人狼議事


197 獣ノ國

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 営利政府 トレイル

 ふぅん。

[彼の告白>>2:398を受けた第一声の言葉。
なんとなくに察していたことは強ち間違えでもなくて、特に驚く素振りも見せずにただただその言葉だけ。]

 …言ったはずだ。
 俺は友人が獣人でも気にしない、と。
 だから俺は君がその"獣"だろうと、なんだろうと気にはしない。

 謝られる筋合いも俺にはない。
 むしろ言ってくれて礼を言う。ありがとう。

[余程辛い思いをしていたのだろう。この場で言ってくれたこと、そして自分に言ってくれた事に礼を言う。裾から覗く尾鰭の様な物を目にすれば、日常の生活に現れた非日常の現実を突きつけられる。
でもそこに恐怖などは感じなくて―…]

(13) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[彼がこの手を掴んだのなら碧の世界から抜け出す為に後は思い切り引き上げるだけ。掴んだ掌に力を込めれば、静かに彼と会話をするのでした。]

 人間かどうかは最終的には君が決めること。
 俺が決めることじゃない。
 …前兆はあったにせよ、突然こうなってしまっては誰もが驚く。
 だから今の君の反応は変じゃない。
 
 気にするな、と言う言葉はとても無責任な言葉かもしれない。
 俺が君の立場だったら同じような反応を示すかもしれない。
 …でも残念ながらそれを共有出来ないのは事実であり、むしろ俺は逆に君が少し羨ましいな。

(14) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

 だって君は御伽噺の主人公に選ばれたんだから。

 君は選ばれて、俺は選ばれなかった。
 それだけのこと。名誉なことだと思う。
 神様は試練を乗り越えられない人には試練は与えないのだから。
 そう考えたら少しは楽にならないかい?

 君に今すぐに現実を受け止めろと言うのは酷な話だ。
 何者なのかもわからずに不安なのは俺にもわかる。
 だけどこれだけは君にはっきりと告げることが出来る。

 ティソ…

(15) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

 俺の目に写っている君は間違えなく人間だ。

[彼の瞳に己の姿は写っているのだろうか。
交わす視線を外すこともなく、彼の姿を捉えていた。
鳩時計の秒針と外から漏れる雨音。そして自らの声が静寂の店内に音を作り出す。]

(16) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[ここまで一気に言葉を羅列する自分が珍しくて、喉に痛みを感じると咳払いを交えて湯気の消えた花茶を口にする。]

 …少しお喋りが過ぎたようだ。
 慣れないことをするもんじゃないな。

[皺だらけの煙草の箱を彼に見せて罰の悪そうな表情を作り、「こいつのせいだ」と悪態を付くも「でも辞められない」と付け足して火をつけようとする。もし止められれば吸わずに箱にしまうこともするとは思うが。]

(17) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

 大丈夫。君は絶対溺れない。

 もっと自信を持てばいい。
 碧色の世界は君のだけの世界だ。
 そこを自由に泳ぐことが出来るのは―…

 紛れもなく君しかいないのだから。

[彼の瞳に写る自分はどう見えているのか。胡散臭い言葉を並べていることは自覚をしている。しっかりと握られた手を引き上げることは出来たのか不安だったが、くしゃりと少し乱暴に彼の頭を撫でると友人が持ってきた手土産>>2:133を思い出し一緒に食べることを提案する。
箱を開ければその量の多さに呆れて小言を言ったかもしれないが、時間を許す限りは彼の話に耳を傾けて、家が近くであれば途中まで一緒に帰ったかもしれない**]

(18) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

― 自室 ―

[真っ暗な部屋へと帰宅し、足元を探る様に歩を進めてそのままベッドに横になる。ポケットから携帯を取り出して数時間振りの携帯画面にはメール受信>>2:90を告げる画面が表示されていた。

暗闇の中に照らされるのは携帯の灯のみ。
重たい瞼を堪えながらメールの中身を確認しようと親指をスライドさせたところで――…
         視界は暗闇に遮られた**]

(22) 2014/10/07(Tue) 03時頃

営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 03時頃


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 03時頃


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 03時頃


[走る汽車の窓から外をぼんやりと眺めていれば、景色の向こうに見えたのは見慣れた大きな科学塔。
朝陽を浴びて遠くに見えるそれは、とても、とてもゆっくりと窓の外を走り行く。
――あの國で過ごしたのは、果たしてどのくらいの間だっただろう。故郷と呼ぶには短く、旅と呼ぶには長いその年月。徐々に遠くなるその塔の影を追ってしまうのは、やはりそれだけの年月を其処で過ごしたのだと、言うことなのだろうか。]

