人狼議事


162 絶望と後悔と懺悔と

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視点:


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[怖い夢に震えるように、
意識の落ちた後も血の気の戻らない少女の背に
規則正しい、緩やかな拍子が刻まれる。>>0:432

痛いほどの力の込められた手から徐々に力は抜けて
握り返してくれる手に、細い指が絡んだ。


それから幾らも立たないうちに、
階下の喧騒に起こされて、少女は瞼を上げた。]


 …………りょうお兄……

[どうしてここに?
という眼で涼平を見上げたのは束の間。

すぐに状況を思い出して、顔色を青褪めさせた。]

(4) 2014/02/08(Sat) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[リカルダの声がする。


まだ涼平に上半身を預けたまま、少女は振り返った。]


 リッキィ……!!

[良かった。
無事で良かった。

安堵と不安の綯い交ぜになった声でリカルダの名前を呼ぶ。]

 ……え、

[もうだめかもしれないと溢すリカルダの顔を見て]

 ……っ、

[少女は自分の足で立ち上がった。]

(8) 2014/02/08(Sat) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[涼平と手を繋いだままリカルダの傍まで歩き]

 逃げ、よ……。

[そこで漸く涼平の手を離し、リカルダの手を取った。
寄木細工の箱は左手に、リカルダの手を右手に。

声も手も震えている。
けれど、少女ははっきりと言った。]

 逃げよう、リッキィ!

[ここにいては駄目なのだ。
蹲っていても事態は悪くなるばかりだと、
なぜか少女は知っているようだった。

扉の方に明之進も見えた。]

 明ちゃん、他のみんなは?

(16) 2014/02/08(Sat) 00時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/08(Sat) 00時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ……うん。

[絶対と言い切る涼平に、少女は頷く。
信じるしかない、今は。]

 ……うん。

[二度目の返事は、普段の少女からは
想像もつかないほど力強く。

絶対に離さない。
決意を胸に、リカルダの手をぎゅっと握り直し、
明之進を──その手の中の幼い子を、見た。]

 お外……うん。

[先導してくれる涼平の後に従って、
少女はリカルダと共に走った。]

(34) 2014/02/08(Sat) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[黒煙が、天井を舐めるように迫り来る。
両手の塞がった少女は出来る限り息を止めて
孤児院の子供たちが慌てて逃げる際に散らかした
転がる物を避けながら懸命に足を進める。

足元と、隣にばかり気をやっていたから
明之進が気付いたモノの気配に気付くのが遅れた。


ふっと、頭上に影が出来る。

顔を上げた少女の前に、
>>39涼し気な美貌を残忍に歪ませた“女”が立っていて──]

 …………

[振り上げられ、振り下ろされる爪を前に、
少女の躰は微動だにできず立ち竦んだ。]

(45) 2014/02/08(Sat) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[全ての光景がスローモーションで進んでゆく。
その中で少女は静止画のように立ち竦んだまま]

 あけちゃ……

[自分とソレの間に滑りこむ黒髪と
着物の背に描かれた柄を眼に焼き付けて]


        ──────…… ッ!!


[間近から降り掛かった血飛沫の、
頬を濡らすその温かさに、少女は声のない叫びを上げた。]

(53) 2014/02/08(Sat) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[守備部隊の隊員が、
孤児院から出て来た少女たちを見つけて駆け寄って来る。

平穏だった孤児院の庭は、
今や飛び交う怒号と
武器が交錯する金属音に満ちている。

倒れ伏した明之進の足元で
少女は厭厭をするように頭を振って、
明之進に縋ろうとするけれど──]

 ……あっ、いや、はなして……リッキィ!!

[誰かに腕を掴まれ、引き寄せられた。
非力な少女は抗う術もなく、
リカルダと繋いでいた手もあっけなく解かれた。]

(64) 2014/02/08(Sat) 01時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[白い軍服の守備隊員に荷物のように脇に抱えられ
安全な場所まで連れて行かれる少女の眼に、
別な守備隊員がリカルダに手を伸ばすのが見えた。

けれど、その守備隊員の手は横から伸びた爪に切り裂かれ]

 ……リッキィ……!! 逃げ……

[それを成した女の凶爪が、
自分の名を呼ぶリカルダの背に
袈裟懸けに振り下ろすのを、見た。]

(79) 2014/02/08(Sat) 02時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 孤児院 ─

[>>)2女の爪は過たずリカルダの肩を切り裂いた。

花吹雪のように鮮血が散り、地面を赤く染める。]

 はなして……! はなしてぇぇぇ!!!

