人狼議事


204 Rosey Snow-蟹薔薇村

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視点:


【人】 御者 バーナバス

―前日―
[頑是ない養い子の我儘とも呼べぬ我儘に>>2:515、笑みを浮かべて頷いた。]

 暖かい抱き枕があるんなら大歓迎だ。

[そう言って抱きかかえた体は男よりも随分細い。

思えば男が恋をして駆け落ち同然に最初の旅の同族達から離れたのは、プリシラよりもまだ幼い歳だ。
その時の男と比べても細っこくて少年の名残が色濃いプリシラへ、牙を突き立てたい欲求はあれど、むやみに泣かせたいわけではない。]

(140) 2014/11/19(Wed) 21時半頃

【人】 御者 バーナバス

[内側で爪を研ぐ獣の衝動は、大小の波となり男を襲うけれど。
それを飼い馴らすことに、とうに身は馴染んでいた。

否、あるいは既に一つのものとなっていたのか。

牙に、爪に、悩みながらそれを在る物として受け入れて。
人の心と獣の心を併せて、生きる術へと変えていく。

疲れないわけではない。
けれど、抱きしめた養い子の命を、存在を、尊いと思うのは人の心で、守る存在だと決めたのは獣の心で。

人と獣の両方で愛していた。*]

(142) 2014/11/19(Wed) 21時半頃

御者 バーナバスは、メモを貼った。

2014/11/19(Wed) 21時半頃


【人】 御者 バーナバス

―夜明け前―
[ぎし、と雪の重みでどこかが軋む。
小さな音に意識が起き上がるのは昔の名残。

まだ腕の中のプリシラが眠っていることに安堵して、ゆっくりと獣は瞳を見開く。

薄く立ち昇る血の匂いにどこかのバカが何をしでかした、と眉を顰めるも、まさか臓腑を食い荒らされて息絶えたとまでは思わない。
意識はまだ、眠りの淵に捕らわれかけている。

血の匂いに穏やかならざる胸騒ぎを覚えることが不愉快で、傍で眠る仔狼の唇を食むようにして触れた。

吐息の零れる唇へと触れて、噛みつく以上に穏やかな気持ちになることに安らぐ。

抱きしめなおした温もりと眠りを妨げる声が>>86、次の目覚めの合図だった。]

(165) 2014/11/19(Wed) 22時頃

メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 御者 バーナバス

―3F・個室―
[扉を叩く音と、昔馴染みの声に目を覚ます。>>86
既に起きていたプリシラが、表現し難い表情で声のする方を見つめていた。>>117
今起きたと告げれば、出直すと言われ>>87声は遠ざかる。]

 分かった。後でな。

[眠気混じりに扉の向こうへと答えた。]

(180) 2014/11/19(Wed) 22時半頃

【人】 御者 バーナバス

[プリシラの内心には気がつかないまま、彼が風呂へ行くと言えば>>117少し表情を歪める。]

 あんまり長居はすんなよ。

[昨日だって、ほんの少しの間だから、と。そう思って離れたのがそもそもの間違いだった。
二度目はごめんだ。]

(182) 2014/11/19(Wed) 22時半頃

メモを貼った。


メモを貼った。


[少女について書かれた文章には続きがある。

禁断の赤い果実――欲望の実を食べた少女は、
街を追われることになる。
実を食べたものは皆魔物になってしまうと信じられていたからだ。
友人達にも、両親にも責め立てられ、しかし愛しい人がいる街から離れたくなかった少女は、街の中を逃げまどう。
逃げ切れなくてもいい、せめて最後に愛しい少年に会えたら
――少女の願いが通じたのか、少女の前に少年が現れた。

「僕はずっと君を見ていた」
少年は、少女にそう告げる。
少女が少年を見ていたように少年もまた、少女を見ていたのだ。
「だからせめて君が魔物になってしまう前に、
綺麗なままで終わらせてあげたいんだ」
少年は手にしていた槍で少女の腹を刺し貫く。
少女は、最後に少女に会えた喜びと、想いが通じていたことの嬉しさの中で息絶える。

それが、少女の結末。]


[少女は幸せな最期を迎えた。

――では、自分はどうなのだろう?]


