人狼議事


56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――

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―赤国国境―

[馬上で、首を回してと後方を振り返った。
 調査のためにキャンプを張っていた森が見える。
 太陽が一瞬ちかりと目に眩しかった]

 ……参りましょう、公子殿下。
 ララントは近いですし、日が傾いて来ました。

[そう告げて隊を促し、街の入口に到着する。
 交易なども盛んな街であったので、
 国境帯の割に、街を囲む壁のつくりなども立派な方だ。

 ――つまり、多分逃げ出しにくくもある。
 メディとフィリスには残念な話だろう。]


―赤国国境―
[ララントの街が近づくにつれ、その石壁を目にして気が遠くなる思いだった。
これはまずい]

 ……随分立派な壁だね?
 僕はどこに連れて行かれるの?

[同乗のムパムピスに告げた声は、乾いた笑い交じりだったかもしれない。
メディやセドリックと離れるのは。出来るだけ避けたかったが、さて。]


―赤国国境―

わあ。立派な壁ですねー。

[壁を見上げながら明るい声で。]

……逃げられる気がしねえ。

[という内心の呟きは暗い声で。

そもそも、街に入れるかどうか。
入国拒否されれば、そのまま帰れるかもしれない。フェリスは今の所、危害を加えられる様子はないし、それも一つの手か、と思うが…

不審者として捕まる恐れの方が高い気が、する。]


― 赤国国境 ―

 おおー!
 今朝ぶり、ララントの街!!

[その入口に差し掛かった頃、街を囲む頑丈な壁を見上げて大声を上げる。明らかにきらきらとした笑顔を浮かべてフィリスとメディを振り返った]

 フィリスは来るの初めてだっけ。
 ここは揚げパンが美味しいんだぜー。一緒に食おうな! メディも!
 って俺、一文無しなんだけどなー!

[自己ツッコミを入れつつ、はっはっは、と嘆きの高笑い。
フィリスとメディの作戦など全く知らぬままひとり煩く叫ぶ青年は、付近を通行する人々の眼を酷く集めていた]


 基本的には入国手続きが必要になります。

 フィリップスさんは、公子殿下の客人扱いとなりますので、
 通常の手続きとは異なるかも知れませんが。

 セディーさんは再入国になるので、
 その点の手続きは多少簡易のものになると思いますが……
 首都まで戻れる手段があると良いのですけどね。

[残り一名が推して知るべしだった。]

 ……ペランさんは、身元の証明になるものは
 お持ちですよね?


[さて、つい昨日出国したばかりのセディは事情を話せば大丈夫だろうが、メディはどうだろうか。
入国拒否ですめばいいが、拘束はまずい。
しかし、なんとなく、ベネットは話を聞きたがって門番を押し切ってくれる気がした。]

 あ、僕が揚げパン好きなの覚えてたのか。
 へえ、アメルンでも揚げパンよく作るよね。
 食べ物に共通点があるとは思わなかったな。
 …僕は学がないから噂位しか知らないけど、昔は、ひとつの国だったって、ほんとなんだろうか

[果たして自分はどれほど行動の自由があるのかと思いつつも、セディには頷いた。]


あははははー。
揚げパンか、いいですねえ。
私、甘いもの結構好きですよ、クッキーとかパウンドケーキとかね。

[万が一無事に逃げられた暁には、お菓子集めて生還お祝いパーティーでも開きたいなあ、なんて現実逃避をしながらセディーに返すが。

…………。

[嘆いていても始まらないか、と思いなおす。
一人で来る決意をしたから、ある程度は死の覚悟もしていた。

まあ、なるべくなら生きたくはあるんだけれど。]


残念ながら。
盗賊に奪われた荷物の中に、入れてましたから…

入国は出来ませんかね、やっぱり。

[困ったように笑った。
あくまでも、どこか頼りない“歴史家の青年”を通す。


[ムパムピス、メディの様子を見ながら、心配を表情に出さないよう、素知らぬふりでセドリックと話しをしながら、合図を出す。

『ベネットの 意向 様子見
ヤバかったら 逃げて ありがとう うれしかった』

メディを死なせるわけにはいかない。
逃げられるかどうかの判断も難しい所ではあったが、自分に気遣って躊躇することのないよう、そう伝えた]


……………………。

[フィリスからの合図を確認するが、それに応えることはなく。
目を細めるのみ。]


 ああ……そうでしたね。野盗に襲われたから、
 そもそもここまで来たのですしね。
 ともかく、門兵に問い合わせてみましょう。
 入国拒否という形になってしまうかも知れませんが。

[困った様子のメディにはそう告げる]

 手続きが終わったら、フィリップスさんは
 我々と一緒に軍の屯所までお願いしますね。

 公子殿下の私的な客人となりますので、
 護衛の同行を条件に、ある程度は自由行動ができますが、
 受け入れの準備が少し必要ですから。


 そー。揚げパン見る度お前のこと思い出したもん。
 ソーセージ見たらザック兄さん、シチュー見たらマリアンヌ姉さん! 

[あとはー、と指折り数えながら故郷の村人の名前を挙げていく。
留学中、食事で困ったことは1度も無い。
そんなことを思いながら数えていると、赤と緑の歴史のことを問われ]

 ん? ほんとだぜー?

 ………ほんとの、本当だ。

[背中にある草原を振り返り、一瞬、見せたのは穏やかな微笑み]


[その笑顔はすぐににかっと吊り上げられて。
甘いものが好きだと言ったメディに向けられた]

 よーしメディ、揚げパン食おうぜ!
 一文無しは悲しいけど、そんな顔してないで、な!
 ムパピムス、揚げパンのいっこぐらい奢ってくれてもいーだろー?

[楽しそうにメディと肩を組もうとする。]

 らぶあんどぴーす! 揚げパンは世界を救う!


 もしくは、野盗の件の参考人として考えると、
 ペランさんは警備部の預かりにした方が良いでしょうか。

[国境付近に野盗が出ているなら赤国にとっても問題だ。
 話に多少疑わしい所はあるが、
 メディを解放するよりは詳しい話が聞けた方が良い。

 揚げパンや菓子類の話が出れば、僅かに表情を緩めた]

 私はララント出身ですし、ここの暮らしは長いので、
 多少でしたら案内はできますよ。

 ……まあ、揚げパンの2つか3つ位なら……

 ペランさん? 大丈夫ですか?

[急に黙ってしまった歴史家の青年に問い掛けた


[さておき。三人の手続きの結果はこうだ。

 フィリスは客人待遇でボディチェックの結果パス。
 セディーは再入国手続きを取ってパス。
 メディは野盗の件があるので一旦軍部で身柄預かり。

 いずれにせよ、フリーダム公子殿下の計らいにより、
 軍の屯所に近い宿に部屋が取られる事になった。

 ――というわけで正式に、おいでませ赤国。]


[軍の屯所まで、というムパムピスに頷く。
頷かなくとも、選択権などはなからないのだが。
同時に少し驚いた表情で]

 本当に捕虜でなくて客人として扱う気なんだね。
 緑国軍の怪我の手当てしただけでも異例だろうに。
 ベネットはどんだけ権力もっているのやら…

[微妙に説明台詞はいっているのは、恐らく離されるであろうメディに少しでも事情を知らせるため。
不自然にならない程度に織り交ぜる
二つの国が一つだったことを本当だ、と言うセドリックの穏やかな笑みを見る]

 ああ、二人とも元気にしてたよ。
 セディーに会いたがってた。顔みせてやれなくて残念だな。
 本当、なのか…セディーが言うならそうなんだろうね
 …なのに、今や戦争が起ころうとしてる、か

[何故か、それはとても理不尽なことのように思えた。] 


[ふ、っと息を吐いて、笑う。
そして、セドリックの肩をがしりと掴み、自分の馬に引き摺りあげるように乗せて

……セディーさん。
揚げパンは、アメルンで食べましょう?
しっかり私に、掴まっててくださいね?


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フィリス!落とされんな!!!

[自らの馬を操り、フィリスとムパムピスの乗る馬に近づき、ぶつからせ。さらに、ムパムピスへと体当たりをかます。落ちれば良し、落ちなければ…そのまま連れていってしまおうか。]

逃げるぞ、遅れんな!


[手続きの結果はそうなったのだが、警備部に連れていかれるとならば、黙って従う道理はなかった。

壁の中に連れていかれれば、恐らく帰れる見込みはない。望みは薄いが、これしかなかった。]


 おお、ここがムパの故郷なのかー。いい所に生まれたなっ。

 ……って今、揚げパン奢ってくれるって言ったか!?
 言ったな、男に二言は無いぜ!?

[夕闇色の瞳を大きく見開いてムパムピスを見つめる。
そこには明らかに期待の色が含まれていて。やはりムパムピスの腕を取りたくなったが、馬が遠いので流石に握手はできない]

 進め、ベネットと愉快な仲間たち―――今、揚げパンを我等が手に!

[阿呆なことを楽しそうに、しかしどこか凛々しく言っていると。]


[手続きが終わった所で一瞬の油断が生じたか。
 黙りこんだメディに目を向けていたのが幸いだった。
 セディーを馬に引き上げる行動に眉を寄せる]

 ペランさん? 何を……っ!!