[叫びながら、非力で小柄な躰がいくら暴れようと
屈強な守備隊員の腕は解けない。
が、運ぶには支障を来すその荷物を大人しくさせる方法に
守備隊員は手刀を選んだ。

首筋に感じたのはごく軽い衝撃。
踏みつけられるリカルダを泣きそうな顔で見ながら
少女の意識はそこで一度ぶつりと途切れた。]

(104) 2014/02/08(Sat) 12時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[孤児院を舐め尽くした炎は
轟々と音を立てて窓という窓から赤い手を伸ばす。

撤退を開始した守備部隊の一人の腕の中、
目を覚ました少女が見たものは
炎に包まれ黒煙を吹き上げる我が家の姿と、
地面に転がった誰のものとも知れぬ無数の屍体と──

──ジョージの首。


自分たちを守ってくれていると信じていた
黒い門が遠ざかるのを眺め
少女はまた意識を失った。]

(105) 2014/02/08(Sat) 12時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─   ─


  『贖いをなさい』


[女が言った。
流れ落ちる黒髪の、美しい顔をした女だ。]

(106) 2014/02/08(Sat) 13時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 

          『贖いをなさい──菖蒲』


[女は──母は繰り返した。

──違う。
これは鬼だ。

母ならこんな風に、
父の首を抱えて穏やかに笑ったりはしない。

だから──これは鬼。
母の顔を真似た、怖ろしい鬼なのだ。]

(107) 2014/02/08(Sat) 13時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[夜風が強く吹き付け、桜を舞い上げる。
少女は眼を瞑る。
鬼も──鬼が抱えた首も、一瞬視界から消えた。

眼を開けた時、少女の手には一振りの小刀が握らされていた。
鬼は小刀を握らせた少女の手を上から握りこみ]

 『贖いなさい』

[また、そう言った。

鬼が近づくと、生首の──父の白く濁った虚ろな眸も近づく。
少女はそれが厭で、首を振る。]

(108) 2014/02/08(Sat) 13時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[母が──違う。鬼が首を捨てた。
父の首が転がってゆく。
首はすぐ傍の桜の木の根本で止まった。

少女はほっと息を吐き出す。

一瞬意識の外へ追いやられていた手が持ち上げられる。
小刀を握らされていた右手が。
少女の意志に反して、鬼に導かれ。


──鬼の喉を、貫いた。]


      『贖いなさい菖蒲。

           ───産まれて来たことの罪を』


[鬼は──微笑っていた。]

(109) 2014/02/08(Sat) 13時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 春雨の降る日 ─

[孤児院の養母に助けられてすぐ、少女は気を失った。

目を覚ました時、最初に見えたのは着物の少年>>96
自分を見下ろす眼差しの空ろに、何か──記憶を刺激されて
少女は片目を瞑って、こめかみに走った痛みをやり過ごした。

菖蒲──。
その時浮かんだ名は、すぐに記憶の底に沈んで行った。

そんな名前は知らない。
その名は酷く怖ろしいものだ。

自分は──そんな名前では呼ばれていなかった。

目を覚ました少女に気付いた少年が養母を呼びに行ったか
あるいはその場で名を尋かれたか。
だから少女は、もう一度『あや』と繰り返した。
哀しいことの起きる前、呼ばれていた二文字を。]

(110) 2014/02/08(Sat) 13時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[まだ冷たい春の雨に長時間晒されていた幼い躰は、
それから数日、高熱に苦しんだ。

再び目を覚ました時には、
微かに残った朧気な記憶さえ真っ白に塗り潰され、
生まれたての赤子のような無垢さで、
歳よりも幼い笑みを浮かべ、傍にいた人の手を握った。*]

(111) 2014/02/08(Sat) 13時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[柔らかに過ぎて行くパステルカラーの日々を、
暴力的なまでに鮮やかな赤が嘗め尽くしてゆく。

黒鉄の門も、庭に生える草木も、血と炎に飲み込まれた。

リッキィが泣いている。
いつもはしっかりもののリッキィも
一旦泣きだすと、撫でてあげなければ眠れないのに。

どうして離してくれないの。
彼女の傍に行って、その手を握ってあげないと。

わたしは──“また”、失ってしまう。]

 ──…!!