【人】 御者 バーナバス

―→2F居間―
[扉を開けて階段を下りる。
小さく、鼻を聞かせて。昨日にはなかった匂いを嗅ぐ。
昔よく嗅いだ血の匂い。

目を凝らせば、木目とは異なる赤茶けた染みが薄く残っていた。>>87

隠蔽のお粗末さは明らかに手慣れていない。
要するに、大多数には予想外の何かが起こっている。

そんなことを考えているうちに、階下から賑やかどころではない声と音とが聞こえて、思わず顔をしかめた。]

(189) 2014/11/19(Wed) 22時半頃

[救いは、そう簡単には訪れないらしい。
ただの肉の塊となり果てた自らの死体を見下ろして、ディーンは小さく息を吐く。

彼に食べられたことも、その所為で命が潰えたことも自分の選択の結果だ。構いはしない。しかし、何故死して尚自分がこの場にいるのかがディーンには理解できない。自分の選択の結末を見届けろ、ということなのだろうか。]

 ――……。

[何にせよ、自分の身体に用は無い。
これはニコラにあげたものだ。
ディーンは部屋を出て廊下に向かう。
拭かれた痕跡がありながらも、まだうっすらと血の跡が残っている階段を降りていく。足音はしない。]


[死体の前にいる人は、藁に包まれた物をじっと見ていた。
―――食べられたのだ、とわかった。


でも、この人は誰だっけ。
悲しそうな目をした、若草色の髪をしたこの人は、誰だっけ]

 ………名前、なぁに

[眠るような、赤に濡れた金髪の、自分。
知っているのに、わからない。

問いかけても当然、答えは返ってこない]


― 2階・居間 ―

[血の足跡が消されていても、彼の居場所はすぐに分かった。
恐らく、彼がずっと持っていると約束してくれた自分の瞳があるからだろうとディーンは推測する。
物音も無くすり抜けるように居間に入る。
ペチカの温かみは感じられない。]

 ――……ニコラ。

[ずっと一緒だと約束をした。
吸い寄せられるかのようにニコラの傍に立ち、柔らかな日の色の髪に唇を落とす。

そういえば、全てをあげるとも約束した。
今のこの――幽霊ともいうべき自分は、どのようにして彼にあげれば良いのだろう。]


[自分の全てを捨て、愛しい者に全てを与えたディーンには、
他に傍にいるべき相手はいない。
大切なもの――大切だったものは、昔馴染みに託してきた。
本当はあったかもしれない傍にいる資格すらも、捨ててきた。

ベネットならば彼を正しく守ってくれるだろうと信じていた。
彼の命ももう失われているのだとは、まだ、知らない。]


[置いてきたもの、ひとつ。
それが名前。

顔をあげて、振り返った。
一歩踏み出すごとに、少しずつ何かが毀れていく。

少しずつ身体が、軽くなっていく。
意識せずとも―――

意識とは、なんだろう]

 なん、だっけ

[生きているうちに諦めたものから、ひとつずつ、毀れていく]


 フィ、   リップ

[違う、と思った。

いや、違わない。
それは確かに彼の名前で―――  でも]


[二階に続く階段を見上げた。
その途中、あのあたりで、涙を零した"記憶"があった。

もう靴音はしない。
段が軋む音もしない。

暖かさに包まれていた、昨日。
腰を下ろしていた段に手で触れて、
そしてそのまま、さらに上へ]


[ニコラが大事に抱えているもの。
それが自分の眼球だと、すぐに気付いた。
彼は言った通りに、大事にしてくれている。
いずれは腐り落ちていくけれど、せめてそれまでは、彼の手の中にあって欲しいと願うばかりだ。

居間に起こる出来事の全てを視界に収めながら、ディーンが意識するのは彼の周りのことに限られる。
ニコラの横に並ぶように立ちながら、ディーンはそっと指先で明るい金の髪に触れていた。]

 …………?

[何かの動く気配がする。
人の足音とはまた異なる――ずっと前から慣れ親しんだ気配だ。]


フィリップに追い抜かれてぼんやりと見送る形に


[二階に着くころには、もう前をかけていった彼の名前は忘れてしまった。
もう呼ぶことはないだろうから、問題ないだろう。

大きく開いた扉。
ラルフ、という"名前"が聞こえた。
顔が浮かんで――すぐに消えた。

此処には入りたくなかったような、気がする。
俯けば、入り口入ってすぐの場所、
誰かの足にけられたのか、隅のほうに
何かの、包みが見えた]


 ――……シメオン?

