人狼議事


197 獣ノ國

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【人】 愛人 スージー

(耳は隠せってっ、バレたら大変でしょうが!私は貴方のそばにいたいのに!]

[玄関に迎えに行った主を見送った後もアワアワと、辺りを見回して。
咄嗟に目に着いたのは、物置の襖。隙間は無いかもしれないと思いながらも開けば、自分一人くらいは入れそうな隙間に体を入れて、襖をしめる。慌てすぎて尻尾の毛が物置の外にでてしまっているのは気づけずに。
ドキドキと高鳴る鼓動を抑えようとしながら近づいてくる声には気づかれないようにとそっと息を潜めて]

(152) 2014/10/07(Tue) 23時頃

―街中の喫茶店―

[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]

…珈琲を。豆は…

[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]


[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]

――……殴られた?

["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]

……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。

…帰りに氷を買っていくか。

[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]



………、美味いな。

[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。

嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。

――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。

そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 愛人 スージー

『結構肝っ玉据わってる感じがするし』
『今のままで充分、君は若くて綺麗だよ』
『中紙の硬いやつもあるから、指や爪が傷んではと』
『スッチーさんとか好きだぞ、わりと』

[襖の薄暗闇の中に入り込めば、今迄もらった言葉がくるくると頭の中や胸のうちを回り出す。直近の言葉から、始めての授業で告げた自己紹介の一部まで。
ストーカーみたいだと自嘲しながら、けれど抱えた膝の上に頬を乗せて]

(貴方は、知らないだろうけど、いまになってわかったけれど。私、貴方に一目惚れしてたのよ、錠)

[死に絶えた乙女心がこんなところに見つかってくすぐったいような、嬉しいような気持ちに、小さく笑う。同時にぱたりと尻尾が一つ振られたか]

『半獣は時をどう経ていくんだろうな』

[思い出している中で一つの言葉が気にとまり、一つの問答を思い出す。
自分が質問し、掲示板の誰かが答えてくれたもの。
曰く、獣人は外に出られない。
それを聞いた瞬間の、視界が闇に覆われるかのような感覚は触れられるほどに生々しく。それでも一つの可能性を思いつき尋ねたのは、繋がった夜の夜半も過ぎた頃だったか]

(173) 2014/10/08(Wed) 00時頃

【人】 愛人 スージー

(もし、私が神隠しにあってしまったら...先生は、悲しむだろうか)

[携帯を確認しても、質問の答えは投稿されておらず、ひとまずは待機の状態なのだけれど]

(賭けに、もし勝率があるのなら、それがほんの少しでも...)

[必ず帰ると言う約束をして、賭けてみたいと、少しだけ決意を強く、心の中にとどめて]

(174) 2014/10/08(Wed) 00時頃

愛人 スージーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 00時頃


[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]

…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。

あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。

[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]

…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。

[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]


[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]

…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。

[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。

初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。

…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*


メモを貼った。


【人】 愛人 スージー

ー回想ー

『犬なんて飼い始めたんですか?』

[大好きな人の声を思い出す幸せな回想に尻尾が揺れて、けれどその言葉で凍りつく。話に聞き耳を立てるのも悪いとかそういうことではなく、ただとろとろと回想に耽りどんな話だったか、どんな声音だったかを探ることができずに、不安と混乱が広がって]

『出ておいで』

[どうしたらいいかわからずに心臓がばくばく鳴っているところでかけられた、穏やかな声。そう呼ばれるということは、大丈夫ということなのかもしれないけれど...]

(もしそれでだめだったら、先生が後ろ指刺されるかもしれないのに...)

[自分が悪く言われるのは当たり前だから良いのだけど、やはりとても優しい人が排斥されるのは、と考えているところで呼び声がもう一つ。これで出て行かなければ、きっともう呼ばれないと考えてしまって、そっと襖を開けて教授の後ろに隠れるように正座して。
自らの姿を見た青年は、驚きもせずに笑って声をかけてくれた]

貴方が、向日葵みたいだって言ってくれたのが、嬉しかったから
向日葵が、好きになったのよ?
髪飾りも素敵だったし

[緊張していて、まだ少しぎこちないかもしれないけど、そう微笑んで]

(231) 2014/10/08(Wed) 12時頃

【人】 愛人 スージー

『獣人に害を与えるようなことをしないというのも』

[教授のその言葉に、少し眉根を寄せる。それも確かにあるけれど、それよりもまず教授が大事なのに、と。

花屋を見送ったところで小さくホッとため息をついて、教授の背中に身を寄せ、額をくっつける]

仲間が傷つけられるのも怖いけど、私のせいで、先生の立場が危うくなることの方が、嫌なのよ

[聞こえるか聞こえないかの声量で小さく呟くように告げれば、すぐに離れて登校の準備をし始めようと。]**

(232) 2014/10/08(Wed) 12時頃

【人】 愛人 スージー

ー昼ー

ネクタイ?
良いけど...曲がっても知らないわよ

[準備をしていたところで、ネクタイの締め方はわかるかと呼びかけられる>>214。時折「パパ」の身支度を手伝ったこともあるからわかるけれどあまりうまくは無いからと、少しだけ告げておいて]

