人狼議事


215 【誰歓】エンドローグ

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【人】 ろくでなし リー

[ そこまでに同行者は居ただろうか。
 居たのなら少し探索してくると改めて告げ、
 和室の更に奥。見える階段へと足を掛けた。

   二階には何があったけなァ。

 ぼんやりと薄い記憶を浚いながら思い出そうと試みる。
 ――そうして、個室が幾つかあったはずだと思い至った。

 現実離れした出来事が続き、少しばかり疲れている。
 自己分析を行えば、疲労感を感じている事に気付く。

 少し休むのもいいかと、
 男は階段を軽快とは言い難い足取りで登り。
 目に付いた木製の扉を開いて中へと入る。
 6畳程度の和室に誰が敷いたのか布団が敷かれていた。

 此処が誰かの部屋だとまで考えが至らず、
 男は布団の上に身を投げ出すと半眼を覆う目蓋を引き下ろし、
 闇の中へと意識を落とした。*]

(95) 2015/02/04(Wed) 04時頃

【人】 ろくでなし リー

― 現実と夢想の境界 ―

朝早くから重い荷物を背負って趣いては、理不尽な言葉を浴びせられる場所。
臨也にとって学校とはそういうものだった。

まるで軍隊か何かのように真っ黒な同じ服を着て、同じ鞄を持って。
センパイやセンセイという存在には逆らってはいけない。

誰も口にせずとも誰もが知っている暗黙の了解。
…だけれど、臨也は堪らなくそれが異質で異常なものに思えて厭だった。

教室の扉を蹴り開けて入るなり、クラスを担当する「センセイ」へ、

  「――屋上行ってくらァ。」

告げるだけ告げて、可否も聞かず扉を閉める。
あとは廊下の端に位置する閑散とした階段を鼻歌交じりに登って、
立ち入り禁止の札のかかった屋上に続く鉄扉へ手を掛け、鍵も無いそこを開く。
そうして、校庭や町並みを見下ろす屋上の、――更に給水塔の上。
日当たりのいいその場所が臨也の指定席だった。

(96) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

何度も何度も出席が成績がと時には親すら呼ばれ、
話し合いの場が設けられはしたが、臨也は頑として定められたその部屋へは入らなかった。

…ただただ、退屈だったのだ。
既に頭の中にある知識を一時間近くも滔々と聞かされ続けることも、それを何度も繰り返すことも。
それに、狭い箱の中で他人サマがめいめい眠ったり喋ったりしているのを見ることも。

入学して暫くはそれでも退屈凌ぎと本を片手に椅子に身を屈めて聴講していたが、ヒステリックな女教師に気に入りの本を没収されてからとんと寄り付かなくなった。
教師の心情が理解できないわけではなかったが、よりによって珈琲を没収した本に零すとはどういう了見だと腹を立てたのは忘れ難い。…教師の顔は、忘れた。

本は一人の人間が丹精込めて作った一つの世界であり、それを覗く事で読者が作者の脳世界の一端に触れることが出来ると臨也は思っていた。
故に、知識ではなく世界を垣間見ることを欲して幾つもの本を読み漁るのが目下の日常であった、が。

日当たりのいい給水塔は程好く暖かく、眠気を誘う。
此処へ来るたび、――此処へ来る時だけは、臨也は無防備にも本を枕に寝てしまうのだった。

(97) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

  『 …らしくん。――ごじゅうあらしくん! 』

そんなある日のこと。常と同じように日差しに微睡んでいた耳を煩い音が叩いた。
臨也の意思とは関係なく、覚醒を強いようとするその声。…女の声だということは理解する。何処かに幼さを残したそれは、きっと教師のものではないだろう。聞き覚えも、無かった。
それに、臨也の名前はごじゅうあらしではない。……そう読めなくはない姓ではあるが。

漆黒を覆う目蓋を気怠く持ち上げれば、春の日差しが眼球を撫でて何度か瞬いた。
陽光が眩しい為に常は開ききりの本を顔の上に被せて置くのだが、今はそれがない。
そして、それが、臨也を覗き込んでいる女の手にあると知った時、臨也は露骨な舌打ちをした。

