人狼議事


204 Rosey Snow-蟹薔薇村

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視点:


― 夜の居間 ―

[血やもろもろで汚れた服は着替えていた。

 居間に入れば、ノックスと、トレイル、ニコラがいて。
 ためらうように足を止める。

 ソファに座っている二人を見ないようにして、炊事場へと向かおうと思えばノックスの手招きが見えた]

 ノックスさん……
 いまは、痛み止めきいてるから……

[謝罪に、眉をさげる。
 トレイルにちらりと視線を向けて、フランシスへというのにはゆるりと首を振った。
 熱の発散はしたけれど、怪我による発熱はまだある。
 どこかぼんやりと、危機感がないのはそのせいで]



 ――っ

[近づくフロスティブルーの瞳に、琥珀がゆれる。
 ざわり、ざわつくものはやはり感じて、視線をそらした]

[冷たい水を受け取り。
 小さな声で告げられる言葉に、瞳がかげる。
 ノックスへと感じる衝動は、どういった気持ちからなのか、よくわからなくなっていて]

 ――いや、俺が、不用意に近づきすぎたせい、だと思うから……

[許せはしないけれど、声高に非難するつもりもなくて。
 わずかに赤みが残る頬に触れられて、眉を寄せる。
 痛みがあるから、と拒否すればなおさら、確認しないとと言われて逃げられず]



 ――ちょ、ノックス、さん……っ

[抱きしめられて、びくりと震えた。
 触れる手に、ぞわりとうごめくものがある。

 発散したばかりだというのに、ざわめくのは、血の味を覚えたからか]

 ……だから、こういう、のは……

[やめてほしい、と逃げようとするけれど。
 まわされた腕ははなれず、背を撫でなれて吐息をこぼす]

 あ……っ、――だめ……

[悪戯な手から逃れられず。
 その、白い喉に噛み付いてしまわぬよう、耐えることに神経が向かって。
 彼の思惑には、気づかない*]


メモを貼った。


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【人】 許婚 ニコラス

[ノックスが優しくラルフを呼ぶのを、トレイルと並んで見ていた>>4:34
多分いままでラルフと話していたものと変わらないんだろう。

近付く距離>>4:36
ゼロセンチ]

 ……。

[足をぶらぶらさせるのをやめて、ただ、じっとノックスを見る。
手を開いて、握って、閉じて。
面白いものや綺麗なものを見る時とは違う、ただすべてを目に収めるための目で。

多分、蟻の巣を見ていたときと同じ色の目]

 ……んん、

[首を真横に傾げたら、ごきりと音がした]

(8) 2014/11/21(Fri) 21時半頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/21(Fri) 22時頃


[シメオンの言葉に、ディーンは首を横に振った。
生きている誰かの幸せは、わざわざディーンが願う程では無い。
自分の唯一である彼の幸せは願うものではなく、寄り添って共に見るものだ。

だから、ディーンが幸せを願う対象は、シメオンの他にない。

彼の憧れていたものを、彼の生きている内に与えられていたらまた違ったのだろうか。
それともまた、彼の道も変えようの無いものだったのだろうか。
考えたところで詮無いことだ。
記された物語は頁を巻き戻すことは出来ても、もう書きかえることは出来ない。――自分は、魔法使いでは無いのだ。]


[感謝の言葉は、小さな棘となってディーンの胸を刺す。
名前を呼ばれる度に、むず痒い心地がしていた昔を思い出した。
いつの間にか、そばにいることが当たり前になっていた『弟』の手を離したのは他でもない、ディーン自身だ。]

 ――…………ありがとう、シメオン。
 僕は、君が居てくれて、幸せだった。

[置き忘れていたものは後悔でも無く、謝罪でも無かった。
伝えるべき最後の言葉を置いて、ディーンはシメオンに背を向ける。このままここにいれば、また身勝手な後悔と謝罪を、彼に押し付けてしまいそうだったから。]


メモを貼った。


[そうして瞬きをした次の瞬間。
ディーンの姿は、帰るべき場所にあった。
空っぽになっていた片目にも、元と同じ藍鉄色が嵌っている。
ディーンは宝石箱の中に収まる自分の眼球を見て、ニコラの唇がディーンについて紡ぐのを聞く。

彼の唇は、果たして何度名前を呼んでくれるのだろう。
宝石箱の中にある眼球は、いつまで腐らずに形を保つことが出来るだろう。
食われて、彼と同じものになって、それでおしまいだと思っていた。しかし、まだここにひとかけら残っている。
彼の目は、それに気付かない。]

 ――…………ニコラ。

[はやく気付いて。はやく慰めて。はやく触れて。はやく――。
ディーンは何かを堪えるように眉を寄せ、その場にうずくまる。

胸に刺さる棘が、痛い。**]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[頭を傾いだまんま、影を眺める。
切れ切れに聞こえる二人の声は、息遣いは、今まで聞いたことのないもの。

揺れて踊る影は、ナメクジが絡み合う姿を思い出させた。

その行為の意味なんて、ほとんど知らない。
ただ、影で息で声で感じる変な雰囲気に、ただただ。


汚い、と思った]

(36) 2014/11/22(Sat) 00時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ん?

[>>30トレイルの視線。
汗をうっすらかいたトレイルが、なにかを探すような目をしてこちらを見ている。

酷い顔をしていた。
多分、僕と同じ顔。

彼の方へ体を向けて、宥めるために指を触れさせる。
額へ、頬へ、血のにじむ唇へ。

最後に前髪を撫でてから、てろっと指についた血を舐める。
トレイルと僕と、両方、すっと唇に朱が残った。

ノックスとラルフ。の、なにかソーイウコト。
汚くて、怖くて、羨ましい。


彼の探す小刀は、大事にポケットの中。
僕は彼が探すものは知らないし、彼も僕が持つものは知らないから、出すことはない]

(37) 2014/11/22(Sat) 00時頃

 うん
 ……うん

[幸せだった、そう言って貰えるだけで
嬉しくて、涙が毀れそうで――それでも笑った。
笑って、見送って

彼が消える前に、天井を仰ぎ、そのまま後ろに倒れた]


[ベッドは柔らかく弾んだ。
目を閉じて、それでも足りなくて手の甲で瞼を覆う]

 ……ふ、ぇ

[呻きに似た啜り泣きが、命の気配がない部屋に響いた。
流れる水が耳に入って気持ち悪いし、
頭の奥の方が熱くて、重くて
止めたいのに、五月蝿いと思うのに]

 な、んだよ   ……もう


[あれだけ落としてきた記憶が、
涙が流れるのと同時に帰ってくる。

傷からの発熱で、旅に出てすぐ熱を出したこと。
触れないように髪を撫でてくれた手を振り払ってしまったこと。

何もすることがなくて、文字も読めなくて
仕方なく、宿の女将から繕い方を習ったこと。

春に、なったら―――]


[いつしか啜り泣きは止み、少しずつ、息を整えていく。
濡れた瞳はぼんやりと天井を見上げ、閉じた窓に向けられた。


―――春は、遠い。
暖かい日差しが、もう浴びることの出来ない太陽が
どうしようもなく、恋しかった**]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[>>43音が。
止まった]

 ん。

[足をゆらゆらさせるのをやめて、小さく鼻で言う。
トレイルはそれを合図に、指にさらさらの前髪の名残だけ残して立ち上がった>>58

>>69そうして聞こえる、乾いた音。
その痛そうな音に、うーってなった。

けどトレイルを怒る気にはなれないの。
血の臭いがする。足音がする]

(120) 2014/11/22(Sat) 04時頃

【人】 許婚 ニコラス

[音は見てないと、聞こえない。
遠くで顔を歪めるトレイルの声は聞こえない。
けど、とってもかなしい顔をしていた。

ぺたぺたと、トレイルのそばに寄ろうと。
やっと歩き、トレイルを慰めてあげようと。

していた途中]

 あ。

[>>81光が駆けてきて。
なにがあったか理解する前にトレイルの体が倒れ、思わず立ちすくんだ。
それが人で、狼で、フィリップだとわかったのは、拳が振り上げられてからのこと。
あんまりにも一瞬で、僕はなんにもできずに]

 と、れい、るっ

[>>86がご、と音がした]

(121) 2014/11/22(Sat) 04時頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>100ノックスがフィリップを抑えて。こっちに歩いてくるトレイルをみて。
まだどきどきしている心臓を押さえて、息を吐く。
ああ、よかったなあって思う。死ななくて、よかった。
って考えてから。
なにか嫌なことに気が付きそうになったから、卵をぎゅっと握っておく。

まだ、かなしそうで冷たいトレイルの顔。
僕の手だけを引く動きに、ちょっと戸惑って]

 ……ノックスは?