………ん、

[そうしてふ、と。震えるポケットに気付き。其れを開いて見たのなら、そこには二通のメールの通知。何方も、差出人はあの歳の近い友人だ。
先に来ていた一通は、昨日の昼の"デート"を揶揄る一言と、"今日"より先の晩酌の誘い。
応える事の叶わぬそれには、小さく、小さく苦笑を漏らす。
最後に付け加えられた一文には、呆れたように肩を竦めはしたけれど。]



……フン。自分の方こそ、十分にお楽しみだったじゃあないか。

[大学で見かけた時に、彼の隣に居た少女を思い浮かべ。"唯の生徒と先生"ならば、この言葉の限りでは無いのだろうけれど。
懐かしむように目を細め、呟いた言葉はあの國に残る友人には、決して届く事は無いだろう。
借りた本は、結局返さぬままに持って来てはしまったけれど。まぁ、あの友人の事だ。もしもこの先会うことがあったのなら――酒の一つと此方の話とで、きっと許しては貰えるだろう。
そうして最後の追伸に、ふ、と――嗚呼、何時だっただろう。まだ自分の歳が二十の前半だった頃、酔った勢いで悪戯に詐欺を装い、彼に電話をかけたりもしただろうか。]



…出来るなら、最後にまた一度お前と酒でも交わしながら…話でもしたかったんだが。

[二通目のメールに目を通しながら、ポツリと漏れたのはそんな一言。このメールを飛ばして来たと言うことは、恐らくはあの本は無事に持ち主の元へと届いたと思っていいのだろう。
此方から本を貸す時、或いは彼方から本を借りる時。返すと言うのを理由にして、数え切れない日々を共に朝まで語り明かしたかの友人。神話の生物の事を主に研究している男と、民俗学から神話や都市伝説まで幅広く精通している友人と。
大学に用事がある時は、その授業風景を時折覗きに行った事もある。そして彼の話す話は、男の興味を酷く惹きつける物だったから。
自分があの國で最も近しいと言える友人は、今頃何をしているのだろう。]



………、あぁ。

[メールへの返信は行わぬまま、携帯端末に登録されている全ての番号からの着信を、拒否に設定する。全てを置いてきた中で、この小さな機械だけは置いて来ることが出来なかったのは――それは果たして、あの國への未練故か。
そうして再び窓の外へと視線を移し。既に見えなくなってしまった科学塔に、知らずのうちに声が漏れる。
向かう先は、長年使っていない別荘へ。きっと埃に塗れて"仲間"の巣も沢山張られているだろう其処を思い浮かべ…男はひとつ、諦めたように息を吐いた。

ガタン、ゴトン。
揺れる汽車に運ばれて、《蜘蛛》は漸く國の外へと。]*


【人】 営利政府 トレイル

― 回想・花屋Lemo ―

[ふわり、と風が「Crows」とぶらがった扉から流れ込み、「ふたり」の時間に終わりを告げる。
初めてお目にかかるお客様>>33。でもそのお客様が用事があったのはこの店ではなかった。二人の様子から初対面な印象を受けたが、来店した時に"ティソ"と名を出して来たのは――…。

 不思議なことがあるもんだ。

ぽつりと呟いてはお客様の謝罪に静かに首を振って本日最後の注文に取り掛かった。]

 いいえ、今日の営業ももう終わりですから。
 …畏まりました。それでは少しお待ちいただけますか?

[言われた花々を厳選し、まだ完全には開花をしていない花を選んで和紙に似せたラッピング用紙に花を包む。その間に二人の会話はあったのか。]

 今はまだ蕾に近い状態ですけど、明日には開花しますので。

[様子を見ながら二人の間に八部咲きの花束を差し出し、そのままお客様に手渡した。「今後も是非ともご贔屓に。」そんな言葉を付け足して。*]

― 終了 ―

(53) 2014/10/07(Tue) 11時半頃

【人】 営利政府 トレイル

― 自室 ―

[携帯を左手に持ったまま眠りにしてしまった様で、窮屈な私服のまま目が覚めた。画面は友人からのメール>>2:90を開いたままの状態で、重たい瞼を擦っては内容を確認して活性化をしていない脳みそのまま返信を打つ。]