  「 ――…俺に、何か、用? 」

誰か知らないが、「センセイ」の差し金だろうか。――堪らなく、気に入らない。
感じる不快さを隠そうともせず、ぶっきらぼうに問いかけ、臨也は眠気の残る半眼を眇めた。

(98) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

固いアスファルトの上、起き上がった臨也は女の顔を睨め上げ、嘆息した。
恐らく眼前の女はそう珍しくもない所謂学級員タイプの女で、教室へ行こうだとか、ちゃんと授業を受けなきゃなんて、教師が言う事を繰り返しにやってきたに決まっているのだ。
今までが、そうだった。すげなく断り、すこぅしキツい言葉で追い返せばそういう人間は寄ってすら来なくなったものだったけれど。
だから臨也は殊更不機嫌を装い、対する女を見上げて、

  「 その本、返してくれねェか? 」

女の手にある気に入りの本の一つ。――珍しくもその時は絵本だったか。…の返却を求めたきり、押し黙った。
人と交わることよりも、本を通じてその作者の世界を覗き見ることの方が余程好ましいと思っていた臨也にとって、人との会話はそうそう好き好んで行うものではなかったのである。

  『 やーだ。返したら、
   ごじゅうあらしくん、私と話してくれないでしょう? 』

にこにこと笑いながら女――柔らかそうにふわりと広がる茶色髪の少女は首を傾げて、言った。

(99) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

少女の正体は知らなかったが、初対面を契機として、少女は時折屋上へと訪れるようになった。
――とは言え、昼休みや空き時間の僅かな間。臨也とは違って、少女は狭い箱庭の中で日常を過ごす人種だった。
煩わしく思いながらも、名前を名乗り、苗字は五十嵐(いがらし)であると告げると、少女は驚きと照れたような表情で、間違えてごめんねと謝った。

…そうして、代わりに聞いた少女の名前は、明日香(あすか)であると知れ。ついでにと苗字はとてもありふれたものであった。
個を殺すことを良しとしない臨也は、名前を聞き出したその時から少女の名前を呼称する事を選んだ。

明日香が何処で、臨也の名前を知ったのかは分からなかった。
彼女の首のリボンは臨也よりも一つ下の学年のもの。今時学校へ通わない人間や授業を抜け出して一箇所に屯する者など後を絶たないというのに。

一度、本人にそれを聞いてみたことがある。

  『 空が見たくて此処に来てみたら、
    たまたまリーくんが居たんだよ。 』

明日香はそう言って笑っていたっけ。その時には、臨也の呼び名はリーくんになっていたのだった。……明日香は、人にあだ名を付けるのが好きであったから。

(100) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

――そして、学校の端々を彩る桜色もすっかり見えなくなり、暫くして、騒々しい蝉の鳴き声も止み。
屋上も時々薄ら寒い空気が漂うようになった頃だったっけ。

  『 リーくん、演劇に興味ない? 』

すっかり少女が屋上の一角に居ることに慣れてしまった臨也へ、そんな提案が持ちかけられたのはその頃のこと。
屋上から見下ろす校庭の端々にも、遠くに見える町並みの中にも、橙色がぽつりぽつりと日々混じっていく中、その言葉は想像だにしなかったもので。柄にもなく驚いたのを憶えている。

それでも、戯曲や演劇を鑑賞することが嫌いではなかった臨也は、興味があると答えたのだった。明日香に告げていないことではあったけれど、共働きの両親は深夜過ぎまで家に戻ることはなく、閑散とした家の中、七色の羽の鸚哥だけが長い間、男の話し相手であったから。
何時の間にか、鸚哥相手に戯曲の一節を郎じてみたりなどすることが臨也の密かな趣味であった。

(101) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

【 とある少女の記憶 】

少女がこの世に生を受けてまだ五年かそこらの話。

  『 アンタなんか欲しくなかった。 』

度重なるごとに母親はそう少女へ告げるようになった。男の子がよかった。アンタなんて、要らない。
事あるごとに少女へ告げる母親の顔は、能面のようにのっぺらぼうだった。

それでも、毎日食料は与えられていたし、例え、背中に煙草の火が幾度も押し付けられようとも、母親の機嫌次第で殴られ蹴られたとしても、少女にとっては母親が全てで、見捨てられては生きてはいけないと、そう、思っていた。
父親というものは少女の世界には存在していなかった。小学校へ入ったばかりの頃、「お父さんって何?」と他の生徒へ聞いて、笑われたくらいだ。

だから、それ以来父親の話はしなくなった。そうして、顔以外の場所に火傷に青痣とが増えていく毎日。やがて少女は自分の事が嫌いになっていった。
母の言う通りの"いい子"で居られない自分。人に好かれることもなく、ただ影のように生きている自分。
――ただ、それでも、自分が自分では無くなる瞬間。自分では無いものになる事が出来る演劇はとても、――とても好きだった。