[トレイルに訊ねるけども、多分、答えはない。
おとなしく手を引かれるまんま、振り返り振り返り]

 ノックス、

[困った声で、名前を呼んだ。
後、彼が口にしたラルフの血のことを思い。
吐かせたいなって思って。
繋いでない方の手を握って、伸ばした**]

(122) 2014/11/22(Sat) 04時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/22(Sat) 04時半頃


メモを貼った。


―  に至る前―

 ――っぁ、……く、う……

[ノックスの甘い吐息に煽られる。
 与えられた口付けに翻弄されて、気づいたときにはノックスに咥えられていた。

 やんわりとした刺激に身を震わせて、喘ぎを押し殺す。
 色素の薄い髪が、低い位置にある。
 そこから聞こえる、濡れた音に、ぞくりと、震えが走る]

 ……は、……ん、ノックスさ、ん……

[ふる、と頭を振る。
 強い刺激に足が震えて崩れ落ちそうになり。
 けれど、支える手が、足に触れて。
 誰も触ったことのない箇所を解されて、期待と不安に怯え]



 あっ……ん、ん……っ

[もうすぐ、というところで離されて、物欲しげな色が無意識に浮かぶ。
 濡れた音に煽られながら、ほかの事は考えられず。
 ソファから見えていることすら、意識できなかった]


 ノックスさ……あっ……

[快楽に流されている。
 衝動を感じた気持ちがなんだったのか、いまだ理解していないけれど。
 いうなれば、淡い初恋のような、ものだった。

 囁く声音ににじむ熱に、ぞくり、と背筋を震わせ]

 ん……ぅん……

[答える前に、重なる口付けに眩暈がする。
 求められることにくらくらと、思考回路がまともに働かず]


 ――――っ!!!

[初めて受け入れる、男の熱い塊に、声にならない悲鳴があがる。
 痛みに逃れようとして、両の手が押さえつけられ。
 中をえぐられ、快楽と苦痛にあえぐ]

 ……ふ、あ……っぁ、…

[瞳を閉じて、与えられるものに翻弄されていた。
 喉に触れる、硬い歯の感触に、期待と不安を感じて。
 途切れた動き、囁かれる声。
 ゆるり、とろけた琥珀が、薄青を捉えて]



 は、ぁ……ん、
  ノックス、さ、……んっ

 ああっ、……ノックスさん……

[問われるまま、熱を与える人の名を繰り返す]


[口元に寄せられる耳朶。
 とろけた瞳でみたそれが、とても美味しそうに見えてかじりつく。
 快楽にとろけた思考では、それが成す意味を考えもせずに、
 やわらかい肉と、血の味に、恍惚とした表情が浮かんだ]

 ひ――っ! ああっ

[いつか想像したように、血に染まった彼の姿を見て、口元が笑む。
 けれど、体勢を変えられた刺激に、また翻弄されて。

 ノックスにされるがまま、深く与えられる熱と快楽にあえぎ]


 ん、ふ……あ、あ……

[殺しきれない声が、零れ落ちる。
 耐え切れないと、開放を訴えるかすれた声でノックスを呼び――]

 も、いっちゃ―――?!

[ノックスに縋る指に力がこもる。
 流れ落ちる甘い血と、指先からにじんだ血が混じるけれど。
 それを意識する前、堪えきれない快楽を吐き出した瞬間。

 ――熱い痛みが、腹に生まれて]


 ――ああっっっ!!!


[激痛に、意識が半ば途切れかけ。
 かすむ視界の中、血にまみれた人を見る。

 彼が口にする、赤に、言葉に。
 何かを言おうとしたけれど、声にならず。
 彼の腕の中、ゆるりと琥珀が閉じられて――]




[そうして、息絶えた**]

 


― 死に至った後 ―

[ゆらゆらと、漂うような心地。

 痛みがなくなっていることに気づいて。
 ふ、と、意識が覚醒する]

 ――――?

[意識を失う前のことを思い、
 痛みを感じないことに、首をかしげ――**]


メモを貼った。


メモを貼った。


― 居間 ―

 ……なんで、聞こえるのに。
 とどかないんだろう。

[完全に目覚めたのは、声にならないフィリップの悲鳴を聞いたから。
 フランシスが、ドナルドが、フィリップが嘆いているのが見える。

 腹を割かれ、ノックスの手が臓器を弄った体を、
 綺麗にしてくれているのを見ている。

 フィリップへと、“思い”を向けても届かないのに。
 フィリップの“思い”は届くふしぎに小さく呟く]


[死ぬ前、ノックスに抱かれたのは、彼に感じた衝動をすりかえられるだろうかと思ったから。 
 それでも、与えられる快楽だけでは衝動は抑えきれずに。
 フィリップへと“思い”を届けることすら忘れて。
 その耳を噛み千切ってしまったけれど。

 二人分の血で彩られたノックスの姿に、食らってしまいたかったと、思う]

 これは、俺が食われたってことなのかな。

[ノックスが手についた臓器を口にしたのは見た気がしたけれど。
 いま、フィリップが食べようとしているようには食べられていない。
 ゆるりと瞬き。

 フィリップの傍にいるか、ノックスの様子を見に行くか。
 しばし、迷う*]


【人】 許婚 ニコラス

―目覚めの話―

[寒くて、目が覚めた]

 ……ん、

[まだトレイルは眠っている時だった。
外はまだ雪がびゅうびゅういっていて暗いから、時間はよく分からない。

ただ、昨晩のことを思い。
ゆる、とまばたきをして、トレイルを見た]

 ……。

[静かに眠る彼の、長いまつげ。
それをしばらく見てから、起こさないように布の布団から抜け出した]

(156) 2014/11/22(Sat) 18時頃

【人】 許婚 ニコラス

[探し物は。
すぐに見つかった]

 ノックス。

[>>150廊下に転がる兄を見て、静かに声をかける。
白い息。多分、僕らよりもずっと寒いとこで夜を過ごした彼の姿。
もう起きてるんだろうか。それとも、まだ悲しい夢の中?


近付いて、近付いて。


そのまんま、彼のお腹を右足の踵で踏んだ]

(157) 2014/11/22(Sat) 18時頃

【人】 許婚 ニコラス

[彼のお腹を踏んだまんま。上に乗り、胸を膝で押し潰す。
爪先が彼のお腹にめり込んだ]

 ノックス。信じるって、難しいね?

[大人なのにそんなことも分からなかったの?って。
彼の頬に触れながら、尋ねる。
身を乗り出せば、もっと足からの重さは彼の体にかかった。

トレイルは、僕とノックスが世界なんだから。
目の前であんなことするなんて、そりゃ怒るよ。
そんなことも分からなかったの?

そう、問いかけるのは呑み込んで。
ただ、キスできそうなくらい近くで、ノックスの顔を見る。
冷えた体。きっと、トレイルに嫌われたのがすごくショックだったんだ。
そんなことだけで、こんなに落ち込んで。
その上、それが自分の犯した罪のせいなんて。

ふ、と口元に、笑みが浮かんだ]

(158) 2014/11/22(Sat) 18時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ……ノックス か わ い そ う 。

[笑って、囁いて。
頬から移り、唇を撫でていた指を、口の中にねじ込む。
許されるならば指を伸ばして、ひくつく喉奥に触れて。

彼の罪を、全部吐き出させてあげようと]


 大丈夫。
 僕は、ノックスのこと、嫌いにならないよ。
 僕は。
 僕だけが、ノックスの味方だよ。


[一言一言、区切りながら言って目を細め。
引き抜いた指を、てろっと舐めた]

(159) 2014/11/22(Sat) 18時半頃

【人】 許婚 ニコラス

―1階―

[戻ったときは、丁度トレイルが起きたときで。
>>132いつも通り、寝起きの機嫌の悪い彼に、おはようのハグをした]

 おはよう、トレイル。

[痛いんだろうか。腕を押さえている。
大丈夫?って首を傾げて]

 ……薬の場所、知らないね。

[困った顔で笑った]

(160) 2014/11/22(Sat) 18時半頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/22(Sat) 18時半頃


メモを貼った。


― 居間 ―

[自分の、身体だったものが食べられている。
 それを止めようとするフランシスにゆるりと瞬き]

 俺はかまわないから。

[止めなくていいよ、と聞こえなくても呟く。

 フィリップが噛み傷のついている指を食べる。
 骨が砕ける音。
 腹からだいぶ血が流れたとはいえ、まだ身体に残っている血がにじむ様子]

 ……うん、自分が食べられるところ見ることになるとは……
 でも。

 美味しいと思ってくれるなら、いいかな。

[フィリップが、また獣よりになってしまったことに、少し悲しく思うものの。
 それでも、食べたいと思うほどに想ってくれているのは嬉しかった]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[薬の場所なんて知らない。
コート、食料、着替え、次の街。
そんなものの場所なんて知らなくても、ノックスが全部してくれるから。

抱き着いたまんま、少し埃で汚れた包帯を弄って
>>161トレイルの仕草に気が付くと、小首を傾いで]

 寒い?