[まさか、そんなはずはない。
思い浮かんだ名前を口にしてから、ディーンは瞼を伏せる。

しかし、他に慣れた気配だなんて思うものがあるだろうか。
自らの欲望を認めるまで――自分の「太陽」を見つけるまで、
ディーンの一番近くにいたのは、彼だ。

勘違いであって欲しい。
死して尚身勝手なことを願い、ディーンは重い溜息をついた。**]


メモを貼った。


[知らない"名前"が聞こえて、顔をあげた。
誰、だったろうか。「友達」の頭を撫でている、人。

目が合った気がしたけれど、そんなはずはない。
そんなはずは、ない。

ゆっくりと首を振ると、その場にしゃがみこんだ。
転がっている包みに手を伸ばす。
触れ―――られなかった]


 ……駄目、だなぁ

[何も出来やしない。
溜息,ついてー―空気は震えなかったけれどー―そのままこの暖かいだろう場所を出ようと背を向けて、

一度、振り返った。
目は合っただろうか。

そんなはずは、ないけれど]


[上を目指す。
欠片を拾いに、新たな記憶を零しながら、上へ。

いつの間にやら靴も忘れて裸足だったけれど
床の冷たさから感じる痛みも忘れてしまった。

それでも右足は引きずって、階段を上る**]


メモを貼った。


【人】 御者 バーナバス

[階下の騒ぎの中、さっと視線を走らせて男は連れの姿のないことを確かめる。

いったい何の騒ぎだ、と。
騒ぎばかりがおきすぎる、とため息を吐き出しながら**]

(286) 2014/11/20(Thu) 01時半頃

御者 バーナバスは、メモを貼った。

2014/11/20(Thu) 01時半頃


【人】 御者 バーナバス

[階段の壁に背を持たせ掛け、今をじっと眺めている。

幼馴染とその一行が賑やかなのが、こんな時でなければ微笑ましく映るだろうに。
昨夜の一件以来、ノックスの連れが不気味な物体にしか見えない。

人の心と獣の性質。
その二つを持ち合わせているが故の後悔も、苦しみも、幼い笑顔には見られない。
少なくとも、忘れるには短すぎる時間であるはずだ。]

(403) 2014/11/20(Thu) 18時頃

【人】 御者 バーナバス

[だから続いたラルフの悲鳴と、それをもたらしたノックスの連れの行動に、驚くよりも先に納得してしまった。]

 どういう躾してんだ、あの馬鹿…っ。

[舌打ちするも、己が駆け寄るよりも先に悲鳴を聞きつけた保護者が駆け寄ってくる。
犬がまろうぶような勢いで走って、周囲など見えていない。>>289]

(404) 2014/11/20(Thu) 18時頃

バーナバスは、ベネットの謝る声に肩を竦めた。

2014/11/20(Thu) 18時頃


御者 バーナバスは、メモを貼った。

2014/11/20(Thu) 18時頃


【人】 御者 バーナバス

[ラルフを連れて慌ただしく三階へと駆け昇っていくフランシスたち。
階下へと姿を消す幼馴染たち。
その中にいない人間を見咎めて、今降りたばかりの階段を上る。

声が聞こえる部屋はフランシスたちの使う部屋。
招き入れられたノックスたちの部屋。
自分たちの部屋。

残る一つに手を伸ばす。

がらんとした部屋に落ちる静寂と素っ気なさに、この部屋を使う人間のないことを知る。
姿が見えないのは――。*]

(410) 2014/11/20(Thu) 20時頃

【人】 御者 バーナバス

[獣であることを嘆くうちはまだいい。
人であることに息苦しさを思えているうちはまだいい。

そのどちらでもなくなった時には。

それは人なのか、獣なのか。]

(412) 2014/11/20(Thu) 20時頃

【人】 御者 バーナバス

[姿の見えない二人分。
消したのは誰だ。

少なくとも一つは確信に近い答えを持っている。]

 ノックスに会わなきゃな。

[答えに一番近しい場所にいる幼馴染のいるはずの一階へ足を向ける。
今は無人の部屋に寄ったおかげでプリシラとすれ違ったとは知らない。]