[馬同士が衝突し、嘶きを上げる。
 バランスを崩したものの、何とか手綱を取り戻し、
 半ば馬首にしがみつくように耐えた。
 下手をするとフィリスまで落馬しかねなかったので、
 彼女の肩を掴んで抱え込んだ]


 ―――おおっ!?

[軍人の力に、華奢な身体は直ぐに引きずり上げられてしまう。
掴まれと命令されれば素直に掴まるが、思わず真剣な顔になってメディを諭そうとした]

 何だなんだどうした……、落ち着けメディ!
 ここで争うのはあまり得策じゃ、うわあ!?

[説得はむなしく、向けられる豪快な体当たり。
メディにしがみつき何とか落馬は抑えたが。]


[ メディの指示に咄嗟に手綱を強く握ったのは日ごろの訓練の賜物といえるだろう。
自分が前で、その後ろで手綱をもっていた形になるムパムピスにのしかかられるような形で抑え込まれる
それでも、よろめいた一瞬をついて強く手綱を引いて、馬の腹を蹴る

馬が、嘶いた。]


先輩、セディーを頼む!!!僕も必ず帰る!!


[ムパムピスを乗せたままで、手綱の主導権をとりきれるか。
その自分よりは確実に逃げられそうなメディにそう叫んだ。
怪我をさせるのは本位ではなかったのが災いしたか、最初に肘を入れて振り落とそうとしたものの、
走りだしてしまえばそうするのが躊躇われた。]


そいつ落とせ、フィリス!

[ちっ、とムパムピスが落ちなかったことに対して舌打ちを一つ。

…なんでフィリスを庇ってんだ?
と、奇妙に思いながらも。

ムパムピスが耐えている隙に、フィリスたちの乗る馬の轡をつかもうとするが]


 あの人をっ、……捕まえて下さい!

[隊を二つに分けたとは言え、赤国の兵はまだ残っている。
 突然の行動で隙は生じたが、馬の二人乗りを
 やすやすと取り逃がす程にはこちらも甘くない。
 メディとセディーの馬を止めるべく動き始めた]


[フィリスとメディの間に交わされる怒号に、2人が知人であることを悟る。青年の知らないフィリスの知人、それはつまり彼が緑の軍人であるということで]

 戻れメディ、やめろ!
 今ここで交戦すれば―――戦争が勃発するぞ!

 まだ戻れる! ……っ、やめろ!!

[メディが説得に応じないようなら、後ろから手綱を奪おうと。]


フィリスと手綱の主導権を取り合っている。馬は混乱しだしたようだ。


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 ……っく!

[ メディの声に、再び身をよじって上体と肘と、馬の動きを利用してムパムピスを振り落とそうとする。]

 僕はいい、逃げるんだ!!
 セディー、僕たちは交戦する気はない!彼は僕を助けに来ただけだから!
 だからメディと逃げるんだ!

[行きかう怒号、混乱し始めた馬に必死でしがみつく。
周囲の軍人の動きを察知して逃げろと叫ぶが、もう街は近い、間に合うか]


うっせえ、街ん中入っちまえば逃げられなかったんだよ!

[調べられば、化けの皮が剥がれるだろう。時間の問題だった。セディーに叫ぶものの…初動が遅れた。
頭の中で、考える。三人で一頭の馬に乗るのは…無理だ。]

………!?
おい、何を……

[セディーに手綱を掴まれ、戸惑い]


必死だが、脚を怪我しているため、馬上での踏ん張りがきかない


[…が、ここで。]

[ぱん、っと赤の軍の銃声が鳴った。
それは、緑の軍人の乗る馬の足を止める為の一発。]

うわっとおおおおお!?!?!?

[戸惑うように動いていた為、馬は殆ど止まっており。かろうじて、落馬はせずにすんだが]

あー………


赤国兵「そこの不審者3名、停止しろ!
 従わない場合は発砲も辞さんぞ!」

[上官が叫ぶのが聞こえた。
 恐らくは威嚇射撃から始まり、抵抗するのなら、
 メディとセディーを乗せた馬が狙われる事になる。
 彼らが無事に逃げるには、早くここを去るしかないだろう]

 ペランさんとお知り合いだったんですか!?
 だったら彼を止めてください、危険です!

 ちょっ、手綱を放しなさい、危ないですから!
 貴方足を怪我してるから踏ん張りがっ……うわ!?

[振り落とされそうになり、慌ててしがみつく。
 落ちないようにするので精一杯だった。
 これで落馬して逃走されたら軍人の名折れ。
 必死にもなる]


 これが攻め入る口実になるだろうが、馬鹿野郎……っ!!

[フィリスをきっと睨み、怒鳴りつけ。
メディの脇の下から腕を伸ばし、無理矢理に手綱を奪おうとする。華奢な青年と軍人では、力の差ははっきりとしているだろうが―――]

 お前の自由の為に……、
 国民の命を犠牲にするんじゃねぇっ!!

[もしも奪いきれば、そのまま手綱をぐい、とこちらに引いて。]


響いた銃声に、眉根を寄せて鋭くメディを睨む。


……………。

[大人しく両手を挙げた。]

あー、ごめんな、フィリスちゃん。
ちょっと…いや、かなり問題ありだったなー。

[そして、歴史家を騙っていた軍人は、拘束される]


[銃声、怒鳴り声。
決着はついたか。
力の入らない足では踏ん張りきれず、簡単にムパムピスに手綱を取りかえされた。
セドリックに睨まれて、一つ息をついた]

 …解ってる、馬鹿だなんてことは
 それでも、目の前にいる自国の民間人が今後の状況によってはどうなるか解らないって状況を、
 看過できるほど、僕らの視点は高くないんだ。
 目の前の一人も守れずに、国が守れるかよ…ッ

[例えば、参謀や指揮官であったならば、このような行動にはでないのだろう。
彼らは全体の理を考え、動き、切り捨てるべきものは切り捨てる。
メディやフィリスは、それに比してまだ目の前のことに精一杯であるともいえた。
ましてやフィリスにとっては弟のような存在、セドリックが両親に帰って来いと言われるほどに両国の関係が悪化している中、どうにかして返してやらねばという思いが強かった。
結局何も守れないのか。
その現実に、無理をしたせいで疼きだした足の痛みに、眉をしかめた]


[手を挙げて拘束されるメディに、項垂れて首を振る]

 もとはといえば、僕の不注意が招いた事態だ。
 先輩一人ってことは、もう軍は僕のことは諦めているんでしょう?
 なのに、きてくれたんだ…

[連行されていく彼を見送り、唇を噛んだ。**]


[何とか手綱を取り戻し、馬を落ち着かせた。
 メディは拘束される事になったが]

 ペランさん、貴方は軍人ですよね。
 ……フィリップスさんを助けに来たのですか?

[そうだったのなら、これはかなり不幸な事態になる]


やー、うまくいったら三人とも逃げられるんじゃないかって思ったんだけどな。だから、甘えって言われんだよなー。

……すまん。いてて。

[様々なものに対して、軍人は謝るしかない。
赤の軍人に後ろ手に縛られて、呻き声をあげた。]


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…盗られた「荷物」を、取り返しに来ただけだ。


[調べればいずれわかることだろうが、明言は避けた。


[手を上げたメディから手綱を完全に奪い、ムパムピスとフィリスの元へと馬を進ませる。
フィリスの怒りを聞き、はあっと深く溜息を吐いた]

 短絡的すぎるよ、お前。1か100かじゃねえだろ。
 護るべきものは1足す100……、101だ。

 どいつもこいつも脳味噌がねぇ。―――だから軍人ってのは嫌いだ。

[フィリスに向けたのは酷く厳しく、冷たい視線。
けれど。]

 ……ありがとな。

[一言低く呟き、やってきた赤の軍人の拘束を受け入れる**]


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 ……そうですか……

[自軍に連行されるメディの背中を見て、眉を下げた。
 赤国に危害を加えるために来たのではないだろうが。
 共犯の可能性ありとの事でセディーも拘束されたようだ]

 困りました。

[フィリスとセディーなら、まだ帰国させる余地はあった。
 しかし、こうなるとメディの存在は火種になってしまう]


―赤国軍の牢屋―

あだだだだっ、痛え!