[意味は少し違うかもだけど、トレイルがここが寒いと思ってるのは確かだと思う。
指さされた先、温泉のある暖かい場所の扉。

ぺたぺたと歩み寄って、開けて]

 ……ん。

[そこにあった、もの>>142
ソレを、少し眺めてから

振り返って]

(185) 2014/11/22(Sat) 22時頃

【人】 許婚 ニコラス

 トレイル、お腹空いてない?

[尋ねた]

(186) 2014/11/22(Sat) 22時頃

【人】 許婚 ニコラス

[ソレを見たとき、本当はびっくりするのが正しいのだと思ったけど。
その感情が、まったく出てこなかった。
ちっともぴんとこなかった。

肉だ、と思った時。
あ、と思った]

 ……。

[ただの肉だ。
ディーンの肉を食んでも、一緒になれなかったように。
ソレは、ただの、なんの意味もない、肉だ。
特別食欲が湧くわけではない。
だが食糧ではあることを、ディーンの時に知ってしまった。

お腹が空いている。
目の前に食糧がある。
だから食べる。

なんの問題もない]

(187) 2014/11/22(Sat) 22時頃

[大切にされていたのだと。
 痛いほどにわかる。

 三人の様子が、悲しくて嬉しくて愛しい]

 ……俺、ばかだ……

[大事にされていたのに。

 衝動に――触れてみたい思いに負けて。
 そうして、ノックスにも、痛みを与えてしまっている]

 ……ごめんね……

[居間からでていったノックスが今何をしているのか知らぬまま。
 ぽつりと呟く]



 ――フィリップ……

[うつむいたフィリップの頭を撫でようと手を伸ばす。

 けれど、触れることなどできるはずもなくて]

 いいよ、食べたかったら、全部食べていい。

[哀しいことを言うフィリップにささやく。
 痛みを伴うかのような“思い”に、瞳を伏せた]



 ……フランシス……

[心配性で過保護な保護者が、自責の言葉を紡ぐ様子に、小さく名を呼ぶ。
 いつもいつも、心配をかけては小言をもらっていて。

 結局、こんなに悲しませている]

 ごめんね、フランシス……

 ドナルドも……

[人として眠らせようとしてくれるドナルドの思いが嬉しい。
 郷里にかえったところで、迎えてくれる家族はいないけれど。

 ドナルドが、そうして弔ってくれようとするのが、嬉しい]


[伝わる感情に、
 ほろほろと涙がこぼれる。

 死んでいるはずなのに、こぼれるものなのかと、どこかで鈍く考え。

 ただ、フィリップたちを見ている]


[フィリップの保護者の名前に、ゆるりと瞳を瞬かせる]

 彼も……?

[そんな、それでは、フィリップは]

 ……フィリップ。

[嘆きの深さがわかった気がした。

 フィリップが、保護者を大切に思い頼っていたことを知っている。
 その、彼も、死んだというのなら]

 …………

[何もいえずに、冷たくなった体に縋りつくフィリップの頭を、
 触れることのできない手で撫でる]


【人】 許婚 ニコラス

[頷いたトレイルを見て、頷きを返して。
ポケットに入れっぱなしだった小刀を取り出して、少し考えて]

 はい。

[数分後、差し出した腕肉の切り身。
お湯でちゃんと洗ったのだけども、トレイルは渋い顔をしていた。
ちゃんと料理しなきゃだめだろうか]

 料理……したことないねえ。

[小首を傾いで。
とりあえず、自分で食べておく]

 ねえ、トレイル。
 ノックスとはいつまで喧嘩するの?

[あんまり長いと困ったなあ]

(216) 2014/11/22(Sat) 23時半頃

― 居間に至るまで ―

[胸の痛みに蹲っていたディーンは、足音に顔を上げた。
胸の痛みは引かない。
しかし、ニコラの在るところが、ディーンのいるべき場所だ。
彼の後に続き、彼の見る光景を見ていた。

ノックスとラルフの営みに、思うところは無い。
ラルフのようにニコラに抱かれたいとは思わないし、ノックスのように彼を抱きたいとも思わない。
ただ、ラルフの腹にナイフが突き立てられるその瞬間だけは――]

 ――……。

[腹を食い破るニコラの歯の感触と、汚れた口元を思い出した。
ディーンは目を逸らし、小さく息を吐く。
おおよそ健全とは言えないが、これが欲情と言えるものと同義であることは、随分前から知っていた。]


[また、彼に食べられたい。
鋭い歯で肉を破かれて、血まみれの手で腹の中を弄られたい。
唇を、血が出るほど噛まれたい。
眼球の奥、誰も触れたことのない場所まで指先で抉られたい。
中身を全部曝け出して、彼に見て欲しい。
彼だけに、見て欲しい。]

 …………。

[しかし、彼に、今の姿は見えない。
見えたところで、食われる為の身体が無い。
ニコラがトレイルの手を引いて去っていく。
ラルフの遺体を複数の人間が見て、一様に悲しげな顔をする。

その光景を見ながらディーンは、ラルフが死に至る理由を悟る。
――彼は、多くの人に愛されていたのだ。]


[物語は起こり、展開していく。
展開していくにあたって特に重要なのは事件だ。
たとえば、その時点では倒しようのない敵が現れる。その敵を倒す為に、登場人物たちはアクションを起こす。
或いは皆から愛される誰かが死ぬ。それによって、彼に向けられていた感情が登場人物の思い思いの方向へ分散していく。

ラルフの死は、物語が展開する為の、重大な事件だ。
展開は変化を呼ぶ。
変化しない登場人物は――いない。] 


[フランシスとドナルドが、フィリップを慰めるのを見る。
 彼らなら、と思ったとおりの行動に、
 そのままフィリップの悲しみが少しでも薄れればいいと思う]

 ……忘れて欲しいわけじゃないけど。
 哀しいままでいて欲しくないな……

[わがままな感情をぽつりとこぼし。
 オルゴールの話に、三階の荷物の中にある宝物を思い出す。

 そういえば、最期のとき、オルゴールの音色が聞こえた気が、した]


[――彼も、変化を免れないのではないか?

浮かんだ疑問符を打ち消す手段は、今のディーンにはない。
もし、眼球が腐るより早く、彼が忘れてしまったら?
もっと他に大切なものを見つけてしまったら?

ラルフがその場にいることにも注意を払わず、ディーンは静かに立ち尽くしていた。
彼は、トレイルの手を引いていった。
トレイルが彼の唯一になるかも知れない可能性など、考えるまでも無い。
トレイルは、彼の側で、まだ生きているのだ。
もう触れられない自分とは、わけが違う。

彼と一つになってしまえば、もう苦しむことはないと信じていた。
同じものになってしまえば何も怖がる必要はないと思っていた。
そんなディーンの幻想を打ち砕く声がする。]


 ――……違う。
 錯覚なんかじゃない。

 僕は、確かに永遠に一緒なんだ。
 僕の肉は、ニコラの身体を作る。

 だから僕は、ニコラとずっと……ずっと、一緒にいられる。

[生者には聞こえない声で、ディーンは呟く。
バーナバスの言葉を肯定することは出来なかった。
まるで、喰われてしまえばそれで終わりだとでもいうような。
自分の抱く欲望そのものが、罪悪であるかのような。

ディーンは、顔を伏せる。溢れ出そうなものを唇を噛んで堪える。
その代わりに胸に刺さる棘の痛みが増した――ような、気がした。*]


メモを貼った。


[ドナルドの腕の中、
 涙をこぼすフィリップの悲しみが、少しでも癒えればいいと思う。

 ドナルドが、考えている復讐には瞳を翳らせ。

 聞こえてくる慟哭を、受け止めている]


  ――?