(413) 2014/11/20(Thu) 20時頃

【人】 御者 バーナバス

[本能に任せて愛しい相手を喰らったところで、結局何も手に入らない。
何も残らない。

繰り返し伝える悲劇と禁忌は、裏を返せば何かのきっかけで容易くそれが起こり得るということ。

表だって問題にならないのは、罪を恥じ入り隠そうとする人の心ゆえ。
暴かれるよりも先に、己の罪業に自らの手で幕引きを迎える者が多いため。

そうでない者は、同族が手を下すしかないのだ。
人に見つかる前に。]

(415) 2014/11/20(Thu) 20時半頃

【人】 御者 バーナバス

[愛しさゆえに人を喰らった狼が、住まう里の同族ごと焼かれ死ぬ。
善悪の分からない仔狼が無邪気に裂いた友人の腸と同じく、自らも臓物をぶちまけて木に吊るされて見せしめとされる。

おとぎ話になぞらえた戒めは、けれど決して遠い現実のものではない。]

(417) 2014/11/20(Thu) 20時半頃

【人】 御者 バーナバス

[狼の本能に怯える人の心根があるうちはまだいい。
傷つける恐怖と、傷つけたとしてもその後悔が、それ以上の災禍を招くことを押さえてくれる。

人としての息苦しさを覚えているうちはいい。
己が獣だと自覚すれば、人と交わろうという気は薄く、互いに害の少ない生き場所を求める。

どちらも持ち合わせないものは――悲劇だ。

人の世にあっては人に害を為し、同族の群れに危険を呼び込む。
罪過に気がつかぬは、己ひとつで。]

(423) 2014/11/20(Thu) 20時半頃

【人】 御者 バーナバス

[踏みにじってはいけないものを容易く踏みにじり。
手折ってはいけないものを無邪気に手折る。

そんな生き物を、獣とはもう呼べない。
獣とは、もう呼ばない。

それはただの――]

(425) 2014/11/20(Thu) 20時半頃

【人】 御者 バーナバス

―→1F―

 ノックス、いるのか?

[一階へと足を向けたその先。
幼馴染が彼の同行者とともにいるのを見かけたか。]

 手当てしてんなら構わねえよ。
 先に湯でも浴びてくる。

[二人に纏わりつかれるようにしている幼馴染の表情に苦しいものはなかっただろうか?
数秒、その表情を見て、何も言わず温泉の方へと。

小さく、口が形づくった音をノックス以外が読み取れはしなかったろう。]

(430) 2014/11/20(Thu) 20時半頃

【人】 御者 バーナバス

[ノックスの表情が変わるのをじっと見て。
それになんでもないことのように背を向ける。

大事な幼馴染。
ただ、互いの経た時の隔たりと、体験の積もったものはその価値観を容易く変える。

大事なものも、愛する者も。]

(435) 2014/11/20(Thu) 21時頃

【人】 御者 バーナバス

[待って、と引き留める声に振り返る。]

 んな長風呂しねえよ。
 すぐに上がるから…お前はお前で考えまとめとけ、っつーこった。
[ひら、と後ろ手に手を振って。
何よりも男自身の蟠りを今は何かで紛らわせたかった。]

(449) 2014/11/20(Thu) 21時頃

【人】 御者 バーナバス

[傷だらけの体を湯に沈める。

体温が上がれば普段なら目立たない傷痕まで浮き上がってくるので、あまり誰かと湯に浸かるような習慣はない。

プリシラと最初に温泉地へ宿泊して、傷痕に驚かれたことも、浮き上がった傷痕に「痛そう」と泣きそうな顔をされたことを思い出す。

泣きそうな顔の方が痛々しくて、男は自分の古傷どころではなかったのだが。]

(450) 2014/11/20(Thu) 21時頃

【人】 御者 バーナバス

 ちょっと思い出があるかと思えば…ったく。

[いつの間にか、何かあれば真っ先に思い出すのは決まってしまっている。
好みの酌婦でも思い出せばいいものを、と思いながら。それが本音でないことも分かっていた。

温かな湯のおかげで少し余裕が出たのか。

適当に温まった体に衣服を着こみ、まだいるであろうノックスたちの方へと顔を出す。]

(453) 2014/11/20(Thu) 21時頃

メモを貼った。


【人】 御者 バーナバス

[力なく笑う顔は>>469、どうしようと小首を傾げた昔のまま。
]

