計測されず、スーパーセル内部の状況はまるで把握できない。インドとパキスタン両政府が合同調査隊を組織したが、スーパーセルへの突入と同時に、分子レベルで分解され、跡形もなく消滅したらしい。最新鋭の装甲車を使っていたようだったけど……冥福を祈ろう。
(@2) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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いまだかつてこんな現象が地球上で発生したことはない。大変な異常事態だ。仮にこのままスーパーセルが拡大すれば…あるいは地球全土にまで拡大してしまうかもしれない。今回の事態は、特異点どころではない、もっと直接的な人類の危機ってわけだ。
君達に集まってもらったのは他でもない。このスーパーセルの内部は現在人類が持ついかなる手段を用いても観測できない。 ただ一つ、この管制室にあるカルデアスを除いては。要するに、理由は全く不明だが、あのスーパーセルの中心、廃墟のはずのモヘンジョ・ダロには、現在文明の光が点っている…ってわけだ。
[秋間が指し示す地球を模したカルデアス。その現在のスーパーセルの中心、パキスタン部分には、確かに人理の存在を示す光が点っていた。]
(@3) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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カルデアはこれより、同時代レイシフトによってこのスーパーセルの内部に君達をレイシフトさせ、内部を調査。可能であれば、その原因を除去する。 カルデアはこれまで君達様々なマスターやサーヴァント達の手を借りて、いくつもの特異点を解決してきた。だが今回のような事態は初めてだ。
今までは、単に特異点に行って原因と聖杯を取り除けば、それで事が済んだ。だが今回は、そんな今までの常識は一旦捨ててかかってほしい。 準備ができているならすぐにコフィンに入ってくれ。残りの説明は、転移後に行う。
今回は僕も、できる限り君達のサポートにつくつもりだ。困ったこと、報告はできるだけ逐一伝達してくれ。では、状況を開始する。
(@4) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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無事に着いたみたいだね。ただ、油断はできない。どうもそのあたり、強力な幻想種が結構うろついているみたいだ。砂漠のど真ん中とはいえ、まずは少しでも安全な場所に移動したほうがいい。
そちらの気象状況もモニターしている。昼間の気温が軽く50度を超えている。それだけ乾ききった砂漠なら恐らく、夜は0度近くまで下がってもおかしくない。何かが見つかるまで、砂漠の中での行軍になる。
それに通信も不安定だ。何かあればすぐに連絡してほしいけれど、通信環境しだいではすぐに対応できないかもしれない。体調と身の安全にはくれぐれも気をつけてくれ。…それじゃあね。
[管制部の秋間からの通信は、そうとだけ言い残して一旦切れた。*]
(@5) 2019/02/08(Fri) 00時頃
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ーしばらく前・カルデア管制室ー
[ノッカは気丈な子だと思う。以前の、エジプトでの大きな厳しい戦いのなかで彼女は脚を失った。カルデアのマスターとして戦い続ける事は難しいと誰もが思っていただろうが、彼女は今もこうして特異点に向かい続けている。それはどれほどの覚悟によるものだろう。
自身もあの場に向かうべきなのだろうと思う。それでも、人的なリソースが不足している今、自分はここから話をし、存在証明を続けるのが精一杯なのだ]
別の歴史… 別の世界。
[ノッカの言葉>>52>>54に考えこむ。モヘンジョ・ダロ周辺は今も荒野だ。しかし、そこまで砂に覆われた世界ではなかったはずだ]
(@6) 2019/02/09(Sat) 20時半頃
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昔、時計塔で聞いたことがある。あと、他の英霊にも前に少しだけ。
僕達の住む世界のすぐ側には、似たような並行世界がいくつも存在しているらしい。それらは少しずつ違っていて、例えばカルデアのない世界とか、カルデアはあるけれどノッカのいない世界、逆に僕がいない世界、僕がいるとしてもナード趣味でない可能性、黒髪の眼鏡美女だったりする可能性、あるいはもう死んでしまっている可能性…結構幅広い可能性が並行世界にはあるらしい。
ただ、それを全て認めると、並行世界の数は無限に増えすぎて、この宇宙が情報量でパンクしてしまう。だから、可能性のなかで一番人類の歴史を続けやすい太い幹を選んで、残りを剪定しまうことがあるんだとか…
もっとも、そんな事僕らには知るよしもないんだけれどね。 いや、ごめん。ちょっと話がそれた。
(@7) 2019/02/09(Sat) 21時頃
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そうだ、一つだけ。 ノッカが今向かっている先…どうもマナが濃密でよく分からないけれど、聖杯に少し似た反応があるみたいだ。その場所にも、聖杯に似た何かがあるのかもしれない。
今のところはそんなところかな。意外と元気そうだけど、気を付けて。君だけの体ではないからね。それじゃあ。
[インダス文明の事や古代の核戦争説の事も、ブリーフィング含め、少し話したかもしれない。神都の人間との接触の前、通信は再び途切れた**]
(@8) 2019/02/09(Sat) 21時頃
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