[ふと、聞こえた声にゆるく瞬く。

 今まで、フランシスやドナルド、フィリップたちしか視界に入っていなかったけれど。

 もう一人、ディーンの姿が見えて]

 ディーンさん……?

[ニコラと消えた後から、姿を見なかった人がいることに、ゆるりと首をかしげた]


[声が聞こえる。
ディーンは数度瞬いて、視線をゆっくりと声の方向へと向けた。
血が滲む程噛み締めた唇は、しかし傷ついた様子すらない。]

 ――…………君は、良いな。
 愛されている。
 君は、まとも だから。

[声は淡々と、平坦に響く。
ディーンの口角はほんの僅かに持ち上がった。
自嘲だ。彼を羨ましいと思う自分に対する。]


【人】 許婚 ニコラス

[>>222トレイルはなにを言ってるんだろう。
きょとんと首を傾いで、瞬きをする。
声が聞こえないんじゃなくて、意味がわからなかった。

ノックスはいなくなってなんかないのに。
ああ。でも、そう言うのも仕方ないのかな。
トレイルの世界は、とっても綺麗だから。
綺麗じゃなければ、トレイルは許せないから。
きっと、拗ねちゃったんだ。

思ってから。
ふ、と口元に笑みが浮かぶ。

いま、彼の世界には自分だけなんだって。
そう思って]

(241) 2014/11/23(Sun) 00時頃

【人】 許婚 ニコラス

 焼くとこ……ペチカ?

[じゃあ、うん。わかった]

 ねえ、トレイル。

[可愛い僕の弟]

 僕だけが。
 僕だけは、なにがあってもトレイルの味方だからね。

[行こ、と手を引いた]

(242) 2014/11/23(Sun) 00時頃

[声が届く様子に、彼は食べられてしまっているのだと思った。

 ディーンの様子に首をかしげ。
 羨ましがられている理由に軽く瞬いた]

 ……ディーンさんだって、
 フランシスと仲良さそうだったし、シメオンとも……

[愛されていることは否定しない。
 みんなの愛を、実感したばかりだから。

 今も、嘆いているフィリップが見えるのだから]

 まともだとか、そういうのは愛される理由になるのかな……


許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/23(Sun) 00時半頃


メモを貼った。



 うん……そうだね。

[ここにいるけれど、フィリップには見えない。

 そのことが哀しい。

 フィリップの涙が止まるように願いながら、ドナルドが慰めてくれていることにほっとしている]


メモを貼った。


メモを貼った。


許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/23(Sun) 00時半頃


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[けど、あんまり長いこと拗ねられると困るなあ。
ノックスが、悲しんでしまうし。トレイルだって悲しいまんまだ。
なんとかして、仲直りを。

と、考えていたとき。
聞こえてきたのは、悲しい、音>>244]

 んん……。

[僕もディーンに会いたいなあって思った。
可愛い、可哀想なディーン。
君はいま、どこに行ったのか。
それが分からない]

 ね、トレイル。会えないとさびしいよ。

[だから、ノックスと仲直りして、また会えるようにしようって。
言葉の外に含めて言いながら、扉を開けた。

包帯を巻いた手には、血を綺麗に洗い流した幾つかの肉片]

(257) 2014/11/23(Sun) 01時頃

 ベネットには、君たちがいる。
 シメオンのことは、傷つけてばかりいた。

[いや、彼が自分と同じように存在している以上、過去形で結ばれるべきものではない。
今も傷つけている。きっと。

ラルフの問い掛けに、ディーンは一度自らの掌を見下ろす。
皮膚に染みついて取れずにいたインクの汚れは、消えていた。]

 君は……君たちは、誰かに触れたり、話したりして、
 色んな感情を確かめる。
 ……僕にはそれが、難しかった。
 君たちは、別のことで、欲を誤魔化せる。
 でも、僕には、それが出来なかった。


 もう少し、まともに  生きられたら

[ディーンの声は、そこで途切れる。
仮定の話をすることは、今を否定することに繋がりかねない。
今に後悔があるわけではない。
全てを彼に差し出したことには、後悔は微塵もないのだ。]

 ――……会いたい。

[言いたいことを見失い、ディーンは静かに声が伝わらない会話を聞く。
そもそも、言いたいことなど存在していたのだろうか。
疑問符はディーンの腹の内に静かに落ちる。]


[かわいそうだと囁かれて、慰められたい。
憐れみの視線で射抜かれたい。
その為にはまず、彼に気付かれる必要がある。

ディーンは、失念していた。
物語の登場人物は何も、壇上にあるものだけではない。舞台の上と客席があって初めて舞台は成立する。そこにいる者全てが登場人物なのだ。
――そして、展開に合わせて登場人物は変化していく。]

 ――……。

[彼が、こちらに来ればいい。
頭の中に兆した考えに、ディーンは重い息を吐いた。**]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[困ったなあ。まだ拗ねてるのかな。
ラルフよりもトレイルが愛されてるって、分からせればいいのかなあ。って。
トレイルの不思議そうな顔に、ううん、と唸って。

それから、居間の雰囲気に、ちょっとまごついた]

 ご飯……作りたくて。

[来たんだけど、と。
ごにょごにょ言って、視線をおたおたさせて。
>>260ちらりと合った視線。その苦い色に、ぱちんと瞬きして首をかしげた。

それから、野良猫みたいにそうっとペチカの傍に向かう。
鍋がまだあれば、蓋をフライパンの代わりに使わせてもらおうかな、なんて考えながら]

(267) 2014/11/23(Sun) 01時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>279見せられて、うん 頷く。
お塩はどれかなって二人で探して、それっぽいのを見つけて。

鍋に乗せた肉とお塩は、不慣れな手で調理されていく。
もたもたと用意する耳に、入った音]

 ……ノックス。

[彼の呼ぶ名前。
それはやはり、僕じゃない。

伸ばした手、それに逆らうことなんてない。
のに、やはり、呼ばれるのは、トレイル]

(287) 2014/11/23(Sun) 03時頃

 
 それは、そうだけど……
 でも、俺たちと、友人は、別じゃないかな……

[シメオンを傷つけてばかりだというディーンに、眉を下げる。
 彼らのことは、居間で少し見ただけだから、何も言えずに]



 ディーンさんは、生きているのが、辛かったの?

[首をかしげる。
 普通のことをしていたのに、うらやましがられて。
 仮定の話がまともであるのなら、今まではどれほど生き辛かったのだろうか。

 会いたい、と囁く声に小さく頷く]

 死んでしまったら、会えない。
 俺を見ることを、彼らはできないから。



 ディーンさんは、ニコラに、あいたい?

[トレイルの手を引くニコラの姿を見て。
 ゆるりと首を傾げて問うた]


[居間からフィリップが出て行く。

 追いかけるかどうか、迷っている間にノックスがきて――]

 ……

[まっすぐに、トレイルとニコラへと向かう姿。
 そうだよな、と思う心と、少し、痛む思いがある。

 ノックスから視線をそらして、ドナルドへと心配そうな視線を向けた**]


メモを貼った。


[彼のいうことは恐らく正しい。
しかしディーンは否定も肯定もせずに、ただ瞬きをする。]

 ……僕は、死ぬつもりで、山に来た。
 ここなら、僕たちの一族がいずれ、通る。
 
 シメオンは賢くて良い子だ。
 だから、きっと、大丈夫だと思った。
 ――僕のそばにいるよりは、その方が良い、と思った。

[あまりにも自分勝手な言い分であることは理解している。
ひとつひとつ噛み締めるように言葉を落としながら、ディーンは少しずつ目を伏せていく。そこに、増える足音。
そちらを一度見てから、逃げるように視線をラルフに戻した。]


[会いたい、という言葉は、心境に上手く馴染まない。
感情を的確に表現する為の言葉を探して、やや長い沈黙が落ちる。]

 ――…………触れられたい。

[そう、これが一番近い。
首を傾げるラルフを見ながらゆっくりと瞬きをして、視線をペチカに遣る。何かの焦げるような匂い。
その手元に肉があったのは、見えていた。]

 ……触れられて、捌かれて――食べられたい。


 ……だから、誰かに触るのが 怖かった。
 ――……僕は、大人になれなかった。

[ペンと紙を失っただけで、簡単に理性は瓦解した。
ずっと願っていた通りのもの――誰かに食べられるという幸福な死を与えられて、それでも今なお欲は尽きない。
その幸せを、何度でも欲しいと願ってしまう。

肉が焼け焦げる匂いが届き、ディーンは僅かに眉間の皺を深くした。**]


メモを貼った。



 ……シメオンと別れるつもりだったんだ。

[死ぬつもり、というディーンに、瞬きをくりかえす。
 そんなに死にたがっているようには見えなかったのを思い。

 けれど、ディーンが生きているうちにかわした言葉は少なく。
 何もいえないまま]

 それでも、シメオンがそう思ってたかどうかはわからないよ?

