229 流水花争奪鳥競争村
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人
狼
墓
少
霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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…そっちじゃないよ、こっちだよ。 ここ、秘密基地なんだ。雨もへいきだし暖かいよ。
(0) 2015/07/03(Fri) 19時半頃
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里に幾重にも渡る水路の脇。
里の子供たちが楽しそうにはしゃぎながら、
水路橋の下を駆けていく。
「ねえ、聞いた?
明日からおっきなお祭りがはじまるんだって」
「おまつり? 収穫祭のこと?」
「ちがうよ。何十年に一度しかやらないんだって。
ばあちゃんの若いころにやってたのが前の祭りだっていってた」
「わたしもきいた。
あのね、この絵本のお祭りなんだって―――」
(#0) 2015/07/03(Fri) 19時半頃
橋の上では、大人たちが里の祭飾りの話をしていた。
巡礼者や旅行客がその脇を通っていく。
彼らの目線は美しい里の様子から、
里に清らかな水を送る、壮大な滝と、その中心にある神殿へ。
活気と感嘆の声の下。
神殿から流れる、澄んだ水路の水が反射する光は
子供たちの眺める絵本も照らす―――
(#1) 2015/07/03(Fri) 19時半頃
…次なる巫女の為、男たちのもとへ
祭りへの招集と試験内容が書かれた書類が送られた。
至る所から集められた男達は、数千人。
幾日をかけて試験は進み、
最後の試験を前に
残る候補者と、巫女は―――
(#3) 2015/07/03(Fri) 19時半頃
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― 神殿 水の流れる一室 ―
[神殿の中を流れる水路に足を浸しながら、 そこを流れる透明で天井の光を浴びて輝く水を見下す。
見下すその切れ長の瞳は、半眼。 連日連日、休む間もなく男達と面談で、 抜けきらない疲労で少し身体は怠い。
里はいつもにもなく賑わっているらしい。 そういえばここ数日、神殿の中に引きこもりっぱなしで外に出ていない。]
…、ああ、でも 明日は――
[白磁の天井を見上げる浮かない表情。]
(1) 2015/07/03(Fri) 22時半頃
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[昔の事を思い出していた。
巫女であった母は優しくて時には厳しい人だった。 普段は仕事で忙しい人で、 育ててくれたのは祖父母と父だった。 祖父母と手を繋いで無邪気に笑っていた。
食事の時間は家族の時間で、母も神殿にいる時は 必ず一緒にご飯を食べていたので、幼い私には幸せな時間だった。]
(2) 2015/07/03(Fri) 22時半頃
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[そういえば、男女というのを意識し始めたのは結構速かった気がする。 最初は幼稚園の先生。その次は、小学校の同級生。 その次は、そのまた次は――。
事ある事に、バレンタインだとか誕生日だとかクリスマスだとか理由をつけて神殿の中の厨房に潜り込んでいた。テンション高めにいつも誰かを巻き込んでは、菓子の作り方を教えてと言っていた。]
ねえねえ! この! ざっはとるて を作ってカルヴィンくんにあげたいの!!
前にね、おやつで出てきた時があって、 とっても美味しかったからっっ!
[お願いっ☆と本の頁を指差して頼む顔は、きらきらと輝いたもの。 ただ、料理人達の中では、その相手の名前が長続きしない事も有名ではあった。]
(3) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(4) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[徐々に巫女として教えられる事が増えると、 普段、自分に向けられていた視線の意味が変わって気がして 少しずつ、少しずつ、作り笑いが増えていった。
あれはいつからだったんだろう。 もう少しで中学生。確かそれくらいの時期からだった気がする。]
(5) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[そんな中でも学校や、旅行は楽しかった。 昔からの友達と遊んだり、知らない場所に行く時は胸が弾んだ。 旅行が巡礼のようなものだと知ってからも、 普段との生活からの解放感があったから嬉しかった。
学生生活の中で、普通に恋愛もした。 男の人と付き合う事もあったけれど、 月日を重ねるごとに、普通の人と巫女の私の間には なにか『壁』みたいなものを感じてしまうようになっていた。 だから、そう長く続く事はなかった。]
(6) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(7) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[それでも、中学校くらいになるととても仲のいい女子も出来た。]
ナナオ! 聞いて聞いて。
昨日の放課後、超かっこいい先輩に告られた!
[周りの目は相変わらず気になったし、自分の置かれている立場も解っている。 だけど、恋愛は自由だといつも思っていた。 いつか自分も、母と同じように誰かと――。 この自分が感じている『壁』を感じないような、誰かと、と。]
(8) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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し んじらんないっ!!
[ぼたぼたと大粒の涙を止めどなく落とす。 ナナオと二人残った教室で、机ひとつに椅子を向い合せ。 既に机の上にはティッシュの山がこんもりとできている。]
(9) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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ちょぉぉーっとかっこいいからって、……だからって……
〜〜〜〜っっ うううぇぇぇえ
もーーー絶対 男は顔で選ばないぃぃいい。
[それから慰めて貰ったり、 たまには喝を入れてもらったり。 その日の最後には二人でクリーム増し増し、 さらに増しのパンケーキを食べにいったり。
友達と、ナナオといる時は本当に楽しくて 何でも話せていた気がする。 彼の兄と話をした事なんて殆どなかったのに。]
(10) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(11) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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フランクはさー 何で私なわけ? 他に選択肢はあったんじゃない?
…まあ、全然知らない相手じゃないし 顔で男を選ぶ時代は終わったから…
……、私は、別に…、いいけど。
[気になるじゃない?と。目を細くして視線を横に流す。 それから、自分の高校の制服に一度視線を落としてから、]
実は若い子が好きだとか?!
[悪戯な表情でフランクを見上げる。]
(12) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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そーれーとーもー
[そのまま距離も縮めて、フランクの腕を、 えいっと抱えるように両腕で抱きしめる。]
この顔と、この身体が好みだった?
[小首を傾げてわざと可愛いらしい顔で見上げてみる。 まあ、そう長くは保てなくてすぐに自分から笑ってしまうのだけど。]
(13) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[―――どんなに、その時が楽しくても、] [やっぱり 一人の男性と長くは続かなかった。]
(14) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(15) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[学校を卒業してから、巫女の仕事も一気に忙しくなった。 友達ともなかなか会えなくなって、 笑う機会も減った気がする。
昔は、あんなに――笑っていたのに。]
(16) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(17) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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キルロイ。
[テントからひょこっと顔を出せば、暗い空と煌めく星がお出迎え。 これは、旅の途中で野営となったある日の事。]
眠れないの。 少し会話に付き合って。
(18) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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これも、――『仕事』よ。
[テントの前にいたキルロイの横に立って言う。
里から離れた地で、街が栄えれば大気は淀む。 それすらも、巫女が呼吸をするだけで多少は浄化されると言われている。 だから『人との会話』も巫女にとってはれっきとした『仕事』になる。]
あなたは、どうして… この仕事についたの? 私は生まれた時から、将来、巫女になる事だけは 決められていてそれ以外の道は選べなかったから―――
[切りそろえられた髪が夜風に流されるのを防ごうと手を耳元に添えて遮りながら、]
―――…、教えて。キルロイ。
(19) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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(20) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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― 神殿 水の流れる一室 ―
[顎を引いて、見上げていた顔を下へ。]
試験もクリアしてきたし 悪い人じゃないのは、まぁ… 知ってるからねぇ〜
そもそも初対面の人とヤれとか 無理に決まってるっつーの。
…私は感情のない鉄仮面か、ってぇーの。
(21) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[むに。]
(22) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[頬をつまんで横に伸ばしてみた。 痛い。] [やっぱりうまく笑えてない。]
(23) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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んーー… んんんんん〜〜〜
いやいや。 私がどうとかどうでもいいや。
後、3人だよ〜 も〜明日だよ〜〜
どーしよっかなぁ〜〜〜
[流れる水を蹴りあげると飛沫が上がった。**]
(24) 2015/07/03(Fri) 23時頃
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[ぱしゃ。][ぱしゃ。] [ばしゃ!ばしゃ!!]
[足元の水で軽く遊んでいたけれど、 試験の日々のあれこれを思い出して じわ …じわ、と、苛立ち始める。]
(25) 2015/07/03(Fri) 23時半頃
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(26) 2015/07/03(Fri) 23時半頃
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[試験で男達を選ぶため、画面越しに挨拶を交わしていく。 侍女が傍らに立つ中、深く椅子に腰を落とし頬杖つきながら、手元にあるボタンで画面を操作していく。 流石に2つめの試験を通った面々だから多少はまともな奴だろうと思っていたが、]
(27) 2015/07/03(Fri) 23時半頃
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いやぁ〜。あなたが巫女様ですかぁ〜。 お会いしたかったです〜。
(@0) 2015/07/03(Fri) 23時半頃
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喋り方がオカマっぽい。 …あとなんかこの顔はー、なし!
(28) 2015/07/03(Fri) 23時半頃
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アマルテアは、「▶次」のボタンを押した。
2015/07/03(Fri) 23時半頃
記者 イアンがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(記者 イアンは村を出ました)
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―――…あぁ、姫様。なんてお美しい。
(@1) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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うん、女を顔だけで判断しないで。 ないな〜。
(29) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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アマルテアは、「▶次」のボタンを押した。
2015/07/04(Sat) 00時頃
紅客連盟 イスルギがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(紅客連盟 イスルギは村を出ました)
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アマルテア様ァアアー!!!!!!
(@2) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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あなたに相応しいのは! この! 俺!! しか!!
(@3) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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いませェェェェェェんッッッッッ!!!
(@4) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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アマルテアは、「▶次」のボタンを無言のまま力強く押した。
2015/07/04(Sat) 00時頃
若者 テッドがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(若者 テッドは村を出ました)
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どうかこの僕の遺伝子を君の中に―――
(@5) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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ふ ざ け ん な !
(30) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[ ガァン!! ]
[手の傍に置いていたボタンを叩き壊す勢いで押した。]
ろくでもない!! リッサぁ、あとこれが何人…?
[深いため息を吐けば、数秒だけ椅子に沈んだ。**]
(31) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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奏者 セシルがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(奏者 セシルは村を出ました)
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[ ぱ。と目前の画面が切り替わる。]
(32) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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エフは、アマルテアと、画面越しに、目を合わせた。
2015/07/04(Sat) 00時頃
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──、代わりになる気で来た心算はねえから。
(33) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[ 顔合わせてでそう述べた候補者のうちのひとり、
エフ・リードが初めて、 ──"アマルテア"に会ったのは、 十五年以上前の話になる。]
(34) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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エフは、言葉を吐き出すと、すこし。思い出すように目を眇めた。
2015/07/04(Sat) 00時頃
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──回想──
[思い出される風景は、開けた道と高い空と、 連れ立つ複数の人間たちの声。]
おい! フランク! 待てって!
[ひとかたまりになって進む集団の先頭、 年頃十三ほどの少年が草を踏んでかけていく。 後ろから声をかけると、そっくり同じ顔をした相手は走りながら振り返り、「偵察!」と高々親指を上げて返した。]
あーー。もう
[またアイツにおいていかれて、俺は後ろに続く父たちに頭を下げてから後を追った。]
(35) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[だいたい、生まれたときからしてそうだった。 一歩先に母親の中から外に向かった俺の"弟"は いつでも、一歩俺の先をいく。]
わかってるって、
[はやくーー!と朗らかに急かす声に、 風と水しぶきがきもちいいー!と誘う台詞が続く。 足が地面を蹴るまでの速度がもどかしく思いながら 俺はいつもどおりに駆け出そうとして]
ぅわっ?!
[赤毛が真横を飛び出していくのによろけ、 その日俺は、"二番手"をはじめて他の人間に譲った。]
(36) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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それが、アマルテアと初めて会った日の出来事だった。
(37) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[俺の父親は、政府の中で治水を受け持つ水質管理局の人間で、大昔から今まで続く"浄化の巫女"を擁する神殿との付き合いも深い人だった。
ただ、役目を負っているとはいえ、 あいつは。巫女は、まだちいさな子供で。
だから、自分の息子である俺やフランクを 気を張らずに過ごせるお目付け役として、 遠出のときなんかに連れて行くことがあった。]
(38) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[勿論、"巫女"にも家族や護衛役や侍女たちがついていて、 ついていくのもいつものことってわけじゃなかったが、 俺やフランクが16になるまではちょくちょく借りだされた。
父親にしてみれば、自分の仕事の一旦を息子二人に見せておく意味もあったのかもしれないが、記憶にあるのは少しづつ背丈が伸びていくアマルテアと同じ顔をした兄弟の事がほとんどだ。
大滝の上の草原が靡く台地。 がまの穂が揺れる小川。 里とは違った家並みの四角い町。
大災害前から生きてるって逸話のある白い大樹。
青いランプに照らされた地下水脈。
俺たちは、いろんな景色を、 ──アマルテアと並んで一緒に見た。]
(39) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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["視察"の旅行はちょっとした冒険気分もあって、結構楽しんでたと思う。俺はあちらこちらの水の匂いが甘かったり鋭かったりすることや、土の質が頑丈だったり脆かったりすることを知った。
そういうことを、一緒に知ってく奴らがいるってことを。
ガキの俺は結構、楽しんでたと思っている。]
(40) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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──回想:十三年前、白い大樹近くの草地──
[川ベリを歩く俺を、てとてとと横をあぶなっかしい足取りで子供がついてくる。「む……むすこ?さまっ!」と歩幅の差で一歩後ろになった少女が声を上げた。]
……ご子息さま。
[ごし…?と首を傾げる頭が見えて、 少し歩く速度を緩める。]
むすこさまとはいわない。
[わかったか?と尋ねるつもりで、"巫女の侍女"だという少女の顔を俺は横目に見た。]
(41) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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["リッサ"というらしい彼女は、侍女というには幼すぎる気はしたが、恐らく自分やフランクが借り出されるのと似たような理由で、その役目を与えられているのだろう。と思った。]
まって、は、おまちください。
[局長の息子だという理由で敬語を使われるのは、なんだか落ち着かない気はしたが、侍女だというのなら敬語に慣れた方がいいだろう、と、川辺の植物を見覚えながら、知る敬語を繰り返してみろと口に出す。周りを見回しながら視線を受けて、「おまち…」と繰り返すのに、頷いてやる。]
(42) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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あと、エフな。名前。 俺の名前。
ご子息さまだとフランクと どっちかわかんねえから、
あ。
[そこまで言ってから、歩きながら探していたものを見つけて俺は歩幅を広げた。急に移動したのに後ろから「!?」がついていそうな声がしたが、そのときの俺にとっては目的の物にたどりつくのが優先だった。]
(43) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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あったあった
[根を水に沈めながら咲いている、口を閉じた巾着のような花を一本折り取る。追いついてきたリッサは「???」と顔をハテナで一杯にしていた。]
ああ。これはなー
……? ん? あいつらどこいった?