[夢の中で伸ばした手は、現実の空を掴んだ。

そこは寝台の上。
目の前に広がる景色は、いつもと違う見知らぬ天井──。]

(112) 2014/02/08(Sat) 14時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 帝都 守護部隊隊員養成所 ─

[孤児院のものよりも柔らかく、温かな寝台。
空の手がシーツを掴み、ぎゅっと握り締めた。

枕元に寄木細工の箱を見留めると
それを大事そうに抱え、寝台を降りる。

白かったぶかぶかのTシャツは
襟ぐりを中心に腰の辺りまで赤い飛沫が散っている。
震える手で自分の顔を撫でると、
乾いて固まった血がぼろりと剥がれて落ちた。]

(117) 2014/02/08(Sat) 15時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[頬を濡らした温かさを思い出し、
血の気の失せた唇をきつく噛んで、
少女は他の仲間を探し始めた。

同じ部屋、何人の子供が寝かされていただろうか。
けれど、見つからない子供もいる。

明之進が、リカルダが、真弓が、零瑠が、直円が──。
──他にも、数人の子供が行方不明のままだった。

勝手にそちこちの部屋を出入りする少女を見つけ、
状況を教えてくれたのは安吾。

連れて行かれたのだと聞くと
少女は泣きそうに表情を歪め、
しかし涙を堪え、円の元へ案内を乞うた。]

(121) 2014/02/08(Sat) 15時半頃

アヤワスカは、理依も──連れて行かれ──た、と安吾は言っていた。

2014/02/08(Sat) 15時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[暴れ疲れて眠る円の手を、
少女は起きるまでずっと握っていた。

離してしまったリカルダの代わりのように
何度も何度も手の甲を撫でて。


それから、円の怪我が治るまで、
少女は毎日円の病室に通って、
夜、彼女が眠るまで寄り添った。

けれど、少女の笑顔は日に日に減って行く。
円を安心させるためにだけ向けていた笑顔も、やがて──。]

(123) 2014/02/08(Sat) 15時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/08(Sat) 15時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 病室へ案内される前 ─

[>>134痛い所はないか問われ、少女は黙って首を振った。

何処も痛くはない。
リカルダも、明之進も、死ぬほど痛い思いをしただろうに。

自分だけが、無傷でいる。

──痛い。

抱き締めた箱の下、
心臓を何者かに握られたような心地がした。]

(137) 2014/02/08(Sat) 17時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[おいで、と言われて素直に歩み寄る。
僅かの間にやつれ、青褪めた顔。
手の届く位置に降りてきた安吾の袖に少女の手が伸びた。]

 みんなはどこ?

[やっと開いた唇から、短い問いを発して袖を握る。

強張った表情で、
言われるがままに深呼吸を行う様は人形めいている。

安吾の話を聞き終わった時には、
全身が蝋のように白くなっていた。]

(138) 2014/02/08(Sat) 17時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[少女は首を振る。
安吾の自嘲を否定するように。]

 おじさんのせいじゃない。


 ……鬼が。 鬼が、来たんだもの。

[一瞬、安吾から視線を外し、
遠くを見る眼差しを斜め下へ投げかけ、
少女はそんなことを言った。*]

(139) 2014/02/08(Sat) 17時頃

アヤワスカは、病室へ向かう道中、握られた少女の手は氷のように冷たかった。*

2014/02/08(Sat) 17時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 あんごおじ……お兄ちゃんから教わりました。