[シメオンに案内されているときも、彼は保護者を気にしていたように見えた]


 ――ニコラに?

[触れられたいというディーンに首をかしげて問いかける。
 ニコラから視線をそらしたのは見えて、ならばやはり。
 ディーンの姿が見えなくなっていたのはニコラが食べたからだろうと思う]

 そっか……大人に、なれないことも、あるんだ……

 大人になったら、みんな、ちゃんと制御できて。
 だから、問題はなくなるのかと思ってたけど……

[大人であればフィリップとも一緒にいられる未来があったかもしれないと夢見ていたけれど。
 それはただの夢だと知って、ため息をこぼした]



[肉のこげる匂い。
 ノックスがトレイルたちに向ける言葉。

 それを聞きたくないような、見ていたいような。
 そんな葛藤を覚えている*]


メモを貼った。


 ……でも、守らなければいけないと、思った。
 だから、生きようと思った。けど……
 僕は、僕の欲望を、優先させた。

[同族の集う場所で、彼がどんな決断を下すのかを見守るまでは死ねない。
ディーンは確かにそう思っていた。
しかし、選んだ道はそれとは程遠く――守ることも出来ずに。
ディーンは自らの胸元を軽く擦る。

ラルフの唇が動いて、彼の名を呼ぶ。
ディーンは僅かに口角を持ち上げて、一瞬だけ笑みの形を作った。]

 制御できることと、無くなることは……違う。
 大人になる頃には慣れて、扱いが上手くなるだけだ。
 いつまでも慣れずに、上手く扱えない大人も、いる。


 僕は……我慢をすることだけが、正しいとは思えない。
 確かに、食べてしまえば、命はそれで終わりだ。

 でも、命以外のものは、残る。

[残るものが決して幸福だけとは限らない事を、今身を以て体感してはいる。
しかしそれでもディーンは、我慢することをただ享受することに肯定的にはなれない。]

 ……君への気持ちも、ずっと残る。

[誰の、とは言わなかった。]


 …………珍しい、な。

[昔馴染みが本気で怒るさまは、初めて見たはずだ。
緑色の瞳があのように暗くなるさまを見るのも、同様に。

ディーンの視線はラルフの表情からベネットへ流れ、最後にノックスに辿り着く。
自分を食べたニコラを、それでも大事に抱えている大人だ。]



 ……そう、なんだ……
 ――ああ、もしかして、フランシスに、頼んだりしてた?

[ディーンの姿が見えなくなって。
 シメオンがフィリップに食われたのを見て。

 フランシスが取り乱していたのを思い出す。
 だからか、と、首をかしげ]

 なくならない、のか……
 ――ずっと付き合っていくしかないんだね、衝動とは……

[ディーンの言葉にため息をこぼす。
 笑みを浮かべた様子にゆるりと瞬き]



 残るかな……残るといいな。

 忘れられるのが、一番悲しいね。

[我慢することを否定するわけじゃない。
 フランシスを知っているから。
 ああなりたいとも、思ったこともある。

 それでも、食べられてしまった今は。
 何かが残るのならいいと、そう思う]



 ……あんなに、怒ってるとこ、はじめてみた。

[フランシスの様子に、愛されていることを感じて心が痛い。
 いつも、心配ばかりかけて困らせていたのに。
 それを最後は笑って許してくれたことを思う。

 あんなに、こわい顔をすることがあるなんて想像したこともなかった。
 ノックスの答えは、聞きたいような聞きたくないような。

 フランシスとドナルドに視線を向けながらも、ちらりと、謝罪の言葉を口にしていたノックスに視線が流れる]


 ……シメオンに、君たちのように育って欲しいと思った。
 それに、ベネットは信用出来る。

[だから頼んだ、とディーンは大事な部分を言外に置く。
続くラルフの声に、ゆっくりと首を縦に動かした。]

 なくならない。
 だから、気を紛らわせる為の手段が、必要になる。
 それで路銀を稼いで、放浪する。
 よく出来た、悲しい仕組みだ。
 誰かを……望むことも、許されない。


 ――……それだけ、ベネットは君を愛していた。

[自分よりも長くベネットと過ごしていたラルフですら、初めて見た姿だという。ディーンは笑う代わりに小さく息を吐いた。]



 フランシスが信頼できる、というのはわかるけれど。
 でも、やっぱりそれって。
 シメオンが望んでなかったら、……意味ないよね……

[もし、フランシスにそんなことをされたら。
 それはきっと痛くて悲しくて、なにも信じられなくなりそうな気がして。

 大人になっても、衝動がなくならないというディーンに、ため息をついた]

 誰かを望んでしまえば、大人でも衝動は我慢できなくなる?

[そうなのかもしれないと、ふと思う]


[愛されていたことを指摘されて
 小さくはにかむ。

 こんな風に実感するのは痛くて悲しいけれど。
 それでも、思われているということは、嬉しいものだった]


 ――……ああ。

[シメオンについて口にするラルフの言葉は正しい。
ディーンは静かに、肯定の相槌を返す。]

 衝動は、感情によって突き動かされる。
 感情は制御できない。
 感情が暴走すれば、衝動も制御できなくなる。
 誰かを思う気持ちは、我慢しきれない衝動に直結する。
 大人も、例外じゃない。
 ……個人差は、あるが。

[疑問への答えは、最後に、言葉が全て主観に基づくものであることを言い添えて、ディーンははにかむラルフの口元を見た。]

 ……素直な子供は、愛される。




 そういうもの、なんだ……

[人と接すれば衝動を感じるかもしれないからと。
 浅く広い付き合いしかしてこなかったから、ディーンの言葉になるほどと頷き]

 大人になっても制御できないなら……
 フィリップとは大人になっても、一緒にはいられなかったのかな……

[それは悲しいことだと、ため息をつく。
 ディーンの主観ではあっても、自分より長く生きた人の意見であれば。
 それが真実に近いものであるかのように聞こえていた]

 ……愛されていたことを、こんな風に知りたくはなかったけどね。

[自らに素直であったことは否定しない。
 ぽつり、と小さく返した]


 ……僕は、僕の衝動しか知らない。
 我慢の限度も、堪え方も、人それぞれだ。
 
 ――……僕は、我慢が得意ではなかったが、
 ベネットはきっと、我慢強い方だ。
 だから、君なら……

[怒りを露わにしながらも、復讐を遂げるより先に問いを投げ掛けるさまは、我慢強いと評して良いものだろう。
であれば同行者も、彼の我慢強さに倣うことが出来るはずだ。
そう考えて口にした可能性の話は、そもそも意味のないものだと終盤に至って気がついた。
ディーンは言葉を切り、小さく息を吐く。]

 ……知らないよりは、良い。
 こんな形でも。 



 そうだね。
 フランシスは、とても我慢強いし……

 ――なら、……ドナルドも、大丈夫、だよね……

[ディーンの言葉に小さく頷く。
 死んでしまった己よりも、もう一人の同行者を気にかける。

 ――復讐を、望む言葉が、実行されなければいいと願う]

 うん、そう、だね。
 どんな形でも……

 俺も、フランシスたちが大好きだったし。

[衝動には結びつかなくても。
 大切だったことに変わりはなくて。

 だから、彼らが、生きていればいいと、願う**]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[>>288>>290向けられる、二人の視線。
困ったような、願うような、それ。
それを見ながら、ふ、と口元に笑みが浮かんだ。
誤魔化すみたいに、困った顔をする。

僕を。
僕だけを、信頼していればいい。
二人とも、だ。

唯一の味方 って いうのは
僕を君の君を僕の特別にしてくれる。
のに。

どーせ、心が向いてるのって二人ともお互いのことなの]

 焦げてる。

[鍋を覗いて>>302トレイルと顔を見合わせて、首をかしげた]

(337) 2014/11/23(Sun) 17時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>301大きな声がして。
他の人と話していたノックスが戻ってくる。
鍋を取り上げられても、特に動くことはなかった。

二人の視線が、何度かこっちに向く。
ダメな兄と、ワガママな弟。
そんな二人の醜さを、愛さずにはいられない、のに。
違うな、と思った。
二人は、ちっとも僕を見てなんかない。

欲しいのは。
かみさま、と呼ぶ、あの掠れた声だけ。

二度と聴けない、最高の音楽の代わりを、求めている]

 ……大丈夫?

