99 あやかしものと夏の空
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…………ふ、ぐっ ……〜〜ッ
[聞いて、喉にからあげが詰まった。
胸元を叩くも無駄だったので、コーラを含んで流し入れる。]
――ッは、……どうしたの、いきなり。
[軽く涙目で聞き返してしまう。
心当たりがありすぎて、見るからに『何か知っています』な反応になったか。]
……明も、気づいてたの?
そうだね、うん、やっぱりそう思うよね。
もうすぐなくなっちゃうから、誰かが起こした奇跡なのかな。
[奇跡かどうかなんて体験した身でなければ判断しようがない。
バレれば避けられるような気がして、バレている気がして、口をついて出たそれは少し不自然だったかもしれない。]
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[徐々に近付く、水の音。 いつの間にか、涼しげな流れの音が響く、川の傍を歩いていただろうか]
……景子。 いや、リサでもいいが……、
俺は、細かい話を知らない……だから、教えてくれ。
……お前らが知ってるか判らんけどな。俺は、あいつが小さいときからずっと、このあたりの川の流れや淵や、獣の縄張りや崩れやすい崖や、ちょっとでも危ないところは、連れまわして教えたんだよ。 [ふう、と。ゆるく息を吐いて]
(92) 2012/08/15(Wed) 00時半頃
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あいつは――オスカーは、どうして死んだ?
(93) 2012/08/15(Wed) 00時半頃
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[けれど続く話に口は閉ざされる。どうやら酷い思い違いだった。
彼の過去には、そんな人ならざる者との出来事も含まれていて、今も思い当たる事があるという。
それでも信じたいと思ってくれていた。
元々人間だけれど、自分も人ではない者の仲間入りした気分。]
――現実的じゃないものも、本当はいるんだよ。
同じ世界の違う空間にさ。ただ普通は干渉できないだけで。
だから、有り得ないし信じられないって思っても、
どこかで少しでもいい、存在だけは信じてあげられたらさ。
きっと喜ぶんじゃないかな。神様も、妖怪も、幽霊も。
[他人事ではないといった具合に微笑んで、真面目に返した。]
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み゛っ!
[肉球は家出しないらしい。 軽く頭をぺしっとされて>>91、思わずおかしな声を出す]
………人間もたのしいけど、
[猫の姿のが、やっぱり便利だ。 すこし名残惜しい気持ちもあるけれど、 いつ猫の姿に戻ってしまっても、別にいいと思っている]
(94) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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[に驚いて、慌てて背中をさする。
あきらかに挙動不審なオスカーに、自分の思い込みや、錯覚ではなかったのだと、どこか安堵もしていた。]
気づいていた、っていうか…。
奇跡か…。
だったら、…もしかしたら、僕たちはその奇跡がなければ自分たちの幸福や、目に見えない有り難さにずっと気づかなかったかもしれないね。
[オスカーをちらりと見て、そっと人差し指を唇にあてる。
内緒話、の合図はそれで伝わっただろう。]
昔、の話で、…これは僕じゃない誰かの話だよ。
ラルフさんも、そう思うでしょう?
