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―いつかの朝・自宅―
こほ…っ、こほ……っ。
[苦しさを訴える、胸。 この身に巣食う病魔の現れのように、口元を覆う手にはべったりと紅い染みが広がっていた]
――そろそろ、限界かな。
[口元に浮かぶ笑みは、諦観。
長く保った方だとは思う。 治る見込みはないと、医者から匙を投げられて数か月。 いつか来るだろう死の恐怖に怯えながらも、 精一杯自分なりに生きたつもりだ。
だけど――――……]
もう少し、みんなと一緒にいたかった、なあ。
(@0) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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[口端から流れる紅を手の甲で拭う]
……なぁんて、ね。
[鏡に映る青白い自分の顔を見ながら、小さく肩を竦める]
弱気になるなんて、あたしらしくないよ。 こんな病気に負けるな、リンダ……。
みんなの前では……辛い顔は見せないって、決めたでしょ。
[鏡に映る頬を、指先でそっと撫でる]
(@1) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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[にっこりと鏡に向かって微笑んで]
……ん、良い笑顔。 さ、今日も一日頑張ろう。
[まるで自分に言い聞かせるように呟いて。 自宅を出ると、街へ―――]
(@2) 2010/07/01(Thu) 02時半頃
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―道―
[街へと続く道を歩いていると、遠目にコリーンとラルフの姿が見えた。 とことこっと近寄って]
ラルフくんにコリーンさん。 おはようっ。
[ごみを集めているラルフを見れば、その傍によって]
お掃除……? 今日も御苦労さま。
[にっこりと、花が咲いた様に微笑んだ]
(@3) 2010/07/01(Thu) 02時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/07/01(Thu) 02時半頃
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ん、もう大丈夫だよ。
[視線をそらす様に俯くラルフに、明るく答えて]
でもこうやって毎日ラルフくんが綺麗にしてくれるから、 みんな気持ちのいい朝を迎える事が出来るんだね。
ありがと、ラルフくん。
(@4) 2010/07/01(Thu) 02時半頃
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牧人 リンダは、歌い手 コリーンさんも、綺麗な街、嬉しいですよね?と、笑った。
2010/07/01(Thu) 02時半頃
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[目をそらされると、少しだけ寂しそうに笑って]
……もう。照れ屋さんなんだから。 お仕事がんばってね。
[道具を抱えたその背中を見送り、小さく手を振った]
(@5) 2010/07/01(Thu) 03時頃
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[ラルフを見送った後、コリーンを見上げて]
コリーンさんは、これからお仕事ですか? もしお暇なら、一緒にお散歩しません?
[せっかくの好い天気ですし、と続けて。 蒼い空へと両手を掲げて笑った]
(@6) 2010/07/01(Thu) 03時頃
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牧人 リンダは、歌い手 コリーンの言葉に、嬉しそうに笑う。一つ一つ、言葉を嚙みしめる様に、胸に留めながら。
2010/07/01(Thu) 03時頃
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コリーンさんは糸を紡いでいるんですよね? なんだか昔話のお姫さまみたい。
[お仕事の話にそう笑いながら話し、 銀色の髪を眩しそうに見詰めて]
あたしの方こそ、コリーンさんと一緒でとても贅沢なお散歩なの。 村の男の子たちにあとで恨まれちゃいそう。
[くすくすと笑うと、腰の後ろで手を組んで、 後ろ向きにコリーンの前を歩き出した]
(@7) 2010/07/01(Thu) 03時半頃
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お姫様が糸を紡ぐお話、ありましたよね? きっとコリーンさんみたいに、綺麗だったんだろうなって。
[風に靡く銀糸を眩しく見詰めながら、自身の二つに編んだ赤毛を風の遊ぶままにさせて]
魅力的な子……ソフィアやアイリスとか…? 私…は、さすがにお世辞だって分かっちゃいますよ。
[くすくすと楽しそうに言葉を紡ぐ]
(@8) 2010/07/01(Thu) 04時頃
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[茨の城の糸紡姫のお話を思い出しながらコリーンの言葉に頷き、 ゆるりと首を振ると揺れる銀糸を瞳が追いかける]
褒めすぎなんてことない。 本当に、そう思ったの。とっても綺麗だから。
[くるりと背中を向けて、前を歩きながら]
じゃあ、褒め言葉として受け取っておきますね。 ふふ、嬉しいな。自信もっちゃいそう。
[背中越しに向ける言葉は喜色の色を響かせる。
だけど。
誰かと想いを通わせて添い遂げる時間なんて、 私にはもう残されてはいないけれど――――]