(55) 2014/10/07(Tue) 11時半頃

【人】 営利政府 トレイル

――――――――――――――
差出人:トレイル
宛先:ヤニク
――――――――――――――
おはよう
20xx年 10月2日
――――――――――――――

昨日はどうも。メールに気付かなかった。
帰ってきてから気づいたのだが、そのまま寝た寝てしまった。

あのケーキの量はなんだ。
あれを二人で食べようとでも思っていたのか?
お前は馬鹿か。
でも美味かった。ありがとう。

追伸:狩人は見つかったのか?
俺はいつでもお前を信じているが。

――――――――――――――

(58) 2014/10/07(Tue) 11時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[誤字脱字は未だ寝ぼけている証拠。
そのことにも気づかずにさっと文章を作っては確認もせずに送信ボタンを押して電波を飛ばす。送信完了が確認出来れば眠気覚ましに風呂にでも入ろうか。入った後は店に向かって月に一回のお客様への連絡をして準備に入る。返事が帰ってくれば直ぐにでも配達が出来る様に。]

(59) 2014/10/07(Tue) 11時半頃

【人】 営利政府 トレイル

――――――――――――――
差出人:トレイル
宛先:錠さん
――――――――――――――
おはようございます
20xx年 10月2日
――――――――――――――

昨日の雨は大丈夫でしたか?

こちらの準備は整ってますので、時間が合えばいつでも伺えます。**

――――――――――――――

(61) 2014/10/07(Tue) 11時半頃

営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 11時半頃


[――ゴトン。
乾いた音と共に、床へと置いたトランクの周りで大きく埃の渦が舞う。
其れが肺に入るのを嫌うように――そもそも服に埃が付くことがそもそも我慢ならない事ではあったのだが――男は大きく眉を顰め、荒れるに任せるその別荘を見回した。
埃の絨毯はそれはそれは高く積み重なり、"仲間"の巣は至る所に張り巡らされている。必要最低限の家具はあるが、それでも暮らして行くには足りない。
――一先ず掃除は後回しにして、先に家具を揃えに行くか、と。この時間なら、無理を言えば夕方には届けて貰えるかもしれない――とそこで、ポケットの中で震えた端末に目を瞬かせる。]

………、待ち遠しいよ。

[家の外へと出ながら開いたメールに、漏れたのはそんな言葉。自分の声音に微かに滲んだ寂しさに苦笑しながらも、見慣れぬアドレスに僅かに目を見張り。
貰った名刺に書かれていたのは、"ジャニス"の名。そこに書かれたアドレスとは別のアドレスと…彼の名前に、男の顔には先とは別の笑みが浮かぶ。]


[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]

……――――。

[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]

……泣いていたな。

[去り際に彼が初めて見せた、その涙。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]


[彼の口からは、ついには"行くな"という一言は出はしなかった。男を困らせるような言葉は、一つたりとも出なかった。嗚呼、本当に――聡い子だ。もしも次に相見えたのなら、思い切り、我儘を言わせてやりたいものだ――あの時伝えられなかった言葉を、捧げながら。

そうしてふ、と手にした携帯端末に視線を落とす。
電話は拒否に設定したけれど、メールはそのままこの端末へと届く。そんな事を――相手からの一方通行だけを許すなんて、それは酷く未練がましい行為だとは…自覚はしているとも。
――嗚呼、だけれど。彼からのそのメールは慰みになどなりはしない。
更に募る恋しさに焦がれながらも、しかし今後ももしかしたら届くかもしれないそれを拒否する事なんて…どうしても、出来はしなかった。]*


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 15時半頃


【人】 営利政府 トレイル

― 花屋 Lomo ―

[送信と同時に受信>>68をしたメールにエラーで未送信になってしまったのかと、慌てて開封ボタンを押したが友人からの物だとわかると綴られた文字を斜め読みをして、返信ボタンをタップしようと親指を重ね合わせようとするが]

 赤ずきん…か。

[そのボタンは直ぐにはタップはされなかった。追伸に書かれた文字で自分の知りうる御伽噺のタイトルを呟いて、もう一度友人からのメールを読み返し、漸く返信のタップを押した。]