[腕を拘束されたまま、牢屋へと運びこまれる。
運ぶというより、投げ入れると言った方が正しい。
牢屋の床で、顔を擦った。足を動かし、床にあぐらをかく]

減給もんだな、困ったねー…。

[それどころの話ではないのだが。]


 足は大丈夫ですか? フィリップスさん。
 怪我人があんな無茶は止めて下さい、肝が冷えました。

[馬を操り、軍の屯所へと向かう。]

 ……セディーさんは、共犯でないと分かれば、
 解放してもらえるかも知れません。
 ですがペランさんは……

[捕虜にされる可能性が非常に高い。
 敵意のなかった事が、どれ程赤国軍に信用されるだろう。

 困ったように視線を彷徨わせれば、隣の馬上で
 フリーダム公子殿下が何事か考え込んでいた**]


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……どうせ、戦は始まっただろうよ。
もう秒読み段階に入ってたんだから。

[『攻め入る口実』についての感想をぽつりと漏らす。
それは、戦争の引き金となるかもしれない罪悪感半分、心からの本音が半分。]

緑国と赤国。
昔は手を取り合えていても、今は違う…


そっと目を伏せた。**


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― 赤国国境 ―

[陽が傾いてきた。陽が暮れる前にララントに到着して良かった。
 交易の盛んな、国境帯のこの街を囲む壁の造りは公国の中でも頑丈な造りをしている]

 とりあえず、フィリスは軍の屯所に、かな。
 二人はー……うん。

[僕が説明するまでも無く、ムパムピスが受け持ってくれる
 彼、ムパムピスは、只の二等隊士は勿体なさ過ぎると思う。
 気性の荒い人間の揃う赤国では珍しい大らかさに、何度か垣間見せる事務的な方面の有能さ。
 ――特進…掛けてみるかな。使えそうだし。
 勝手にそんな打算的な事を考えていて。

 ……あ、ここの揚げぱん最近食べてないや。
 セディー、お金無さそうだし、明日でも会ったら奢ろうかな]


[態々僕から何も言わなくても、ムパムピスが纏めてくれる
 ……解る事は、口煩めのあの推佐。
 彼よりもムパムピスの方が遥かに有能だって断言できる。

 荷物も野盗に奪われてしまい途方にくれている、らしいメディも、入国拒否で放り出させるつもりは毛頭無かったけど、そこもまたムパムピスが腕の見せ所。

 メディは、野盗の件についての参考人として。
 僕が口出しする必要も無く、三人の入国は受け入れられた。

 ――というわけで、おいでませ赤国]


[――と思ったその時には]

 ……!

[馬と馬が激しく衝突し、激しい嘶きが響く。
 既にセディーの身体はメディに引き上げられてる。
 そんな気はしてたけど、やっぱり歴史家て言うのは嘘だったんだ]


[そうしている間にも行き交う怒号。
 メディはフィリスの知り合いだったみたいで、明らかにこのまま緑国へまで逃げ出そうとしているのが見て取れる。

 ――だけどここで逃がそうとも思わない。
 このまま、何もしないままで逃がそうとは。

 対立の意識を強めるだけの結果では終わらせたくない……]



 ――…………


[すぅ、と眼を細める。
 獲物を狙う『狼』の様に…鋭く]


[ぱんっ、と音を立てる硝煙が立ち昇る]

 ……あれ……

[……僕、"まだ撃って無いのに"。
 迅速に行動した誰かが威嚇射撃をしたらしく、そこで事は集束した。

 あの人、伊達に口煩いだけじゃ無かったんだ。
 そう思いながら、これでも護身用に隠してるハンドガンをこっそりと戻した。
 もしかしたら、誰にも気付かれなかったかも知れない]


[やがてメディとセディーが連行されていくのを見送って。
 何も言わずに馬を進めながら、少し考え込む。

 ――国境帯のこの街で、緑国の兵士(多分そうだと思ってる)が騒ぎを起こした。
 取りあえず兵には即日緘口令を敷くのは僕の頭の中では既に確定事項。
 メディは……こればかりは庇い切れない。命を落とさせる様な処置だけは絶対に取らせないつもりだけど、拉致未遂、軍務妨害。脱獄する気が無いならだけど、最低でも三カ月程度の禁固にはなるはず。
 …考えが無い事も、無いんだけれども、今は無理。

 後もう一つ。さっきのフィリスの言葉にも考えさせられるところがあって
 どうにも上手くいかない。そんな言葉が一番しっくりと来る。
 緑国の民は、赤国ではこの先冷遇を受けやすい立場だろう。それは僕一人の力では変える事の出来ない類だ。
 それが、本来ならある筈の無い状況を生み出す戦争と言う物なのだろうけれども……]


[…ムパムピスの視線に気付く。困った様な表情]

 ……中々思うように行かないね。
 まさかあんな所まで態々助けに来る人が居るとは思わなかった。

[どうしようかな、と苦い笑みを浮かべて見せる]

 僕一人だけの力にも限界があるから。
 国中の人の意識を変える事は出来ない。

 どれだけ頑張っても戦争の火種は消えてくれない。
 もどかしいね。



 僕に出来ない事が出来る。
 力を合わせて出来る事を沢山に増やせる。

 ――そんな人が居てくれたら、良いのにな。

[ポツ、と何時も思っている心の声を口に出す。
 公子に…僕の足りない部分を補ってくれるような人がいれば。
 身分差を取り払って、までは言わないけど、信頼し合える様な人がいれば。
 無い物ねだりなのかも知れないけど]


 ……フィリス、一先ず君の怪我、医者に見せよう。
 しっかりと足を治す事がまず第一。

[馬を寄せ、横目で沈みがちな表情のフィリスに。
 足の怪我は、まず医者に見せるべきだろう。
 立場上、僕の間隔からは、一日以上も放置しておく時点で考えられないのだけど、小隊でも処置はしっかり為されたみたいだから良しとして]

 怪我を治しながら、ララントを見て回るといいよ。
 あぁ、さっきの彼。メディと会いたければどうぞ。
 困る真似をしなければ、誰か護衛が君に付く以外、君の行動に制限は無いから。

[馬の手綱を繰りながら、真直ぐフィリスの眼を見て]


 暫くの間、この街を過ごしてみて。
 この国の民が皆、君の思う様な野蛮で乱暴な奴等ばかりだと思ったなら、僕は何も言えない。

 だけど、もし君の思っていた事と違う何かが見付かったなら。
 何れ敵国になるかも知れない人間でも、無闇な血を流させたくない様に思うなら。

 少しだけ協力して欲しい。
 民の様子、軍の動き、それを知っているだけで流れる血の量は違ってくる。
 今は無理でも、教えてくれる気になったらで良い。

[既に一度断られた事に、今度は条件を付ける。
 その為に僕はこうして彼女を客人として招くことにしたんだから]


 ―― 二週間。
 それだけ過ごしてくれたら、君の答えがどうであっても良い。
 司法取引として、君の身柄は放免するよ。

[それに、この打算は最初から決めていた。
 あのまま御咎め無しで逃がす事も難しかったからこそ、情報にも期待して、こんな回りくどい手を考えた]


 国の誰が何と言っても、僕はこの国の公子だ。
 次の大公として、公国を受け継ぎ、守る義務がある。

 その僕の国で、戦争の血を流したくはない。
 でもそれは同じ人間の住む他国も同じでしょう?
 手の届く限りに犠牲は少なくしたい。出来る限りの手は尽くしたい。

[そこでフィリスを真直ぐに見詰めていた視線を離し、馬を先に進める。
 もうあの赤狼の旗が靡いてる所が軍の屯所だ。
 ちなみに僕もここを使わせてもらう。上級軍官用の部屋には余裕があるし]


 ――さっき、セディーが言ってたよね。護るべきは101だって。
 良い言葉だと思うよ。


[出来れば、僕は更にもう一歩。102、くらい護りたいと思ってしまうけど**]


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[短絡的すぎるというセドリックの厳しい言葉はもっともだった。
セドリックの言うことは、大体において己よりも先見性があり正しい。
軍に見限られた自分を単身助けにきたメディの行動を妨げれば、すでに正体の知れた彼は悪ければ射殺の可能性もあった。
セドリックの今後について言ったことも本心。
国という大きすぎて実感のないものより、学のない彼女には身近な大切なひとの安否に目がいき、明らかに短慮だった。
相談がほとんど不可能だったとはいえ、行動にでるまえにもっと自分にできることがあったのでは。今は思いつけずとも。
最悪の結果を前に、歯噛みするよりなかった。]

 …すまない。
 争いたいわけじゃ、ないんだ…。

[あの時意識を失わず自害に成功していたとしたら、メディやセドリックが拘束されることはかっただろう。
だが、今冷静に考えれば死体が見つかればやはり火種にされる可能性はあった。
苦い表情で頭を振る。
短慮すぎる。思考しろ。と、自分に言い聞かせ。
その後はメディとセドリックの処遇が悪くならないよう、何か聞かれたならば、先ほどのように口は噤まず、応えただろう。
とにかく、今は大人しく従う。]


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[口にされた呟きは、蹄に交じって小さく聞こえた。
 公子の立場上、色々な重責も背負っているだろうし、
 若くして難しい所に立っているのだな、と思う]

 ……捕虜の扱いにも規則がありますから、
 暴れなければいきなり酷い事にはならないはずです。
 なるべく安全でいてもらえるように、今は考えましょう。

[言ってフィリスを励ます。
 医者に診せたところ、足の怪我は全治1週間弱。
 翌日、彼女に渡した着替えは自分の私服だ。
 制服勤務だからほとんど使わない代物だったが、
 何かの時のために(?)準備だけはしておいたものだ]

 緑の軍服で出歩くと、フィリップスさんに要らぬ嫌疑が
 掛かるかも知れないので、サイズは合わないですが、
 一先ずこれで我慢して下さい。

[赤の軍服ならサイズの合う予備があるのだろうが、
 それは余りに忍びなかった**]


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― 赤軍牢屋 ―

 ――――のわあああっ!?