(@9) 2010/07/01(Thu) 04時半頃
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[だけど、この時間を私は忘れない。
誰かと過ごす他愛もない、 なんでもないような時間がとても倖せなのだと。
心の宝箱に大切に大切に仕舞って、 忘れてしまわぬように、かちりと鍵を掛けた]
(@10) 2010/07/01(Thu) 04時半頃
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[散歩を続けるうちに、コリーンとは途中で別れただろうか。
酒場の店先で、葉巻を美味しそうに口にするゴドウィンの姿が見えて、 ラルフの時と同じようにとことこと傍へ]
おはよう、ゴドウィンさん。 こんな朝早くから、お酒の仕込み? お疲れ様。
(@11) 2010/07/01(Thu) 04時半頃
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[吐きだされた煙を、手で風を送って反らしながら]
もー。こっちに煙はいちゃ、だめ。
[頬を膨らませると、少しだけ怒ったような表情を浮かべた]
うん。お散歩。 こんな良い天気なんだもん。 家に閉じこもってるのは勿体ないなって。
[にっこりと、空の様に澄んだ笑みを浮かべて]
(@12) 2010/07/01(Thu) 05時頃
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……あはっ。 なら、仕方ないね。許してあげるの。
[ゴドウィンの言い様に小さく吹きだして、くすくすと笑いながら]
お仕事がある人は、大変だもんね……。 あたしもお仕事、好きだったけど。
[空へと登っていく煙を見詰めながら、 羊や牛達の世話をしていた頃を思い出し、瞳を細める]
暇ってわけじゃないけど…… どうしてもって言うなら良い子に座って待ってあげるの。
[椅子に腰をおろしながら、 冗談交じりに高飛車に言うと、ちらりとゴドウィンの方を見て]
……ありがと、ゴドウィンさん。 ゴドウィンさんのお茶、好きよ。嬉しい。
(@13) 2010/07/01(Thu) 05時頃
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[きょとんとした顔で、ゴドウィンを見詰めて]
ゴドウィンさんって、昔は村の外に出てたの? それ、初耳だよ。
[新しいおもちゃを見つけた子供の様に瞳を輝かせて]
ね、今度その話聞かせてね。 色んな冒険とか、ロマンスとか。 あったんだろうなあ……。
[うっとりと呟いた。
親指と人差し指の隙間に、またまた頬を膨らませて]
ひ、ひどいよっ。 そんなに小さかったら小人じゃない。 もう少し大きかったもん……っ。
[頬を風船の様に膨らませた侭、店へと戻るその背中を見詰めて]
(@14) 2010/07/01(Thu) 05時半頃
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[やがて戻ってきたゴドウィンに水筒を渡されると、 その表情は自然と笑みになって]
……ありがとう。 大事に大事に、飲むね。
[ぎゅうっと抱きしめると、 落とさないように水筒のベルトを確りと肩にかけた]
(@15) 2010/07/01(Thu) 05時半頃
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うん、初耳だよ。 ゴドウィンさんの若い頃って……なんだか想像できないな、ふふ。
[覚悟しておけの言葉には、頷いて。 きゅっと拳を作ると、酔い潰れないように頑張ると、笑った。
――…その話を聞く日が来ることはないだろうと、 心の何処かで思いながら]
みんなで、飲む。 分かった。じゃあお散歩の途中で会えた人みんなにおすそ分けしてくる。
ちゃんとゴドウィンさんのお店の宣伝もするから、安心してね。
[ウィンクを一つ贈ると子供の様に笑って。 またねと、手を振りながら散歩を再開させるだろう]
(@16) 2010/07/01(Thu) 06時頃
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牧人 リンダは、サンドイッチに後ろ髪を引かれながら、酒場の前を後にして**
2010/07/01(Thu) 06時頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/07/01(Thu) 06時頃
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― 村はずれの牧場/厩舎 ―
[シャイアー種の巨体が並ぶ厩舎で動きまわる小さな人影。 肥料用の馬糞を木製のシャベルで手早く纏めて出荷用の麻袋に詰めてゆく。 作業をはじめてどれほどの時間がたっただろうか、悪臭を嗅ぎ続けて麻痺した鼻を手の甲で擦って吐息を漏らした]
(@17) 2010/07/01(Thu) 11時半頃
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ん……。
[急に首を伸ばし鼻を摺り寄せてきた馬を優しく撫でながら確認の為に厩舎の馬を見回した後、体を洗う為に近くの*小川へ向かった*]
(@18) 2010/07/01(Thu) 11時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/07/01(Thu) 13時頃
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―ピッパの家の前―
[小さな小石をいくつか拾うと、ピッパの部屋だろう窓をめがけて投げる。 コツンコツンと弱い音を立てて落ちる小石を見ながら]
……ピッパちゃん、起きてるかな?