[>>304トレイルの弱った笑みに声をかけた]

(338) 2014/11/23(Sun) 17時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[爪を、たてて。
>>311ノックスから受け取った鍋の底。張り付いた肉を剥がす。
脂が少ないせいか、肉は張り付いたまんま剥がれずに、ちぎれた]

 ノックス。

[トレイルに、その肉片のついた指を向けながら。
謝りたい、と言うノックスを見る。

苦しげな兄と、嫌悪を露にした弟。
お互いのことしか見てない二人を見ていたら、不意に。

このケンカが最悪の形で解決するといいと思った]


 ノックスは、トレイルとセックスしないの?
 ラルフとはしたのに。


[なんにも知らない子供の声で、笑って首をかしげた]

(339) 2014/11/23(Sun) 17時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[ラルフに愛を向けたのがケンカの理由というのなら、それ以上の愛をトレイルにも向けてあげればいい。
セックスして、抱き締めて、そうして]

 『食べてあげたらいいのに』

[口の動きだけで。
血族の一番純粋で無垢な愛情表現を、ノックスに囁いた。

ノックスは。
イイホゴシャなら、きっと振り払える程度の、小さな悪魔の囁き]

 ……だって、好きなんでしょ?

[食べたいくせに。

けしかける声は、無邪気さを装って響いた]

(344) 2014/11/23(Sun) 17時半頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/23(Sun) 18時頃


メモを貼った。


メモを貼った。


[ラルフの言葉は、まるで自分に言い聞かせているかのように、ディーンには聞こえた。
首を縦に振ることもできず、ただ聞き届けるだけだ。
彼らの関係はまさしく「思い合う家族」と言うに相応しいもののように思えていた。]

 ……思いは、届く。

[絶対、という保証は何処にもないが、ディーンはそう呟いた。
勿論、全てが無残に引き裂かれる悲劇の物語も存在している。
ただ、彼らに関しては悲劇ばかりでないと良いと、願っている。

昔馴染みの嘆く顔は、あまり見たいものではない。]



 うん……そう、願うけど……

[ディーンにゆっくりと頷く。

 信じてくれるドナルドの言葉にほろ苦い笑みが浮かぶ。
 あの時、衝動のままに噛み千切ったのは事実。

 ドナルドを食べたときは、それだけの体力がなかったし。
 引き止める存在が、多かったからだ]


[セックス、という彼に不釣り合いな言葉が聞こえて、ディーンは思わず驚いてニコラを見た。
藍鉄色の瞳は、無邪気な子供の顔の裏にあるものを見透かす。
唇だけの囁きも、それに続く声も、自分に向けられたものとは全く違う。

その事実だけで、ぞくぞくと背筋が震えるような心地がした。]

 ――……ニコラ。僕の、ニコラ。

[囁く声は微かに熱を帯びていた。
真実を暴こうとする声も、唇も、瞳も、全てが愛おしい。]


[ノックスがトレイルを追いかける姿に、ゆるりと瞳を伏せる。

 わかってはいたけれど。
 やはり見るのは辛くて。

 フィリップは居間から出て行った後、どうしているのだろう。
 伝わる思いだけではよくわからず。

 ノックスの言葉を否定するフランシスが見える。
 あの時、水を飲みたいと思わなければ。
 居間に行かなければ、こんなことにはならなかっただろうかと考え]

 ……いつかは、同じことになっていたかも。

[抱いていたものは否定できずに、ため息をこぼした]


 ――……ラルフ、君は……ノックスの、ことを?

[彼が食べられる間際のことは見ていた。
こぼれる溜息と彼の言葉から推測して、ディーンは問い掛ける。

自分の衝動が他の同族とは異なる、ねじ曲がったものだということはよく分かっている。
ラルフがノックスの耳を食べた。
ということは、彼に少なからず情があったということなのだろうと推測出来る。]


[ディーンの問いかけに、ゆるりと瞬く。
 彼へと視線を戻して、考えるように首をかしげた]

 ノックスさんに、衝動を感じたのかといえば、そう、だけど。
 それが、好き、ってことなのかどうかは、よくわかんない。

[触れられるのが嬉しかったのは、ノックスだけじゃなく、フィリップにも。
 けれど、血に彩られた姿を見てみたいと思ったのはノックスで。
 フィリップには食べられてもいいとは、思えた。

 そういう気持ちが、なんというのなのかはよくわからないまま。
 向ける思いはあるけれど、その種類がわかっていない]


 ……そうか。
 好意があるから、食べたくなる
 ……だけ、とは限らない、のか?

[自分とニコラの間はとてもシンプルだった。
欲しいと思う側と、求められたいと思う側の意思の合致、感情の一致、それだけだ。

ディーンは同族の特殊性を詳しくは知らない。
ラルフの抱く欲望の質も、自分を獣と称したフィリップのことも、知らない事は沢山ある。]



 ……俺は、先祖がえりだから。
 好きになった人が食べたい、とか、
 食べられたい、だけじゃないのかも。

[ディーンによくわからないと首をかしげる。

 ノックスが淡い初恋のようなものだっただろうことにはまだ気づいていなくて。
 いまの、自分の感情すらきちんと理解する前にコトに及んで命を失った。

 だから、いまだに、よくわかっていない]

 知らないことばかりで、困る。


【人】 許婚 ニコラス

[>>345トレイルの口の中へ、肉片ごと指を入れて。
苛立ちを込めて、優しくトレイルの舌へ肉汁を擦る。

指を引き抜いて、唾液にまみれた指を舐めて。
そうしてから、ノックスへ笑いかけた。
すぐ否定せずに、黙ってしまったノックス>>361
やっぱり、君はダメな大人だ]

 それが、ノックスの本当の気持ち?
 わかんなぁい。なんで?

[我慢するのって、ツラいでしょ?

解き放ってしまえばいいのだ。
ラルフにしたように、昔誰だかにしたように。

きっと今よりずっとキモチイイ]

(374) 2014/11/23(Sun) 21時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>349味方だよ。
だから、二人の悩みも辛さも、全部なくなるための方法を一生懸命考えてあげた。

もっと平和で、これからも幸せに過ごす方法もあるね。
でも、二人とも。
僕のことちっとも見てくれないんだもの。

だから、これはちょっとした意地悪で。
二人とも不幸になりますようにって、願い。

ノックスを取るトレイルなんて消えてしまえばいい。トレイルを取るノックスなんて苦しめばいい。
僕を見てくれない君らなんて、不幸になるといい。


そのあとは優しく叱ってね]

(375) 2014/11/23(Sun) 21時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 ………。

[口元は笑んだまんま、目は笑わないまんま。
扉の向こう、走り去る二人を見送る。

一人残された子供は、鍋の底にこびりつく肉をまた削って。
しばらく眺めたあと、鍋をぽいと捨てた。

大きな音が、響く]

 ディーンに会いたいなあ……。

[呟いて。
首を傾げると、ぽきりと鳴った]

(376) 2014/11/23(Sun) 21時半頃

 ……先祖がえり?

[聞き慣れない言葉に、ディーンは首を傾げるラルフを見遣る。
衝動にも多少の個人差があるのは知っている。
自分のように、食べられたいと願う個体がそう多くないことも。
しかし、それだけだ。]

 ――……。

[本当はこれから、様々なことを知っていくはずだった子供が今、自分と同じ場所にいる。
その事実に、ディーンは僅かに目を伏せる。
しかし。名を呼ぶ声に、びくんと肩が震えた。]


[ディーンはニコラの傍に歩み寄る。
薄曇りの空の色をした瞳を正面から覗き込む。
同行者を惑わせる言葉を吐いた口元は笑っている。
しかし、灰色の瞳は違う感情を表している。

――何故、彼の同行者たちは気付かないのだろう。
彼が願っていることは、そう多くないのに。]

 ニコラ。
 僕は、ここにいる。
 
 ……君と、ずっと一緒にいる。

[彼の同行者たちが気付かない以上、ニコラの空白を埋められる者は他にはいない。しかし、この姿が彼に見えることは無い。
音程は平坦な、しかし僅かに震えるディーンの声はニコラには届かない。]



 ……うん、先祖がえり。
 衝動がつよくて、人狼にしか聞こえない"声"が使える……ってやつ。

[いうほど、衝動が強かったかどうかはわからない。
 それでも、フランシスたちとはまた違ったのは事実だ。


 名前を呼ばれたディーンがニコラの傍へと向かうのを見て。
 居間の外へと向かう]

 ……?

