73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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──音楽室── [音楽室で一人、意識だけの存在のまま、佇む。 何かが終わる気配がした。時がゆっくりと動き出したような、そんな予感。 それでも、自分は目を覚まそうと、思うことはなく────
視線を床に移せば、横たわる自らの身体。 幼い頃から、願い続けてきたことが今目の前にある。叶わないと思っていた願い。いつしか願うことすら諦めていた願い。
鏡越しの自分への口付けは冷たさしか齎さない。自分の顔がそこにあっても、触れる実態は所詮鏡なのだ。 だから、願った。生身の自分と向き合いたいと、ただそれだけを……── 自分の身体を抱きしめることはできる。そうやって、寂しさを癒そうとして、だけど思い知らされる。 どれだけ、自分を愛したところで、自分とは口付けを交わせない。
それが、未だ意識だけの存在として此処に残る理由。目の前にあるのは紛れも無く生身の自分の身体。 願い続けた生身の自分の身体を前に、その頬にそっと手を伸ばす]
(62) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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………触れられる、わけ、ない……か。
[何の感触も無く、すり抜ける自分の手。 こういう形で願いが叶うとは思わなかった。そもそも、これは叶ったと言えるのだろうか。
感じるのは、軽い絶望感、否、喪失感と呼ぶほうが近いか。目の前が真っ暗になるような気がした。
ここが非現実の世界であることは分かっている。 現実の世界は自分には優しくなかった。非現実の世界も自分には優しくない。 どうあっても、どんな世界でも、自分は生身の自分と向き合って、触れあうことはできないことを思い知らされた。 分かっていたのに、それがどうしようもなく哀しい。
もう諦めるべきなのだ。全てを手放せば、楽になれる]
(63) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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僕は……きっと、…ずっと。
[堕ちていなくて良かったとレオナルドが紡いでくれた言葉>>6:76が甦る。 堕ちたかったのかと言われると、そうではない。でも、何もかも忘れたいと思っていたのもまた事実。
這い上がれないほど、堕ちてしまえれば、楽になれたのだろうか。今となっては言っても詮無きこと。振り払うように、一度首を振る]
…………
[意識だけの自分の手を広げて、目の前で翳す。 生身の自分の小指に咲いた紅痕。それは薔薇の棘が刺さったかのように小さな痕。 意識だけの自分の小指にも何故咲いたか、分からない。
演奏家らしい無骨な指。されど、自分が自分と向き合ってきた年月を物語っている指。愛しく思わないはずがない。 徐に、意識だけの自分の親指を口元に持って行き、労うようにそっと口付ける。 次に、人差し指。その次は中指、そして薬指まで口付けて、睫毛を伏せる]
(64) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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………なんで、だろう。
[小指にも口付けようと、唇を寄せるも、どうしてか触れられない。 唇と小指の距離は1mm。少し指が震えるだけでも、触れることができる距離なのに、それ以上は距離を縮められない。
なんでと紡ぎながらも、原因は明らかだった。 咲いた紅痕。それが躊躇させている。自分の身体なのに、この小指は自分の知らない色を残す]
……………消えたいのに。もう、終わりに、したいのに。
[呟いた後、沈黙だけが音楽室を満たす。 このまま沈黙に溶けてしまいたいと願っているのに、どうしてもできない。 それは、未練と呼ぶにはあまりにも拙い感情。 諦めたように、一度唇から小指を遠ざけて、小さく息を吐く]
(65) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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[ただただ自分の小指だけをぼんやりと見つめて、考え込む。 指にもそれぞれ意味があるとは何の本で読んだか。 全ての指の意味は覚えていない。どうでもいいと思ったから。 ただ、一本。小指だけが、記憶の片隅に残っている]
小指は、確か………
[自らの小指に咲いた紅痕。それに意味を求めるなんて、馬鹿げている]
確か、……そう。────願いを叶える指。
[相手と自分。双方の願いを叶えることが転じて、約束をする指とも言われていたか。 その時は、約束なんてどうでも良かった。だって、約束をする相手なんていなかったのだから。 ただ、願いを叶えてくれるなら、何にでも縋りたかった。 もっとも、小指に願掛けをしたところで、叶わなかったけれども───
苦い想いがこみ上げて、眉を寄せるも、気になったのはそこではない]
(66) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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……やく、そく。
[今初めて、約束という言葉が心に響いて、ぽつり呟いて、中庭へと視線を向ける。 薔薇のために、バイオリンを奏でると、確かに自分は言った。それは約束になるのだろうか。 何故だろうか。他者なんて気にかける必要もないのに、心に棘が刺さった気がした]
それに、上着、……。
[自らの身体にかけられたレオナルドの上着。このままでいいのだろうかと、そんなことが気になった。 必要なら、きっと回収しに来る。あるいは誰かが届けてくれる。 気にする必要はないんだと言い聞かせても、どうしてか気になる。それに、小指の紅痕の意味も問いたい]
あぁ……だけど。
[翻弄されるのは嫌だ。他者と上手に関われる自信もない。また、虚しさを募らせて、変わらない毎日を送るだけの日々を送るくらいなら……─── 終わりはすぐそこにある。これを機に深い眠りについてしまえば、全てが終わる。それはとても甘美な誘い。 夢と現実の狭間で、ただ苦悩する。自分が選ぶのはどちらが正しいのか、分からず、立ち尽くす**]
(67) neige 2012/01/05(Thu) 22時半頃
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――音楽室―― [意識の中で苦悩し、自分の殻に閉じこもろうと膝を抱えて、蹲る。 何かに迷うとき、どうしても自分は内に内に居場所を見つけようとしてしまう。
そして、心の扉すらも閉じてしまおうとしたところで……
耳に届く微かなピアノの音。それは、バイオリンと合わせた時に聞いた音か、あるいは現の世界の音か。自分には判別がつかない]
――――…た、い。
[呟いた自分の声すらも、遠くそれでもふらふらと立ち上がり、何かに惹かれるように意識を向ける]
……もっと、………この音を。
[何かを掴もうと紅痕が残る小指を伸ばす]
聞いて、みたいんだ。
[望みを口にしても、おぼろげにしか聞こえない音。 吸い寄せられるようにさらに意識を向ける先にあるものは――――――]
(77) neige 2012/01/06(Fri) 00時半頃
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――音楽室――
………ここ、は?
[現と夢の狭間を彷徨っていたのに、意識を向けた先。音楽室に自らの身体は横たわっており、身を起こす。 そこにある先輩の姿>>79。自分は元生徒会長である彼のことを知っている。でも、彼はきっと自分のことを知らないはずなのに。 夢か現か分からない世界で名乗ったことを、覚えてくれているだろうか? 確かめるようにその瞳を見つめようとし、自分の衣服が脱がされていたことを思い出し、僅かに頬に朱が走る]
すみません、………ピアノの、音。
[何から説明したらいいか、困ったような顔で紡ぎ]
………ピアノの、音を……聞こえた、気がして。……よければ、もう少しピアノを……聞きたいです。 あと、それと……もし、この上着のこと。覚えていたら……お礼を言いたくて。
[小さな望みを口にして、はにかんだように小さく笑う。 自分の音だけで形成されていた世界がほんの少し、――――他と繋がった気がした**]
(82) neige 2012/01/06(Fri) 00時半頃
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