(135) 2014/10/07(Tue) 22時頃

【人】 営利政府 トレイル

――――――――――――――
差出人:トレイル
宛先:ヤニク
――――――――――――――
Re:おはよう寝坊助さん
20xx年 10月3日
――――――――――――――

あの量はさすがに一人では無理だったから、食べるのを手伝ってもらったけどな。

ケーキを貰ったばかりなのにそれはさすがに悪い。
別に俺が用意をしても構わないんだ。


追伸:赤ずきん。
お前がまるでその狼みたいな物言いだな。
――――――――――――――

["猫"だと思っていた友人は"狼"なのか。
その真相は解りかねるが、「どうせあいつのことだから」と気まぐれ猫を連想させたまま。]

(136) 2014/10/07(Tue) 22時頃

【人】 営利政府 トレイル

[掲示板に文字を打つ。
ここ最近でだいぶ慣れてきた掲示板と自分の携帯。
ここにいる人たちは面白い人たちばかりだと、思いながらも最新の書き込みについて眉間に皺を寄せれば獣人だと打ち明けてくれた彼を思い出すのだった。]

(137) 2014/10/07(Tue) 22時頃

【人】 営利政府 トレイル

――――――――――――――
差出人:トレイル
宛先:錠さん
――――――――――――――
Re:おはようございます
20xx年 10月3日
――――――――――――――

それは良かった。
嘘つきな少年にでも会ったんですか?


向日葵の追加、畏まりました。
用意しますので少し時間をください。
50分後には家に着く様に行きます。
――――――――――――――

[本日のお客様からのメール>>112を確認して店内に見渡す。そして店内の隅に咲いている残りも僅かになった向日葵を見やると、手短に返しては携帯を終い込んで追加である向日葵の花の準備を始めた。]

(138) 2014/10/07(Tue) 22時頃

【人】 営利政府 トレイル

― 錠宅 入口 ―

 すみません。

[いつの頃からか目の前の立派な家に向かって、声を掛けることも躊躇することはなくなった。月に一回の届け物もこれで何度目になるだろう。
毎月届ける純白の大山蓮華に、今日は小さな向日葵を持って家屋から人が出てくるのを待っただろう。使用人の人が来れば、会釈を返して案内されるがままに歩を進める。主が来たなら挨拶を交わして注文の物を確認して貰う。]

(139) 2014/10/07(Tue) 22時頃

トレイルは、ヤニクは未だに"気まぐれ猫"だと思っている。

2014/10/07(Tue) 22時頃


【人】 営利政府 トレイル

― 回想・花屋 ―

 …さんきゅ。
 その時が来たら俺は君に引き上げてもらうことにする。
 その自慢の尾鰭を使って華麗に泳ぐ君にな。

[掴まれた手に力を感じれば>>100>>101、目を細めて安堵の笑みを浮かべ、煙草を持つ手とは逆の手をちらりと見えた尾鰭に指を指して。]

 トレイルだ。改めて言う名前でもないけどな。
 だが"店員さん"って名前じゃない。

[なんて冗談めいて名前を名乗って、箱からケーキを取り分けると彼に先に選ばせる。自分は余ったケーキで良かったのだが、彼がこちらのケーキを強請れば「"お前"は欲張りだな」と友人に向かって言う言葉を彼にも言うのだった。
碧の世界で泳ぎ始めたばかりの彼の手。その手は彼が自由に泳げる様になるまでは支えようと心に決めて*]

(143) 2014/10/07(Tue) 22時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[姿を現したのは家主であった。>>145]

 こんにちは。
 いつもありがとうございます。

[定例のご挨拶だ。
案内をされるがままに花を持って、家主の後ろ姿に着いて行く。玄関>>142>>145までの会話は聞こえてはおらず尋ねられた質問に応対した。]

 最近ですか?普通ですね。
 店の方は新しいお客様が何名か見えてそれなりに。
 錠さんこそ最近どうなんですか?

[聞かれた事を何の気なしに聞き返して、案内された道に花の香りを置いて広い家を進んで行く。]

(151) 2014/10/07(Tue) 23時頃

営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 23時頃


―街中の喫茶店―

[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]

…珈琲を。豆は…

[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]


[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]

――……殴られた?