[拘束に大人しく従っていたにも関わらず、牢屋に投げ入れられる。
突き飛ばされて、青年の華奢な身体はいとも簡単に転がった]

 あ、だだだだだ……。

『そこで頭を冷やしていろ、緑国の鬼畜め!』

[軍人は軽蔑の眼差しで青年を見下ろし、吐き捨てて牢を出て行った]


[軍人が去った後、思わず噴きだす]

 ――……ぶっ。

 鬼畜……キチク。
 野蛮人やら脳無しやら屑やらは慣れっこだけど、
 流石に鬼畜は初めて言われたぜ……!

[あーはっはっはっはと、お腹を抱えて楽しそうに爆笑している。
見張りに五月蠅い!と怒鳴りつけられるまで、その笑い声は牢屋中に響き続ける。隣の独房にいるメディの所にも届いただろう]


 メディはばかだなあ。

[隣の独房で漏らされた呟きを聴きとって、のんびりと楽しそうに暴言を吐く。
自分の膝を抱えて座り、メディと自分を仕切る壁に寄りかかった]

「手を取り合う」じゃない、元々「ひとつ」だったのに。
 なんで、争うんだろうなー?

[明るい声で、壁越しにメディに問いかける。
ふう、と溜息を吐き、頭を膝に埋めて。]

 なんでみんな、覚えてないんだろうな……。

[その言葉は、消え入るように呟いた**]


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―牢屋―

うるせー。俺が馬鹿なのは認めるが、本当のことでも傷つくんだぜ?
俺のナイーブハート、もーボロボロよー。

[ものすごい高笑いの後で呟かれた悪口に、力のない声で答えた。
相手の声が聞こえるよう、隣りとこちらを隔てる壁に背中合わせ。]

……元々が一つだとしても、今は二つ。
一つなら争いは起こらなかっただろう。一が二つに分かれた、それが始まり。じゃんけんは片腕じゃできない、でも両手があったら勝負ができるようになる、みてーなもんじゃねー?

[消え入るような小さな呟きも、かすかに聞こえて]

……お前は、何を覚えてるっていうんだよ。


[隣の独房から返ってきた声に顔を上げた]

 ……っ、なんだそれー!
 じゃんけんってひっでー例えだな、おい!
 せめて細胞分裂とかに例えろよ! プラナリアとかさー!

[馬鹿にするようにげらげらと笑う。
けれど、その例えは非常に簡明で説得力がある、と内心思う。彼は色々なものを見てきて、自分で考えて生きてきた人なのだろう、と。]

 やっぱあんた馬鹿じゃねーな、イイヤツだ。うんうん。

[一人納得して頷く。]


[「何を覚えている」と問われて、眉根を寄せて苦い顔をした。
しばらくの躊躇いの後、ゆっくりと語り出す]

 俺のご先祖様は、「緑の騎士団」のエライ人だったんだって。
 じーちゃんがいっつも話すんだよ、国の為に身をやつしたんだーって。
 俺の名前……セドリック、ってのもその人から取られたらしくてさ。

 んなもん勿論誰も信じてなくて、
 うっせジジイ、誰がセドリックだ、って俺も思ってたんだけど。

[そこで一旦言葉を切って、瞼を薄く伏せる]

 ……なんつーか。その人の気持ちが妙に分かる、っていうかさ。
 その人が見たものを、時々見るんだ。

 ――――頭オカシイ、って思うだろ?


この野郎…ちょっと頭いいからって…
プラ…プ…なんとか?がわからなくったって生きていけるわ!

[ぎりりと歯を噛み締めた。興味を持って独学で学んだ歴史とは違い、理系関係はさっぱりであった]

なんだそりゃ。馬鹿の反対がイイヤツ、なのか?

[セディーの理屈がわからず、くすりと笑った]


へえ、緑の騎士団なあ。
あの国境ぎりぎりの砦を守ってたっていう?そういや、フェリスと仲良かったみたいだし、あの近辺の出身か?

[由緒正しい家柄らしいのは話半分に聞きながらも、あり得ないとは言い切れない話だと思っていた。]

…………へえ。
例えば、どんなのが見えるんだ?

[少しの間を持った後、頭ごなしに否定はせず、更に問う。]


メモを貼った。


 おうよ! 世の中にはイイヤツと、まだイイヤツになれてねー「馬鹿」しかいねー。
 これ、俺の持論!
 
[ふふん、どうだー!などと大声で言いながら胸を張る。
無論、見張りの軍人から「黙れ!」と怒号が飛んで来て。やべっ、と呟いた声もメディの耳に入ったか。
聞こえてきた小さな笑いににかっと笑った]

 よし、よーやく笑ったな。
 笑え笑え、笑顔は世界を平和にするんだぜー?

[先程よりは小声だが、メディに聞こえるように。]


 そうそう、フィリスと同郷だぜー。アメルン村!
 ご先祖様も何も、ド田舎の、ただの農民の息子なんだけどなー、俺。

[あっはっは、と笑えば、再び見張りが怒号を上げる。
わかった、ごめんってばー!などとの騒がしいやり取りがなされて。]

 おお、笑わずに聞いてくれる? お前ほんとイイヤツだな!

 そうだなあ……たとえば。
 わっちはー、とか言ってるキモノの参謀とか!
 お前知ってるかキモノ。ずーっと東の方にある国の服!


メモを貼った。


シビアな判定だな、「普通の人」はいないのか。
って、声がでか……

[案の定、怒号が飛んできて、こちらも一瞬口を噤む。
言わんこっちゃない、と苦笑して

笑うのが平和を呼ぶのは同意だが、そこの見張りにはイライラを呼んでるから程々にな。そのうち、殴られんぞ。

[おかげで、こっちの気は大分緩んでいるが、少しセディーの身が心配である]

なるほどなあ。フィリスちゃんがお前も見捨てられんわけだ。

[納得したように、独り言を小声で。セディーでなくとも、彼女なら緑国民を見捨てはしなかっただろうが、知り合いとなれば尚更だろうと。]


 おお、軍人に殴られたら俺なんて一溜りもねーな。気をつけようっと。

[メディの忠告に、男としては若干情けない言葉を呟き頷いた。
言われた通り大人しくしていると、小声でつぶやいた独り言を拾い聞く]

 へっへー。フィリスは面倒見がいいからな。
 あんたも知ってるだろ。イイヤツ!

 そういや夢の中に出てきたフィリスそっくりの奴は、動物の世話をしていたなー。
 鳥とか馬とかの世話が上手でさ。ご先祖様の馬もすげー綺麗にして貰って、ご先祖様すんげー感謝してたわ。

 ……まあそいつ、男なんだけどな!

[また大声で笑いかけたが、一応忠告を思い出して口を噤む。] 


まあ、緑国にも赤国にも、転生にまつわる話が多く残っているからな。
根拠となる何かはあるのかもしれない、と思っていた。

俺も、明確な景色とまではいかないが…不意に、別の誰かの記憶や想いが重なるような時があるのを感じることがあるし。滅多にないけど。
…どこか懐かしい、ってのかな?フィリスと初めて出会った時とか、そうだった。

[考えるように腕を組みたかったが、拘束されているので無理だった。そろそろ痛い。]

着物……?んー、確かに、緑騎士団の時代には、極東の国との交流も盛んだったらしいから、着ててもおかしくはないが。えっらい具体的でピンポイントだな、それは。

[参謀が、着物を着ているなど。突拍子な発想すぎて、逆に信憑性がある。作り話なら、もっと信用のありそうな物を選びそうだ。]


へー。ああそういや。

俺も何でか、フィリスとの初対面のとき、「動物好きそう、特に鳥とか馬」って思ったんだよな。犬猫じゃなく、鳥と馬というチョイスが自分で不思議だったな。何でそう思ったのかはよくわからん。

案外、それはフィリスの先祖で、お前のご先祖と仲良かったのかもな?
いいじゃないか、子孫同士でまた仲良くなれるって。

[明るそうな声。馬鹿にしているような口調ではなく。
表情は届かないが、口元に笑みを浮かべていた]


 あ、そうだったのか? 道理でキモノだったのか。
 覚える程度にはインパクト強かったんだぜ、何だアイツはー!?って。

[極東の国との交流が盛んだった、という話は流石に初めて聞いた。
メディの歴史方面の博識ぶりに感服して、歴史家という偽装は趣味が実益を兼ねていたのだな、と内心思う。
続いて聞かされるフィリスとの出会いには、おおっ、と顔を輝かせた]

 へー、お前も!? お前もそんな経験があるのか。すげー!

 フィリスのご先祖様か……そうかあ。
 そうだったら、すげー素敵だったな!

[フィリスによく似た少年は道半ばで亡くなったことを青年は知っている。
けれどそれは言うべきでは無いと心に決めて、笑顔で「もしも」を語る]


[瞼を伏せて、思い出すのはあの夢の中の記憶。
草原に風が吹き太陽が昇る。砦には人々が集い、戦に怯えながらも、笑いながら過ごしている。
そしてその光景を、"自分"は――――]

 もしかして、さ。俺とお前もあそこで会ってたのかもなー。
 互いに怪我すんなよー、とか言いながら。
 
 お前だけじゃなくて、ベネットも、ムパプミスも。
 あの砦で一緒にメシ食ってたかもしんねーじゃん。
 ……そうだったら、素敵だと思わねえ?