[シメオンを探して来たらしいラルフを見上げて、純粋に同意を求めてみたり。]
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………わたしは、見つけただけ。
[川岸に流れ着いた少年。 それを見つけただけの、ただの猫又。 川で溺れたのだろう、と。それだけしか、知らない。
一体オスカーに何があったのか。 何も知らない猫又は、ただただ首を横に振るだけ]
(95) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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[柔らかい声を聞き、瞬く
黙ったまま、彼女の話を聞いて]
……
[自分から見れば孫どころではないぐらいに年齢が離れている
そんなことを、何度も思ったのに
こうして人の子に論され、教えられている自分がいる]
……そうじゃな
全て、お前の言う通りだと思う。
[涙が残る顔で微笑を彼女に向ける]
わたしも、向き合うべきなんじゃな……
もしかしたら、分かっていたのに逃げていたのかもしれん。
その子は、ずっと姿の変わらない友達と遊んでいたり、迷子になった時にどこかの神様が助けてくれたりしてたんだ。
その時は当たり前すぎて疑問にも思わなかったけれど、やがて生まれ故郷を離れ、違う場所でずっと暮らして……。
ある時、用があって舞い戻った故郷でやっぱり姿の変わらない昔馴染みや、昔助けてくれた神様が人の姿をしているのに再会したんだ。
常識的な脳みそはそんな馬鹿なことがあるはずない、って否定する。
でもね…覚えてるんだ。
楽しかったことや、嬉しかったことにこの人たちが関わっていた、ってことを。
[その誰か、が自分であることなどばれてもおかしくない話だ。
けれど、不思議とオスカーには言っても良い気がした。]
否定すべきだって思ってもね。駄目なんだよね。
思い出が楽しくて幸せで、ずーっと信じていたいんだ。
この娘は聡い子じゃな……ラルフ
[もう一度ラルフを見た時には表情に戸惑いは無く、真っ直ぐに彼を見つめた**]
[少しでもいい存在だけでも信じてあげられたら、と言うオスカーにきょとん、と目を見開いて。]
そっか…。
そうだね。
…ありがとう。
[少し肩が軽くなったような気がした。]
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……そういうことを、言ってんじゃない。 [リサの答え(>>94)に、苦笑して]
いや、違うって。 次の住処探すなら、人間の言葉喋れるいまの方が、話が早いだろう? ま、いつ、猫になるか判らんとはいえ……うちの村の人間なら、大抵、カメとかで慣れてるはずだしな。 いまのうち、頼んどいたほうがいいのじゃないのか、っていう……単に、老婆心だけどな。 [まあ、人に化けられるほどの猫に、そんな心配要らないのかもしれないが――と、また、苦笑]
(96) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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ああ、そうだ。
今日の夕ご飯のリクエストはある?
婦人会の手伝いに来てくれ、って言われてるから、頼めば何かご飯はもらえそうだけど。
そういえばお祭りの焼きそばと焼き鳥の試食があるって言ってたかな?
[そんな話をしながら、時間がくるまで、オスカーと話をしていた。**]
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……そうか。 見つけただけ……、うん。 [それでも、と]
……オスカーが、水の中にいる時間を短くしてくれたことには、違いない。 あいつの兄貴分として、礼をさせてくれ、リサ。 [発見しただけという言葉(>>95)に、頷いて。けれど、それでも感謝すべきことだと、そう思った。 まあ、どうやって礼を示すべきかは浮かばないけど]
(97) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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ううん、いいの。
[何十年も、猫の姿で生きていけたのだから。 これからも、そのままで。
それに、なんとなく。 猫のプライドが許さない…ような気がした]
(98) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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――ん、そうか。
……どうも、まったく。 俺の好意は、空回りするみたいだな。 [溜息吐いて、苦笑して]
(99) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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[見つけただけ。猫又には、それだけしかできなかった。 そう思っていたのに]
………うん。
[ジェフの言葉>>97に、小さく頷いた。 目の端から一滴の涙。頬を伝ってぽたりと落ちる。 それは汗のようにも見えて、 よく見ていなければ涙だとはわからなかっただろうけれど]
(100) 2012/08/15(Wed) 01時頃
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――ま、縛られたくないってのは、猫らしいか。 [住処を探せという忠告への、すげない答え(>>98)に]
でもま、あれだ、リサ。 お前が来たら、美味い魚をやってくれって、お袋に頼んでおくくらいは、いいだろ? [苦笑しつつ、そう言った]
(101) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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――……リサ? [ほんの一瞬。少女の目尻から、雫が落ちたように見えた(>>100)。 それは、単に汗だったのかもしれない。 けれど、今の自分には、それが涙のように思えた]
(102) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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に、しても――……、 …………、雨が降るかもしれないな。 [空模様を眺めて、溜息を吐く。 真っ黒に染まっている、山の方を見遣る。 本降りか通り雨かは兎も角、いつ、こちらも降り出してもおかしくない。 時折、ごろごろと遠雷が響いたかもしれない]
(103) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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良かった。
[シメオンの顔に笑みが浮かべばほっとしたように微笑んで。
叩いていた手を離すと静かに立ち上がった。]
私、ちょっと、しなきゃいけないことがあるんです。
もう大丈夫みたいだけれど、ラルフさん、彼の傍に居てあげてもらえますか?