[説明を、アマルテアやフランクの前でと思って、先ほどまで少し手前を歩いていた二人の姿が見えなくなっていることに気がついた。 巫女の姿が見えないことに、があん!と頭の上に書き文字をのせたリッサが、細かく左右を見回して、あたふたと巫女を探す。]
(44) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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うわっ! おい、おちつけって
[どうしよう。まで言葉にならないのか、みこさまああ!と俺の服をひっぱってきたリッサの頭に手をおく。]
休憩中なんだし、そんな遠くにいかねえよ ほら。
[食事を取ったあとの小休憩だ。本隊の姿も近くに見える。もしもアマルテアが走り出したにしろ、フランクが追いかけているはずだった。俺と同じ顔をした兄弟は、なんだかんだと面倒見がいいし、頼まれた相手を放ってどこかにいくような奴じゃない。]
(45) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[ ──実際、そのときだって、二人はすぐに見つかった。]
(46) 2015/07/04(Sat) 00時頃
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[白い大樹を回り込む形で二人を見つけたのは、 白い綿毛が風に舞う花畑だった。]
……、あ、
[川の曲がり角の出前に自分が手にしたものと同じ花が 群生していて、──弾けるような笑い声が、離れていても届いた。]
(47) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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────、
[ぱっと弾けるように笑ったその横顔を、 ──今でも、よく覚えている。]
(48) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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…
[花を持った指がぎこちなく曲がる。その日のアマルテアは、今までに比べて笑った顔が見られなくて、だから、きっと、フランクも気を使ったのだろう。それで、その心配が功を奏した。
そういうことだ。また、あいつが一歩先だったという話で、]
──、…ん、ああ。
[そんなことを考えている間に、たちどまってしまった俺を見て、不思議に思ったのか、えふさま?と服の裾が引かれた。]
(49) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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いや、
[こっちを向いているリッサの視線を避けるように、背を前に押し出してやる。]
……見つかって良かったな。 ほら、巫女様だぞ
[はやく行ってやれ。と促して、 それから、後に続いた。]
(50) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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|
[みこさまあ!と早足で駆け出したリッサの小さな背中について、綿毛の群れの中へ足を踏み入れる。]
…よー、すーごい数だな
[フランクの後ろから口許を緩めて、アマルテアに声をかける。ついでに手に持った花でフランクの頭を叩く。──ぽんっと軽い音がして、兄弟の黒髪はあっというまに綿毛だらけになった。うわっ!と声が上がってから、こいつ!と笑った声が続いた。]
(51) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[ はじけた花の種たちが、風に噴かれて たくさんの綿毛に紛れて空を飛んでいく。
いい天気だったことを、覚えている。]
(52) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[そんな子供時代を過ごして、 俺たちは里で成人として扱われる十六になり、
俺は、かねてからの目標どおりに、 あるいは父の期待どおりに水質管理局の門戸を叩くと決め
──フランクは、神殿警護隊に進路を決めた。]
(53) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[巫女を護る仕事だな。と、からかえば、 いい仕事だろう、と笑われた。
兄弟だからか、片割れだからか。 ── ああ、こいつは彼女を護りにいくんだなと すとんと、腑に落ちるものがあって、 俺は、がんばれよ。と拳で胸を押した。]
(54) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[本当にあいつは、いつも俺の一歩前を歩いていて、 たまに、それが悔しいようなときもあったが、 ただ、それでも根はイイ奴だと思っていたから、 嫌うことも憎むようなことも結局俺にはできなかった。
フランクにとってはどうだったかわからないが、 進路が分かれたのは、たぶん。
俺にとっては、良かったんだろう。]
(55) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
──回想:六年前、神殿廊下──
[白石で造られた巫女の神殿は、いつも涼やかな水音がしていた。官服の裾を引いて廊下を歩く。水質管理局からの連絡を持って応接間に向かう。]
… ん? ああ。
──よぉ。巫女様。 ごきげんよう。
[その廊下で彼女と行きあったのは、たぶん偶然だった。その日の面談の予定は彼女の両親とだったから。]
(56) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[十六になって、就学のために俺は里の外に出て、前よりもゆっくり会うような機会は減った。ただそれでも、里がえりは度々していたしフランクから様子を聞くこともあった。]
話をきいてるせいかね。 そんな感じがしないが、久しぶりだな?
ご健勝でいらっしゃいますか。
[記憶にある面影を持った、覚えているよりは背丈が伸びたアマルテアへ、形どおりではある起礼を向ける。──久々にあった感じからいえば、目を瞠る程度にすくすくと育っているようには見えた。]
(57) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[水質管理局は、神殿とつながりは深いが 配下にあるというわけではない。]
俺と同じ顔したあいつは、 ちゃんとやってます?
[冗談めかせて話しかける。──敬意と感謝は払うべきだが、無闇に謙ることはするな。というのが水質管理局局長の父親の方針でもあり、敬語を使えども畏まった言葉遣いがなんだか自分でも少しおかしくて、結局最後には笑ってしまった。]
(58) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
…なんて、いや。 こんな話し方侍女連にみつかると叱られるか。
ん。これから打ち合わせでな。 またな。巫女様。
[悪かった。と手を上げて世間話を打ち切る。俺は親戚の妹を扱うような、そんな距離でいようとしていたと思う。]
(59) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[たぶん、俺が幼少期の──仲間のような距離から、 明確に線を引いたのは、ひとつだけ。
──テア、と。
アマルテア。と、
彼女を名前で呼ばなくなったことだけだ*。]
(60) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
アマルテアー!!
(61) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
アマルテアーーー!!!!!
[こんなに大きな声で、誰かを呼んだことなんてなかった]
(62) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[里は数十年ぶりの祝祭に湧いていた。 世界中から呼ばれた結婚適齢期の男は数千。 いつもは涼しく里を渡る風も今日はなまぬるい程。
ごつごつとした暑苦しい人並み押されて掻き分けて、 遠く見える彼女の姿を追いかけては名前を呼んだけれど、 たった一人の巫女を求めて 沸き上がる数千の群衆の声に呑まれて届かない]
(63) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[群衆を見下ろす形、 凛と佇む巫女の背後で開会式の花火があがる]
[弾ける閃光も、自分の声どころか群衆の声すら届かないように。彼女の佇まいは、まるでそこだけ涼しい風が渡るようで――]
…。
[まだ、遠い。 勇気さえあれば踏み出せた日の距離よりも、ずっと遠い]
(64) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[握る拳、がっしりとした体躯の奥から血が沸き立つ思い。 生来の下がり眉の下、錆色の瞳は彼女を見据える。
迷いや怯えはもう充分だ]
(65) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[ ――僕は、アマルテアの事が好き。]
(66) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
―― side:ラルフ 1――
[てくてく] [ぽよぽよ]
[まん丸い大福みたいな少年が居るのは広い神殿]
(67) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[流行病で両親を亡くした少年は、 遠い故郷の草原から離れて、祖父のいるこの里へと来た。 今日はえらい人にご挨拶をするらしい。 待ち時間。 遠くに行かないやくそくで指切りげんまん。 建物の中をお散歩だ]
[きょろきょろ。 こんな大きな建物ははじめてみた。 見上げる大きな柱。 差し込む光に薄霧めいた空気がふわりきらきら。 錆色の瞳が光に透けると浮かぶ緑の縁取り。 目をまんまるにして。
うきうきとした気持ちのまま、 大きな柱のひとつにぎゅむりと抱きついた。 ひんやり。気持ちいい。 石と水の混じった、この匂いはとてもすき。
ぷにぷにした頬をむにむに柱に押し付ける]
(68) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
|
|
[あ]
[こどもだ]
[この里への道中も、来てからもけんさ?とか。 手続きだとか? ずっと大人に囲まれていたから。 同じくらいの子供の姿に嬉しくなって駆け寄った]
[たったか][ぽよぽよ]
こんにちわ!
[短い距離を息を切らせて、まんまるえがお。 自分よりちょっとだけ背の高い女の子の前に立つ]
ぼく、らるふだよ。きみはだれ?
(69) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[女の子の名前はアマルテアといった。 きらきら光に透ける髪がとってもきれいで。 たからものを見つけた気分になる]
うん、あまるてあ! ぼく、遠くからきたばっかりなんだ。 なかよくしよっ
[差し出すのは握手じゃなくて小指の先。 おぼえたばかりの言葉が使いたくて、 やくそく。といって、笑った]
(70) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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じいちゃん、ともだちができたよ。 こんどね、しんでん! 案内してくれるんだって。
[ご挨拶に迎えにきた祖父は、 次代の巫女様をともだちと呼んだ孫へあれこれ告げず、 ただ、よかったなと頭を撫で、巫女様へは一礼をした。
神殿と城下町を繋ぐ坂道を、祖父と手を繋いで帰る。 両親がいた頃みたいに両手を繋ぐことはできなかったけど ひとりぼっちだった時よりずっとうれしい]
(71) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[道の途中、日に透けた目の色が、 おかあさんにそっくりだと言われて、 うれしい気持ちとなきそうな気持ちが一緒に来た。
” はい、泣きそうなときはにっこり〜 ”
泣き虫だったぼくにおかあさんが教えてくれたこと。 がんばってわらってみたら、子供が無理するんじゃないとじいちゃんに頭を叩かれて結局泣いた。
祖父の家につくころにはべそかきも収まり、二階建ての家の、階段に興奮して昇ったり降りたりしているうちに台所の方からいい匂いが漂ってきた]
ぜんぶ! じいちゃんがつくったの? すごい!!
[いつの間にか木のテーブルの上にはごちそうがずらり。 すごく、すごく美味しくて、 お腹がはちきれそうなほど沢山食べると祖父はとても喜んだ]
(72) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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あまるてぁ〜
まってよー
[神殿案内はいつの間にか鬼ごっこやかくれんぼに変わる。 少女の方が足が速くて、 少年はいつも後をぽってんぽってん追いかける。
時々リッサちゃんという女の子が混じることもあった。 リッサちゃんとはかけっこもいい勝負だった]
(73) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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あまるてあ〜〜
みてみて、のびーる。
[少年はぷくぷくの頬を横にむにょーんと伸ばす。 かくれんぼの最中に態と笑わそうとする他愛ない遊び。 笑ってくれるのが嬉しくて、 伸ばしたり潰したり変な顔のレパートリーは増える。
そんな風に途中で遊んでしまうから 神殿案内は捗らなかったけれど、 また今度ね。って続きがあることが嬉しかった。
小学校は編入したけれど、 お腹をよく掴まれるので困ったことの方が多くて、 祖父を厨房の隅っこで待っていたり、 アマルテアと過ごす時間の方が楽しかった]
(74) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[時々、大人から 巫女様に失礼がないようにと言われる事もあったけど、 祖父は”巫女様だから”とは言わなかった。 少年も関係ないと思っていた]
(75) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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じいちゃん、じいちゃん。 ざっはとるてってなに? ばれんたいんってなに??
[この里に来て、はじめての2月。 厨房は毎年忍び込んで来る小さな巫女様の話題がちらほら。 今年はかるびん君でざっはとるてらしい。 草原の村には無かった風習に、夕食の席で祖父に尋ねた。
曰く、ザッハトルテはチョコレイトのお菓子で。 女の子が好きなひとにお菓子を送る日だそうだ]
(76) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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はい! はい! ぼくもあまるてあすきだよ! あげていい?
[身を乗り出して片手を上げる少年に、祖父は腕を組み]
”ラルフは男の子だからなあ。 女の子の日をとってやるもんじゃぁない”
[しゅんとした少年に祖父は ザッハトルテはどんなものか今から作ろうと、 いつも厨房で見てるばかりの少年に料理を教えた。
後日、アマルテアに ザッハトルテを作ったことをうきうき話す少年の姿]
(77) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[日々は変わらず、増えたことと言えば 自宅に帰ってから祖父と料理の練習に励むこと。
簡単なものなら作れるようになってきたが、 味が薄かったり濃かったりする料理。 祖父は文句も言わずに一緒に食べてくれた。
厨房では相変わらず隅で見ているばかりだけれど、 誰が何をしているのかじっと観察するようにはなった]
(78) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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あれ?
[それは、初等部もそろそろ終わろうとする頃。 レウォス家の食卓から戻った皿を見ていたら、アマルテアがほとんど食事に手をつけていない事に気がついた]
[ぱちぱちと少年の目は瞬いて、腰掛けたまま足をぶらり]
じーちゃん、僕、宿題があるから先帰っていい?
(79) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[厨房の火もすっかり落ちた夜中。 静まり返った神殿の片隅に隠れた少年がひとり。
薄暗さを増した床がひんやりとしていて冷たかった。 むくりと起き上がり、厨房へと忍び込む。 火を使ったらばれてしまうから、 籠から拝借した果物と水差しを持って。 祖父が作ったサンドイッチは、隠れている間に半分食べたけど、もう半分はアマルテアにとってある]
(あっ)
[こそこそ柱の影を進むことしばし、 小さい人影を見つけた。
影でもすぐ判る。アマルテアだ。 やっぱりお腹が空いて起きちゃったんだ]
(80) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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(あまるてあ、あまるてあ)
[柱の影から小声でこそこそ呼びかける。 影はびくっとしたようだから、ひょこり顔を出して]
僕だよ、ラルフだよ。
[だいじょうぶだよーと、間延びした声。 影は安心してくれただろうか? 水差しは後ろ手に隠したけれど、 ポケットは果物でパンパン]
アマルテア、どうしたの? 元気ない?
[いつもの下がり眉で首を傾げる]
(81) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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あー…、ええと。 ごはん食べてなかったし。 元気ないのかなって。
[言って、喉乾いてない?と、水差しを差し出して。 お腹が空いているなら果物もサンドイッチも全部]
あ、コップ。忘れちゃったから取りにいってくるね。 まっててね。
[そう言って、水差しと、 必要なら食べ物をアマルテアに預けて厨房に戻る]
(82) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[結局、コップを手に戻ることは叶わなかった。
見回りの衛兵と鉢合わせてしまったからだ。 幾人か大人を起こして、難しい顔をさせた。 やたら優しい人が手を引いて家まで連れて帰ってくれたのが逆に怖かった。家では祖父が近隣の大人たちと少年の捜索をしていた。
少年の姿に気づいた祖父は 誰よりも早く駆けつけ、思い切り頬を叩いた]
――――。
[痛みよりもびっくりして。ぼろりと涙が零れた]
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[頬が痛い、じんじんする。 わなわなとした少年の口が大きな声を上げる前に、 祖父がぎゅうっと少年の体を抱きしめた]
[その夜は、それで終わり]
(83) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[翌日、祖父と少年は神殿のえらい人に呼び出された。 しばらく厨房含む神殿への出入りを禁止された少年は、 見えない扉の向こうを気遣わしげに伺う。 今は、祖父だけが残されて何か話をしている。 扉越しの声が低くて不安になる。
やがて俯き歩く少年と、いつもと変わらぬ面持ちの祖父。 廊下で過ぎた衛兵から聞こえる警備がという単語に肩を竦めた。
料理長は少年の目の前で祖父を叱咤した。 元々厳しい人だとは厨房で飛ぶ怒声で知っていたけれど]
(84) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[――大人があんな風に怒られているのを、初めて見た。
それが、大好きな祖父なのが悔しくて。 どうして自分じゃなくて祖父の方が叱られるのか。
嘘をついて問題を起こしたのは自分なのに。 誰にどこまで迷惑がかかったのかも知らない。 全部、大人たちしか知らない。 歯痒さにぎゅっと唇を噛んだ]
(85) 2015/07/04(Sat) 00時半頃
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[アマルテアに会いたかったけれど。 昨日の今日で許される訳もなく。 少年は手紙を一通預ける。
アマルテアへ
コップ、持っていけなくてごめんね。 早く元気になるといいな。
ラルフ]
[名前の後ろに丸書いてのにっこりマーク]
[後日、 リッサが届けてくれたのは、一通の手紙。 差出人の名前に下がり眉をさらに下げて。
それから、もう一通だけ。返事を書いた]
(86) 2015/07/04(Sat) 01時頃
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[無邪気さだけで手を取ったあの日。 ずっと終わりのない 少年期が続くと思っていた――**]
(87) 2015/07/04(Sat) 01時頃
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アマルテアが巫女ぉ? ああ、そういえばおんなじ名前だよね。
[それはいつだったか。 きょとんとした兄の顔なんて見慣れたものだ。 今「こいつ知らなかったのか」って思ってるよね。]
なんてねー。 知ってるけど、なんかそれ関係ある?
[アマルテアはアマルテアだ。 巫女かもしれないけど、正直そんなのどうだっていい。]
(88) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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― side:N-1 ―
おっ どしたのー?
[聴こえてきたのは弾む声。(>>8) 嬉しそうな彼女の様子に身を乗り出す。]
えー!! あのイケメン先輩に?! すっごーい!
で? で? どうするの?
付き合っちゃう?
[にやり顔してつんつん肘でつつきながら、 大好きな友人の顔を覗き込む。]
(89) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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[彼女が巫女だなんて、 そんなことはどうだってよくて。 ただただ、この大切な友達の笑顔が大好きで。
――それなのに。(>>9>>10) 今ここにあるのは ティッシュの山と泣き顔で。]
……あ い つ、
[わき上がるのは怒り。 止めどなく溢れる涙ごと、ぎゅう、と抱きしめた。
本当はあのイケメン先輩の顔の形がなくなるくらい ぶん殴りに行ってやりたかったけど。
それよりも。 そんなことよりも。]
(90) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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――いっぱい泣いちゃおう。 いっぱいいっぱい。
ここには私しかいないんだから、さ。
[わしゃわしゃ、と頭をかき混ぜて、 泣きたいだけ泣かせた。
彼女が落ち着いたら、いつものお店で甘い紅茶と クリーム特盛りのパンケーキでも食べようか。 とか、そんなこと考えながら。]
(91) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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[いっぱい笑って、いっぱい泣いて。
時には怒って、また笑う――くるくる変わる表情は
私と何も違わない、一人の女の子だった。]
(92) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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― side:N-2 ―
ちょっと、アニキ!!