(102) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

だから、だろうか。何の気まぐれか、立ち入り禁止のはずの学校の屋上にふらりと訪れた時に知り合った少年。
その少年に、演劇について問いかけてみたのは。

ただ、自分と同じ価値観を持つ相手を探したかった。
――そんな無意識も、少女は知ることがないまま。

(103) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

― 何時かの発端 ―

少女から問いかけられた言葉に、臨也は好きだよと即答する。
役を演じることも、演じている人間を観察することも、臨也は嫌いではない。…寧ろ、好きな部類に入る。

  『 演劇部をね、作ろうって思ってるんだ。 』

だから、そう提案を受けたときには大して間を置かずに承諾した。
たった二人の演劇部。――それでも、志を同じくするものが集まるならきっと楽しくなるのだろうと。
詰まらないことも、退屈なことも嫌いな臨也であったが、きっと、この少女とならば退屈しないのだろうと臨也は当てのない確信を得ていた。

(104) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

果たして、少年と少女の作った演劇部は宣伝を打つこともせず、細々と戯曲の一場面を演じたり等して活動をしていた。

勿論、人数の極少数である部活に部費など下りる訳でもなく。――それでも、作り上げられた精巧な世界に触れ、常の自分から脱却して別の人物に成ることは楽しかった。

やる気のない顧問のセンセイも、なんだかんだと気を払って古びた部室を一つ与えてはくれ。屋上へと入り浸っていた臨也も次第にそこへと居場所を変えた。
閉じた世界。一人の少年と少女は「現実の自分とはかけ離れた存在」を幾人も幾人も小さいその箱の中で演じ続けた。

そうしているうち、少年は殆ど教室という狭い箱庭に顔を出さなかった弊害でそのままの学年に留まる事になった。
知っている知識ばかり。強制的に受けさせられていたテストとかいう代物は満点を取ることは容易であれど、狭い箱の中に自分を閉じ込めている事が臨也には耐えられないことであったのだ。

何時か、別の時に誰かに語った(>>0:264)ように多くの個に埋没することを臨也は許容できなかった。

(105) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

そうして、幾らか時が過ぎ。
何処から聞きつけてきたのか、臨也よりも年上の男が一人。ある夕暮れのこと。
入部届けと乱雑に書かれた紙を一枚、持ってきてにかりと「藤堂晋也」と名前を名乗った。

  『なんや、おもろそうな事してる部活がある聞いてな。
   俺も混ぜてくれや。』

第一声は確かそんな文句。独特のイントネーションで話すその男を拒否するでもなく、臨也も明日香も受け入れることにした。

二人では演じる演目には限界があったし、演劇は人が多いことに越したことは無いのだから。

その場で入部を許諾すると、臨也にも明日香にもセンパイというものに当たる男はよろしゅうな。と言ってにかりと白い歯を見せて笑ったのだった。

(106) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

それからは、演じる演目も増え、ビデオに演じる様子を記録したりと活動の幅も増え、放課後に一緒に帰宅するなんてことも増えていった。
「合宿」という言葉は誰が言い出したんだったか。一度、泊りがけでみんなで遊びに行かないか、なんて演技の練習を名目として、誰かが提案したのだった。

――それでも、部費も無い部活の合宿ではそうそう高い設備の場所に止まるわけにも行かず。
お世辞にも綺麗だとは言い難い隙間風の頻繁に吹き込む古い合宿所へ泊まりに行く事になったのだった。

元々が放任主義である臨也の両親は反対もせず、必要資金を渡しては行ってこいとただ一言告げただけだった。

(107) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

合宿所はそう広くもなく、設備も古いものだったが、偶然にも他の利用者は居ず。
深夜まで話を続けていても咎めるものもなく、非常に楽しいものとして記憶のそこに残っている。

  『 ねぇ、花火。しない? 』

それを提案したのは明日香だったか。合宿も最後だというその日、三人は明かりも疎らな合宿所の近くの空き地で花火をして、そうして暫くの三人だけの合宿は幕を閉じたのだった。

(108) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

演劇部として実のある合宿ではなくとも、それまで人と殆ど会話を交わすこともなく生を送ってきた臨也にとって、それは忘れられない記憶になった。
――それでも、そんな日々は長くは続きはしなかった。