[少女の中では齢三十を超える安吾の教え通り
彼の名を告げるとすんなり中へ通された。
病室は複数あるのか、それとも病状で分けられているのか
周の姿はそこにはなかった。

冷たい手で眠る円の手を握り、
飽かず何度も擦っていれば少しは手も温もりを取り戻す。


眠る円の横顔を見ていたら
昔のことを思い出した。

数少ない、少女が孤児院の外に出た日のことを。]

(165) 2014/02/08(Sat) 18時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[ある暖かな日。
少女は歳の近い円とリカルダと、
庭で鬼ごっこをして遊んでいた。

何度目かのじゃんけんで、
グーを出した少女は鬼の役になった。

全力で駆けまわり高揚していたのもあってか、
そのうちに円が、黒い門を抜けて、
孤児院の外に駆け出して行ってしまった。

少女は最初、戻っておいでと呼びかけながら、
外にいる円を門の内側から見ていたけれど
捕まるまで戻る気のなさそうなはしゃいだ笑い声を聞いて
意を決してリカルダと共に門の外へ出た。

そして、いくらも走らぬうちに、
円は見知らぬ少年達の一人にぶつかった。]

(166) 2014/02/08(Sat) 18時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[少年達はすぐに円を取り囲み、円を指差して笑う。

少女とリカルダもすぐに円に追いついて
円を庇うように二人で挟んで、ぎゅっと手を握った。
質素な服装や生活を笑われても、
何も口答えせず三人で固まっていたけれど
少年たちはいっそう調子づいて手を伸ばして来た。

殴られる──と、身を固くして眼を瞑った少女に、
少年のが届くことはなかった。

>>145声が聞こえて。
恐恐眼を開けた少女は、
自分たちを庇うように立ちはだかった少年の背中を見た。]

(167) 2014/02/08(Sat) 18時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[余裕で見知らぬ少年達を追い返した少年は、
孤児院に来てからまだ日の浅い、周──と言ったか。

颯爽と顕れて助けてくれた周の背中は、
ヒーローのように見えた。

肩で風を切るような荒々しさに
それまでは近寄りがたかった少年を、
少女がお兄ちゃんと呼び始めたのはこの日から。

孤児院に帰るまで、少女は周の服の裾を握っていた。
以来、益々少女の足は外から遠のくことにもなったけれど。*]

(168) 2014/02/08(Sat) 18時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/08(Sat) 18時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/08(Sat) 22時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 記憶 ─

[足が竦んでしまう程、外への恐怖は強い。
それは正体のわからぬ恐怖であるが故に、いっそう。

一人だったら、円を追ってはゆけなかっただろう。
あの時、怖いながらも外へ出てゆけたのは
>>191リカルダが、大丈夫かと尋いてくれたからだ。

いつも気に掛けてくれるリカルダ。
大好きなリカルダ。

リカルダが一緒なら、どこへでも行けそうな気がした。]

(221) 2014/02/08(Sat) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[四人に増えた帰り道。

怖くないかと尋ねる周に、
少女は不思議そうな眼差しを向けた。

少女にとってはもう、周は兄であり、
自分たちを守ってくれたヒーローでさえあったから
服の裾を掴んだ手に力を込めて、
少女は周へと、信頼しきった笑みを向けた。]

 絢矢、だよ。
 えっと……よろしく、周お兄ちゃん。*

(222) 2014/02/08(Sat) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 直円との記憶 ─

[真弓とはしゃぎ遊ぶようになって
一番の被害を受けたのは直円だったかもしれない。

 『弓矢だよ。 直お兄ちゃんは的ね!』
 『いっくよー! ぶすー!』

真弓が少女の背中を押し、少女が走る。
両手を頭の上で三角に合わせて、直円の脇腹に突進した。
遠慮のない幼子の攻撃はそれなりの痛みを伴うだろうに
直円はいつだってにこにこと笑ってくれていた。

直円のそんな笑顔を見ると、
少女もまた、ほっとしたように笑うのだった。

その直円が、『読書会』に参加するようになり
遊んでくれる機会が減ると、
少女は時折絵本を読んでとせがむようになったけれど
直円はそれに応えてくれただろうか──。*]