[いきり立って兄に詰め寄るのはお門違いだが 自分にも他人にも厳しい兄は、 しかしわたしには甘いことをよく知ってる。
驚く素振りもなく、上半身だけで振り返ると 首を傾けて話を聴く姿勢を作ってくれる。]
巫女って、なんなの?
[――何も違わないと思っているのに、 他人が、大人が、彼女を特別視するのが嫌だった。]
(93) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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[巫女さまに馴れ馴れしすぎるんじゃないかとか 上級生にちらっと言われたこともあった。 羨ましいとか、ずるいとか、そんな声も聞いた。
節度がどうの、失礼がないようにとか そんなこと気にしてたらやってらんないし。
ぜんぶまとめてはあっかんべしてやった。 アマルテアにはナイショだけど。]
(94) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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[問いかけに、きょとり、と見下ろす黒い瞳。 ややあって、開きかけた口を ばふっと塞いだ。]
巫女がなんたるかってことじゃないから!!! それは しってるよ!
[はふ、と息継ぎをすると、「そうか」と一言。 兄もきっと、"巫女"を特別視している人の ひとりだ。 あからさまではないし(むしろ表面上わかんない) アマルテアと何をしようと注意をされたこともないけど。
――だから、そう。 これはやつあたり。]
(95) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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……ごめん。
[暫くの間をおいて、ぽそ、と謝る。
巫女を巫女だと思っている兄は、 けれど私を咎めたことなどただの一度もない。]
今だってほら、優しい。
これで部活では鬼部長って言われてるんだから謎い。 仏頂面じゃなかったらモテたかもしれないのに。
残念だ。]
(96) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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[アマルテアはだんだんと忙しくなっちゃって 卒業を迎えた後は殆ど会えなくなってしまった。]
リッサー。 アマルテアは元気?
[みかける度、にへっと笑って問うてみる。その遠さに。 今更ながらに彼女が巫女であることを痛感するのだ。]
会いたいなぁー。
[間延びした声。 見上げた空は青く、空気は澄んで、流れる水は清浄で。 それらに触れることで彼女の存在を感じるのだ**]
(97) 2015/07/04(Sat) 03時半頃
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孤高天使連合 ナナオがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(孤高天使連合 ナナオは村を出ました)
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― side:K ―
[この世界には巫女がいる。
気が遠くなるほどむかしむかしに 汚れに満ちた大災害から世界を救ったいう巫女が。]
―――アマルテア・レウォス?
[だからナナオが初めてその名を口にした時、 巫女とどうやら友達になったらしいことに素直に驚いた。]
(98) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[妹は話が――取り分け友達の話が大好きで 毎日のように学校で何があったとか、 アマルテアと何をしたとか、そんな話を聞くものだから 巫女、という遠い存在にも徐々に輪郭と温度ができた。
自身がアマルテアと話す機会は殆どなかったが 学校行事とか放課後のショッピングやカフェ巡りなど ナナオと一緒のところをたまたま目にすることはあったし、 ばったり会って言葉を交わしたこともあった。
ナナオの兄、程度のそんな距離感で。 巫女らしく扱うことも、親しく接することも なく。]
(99) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[卒業後は、志願していた神殿の警護隊に。
皆を守りたい。
平和を維持したい。
皆に笑っていてほしい。
それは、巫女を守るのが一番の近道だと。 皆が幸せである方法だと信じて疑わなかったから。
ずっとずっと 決めていた進路でもあった。]
(100) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[暫くは門番だとか、神殿の警護。
巫女に会うことも巫女を直接警護することもなかったが 誰かがこなすのならば自分は自分の任を果たすだけ。
――巫女が守られているならば、それでいいと。]
(101) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[護衛の任につき始めたのは、 "あいつ"が亡くなって最初の遠出の時だったか。
アマルテアとは久々の再会だったけれど すぐに会話が出来るほど過去に交わした言葉は多くなく、 自分は口が達者なわけでもなかったから。
初の護衛ということもあり、ろくろく話はできなかったし 彼女の表情が堅いことも、笑顔の違和もそれゆえと思った。]
(102) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[それでも、幾度かこなせば会話も増える。(>>18>>19) テントからひょこりと顔を覗かせたのは、現巫女で。]
何してる? 危ないから中に――
[敬語を使うことこそなかったが、真面目さは滲む。 『仕事』と言われれば、少しの間を置いて、ああ、と頷く。
何度目の護衛にあたるのか。
再会して、言葉を交わすようになってから少しずつ―― 迷いが出ていた頃合いの問いに。
目をわずかに見開き、考え込んだ。]
(103) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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……そうだな 守りたいと、 思ったからだ。
[言葉に違いはない。 嘘も偽りもない。]
巫女を守ることで、 皆の笑顔や平和を守れると 思っていた。 皆の願いも、守れると。
[けれどその言葉にはひっかかりを覚えて、 知らずと過去形へ変わる言葉に彼女は何を想うだろう。]
(104) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[誰もが巫女を敬い、崇める。 過去の悲劇が起こらぬように、 皆が幸せであるように――
護り、敬い、育む。
"皆の幸せ"は、同時に”皆の願い”だ。]
(105) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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ただ――
[星を見つめ、言葉を探す。 目の前にあるのは、ナナオと仲のよかった巫女の姿。 そう、今や 立派な巫女 の。]
その"皆"の中には "アマルテア・レウォス"はいないのか、と――
そう 思ったことは、 ある。
[――言葉を攫うように、ザァっと強めの風が吹く。 反射的に巫女を庇うと、風が止むまではそのまま。]
話は終わりだ。 もう休め。 休むことも『仕事』だろう?
[ずるい言い方だが、体を休めることも仕事のひとつ。 もやもやしたまま其れ以上語るつもりもなかった。]
(106) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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[結局、その話はそこまでで。 違和が、疑問が払拭されることはなく、日々は過ぎる。 迷いを抱いたまま、賑わい出す里に。
いっぱい笑って、いっぱい泣いて。
時には怒って、また笑う――くるくる変わる表情は
ナナオと何も違わない、一人の女の子のはずだった。
――やがて届く、召集に。 書類の内容に目を通しながら、眉間の皺を深くした**]
(107) 2015/07/04(Sat) 04時頃
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― to:エフ 1 ―
[ぱっ。 ぱっ。と変わる画面。] [学生時代の同級生もごろごろといた。当たり前だけど。]
[会いたかった顔。懐かしい顔。 昔の男はあらかた書類で落とした。]
……
[ぱっ。][瞳だけが画面に動き、暫し、止まる間。>>32]
(108) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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―――…。
[画面越しに見た顔と、思考したのは 別の顔。 薄く口を開くより先に向こうからの言葉。>>33]
…、 そ。
[彼にも声が掛かっている事は知っていた。 ただ、希望しないなら無理に通さなくてもと思っていたけれど、]
(109) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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―――、でもさ… やっぱ …、 顔は そっくりじゃない。
[浮かない顔のまま、それだけ言えば、 「▶次」のボタンを押して画面から
その顔を*消した。*]
(110) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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― to:ラルフ 1― [幼い頃から髪型はお母さんと同じ!と言って切ってもらっていた。 綺麗に切りそろえられた髪。 その髪を編みこんで三つ編みをしてくれたのはいつも母だった。 父親譲りの髪の色も好きだった。
2人が仕事で忙しい時は神殿の中で侍女と一方的なかくれんぼや追いかけっこをしたり、厨房に忍び込んでつまみ食いをしたり、門番さんの横に一緒に並んで、えっへん!と胸をはってみたりした。]
らるふ? はじめて見る顔。はじめて聞く名前ね。
(111) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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わたしは、アマルテアよ。
[ある日、また一人友達ができた。 遠くから里に越してきた歳の近そうで、まるくてぷにぷにしておまんじゅうみたいな男の子。 得意気に神殿の案内を申し出て、新しい友達が増えた事を素直に喜ぶひと時。]
(112) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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[あの頃の好きな子はカルヴィンという名前だった。 ザッハトルテをラルフが作ったと聞けば、おんなじね!と嬉しそうに笑った。 どうして彼がお菓子を作ったのかとか、彼の家はどうだとか、 そういう事を聞く事はないまま、少しずつ時だけが流れていった。]
(113) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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[―――きっかけは何だったのか。 よく覚えてないけど、きっと色々と蓄積してきた何かと。 周りの目と、自分の巫女としての力の強まりと。]
…ごちそうさま。
[いつもは美味しいご飯なのに、全然喉を通らなかった。 もう少しで中学校に入る手前の時。 はじめて沢山ご飯を残した。 お婆ちゃんに、ちゃんと食べなきゃと言われたけれど、 そんなこと自分が解っている。 解っている事を注意され、自分の思いが伝わらないもどかしさと理解してくれない祖母に対して苛立ちが溢れて、]
ごちそうさまっったら ごちそうさまなの!!
[がちゃん!と意地を張った声でテーブルを叩けば、椅子から飛び降りて部屋へと戻っていった。]
(114) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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[その日の夜、あのまま布団の中に潜り込んだ。 ただ、夜中にどうしてもトイレに行きたくなってしまったから部屋を飛び出した。 廊下を警護していた男の人の死角をついて抜け出すのなんてこの歳になればお手の物。
だけど、トイレの帰り道。 思いがけない人と出会う事となった。]
えっ?
[>>81 柱の影からの突然の声に驚いて両腕を身体の前に抱いて警戒の色。]
あ、ラルフくん… でもどうして、こんな 夜中に…
(115) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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え? え??
[ご飯を食べてない事を知っていて、お腹が空いていないか心配されて差し出される水差し。ついでに果物をひとつ。コップを取って来るといって消えていくラルフの行動に、?…???ってなったまま何も言えずに見送ってしまった。]
……なんで 知ってるの。
[友達の彼の祖父が厨房にいる事は何となく知っていたけれど、夜中に私に食事を配膳するのが仕事とは思えない。手に持った水と果物が、安全なものかどうか、それも――わからない。]
(116) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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|
[――、考えが汚いな。と、子供ながらにおもう。] [どうして行為を素直に受け入れられなくなってしまったのか。]
[それは私が、普通の女の子とは違って―――]
…、…
[結局、手に持っていた水も果物も口にする事ないまま、 衛兵に見つかって部屋に戻るように言われるのだった。]
(117) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
|
|
[その後、ラルフに、そして彼の祖父に何があったのかは知らなかった。 だけど、怒られたんだろうな、とは子供ながらに解っていた。
やがて届いた一通の手紙。>>86 目を通し、子供の時のややいびつな文字で返事を書く。]
(118) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
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|
『ラルフくんへ
このまえは、ごめんなさい。 でも、もうあんなことはしないでください。
わたしはもうげんきです。
きのうはサンドイッチに入っていた きゅうりもちゃんとたべました。
またいっしょにあそんでね。
アマルテア 』
[侍女のリッサを呼びつけて、手紙を他の人に気付かれないようにラルフにちゃんと届けるように伝えた。**]
(119) 2015/07/04(Sat) 14時半頃
|
|
― to:キルロイ 1― >>104
守りたいから、……か。
[それで死んじゃ意味ないのに。 続ける言葉は心の中だけ。]
随分と真面目な理由だったのね。 …、顔に似合わずロマンチストみたい。
(120) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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|
[>>106続いた言葉。星を見上げたまま、]
いないでしょうね。
[ばっさり、と自分を切りおとすように言った。]
(121) 2015/07/04(Sat) 15時頃
|
|
世界は大災害から救われて、 そこに住む人々は自分たちの足で歩いている。
…、だれど 巫女は自分で自分の思う道は歩んではいけないのよ。
巫女、という存在そのものが、 今となっては世界の平和の象徴みたいなのよ。
[ふぅ、と息を吐けば煌めく星から視線を横に――]
(122) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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|
[――ざ、と強めの風が吹いて、急に距離が近くなって]
〜〜 っ!
[少しだけ乱れた髪を手で直し、 風が収まるまでは守られるがまま身を任せる。]
(123) 2015/07/04(Sat) 15時頃
|
|
…… わ、
[休め、と言われれば、こちらから距離を取って身を離し]
かッてるわよッ!!
[やや強気な声を静かな夜に響かせた。 テントの中に戻ろうと入口の布を捲った後、 背中を向けたまま]
〜〜 ナナオっ…元気? 今度、ナナオの休み…教えて。
――…、あいたいの。
[表情は見せないまま、そう友の兄へ言伝を*頼んだ。*]
(124) 2015/07/04(Sat) 15時頃
|
|
──回想:夏、神殿への帰り道──
[それは、からりとして、よく晴れた日だった。]
(125) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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|
[夕日が差す里から神殿へと続く階段の最中。 隣を歩く少女からの視線>>12、 細められた目に、男は横目を流した。]
他に、なあ
[彼女、アマルテアが悪戯気な顔で声を弾ませる。 からかいに、おいこら。と腕をとる少女の頭を撫ぜた。]
(126) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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|
[>>13 取られた腕に伝わるやわらかい感触に、 おい。と声を向けて首裏を撫ぜてから、そうだなあ。と 男は問いの返答に言葉で間を置いた。]
他にと言われても、 選んだ答えがお前だったとしか
[放っておけなかった。というのが最初の理由であったような気はする。見下ろしたかわいらしい顔は、かわいいがかわいいだけに妙におかしくて、く。と噴きだした。]
まあ顔も、身体もあっての アマルテアだしな?
[軽く背をかがめて額を近づける。]
(127) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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|
好みといわれてもよくわからないが、 アマルテアの一部だと思えば、
…好ましいと思う。
[答えになるだろうか。確かめるように瞳をのぞく。絡め取られた方の手で、アマルテアの指に手を重ねた。]
(128) 2015/07/04(Sat) 15時頃
|
|
[その距離のまま、にっ。と目を細める。]
なんで、なら。
笑った顔が可愛かったからだな
[もっと近くで見たいと思ったから。と、 素直なところを告げて楽しそうに年上の男は 年下の恋人に笑った。]
(129) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[夕日が神殿に張り巡らされた水面を照らす。
好意を言葉にする手前で、迷うことはあったが、 自分の気持ちを素直に伝えたことを、
後悔は、していない。]
(130) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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*
*
*
(131) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[同じ顔をした双子の兄弟が、どこを、 ──誰を見ていたのかは、 なんとなく、昔からわかっていたような気はしていた。
いつから変わったのかとか、 いつ本人が気がついたのかとか。
全てが、詳細にはわかるわけでなくても。]
(132) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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──回想:レウォスの里、リード家──
…はぁ? 告白する?