  「 藤堂センパイが事故に遭った 」

そんな話を耳にしたのは合宿も終わって、僅か数日が経った頃。毎日のように顔を出していた彼が部室に姿が見えなくなって、案じはすれど、元々が気儘な人であったから、深刻な心配はしていなかった。
事故がどの程度のものであったのか、臨也は知らない。藤堂は自分の事を殆ど語ることがなく、ふらりと現れてはいなくなる。そんな人であったから。

ただ、風の噂で、もう彼の飄々とした顔を見ることは出来ないのだと知った。――知って、しまった。
それでも、そのことを知った明日香が泣きじゃくり、暫く食事も喉を通らないような状態になり、それを間近で見ていたから、臨也は涙一つ流すことが出来なかった。
ただただ、明日香が立ち直れるようにと、尽力しているうちに、自分が悲しいのか、泣きたいのか、それすら分からなくなった。

(109) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

しかし、時の流れは残酷で――ある意味、救いでもある。
それから幾年が経ち、臨也の黒い学生服も、明日香のセーラー服も、どちらも思い出の底や箪笥の底へと仕舞い込まれ。
古傷が時折じくじくと痛むだけになり、藤堂センパイの顔も朧のように思い出すことが難しくなり始めた頃。
臨也も明日香もそれぞれ別の学校へと進学し、そうそう頻繁に会うことも無くなっていった。

将来の夢を語る程にははっきりと進む方向が決まっていたわけではなくとも、何となく先へ先へと進んでいた。
きっと、このままレールの上を進み続けて大人というやつになるんだろうと臨也は思っていた。

(110) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

【 とある少女の記憶2 】

少女が偶然に出会った少年に好意を抱いたのは偶然だったかもしれないし、必然だったのかもしれない。
その少女はそれまで異性と関わることが殆どと言っていいほどになかった。
――…それに、少女と話したがる異性など滅多にいなかった。

長い前髪で両目を隠して教室の中では目立たないように、目立たないように。
何年も何年もそうして息を殺して生きてきたのだから。

だから、自分と普通に接してくれる五十嵐臨也という少年は、とても珍しく、少女には嬉しい存在だった。
それがやがて仄かな恋愛感情へと変わるまで時間はかからなかった。

彼と顔を合わせるときはヘアピンで長い髪を止め、顔を隠さずに向き合った。
二人で演技の練習をしている時が、一番、幸せだった。

(111) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

だから、時間が経ち、進学に当たって別の学校へと進んだ時にはとても寂しく感じた。
何時でも会えるとは言え、もう今までのように当たり前に傍にいることは叶わないのだと。

――だとしても、たまに遣り取りするメールの一言一言を目にする度、心が晴れやかになるような気がしたのだった。



…そうして会うことも少なくなり、メールだけの遣り取りが増えた頃だったか。
少女は極端に睡眠の時間が増え、何時か行った合宿所の夢を頻繁に見るようになった。

(112) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

【人】 ろくでなし リー

― 夢の始まり ―

明日香の様子がおかしいとそう耳にした頃には、彼女は既に消毒液の匂いのする白い部屋に横たわっていて。
何時訪れても大抵は眠り顔。食事もロクに受け付けず、水すら飲まないのだと…聞いた。

久しぶりに見た明日香の姿は、何時しかの溌剌とした面影などどこにもなく。
目を覚ましている時さえぼんやりと遠くを見ているようだった。

  『 最近ね、よく、夢を見るの。 
    昔、みんなで行ったあの合宿所の夢。 ――あの頃は、楽しかったなあ… 』

呟いた彼女の目は、何処かを見ているようで、何処も見ていないようだった。
――あまりに変わってしまった明日香に、臨也は、

  「 気分転換に、一度、テーマパークに行かねェかい。 」

医者に聞いたところ、動けないほど弱ってはいないということだったから、そんなことを尋ねてみた。
元々臨也は喧騒を好まないタチであったけれど、彼女がそういう場所が好きであるとは知っていたから。

(113) 2015/02/04(Wed) 05時半頃

ろくでなし リーは、メモを貼った。

2015/02/04(Wed) 05時半頃


【人】 ろくでなし リー

  『 ……リーくん、そういうとこは、嫌いじゃなかったの? 』

力なく笑った彼女は、それでも嬉しそうで。
体調のいい日にと決めて、幾日か後、夢の国と称されるテーマパークを訪れたのだった。

ピエロの手のひらから現れた薔薇の花(>>0:15)を子供たちに混じって嬉しそうに受け取り、時折眠たげにしながらも彼女の好物である飴を時折渡してやれば嬉しそうにしていた。