["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]

……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。

…帰りに氷を買っていくか。

[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]



………、美味いな。

[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。

嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。

――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。

そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 営利政府 トレイル

― 居間 ―

 店にあった最後の向日葵です。
 全部持ってきてしまいましたので、それで最後ですね。
 …あぁ、お代はそんなに取るつもりもないのでご安心を。

[出されたお茶>>154はやはり息を吹きかけて湯気を飛ばす。
ある程度まで熱を取ればこくりと喉に通し、渋みを持つお茶の味に堪能をしては茶菓子にも手を伸ばし]

 その時期は卒業式や入学式などがありますからね。
 花を届けに毎日何処かに駆け回ってますよ。
 疲れますけど、嬉しい悲鳴です。

 錠さんの本は面白いですから。
 俺は錠さんの話は好きですよ。
 でもセンター試験に出たら難しすぎてお手上げです。

[饅頭を持ったまま笑って両手を肩まで挙げる。
勉強はどちらかと言ったら苦手だ。興味のないことはからっきし。
灰皿を置かれたら饅頭を口の中に放り投げて懐かしむように少し昔の話を。]

(171) 2014/10/08(Wed) 00時頃

【人】 営利政府 トレイル

 煙草…いいですか?
 錠さんは相変わらずこれを?

[煙草の箱を見せれば、一本加えて火を付ける。
紫煙が上がれば息を吐き、白い煙を吐き出した。]

 この光景も恒例になりましたね。
 煙草の話をされた時は驚きましたけど。
 ほら、最近嫌煙家が多いので。

[燃えた灰は人差し指で軽く叩いて灰皿に落とす]

(172) 2014/10/08(Wed) 00時頃

トレイルは、錠の家にいる獣にまだ気づいていない。

2014/10/08(Wed) 00時頃


トレイルは、錠の煙草にも火をつけた

2014/10/08(Wed) 00時頃


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 00時頃


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 00時頃


[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]

…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。

あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。

[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]

…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。

[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]


[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]

…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。

[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。

初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。

…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*


【人】 営利政府 トレイル

 5年くらい…ですかね。
 今のとこの世話になって。

[実家はこの國よりも離れた國。
両親は幼い頃に亡くなって、高校生くらいから俺は荒れ始めた。
悪友に誘われて煙草も吸う様になったし、高校を卒業してからは働きもせずにふらふらしては警察に世話になることも。幼い頃のことはあまり覚えていない。唯一覚えていることは寝かしつける為に読んでくれた御伽噺の話くらいだ。]

 ミナカタさん、怖いんですから。
 でも有り難く受け取ります。
 ありがとうございます。

[少し多めに貰った代金を受け取り頭を下げる。
花屋で働き始めたのは店主に出会ってからだった。荒れてた自分を拾ってくれては息子の様に可愛がってくれる店主に今では頭が上がらない。]

(186) 2014/10/08(Wed) 01時頃

【人】 営利政府 トレイル

[大学に行けば面白い話や体験などたくさん味わえるのだろうが、今更行くつもりもなくて。差出した火が煙草に移ればライターは煙草の箱の上に。]

 こちらこそ。
 "こいつ"があったからこそ錠さんとこうして話も出来るわけです。
 …けど15って、錠さんは悪い少年だったんですね。

[こちらが少し若いことを良い事にそう言って。
でもしっかりと自分も辞められないことも告げて、動物の尻尾らしき物を視線の端に捉えたのだった>>174]

 そういえば最近、"獣人"なんて噂がありますね。
 俺はそうゆうのは疎いんで何の話なのかよくはわからないのですが。

[その尻尾は生き物の様に揺れていただろうか。吸いかけの煙草を共有してる灰皿に置いて、チリチリと燃える煙草を尻目に渋みのあるお茶に手を掛けて]

(187) 2014/10/08(Wed) 01時頃

【人】 営利政府 トレイル

 錠さん、犬なんて飼い始めたんですか?

[押入れから覗く尻尾をちらりと見てはお茶を飲み干した。]

(188) 2014/10/08(Wed) 01時頃

営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 01時半頃


【人】 営利政府 トレイル

 "出ておいて"

[声に誘われて>>190姿を見せたのは先日、店に来た人だっただろうか。押入れから覗かせていた尻尾に耳は"獣人"と呼ばれる人種に近しい姿。彼女の全身を眺めては驚きの声もあげずに]

 先日はご来店ありがとうございます。
 まさかここで会えるとは思いませんでした。
 ご注文の向日葵はあなたので?