[フィリップが、ノックスたちと相対している。
 トレイルへと手を伸ばす様子に、首をかしげ]

 フィリップ……?

[不安がにじむ声が、届かないとわかっていても呼びかける]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


[先祖がえり。
その内容だけを耳に留めて、ディーンの意識はニコラへと向かった。

聞こえない、見えないと分かっていても、意識をそこから逸らすことは出来ない。
大きな音を聞きつけて問い掛けるベネットの方を見て、密かに溜息を吐く。
彼の声は、ニコラに届く。]

 ――…………ベネット。


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[居間を見回す。視界に入るのは、仲の良い大人と子供の姿たち。
そうして見せられる、ゼロ距離に>>384
は、と小さな笑いがひとつ。
鼻から漏れて、地面に落ちて砕けた]

 ――ずるい。

[なんでディーンは。ノックスみたいに、口先だけでも、ダメと言ってくれなかったんだろう。
その純潔の唇が紡いだのは、欲しい、一緒になりたいと、そればっかりで。
僕は嬉しかった。

けど、なんでディーンは、食べられたかったんだろう。
どこにも行かないでと口にしたくせに、どこかに行ったディーンは。

なんで一緒に生きなかったんだろう。なんで間違いを一緒にしたんだろう]

 ……わかんない。

[懐の中。大事な卵をぎゅっと握って。
ため息を吐く足元で、鍋はまだがらんがらんと回っていた]

(397) 2014/11/23(Sun) 22時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ん……?

[>>386名前を呼ばれて。
ゆる、と顔を向ける。
優しい瞳の色が、こちらを見ていた。

首をかしげる。
笑おうとしたけど、口元がひきつっただけだった。

だから、首を振って。
うるさい鍋を黙らせるために踏みつける。


があん、と音がした]

(399) 2014/11/23(Sun) 22時頃

[ノックスとフィリップに取り合われているように見えるトレイルを見る]

 ……

[もともと、ノックスの連れだ。
 フィリップが、衝動を感じた相手だ。

 けれど、フィリップがトレイルに向けているのは――]

 そんなことしたら、ノックスさんが悲しむだけ……

[それを望んでいるフィリップにため息をこぼす。
 自分が死んだせいかと思う。

 それで、衝動ではなく、人殺しをするのは、悲しい。
 そんなことをせずに生きていてほしいと思うのに。

 そこまで思ってくれていることが、どこか嬉しい]


[寂しがっている、とディーンにはすぐに分かった。
しかし、いくら手を伸ばしても彼には届かない。
鍋を踏む様子はまさに癇癪と呼ぶに相応しい動作だ。

もし、自分が傍にいないことが、彼にそうさせているなら
――それは何と嬉しくて、悲しい事だろう。]

 ――……ニコラ。

[ディーンはニコラの腕にそっと触れる。
指を滑らせてなぞり、ニコラの指先に自分の指先を絡めた。
もし衝動が無かったとしたら。
食べられることを望むことが無かったとしたら。]

 …………君が好きだ、ニコラ。僕は、ずっと君の傍にいたい。

[衝動などなくとも、願いは変わらない。]




 ……フィリップ、ノックスさん……


[二人のやり取りを、傍らでただ聞いている。
 トレイルは、みたくない。

 彼が、何を思っていたのかは知らないけれど。
 彼は、フィリップに衝動を向けられていたし。
 彼は、ノックスにとても大事にされているし。

 にくいわけじゃないけれど、
 平気で相対できる相手でもない。

 フィリップが殺意を秘めていることには気づきながら。
 止める手立てなどなく、ただ見ている]


[ニコラの前に、ベネットの同行者が立ち塞がる。
ディーンはその隻眼をじっと見つめた。
彼もまたラルフのいう先祖がえりであったとは知る由もなく。]

 ――……もう、終わらせて やってくれ。

[ディーンの呟きは、ニコラの死を願うものだった。
今、生者の世界に彼を救う者は誰もいない。
今、死者の世界に自分を救ってくれる者は誰もいない。

欲に溺れた選択を間違っていたとは今も思わない。
だが、それでニコラが苦しむならば――。]


[ディーンは、絡めた指先を強く握る。
彼が死んだとして、同じように欠片が残るとは限らない。
会うことすら叶わないかもしれない。

それでも、生者の世界が彼を傷つけ、苦しめ、孤独にさせるなら、
そこから逃がしてやりたいと、ディーンは願う。]

 ――――……ニコラ。

[声が届かないことがもどかしい。]


【人】 許婚 ニコラス

[ドナルドがこちらを睨むのも、べネットが一歩下がるのも。
警戒を滲ませるバーナバスも見ないで、じっと俯く]

 ずるい……。

[好きな人と一緒にいたいだけ。
なんにもいらないから、愛されたいだけ。
そんな人の願いを叶えてあげたかっただけ。

それがなんでこんなに難しいの]


 ……ずるい、ずるい、ずるい!!
 ずるいんだよみんなっ!!


[鍋を蹴っ飛ばしたら、壁にぶつかった。
それを自分でもびっくりした目で見たあと、へたりと踞って、膝と額をくっつける]

(411) 2014/11/23(Sun) 23時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ……大人も子供も、みんなキライ……。

[愛されてる人、バツ。
愛されて当然みたいな人、バツ、バツ。
あいつもこいつもみんなバツ。

キライ]

 ……。

[だだっ子みたいに、叫んだあと。
卵を指が白くなるくらい握って、黙りこんだ。

ただ、思うのは。
みんな、不幸になってくれたらいいのにって。
世界の破滅を願う魔法の言葉]

(412) 2014/11/23(Sun) 23時頃


 ……フィリップ

[フィリップの様子に、ゆるく瞬く。
 どうして、そこまで、と思う。

 トレイルなんて、ほうっておいていいのに。
 俺のために、人として手を汚す必要なんてないのに]


[彼に惹かれた理由は明白だ。
彼に愛された理由も明白だ。
ただ、お互いしかいなかった。
歪んだもの同士だからこそ、その形がぴったりと触れあった。
他の誰にも触れられない歪みに、触れられた。

ニコラの言葉はそのまま、ディーンの言葉でもある。
口を噤み続けたディーンの内にある、汚い感情の一つだ。
だからこそ、吐き出さずにおれない苦しさも、痛いほど分かる。
この胸に刺さった棘を抜けるのはニコラだけだ。
ニコラにとっても、それは同じであるに違いない。]

 ――……愛している、ニコラ。
 僕の唯一。僕の太陽。僕の、かみさま。

[ニコラの横に屈みこんで、柔い色をした金の髪を撫でる。
ほんのひとかけらでも届けばいいと願いながら、卵を握る手に自分の掌を重ねた。]


[瞬いた、次の瞬間。
一階の奥、藁に覆われた塊の前に立っていた。

それが自分だったモノの前だと気づくのに、時間がかかった。
でも、戻ってきた記憶。
残っていた感情。

そのどこにも、どこを探しても
今この山小屋を覆いつくそうとしている、衝動はない]




 ……フィリップ……

[伝わる思いに、その行動に、
 届かない声で呼びかける。

 そんなことしなくていいと思うのに、伝わらない。

 ただ、生きていてくれればいいのに。]


【人】 許婚 ニコラス

 ……みんな一番に愛されてるから。

[>>414顔をあげないまんま、口にする声はくぐもっている。

僕だってディーンが大事だった。
から、彼の願いを叶えた。
そうしたら、手元にはいまなにもない]

 僕にはディーンがいないのに。

[みんなは、そんなことないのに。
みんなは、いい大人といい子供だから。

でも。
きっとディーンを救う方法が、他にもあると知ってたから
これは八つ当たり。

分かっていても駄々をこねるから、僕は悪い子なんだろうと思う]

(419) 2014/11/23(Sun) 23時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>412問いかけに、ゆうらり、顔をあげる。
あげた目は、泣いてはいなかった]

 ……ディーンは、食べられたいって、言ったから。

[ただ、その目は。
惨めさを湛えて]

 食べられたいって、言ったから。

[居間の面々を、ぼうと眺めている]

 ねえ、みんななんで。
 なんでそんな平然としてられるの。

(429) 2014/11/23(Sun) 23時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 食べたいくせに。