 んだよ。
 なんかあったのか。

[何か、はあっただろう。
もうとうに取り返しのつかないこと。

けれど、男は幼馴染のためではなく、男本人のために尋ねるのだ。]

(476) 2014/11/20(Thu) 22時頃

― 少し前の居間でのこと ―

[名を呼んだ後、ディーンはしばらく気配のした方を見ていた。
一瞬目が合いそうになったのを逃げるように逸らして、屈みこむ背中をじっと見つめて、もう一度、彼が振り返った時は確かに、目が合った。]

 ――……シメオン。

[ディーンはもう一度呟く。
確かに彼はこちらを見ていた。
ニコラにさえ見えないこの姿を、確かに見ていた。
それは、彼が自分と同じ状態であるということを表している。

つまり、彼の命もまた、潰えたのだ。]


[ディーンは、ニコラの金の髪に視線を落とす。
彼の幸せを願っていた。それを一緒に探すことは出来なくとも、幸せになって欲しいと願っていた。

彼と共に旅をするきっかけになったのは、彼が右脚を食われたことだ。彼の右脚を食べたのは、ディーンのいた旅芸人の一座の一人だった。
足が上手く動かなくなった彼の面倒を、誰かが責任を持って見る必要がある。そうして白羽の矢が立ったのは、彼の遠い親戚でもあるディーンだった。
日常的に触れ合っていたほど近しいわけでもなく完全に無縁とも言えない遠い親戚という関係性は、周囲の大人たちにとっては都合の良い理由になった。

共通点といえるのは、せいぜい金の髪の色ぐらいのものだ。
しかしそれでも、シメオンと初めて会った時、ディーンは彼が自分の太陽だと思ったのだ。
彼が、我慢の上に成り立っている暗い道を照らす光だと。

しかし、ディーンの太陽は他にあった。
今ならば分かる。自分はただ、縋るものが欲しかっただけだ。
だからこそ、子供である彼を太陽だと思った。思おうとした。]


メモを貼った。


[いうなれば彼は、我儘の犠牲者だった。
最低限の接触以外を避け、まるで神聖なもののように扱って、結果的に彼に寂しさを植え付けた。
そうして最後には彼の為だと詭弁を使って彼を捨て、自分だけが楽になろうとした。

それは、許されざる罪のように、ディーンには思えた。]

 …………。

[唯一、醜い自分を受け入れてくれたニコラの髪に触れる。
一房抓んで、唇を落とした。それは祈りの代わりだった。
全てをニコラに差し出した。
しかし、今残っているこの、ひとかけらは。
彼に差し出そうとも差し出せない、今の自分は。

最後の機会、なのではないか?]


 ニコラ。少し、行ってくる。
 ……必ず、君の元に帰るから
 ――少しだけ……許して欲しい。

[ディーンにとっての唯一は、ニコラを置いて他には無い。
今、彼に声が届かないことは分かっている。
分かっていても、そう言い置いて居間から階下へと向かうニコラの側を一時離れて、シメオンの去った方向へ向かう。]

 ――……シメオン!

[そうして、一際大きな声で、名前を呼んだ。]


【人】 御者 バーナバス

[平等は残酷>>483、その言葉に何でもないように笑う。]

 ふうん…、平等に見えてるだけ、かもしれねえけどな。

[良くある子供の我儘だと肩を竦めて。

ノックスの要求に合わせて、そっと仔狼たちから距離をとった。>>488]

(499) 2014/11/20(Thu) 22時半頃

[階段を上る。
薄暗い扉が並ぶ廊下。
空っぽの部屋の前で立ち止まった。

扉に手をかけて――触れられはしなかったけれど――そのまま、立ち止まった。
どうしようかな、と首を傾げて、
何故此処に入ろうとしたのだっけ、とまた考えた]

 ………え?