[くすりと笑みを零して、ゆらりと揺れる紫煙の越しに「もちろんです」と頷いた。それは姿が暴かれた獣人の行く末を掲示板で知っていたから。]

(197) 2014/10/08(Wed) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[次いで語られる物語>>192に耳を傾け、最後の言葉に苦笑い。]

 錠さんの話は何を聞いても面白い。
 こんな俺でもわかりやすくて、すぐに頭に入ってきます。

 …残念ながら俺はただの人です。
 御伽噺を渡り歩くただの人。
 
 主人公は獣人である君。
 錠さんはその獣人と結ばれる登場人物。
 そして"今日も"一つの御伽噺に出くわしているのはこの俺です。

[その言葉はまるで別の獣人に会ったとでも言わんばかりで。]

(198) 2014/10/08(Wed) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

[主に放っておかれた煙草はただ燃えるだけ。
長く伸びた灰はこちらが手を加えることなく、ぽたりと落ちては紫煙の柱もか細くなった。]
 

 さてと、俺はそろそろ失礼しますね。
 錠さんの話は面白かったですよ。
 また来月に伺いますので。

[煙草の火種を消しては居間を後にして玄関へ。
靴を履いて振り返れば半獣の話を思い出す様に口を開き]

 もし半獣に出会ったら―…
 食い殺されないように頑張ります。

[獣人に半獣。
最近のこの國は面白いことばかりが起きて、不思議と楽しんでいる自分がいることに気づかされる。挨拶もそこそこに玄関の扉に手を掛けると「お幸せに」と冷やかしの言葉を投げかけ姿を消した。

携帯には友人からのメール>>159を告げる画面が持ち主をずっと呼んでいる**]

(199) 2014/10/08(Wed) 02時半頃

【人】 営利政府 トレイル

――――――――――――――
差出人:トレイル
宛先:ヤニク
――――――――――――――
Re:Re:Reおはよう寝坊助さん
20xx年 10月3日
――――――――――――――

よくわかったな。
お前の言う通りだ。
あの時は悪かったな。空気を読んでくれて助かった。

お前はそんなに甘い物を食べていたのか?
アップルパイか。わかった。何処かで見つけて買っておく。

追伸:お前が俺を誘い込むのなら。

――――――――――――――

(200) 2014/10/08(Wed) 03時頃

【人】 営利政府 トレイル

[客人の家を出た所で携帯を片手に友人のからメールを返信。

これだけ頻度よく友人とやり取りをすることも今まではなくて、送られてきた追伸文の意味を考えては、打たれた文字は何度も消されて最終的にたどり着いた短い文章を送ることになった。

そして無責任に投げ出した文章を放置したままの掲示板へと画面を切り替え、やりとりを読んでいく。]

(201) 2014/10/08(Wed) 03時頃

【人】 営利政府 トレイル

[ある書き込みで手が止まる。
それは自分の書き込みにレスを返した一人の相手。

先程届いた友人からのメールと返事を返した人物の内容を見比べ、手馴れた手付きでその相手のみに返信を返して、掲示板を見るようになった日からの書き込みを追っていった**]

(203) 2014/10/08(Wed) 03時頃

営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 03時頃


メモを貼った。


―自宅―

[郊外にある自宅に戻り、まず行った事。それはスーツの上着を脱ぎ、袖を捲り上げる事だった。
箒に雑巾にモップに。一通り買い揃えて来た掃除器具を手に持ち、気が遠くなる惨状から目を逸らさずに掃除を始める。
人を雇う、という選択肢は最初から男の中には無い。自宅に人を入れる事を、男はあまり好んで居なかった。
うず高く積まれた埃を払い、床を磨き。日が傾く頃には漸く、全ての部屋を掃除し終えただろうか。
そうして運ばれて来た家具を受け取り終えた時には、もう日はほとんど暮れかけてしまっていたけれど。]

………、歳かな。

[シャワーを浴び、身体に付いた埃を落とし。バスローブを羽織ったまま、ソファに身体を沈める。
そのまま数分、軽い微睡に身を任せてはいたけれど。新しく買ったヤカンの湯が沸いてきた音が聞こえたのなら、立ち上がり棚から珈琲の豆を取り出す。
昼間に行った喫茶店で買った豆だ。ミル等も、あの店で揃えさせて貰った。
未だ手に馴染まないそれでガリ、ガリリと豆を挽きながら、ふ、と。あの友人に借りた本の事が、頭に浮かんだ。]