(232) 2014/02/08(Sat) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 理依との記憶 ─

[理依が“特別”を作らないこと。
それ自体を特別──と感じ取れるほど
少女は大人ではなかった。

けれど、理依が──何でもないことのように
俺は皆が好きだと言った時>>193

──きっとその時も、少女はリカルダと一緒にいて
理依が女の敵のように扱われるのを
側で聞いた後だったのだろうけれど──。

不意に、少女は理依の手を取り、握り、
その手の甲を撫でようとした。
何故か少女には、その言葉を言う理依が、寂しそうに見えて*]

(242) 2014/02/09(Sun) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ いつかの、庭園 ─

  『屋敷の外に出てはいけないよ菖蒲。

    外には人を喰らう鬼が──棲んでいるのだからね。』


[艶のある低い声のその人は、
着物よりも洋装を好む幼子を膝の上に座らせ、
皐月から文月に掛けての数ヶ月間
庭園のそちこちを彩る菖蒲を見ながら、
童女の髪を撫でてそんなことを言った。

物心つく前から言い聞かせられて来た文句は
考えるより先に身に沁みて。

故に──。
童女は生まれてこの方一歩も屋敷の外へ出たことはなく、
それを疑問に思うことさえなかった。]

(257) 2014/02/09(Sun) 01時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[実際──。
屋敷のあった場所は、その当時既に吸血鬼の支配下にあり
屋敷の外で、人はみな吸血鬼に怯えながら
家畜同然の暮らしに甘んじていた。

そんな区域にあって、広い庭園を抱えるお屋敷だけは、
まるでそこが異空間であるかのように、
主と、その妻と、使用人達だけを竹垣の内側に抱え、
外の惨状から彼らを遠く隔てて在った。

童女が産まれた時、お屋敷に他の児童は住んでおらず、
かつて住んでいた胡桃色の髪の少年の話は、
時折父の口から断片的に語られるのを聞くのみ。

童女にとって『兄』とは、
現実味の伴わないお話の中の存在であると同時に、
淡く──それでいて尽きることのない、
幼い憧憬の対象でもあった。*]

(258) 2014/02/09(Sun) 01時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 『とうさま、どうしても──お外へゆくの?』

[童女が四歳になって間もなく、
『父』は急に屋敷を出ると言い出して、
童女と、使用人達を驚かせた。

座敷で出立の支度を整える父の背に、
童女が投げた問い。

父は答えた。]

 『待っておいで。 あや、お前に兄を連れて来てやる』

[童女は不安げに菫色を揺らし、
しかし何処かしら期待の篭った眼差しで、
一振りの刀を携えて屋敷を出てゆく父の背を見送った。

そして──。
それきり二度と、父が屋敷に戻って来ることはなかった。*]

(275) 2014/02/09(Sun) 02時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 『お前のせいね──あや』

[父が旅立ってひと月あまりが経った頃、
戻らぬ父を待って母と庭を眺める童女に、母が言った。

紅の引かれた美しい朱唇から、
零れ落ちる言の葉は毒花のように芳しく、
童女の髪を梳る母の細い指先が柔肌に甘く爪を立てても、
童女は小さく──痛いよかあさま、と溢すのみで、
その行いに、何らの疑心も芽生えることはなかった。

───母が屋敷から姿を消したのは、その数日後。

それから季節を三つ跨いだ春の夜。
母は、父の首を携えて屋敷へと帰る。

その日まで、
童女は二人の親がいっぺんに離れて行ってしまった悲しみに
泣き濡れて過ごす日々を送ることになる。*]

(276) 2014/02/09(Sun) 02時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 02時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 帝都守護部隊隊員養成所・寝室 ─

[目覚めた少女の胸を占めるのは、哀痛と悔恨。
夢現に入り交じる喪失感に、
天井を見上げる少女の瞳は脆く揺れた。

けれど──少女は奥歯を噛み締め、
濡れた瞳が乾くまでそうしていると、
やがて立ち上がり、寝台を下りて部屋を出た。]