[そう言って、その場を後にした。
しなければいけないこと、それは勿論、ここを抜け出す為の諸々の間取り等情報収集である**]
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[いよいよ人のいなくなった宿泊所。 持ってきたものを後片付けして、軽く掃除
そして]
あつい。なあ。
[雑貨屋へと、戻る、道すがら]
……あ。
[また、道路に転がっているセミを見つけた**]
(104) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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おさかな、うれしい。
[ふ、と微笑む。 猫の姿のときは、あまり贅沢できないから。 その生活が気に入ってるのだけれど。
しかし問題がひとつ。 ジェフのお袋さんがどの人だったか、思い出すところから始めなければ]
(105) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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[オスカーを追っていった一行にはついて行かず、ラウンジで ひとりになる]
…あー。
[ため息をついた。]**
(106) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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[猫又には、目尻から流れたそれが、 涙であることすら知らなかったかもしれない]
雨…
[薄暗くなってきた空。 ジェフの呟き>>103に同意するように、こくんと頷く。
あまり濡れたくないのだけれど。 それに、雨が降っているときに川に近づくのも。 今は人間の姿をしているけれど、気持ちは猫だ。 猫のちいさな身体なんて、すぐに流されてしまう。
川岸で見つけたオスカーの事を思い出して、すこしだけ川が怖くなった]
(107) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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……まあ、いいんだがな。 [微笑み(>>105)に、ぶすりと]
うちのお袋は、もう隣村に行ったからな。あとで、教えてやるけど。 [そのあと、一息おいて]
とはいえ……、 ……お袋と親父は、ロクな人間じゃあない。 何しろ、自分の子供ひとりさえ育て損ねるような人間だ。 [と、仮に事情を知っている景子あたりが知れば笑うようなことを言って]
なんだったら……とは思うが。 ……しかしま、都会ってのは、危険だし重ッ苦しいしな。 [また、溜息を]
(108) 2012/08/15(Wed) 01時半頃
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ロク…?都会、きけん?
[ため息をつくジェフ>>108に元気を出してもらおうと、 彼の頭を撫でようと手を伸ばす。 が、身長差から、手が届かなかったかもしれない]
ジェフ、ありがとう。
[ここを出てしばらくは、隣村で世話になろう。 ジェフの厚意に甘えてしまえ。 彼の両親の家は、しっかり覚えておこう。
すぐにいろいろな事を忘れてしまうけど、 今回は忘れないようにがんばる。
新しい目標を見出したように、ぐっと拳を握った]
(109) 2012/08/15(Wed) 02時頃
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[明に背中をさすってもらえば苦しさは遠のいて行く。ケホ、と涙目拭ってジェスチャーを確認すれば、目を瞬かせて、聞きに徹する。]
…………亀ちゃん?
[姿の変わらない友人にはこちらも覚えがあった。
彼がここで過ごすために用意した昔話の事は、よく知らなくて。
純粋に、つまりあの前置きは、敢えて自分だと示すためのものだと捉える。
明もあの村の出身らしい、思い出せない事に気を取られつつ。
『そんな馬鹿な事』確かに自分もそう思っていた。
信仰深いらしい血筋に関わらず、その類をあまり現実視していなかった少年は、実際自らが霊体になっても信じ難いものは沢山あったけれど。
今なら、驚くかもしれなくても、存在を受け入れる事ができる。]
その、不思議な友達との楽しかった思い出が、
……これからの明を支えてくんだろうね。
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……、いや、いいよ。
ちゃんと、お袋と親父には紹介する。 それで性に合わなきゃ……こことは全然違うが、ウチに来てもいい。 それはそれで、猫型のお前にとっちゃ、不幸なことなんだろうけどな。 [とは、苦笑した]
(110) 2012/08/15(Wed) 02時頃
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