……"外"に、誰か居たかな。

[異国の言語で綴られたその本を思い返し、男は豆へと湯を注ぎながら訝しむ。ここは最早、國の外なのだ。多少は読めはするものの、やはり訳が欲しくはあるもので。
――最悪、自分で訳すか。
興味のあるものに対しては、そんなものはさして苦にもならない。
男からの返信が来ぬ事を、きっとあの友人は訝しんでいる事だろうけれど――返信は、そこそこに豆だったものだし――今や、どうする事もなく。
まるで神隠しのように消えた自分を、彼は果たしてどう思うかと苦笑しながら、ソファに再び身を沈めながらこの地で初めて淹れた珈琲を味わう。]

――……む。

[――嗚呼、少しばかり温度が低かったらしい。新しい地で、新しい道具で。今迄通りとはいかないものということだろうか。
そうして溜息をひとつ。少々味気ないものになってしまったその液体に、男は小さく、肩を竦めた。]


営利政府 トレイルは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 22時頃


[日もすっかりと沈み、町の喧騒も遠く消えた頃。あのぬるい珈琲を渋々と楽しんだのなら、男は寝室へと向かう。
バスローブから着替え、部屋の小さな灯りを灯し。机の前の椅子に座り、ふう、と息を。
――本当なら、もう少し小さなベッドで良かったのだけれど。
近くに見える、大きなベッドに視線を移せば、小さく、小さく笑い。年甲斐も無く、彼が此処へと来るのを楽しみにしている自分に、少々呆れもするけれど。]

……明日か、明後日か…、来週…来月。

[もしかしたら十年、二十年後かもしれない、と。朝に届いたあの二通のメールをもう一度開きながら、そんな呟きをひとつ。
この文面を見る限り、そう遠くないうちに会えるのだと、ついつい期待はしてしまっているのは事実だけれど。
――嗚呼、一日千秋の思いとは、こう言う事を言うのか、と。浮かんだその考えに、男は部屋で一人、小さく吹き出した。]


……まさかこの歳で、そんな初々しい事を考えさせられるとはな。
俺に責任を取れと言うなら…取ってやるとも。
だが、君にも取って貰うぞ…ヨハン。

[画面に浮かんだその名を、慈しむように指でなぞり。呟いた"恨み言"は、彼には届きようも無いけれど。]


[――嗚呼、嗚呼。彼をもしも再び、この腕の中へと迎える事が出来たのならば。
そうしたら、今度こそ。嘘偽り無く、きっと離しはしないのに。
移ろう月のように、この気持ちは決して変わったりはしない。例え彼がここに来るのが十年の後だとしても、百年の後だとしても。
この生ある限りは、焦がれに焦がれながらも彼の姿を待ち続けてやろうと。]

――……我ながら、執念じみている。
だが、余りに来ないようなら…迎えに、行ってしまいそうで怖いよ。

[クツ、と一つ喉を鳴らし、キチリと響いた指からは細い糸がたらりと垂れて。
獲物が巣に掛かるのを待つではなく、待ちきれずに獲物を追い掛けて行くなどと、何とも《蜘蛛》らしくは無いとは思いつつも――それもまた悪くない、と。]

……綺麗な月だ。

[そんな想いを胸に密かに滲ませて、男は部屋の灯りを消す。
窓に見える仄かな月の姿にあの白を重ね、愛おしいあの姿を重ね。
"嗚呼今宵の月は何と美しいのだろう"、と。
――そんな事を、思いながら。]*


ー回想•昨晩、一時過ぎー


[気がついたら銀河鉄道に乗っていた。


(…気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座すわっていたのです。)



ベネットは窓の外を見た。ああほんとうにまるで銀河鉄道の夜みたいに、ジョバンニみたいに、青白く光る銀河の岸に、銀いろのすすきがもうまるでいちめんさらさら さらさらと波を立てていたので、ここは銀河鉄道だった。

銀河ステーションもカムパネルラも、黒曜石でできたりっぱな地図もないけれど、ここは銀河鉄道だった。


銀河鉄道だった。


銀河鉄道ーーー…?



[はた、とベネットはそこで思いとどまった。そうだ自分は、黒髪の少年と、銀色の少女とバイトの話をして、それから…………それから?