(288) 2014/02/09(Sun) 02時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[血塗れた服は洗いもせずに部屋に丸めて置いてある。
洗うか捨てると言うのを、少女が拒んだからだった。

代わりに支給された服は、
動きやすい綿のズボンと上着。

それでも痩せぎすの少女にはぶかぶかすぎるそれを
ベルトでかなりウエストを絞って履いていた。

円はまだ病室にいて、
怪我の治療に専念している。
けれどそろそろ、
こちらの部屋に移って来るだろうとも聞いていた。]

(294) 2014/02/09(Sun) 03時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[病室の看護師から聞いた、隊員の部屋の前。
少女は笑まぬ瞳を扉に据え、
身長に見合った随分低い位置を、拳で二度叩いた。

そこは──ジャニス・ハイムゼートの部屋だった。]

(296) 2014/02/09(Sun) 03時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 わた……、ボクを、隊員にしてください。

[中に招かれ、問うような瞳を向けるジャニスに
開口一番少女は言った。

菫色は怒りも悲しみも顕にはしていなかったが、
真っ直ぐにジャニスを見上げる眼差しだけは
何を問われても揺らぐことなく
頑なに、同じ言葉を繰り返した。]

 ボクを守護部隊の仲間に加えて下さい。

[少女に守護部隊の話をしたのは病室にいた看護師の一人。
円も、理解出来たかはわからないが、
少女と共に、話だけは聞いていただろう。

望めば、部隊員として鍛えてくれるという話。
詳しい話は、隊員に直接聞け──と。]

(297) 2014/02/09(Sun) 03時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[安吾でなくジャニスを選んだのは。

安吾は──優しい安吾は、自分の願いを断るかもしれない。
そう、幼心に考えたからだった。

少女の決意は変わらない。
力を蓄え、二度と大切な人の手を離さないために──]

 何でもする。
 強くなれるならボクは───…、

              何にでも、なる。**

(299) 2014/02/09(Sun) 03時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 03時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[与えられた聖水銀の最初の一杯に
少女は躊躇なく手を伸ばした。

細い、棒きれのような手には
大きすぎるくらいのコップを顔の前まで掲げ]

 “     ”

[唇を微かに動かし
いつかの──目指す『その日』を思い浮かべ
咲き初める桜のような、淡い笑みを浮かべた。


息を詰めて、満たされた液体を飲み干す。
雫の一滴さえ残さぬように。


これが──少女の見せた、最後の笑み。]

(326) 2014/02/09(Sun) 10時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 現在・帝都守護部隊隊員養成所 ─

[夜明けを待つ訓練場。
地平線は藍から東雲へと色を変えつつある。

他に人のいない、ガランとした空間に
響く──規則的な風切り音。

空気はまだ蒼い。
吐く息の白さごと空間を真横に切り裂くのは
刃のない訓練用の模擬刀。

それを握る腕は、五年前と較べ、
細くとも靭に伸びた少女の右腕だった。]

(330) 2014/02/09(Sun) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[左の腕には模擬刀を収めていた白鞘を握り、
規則正しく、淡々と、澄んだ樋鳴りを重ねてゆく。

纏う装束は膝上まで裾を断った小袖。
色は烏羽。

死者を悼む黒に近く──しかし決定的なそれを否定した色合い。

小袖の袖を翻し、少女は只管に空を刻む。]

(331) 2014/02/09(Sun) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[『聖水銀の試練』の日より、
少女は着物を好んで身に付けるようになった。

あの日──全身を千々に裂かれるような痛みの中で、
少女は幾つかの消し去りたい記憶を取り戻した。

家を出た父の末路。
母の乱心。

────己の犯した、その罪を。


紅に嘗め尽くされ崩れ落ちた孤児院とは違い
あの桜と菖蒲の咲き乱れる不可侵の庭園は
今も何処かで穏やかに朽ちているのだろうか。

幼さ故に、断片的な記憶には謎も多いけれど。

少女は──父と母の名と貌と、
兄になる筈だった人の名前を思い出した。]

(332) 2014/02/09(Sun) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[試練に耐える夜、痛みを感じたのは躰のみならず。
真に引き裂かれそうだったのは心。