[独房の天井を見上げながら笑い、静かに問いかけた**]


メモを貼った。


鳥と馬の世話が好きな、フィリスの先祖、か。

……あれ、それを俺が覚えてる…ってことは、もしかして俺に縁のある誰かも、お前らと知り合いだったかも、って話になんのか?

[セディーの話との共通点。はたと気づいて]

いやいや、あるかもしれないぞ、本当に。
…ま、そうだとしても。多分目立たないタイプだったんだろーな。
英雄とか団長とか、俺の柄じゃねーし。「その他大勢」に違いね。

[けらけらと笑って。ベネットやムパムピスも一緒に飯を食ってた、という話には]

……素敵かな、それ。
過去は仲良かったのに、今は敵対する立場にあるなんてさ。

[寂しげに笑った。]


[もしも、過去生があって。
ベネットやムパムピス…他にも、親しかった知り合いが、赤国と緑国に別れて、争い、憎みあっているのだとしたら。それは悪夢に他ならないのではないか?

――ああ、そんな再会は辛い。俺は……(私は、)

『『争いのある世界になんて生まれたくなかったのに』』


…………ん。

[一瞬、妙な考えが浮かんだ気がして、振り払うように頭を振る。その時、尋問の準備が整ったのか、赤軍の兵士が数人、メディの牢の前で止まり、『出ろ』と言ってきた]

悪い、話の続きはまた後でな。野暮用ができた。
おみやげは期待すんなよー。

[のんびりとした口調で隣りに呟くと、牢から出される気配がセディーにも伝わっただろうか。

拷問に耐えるには、なるべく楽しいことを考えておこうか、と頭の中で色々計画しながら、連行されていった。**]


メモを貼った。


―ララント 赤国軍屯所―

[因みにフィリスは療養中に走る事と跳ぶ事は禁止だと
 医者から言い渡されている。
 だから自分は、護衛と言うよりやっぱり見張りみたいだ]

 ……ペランさんとセディーさんの事が心配ですか?
 面会は、一応可能だと思いますが。どうしましょうか。

[フィリスの朝食が終わった頃にたずねて、首を傾げた**]


― 翌日 牢屋 ―

[地下の肌寒い牢屋は、余り健康状態が良さそうとは思えない。
 数人の兵士を引き連れて、僕の足は独房の前で止まる]

 おはよう、セディー。
 一晩こんな所に居させて悪かったよ。

[ごめん、と謝罪を籠めてセディーを見詰めている間に。
 多分彼が考えていたよりも随分あっさりと、牢の鍵は開かれた]


 昨日一晩で、ローゼスブルグ大学に確認を取ったよ。

 確かに、君の名前はあったし、帰国の旨も四日前にちゃんと申請されてた。
 君が緑国の人間だと言う事も考えて、それなりに厳密に調べてみたけど。

[軍部の関係者だと言う根拠も当然だけどなかった。
 そして昨日、メディを止め様として居た様子も、僕だけじゃなく何人かが確認していた事も働いて]

 身元証明になる物が在ったら完璧だったんだけど、大学から証明書類の写しを回して貰った。
 だから当部の判断から、君は正式な留学の一般市民だと判断して、無罪釈放にしたよ。

[何で僕がこんな事を通達しているのか、と疑問には思われるかも知れない]


メモを貼った。


―翌日・牢屋―

よかった。これで巻き込まれて獄死でもされたら寝覚めが悪かった。
もう戻ってくるんじゃないぞー?

[隣りの独房の床に座っている囚人がセディーに、看守がよく言う台詞を言い放った。

現在は手は戒められていないが、口の端に切り傷の跡がある。昨日はいくつかの尋問を受け、ダガーを隠し持っていたのと、緑国の軍が使用している望遠鏡を持っていたことを咎められたが、あまり誠実でない受け答えと、「旅の護身用」「友だちにもらった」としらばっくれたせいで、服の下に死なない程度に青あざを作っている。

が、見かけだけは元気そうだった]


―回想―
[ 脚の怪我を医者に見せると言う。あんな騒ぎを起こしても本当に客人扱いらしいことに、少し驚いた顔をして、ベネットを見つめた。
続く、再びの申し入れに、今度は少しの間をおいて、頷いた。]

 ……わかった。

[本当は、もう、ムパムピスやベネットの人柄に触れて理解しはじめている。
噂話などデマばかりで、赤国も緑国と変わらぬように多様な人々がいるのだということを。
―――街を、みてみたいと思った。
セドリックは何を想い、何を求めて冷遇されるかもしれぬこの地へと学びにきたのだろう。
そんなことを思った。]

 二週間……


[ その期間を聞いて、僅かだけ耐えるように目を伏せた。
メディは、それでは済むまい。彼を置いていくことなどできない、と心中思いながらも、今は口にはしなかった。
に、目を開き、困惑するように微笑んだ]

 ベネットは、緑国の民も守ろうというんだな。
 もし、あんたのその思いが本当なら…

 ……いいや、今はいいや。
 手厚い待遇に、感謝します。

[両国の間に争いが起きないようにすることは、まだ可能なのだろうか。
もしそうなら、自分がすべきことは。
そういいかけて呑み込んで、ベネットとムパムピスの二人に頭を下げる。
ムパムピスの慰めに、何故かとても気持ちが和らいだ。]


―翌日、ララント赤軍駐屯所―
[医者の腕がいいのか、薬がいいのか、足は普通に歩く分であれば、引いているのをほとんどわからない程度にはよくなっていた。
ムパムピスの出してくれた服に素直に袖を通す。
鍛えてはいるものの、小柄な彼女には、男物の長めのシャツはちょうど短めのワンピースのような具合でそう違和感はない。
下は流石にサイズが合わず、制服のズボンのままだが、裾がながいのも相まってそう目立たない。]

 ありがとう。
 これ、ムパの?案外オシャレなんだね。

[ララントはアメルンよりも都会だ。意外そうにしながらもだぼついた袖をまくりながら言う。
でメディとセドリックへの面会が可能な事を聞いて、思案した。]

 ……僕はこのまま会いに行っても、まだ彼らに何も伝えられない。
 街を一回りしてもいい?
 僕は、知らなきゃならない、そんな気がするんだ。

[メディを助ける方法も、セドリックが伝えようとしていることも、きっと今のままではわかっていない。
僅かに足を庇いながら、ひらと裾を翻して軍の駐屯所から街へと向かった]


メモを貼った。


―ララント市街地―
[ムパムピスに案内してもらいながら、まずはララントの朝市に寄って揚げパンを買った。
数は5つ。自分とムパムピス、メディとセディへあげる分、そしてベネットの分だ。]

 むぐ…あ、美味しい。

[店の前で一口齧った処で驚いたように言った。
『そうだろう、お嬢ちゃん。なんだい、旅の人かい?』
豪快に笑った店主の中年女性に尋ねられると、そうです、と頷いた。
『ここは食べ物も美味しいし、気のいい奴らばっかりだしいい処だよ。ゆっくり見物しておいで』
ありがとうございます、などと笑顔で軽く世間話をして別れる]

 アメルンのと同じ味つけだ。
 …もとは一つの国だったんなら、おかしい話じゃないか。

[街を歩きながら、揚げパンを噛みしめてそう呟いた。]


 お前さー、そういうの良くねーぞー?
 戦争はまだ始まってねーだろ、なんで始まる前から諦めちま、

[――と。
メディの部屋に兵士がやってくる気配。
音と兵士たちの声でメディが連れ出されることが分かる]

 ……――メディ?

[嫌な予感がした。
そしてその予感は当たっていたことを、夜半過ぎに知ることになる]


[途中、厩舎を通る。
動物の中でも、特に馬と鳥が好きだったし、よく好かれた。
ふらりと立ち寄り、ムパムピスに頼んで中に入れて貰う。]

 ああ、この子だ。
 ……昨日は無茶をさせてごめん。

[昨日ムパムピスと共に同乗していた馬を見つけて、鼻面を撫でると、馬はぶるりと気持ちよさそうに啼いた]

 ええと、きみはアチャポだっけ?
 なんだろう、きみに似た馬を見たことがある気がする
 もしかしたら前世に縁があったのかな。

[そう言って手を伸ばすと、矢張り顔を擦り寄せてくるから厩舎の者は驚いていた。
馬とは本来神経質で気難しい生き物、そう懐かない。
しかし、何故か生来彼女は馬には好かれるのだった。
緑国と赤国の宗教は酷似しており、転生や過去生についての言い伝えはごく一般的だった。
どこまで信じているかは個人差があれど。]


 ……そうですか?