[悪戯っ子の様な顔で小さく呟いた]
(@19) 2010/07/01(Thu) 13時頃
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[出てくる気配のない様子に、首を傾げながら。 再度小石をぽんっと投げる]
………。 まだお休み中、なのかな。
せっかくゴドウィンさんから美味しいサンドイッチとお茶を貰ったから、 ピッパちゃんにもおすそ分けしようと思ったのに。
[肩にかけた皮の水筒をなでながら、ぽつりと呟いて。 部屋の主が姿を見せない窓をじっと見上げた]
(@20) 2010/07/01(Thu) 13時半頃
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[名前を呼ばれ、其方の方へと視線を向ける]
あ……ピッパちゃん!
[嬉しそうにふにゃりと笑って。 手招きする方へととことこと身を寄せた]
(@21) 2010/07/01(Thu) 13時半頃
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ピクニック……?
[きょとりと首を傾げて、彼女の視線が水筒に向けられている事を知れば、 ああ…と小さく頷く]
違うけど……そんなものかなあ。 お散歩中だったの。
その途中で、ゴドウィンさんにお茶とサンドイッチを貰ったから、 ピッパちゃんにもおすそ分け。
美味しい、は、みんなで分け合うのが良いって言われたから。
[一緒に飲もう? と、水筒とサンドイッチを見せた]
(@22) 2010/07/01(Thu) 13時半頃
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[ピッパの言葉に、二つに編んだ赤毛を揺らしながら、 ふるりと首を振る]
ピッパちゃんと、が、いいの。
[子供の様な笑顔を浮かべて]
ピッパちゃんの事、大好きだし! ……だめ?
[見せた水筒の後ろから、ちょこんと顔を出して。 子犬の様な瞳でじぃっと見詰める]
(@23) 2010/07/01(Thu) 13時半頃
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[ありがとうと、彼女の唇が紡げば、ぱぁっと明るくなる表情]
……良かった、あ。 どういたしまして!
[子犬の様にピッパの周りを飛び跳ねていると、 差し出された手にきょとりと首を傾げて。
じっとその白い指先を見詰めて]
……行くっ!
[何処へ、なんて聞かない。 彼女が誘ってくれるのだ。 それはきっと彼女にとって、大事な場所なのだと思うから。
にっこりと笑みを浮かべて、そっと痩せこけてガリガリの手を重ねた]
(@24) 2010/07/01(Thu) 14時頃
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最近……? 変わらない、よ。
お仕事辞めちゃったから、ちょっと退屈かなって。
[心配する瞳には気付かずに、 それがどうしたの?と謂わんばかりの顔を浮かべて]
……やだ。少し太った?
[見当違いなことを口にして、 繋いでいないほうの手で自分の腹部をそっと撫でた]
(@25) 2010/07/01(Thu) 14時頃
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ん。
[伺う様な視線に、にっこりと笑みを返して。 手を引かれる侭、緩やかに歩みを進める]
でも今は退屈じゃないよ。 ピッパちゃんに逢えたから。
[くすくすと笑いながら。 冒険に向かう子供の様に、森の中へ向かって]
あたしみたい、に――――…… は、なってほしく、ないな。
[瞳を伏せて呟いた声は届くだろうか。木々のざわめく音を聞きながら]
……ここ、ピッパちゃんの秘密基地があるの? 小さい頃に連れて来て貰った事がある様な、気がする。
[きょろきょろと周りを見回した]
(@26) 2010/07/01(Thu) 14時頃
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大袈裟なんかじゃないよ。 あたしは、今が大事。
[ぎゅっと繋いだ手の、その腕を抱きしめて]
こうしてピッパちゃんに逢えた”今”が、大事なの。
[えへへっと笑うと、少し離れて。 覚えてた?と問われれば、こくりと頷き]
やっぱり、そうだったんだ。 昔、せっかく連れて来て貰ったのに、 怖いよって泣きだしちゃったんだよね。
[追想にくすくすと笑みがこぼれて、瞳を細めた]
(@27) 2010/07/01(Thu) 14時半頃
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はんぶんこ……?
[じっと。椅子とピッパを見詰めて]
……ピッパちゃんのお膝が良いな。
[思わず口にしてしまった言葉に、慌てて口を押さえて]
なんてねっ!
わぁ、ガーベラ! きれいだね、ピッパちゃん!! これ、ピッパちゃんがお世話してるの?
[ガーベラの前で膝を折ると、 ちょんっとその花びらを指で突つく]
(@28) 2010/07/01(Thu) 14時半頃
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泣くと分かってたって……意地悪。
[ぷぅっと膨らむ頬。 だけど撫ぜる手の優しさに、膨らんだ頬はいつしか安らいだものへと姿を変えて。
この手の温もりを、決して忘れないように。心に刻む]
(@29) 2010/07/01(Thu) 14時半頃
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