四と十一の歳、
己の頬を叩いた血飛沫の温かさが
忘れようにも忘れ得ぬ血汐の腥さが
何度も、繰り返し少女を責め立てた。

同室の少女は、側にいただろうか。
深夜、縋る相手を求めて彷徨い出す手を
少女は己の肩に爪を立てて留め、
枕に顔を埋めて声を殺した。

くぐもった呻き声は時折数名の名を成し
夜明けを前に、遂に震える腕が虚空へ伸びた。

その手は最後、誰かに掴まれたように一度震え、
不意に脱力し、寝台に落ちた。]

(333) 2014/02/09(Sun) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[この日、枕に吸わせた雫を最後に、

          少女の眼から──涙は涸れた。**]

(334) 2014/02/09(Sun) 12時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 13時頃


アヤワスカは、イアン(安吾)の訓練の最中も、表情を変えることはない。

2014/02/09(Sun) 13時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[円が不安定に泣き叫ぶ夜、
少女は──絢矢は、円の手を握り、撫で
それでも落ち着かなければ、円の肩を抱いて
眠りにつくまで背を撫でてやる。

円が朝まで眠らぬ夜は、絢矢も朝まで寄り添う。
そんな日は、円が寝付くのを見届けてから、寝ずに早朝修練に出た。]

 円──円。
 大丈夫だよ。 ───大丈夫。

[円を抱いて、耳許に囁く静かな声に
かつてのような無邪気さも豊かな抑揚もない。

涙は捨てた。
笑顔は忘れた。

それでも──。家族が困った時、
絢矢のとる行動は昔のまま、何も変わってはいなかった。]

(404) 2014/02/09(Sun) 20時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 21時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 波羅宿 ─

[某日──。

帝都に吸血鬼の侵入ありとの報告が入り、
偵察隊の調査により吸血鬼二匹の姿が確認された。

数の多寡と敵の実力を鑑み、
派遣されたのは絢矢を含む孤児院組。

判断したのはジャニスか安吾か──。
サポートに、どちらか──あるいは二人とも
付いて来ていたかもしれない。]

(416) 2014/02/09(Sun) 21時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ターゲット確認。
 一匹はスクランブル交差点内にいる。

 もう一匹は──上。

[建物の陰から状況を窺っていた絢矢の視線が
109ビルの屋上を見る。

身に付けているのは既に着慣れた烏羽の小袖。
袖に淡い桜の花弁散るそれは実戦用にと誂えたもの。

周と並ぶと、夜桜が軍服の
スタンダードであるかのようにも見える。]

 下はまだ若い個体。
 恐らくは上の一匹がリーダー格。

 叩くなら先に若い個体から
 一気に囲んで──潰す。

(418) 2014/02/09(Sun) 21時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 21時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[交差点の中央で辺りを見回しているのは
白い長髪に紅の眼の少女。
周囲に獲物の姿がないことに苛立っている様子。

先遣隊の指示で波羅宿からは既に人払いが済んでいる。
屋上の個体は赤毛に眼帯の男。]

 多分──気付いてる。
 だけど恐らく、あれは監視役も兼ねてるから
 すぐには攻撃して来ない。

 念のため目を離さないで。

 北と南に分かれて挟撃だ。
 ボクは──北から行く。

[周の問いに瞬時に答えを返す。]

(423) 2014/02/09(Sun) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[サミュエルのように素早く走れる足はない。
周のような変幻自在の動きを可能にする筋力もない。

体力もリーチも兄達に劣る絢矢が選んだのは
足りない武力を智で補う方法だった。

修練の合間に戦術書を読み、
先輩隊員に実戦さながらの訓練を頼み
兄妹達と幾度も模擬戦を重ねて動きを叩き込んだ。]

(424) 2014/02/09(Sun) 22時頃

アヤワスカは、白い方は気付いてない──と追加報告。

2014/02/09(Sun) 22時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[周はいつだって自ら先陣を切ってゆく。
敵の視線を引き付け攻撃を集め、
後方が戦いやすい陣形へと導く。