[服への感想に自覚ない風に相槌を打つ。
 街を見てから彼らに会いたいと言うのに頷いて、
 案内をする事にした。

 揚げパンは割り勘を申し出た訳だが、実際どうだったか]

 差し入れですね。
 美味しいですか? 良かったです。

[それに彼女が細工をする可能性は、今は考えない。
 持っていた武器はこちらが預かったのだし、
 今のフィリスは闇雲に逃げる事を考えているようでもない]


 赤国と緑国が元は一つの国だったと言う話は、
 調べてみると信憑性があるそうですね。
 宗教や食事、建築様式なども類似点が多いです。

[建材となる石や木は土地が近しい要因もあるだろうが、
 部屋の割り方や支柱と梁の構造等々。]

 特に、教会のような古い建造物では顕著ですね。

[途中、厩舎に立ち寄り、馬に懐かれる様を待つ。
 扱いに慣れているらしく、よく馴染んで見えた]

 動物が好きですか?


―翌朝・赤国軍牢屋―
[戻ってきたメディの息遣いを聞きながら夜を過ごした。
聞こえる音から、メディがあまり「よくない」目に遭ったことは想像に難くなかった。それでも気づかないフリをしたのは、自分の介入でメディがこれ以上の目に遭う可能性を考えてのこと。
 ―――そして、断続的な浅い眠りの後に朝が来て。]

 お……? 
 おはよー、ベネット……?

[穏やかな声に起こされて、瞼を開ける。
ベネットの後ろの窓から、逆光がきらきらと彼を照らしていて]

 ―――……あれ?

[寝起きの頭で、状況が良く分からないまま彼を見つめる。
ぼーっとしている内に牢の扉が開かれた]


[身体を起こしてベネットの話を聞く。その間ずっと彼を見つめて――いや、眉を顰めて睨み付けていたことを、彼は怪訝に思うだろうか。
彼が話し終えてしばらくの後、はっとして]

 お、おお、まじか……!
 なんつーか、有難う、でいいのか。うん。ありがとな!

[笑顔になって立ち上がり、牢を出ようとする。
その時隣から聞こえてきた声に]

 ……何言ってんだ。
 お前も、死ぬんじゃねーぞー?

[牢の中をじっと見つめて、小さい声で問いかけた]


[ 割り勘の申し出には、ひらひらと手を振っていた。
赤国の通貨を彼女が持っているはずがなかった。
その通貨も、じつによく似ていたのだけれど。

街の風景を見ながら、時折立ち話をしながら歩いてきた。
敵対していない国から来た旅人という態である。
生来なつっこい

その誰もが、緑国でもどこにでも見かけるような、気のいい人ばかりで。
それは、裏路地には物騒な輩も目に付いたけれど、どこにだってある光景だ。

ただひとつ違うのは、緑国の人が言うように、赤国の人々は緑国のことをこっぴどくけなした。
そんなとき、一瞬だけ悲しそうな顔をして、しかし押しかくして笑うのだった。
の話を聞けば]

 ……教会かぁ。行ってみたいな。
 うん、馬と鳥が好きなんだ。

[アチャポに頬を擦り寄せた。]


―― 緑国王都・ビリジアナ宮殿・円卓会議場 ――

[宝石の煌く王冠。比して小さな首飾り。純白のドレス。扇ぐ羽扇]

――一言で申しますと、どういうことですの?

[涼やかな目で、鈴を転がすような声が流れた瞬間、円卓は沈黙に包まれた]


メモを貼った。


[扇を閉じる。開いたり閉じたりしていると、何か聡明になれる気がする]

先ほどから皆様、開戦の口実を探してばっかり。
何か実際に行動に起こした方はいらっしゃるのかしら。
わたくし、あまり口だけの方々は信用できなくてよ。

[右隣に座っている、国軍元帥が窘める表情で見てくるのを無視して続けた]

少なくとも、2,3の優位も無く、ただ開戦するだけなのはよろしくありませんわ。
お喜びになるのは、どちらの商人かしらね?

[対面に座る円卓議員の一人が、びくりとした気がした]


[つまり体よくたかられた気もしたが、
 不思議と嫌な気分はしなかった。
 まあ、5人分のおやつくらい、どうという事はない]

 ……良かったな、サナ。構って貰えて。

[割に大人しい牝馬は、撫でられて嬉しそうだ。
 教会に行きたいと言うのには、頷いて]

 分かりました、案内しますね。

[赤国人は素性を知らないフィリスの前で、
 遠慮なく緑国の悪口を振り撒いていた。
 目の前のその人が、その冷徹鬼畜な緑国人なんですが、
 とは思っても口に出せない]


[緑国女王、ソフィア・エカテリンブルグ・ビリジアーナ。
3年前に貴族の反乱で王族全てが殺害された時、死んだと思わせながらも当時の近衛団長と共に逆に全ての貴族を鎮圧した女帝。先ほどの軍の元帥は、その団長である。
なお、戴冠直後に即座に貴族制を廃止し、王立議会を成立させ、貴族達の権力を削いだ。
この経緯から、国家上層部では苛烈な気性という評価をされている。
タチが悪い事に、彼女はその評価を逆手に取り、自らもただの議員の一人という位置づけでありながら、しっかりと舵を切っていた]


……もしフィリスに会えたら伝えてくれるか?
『俺の事は諦めろ』って。俺が言っても説得力がないが。
目の前の1が救えなくても、どっか別の場所の1を守れりゃいい。

(私は 知っているんだ)

100と1を守ろうとして…両方とも守れなかったら最悪だ。

(全てを助けるのは 無理なんだって)

あいつを助けるのが俺の目的だったからな、事情はわからないがそっちは何とかなりそうだし。

(目の前で 力及ばずに失われる命を 何度も見たから)

ま、こうなったのは自業自得だし、
一応、最悪の事態が起きる覚悟はしてたから。


[そこまで、セディーに一気に喋った後で

まー、俺が生きるか死ぬかはここの人たち次第だとは思うけど。

体力には自信があるんだ、なるべく長生きはする。

[にぃ、と笑って、早く行け、と手を振った]


[赤国人の現在の悪口の中で、冷徹鬼畜と合わせて語られるうちの一つが、現女王が反乱貴族に対して実施した処刑であるのは言うまでもない。相当な誇張はされていたが]


メモを貼った。


メモを貼った。


 メディ……――。

[メディをじっと見つめ、その言葉を聞く。

「俺のものではない」心臓が、ずん、……と痛んで。]


[思い出すのは、あの草原に立った瞬間に見えた景色。

咽るほどの鉄錆の匂い、転がる骸。
あの場所で多くの騎士たちが犠牲になった。

―――否、犠牲にした。

祖国を護るため、多少の犠牲は仕方ないと斬り捨てた。……されど。

彼等はそれぞれ"私"にとって、大切な"ひとり"で―――。]


…特に何も無いのですか?
数週前より提案し、可決していた、アメルンとララントの中間にある、かの砦の丘はどうなりましたか?

『赤国に気取られぬよう、密かに調査を進めておりますが――』

密かに…? 堂々となさればよいとわたくしは提案しましたが、理由がございますか?

『開戦の正当性を赤国に与える事になります。先制は我らが打つべきと――』


[厩舎を後にして、教会を訪れる。
そこある宗教画は、やはり緑国の教会に描かれているものと酷似した、輪廻転生の図案]

 …本当に、よく似ている。

[荘厳な建物の中、呟きはよく響いた。
何かを考えた後、振りらぬまま問いかける。]

 ねえ、ムパは、僕たちの国はどんな場所だと思う?
 どんな人たちが住んでいると思う?

[誘拐犯罪などでよく言われるように、人には相手をよく知ればしるほどに害しにくくなる。
会話をし、親しみをもてばなおのこと。
そんなことを思い出して苦笑する]


かの丘は空白地帯でしょう。布陣するだけであれば特に敵対行為にもならぬはず。そこは外交の力を使うところでしょう。
むしろ隠れた行為こそ、赤国に戦争の意志ありとさせる理由になりますよ。
また、赤国のララントはそれなりの町ですが、わたくしたちのアメルンの村はさほど防備も大きくないでしょう。
取れる砦を早く取るべきでは?

『おっしゃるとおりではございます、ですが――』

…くどい。お前達は勝てる戦をしたいのか、ただ戦争をしたいのかどちらであるか。

[さっと議場の温度がまた下がったようだ]


 ――――…っ、馬鹿、メディ!

 お前はほんとに馬鹿だ。ばーかばーか!

[囚われ掛けた思考を振り払うように首を振り、鉄柵越しにメディを指差して怒鳴った。人を指差してはいけません。]

 誰がんな不吉な伝言伝えるかよ、ばーか!
 お前が諦めたって、俺は絶対に諦めねぇ!

 捨てていい1なんて、この世のどこにもねーんだよ!
 100の為に1を犠牲にするなんて、馬鹿のすることだ!


[最後にきっ、と、その顔を睨みつけて。]

 死んでも耐えろよ、ばーか!!

[ベネットが何か言っていても、彼を引っ張って踵を返した]


メモを貼った。


5回も言うな、まったく。
お前、諦めてくれないのは嬉しいが、自分の身を危険に晒すなよ?
絶対だぞ?