[ただ、それでも。当の本人の口からそう聞かされたときには、流石にあっけにとられて驚きはした。]
(133) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[実家に戻ってきていた兄弟と鉢合わせになり 夕飯を済ませた後。昔使っていた部屋に上がりこんで、 清酒を飲みながらのことだった。
背丈の低い円卓の向こうに座るフランクを見た俺の目は丸くなっていただろう。]
誰…に、って、………
……。 巫女様……だ、よな。
[ああ。と肯定が返って軽くくらくらした。 冗談でこういうことは言わない奴だ。 本気なんだろう。うそだろ。と言いたくても、経験が冗談だと思わせてはくれなかった。]
(134) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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……
[頭痛めいた感覚に下を向いてこめかみを押さえた。 柑橘系の電子タバコを上下に揺らす。]
……なんでそれを俺に言うよ
[いずれは必要になることだ。とか、巫女の血を絶やすわけにはいかないとか。まさかフランクの奴と仕事先で面談することになるのか。とか重要そうでどうでもいいことがぐるぐると頭を巡りはしたが、口に出した質問はそれっきりだった。]
(135) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[少しの沈黙が挟まった。それから、 「いいのかと思って」と、あいつは言って]
…、なんだそれ
[他にどんな顔をすればいいのかわからなくて、 消去法で選んだ表情は、笑った顔だった。]
(136) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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んな、……イイも悪いもねえだろ。
[俺が口を出すようなことじゃない。言いながらふと思い出したのは、アマルテアの笑った顔だ。無邪気に楽しそうにしてる顔。 渡せなかった花の群生地で、目一杯に咲いた。]
… 幸せに、
…
ちゃんと、…笑ってられてんなら。 俺は、それで…、
[いつも、俺の前を歩いてる背中。 二人が顔を見合わせて笑っている顔。]
…
(137) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[──あの時、俺はどう思ったんだったか。]
(138) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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……
[背もたれにしていた寝台の上に肘を乗せる。 視線が高くなって、そっくりな顔が見えた。 同じ顔だから気がつくことってのもいくつかある。 あいつの方が眉がキリっとしてるだとかそういう些細な。]
…俺は
[そこまでいって、ぐしゃりと頭の後ろに手をやった。髪をかき混ぜる。]
〜〜〜お前らが、ちゃんとどっちも、 幸せなんなら、文句もないぞ。
[息を吐きながら言った台詞は、嘘ではない。]
(139) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[嘘ではない。かたや家族で、もうひとりも、 まあ、親類のようなものだ。任せられると思った。 上手くいくなら。たぶん、それで、いい。]
…くっだらねえ心配してないで、 大事な巫女様のことよく見ててやれよ。
仕事疲れなんじゃあないのか 最近たまに目が笑ってなくてこええわ
[こいつだって心配してたには変わりない。バカに目ざといから、気づいてないなんてこともないだろう。ああ。或いは、だからなのか。そうもはっきり行動に移そうと思ったのは。]
(140) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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…傍にいる奴が見ててやれよ。
[苦笑まじりに猪口に手を伸ばす。 そこから会話は最近の巫女様についてに流れて、 お互いの同僚についての話になり、 一瞬だけあった妙な緊張感は薄れていった。]
(141) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[── 別に、なにも誤魔化したわけじゃない。
笑いあってやがる二人を見つけたときに、 いいな、と思ったのは、確かに本音だった。]
(142) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[ただ。
自分が。と、思う気持ちがあっただけだ。
俺が、笑顔にしてやりたかったと、 そんな気持ちが、どこかにあったぐらいで。]
(143) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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… そういう余計なことを、 考えてっからだよなあ。
[夜。フランクが床についた後に、ベランダから星を眺める。柵に肘を置いて、ひしゃくの形に並んだ星の形を見ながら息を吐いた。]
(144) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[喜ばせてやりたい。とか、余計な思考が挟まらない分、 あいつの方が一手早いんだろう。天然物は強い。]
…、しっかりやれよな。
[マジで頼んだぞ。と、聞かせる気でもなく 手前勝手にそんなことを口にした。]
(145) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[そのときの俺は──気持ちに任せることが 一番いい選択だと、迷いもせずに思っていた。
俺もあいつも、悔いがないようにするのがいいと。]
(146) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[ もし。]
(147) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[もしも。この先に起きる出来事を。 俺が、想像できていたなら、
──俺の判断は、もっと違っていたんだろう。]
(148) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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──回想:四年前、春──
[それは、夏手前の、大雨の日だった。]
(149) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[目前がけぶり、地上で呼吸困難に喘げそうな 大粒がだまになって雨合羽をうつ雨。
主要な原因は、地滑りだったと聞いた。
大滝を登る町への隘路を行く途中で、 連絡馬車が崩れた崖に呑まれたのだと。]
(150) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[雨の日の滝近くの運行は危険だから。と、 神殿の警護隊が用心についていくことになって、 それで、フランクが偶々当番だったと。
そういう話だった。
乗客は、危いところでフランクが外にひっぱりだしたおかげで、擦り傷や引っかき傷に打撲で済んだそうだった。現場に向かったときに、感謝の言葉をいわれたような気もするが、よく覚えていない。]
(151) 2015/07/04(Sat) 15時頃
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[残ったフランクを乗せた馬車が土砂雪崩に呑まれて崖下へ落下したと、確かそう説明を受けた。
当時の俺は、地下水道整備を担当していて、 呼び出されて駆けつけたときは、 警備隊の馬車を掘り出している作業の最中だった。]
(152) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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[ 意味が、わからなかった。]
(153) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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[理解しがたい現実がそこにぽんとおいてあって、見えても聞こえてもいるのに、なにも降りてこない。雨の音、人の声、作業の音。どれもばらばらに聞こえる。
時間が進んでいる。ということが、感じとれない。 泣いている声も聞こえたが、どうしてなのかと、 疑問をだいてみた段で思考が虚しく空転する。]
(154) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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[意味がわからなかった。]
[どうやら、話を照合するにあいつが死んだらしい。理解しがたい。少し前に、仕事がいそがしいと嘆く愚痴を軽く聞いてやったというのに。少しへこんで見えたが、それでも、いつも通りだったのに。今も、いつものどこか飄々とした風情で顔をみせそうなぐらいなのに。──なのに]
(155) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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地下鉄道 フランクがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(地下鉄道 フランクは村を出ました)
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[ 俺と同じ日に生まれて、同じ顔をした兄弟は、
この世界に来るのも一歩先なら、
旅立つのまで、一足先にいってしまった*らしかった*。]
(156) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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[誰もがみんな、子供から大人になっていく。
だから、大人になったら 変われるのだと思ってた。]
(157) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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― 回想 『Clarissa』: 「むかしのはなし」 ―
ひ、 ぅぐ、 っ うぇぇええええええ…っ!
[―――神殿が近くに見える水道橋の近く。 橋の下で人目から隠れるように、 今よりずっと幼かった私は泣いた。
身体隠して、声隠さず。 いや、声を隠せなかった。
まだあの神殿でお勤めさせてもらってすぐのころ。 慣れない仕事をまた失敗したのが、悔しくて悔しくて。
仕事が終わってから従兄と遊ぶ約束だったのも、 涙も鼻水も流して泣いてみっともないのも、 泣き止む理由にはちっともならなかった。]
(158) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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「もう泣くなよぉ…」
だ っ゛で、 ま゛た わ゛たしっ おばあ、ちゃん゛、 お゛こられ゛たっ
ま゛ たしっぱい゛ じだってぇ
「うわ…きたないなあぁ… 次しっぱいしなけりゃいいじゃん…」
する゛も゛んん 次もきっと するもん゛んっ わたし む゛りだもぉん゛……っ!
(159) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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「あ〜〜〜も〜〜〜うるさいな! なきむしなやつはなぁ、 ヒーローになれないんだぞ!」
[わんわんと泣き続けて声は枯れ、 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった私の顔の前。 ぐいと突き付けられたのは、ブリキで出来た人形。
目を瞬かせたら、浮かんでいた涙がぼろりと落ちた。]
(160) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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…………… …っ 、 ぅ、 … ひーろー って なに…
「かっこいいえいゆうのこと。 ヒーローは泣かないんだ。 ちょうごうきんで、こうてつのしんぞうだから。
いっつもきりっとしてかっこいいんだ」
[…この日は、確か従兄とお互いに 好きなおもちゃを持って遊ぶ約束だった。
従兄が好きなおもちゃが、この人形だったのだろう]
(161) 2015/07/04(Sat) 15時半頃
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[私は自分の持ってきたものと見比べた。
家族で旅をしていた頃から持ってる、 私の宝物で聖書でもある、巫女さまの絵本だ。]
…それって、みこさまと どっちがすごい…?
「ん…っと… 巫女さまと同じくらい?
ほらワレンチナさま、おつとめの間 いっつもきりっとしててかっこいいじゃん。
たぶん、みこさまたちも こうてつのしんぞうもってんだよ」
(162) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[「世界をお救いになってくれた巫女さま」。
わたしと歳の変わらないあの方は、 「巫女さま」という地位を持たずともすごいお方だった。
かけっこはどんなに走っても追いつけない。 かくれんぼはどこに隠れても見つけてしまう。 つまみ食いへ厨房へ行くのに、見つからないよう 作戦をたてたり。
えへんと門番の横で胸を張るさまは、 まるで従兄が見せてくれた ブリキのヒーローのようだった。]
(163) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[何をするにも、あの方はわたしの前にいた。
かっこいい。
巫女さまは、わたしの憧れだった。]
(164) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[涙で腫れた赤い目で、二度瞬く。]
…………泣かなかったら、わたしも みこさまみたいにすごくなれる?
「ええ…? なかなくて、きりっとしてて しっぱいもしなかったら…たぶん?」
(165) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[…それから年も過ぎて。
昔みたいに、事あるたびに泣かなくなっても、 ちっともドジは変わらない。 巫女さまみたいな「かっこよさ」には全然程遠い。
大人になっても、わたしはわたしのまま。]
(166) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[なるほど。 わたしは思った。]
[かっこいいヒーローになれるのは、 きっと、「選ばれたひと」だけなのかも。]
[抱いた憧れはさらに盤石のものになった。]
(167) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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[…だから、 選ばれたあの人たちの事を。
私は心の底から憧れて、尊敬してるのだ。**]
(168) 2015/07/04(Sat) 16時頃
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──回想:四年前、大雨の日──
[此処十年でも、めずらしいぐらいの雨だったと思う。]
…──フランク・リードの身内です。 巫女様にお目通りをお願いします。
[雨合羽のフードを後ろに下げて、顔を見せると、 門番を引き継いでいるらしい精悍な顔の青年は、 生真面目な顔を一瞬驚きに変えてから頷いてくれた。]
(169) 2015/07/04(Sat) 22時頃
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[──事故の──話だけは、神殿の方にも既に通達があったようだった。いつもよりか些か慌しく、濡れ髪のままで奥へ向かう俺を見て、ほっとした顔をするものも見かけられたが、違う。と言うことを、自分にも相手にもつきつける気になれず、目礼で済ませた。
応接間に通されて、待つ間に侍女が白湯を持ってきてくれた。両手でカップを包むと冷えきった指先に少し熱が戻る。少しして、足音がやってきた。]
… アマルテア
[幾年ぶりかに名前を呼んだ気がした。ただ、今、彼女を巫女と呼ぶ気はしなくて、少し沈黙が落ちた。すぐには、後が続かない。]
(170) 2015/07/04(Sat) 22時頃
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[神殿に水質管理局の人間としてでなく入ったのは初めてだった。エフ・リードとして顔をあわせたのは、いつ以来だったか。──遺体が掘り出された後、神殿には父親が出向くという話も出たが、いかせて欲しいと頼んだのは自分の希望だった。吐き出すのが困難な呼吸を絞る。]
…フランクが、死んだ。
[湯気を立てるカップの中がさざ波だつ。 まるで自分がアイツの亡霊にでもなったような、 ──そんな気分だった*。]
(171) 2015/07/04(Sat) 22時頃
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― 回想 『Ralf』:1 ―
[神殿に勤めて少し経った頃。 巫女さまに新しいお友達が出来た。]
(172) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[歳は近そうで、 丸々としたおまんじゅうのような男の子。
時々わたしも遊びに混ぜてもらえて、 かけっこやおにごっこの結果は巫女さまが一番。 わたしと彼が二位と三位を争う形になる。
この頃のわたしはまだ自分も かっこよくなれるのだと信じていて、 自分と似たくらいの足の速さの彼を どちらが早く巫女さまくらいにかっこよくなるか、 そのライバルだと、自分の中で決めていた。]
(173) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[そんな競争を心の中で決めた中。
ラルフが巫女さまのように、 ザッハトルテという聞いたことのないお菓子を作ったという話には、少なからずの敗北感を覚えた記憶がある。
なにせ、男女の意識が早かった巫女さまと比べ、 この頃の私にそんなものの兆しは全く見れることもなく]
……あっ!! 出た!! みてみてラルフ! ナナコロだよ!! へへ〜〜 すっごくないこれ!
[チョコを贈る日だという事で、 親にねだり食玩つきのチョコを買い。 チョコだけを贈るという暴挙をしていたのだ。 しかも相手の目の前で、食玩を開けて自慢する始末だ。]
(174) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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これ、シークレットだよ。 すっごくめずらしいやつ。
ラルフって運、すごくいいんだねぇ!
[可愛らしいひよこの人形を手に 誇らしげな笑顔を向けたのだから、 この当時のわたしには呆れしかもう感じない。]
(175) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[…初等部も終わりの頃。 侍女としての仕事は少しずつ少しずつ増え始めた。
巫女さまのお傍に居る時間も増えてきた。 仕事に関わるときの巫女さまも特にかっこよくて、 わたしは純粋に嬉しかった。
だけど、少しずつ変わり始めていた 巫女さまの様子も知らぬまま。]
(176) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[神殿に居る大人たちからは、 警備の話がちらほら聞こえた。
脇目もくれず、わたしはラルフの元へ向かった。 服の中には隠した手紙。 巫女さまから言われた大事な仕事だ。]
[神殿から出て、坂道を一気に下る。 里でラルフの姿を見つけて、声をかけた]
ラルフ、 ラルフーっ!
(177) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[周囲の様子を伺ってから、指を口の前に しーっと小声で言って服の中に隠した手紙を 彼に差し出した。]
手紙預かったの ラルフにって。 みんなには内緒だよ。
[差出人に彼の眉が下がった理由を、 わたしはよく知らない。
返事を渡されるなら、それを持って。 去り際にわたしはラルフへと振り返った]
(178) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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[…彼が神殿に出禁になった事は、 大人たちの会話でうっすらと聞いた。 詳しい理由は聞いていない。 でも怒られた、という話だけは聞いていた。
わたしもよく失敗しては、怒られてへこんでいる。 かけっこは遅い。巫女さまに次ぐ二番手を、いつも競う形になる。
勝手に決めたライバルといえど、 彼とわたしは、少し似ていると思っていた。
だから、彼にも頑張ってほしくて。]
(179) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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ね、ラルフ。 また、神殿でね。
[ほんの少しの応援も込めて。またね、と短くそういうと わたしは神殿への坂道をまた駆け足で昇った。
すぐに切れる息の中。思い浮かんだのは、 かけっこしていた頃の、彼と巫女さまの 二人の楽しそうに笑う顔だった。**]
(180) 2015/07/04(Sat) 22時半頃
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― to エフ 2・六年前のある日 ― >>56 [中学に入り体つきも少しずつ女らしくなる。 学校から戻れば、随分と力が強まってきたのか 基本的に裸足で過ごすように言われる日々。
水音が流れる廊下にひたひたと足音が響く。]
エフ。 久しぶりね。
[見知った顔に足を止める。]
(181) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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フランクのせいか、久しぶりの感じはしないけど。 …エフは、いま、水道管理局、なんだっけ。
[水質に異常があったのだろうか、とか。 そういう事全てが自分に繋がっているような気がして、硬い面持ち。]
あ、あー フランク? ん〜、毎日会えるわけじゃないから。
[神殿に住んではいるけれど従業員の全てを把握しているわけでもなく。知り合いだから、会おうと思えば会えるという甘い考えもまた足を遠のかせていたのかもしれない。]
(182) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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……。
[>>59『巫女様』] [ああ、あなたもまた私の事をそう呼ぶのね。]
(183) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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[視線は落ちて冷えた顔。]
そう。…それじゃあね、――。
[エフ、と彼の名を続けて呼ぶ事は出来ないまま、廊下で彼と別れた。**]
(184) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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― to エフ 3・四年前春 大雨の日 ―
[フランクと別れた理由は、結構ありがちな話で。 心の底から嫌いになったわけじゃなくて、 学生の身分と、仕事をしている身分とで生まれるすれ違いに、私が――、耐えられなくなったのだ。
すぐに違う人と付き合ったけれど、 少しだけ、まだ、心の片隅で引きずっていた。
そんな私の気持ちも全部、雨が流してくれないかな、と。 自室の窓から手を伸ばして、腕を雨で湿らせていた。]
(185) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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?