["名前"が聞こえた。
よく知っているような、けれど何故だか馴染みの薄い名前。
二人旅、元々言葉少なな彼との道行きで
名を呼ばれることはそう多くはなかったから――]


[ノブを回さずにそのまま扉を押すと――"開いた"
中に入り、後ろ手に閉める。
いつかとは違い、そのまま部屋の中へ進み、寝台に腰掛けた]

 なんだったかな…

[聞こえた名前。呼ばれた、名前。
覚えているのに、忘れてしまった。

――もう呼ぶ人なんて、いないと思ったのに。

覚えている想い、靄のかかる記憶。
足を組んで、右足を擦って
息を吐いても、もう白くはなかった]


[シメオンの去った階段を昇り、ディーンはそこで足を止める少年の姿を見つけた。
これまで彼の名を呼ぶのに、声を張ったことなどなかった。
その必要性がなかったからだ。

ディーンは、ふと考える。
自分が子供の頃、飲み込んだ我儘がいくつあっただろうか。
言ってはいけないと思っていた事がどれだけあっただろうか。
――それらを溜め込んだせいで、より一層苦しむことになったのではないか。]

 ……シメオン。

[彼が消えたドアの向こうを暫し見つめてから、ディーンはその姿を追い、部屋の中に入る。
寝台に腰掛ける姿を見てもう一度、今度はいつもの音量で名前を呼んだ。]


 ……それ、俺の名前?

[入ってきた彼の姿は、確かな存在に見えるのに
明らかに話しかけてくるその様子は生者のものではない。
わからないのに、胸が痛んだ。
思わず、顔が歪み、涙が出そうになって俯くほどの、痛み。

わからないのに、覚えてないのに
感情だけ残るなんて、そんなの理不尽だ]


 何か、用?

[これで、違うと
それは君の名前じゃないと言われたら。
想像したら少し笑えた。

彼も誰かに食べられたのかな――
顔をあげ、真っ黒に見える瞳を見つめながら、思いを巡らす]


 …………ああ。

[問われた内容を把握する為の間が空いた。
どうやら彼は自分の名前を覚えていないらしい、と理解して、ディーンは僅かに目を伏せ、彼の問いを肯定する。

それから、彼の前に歩み寄って見上げる顔をま近くに見下ろす位置に立つ。]

 君は、シメオンという名前で……
 僕の、たった一人の  家族、だった。

[言い慣れない言葉に、眉を寄せる。]


 家族に会うのに……理由は、いらない。

[どんな物語でも、芝居でもそうだ。
現実がそうであるかどうかは定かではないが――そうであって欲しいと、思う。]


 ………家族

[声にしてみても実感がわかない。
またひとつ、"記憶"が消えた気がしたけれど
忘れたものがなんなのかなんて、わかるはずもない。

すぐ近くにある瞳を見上げて、
その表情が――読めなくて。
手を伸ばしてみた。
理由はない。
だって、理由なんていらないんでしょう?]


[家族といっても、所詮は他人だ。
ならば他人でも家族になれる。

そう、思っていたこともあった。
思い出して、なくしたもの。

もうきっと、彼の表情は読み取れない]

 名前

[いらない、もの]

 名前、なんていうの

[それでも呼ぶのは、好きだった]


[手が伸びてくる。
これまで、彼に手を貸す以外――つまり、自分の手以外を彼に触らせたことはない。
反射的に逃げそうになって踏みとどまった。
触れられることを厭う理由は、もう無いのだ。

シメオンの指先は頬に触れた。
体温は感じない。
ディーンの眉間に寄った皺が、僅かに緩む。]

 ……ディーン・クロフォード、だ。
 君の名前は、シメオン・クロフォード。

 僕の、弟だ。

[姓なんて必要がないと思っていた。
しかしそれは、家族であるということを示す為の記号だ。]


[頬に届いた指がびく、と震える。
そこでようやく、触れられるとは思っていなかったことに気づく。
少し前、痛みに冷たくなっていた胸の中がふわりと温まって
そのまま頬を引っ張ろうとしてみる。
ちょっとした悪戯心、避けられるだろうと、やはり思いながら]

 ディーン
 ……ディーン、  おにい、ちゃん?