[馬鹿と言われた回数を数えていた。
困ったように笑って、それじゃあな、と手を振った

……6回も言いやがった。

[彼の姿が見えなくなれば、手を降ろした。


[右隣の軍元帥に目配せをする。元帥はここまでか、という表情で、資料を円卓に開示した]

わたしにあがってきている、砦の調査とやらに投入された人員数です。
49(0..100)x1名を投入して大きな上がりが無いとはどういうことでしょう?
貴方方は、我らが国家を支える民を何だと思っておりますか?
赤国のスパイでも混じっているのならば粛清なさい。
円卓会議議長ではなく、女王として議案を提示します。
 1.還らぬ者の中に、赤国に囚われている者があらばすぐに返還要求を為せ
 2.かの砦の丘を速やかに実効支配せよ
 3.まだ開戦しておらぬ事を、強調して赤国に伝えよ
以上。

[それは議題の形をした命令であり――この第42(0..100)x1回円卓会議で、可決される事となる――]


 ……悪かったよ。
 昨日は止めれる様な状況じゃなかったんだ。

[話を聞いている間、ずっと僕を見つめ――ううん、睨んでる彼の視線を、無実にも関わらず一晩を牢屋の中で過ごす羽目になった事に対する怒りだと思い、小さくだけど頭を下げる]

 とにかく、ついて来て。
 緑国への馬車の流通に関しても教えてあげたいから。

[セディーを伴って歩き出そうとして、隣の牢から声が届く。
 メディだ。昨日は尋問を行いはしたらしいが、余り酷い扱いを受けて居ないと良いけど。
 昨夜も言い含めたにも関わらず、彼の服の下では幾つかの青あざを作っている事は知らない]


[けど、一息に喋る彼の言葉には眉を微かに寄せる

 100の為に1を捨てる。
 国や軍としての在り方として、正しい、のでは無い。それが一番、楽、なんだ。
 難しくも無い、多数にとっては都合の良い。

 でも嫌いな考え方だ。

 両方守れないと誰が決めた?
 限界まで彼は努力しようとしての言葉?
 僕には、ただ諦めてる様にしか見えなかった]


 ―― わ……

[ただ、それを僕が言葉にする前に、全部セディーが言ってくれた]

 ちょっとセディー! 引っ張んないで!
 ほら、そこの人凄い顔で睨んでるから!ちょっとー!?

[そして僕が何か言う前に、僕を引っ張って踵を返す。
 あぁ、流石に兵や看守の皆様方が驚いて、一部凄い形相で睨んでるんですけど……
 気付いてくれないかも]


メモを貼った。


メモを貼った。


 緑国が?

[急に問われて、困った顔をする

 うーん……そうですね。
 フィリップスさんやペランさん、セディーさんを見ていると
 余り、赤国と変わりはないのかな、とも思います。

[苦笑の意味は、察しきれない]

 緑国にも、生まれ変わりの伝承があるそうですね。
 ……本当に、よく似ていますけれど。

 それならどうして国は分かれて、
 私達は敵対しようとしているんでしょうか。


― 赤国軍牢屋・外 ―

[ベネットが止める声も、兵が睨み付ける視線も何のその。牢屋を出て、人のいない適当な路地裏まで彼を引っ張って進む。
そして。]

 おい、ベネット。
 ――――ベネディクト公子殿下!

[逆光の中の姿がプロマイドの姿と重なるまで、彼の正体に気付かなかった。どうかしている、こんな初歩的なミスをするなんて―――]

 一体どういうつもりだ。
 何でフィリスを連れてきた。メディをどうするつもりだ……!

[きっと眉根を寄せ、厳しい表情で彼を睨み付ける]


[敵対の理由の一つに、あの砦の一帯が含まれているのは
 言うまでもない。
 赤と緑、いずれもが正当な領有権を主張している状態。
 だから宙に浮き、下手に触れば相手を刺激する。
 この兵士の部隊が、秘密裏に調査を進めていたのは、
 それなりの理由があったのだ]


メモを貼った。


……1どころか、自分の身一つ守れねー有様だ、情けねー。

[目の前の“2”を切り捨てられず。
セディーの言葉に“100”を取るべきか戸惑い。
両方守るには?と動きに迷った昨日。

…その結果が、何も守れなかった現状である。
ごろんと床に転がった。天井は薄汚れていて、染みがあり。四葉に似てるなあ、なんて思いながら]

四葉のクローバーは、ハッピーラッキーの印ー、って。
…いつ覚えたんだっけかなあ、俺。

[気が付けば、幼い頃から知っていたわらべ歌。
母は、いつの間にか歌っていたと言っていた。

いつか、どこかで…覚えたのだろうが、どうにも思い出せなかった。]


[ムパムピスの答えに、振りむく。]

 はは、神父みたいな物言い。

 ―――僕は、今混乱しているみたいだ。
 軍人のくせに、国の示す戦うべきものが、信じられなくなっている。

[例えばそれがベネットの思惑通りだったとしても、少なくとも彼女は己の目でララントを、赤国の人々を見た。
自分の目で見、感じたものは自分を偽らない]

 戦うべきものは、戦を起こそうとしている何か、なんじゃないかと。
 軍人にあるまじきことを、考え始めている。
 ……笑う?

[ベネットは、最小限の血で戦を収めることを考えているようだった。
けれども、もしもまだ間に合うのなら。
片田舎の出身、一介の下っ端兵士の彼女には、情報操作で煽り焚きつけられた民に、どうやって真実を伝えたらよいのか、ちっとも思い浮かばなかったけれども。]


― ララント裏路地 ―

[本当に大丈夫なのかな。離してくれる様子は無い。
 そのまま人気の無い裏路地まで連れ込まれて]

 ……参ったな。
 僕の正体なんでバレちゃったの……?

[別にバレた所で問題は無いし、隠す気も無かったけれど。
 眉根を寄せるセディーの詰問に、まぁ待ってと片手をあげて]

 フィリスは既に知っている通りに、飽くまで客人として迎えるつもりだよ。
 心配しなくても、二週間ほど立てば彼女の事をそれ以上拘束するつもりはない。だから安心して。

 ……メディは……
 なるだけ善処はする。少なくとも殺す様な真似はしないよ。

[正直メディの処遇は捕虜として扱う以外に無く。
 どうしようかと考えていたから、少しだけ曖昧な返事になる]


メモを貼った。


 ……私は、神様とかは余り、

 信じていないのですけどね。

[振り向いて少し笑う、フィリスを見た。
 ステンドグラスから光が注いでいる]

 いいえ、笑いません。

 私は、もし戦争になって、フィリップスさんやメディさんと
 銃を向け合う事になったら、撃つ自信がないです。

[彼はただ仲間を助けに来た。
 彼女は正直で無益な戦を憂いている。

 何か変わるのかと聞かれたら、
 きっと何も変わらない。]


[理由を問われて、一瞬口ごもる。
数少ない国費留学生として、学生生活の様子――実質、赤国の市民生活をレポートに書いて送っていた。
特に大公周辺の情報に関しては、時に自ら率先して収集に当たったこともあった。それは円卓会議に、そして女王に読まれることもあっただろうか。
だが、それ以前に]

 街中にあんだけ顔が溢れていれば気付くっつーの……。

[片手を挙げられて、はあっと溜息を吐く。
そのまま2人の処遇について聞き]

 どうやら、お前がイイヤツなのは分かった。評判通り、だな。

[開戦派が騒ぎ立てる良くない噂から、大公とその息子が穏健な人物であることは推測していたが。]

 でも、あんな騒ぎ起こして、その上で客人だなんて。
 お前が良くても、諸侯が黙ってないんじゃねーのか。


[恐らく、開戦間近状況が続く限り、自分はもう祖国へは帰れない。
捕虜だというのなら当然の扱いとして、
偵察に行って客人として扱われて帰って来たなどと、スパイ容疑をかけられても不思議ではない。
かといって、軍に此処で見て聞いたものを話すことも、彼女にはできない。

緑国の軍にとっては裏切り行為―――そう言って差し支えない。

しかしやはり、彼女にとって故郷は緑国で、家族も友人もあちらにいる。
帰郷への思いが消える事は無いのだろう。

それでも、少なからず自分を信じて良くしてくれた人たちを、裏切ることもできない。
逆光の中、僅かの間俯いていた顔を上げると、何かを決めたような顔でムパムピスを見た。]

 メディに会いたい。牢に連れて行ってもらえるかな。
 それから、近いうちにベネットにも、会えるといいな。


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


[国と、街を守るために軍に入った。
 戦争になれば、ララントは真っ先に最前線になるから。
 そのためには、銃を取るのも仕方ないと。

 だけど、戦争をすると言うことは、
 別の誰かの郷里を攻撃すると言うことなのだ。
 それも仕方ないと――思っていた筈だった]

 はい、分かりました。

[フィリスの迷いは、多少なりと薄れたようだ。
 揚げパンの袋を手に牢屋に向かい、
 セディーが放免された事を知るだろう]


―牢―
[牢へ着くと、セドリックがすでに放免されたことを聞き、どこに行ったのかと尋ねるとベネットと共に出て行った事を知る。
彼には土地勘もあるだろうし、ベネットが共に居るのなら自分の滞在場所も伝わるだろう、そう判断してメディの所へ向かった。]

 メディ先輩…!