[こんこん、と自室の扉を叩く侍女の声。 なにかしらと顔を向ければ夜の来客らしい。 そういえば、なにやら廊下がさっきから騒がしい。]
―――… エフが? わかった。今行くわ。
[窓を閉めて、腕をタオルで拭ってから、裸足のまま廊下に出た。 侍女と共に、エフが待つ応接間へと顔を出す。
まず、その濡れたエフの姿にぎょっとして、 それから、名前を呼ばれた事に驚いた。]
(186) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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……なに。
[驚くと同時に、強まるのは警戒の色。]
(187) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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『…フランクが、死んだ。』
[ ]
(188) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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[思考は一瞬、確実に止まった。 身体がその言葉を受け入れる事を拒んだ。]
……
[けれどエフが冗談を言っているようにも見えず、 揺れる湯の波が、全てを物語っているようで。]
(189) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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[震える唇。全身、血の気が引いた気分で、 ひんやりと全身が冷たく凍りついたみたいだ。]
……、…っ
[エフを前にして、涙は流さないように気丈な態度でいたけれど それでも目許は大きく揺れていて。
あの時、ただ、ひと言だけ 口から出た言葉は]
―――…、 ずるい。
[悲しいとか、そういう類のものではなかった。**]
(190) 2015/07/04(Sat) 23時半頃
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──回想:四年前春 大雨の日──
[気温は一定に保たれている筈なのに、 芯が冷えたような心地ばかりが強まるばかりだった。 >>187 ぴり。と張りつめたアマルテアの声。]
…土砂に巻き込まれて、馬車ごと崖上から落ちた。 さっき、…掘り出されたとこだ。
[今は、病院の霊安室あたりに寝かされているころだった。 泥で汚れて、冷たくなった自分と同じ顔のあいつは。]、
(191) 2015/07/05(Sun) 00時半頃
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[唇がわななくのが見える。青ざめた顔は、ああ。 たぶん、自分も似たような顔をしているんだろう。]
…アマルテア。
[ぎ。と座っていたソファが音を立てた。 湿り気を帯びたシートを後に膝を伸ばす。]
(192) 2015/07/05(Sun) 00時半頃
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[白湯で温めた手を赤毛の頭の上へ伸ばす。 正面に立てば、頭一つ半は背が違う。]
… 弟が、勝手をして、悪い。
[ずるい。と零す彼女へ。冗談めかすようにして、 軽く、頭へ載せた手を、肩に引くように寄せた。]
(193) 2015/07/05(Sun) 00時半頃
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[寄せた手は、自分でもわかるくらい震えていて、 恰好がつくなんてものではなかったが]
… 正直、実感、沸かないんだが、 お前には、俺から言っとかねえと と …思って。……
[触れた掌があたたかい。ああ。人の温度だ。 生きている。と、思ったら、喉が詰まった。]
(194) 2015/07/05(Sun) 00時半頃
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[報告にいかせてくれと頼んだのは、二人の関係を聞いていたからとか、なんだとか、そういう部分もあったが、それだけではなくて、ただ]
…テア。
なあ、どうせ、…あとで泣くんなら。 ──いまのうちにしといてくれ
[巫女じゃあなくて。ガキの自分の"仲間"が、──泣くのを後で知る方が、当時の俺には、イヤなことだった*って話だ*。]
(195) 2015/07/05(Sun) 00時半頃
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― 回想 『ef』:1 十三年前 視察の旅 ―
[侍女の仕事を覚えるため、初めて「視察」の一団に混ぜてもらえたのは7つぐらい時の事。
巡礼先の侍女の仕事は、普段の仕事とはまた勝手が違う。 生まれてすぐに家族と共に「巡礼」をしていたわたしは旅慣れているのもあった。もしかしたら、そういう事もあってわたしは選ばれたのかもしれない。
その旅行先で、初めてわたしは フランクさまと、エフさまを知った。]
(196) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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―十三年前、白い大樹近くの草地─
[川べりを歩いていく彼の背をわたしは慌てて追う。
歳は少し離れていて、その分の歩幅もあるし 草に足を取られていたのもある。 早くしないとこの川に置いて行かれそうで、 わたしは声をかけようとして、考える。
彼は、治水を受け持つ水質管理局の局長の御子息だと聞かされた。巫女さまのお仕事に関わる、偉い方の息子。失礼の無いように、とも。
わたしはまだまだ子供で、正しい敬語なんて知らなくて。 頭を必死に回して口を開く]
む……むすこ?さまっ! ぇ、えっと まって、です…!
(197) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[彼の反応を見るに、必死に考えた敬称は不正解だったようだ。聴き慣れない正解の言葉>>41が返る。]
ごし…?
[反復して首を傾げていると、彼の歩く速度は緩まった。 この足場の悪い中必死に足を進めずとも、 なんとか彼に追いつけそうだ。
横目でわかったか、と確認するような彼に わたしはこくこくと頷く。]
(198) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[続くように、また訂正が返る。>>42 まさか、そこまで間違っていると思っていなかった。幼い私は驚いたように、何かを探しているような彼の顔を見た。
繰り返してみろ、という言葉に続けてまた反復する。]
お、おまち くだせ…さい。 えっと ごし…そくさま、おまちください!
[―――どうだ。 まるで大金の掛かったクイズの正解を待つような顔をした私に、彼は頷いた。ほっと息をつく。]
(199) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[それから、エフな。と名前を告げられた。 双子だから、確かにどちらも「ご子息様」だ。
なるほど。その考えはなかった。 わたしは感銘を受けたような気持ちになった。
初めてみたときは驚いた、同じ顔をした片割れの彼を見て]
…はい! えふさま!
[またひとつ頷いた。わたしの顔に嬉しそうな、 へら、としたあどけない笑みが浮かんだ。]
(200) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[…この方は、やさしいお方なのだと思った。
侍女の仕事や敬語の勉強は、 共に侍女をやっていた祖母から習う事が多く。
普通ならこんな偉いお方には 教えてもらえないんだ、とも子供ながらにも思う。]
[それに、さっきだって歩幅を緩めてもらった。 わたしが追いつけるくらいまで―――…]
(201) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[…そう思った矢先に、 彼は再びずんずん川べりを歩いていく]
!?
[一分も無い。まさかの裏切りだった。]
(202) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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ま、まって ちがっ おまちくださ、 え、えふさまぁっ!?
[再び先を行ってしまった彼は、何かを摘み取っていた。必死に追いついて、彼の手の中の花に首を傾げる。
それを説明されるよりも前に、 「あいつらどこいった?」の言葉でようやく気が付いた。
わたしはエフさまの背を追う事に必死過ぎて、 気付いていなかったのだ。 一緒に居た筈の巫女さまとフランクさまが、 辺りに見えないことに。]
(203) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[慌てて草原を見回しても、見慣れた綺麗な赤毛は無く。 わたしは顔を青くした。]
み、みこさ、みこさまぁあ!?
みこさまああああ!?
[この草原に置いてきぼりをくらってしまった。
どうしよう、というのを敬語で言うのはどういうのだろう。 そんなことを一瞬考えてしまったら、もともと敬語もわからないのに、この混乱したでたどり着けるわけもなく。 だから代わりに、ただただ巫女さまの名前を呼ぶしかなかった。
混乱と不安が極まって、無礼だとかそういう事も吹っ飛んで。わたしは縋るように彼の服を引っ張った。]
(204) 2015/07/05(Sun) 01時頃
|
|
[――わたしの混乱はさておいて。 すぐ、二人は見つかった。 その探している間を、私は混乱して なきべそ半歩手前だったせいか、あまり覚えていない。
ただ、頭にのせてもらった彼の手が、 やっぱりやさしかったことだけは、少しだけ覚えている。]
(205) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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|
[二人を見つけたのは、白い綿毛の花が舞う花畑の中。]
[遠くから巫女さまの笑い声が届く。
フランクさまの隣。 今日はあまり見られなかった、 巫女さまの楽しそうな横顔が見える。]
[先を歩いた彼の背が止まった。 何故だろう。探していた二人が見つかったのに。]
(206) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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|
えふさま?
[…その時の彼の目には、 あの花畑の中がどういう映っていたのか。
わたしは結局わからなかった。 視線をそらされてしまったから。
そんな事は、小さなわたしには本当に些細な疑問で。 彼に促されるように、わたしは巫女さまの元へ駆け出した]
(207) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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|
[フランクさまの頭の上から飛んだ、 白い綿毛が空を渡っていく。
いい天気だった。
初めての視察の旅。
彼が教えてくれた言葉と、 空に飛んでいく綿毛。 綺麗な空の青を、
今でもよく覚えている。]
(208) 2015/07/05(Sun) 01時頃
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[―――あの時、彼が摘んだ花>>44が、なんだったのか。 あの時にはうやむやになった説明を、 彼が口にしてくれたのか。
それは、思い出せないけど。**]
(209) 2015/07/05(Sun) 01時頃
|
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― 回想 『ef』:2 四年前春・大雨の日 ―
[「連絡馬車が崩れた崖に呑まれた。」 その事故の話が、神殿に回ってきたのは大雨の中。
その連絡馬車の警護としてついていったのが 警護隊に入られたフランクさまだった。
それをわたしは知っていた。 馬車の出発前、神殿に居る警護隊の把握確認をするのに、 担当した侍女が、わたしだったから。]
(210) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
|
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[閉じた窓の外、暗い空から雨粒は見えない。 ただ、窓についた水滴と雨音だけが 雨の存在を教えてくれる。
だから、なかなか実感が沸かなくて。 そんなの嘘なんじゃないか、という縋るような希望で 不安な気持ちを掻き消そうとしていた。]
(211) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
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[フランクさまたちとの幸せな思い出に残る、 青い空とは打って変わった、暗い空。
窓の外を落ち着きもなく見ていたわたしに 別の侍女から、声がかかる。
エフさまが巫女さまへお目通りを願っている。 応接室に通したから、急いで、と。 彼女の慌ただしい様子に、 わたしは来客理由を聞けなかった。]
(212) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
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[巫女さまの自室に向かうまでの間、 わたしは急ぎ足で思う。
いらっしゃったのは、エフさま。 …じゃあフランクさまは?
…きっと、きっと 怪我とかしてるだけ。 きっとそう。
巫女さまの自室の戸を 静かに叩くように意識してノックした。]
(213) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
|
|
…巫女さま、夜分遅く失礼します。
エフさまが――
[縋るような目の色を。不安げに下がった眉を。 ドジなわたしが巫女さまに隠せていたかは、わからない。]
(214) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
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[…応接室で待っていたのは、 濡れたままの姿のエフさまだ。
巫女様の後ろ。二人の声を遠くに聞く。
…フランクさまが、お亡くなりになった。
同じ顔をしたエフさまが。そう言った。]
(215) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
|
|
[実感はいよいよもって、わけがわからなくなった。
でも、縋るように抱いていた希望はぽっかりと消えて。
その代わりというように、 フランクさまとお付き合いしていた頃の巫女さまの様子や、 視察の旅のあの光景が思い浮かぶ。]
(216) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
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[二人の、楽しそうな声と笑った顔。
かつて通ってきたはずなのに。 どんなに手を伸ばしても届かないくらい。
ひどくひどく、遠くに感じた。**]
(217) 2015/07/05(Sun) 03時半頃
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―回想:『Nanao・Kilroy』:1―
[巫女さまとナナオが居る姿を見たのは、 巫女さまを学校からお迎えに上がった時。
遠く二人の横顔に、自然な笑顔が浮かぶ。>>8
それを、当時のわたしはきょとんとした顔で眺めていた。
それについてを深く考えるようなことは、 その頃のわたしにはない。
ただ純粋に、最近だと、 こんな巫女さまは少し珍しい気がする。 そんな事を思って眺めていただけだった。]
(218) 2015/07/05(Sun) 04時半頃
|
|
[彼女に兄が居ると聞いたのも、その頃。 よく笑って、時に怒って。 普通の女の子な、彼女の兄もそうなのかもと思っていた。]
[ふんわりと築き上げていたイメージは、 その彼が神殿の警護隊に勤め始め、 連絡確認などの仕事で知り合ったその時に崩れた。]
…に、にてない!
[実に生真面目そうな彼へ、二言三言。 仕事の話をした後に、あまりのイメージの違いに わたしはうっかり口を滑らせたのだった。]
(219) 2015/07/05(Sun) 04時半頃
|
|
[それから彼が護衛の任に就くと、 仕事上、会う回数は増えてきた。]
[言葉は少なくとも、 その生真面目さは頼りがいがあって。]
キルロイさんが居ると、 巫女さまも、みなさんも 安心ですね!
[感謝の気持ちも込めて、わたしはそう言ったけど。]
…あっ ぇ、えっと だ だからって これは安心しすぎて失敗したわけじゃなくて! ああああの ほ、本当にすみませんでしたぁ!
[…仕事の詰めが甘く、ミスをする事も何度か。 その時もまさにその後だったと思う。
わたしが言う言葉じゃなかったかもしれない。]
(220) 2015/07/05(Sun) 05時頃
|
|
[…でも、安心できるのは本当で。
会う度に彼の真面目な様子を見て。 かつて崩れたイメージの上に ぼんやりと新しいイメージが浮かぶ]
[言葉少なくとも、頼りになる。 巫女さまを守る任に就く彼は、 まるで小さいころに見たブリキのヒーローみたいに思えた。
16も超えたのに、 流石にそんなことを口にだせるわけがなかったけど。]
(221) 2015/07/05(Sun) 05時頃
|
|
[…この頃には、わたしには 巫女さまみたいな「かっこいいヒーロー」は 多分無理なのだと気付いていて。
いつもわたしの先を行く 巫女さまの横に立てるのは
きっと同じような選ばれたひとだけ。 「かっこいいヒーロー」になれるひとだけ。 そう思っていた。]
(222) 2015/07/05(Sun) 05時頃
|
|
[やがて、学生を卒業して。 ナナオと巫女さまが会う機会は殆どなくなってしまった。]
[里に下りて彼女に会う度に、 彼女は笑顔で問うてくる。>>97]
あ、ナナオ! うん、巫女さまはお変わりないよ!
[空は青く、空気は澄んで、 里を流れる水は今日も変わらず輝いてる。
わたしも、彼女に向かって そう笑顔で返すけど。]
(223) 2015/07/05(Sun) 05時頃
|
|
[変わりがないなんて、きっと違ってた。 巫女さまの笑顔は、本当に減った。
それに気付いたのは、 どこまでも鈍い私には ようやくその時が迫ったころ。
――次代の巫女さまをお作りになる為、 祭りが開かれると。
そう聞いた後だった。**]
(224) 2015/07/05(Sun) 05時頃
|
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― 祭りの報せに ―
[机上に放置した書類には、次代の巫女がとか 試験がどうとか、そんなことが書いてあって。
「いないでしょうね」
言い切った、巫女の言葉が過る。(>>121>>122)]
――これも『仕事』か、アマルテア。
[誰もいない部屋。 自身も聞き慣れない途方に暮れたような声がもれた。]
(225) 2015/07/05(Sun) 12時頃
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|
[迷いが輪郭と温度を持ち始める。
ナナオと笑っていた彼女の顔を覚えている。 何も違わないように見えた少女の顔。 だからこそ、迷いなく今を選べたのかもしれない。
――あの巫女の笑顔さえも "皆"と共に守れると思ったから。
そこに、含まれないだなんてことは考えもしなかった。]
(226) 2015/07/05(Sun) 12時頃
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……ナナオ、ちょっといいか。
[見れば絶対に激怒する書類は机に片付けて 親友だと、今も胸を張って笑う妹を呼ぶ。
あの後(>>124)、 会いたがっていると言い終わる前からはしゃぐ妹に 救われるような心地がした。 パンケーキ食べにいくんだ!と張り切っていたのは 叶ったのだかどうだったのか。]
アマルテアは "笑って"いたか?
[その時彼女は、昔と同じ顔で。 笑えていたのだろうか。]
(227) 2015/07/05(Sun) 12時頃
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|
[もし。 もしも。
ナナオとなら、昔の様に自然に笑えるのなら。
まだ間に合うのかもしれない、 と そう思ったから**]
(228) 2015/07/05(Sun) 12時頃
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|
― 画面の向こう ―
任務や仕事のつもりで来たわけじゃない。 ……向き合いたいと思ってる。
[まっすぐに見据えて彼女に伝えたのはそれだけ*]
(229) 2015/07/05(Sun) 12時頃
|
|
― to エフ 4・四年前 春 大雨の日 ―
>>191 [『土砂に巻き込まれて』 『馬車ごと 崖上から 』『 おちた 』]
[近い距離から聞こえるはずなのに、どこか遠くから聞こえる感覚。]
(230) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
!!!