さすがに激しいアトラクションには乗せるわけには行かず、メリーゴーランドに乗って燥ぐ彼女を見ていた。

そうそう長くは居られなかったけれど、楽しい時間だった。
最後に、大きいテディベアのぬいぐるみを渡したら、その時ばかりは昔の彼女のように眩しい笑顔で受け取ってくれた。

(114) 2015/02/04(Wed) 07時半頃

【人】 ろくでなし リー

次に明日香に会いに赴いた時は、彼女は病室に飾られたテディベアの手をぎゅっと握り締め、それでも臨也の半眼より尚薄めた目でぼんやりと天井を眺めていた。
まるで、臨也が訪れるのを待っていたように、扉を潜る男を確認すると、彼女は言った。


  『 ――ごめんね、…ありがとう。 』


それが、臨也の聞いた明日香の最後の言葉だった。
その言葉を最後に再び意識を失った彼女が目を覚ますことはもう無く。

その後だったっけ。当時通っていた大学院の顔も声も忘れた誰かから、「 突然意識を無くして眠り続けて、そのまま死んでしまう病気があるらしい。 」なんて、噂話を聞いたのは。

(115) 2015/02/04(Wed) 07時半頃

【人】 ろくでなし リー

それから、臨也は大学院をやめてしまった。
もう、勉学をし続けることに意味を見い出せなくなっていたのだ。

学習することへの意識も、研究を行うことへの好奇心も。
全てが全て消えてしまったようで、何もする気力が起きず。

ただ、これからどうしたらいいのか。それすらもわからなくなり。
たまに何処かの劇団の配役に穴があいたと聞くと、その代役として出演する事だけをして日々を過ごしていた。

演じることだけが、無為に歳を重ねては失われていく過去を繋ぎ留めておけると、信じていた。


嗚呼、そんな生活を繰り返していた時だった。

          「 気付いたら、ここにいた。 」*

(116) 2015/02/04(Wed) 07時半頃

ろくでなし リーは、メモを貼った。

2015/02/04(Wed) 07時半頃


ろくでなし リーは、メモを貼った。

2015/02/04(Wed) 07時半頃


【人】 ろくでなし リー

― 二階/とある個室 ―

  ( アンタも、此処に来たのかい? )

[ 声に成る事すらない呟きは、男の心の奥の奥。
 小さく浮き上がっては、……消えた。

 …どれだけ意識を無くしていたのだろう。
 三十分?一時間?――それとも、もっと?

 目を開けた時、男は見たはずの夢を何一つ覚えていなかった。
 ――その代わり、目の端を一筋微温い液体が伝って、落ちた。

 …ただ、それだけ。
 頭の中を靄のように漂っていた眠気(>>0:265)は、
 まるで嘘のように綺麗さっぱりと無くなっていた。 ]

(160) 2015/02/05(Thu) 03時半頃

【人】 ろくでなし リー


  ――…アンタのいない世界。
       センパイのいない世界。

  そんなトコロに帰って、俺は…どうしたいんだろうなァ。

[ 此処から出る。
 それを望む者がきっと、多いのだろうけれど。
 ――男は黙々と思考を巡らせた。
 
 開かない扉(>>0:129)。割れない窓(>>54)。
 どこからも出られはしないという少女の言葉(>>0:@34)

 一つ一つを思い返し。
 仮に、此処から出たとして、――日常へ戻ったとして。
 待ち受けている現実は生きた屍と変わらぬもの。
 ……果たして、此処を出る意味は、あるのだろうか。

 そう思い至り、ぞくりと背筋を震わせた。]

(161) 2015/02/05(Thu) 03時半頃

【人】 ろくでなし リー

     ――――……何も。

[ 男には、何もないこと。
 ――友達と呼んだ鳥は何時しか命を失って、久しく。
 頭の中、決して色褪せはしない幾つもの記憶と、声と顔と。

 …それ以外に男を構成するものは何一つとして、無い。
 己の幸せを求める意味も、意義もとうに無くして。
 無関心な「親」という生き物は男に興味がなく。


 ただただ、ゆっくり、ゆっくりと、死へ向かう日常。

 此処を出たとして、男に待ち受けているのはそれだけだと。
 ……思い出したくも無かったことを思い出して、しまった。]