 本当は今すぐにでもハラワタ引きずり出してあったかい血を飲んで狼らしく食べたいくせに。
 犬みたいに突っ込んでぐちゃぐちゃにして支配して、全部を自分のものにしたいくせに。
 好きな人の血ってどんなに甘いと思う?肉はどんなに素晴らしいと思う?
 君の腕の中で好きな人が君のことだけを考えて君の名前を呼んで、君も好きな人のことだけ考えることができて
 全部が手に入る、のを。

 ……想像してみてよ。

[はは、と。
からからに乾いた笑いが、最後にひとつ、転がった。

手の中、卵の中。
ここにあるのは、濁った目玉がひとつ]

(430) 2014/11/24(Mon) 00時頃

[食べたいとも、食べられたいとも思わなかった。
恋を、愛を知らなかった。
大事な人を失う、本当の苦しみを知らなかった。

哀しいことは何も知らないまま、命を終えた。
楽しいことも、嬉しいことも何も知らずに、終わってしまった。

物言わぬ塊を見る真黒い瞳は気づかない。
それが、どうしようもなく悲しくて、痛くて]


[胸が痛いのはどちらに対してだろうか。

 フィリップが抱く殺意が痛い。

 トレイルを殺して、ノックスを苦しめようとするのが、痛い]

 ……そんなこと、しなくていいのに。

[そんな気持ちを抱かせてしまったことが痛い。
 フィリップが手を汚すことはないのに。

 衝動に負けたことを、あんなに苦しんでいたのに。
 
 ――ほんの短い時間しか、一緒にいられなかったのに。
 そこまで思われていることが、痛い**]


[幸せと、呼べたかもしれなかったこと]


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

[>>432ドナルドの声に、泣き出す寸前のようにしゃくりあげる。
それでも、目は乾いたまんま]

 一緒だって言ってくれた。

[保護者から、兄から。
教えられたことがなかったわけじゃあない。
むしろ、よく言い聞かされていた。

言いつけを破ったのは、僕]

 ……ずっと一緒にいられるって、言ってくれたのに。

[いまディーンはどこにいるの。

ああ。戦ってるというのなら、余計にずるい。
ディーンはちっとも、そんな素振りを見せてくれなかった]

(440) 2014/11/24(Mon) 00時頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>436一言、残して立ち去る背中を。
ぼうと見送る目は、拗ねた色をして]

 ……君の想いは、食べなきゃ満たされないよ。
 いつか、今じゃなくてもいつか。
 君は、泣きながら食べるの。

[背中へ、まっすぐ。
指を、さした]

 ……運命だ。分かるだろ?

(441) 2014/11/24(Mon) 00時頃

【人】 許婚 ニコラス

[>>442叱る声はヒステリックなトゲはない。
やっぱり彼は、彼の保護者は優しい。
その優しい瞳を、揺らすためだけに。言葉を重ねる]

 僕らは人じゃないもの。
 僕らはちっとも人じゃないもの。
 好きになったら、もう手遅れだ。
 だから、本当のことを、教えてるだけ。

 違う?

[首をかしげる。ごきりと音がする。
それから、戸口を指していた指を、ついとプリシラに向けて>>447]

 ……食べたら。
 永遠に、裏切られることだけはなくなるの。

 それが、よかったことかな。

[昔遊んだ子供の頃よりも、うんと子供っぽい声で。彼の疑問符に、答えた]

(455) 2014/11/24(Mon) 00時半頃

[ニコラの言葉はまさに、ディーンの望んだことそのままだ。
腸を引きずり出されて、食べられたい。全部を支配されて、誰かのものになりたい。自分の血肉を美味しいと褒めてもらいたい。腕の中に包まれて、他の全てから目を塞がれて。
――全部を、差し出したい。
想像するだけで幸せに満ち溢れたそれを、叶えてくれたのはニコラだった。気付いてくれたのは、ニコラだった。

しかし今、彼が望む幸せをあげることが出来ない。
あちら側に残るのは、ただ腐るのを待つ眼球だけだ。]

 ――……君が苦しいのは、僕も苦しい。
 僕は……

[それが自分の欲望を叶えることを優先した代償だと、ディーンは今更気付く。彼を今孤独の淵に追いやっているのは、自分だ。]


 ――――……ニコラ。

[ディーンは絡めていた指を解き、ニコラの首に触れる。
もしこの感触が伝わるなら、彼の首を絞めてあげたい。
それで彼の苦しみが終わるなら、手を下すのは自分でありたい。
そうして息絶えた亡骸を食べて、腹に収めて。

そこまでを想像して、ディーンはようやく、食べたいと願う同族本来の欲望を理解した。]


[もし、彼がともに生きたいと願ったなら、それに従うことも出来ただろう。
しかしそう、自分達は人とは呼べないものだ。
好きになれば手遅れで、堪える手段を失えば、どうしようもない欲に飲まれる。ニコラは、それを許してくれた。]

 ニコラ……僕が君を、食べれば良かったのか?

[苦しみに耐えることなら慣れている。
誰かが自分のことで苦しむことには、いつまでも慣れない。
或いは正しい欲望で以て彼を食べることが出来たなら、彼の苦しみが生まれることはなかったのではないか。
仮定を想像し、身勝手な自責の念を深くしながら、ディーンはニコラの傍を離れない。
たとえ、彼の苦しみが去るように祈ることしか出来なくても。**]


メモを貼った。


【人】 許婚 ニコラス

 でも、誰の手も届かない。
 だから、僕は、満たされたよ。……少しだけ、ね。

[>>461時計を止めてしまった。
二度と動かない魔法をかけて。

>>462指は、今度は大人へと向く]

 一族は。
 一族の人たちは、何人が失敗したの?
 食って、食われて、何人が幸せの魔法を手に入れたんだろう。

[ノックスだって、昔、誰かを食べた。
そうありえない話じゃあない]

 逃げられないよ。
 君も。

(466) 2014/11/24(Mon) 01時頃

【人】 許婚 ニコラス

[いつか。いつか、大人になって。
ノックスみたいに、子供を一人か二人連れて、旅をして。
そうして、言うんだろうか。

『これは僕の悲しみの卵だ』

気取った言い回しで、残る肉片を見せて。
そうして、他の人を好きになって。
過去の痛みを繰り返さないようにって、そんな。

ディーンのこと全部、いまの気持ち全部。
過去のことにして]

 ――ああ。

[それなら、僕は子供のまんまがいい]

 ……ねえ、べネット。
 ディーンはどこにいるの。

(470) 2014/11/24(Mon) 01時頃

【人】 許婚 ニコラス

 会いたい、なあ。

[尋ねながら。
ポケットの、小さなナイフを握った]

(473) 2014/11/24(Mon) 01時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ……それでも欲しかった。
 僕ら二人、不幸になってもいいから、欲しかった。

[>>476子供っぽい?と。
首を傾げて。

ちょっとだけ、笑う]

 ……ほら。

[>>483言葉に詰まったベネットを見れば、笑いは深くなった。

くすくす、くすくす。

壊れたオルゴールみたいな笑い方。
それは、ベネットから返された、問いかけの答えにふいと止んで。

>>488微笑み、小首を傾ぐ]

(502) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 それは。
 ベネットの本心?違うよね?

 ベネットは、本当はなにがしたいの?

 もっと、汚い、怖い。純粋な。
 本当に身を任せたら。

 体の奥の一番底に手を伸ばしたら

 ―――どれだけ気持ちいいだろうね?

(504) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[それから、はあっと。
大きくため息を吐く]

 ……でも、そっか。
 ディーンには、会えないんだね。

[ゆっくりと、瞬きをして。
目をつぶり、開けて。

微笑み]

 じゃあ。

(505) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 会えるとこに行ってくる。

(506) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[ポケットの中、小さなナイフ。
よく磨かれたそれは、ポケットから引き抜けば、ペチカの明かりできらきら輝いて。

グレーの目を貫いた感触は、桃よりは固かった]


 ―――、


[声は、圧し殺して。
ぐらり、と。
後ろ向きに倒れる。
スローモーション。世界の流れが、遅い。

誰かが大きな声を出すなら、口の前、人差し指をたてて。
ゆっくりと噴き出す赤の水を見ながら、微笑んだ口はそのままに。


唇を、微かに動かした]

(507) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

【人】 許婚 ニコラス





 [さようなら!さようなら!さようなら!!
 また遊ぼう、うんと近い未来に!!**]



 

(510) 2014/11/24(Mon) 02時半頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/11/24(Mon) 02時半頃


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