[エフが立ち上がる音に、小さく身を震わせ、 我に返ったような心ここに在らずのような、 そんな面持ちで、濡れた男をどこか警戒の色を滲ませたまま見上げれば 名前を、呼ばれ。赤毛の上に手が乗った。 暫く会わないうちに随分と背の差もついた。
ああ、でも―――、この背も、 ぜんぶ、似てるじゃないか。]
…… っ
[>>193震える手に引かれるまま、肩口に目許をおしつける。 どうせ濡れているんだからこれ以上濡れたってきっとわからない。]
(231) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
別に 誰から聞いても おんなじよ。
むしろ、―――むしろ、 あなたの口から聞くのが 一番、 残酷だわ。
[腕は重力に任せて垂らしたまま、顔の上の部分だけが触れている。 鼻から下、そこだけが今は動いている。]
(232) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
―――わたしが、いつ、どこで泣こうが勝手、でしょ。
[フランクの死を聞いて、泣かないという選択肢をあえて示唆するような言葉を言っても良かったけれど、家族相手には――、双子の兄相手には、その必要もないし。失礼か、とも思う。]
(233) 2015/07/05(Sun) 13時頃
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|
[―――、だけど。]
(234) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
…… なんで 『フランク』 だったのよ。
[だけど、だからこそ。 口からは、言葉に色があるなら、黒い色のついた言葉が今日の雨みたいに注ぐ。]
(235) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
どうして、…
[ず、と鼻をすする音。震える声。]
―――、ほんとうに『事故』だったの。 ―――、だれかにはめられたとかじゃないの。
(236) 2015/07/05(Sun) 13時頃
|
|
…、私がいたって――― 巫女がいたって、 こういう事故が いくつも、起きているじゃない。
わたしはッ ……、っ
[喉の奥、声を詰まらせて。]
(237) 2015/07/05(Sun) 13時半頃
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|
[どん! と、そこでフランクの胸元に両手を添えて肘を伸ばす。] [髪より鮮やかな赤い色をした目と鼻の頭。]
みたくない。 あなたの 顔も、姿も、声も…!!
もう ――、帰って…。
[指を応接室の扉へと伸ばし、エフの顔をきつめに睨む。]
優しい言葉なんていらない。 弱った女につけいる男は、 *大嫌いなの。*
(238) 2015/07/05(Sun) 13時半頃
|
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― to:キルロイ 2―
[ぱっ、ぱっ。変わる画面。] [まあ疲れていた時は、挨拶も聞かずに速攻で次ボタンを押したりしたが。]
[見知った顔に、ボタンを押す手が止まる。]
…… 向き合い、たい?
[細めの目を、いつもよりは大きく開いて。 意外、と両方の頬に1文字ずつ書いてやや驚いている顔。
それから、ふ、と眉が下がって情けない顔をしたままほんのりと笑う。]
(239) 2015/07/05(Sun) 13時半頃
|
|
……そう。
キルロイならきっと、最後の試験も通って また、今度は直に会えるんじゃないかしら。
――、… 。
[真っ直ぐに向けられた視線。 先にそれから視線を逸らして、斜め下へ。]
…、物好きね。
[「▶次」と書かれたボタンを*押した。*]
(240) 2015/07/05(Sun) 13時半頃
|
|
― 四年前 春 大雨の日 ―
[濡れた肩に温度が触れる。ああ、人の熱だ。 活きている。それに、少し安心をした。]
悪かったな。
…俺が来たのも、ここでってのも、 どっちも。俺の我侭だよ。
[>>232 目線だけを伏せる。触れているのは掌と肩。 だらんと下げられた白い両手が視界にあって 貌までは見えないまま。]
(241) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
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|
[外の雨音がここまで聞こえるようだ。 とつ、と落ちる言葉に動かぬまま、 ただ。なんで。と、じわり沁みる言葉に、 少しだけ黙った。]
…
[どうして。と、言葉が続く。]
(242) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
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今回のことは、事故だ。
……フランクひとり狙ったとこで、 わりにあわねえだろうよ。…
[ちら。と過ぎる。先ほどの警戒が一瞬ばかり過ぎって、小さく息を吐いた。"巫女ならともかく"。と思った言葉は、口にはしない。もしそれなら──きっと、犯人は大方、うちの勤め先になる。]
… テア。
[わたしは。と、声が軋る>>237。 僅かに引き止めるように声をかけて、それで]
(243) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
[僅かに片側表情をゆがめた。]
……ッ
[どん! と肩が後ろに押される。]
(244) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
いっつ、…──
[骨を押されて手が離れる。真っ赤な目と鼻の頭に下がりぎみの眉が寄せられて、]
… 同じにしか、見えねえかよ。
[帰って。と睨まれる。見たくない。と、 その言葉に、奥歯を嚙みながら、 やっぱり、どうしようもなくて笑った。]
(245) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
[重ねられるのは慣れていた。呼び間違えられることだってしょっちゅうだ。ただ、それでも──それでも。]
…わかった。
[半端に上がっていた手を下ろす。 壁にかけていた此処まで羽織ってきた雨合羽。 背を向けて、腕に取る。]
(246) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
…巫女様。
[振り向かないまま、ぽつ、と言葉を残す。]
勘違いだけは、すんなよ。
[低い声音で、言葉だけを残す。]
(247) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
巫女がなんでも解決できるんなら、 ウ チ 水質管理極なんざ、端からいるかよ。
[仕事の──口調で、そう残して、 指を指されたドアへと向かう。]
(248) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
…
[帰りがけ、振り向いたのは、 巫女の後ろに向けて>>215。]
… あったかくしろよ。
[何を──いうかは迷って。結局そんな言葉ひとつと情けないだろう苦笑いだけ残して、やけに暗く感じる廊下へと出た*。]
(249) 2015/07/05(Sun) 21時半頃
|
|
[――彼女の表情が動く。(>>239) 微かにそれは驚いたような顔で。
笑った顔は少し情けないような顔をしていたけど それでも、見慣れない初めてみるような顔だった。]
……―――、
[空気を震わす音はなく。 ただ、物好きと言われた言葉には数度瞬いて
何故だか ふ、と笑みがこぼれた。 ふつり、黒くなった画面にようやく零したのは。]
……かもな。
[居心地悪そうに頬をかいて場を辞する**]
(250) 2015/07/05(Sun) 22時頃
|
|
[門番、神殿警護、見回り。 それだけなら、疑問を抱くこともなかったろう。
巫女の力で清浄に廻る大気、水。 幸せそうに笑って暮らす家族や隣人。
巫女をよく見かけた頃は、 その巫女が笑っていたことを知っている。
それらを守れる、守られるものだと。]
(251) 2015/07/05(Sun) 22時頃
|
|
[迷いを抱くきっかけを落としたのは きっと四年前のあの大雨の日。 神殿に届いた報せは突然すぎて実感がなく。
フードをかぶった来訪者に僅かに目を見開く。 それは 訃報が嘘だったと、勘違いするほど。 よく、似ていた。
けれど、それはつまり。 ――その足音が消える頃に、静かに黙祷を。]
今日は、……ひどい雨だ。
[ぽつり、独り言――返る言葉はないけれど。
アマルテアに実際に再会したのは、 "彼"が亡くなった後、引き継いだ護衛だった**]
(252) 2015/07/05(Sun) 22時頃
|
|
*
*
*
(253) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
──回想:四年前、大雨の日、神殿門前──
[外に出ても、まだ雨は降り続いているようだった。 雫を垂らす黒髪が濡れて頬に張り付く。]
…
[伝えるのにそう長い時間がかかったわけでもなく >>169>>252行きに見たのと同じ門番の青年に、 行きよりも少しだけ──長く、黙礼を落とした。]
(254) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
……
[里の方へ続く階段を徒歩で降りながら、 曇天を見上げると、口の中に水が溜まる。 ── 頬を、顎を水が伝い落ちていく。]
(255) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
[そうして濡れ鼠の足が袂までたどり着いた頃合に、 ばしゃばしゃと水を跳ねさせながら近づく足音があった。]
…ん
[「先輩!」と同じく水質管理局勤めのナユタが 息を切らせて、膝に手をついた。]
(256) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
[「ここ、だって、きいて」と弾む息のままかけられる声に、足を止める。]
──、なんかあったか
[息を整えながらこくこくと頷く様子に、 顔下半分を手で拭う。]
(257) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
[話としては簡単に言えば、建設進行中の地下水路に水が大量に流れこんで水が溢れそうだ。との緊急連絡だった。]
──わかった。今からすぐ行く
[え。と顔を上げる後輩に、片眉を下げて笑う。]
(258) 2015/07/05(Sun) 23時頃
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|
[気遣いのようなものだろう。それを感じ取って、トン、と肩を小突く。]
…今、出来る仕事してた方が、 いくぶん気が紛れる。
水量が増えすぎんなら、 そのうち水門造るか、 水を上に出す仕組みを考えにゃな
[これも。必要な役回りだ。そのうち、滝周辺の護岸工事にも手をつけるべきだろう。やれることはある。やるべきことも。]
(259) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
[ええ。と頷くナユタを促して、地下水路の入り口へ向かう。同時に通信機で、中にいる人間は引き上げさせるように連絡してもらった。]
…
[雨の中、肩に少しだけ*手を置く*。]
(260) 2015/07/05(Sun) 23時頃
|
|
[私の家族は、敬虔な信者で] [生まれてすぐに、わたしは家族と共に巡礼の旅に出た]
[教科書は小さな頃から読みきかされた絵本。]
[だから、従兄がブリキのヒーローに憧れたように わたしは、みんなを助ける絵本の巫女さまが憧れだった]
(261) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[憧れは、巫女さまに出会った事で現実感を帯びた。
かけっこが早いこと。 かくれんぼが上手なこと。
わたしよりもずっとずっと女の子らしくって、 可愛くって、でもきりっとしてて。
子供がヒーローに抱く憧れと、 巫女さま自身への憧れが合わさって。
抱いた憧れは盤石なものに。
わたしにとって、巫女さまは 道しるべみたいなものだった。]
(262) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[でも、わたしは ようやく気付いた。 次の巫女さまが生まれれば。
わたしの「ヒーロー」は、 「普通の女の子」に戻るのだ。]
(263) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[それが、ひどくひどく寂しかった。]
[…でも、抱いた憧れが消えるわけじゃない。 「巫女さま」じゃなくたって、 あの方は、すごくすごく、わたしにとっての憧れで。]
(264) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[だからこそ。
だいすきな、「ヒーロー」の最後は。
あの、神殿の中を駆けたあの頃のように。 あの、花畑の中のように。 あの、二人残った教室の、友達の横に居た頃のように。
ハッピーエンドで終わってほしい。
―――――わたしは、そう思った。]
(265) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[それが出来るのは、多分この人なんじゃないか。 そう思っている人がいる。]
[巫女さまの後ろ。 画面に映る彼らの顔を、 期待を込めた目で、わたしは見ていた]
(266) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[巫女さまとおんなじくらい。 きっと、かっこよくなれる人。
わたしの憧れる、ヒーローたちを。]
(267) 2015/07/05(Sun) 23時半頃
|
|
[連日行われている試験は、また何日もをかけて その一つがようやく終了した。
数千と居た候補者も半分、半分と減って。 はたしてどれほどの人数が残っていただろう。
あれほどの人数だ。 巫女さまはお疲れだろう。
昔と比べて、最近では本当に笑う顔も少なくなった。 巫女さまに、労わりの言葉をかけたけど。
ドジなわたしじゃあ、きっと 巫女さまに昔みたいに笑ってもらえない。]
[…だから、わたしは期待する。]
(268) 2015/07/06(Mon) 00時頃
|
|
[手元には、行われていた試験の合格通知と、 次の試験の連絡の手紙。
試験内容は、「巫女との面談」。 その日時と場所がそこには書かれている。
残った候補者へ、 わたしは他の侍女と一緒にそれを送った。
強い強い、期待を込めて。]
(269) 2015/07/06(Mon) 00時頃
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|
― 面接試験の日: 神殿内 ―
[…後日、試験会場にやってきた候補者の人へ。 わたしは深く頭を下げる。]
お待ちしておりました。
[わたしは深く頭を下げた顔を上げ、 彼らの顔をじ、と見て。]
こちらへどうぞ。 …こちらにて、巫女様がお待ちです。
[巫女様の待つ部屋の、戸を開けた。**]
(270) 2015/07/06(Mon) 00時頃
|
地下軌道 エフがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(地下軌道 エフは村を出ました)
|
[ぱ。と画面が切り替わる>>110。]
(271) 2015/07/06(Mon) 00時半頃
|
|
──回想:第二試験終了後──
[はー。と、息が漏れた。先ほどまで巫女の顔を映していた画面は、今はただの真白い四角に戻っていた。]
…、顔は、な。
[首を回しながら、背もたれに身を預ける。 ぎい。と椅子が鳴いた。]
(272) 2015/07/06(Mon) 00時半頃
|
|
……
[わしゃりと頭をかき混ぜる。──ほろ苦いような気持ちが口の中に広がった。]
(273) 2015/07/06(Mon) 00時半頃
|
|
[書類が来たときに、あの日にいわれた言葉を、思い出さなかったわけではない。]
…大嫌い、は、響くわな
[見たくない聞きたくない。と、言った声を閉じた瞼の向こうに聞きながら、けれど、*それでも*。]
(274) 2015/07/06(Mon) 00時半頃
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掃除夫 ラルフがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(掃除夫 ラルフは村を出ました)
|
― side:ラルフ 1.5 ―
[神殿に居ることも叶わず、里でしょんぼり。 とぼとぼ歩く少年に声がかかる>>177]
え? え? どっち!?
[リッサが大声で呼んだのに内緒話の態。 おろりとしてから、うんうんと口を噤んで頷いた]
[届く手紙]
[宛名の名前]
[眉が二段階ほど下がる]
[アマルテアからのものはなんでも嬉しかったのに。 文面を追う間も眉は下がったままで>>119]
(275) 2015/07/06(Mon) 01時頃
|
|
[なんとなく、感じていた。
神殿に忍び込んだ夜中、 彼女はちっとも嬉しそうじゃなかった。
忍び込んだことも、 驚かせて喜ばせようとしたことも。 きっと水差しも果物も。
…いらなかったんだ]
(276) 2015/07/06(Mon) 01時頃
|
|
[でも]
[確かめるように繰り返し目でなぞる]
[ ”またいっしょにあそんでね” ]
[ぼくのことは”いる”って、そう思えたから――]
[少年はきゅっと唇を結んで手紙から顔をあげる]
リッサ、まってて!