うんうんと思い出そうとしても、しろいもやがかかったようで思い出せない。目をつぶれば暗闇にちりばめられた緑や橙や青の光がじゃまをして、なんにもわからないのだった。

ああでも、容姿がほんとうに少女がカムパネルラで、少年がジョバンニのようだ。二人が来たから、もしかしたら二人の今生の幸いのために自分が代わりに連れ去られてしまつたのかもしれない。
なんて、馬鹿馬鹿しいけれど。

不思議と逃げ出したいとは思わなかった。ただただ、放置して来てしまった二人のことが心配だった。困惑しているだろう。嗚呼ヤニクとの約束も、こちらが破ってしまった。性格がよろしいとは言えない彼だから、怒っているかもしれない。本をどれでもひとつもっていっていいから赦してくれないだろうか。伝える機会もないけれど。


メモを貼った。


汽車のなかに自分はひとりだ。

カムパネルラが姿を現さなければ、ジョバンニはずっと、ずうっと、白鳥の停車場にも、プリオシン海岸にもいけず、北十字も見られず、鳥を捕る人にも会えずにくらい銀河のなかを走り続けてゆかねばならないのかもしれなかった。]


ひとは誰もが、自分だけのカムパネルラを探している


[そう喩えたのは誰だっただろう。自分の暗闇を照らす唯一の光を、照らして手を伸ばしてくれる誰かを探している。

そのカムパネルラが、どこまでもゆこうと言った途端に消えてしまうのだ。銀河鉄道は、そうゆうことを表しているのであり、カムパネルラもまた、人間だったのだ。

賢治のカムパネルラは妹のトシだった。


カムパネルラーーー信仰を一つにするたったひとりのみちづれが消えてしまうそのことに、何度胸を打たれただろう。

黄玉(トパーズ)や青宝玉(サファイア)を散りばめたような賢治の世界が、窓の外に広がっている。



孤独の散乱する、綺麗な空だった。


けれども自分には、カムパネルラはいないのだ。
いつだって、いまだって。



このまま何処へゆくんだろう。


大声で泣いた。少しだけ笑った。

このまま何処かへゆくんだろう。



ことんことんと、振動音だけが響いていく。]


[月の光の差し込める薄闇の中、ぼんやりと月を眺めてどれ程の時間が経っただろう。
傍に置いた懐中時計の針を見たのなら、思いの外時間が過ぎていて――"とんだ時間泥棒だ"、と月に喩えたかの人へと捧げる恨み言を胸に。
そうして漸く、その月から目を離したのであれば。図ったように、携帯端末が音を立てて震えはしただろうか。]

……、土産か。
それは嬉しい。どんな時計を…贈ってくれる?

[そろそろ見慣れたその名とアドレスに、知らずのうちに顔を綻ばせ。返信の代わりにぽつりと言葉を零しながら、眉を寄せて目を伏せる。
――嗚呼、折角。今宵の月が、恋しさをほんの僅かにだけ慰めてくれたと言うのに。
このタイミングで送って来るとは…これじゃあ本当に、ひと時たりとも彼を浮かべぬ事など出来ないじゃあないか。]



………、あの時は、太陽が昇らなければ良いと思ったものだが。

[あの夢の一夜へと、想いを馳せて。あの時話したささやかな趣味の話を、彼が覚えてくれていた事に歓びを。
彼のくれるという時計は、果たして如何なるものなのだろう。年甲斐も無く踊る心を宥める気など、今はとてもありはしなくて。
全て置いて来たあの時計達も、また集め直さねばなるまい。そしてその最初の一つが…彼からの土産であるのなら。
それは何と、幸せな事だろう。]

……今は、太陽が昇るのが…何よりも、待ち遠しいよ。

[呟いた声に、最早皮肉も余裕もありはしない。只々その身を焦がす恋しさだけを滲ませて、最後にひとつ呟いた名は、月明かりの中へと溶けて行きはしただろうか。]*


情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


← ↓ ■ □

フィルタ

注目:トレイル 解除する

生存者
(10人 90促)

トレイル
7回 注目

種別

通常
内緒
仲間
死者
客席
背景

一括

全示
全断
反転

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】
(0.132 CPUs)
SWBBS V2.00 Beta 8 あず/asbntby
あっぱれ、うっかりアイコン by 小由流
人狼議事キャラセット by りりんら
管理 sol・laななころび