[口の端の傷を見逃さず、尋問があったであろうことを察した。
心底申し訳なさそうな顔で、眉根を寄せた。]

 ごめん…
 揚げパン、持って来たんだ。食べれそう?

[差し入れの許可は貰った。
これを食べて、彼はどう思うのだろう。]


[何故僕の事を知って居たかの理由は、僕は当然どちらの意味でも知り様はないけど。
 諸侯について問われたら、大丈夫、と指で口を押える]

 手は打ってるの。
 まず諸侯にまでそんな話伝わらないよ。きっと。

[緘口令は昨日の内に敷き切った。
 昨日の騒ぎを起こしたメディの事は勿論、フィリスの事のどうこうも、特別な何事かが無い限り、ローゼスベルグまで届く事も無いはずだと思う]


[円卓会議が休会を挟んだタイミングで、彼女は他の資料を読む]

…留学生達のレポートのどこまでが事実かは図りかねますが、大きな嘘は無いでしょう。
本当に穏健な方なら問題はありませんが――何故でしょうね。
そう簡単には行かないとも思うのです。

[軍情報部が集めてくる情報と照らし合わせても、赤国の大公は戦争には乗り気ではないと読んでいた]


―牢屋―

おおっ、フィリスちゃん!元気そうで何より!
揚げパン?やった、ハッピーとラッキーが来た!

[床に寝転がっていたが、意味不明なことを呟きながら、がばっと起き上がった。「あーん」などと柵ごしに口を開ければ、デコピンの一発くらいはもらうだろうか

えーと、ヒポポタマスだっけ?
どーも、うちの新米兵がお世話になってるようで。
あ、これ美味いなあ、セディーが褒めるだけある。

[ムパに言いながら、揚げパンを結局、自分の手で食べ始めた。]


 あんなド派手な事件起こしたのに?
 ―――……無理がねーかそれは?

[半信半疑、といった表情でベネットを見つめる。
人の口に戸は立てられず、情報というものは必ず漏れていく。そう思っているから、何の根拠があって「大丈夫」と言うのかが不思議だった。
逆に、仮に箝口令に成功しているのだとしたら……相当な手腕がある相手だということなのだが。]

 まあ、あんたを信じるしかねーけどな!
 んで当のフィリスは今どこなんだ。
 客人ってゆーからには、まさか観光中とか?

[んなわけねーよな、といった節で、にかっと笑って問いかけた]


[あーんと口を開けたメディに、思わず普段のノリでデコピン一発。]

 両手骨折でもしたらやってあげよう。

[揚げパンを渡し、食べ始めるメディの牢の前に屈みこみ、首を傾げる]

 ねえそれ、どっかで食べたことのある味だと思わない?
 シナミョンがよく効いたその砂糖。

[もはやムパムピスの名前に原型がないことなど気にもせず、首を傾げてメディの答えを待った]


[そして、端と気づく

……あ、先輩後輩ってのは、同じ学校だったんでね?
うちの、っていうのは、「緑国の」ってことね?

[あくまでも旅の歴史家だと尋問で貫き通していた軍人は、食べ物と後輩を前にしてぽろっと漏れた本音を取り繕った…もう、バレバレなのであるが。

拷問よりも、飴の方が効果があるのかもしれない。]


うん?んー。
……あ。フィリスちゃんの村に行った時に、買った…
アメルンのと、似た感じ。へー。赤国でも、味付けは一緒なんかね。

[不思議そうに呟き、指に付いた砂糖を舐めた

ごっそうさま、ありがとな!結構自由に動けてるのか?
本当に、あのお偉いさん…ベネットだっけ?を落としたのか…?
フィリスちゃん、やるねー。

[軽口を叩いていつも通りの笑顔を見せるが、口の端の傷が痛んで、あいてて、と呻く]


[…む。あんまり信用されてない。
 人の口に戸は立てられない。それが当然だと思っていそうなセディーの反応に、肩は竦めておく。
 とは言え、実際あれもララントの街の往来でされたなら、隠し様も無かったくらいには派手だったけど]


 ……観光……
 ……じゃないかな?

[寧ろそれ以外にすることも少ないんじゃないかと考えながら。
 少し戻らなければ行けない、と元来た道をセディーと一緒に戻る。

 丁度その時、緑国からの親書が届くだろうか]


 ……は?

[ベネットの微妙な反応に首を傾げる。
いやいやまさかあんな事件を起こしておいて、外に出す訳がないだろう、と内心思いながら、戻ろうとするベネットの後を素直に追った]


メモを貼った。


[不思議そうに頷く表情に、こくこくと頷く。]

 そう、同じ味付けなんだ。
 不思議だよね。

 今は差し入れくらいしかできなくて、ごめん。
 僕は特に動きは制限されてないよ。
 はははっ、なーぁにいってんの、先輩!別にベネットは、そんなんじゃないと思うよ。
 彼は多分、ぼくらの国に興味があるだけなんじゃないかな。
 …あ、ちょっと待ってて。

[口の端が痛む様子なのを見れば、一度牢の前を離れて洗ったハンカチを濡らし、格子の間からペラジーの傷を拭いた。]

 …ベネットは、僕を2週間後には帰すと言ってくれたけど。
 ところで、偵察に行って、捕虜にもならず客人として扱われ、元気に戻ってくるって
 …すっごくあやしいよねぇ、やっぱ。


 ……緑国からの親書?
 この街を伝ってローゼスベルグに届けるつもりだったんだね。

 ――いいよ。僕が直々に見る。

[セディーと戻った僕に入った報せ。
 緑国から、実際は父上。赤国大公に届けられるべき親書。
 だけど僕が見て判断する事も、ある程度は赦されている。
 まずは親書の中身を確認するしかないだろう]


 ……ごめんセディー。
 本当は君のこれからについて伝えたかったんだけど。

 ムパムピスを見つけたら彼に聞いてくれないかな?
 たしか彼はある程度抑えててくれたと思うから。

[緑国に帰国するなら、現状の馬車の流通。
 ローゼスベルグに帰国するなら、そっちの馬車についても。
 無一文との事なので、多少の保護手当も申請すれば受けられるかもしれない。
 中途半端で悪いと思いながらだけど、セディーとはそこで別れた]


微妙に、こことアメルンは近いからなー。
昔、アメルンの揚げパンがここに伝わったのかもな。
いや、逆か?ま、どっちでもいいや。

[牢屋の前を一旦離れ、ハンカチを濡らしてくる様子を見れば、ごめんよ、と言いながら大人しく拭かれ]

今は、って。充分さ。甘いモンと可愛い顔見せてくれただけで。
……これ以上、何もしなくていい。

って、2週間後に返す…?
フィリスちゃんが緑軍の者って赤の軍人達に知られてんのに?
あいつ、何モンだ……?かなり権力持ってそうだが。

んでその処置…やっぱり、惚れてるんじゃないかと思うくらいの厚い待遇だな。興味一つですまない、ぞ?…うん。怪しい。すごく怪しまれると思う。

[同意を示す。


[ベネットの後を歩いていると、伝令兵が報せを持ってくる。
伝令兵とベネットの会話を聞いて、ぽかんとした顔をした]

 緑国からの親書?
 あの印は……。

[封筒のちらりと眼に入った印は、一度だけ自分も見たことがある。
 ――――女王ソフィアの印。]

 ……おお、う?
 わかったー。何かあれだ、あんがとな?

[その封書に目を捕らわれていると突然別れを告げられ、上手に反応できないままベネットを見送ることになった]


[ベネットがその場を去った後。
しばらく立ち尽くして考え事をして……そして。]


 ……あれ。
 ムパムプスって今どこにいんだ……!?

[さあっと、青くなる顔。
そして暫くの間、青年はララントの市街をムパムピス求めて歩き回ることになる**]


― 赤軍屯所・一室 ―

 ――― これは…………………


[適当に誂えさせた机の上でその親書を広げた時―
 ―サッと身体中の血が青褪めたのを感じた]


 空白地帯の砦を問答無用の占拠。
 開戦に非ずと言えども時間を立てればあの砦は済し崩し的に緑国の領土にする以外に無くなる……


[く、と両手で握った親書に皺が走る。
 それにも関わらず、僕の思考はこの一言のみに集約される。
 ――今すぐ『これ』を破り捨てたい]


[僕がララントに居ず、この手紙が恙無く赤国に届けばどうなるか。
 答えは簡単。開戦だ。
 事実上の空白地帯と言えども、お互いの国が所有権を主張していた。

 ――つまり赤国にとっては、『赤国の領土』を勝手に奪われた事に他ならない。
 その上で開戦しないと言う主張なんて。
 血で染まった刃物を手に『お前を殺す気は無い』と言う様にしか受け取られない。


 …間違いなく、この親書は開戦の引き金になる]


 ―――〜〜〜〜!!

[背中を撃ち抜かれた様な衝撃に、悲鳴を上げたい。

 若干十五歳ながらも、嘗て起こった貴族の反乱を抑え、反乱分子を粛清し切った、現女王、ソフィア・エカテリンブルグ・ビリジアーナ。
 その余りにも強引且つ鮮やかな手腕には、敬意を表す反面、思い切りその顔を殴りたくなる衝動にも駆られてしまった]


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