(277) 2015/07/06(Mon) 01時頃
|
|
[ポケットの中を探しても紙なんて入っていない。 おつかいメモ用のえんぴつをリッサに借りて、 アマルテアがくれた手紙の裏面に返事を書いた]
[おてがみありがとう。 ごめんなさい。 もうしません。
元気ならよかった。 きゅうりえらいね。
またいっしょにあそぼうね]
[文字の下にはがりがり、いびつな丸を描いて、 端は前髪ちょんちょん、真ん中はおかっぱ。次はみつあみ。 にっこりまーくがみっつ並んだ]
(278) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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[書き終われば封筒に手紙を戻して]
おねがいします。
[リッサへとしっかりと差し出した。 受け取られた手紙。 また、神殿でね。>>180
もう二度と入っては行けない気がしていた神殿が、 その一言にぐっと近くなった気がした]
うんっ
[力強く頷くとお腹がぽよんと揺れた*]
(279) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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*
*
*
(280) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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──回想:試験終了後、面談──
[広間じみた広い部屋には柱があちらこちらに立ち、 四方を水が流れ、涼やかな音を立てていた。]
…これは。俺が言っときたいから、言うが
[クラリッサに通してもらって──、ようやく面と向かって会えた姿は今度は画面越しではなかった。 陽に透けそうな白いワンピースを着たアマルテアを見下ろして、許された会話時間のはじめに口火を開いた。]
(281) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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[流水の音ばかりがある。足元には水を通り抜けた陽射しが溜まり揺れていた。]
────、
[深い水を思わせる瞳を捕まえて、 喉を開く。瞬き程の間があった。]
(282) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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好きだ。
[飾り気もなにもない一言を贈る。]
(283) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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[視線は外さないまま、眼鏡の硝子ごしに視線を注ぐ。]
──、俺は、お前が、好きだ。
[笑わないでいると、不機嫌そうに見えると評判の顔のままストレートに、──言わないでいたことを口にした。]
(284) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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お前にどう思われてようが、 何回、考えなおそうとしても、
ちびの頃にあっちこっち回った思い出やら 転げまわったことやら。
お前といて楽しかったって気持ちが、
俺の、──根っこに残ってる。
[ずっとだ。と、やはり真顔のままに、 親指で、心臓の上を叩く。]
(285) 2015/07/06(Mon) 01時頃
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[誤解のしようもない台詞を紡いで、そのままに]
──前は。
[少しだけ、声のトーンを変える。]
(286) 2015/07/06(Mon) 01時半頃
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ただ、前は。 …お前さんが、ちゃんと笑えてるんなら。 それでいいかと、思ってたよ。
俺は手前勝手で …あいつみたいな自然な気遣いなんぞ してやれんし。
[実際、今こうして此処にたっているのだって、同じだ。 自分の気持ちに正直に行動しているだけで。]
(287) 2015/07/06(Mon) 01時半頃
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……でも、それで、他人に託して、 その結果で、痛い目みるようなのは、
あのときに、俺は、 もう、二度とごめんだと、思った
(288) 2015/07/06(Mon) 01時半頃
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[氷付けにして抱いてた台詞が、 漸く溶けて、水になる。]
当って砕けて、クソ情けない姿を晒そうが
…直接、お前にぶん殴られた方がマシだ
[噛み締めるようにして、口端を引き上げる。]
(289) 2015/07/06(Mon) 01時半頃
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俺は、…お前の傍にいる時間が欲しい。
神殿から離れる仕事のときに いつか、お前をつれてきたいと 思った場所が、──増えすぎてだな
[首を、横へ傾けて、]
(290) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[足元が水に浸る森林、それとは逆に干からびたままの砂漠。その下に流れる光の射す鍾乳洞。まだ、政府にも誰にも、手をつけられていない自然のままの土地。] …
どうも、行きたい場所が十年、二十年じゃ、 …… 足りそうにない。
[少し、困ったように片眉を上げて笑う*。]
(291) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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― 回想 『ef』:3 四年前春・大雨の日 ―
[二人の会話もどこか遠い。
「フランクさまがお亡くなりになった。」
そのことと、あの花畑と フランクさまと共に居る時の巫女さま。
それらだけがずっとずっと頭に残る。
エフさまを どん、と突き飛ばした巫女さまの声で、 わたしはいつの間にか俯きかけていた顔をはっと上げる。]
[低い声で残る言葉>>248。 ゆっくりと目を見開いた。]
(292) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[わたしが走ってもなにをしても 追いつけない巫女さまの横に。
この人は立てる。
…そう思った。]
(293) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[彼がこちらに振り向いた。 その時のわたしはどんな顔をしていただろう。 きっと驚いたような顔をしていたと思う。
かけられたのは、 「何を」かは濁したような言葉。>>215]
(294) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[…かつての旅の、
エフさまの。
やさしかった手を思い出した。]
(295) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[お亡くなりになったと告げた、同じ顔。 あやふやだった実感が、かちりと嵌った気がした。
わたしは静かに、ぎゅう、と服の裾を掴む。 溢れそうないろんなものを、必死にこらえるために。
視察の旅の時のように、無邪気に頷くことはできなかった。 わたしは黙ったまま、なんとか小さく一つ頷いた。
彼は、苦笑いを残して応接室を去っていく。]
(296) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[…なんで、]
(297) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[真っ先にそう思った言葉は、出すべきじゃない。 わたしは必死に呑み込んだ。]
(298) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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[…巫女さまがお部屋に戻ってから。 わたしは、温かい飲み物ときれいな毛布を手に 巫女さまの自室の戸を叩いた。]
――― 巫女さま。
…あの、… 今日は、お冷えになりますから。 暖かいものをご用意しました。
よろしければ…
[あの時、わたしは気づかなかったけど。 巫女さまは裸足のままで廊下に出ていた。 冷えていないだろうか。
巫女さまへの心配と、 わたしにかけられた言葉と苦笑を胸に。 扉越しから声をかけた。**]
(299) 2015/07/06(Mon) 02時頃
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― to クラリッサ・四年前の大雨の日 ―
>>245『同じにしか 見えねえかよ。』
[あの時、睨んだ瞳にうつった エフの顔は結構今でも覚えてる。 随分と感情任せに酷い事を言ったなと思ったのは あの日から数日後のこと。
扉の音に顔を上げ、クラリッサを招き入れる。>>299]
リッサ。ありがと。 そうだね…少し、冷えたわ。
[飲み物を頂戴、と毛布と飲み物を持つ彼女の傍まで歩み寄って、カップを手にした状態で、]
(300) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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…今日から明日にかけての 里周辺の水に関するデータを…集めておいて。
明日の朝、すぐに確認したいの。
[おねがい、とクラリッサに告げて。 一呼吸おくために、湯気が昇るお茶を一口すする。]
(301) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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……それから、
[ゆらりとカップにうつる顔が揺れている。]
(302) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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それから、 フランクの葬儀の事とか解ったら それも―――、教えて。
[そう自室を後にする侍女へ告げた。 翌日、起きてすぐに用意されていた情報を確認する。 水質等は雨の影響で多少は濁る事は予想していたが、 ひとつ目に留まる。>>258]
…、…
[眉間に皺を寄せて、溜息を吐く。]
(303) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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[自分の巫女としての力を、過信してはいない。 けれども未だに実感というものが薄いわりに、 自分の心に、身体に何かあった時は、やたらと神経質になる。
データをやたらとその時ばかりは目を皿にして確認するが、 数日すると飽きて見る事は少なくなっていく。**]
(304) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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*
*
(305) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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― to エフ・試験終了後面談 ―>>281〜
[素足のまま水が四方から流れ落ちる広間の中心で 黙ってエフの言葉を聞いていた。 告白の時はさすがに、少し驚いた顔をした。
それから、話の途中、喉の奥まで出た言葉の
『そんなの全部、エフのオナニーじゃない! 殴って欲しいんだったら今すぐぶん殴ってやるわよ!!!』
は、呑み込んだ。]
……好き、って なに、そんな 前からだったの。
むっつり双子ね。
(306) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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…、知らなかったわ。本当に。 知らなかったから、…驚いたの。
それに、 …後悔するくらいなら、 最初っから弟に私を譲るんじゃないわよ。
――、ばっかじゃないの。 死んだ人間は…強いのよ。
[言葉を吐き捨てるみたいに床に向けて言い放つ。]
(307) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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今更、とか。 そういうのも全部、含めて、解った上で いるっていうのは解ったし、
……わかった、けど。
けど。
[流れる水の音が雨音みたいに聞こえる。]
(308) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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私は、エフといる限り… 絶対に、フランクとあなたを比べるわ。
(309) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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その顔を見ても、 その手が私に触れても、 きっとすべてを、重ねて見てしまう。
――、…私の身体はフランクを覚えたままなの。**
(310) 2015/07/06(Mon) 16時頃
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──回想:試験終了後面談──
[幸いながらか、腹を抑えながらの進行とはならず、 少し驚いたらしい顔をした後に、声が続く。]
…うるせえ。わかってるわ。
[むっつりは否定できるところでもなく、 半眼に落とした目で口許を抑えた。]
(311) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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[バツが悪そうに視線を逸らして、 続く言葉に視線を戻す。]
…アイツが、あの後ああなるとか思ってたら、 俺だってそうしてたよ。
判断が甘かったのは、自覚がある。
[手を下ろす。床に落ちる言葉を見送る。 目を眇めた。]
……そうだな
[死んだ人間は強い。それに同意をひとつ。]
(312) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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[アイツはこれ以上幻滅されるようなこともなけりゃ、いい思い出ばっか思い出して嫌えないわ、敵わなかったことばっか思い出す、俺にとっては史上最高峰の比較対象だ。]
……けど、
[アマルテアと同じ言葉を口にして、 浮かぶのは、どうにも苦笑いだ。]
(313) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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そんなん、しかたないだろうよ。 同じ顔してりゃ誰だって思い出すわ。
しかたねえだろ。アイツといたから、 …今のお前がいるんだから。
そんなもん、覚悟の上だろ。
(314) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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アイツのことなんかもう忘れただとか …そう言われたって、まず、俺が喜べねえし
[昔があって今がある。好きだったのは、──k大事に思っていたのは、二人ともだ。]
……比べるぐらい、好きにしろよ
(315) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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[深めの溜息を、ながーく吐いた。]
(316) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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……きもい。
(317) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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アマルテアは、ぽつ、とまず一言溢して
2015/07/06(Mon) 17時頃
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あーーー、もぉおお〜〜〜 なによそれ!!!!
[だんだん、と足で床を二回踏んで]
本当にわかってんの? 重ねるって言ってる私の言葉が、 どんだけ酷い事かかわかってんの?
妄想しただけで私は腸が捩じれる気分になるわ!
(318) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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アマルテアは、エフを指差しながら言いたい事を言っている
2015/07/06(Mon) 17時頃
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エフの覚悟は伝わるし、解る……けど、 わたしは わかんない!!!
っっ、
[ぐぐぐ、と指していた右手を落とし、そを強く握る。 緩く一度下唇を噛んでから、ぱ、と解放するけれどほんのり白さが残る。
息を細長く吐いてから、]
エフは、今、フランクに罪悪感とか ないわけ?**
(319) 2015/07/06(Mon) 17時頃
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……………、悪かったな
(320) 2015/07/06(Mon) 18時頃
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エフは、静かに若干へこんだ。
2015/07/06(Mon) 18時頃
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……うおっ
[そうこうする間に白い床が踏みつけられる。]
お前、足いたくないかそれ
[基本裸足の巫女の足元を見れば びしりと指がつきつけられた。]
(321) 2015/07/06(Mon) 18時頃
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[白くなる唇を、手が下りて]
…… まるで罪悪感もなかったら、 こんな機会まで待つかよ
[四年だ。死んでから。 神殿に、顔を出さないようにして。 いまの今まで。]
(322) 2015/07/06(Mon) 18時頃
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… でもな。
……──あいつは、死んだんだ。
もういない。
(323) 2015/07/06(Mon) 18時半頃
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顔に皺を増やすこともなきゃ、 ハゲることもない。 一緒に、あたらしい酒を飲むこともできない。
……あいつと一緒のとこに、
俺は。 止まっててやることはできない。
(324) 2015/07/06(Mon) 18時半頃
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|
罪悪感に足をつけて、 それを理由にまた。
動かないでいる方が
、 ──よっぽど、後悔しそうだ。
(325) 2015/07/06(Mon) 18時半頃
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……。 なあ、アマルテア。
……ひどいのは、どっちに向いてだ。
俺か、それとも、 …フランクの奴にか?
(326) 2015/07/06(Mon) 18時半頃
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|
[問い投げて、ゆるく息を吐く。それから、 軽装の官服の袖をぐい。と捲った。]
──これな。こないだ自転車で、 結構派手にコケてな。
[とん。と、腕に残る擦り傷を指で示す]
(327) 2015/07/06(Mon) 19時頃
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[ぐる。と腕を回して、骨ばった手を開く。 試験中に縄で滑り降りた痕が、薄く残っていて]
… 俺には、アイツの手にあるみたいな、 剣ダコはねえし、 ついでに指もあいつほど反らない。
あいつほどスマートでもなきゃ、 体力もねえし枕が変わると寝れなかったり むっつりで胸のでかい女が好きだし
未だに寝ぼけてて 通勤中に度々自転車でコケる
(328) 2015/07/06(Mon) 19時頃
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[聞いて、視線を上げる。躊躇の間が空いた。]
もし、…
(329) 2015/07/06(Mon) 19時頃
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エフは、言いかけて、口を閉じた。
2015/07/06(Mon) 19時頃
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[もしも。どうしても。続けかけて、 ゆる、と首を横に振る。]
……いや。
自分で言うのは、やめとくわ。
[先に言葉を続けずに。ただ長く深く、息だけを吐いた*。]
(330) 2015/07/06(Mon) 19時頃
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― 回想:巫女の侍女 ―
[ナナオが巫女と仲良くしていた頃はちょうど 勉学や部活、進路と考えることが多い時期でもあり 侍女とも接触はなかった。 あったとしても、それは当然記憶に残る形ではない。
俺やナナオから見れば自然に笑っていた巫女も侍女には 珍しいものとして映っていたこと(>>218)も当然知らず。
――彼女と初めて会った時のことは今でも覚えている。]
(331) 2015/07/06(Mon) 21時半頃
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[初対面の侍女に簡単に挨拶を済ませ、 連絡事項の確認を2、3済ませたところで まさかの 「似てない」 (>>219)]
………? 、 はぁ??
[珍しく素っ頓狂な声をあげてしまった。 そもそも誰と比べているのかも謎すぎて。
ナナオのことを知ってると聞けば、ああ、と 合点がいく部分もあったのだが。
そんな縁で、リッサとの接点は増えた。]
(332) 2015/07/06(Mon) 21時半頃
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[ナナオが尋ねる、巫女の様子。 いずれも返事は「お変わりない」だったけど 暫くは俺も言葉をそのまま受け取った。
侍女が言う。 ――俺が居れば 巫女も、皆も、安心だと。]
……だといいが。
[いつからか、俺の返事は歯切れが悪くなった。 この頃にはもう、迷い始めていたんだと思う。
旅先で 微笑む巫女の、笑わぬ顔に**]
(333) 2015/07/06(Mon) 21時半頃
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キルロイは、アマルテアに話の続きを促した。
2015/07/06(Mon) 21時半頃
キルロイは、アマルテアに話の続きを促した。
2015/07/06(Mon) 21時半頃
キルロイは、アマルテアに話の続きを促した。
2015/07/06(Mon) 21時半頃
|
― to エフ 試験後・面談 ―>>320〜
ごめん。
[罪悪感がない、とは思ってはいない。 いないけど。 やっぱり先に口が出るのが性格だった。
足の痛みは遅れてきたけど、 たいしたもんじゃない。]
(334) 2015/07/06(Mon) 22時頃
|
|
…でも私は、あんたほど 強くないから。
そこまで前向けもしないし、 ぐずぐず燻った部分もまだある。
[視線はエフの方を見れず、斜め下に落ちたまま。 首の後に手を差し入れて、髪を指の隙間を通して流す。]
(335) 2015/07/06(Mon) 22時頃
|
|
……
[>>326 その手が止まる。 重ねられて酷い思いをするのは―――]
――― エフ。
[落ちていた視線が、ようやく少しだけ上がる。 前髪の隙間から覗くかたちだけど。]
(336) 2015/07/06(Mon) 22時頃
|
|
さっきの言葉は、あんたに対して 言ったわよ。 …、って…なに、してん――
[>>327突然、袖を捲る姿に視線を向ける。 >>328更に見えた傷に、眉が寄る。]
ドジね。
…、…そういう不注意が 大きな事故に繋がったら、とか 考えなさいよ。
(337) 2015/07/06(Mon) 22時頃
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…、ん?
[何か言い掛けて止めるエフの顔を怪訝な面持ちで見る。]
――、あのさ。
[一度、瞼を落として。 顎を引き息を吐いて、それから覚悟したみたいに口を開く。
ちらりと視線だけ上を見上げるかたちで、腕は身体の後に組み、身体はやや前屈みで胸元を強調させる。わざと。]
(338) 2015/07/06(Mon) 22時頃
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…さっき言ってた 傍にいる時間、 とりあえず、明日あげてもいいわよー?
さすがに遠出は無理だけど、 どっかエスコートしてみせてよ。
[遠回しに、この面談は合格だと伝えて。]
(339) 2015/07/06(Mon) 22時頃
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アマルテアは、くるりとそこで背を向けてから
2015/07/06(Mon) 22時頃
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―――…、 正直 さ、
私は、あんたと一緒にいて…どんな顔すんのか あんま、想像できないのよね。**
(340) 2015/07/06(Mon) 22時頃
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― with ナナオ ・祭の二日前 ―
[里は祭の準備で賑わって、巫女の仕事も盛りだくさんで、 その合間に衣装合わせとか、スケジュール調整だとか、 本当に色々忙しくて頭がパンクしかていたけれど。
どうしても、彼女と時間が合うこの数時間だけは、と。 これでもかと我儘と貫き通した。]
ナナオ!!