[幼い呼び方。
どっちがおにいちゃんなの――幼い声が過って、消えた]


[まさか、引っ張られるとは予想もしていなかった。
しかし我儘の一つも言わなかったシメオンのことを思えば――そんな彼に甘えていたことを思えば、頬の肉が多少伸びるぐらいは仕方が無い。
それに何より、シメオンの手を引き剥がすことは出来ない。]

 ……呼び捨てで、いい。

[おにいちゃん、はむず痒い。
照れも何もかもをいつも通りの気難しい表情の奥に隠して、ディーンは必要最低限だけを告げる。

シメオンの記憶に欠落があるらしいこと、それ以外は何ら変わらないように思える時間。
――しかし、旅はもう終わった。
いつまでも続く時間は無く、ディーンには帰るべき場所が出来た。]


 シメオン……僕たちは旅をしていた。
 でも、それももう、終わった。

 ……僕は、君を裏切った。
 でも、君のことは今でも、大事だと思っている。
 ――幸せであって欲しいと、願っている。

[果たして、今の彼にこの言葉は届くだろうか。
ディーンには分からない。
しかし、告げるべきことであると思ったのだ。

名前を呼ばれた。
ディーンは静かに背後を振り返り、口元にささやかな笑みを浮かべる。
再びシメオンに向き合った時、ディーンの片目が失せ、ぽっかりと穴が空いていた。]


[たとえもう一度、山小屋での数日間をやり直すことになったとしても、同じ道を選ぶだろう。
ディーンが選ぶのは、連れ添った弟を守って共にいる道では無く、ずっと待ち続けた太陽に身を捧げる道だ。

ディーンの片目は、ここにはない。
いや、片目だけではなく、命も、心も、全部。
残るひとかけらは、残滓だ。
――死に至る間際に一瞬だけ見た、眩しい日の光の名残。]

 …………シメオン。
 君は僕の、大事な弟だった。

[全ては過去形になる。
ディーンからシメオンに手を伸ばすことは、できない。**]


[掴んだ頬を、笑みの形になるように引っ張って
その似合わなさに声をあげて笑った]

 ディーン  か
 うん、呼び捨てじゃなきゃ変だね

[手を離し、膝の上に戻すと落ちつかない様子で握ったり開いたり。そうしながら続く言葉を、聞いていた]


メモを貼った。


 変なの

[彼の言葉は、悲しいくらい、おかしかった。
死んだ者に、先はない。
少しずつ毀れていく欠片は過去のもので
毀すものすらなくなったら、いつか消えるのだ]

 ……変なの、そんなの
 生きている人に、願ってあげて

[叶いやしない、とは。言わないでおいた。
口にするのは、やはり少し、悲しかったから]


[振り返った彼の顔には、暗い空洞があって
それはきっと、最初からあったもの。
遺してきたことを、少しだけ忘れていたのだろうと
自分に照らし合わせてそう、考えた]

 家族、って言葉憧れてたけどさ

[それは、無条件に愛される証だと
そう、夢見ていたから]

 いいんだ、そんなの
 そんなのもう ……忘れてしまって、いいんだよ

[そうして、笑う。
笑い方を、まだ覚えていて良かった。

早く、この"悲しい"も忘れてしまえたらいいのに]


 ありがとう、   ……ディーン

[それでも、呼んでいるうちは忘れない。
忘れないように、もう一度呼んだ。

名前だけ覚えていて、
そして早く――消えてしまおう**]


メモを貼った。


【人】 御者 バーナバス

[ノックスの言葉に、頷いた。>>556]

 そうだな、あちらも俺たちの知らないことを知っているかもしれん。

[また後で、と手を振る幼馴染に手を振りかえし、はた、と足を止める。]

 ノックス、

[小さく、彼にだけ囁く。]

(562) 2014/11/21(Fri) 01時頃

【人】 御者 バーナバス

―3F個室―
[湯浴みついでに食料貯蔵庫から酒瓶を見つけだし、遠慮なく部屋へと持ち帰る。]

 どうした?

[落ち着かない様子のプリシラに衝動の兆しが見え始めていることも知らず>>554、風邪でもひいたかと額に手を当てる。

体温が高いのは湯上りのせいか、あるいは欲望を吐き出したせいかもしれないが。]

 少し熱いか。

[するり、と手は額から首へ。
やはり常よりも熱い気がして、プリシラの顔を覗き込んだ。]

(566) 2014/11/21(Fri) 01時頃

【人】 御者 バーナバス

[目線は上手く合わせられたのか。

夜明け前に口づけたことさえ悟らせないほど、表向きは平静なまま。
ゆっくりと何かを踏み越えようとしていた。**]

(568) 2014/11/21(Fri) 01時頃

御者 バーナバスは、メモを貼った。

2014/11/21(Fri) 01時半頃


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