(162) 2015/02/05(Thu) 03時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ その時、派手なくしゃみがひとつ。
 勢いの為か、粟立った肌は元へと戻り。 ]

  …誰か、俺の噂でもしてんのかねェ…。

[ まさに自分の話が別の場所でされているとは知らず。
 >>144>>150鼻をひとつ、鳴らしては立ち上がり。

 不意に顔を向けた窓の外、
 男が意識を無くす前>>95と大して――全く、だろうか。
 顔に降る陽光の位置が変わっていないことに気付いた。]

  「異常時ほど冷静になれ――、」

  誰が言ったんだっけなァ。…ま。
   取り乱してみたところでどうしようもねェし。

[ 日の位置が変わらない場所なんて夢の世界じゃあるまいし、
 とは思いつつも既に男の頭は鈍麻を始めているようで。
 そういうモンか、と納得しかけていた。]

(163) 2015/02/05(Thu) 03時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ それでも、それはそれ。
 何時までも誰のものか知らぬ個室を占領するのも悪いかと、
 男は布団を丁寧に畳み、端へと寄せた。
 自分の身なりには気を使わずとも、公共のものは大事にしろ。
 幼い頃から煩く言われ続けて来たが故の習慣のようなもの。

 布団を片付け、脱いでいた下駄を履き直し。
 鼻緒が僅か解れているのを目敏く見つけては、
 そろそろ繕わなきゃいけねェなァ、なんて考え半分。

 廊下へとことり。音をさせて踏み出したのだった。
 はてさて、階段を登る足音>>155が聞こえた気がしたが、
 一つではなさそうなそれの持ち主の姿は見えたのだっけ。**]

(164) 2015/02/05(Thu) 03時半頃

ろくでなし リーは、メモを貼った。

2015/02/05(Thu) 04時頃


【人】 ろくでなし リー

[ 廊下へと踏み出した直後のこと。
 そう言えば他の面々はこの合宿所に覚えがあるのだろうか。
 はたとそんな考えが頭を過ぎって。
 そういえば男がここへ訪れた時分も、暫くの滞在の間に、
 小学生の集団(>>138)や、部活の合宿と思われる集団(>>0:5)
 を目にしたような朧気な記憶があった。

 チアキチ(>>0:132)やミズキ(>>0:253)のように覚えが無いと、
 明言している者も何人か居たようであったけれど。

 赤い斜陽の場所は変わらず。不自然なほどに室温は快適で。
 外へ出る手段もなく、又聞きしてうろ覚えであったが、
 食料はあった(>>0:203)と聞いたような気もする。 ]

(176) 2015/02/05(Thu) 20時半頃

【人】 ろくでなし リー

  ――…とんだ合宿に巻き込まれたもんだなァ。

[ 場所柄、愚痴を零して溜息を吐いた。
 …それでも、回りだした頭は止まらずに。

           ――望めば此処で暮らしていけるのでは?

 そんな一縷の思考を弾き出して、それきり、止まった。

 ぬるま湯の中に浸るように穏やかに穏やかに。
 思い出に埋没して、見たくもない未来を見ることもなく。

 それは何と魅力的なことだろう。…少なくとも、男にとっては。 ]

                      ――…あ?

[ そんなことを考えながらふらふらりと歩いていたものだから、
 階段を登ってきた人影を眼前にして>>172>>175
 随分と間の抜けた声を出してしまった。]

(177) 2015/02/05(Thu) 21時頃

【人】 ろくでなし リー

  ――あー…、……。
      タイチと…ミズキ、だっけ。

[ 面々の顔をじろじろと見ながら、
 半ば己への確認の意も込めて二人分の名を口にする。

 その直後、何を喋ったものかと、
 両手を下衣のポケットへと突っ込み、下駄を鳴らした。 ]

  ――――その、なんだ。

          お二人さんは…逢引で?

[ そうして出てきた言葉はそんなもの。
 男は最近の若者の恋愛事情なんて知らないものだから。

 個室の集まる二階へ顔見知りのようだった男女が二人で。
 ――つまりはそういうことなのだろうかと。
    心中で下世話な考えを巡らせ、若いっていいなァ。
                    なんて、密かに付け加えた。]

(178) 2015/02/05(Thu) 21時頃

ろくでなし リーは、メモを貼った。

2015/02/05(Thu) 21時頃


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