[学校に通っていた頃は毎日といっていいほど会ってたのに、卒業してからというもの数か月に一度会えればいいくらいにまで頻度は落ちていた。それが、当たり前になっていくのだと解ってはいても、寂しい気持ちは消えなかった。]
(341) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
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|
[髪の色が似ているね。そんな理由で会話がとんとん拍子に進んで、話が合って。気付けば何でも話せる相手になっていた。]
ううう〜〜〜〜 あいたかったぁぁ〜〜
[ぎゅうぎゅうとナナオに飛びつくように抱きついた。]
……っっ〜〜 ぷは! なに、ナナオちょっと成長したんじゃない?
[にやぁ、と顔を上げ悪戯に笑う顔は昔から変わらない友達に向けるもの。 待ち合わせは、昔からよく言っていたパンケーキのお店。 オープンのチラシを見て、二人ではしゃいで、開店前から何時間も待ったものだ。]
(342) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
…… 、ナナオにはさー たくさん 何でも話してきたよね。
家族の事とか、彼氏の事とか… だいぶどろどろした話とか生々し事も話たよね。
[パンケーキを待つ間、氷の入った水をカラカラと回しながらちびちびと飲む。]
(343) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
で、さ。
(344) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
……、私 なんで長続きできないんだろ。
お母様は、お父様と恋愛結婚して、 それからずっと――、だったのに。
[はー、と溜息を吐いてから]
あれかなー 男運ないのかな……マジで。 [真顔のまま、そう呟く。]
(345) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
だから、…今度の祭で、ちゃんと 見定めて相手を決められるのか、
ぶっちゃけ自信ない。
自分が、イイじゃんって思った相手が 本当に、…そうなのか、って、思えないんだ。
[グラスに水滴が取り囲んで、それを持つ手も水に濡れる。]
(346) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
今頃泣き言いうなって 話だし、… 逃げたりするつもりもなくて、 覚悟は、してるつもり、なんだけど。
やっぱ、そうだとしてもさー 親友に、頑張ってって…言ってほしいじゃん?
[へへ、と眉を下げて弱い笑みを向ける。 すこしだけ引きつったへたくそな笑顔。**]
(347) 2015/07/06(Mon) 22時半頃
|
|
― 回想:試験後・面談 ―>>334
いや。
[謝罪にゆる、と首を振る。]
……思ったこと言われてる方がいい。
[ちらと足を見てから、視線はまた戻り]
(348) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
───。
[上げた視線は目とは合わない。 前髪下、俯いた目を見る。 指がすると髪を梳いていく。]
…ん。
[腕を捲って見せたあたりで名前を呼ばれて、 一瞬、なんのことか判断がつかず]
(349) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
…
[続く台詞に、──ああ。と少しだけ、 ほっとしたように息を吐いて笑った。 知らず息を詰めていた強張りが緩む。]
なんべんもすっころんで、 上手いころび方は覚えた。
[腕の傷に目を落としながら、]
……そう簡単には死なねえ。
[無念が残りすぎるしな。と、呟いて]
(350) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
[怪訝な顔に、いや。と首を傾けた。]
さっきの答えが、俺に向いてんなら。 …希望を捨てずにすみそうだって話。
[そう返して、また考えに落ちる様子を待つ。]
ん。
[あのさ。と、何か決めたような声に、 待つように目元へ視線を投げ、]
(351) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
……………
[なぜか前かがみになったしぐさに伴い、 自然強調される胸元に視線が一度下り、]
(352) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
………、
お前、なんか、今 理性をためそうと してねぇか 天然か?
8三秒はじっくり見てから、眼鏡の両テンプルを抑える恰好で視線を逸らした。]
(353) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
お前、お前な。…これで結構な 今冷静になるとはずかしいんだぞ これでも。ちくしょうが
[理性を呼び出したら、変なところまで冷静になってしまった。濁音で唸る。くそ、照れくさい。自分の頬をぐに。と引っ張っておく。]
… …
[はあ。と深々息を吐いて、顔の向きは逸らしたまま横目にアマルテアを見る。明日。と、その単語に視線を追う間に、くるり。と背が向けられて]
(354) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
エフは、アマルテアの背中へ視線を流し
2015/07/06(Mon) 23時頃
|
[続く台詞に、背に流れる髪を見る。 どんな表情をしているのかは見えなくて]
そうだな。… ──わかった。
[目を眇めても、見通せはせず、 ただ、わしわしと首を撫ぜやった。]
(355) 2015/07/06(Mon) 23時頃
|
|
そうだな。 …俺も。
[そっと息を吐く。手を緩く握って開く。]
お前がどんな顔するんだか、 知りたいと、思うしな
[だから。と、その"明日"の通知を、 大事に、*受けて*]
(356) 2015/07/06(Mon) 23時頃
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|
― 祭前夜 ―
失礼します。
[重々しい扉の前には衛兵が二人。 その隙間から光が細く伸びて顔に光の筋を作る。]
…お母様。お呼びですか。
(357) 2015/07/06(Mon) 23時頃
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悪いわね。準備で疲れてるのに。
(@6) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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いえ、…平気です。
(358) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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ちょっと心配でね。 もう二十歳だっていうのに…。
やっぱり、―― 不安かしらと思って。
(@7) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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大丈夫…、とは言い切れないけど、 お母様みたいに相手を見つけられなかったのは
――、私のせいだから。
(359) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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ほんとは、…お母様達みたいに 素敵な恋をして、普通に結婚するんだって ずっとずっと 思っていたわ。
でも、――― …私は、違ったみたい。
ま、里にお金入るし、祭は嫌いじゃないけど。
自分の身体が、目玉、みたいなのが どうにも変な感じしかしないのが正直なとこ。
(360) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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アマルテア。 …、嫌だと思ったことは ないの?
(@8) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[主語のない言葉。 だけど、家族だからそこは伝わる何かで、]
ないわ。
(361) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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私、嫌な思いもたくさん経験したし、 迷ったり、自信ない事も多いけど、
―――この世界の巫女である事を嫌だと思った事はない。
(362) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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私は…お父様とお母様の子供で 大好きなお爺様とお婆様と一緒に暮らせている事が
その、普段は、面と向かって恥ずかしいから言わないけど、…
(363) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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アマルテアは、少し俯いてから、
2015/07/06(Mon) 23時半頃
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好きよ。
(364) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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良い家族だなって思うし、 私もそうなりたいと思う。
ただ、―――、そう思う相手と長続きしなかったのは ……私の責任だから。
(365) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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巫女としての『仕事』なのかもしれないけど、 私は、ちゃんと、…私なりに考えて、頑張るから。
だから安心してよ。
……も、もう寝るね! おやすみ! おかあさんっ!!
(366) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[ばたん、と慌てた様子で 部屋の扉を閉めて出ていく娘を見守る。
口許を覆うように手を添え、 ふ、と緩んだ口許を*隠した。*]
(@9) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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士官 ワレンチナがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(士官 ワレンチナは村を出ました)
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― 試験終了後/面談 ―
[画面ごしに伝えたのは、向き合いたいの一言だけ。 彼女が浮かべた見慣れない表情は今も鮮明。
普段、皆の前で浮かべる"笑顔"よりよほど――]
……疲れてないか?
[一番に口に出したのは、そんなことで。
試験の概要を見るに、相当数の候補者がいたはず。 自分もその一人なら、きっと負担の一つ。 自分が聞くことじゃないと思いつつ、つい口に出た。
仕事のつもりではないけれど――習慣にも似ている。]
(367) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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そういえば、ナナオが喜んでたよ。 久々に会えた、と。
――ふっ、はしゃいでた。
[おはしゃぎの妹を思い出して、ふいにもれる笑み。 当時毎日のように聞かされたこの友の話を思い出す。
「笑っていたよ」、と教えてくれたのは胸の内。 まだ笑えるんだと、そう 思った。]
(368) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[己と巫女の今の試験に関しては 妹を使うつもりは毛頭ないから、ここまで。]
――アマルテア。
ゆっくり話す時間は ないか。 何というか、本当に試験みたいで肩が凝る。
[試験であるのはわかっていても 何の試験であるかを思えば微妙でしかない。]
そういうの抜きで、話がしたい。
[じ、と答えを待つように巫女を見つめた**]
(369) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[幼年期の終わり。 少年は中学へ進まずに、 神殿の厨房の門戸を叩いた]
[月日は、流れる]
(370) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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―― 第二試験会場 ――
[今はまだ何も映さないモニターの前。 ひとりの青年が立っている。 細くはないが、骨子のある成年の体つき。 柔らかそうな頬と下がり眉が幼年期の名残。
目を閉じる。 早鐘の心音が聞こえる。 静かに呼吸をする]
[ふ、っと灯りを感じて、瞼を上げた]
(371) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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アマルテア、こんにちわ。
ラルフ・グリーンです。
…
僕のこと、知ってる?
[既知の相手へそう問いかけて微かに笑う。 密やかに、細く。呼吸をして]
(372) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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僕はずっと君のこと好きだったけど。 あんまり知らないんだ。
[そう言った相手の目を見る。 こんな風に正面に立ったのはいつ以来]
だから、
そこまで行こうと思って。 ここにいます。
[伸ばした指先が、とん、とモニターに触れた*]
(373) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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―side:ラルフ 回想―
[かつての幼年期の思い出とは違える。 今に至る思い出は破片ばかり]
(374) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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いってらっしゃい。
[花の咲く春先。 使用人の列に混じって彼女たちの巡礼を見送った。 風が舞い散らす花の影がいつまでも見送る少年の視界を遮る]
(375) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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おかえり。
[言ってふやりと笑うのは神殿の廊下や庭先でのこと。 彼女の帰りを見かければ、ひととき仕事の手を止め、 ふやりと笑って声をかけた]
(376) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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今日は何かいいことあった?
[時折、隙間の時間をリッサが寄せ集めた。 かけっこをすることはもう無かったけれど。 三人で神殿の庭の片隅に腰を下ろす。 時間は平坦で穏やか。 他愛無い話に笑って、ほんのひといきつけばまた仕事に戻る]
(377) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[職場は厳しい。 朝から晩まで小突き回されているうちに、 いつの間にか背丈は伸びた。 作れる料理もずっと増えた。
その頃の少年の料理はあまくてたくさん。 自信作のパンケーキタワーをリッサは喜んだけれど 料理長は一口しか味を見ない]
(378) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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――。
[声が出せないのは、城下町で見かけたとき。 笑みの零れた彼女を見かけて、声をかけようとした。 次いで視界に入るのは連れの青年。 寄り添う姿を見て路地へひっこんだ]
(379) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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喜んでくれるといいね。
[その年はたまたまバレンタインの巫女係だった。 いつもは男の戦場のような厨房も、 つまみ食いの頃から出入りする彼女には甘い。
聞き出した彼氏の好みに合わせたほろ苦いザッハトルテ。 同じものを作りながら教えたから、味は上々なのを知っている。 ご機嫌に去る背を見送り、ひとりで片付けをした]
(380) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[雨音が連れて来た訃報を知らない。 夜番でいた厨房で、雨音を聞いていた。 湯を沸かしに来たリッサの手元が危なっかしかったので、 温かい紅茶を煎れて持たせた。 雨の日は体が冷える]
(381) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[十七の頃、祖父が引退をした。 候補に名は挙がったけれど。 祖父の皿を継ぐことはできなかった。 前を向いたまま、拳を握る。
それからは、習い小僧の時のように。 誰よりも早く来て誰よりも遅く帰った]
(382) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[家に帰ると祖父が寝ていることが度々。 進学しなかった日から祖父と続けていた勉強。 祖父の寝息を聞きながらひとりでする時間が増えていく。
そのうちに、本当にひとりになった]
(383) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[例えば部屋の隅の埃だとか。 例えばくすんで行くテーブルだとか。
気づけばなくなっている甕の水。 干さなければ布団は日向の匂いがしないこと。
分担していたはずの家事は、 ひとりになって重労働だったと判る。 青年の体から脂肪が削げる。 体つきが変わると味覚が変わった。
祖父の一周忌が過ぎようとする頃。 味見をした料理長が頷いて、 僕はようやくひと皿を手に入れた]
(384) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[日々の隙間。 時折みかけるアマルテアの顔。 少しずつ固くなっていくような様を見守る。
巫女の仕事を思い描いてみたが、 手の中から零れて行く砂のようなかたちのなさ。
それなら、 一発芸でもして元気づけようかと微かな勇気も、 8割りがた白けてしまうであろう空気に踏み出せない]
(385) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[手の中で、かたちのあるものは料理だった]
(386) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[料理は声をもたない。 差出人の名前もない。
長い巡礼から帰る日は、土地のものを。 疲れている様子が見えれば塩気を足す。 季節に合わせて、彩りは鮮やかに。 体躯と体調に合わせて量は少なめに。
日々、送るもの。 料理は祈りに似ているが、 皿の上に残るか残らないか 返事があるだけきっと――幸いなのだ]
(387) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[祝祭の通知が届いたあの日。
静かに手紙の上に手を置いた。 いくつか自問を声にせずに繰り返す。 どれもはっきりとした答えはでなかった。
自問の引き出しが空になるころ。 ひとつだけ残ったものは
好き。
だった]
(388) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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[いくつもの試験を越えて今に至る] [ ――面接試験の日、僕は扉をノックした**]
(389) 2015/07/06(Mon) 23時半頃
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― to エフ・試験後面談 ―>>348〜
……、まずは転ばない方法を考えて。
[簡単には――、とか、無念が――と、聞こえる言葉には、やや不機嫌なオーラを隠さない。]
(390) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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[それから、好きだという場所を強調してみたら面白い反応が返ってきて、]
んー? 試してるに 決まってるじゃない。 小さい方じゃないのは自覚してるし。
[数秒止まった視線の先。体勢を戻せば、頬に触れるエフの様子が見える。]
(391) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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私は結構心の赴くままにしてるってのに、 そっちだけ理性で隠してるってのも癪だから。
[まあ、これで襲ってきたら股間蹴り上げて踏み潰していたかもしれない、とは言わなかったけど。実際にそうしてたもわからないし。
背を向けて言葉を交わして、それで、そのまま。後は、明日の約束。 雨音みたいに聞こえていた水の音が聞こえてなかったのに気付いたのは、エフが去った時のこと。]
(392) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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― to キルロイ 試験後・面談 ―>>367
疲れてるわよ。思いっきり。 てか、キルロイは…私の心配ばかりね。
――、…ま。全部の試験合格おめでとう。
[広い広間の中心。最後の試験を通過したとはいえ人数はかなりいる。 速攻で帰れ!した奴もいたけれど、会話を重ねる相手も多かった。 それが短かったり、長かったり。それも全部決めるのは巫女。]
(393) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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……そんなの知ってるわ。
[ナナオの事は、兄のキルロイに負けず劣らず理解があると変なライバル心を出す。]
ナナオに私の話、どこまで聞いてたり…、いや、 今それを聞いたら多分、時間がないか…。
[ふと、自分の立場となって、向き合うと言ってくれたキルロイに対して失礼かと思えば、言葉を一度切って、]
(394) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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――、 … 今じゃ ダメってことよね。
[それから、じ、と少し長めにキルロイを見据える。 思い出すのは――旅先の夜、交わした僅かな会話と、普段の無口で真面目な姿。 頤下に手を添えて、気付けば睨むような顔。]
…んー
[顔のパーツはどこかナナオと似てて、似ていない。とか思考が一瞬逸れたりするが、]
んん〜〜〜〜
(395) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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わかった。 …うん、わかった。
[うんうん、と頷く。] [顔のパーツがいくつか好みだった。決して口には出さないけれど。 顔で男を選ぶ時代は終わったけれど、少しくらいは好みを反映させてもいいじゃないと思うのは、もうどうしようもない自分の性格なのかもしれない。]
いいわよ。 そうね、『仕事』抜きで…話をしましょ。
(396) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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何でも聞いてよ。 ――…、ちゃんと 答えるし、
私も…話したい事があったから。
また、*明日。*
(397) 2015/07/07(Tue) 00時頃
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