最も命を落としやすい危険な役目を
彼は進んで引き受ける。

けれど──絢矢は黙って頷いて、北へと走り出す。
南へ向かう周の姿は見ずとも動きはわかる。

昔のように服の裾を握って
後をついてゆくことはなくなっても
絢矢の周に対する信頼は変わってはいない。]

(426) 2014/02/09(Sun) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[隻眼の吸血鬼は109ビルの上から
にやついた表情で地上を見下ろし、

9……8……7……とカウントを始めた。

南から複数の帝都守護部隊が現れるのを見ても
余裕の表情は崩れない。]

 ───、

[北の路地へ素早く移動しながら、
絢矢は109の屋上から目を離さない。]

(431) 2014/02/09(Sun) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[名乗りを上げる周の声が波羅宿の空気を震撼させる。
表情は変えずとも、奮い立つものがある。

屋敷の外へ出ては行けないという、
父の言葉を鵜呑みにしていた童女はもういない。
黒鉄の門の中で少女を守ってくれていた家はもうない。

絢矢は──いくらかの人間らしさを犠牲にして
自らの足で竹垣の外へと歩み出した。]

(433) 2014/02/09(Sun) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[絢矢の側には誰がいたか。
北の路地に身を潜め、右手を翳して待機を促す。

もう少し──あと少し。

長ドスと九節鞭の連携は幼い吸血鬼を容易く追い詰める。
そのまま二人で息の根を止めてしまえるだろう実力差。

けれど、二人がそれをしないのは
万一の反撃──窮鼠が猫を噛むことのないように
一部の隙さえなく敵を圧倒するためだろう。]

(446) 2014/02/09(Sun) 23時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[109ビルの上では、赤髪隻眼の男の吸血鬼が
平坦な地面を歩くような自然さで
屋上の端を蹴り、地上へと降りて立つ。

周とサミュエルは、男に背後を取られる形。]

(447) 2014/02/09(Sun) 23時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[少女の吸血鬼は男の参戦に気付いていないまま
二人の襲撃者から逃げる為路地裏へと駆け込んだ。

片手を切り落とされ、太腿を九節鞭の先端に抉られ、
長い髪は途中で断たれた憐れな姿。

紅の瞳に涙を湛えた外見は
ともすると守ってあげたくなるような可憐さであるけれど]

 ────

[絢矢は、北組を制していた手を下ろすと
漆黒に宵闇色の刃紋の浮かぶを黒刀を構え
一歩目の踏み込みで、残る少女の片手を落とし、
次の一歩で左手を切り上げ、少女の喉を切り裂いた。]

 トドメを──。

(449) 2014/02/09(Sun) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[隣には誰がいただろうか。

仲間が少女の心臓へ
決定的な一打を叩き込む音を聞きながら、
絢矢は既に、周とサミュエルの背後に迫る吸血鬼へと
漆黒の二刀を構え駆け出している。

距離は──、まだ遠い。

間に合わないと知るや、
帯から抜き出したくないを一本、
隻眼の吸血鬼の残った瞳へと投擲した。]

(451) 2014/02/09(Sun) 23時半頃

アヤワスカは、投げたくないが狙った的を貫くのを見た。

2014/02/09(Sun) 23時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/09(Sun) 23時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[編み上げの革靴が交差した縞模様の中心を蹴る。

周は──サミュエルは──。
九節鞭の先端は──吸血鬼の心臓へと──?]

(455) 2014/02/09(Sun) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 戦闘後 ─

 ────…、

[余裕を見せていた吸血鬼も
周とサミュエルの前にあっけなく斃れた。

朱の下緒で帯に結ばれた
艶やかな黒鞘へ対の黒刀を収めると、
絢矢は背伸びをして、周の頬に手を伸ばした。]

 血が──。

[周の頬についた一筋の赤を、指先で拭う。

昔のように、血を見て青褪めることはない。

──けれど。
伏せた夜色の睫毛は微かに震えた。*]

(458) 2014/02/10(Mon) 00時頃

アヤワスカは、ビルの屋上に立つ安吾を見上げ、視線で作戦の終わりを告げた。*

2014/02/10(Mon) 00時頃


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