155 楼夢館
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―回想―
[母は、奇妙な人だった。]
『ジョニーったらとても素敵だわ』
[よく、自分に服を着せながらそう歌っていた。 目を見ることはなく、口ずさむように。]
『わたしのこともそう思う?』
[返事は、求められてはいなかった。]
『そして市場へ連れて行って』
[母は、不思議な人だった。 赤く、よく動く唇を覚えている。 彼女の歌は、いつだってちぐはぐだった。]
『そしてママには二回のキスを』
(*0) 2013/12/08(Sun) 21時半頃
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……僕は、本当に頭がおかしいのかもしれない。
[母は、枕元にやってくる。にっこりと笑って、僕の頬をそっと撫ぜる。]
――けれど、自分がそう思い込んでいるだけのようにも思えるんだ。
[絞り出すようにそう呟いて、ほっと息をついて、木製の椅子に背を投げ出した。]
(*1) 2013/12/08(Sun) 21時半頃
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[眠れない夜は誰のせいでもないけれど、父が亡くなる前はもっとよく眠れていたように思う。 急な知らせに学校から先生の車で連れられて病院に向かった時には、父はこの世のものではなかった。 白布の下から見えたその様子は、初めて肉親の死を経験した自分には少し刺激が強すぎたかもしれない。
何しろ、普段家に不在がちだったとは言え、お手伝いさんを除けば同じ家に住んでいるのは父しかいなかったのだ。
身寄りがなくなってこの屋敷に引き取られてからもうしばらくにはなるが、いまだにこの家の身内が家族と感じられるには至っていない。]
(*2) 2013/12/08(Sun) 21時半頃
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私は、男の人に父親の埋め合わせを求めているのかもしれないね。 思い出に飢えているだけかもしれないわね。
[たまにそう自問する事もある。けれど、答えは出ない。]
(*3) 2013/12/08(Sun) 21時半頃
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ーーおかあさん、
[こぼれる。息が漏れるみたいに、掠れた声が。 赤い唇。そうして、なんだって飲み込むんでしょう。ああ、細い腕。]
ここに、いたの。
[潰れてしまいそうだ。何が?わからない。 大丈夫よ、目の前の赤い唇が、釣り上がる。そう見える。 はい、大丈夫です。ここは、とてもたのしい。]
(*4) 2013/12/09(Mon) 17時半頃
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お母さん?
[こちらを見つめる目は頼りなげにも見えた。]
……寂しいの?それとも今でも探しているの? 私も、そんな風に父さんを探してもいいの?
[軽く目を閉じる。それは甘くてとても美しい毒のような誘い。]
…私は。
[赤い唇から静かに呟きを漏らす。]
(*5) 2013/12/09(Mon) 19時頃
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[彼女がどんな顔をしていたか?なにを尋ねていたか?知る由もない。 だって、僕の目の前にいるのは、]
さみしい。いいえ、おかあさん。ここは楽しい。 ああ、ごめんなさい。うまくできない。ああ、でも、 あなたがずっと見ていたのを知ってる。ここにいたの、ねえ。
[ゆっくりと、顔をあげる。柔らかいマットレスの上。 目の前で、ちろりと、赤い舌が踊った気がした。]
――父さんも、そうして飲まれてしまったの。
(*6) 2013/12/09(Mon) 20時半頃
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[こんな事をしても自分が癒されるわけではないかもしれない。そう頭のどこかが告げている。彼もまた、いつか気付くのかもしれない。それとも、どこかではもう気付いているのかもしれない。]
(私は、あなたの母親ではないもの。)
[しかし、そんな言葉は出て来こなかった。]
……そうよ、私はここにいるの。ススム。
[傷の舐め合いでも構わないと思うくらいに、満たされたかった。 ただ、寂しかっただけなのかもしれない。]
……いいのよ。好きなようにして。
(*7) 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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