『「パパ」と縁を切ってくれと言ったら、君は嫌がるかな』

[ネクタイを結ぶ途中で聞こえた、そんな言葉。自分が無理矢理買わせたと思っていた男がそんなことを言うとは思っても見なくて、泣きたいほどの恋しさが溢れ出す]

(233) 2014/10/08(Wed) 12時半頃

【人】 愛人 スージー

......切ったら、私は貴方の唯一になれるの?

[まるで言葉遊びのように尋ねながら、締め終わりそうなネクタイを緩め、シャツのボタンを一つだけ外して、見えた素肌に吸い付く。昨夜の薄い痕とは違い、まるで犬が噛み付くかのように衝動的に、見られてしまえばすぐにキスマークだとわかるように]

私の唯一は、先生だけよ
これからずっと、離れていても心は貴方に寄り添ってる

[驚いた顔をするのなら、少しだけ意地悪にいたずらっぽく笑って見せて、ネクタイを丁寧に結び直そう。
そうして近くに置いていたチョーカーを手にとって、少しだけからかうような声で告げて見せよう]

首輪、先生の手でつけてみる?

(234) 2014/10/08(Wed) 12時半頃

愛人 スージーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 12時半頃


―自宅―

[郊外にある自宅に戻り、まず行った事。それはスーツの上着を脱ぎ、袖を捲り上げる事だった。
箒に雑巾にモップに。一通り買い揃えて来た掃除器具を手に持ち、気が遠くなる惨状から目を逸らさずに掃除を始める。
人を雇う、という選択肢は最初から男の中には無い。自宅に人を入れる事を、男はあまり好んで居なかった。
うず高く積まれた埃を払い、床を磨き。日が傾く頃には漸く、全ての部屋を掃除し終えただろうか。
そうして運ばれて来た家具を受け取り終えた時には、もう日はほとんど暮れかけてしまっていたけれど。]

………、歳かな。

[シャワーを浴び、身体に付いた埃を落とし。バスローブを羽織ったまま、ソファに身体を沈める。
そのまま数分、軽い微睡に身を任せてはいたけれど。新しく買ったヤカンの湯が沸いてきた音が聞こえたのなら、立ち上がり棚から珈琲の豆を取り出す。
昼間に行った喫茶店で買った豆だ。ミル等も、あの店で揃えさせて貰った。
未だ手に馴染まないそれでガリ、ガリリと豆を挽きながら、ふ、と。あの友人に借りた本の事が、頭に浮かんだ。]



……"外"に、誰か居たかな。

[異国の言語で綴られたその本を思い返し、男は豆へと湯を注ぎながら訝しむ。ここは最早、國の外なのだ。多少は読めはするものの、やはり訳が欲しくはあるもので。
――最悪、自分で訳すか。
興味のあるものに対しては、そんなものはさして苦にもならない。
男からの返信が来ぬ事を、きっとあの友人は訝しんでいる事だろうけれど――返信は、そこそこに豆だったものだし――今や、どうする事もなく。
まるで神隠しのように消えた自分を、彼は果たしてどう思うかと苦笑しながら、ソファに再び身を沈めながらこの地で初めて淹れた珈琲を味わう。]

――……む。

[――嗚呼、少しばかり温度が低かったらしい。新しい地で、新しい道具で。今迄通りとはいかないものということだろうか。
そうして溜息をひとつ。少々味気ないものになってしまったその液体に、男は小さく、肩を竦めた。]


【人】 愛人 スージー

[首輪に鎖を設けたいとの言葉にすら胸がときめいてしまうのは、自分に被虐趣味でもあるのかと軽く笑って、それを話してくれる顔がどこか後ろめたさも含んでいることにはそっと背中に腕を回すことで大丈夫と告げて]

鎖で繋いで、全部奪われて、先生がずっとそばにいてくれるなら、安いものだわ
毎日首輪をつけて、散歩をして
先生が死んでしまったときも、一緒に連れて行ってくれるでしょう?

[酷く歪んだことを言っていると自覚はあっても、彼が消えていなくなるのなら生きている価値も無いと言い放ってしまえるくらいに、心を奪われているのだけれど]

怒るかもしれないけど、本当に、先生がいないと嫌だから
...先に逝くなら、

[連れて行ってと繰り返そうとしたところで、首輪の下につけられる花。触れられたところが熱をもって、体の芯を温める。
名前を呼ばれて唇を重ねて、割れ目を突つく舌に素直に従い。
抱きついてしばらく舌を味わいながら、息継ぎの途中で声を漏らす]

学校、いかなきゃ

[幸せに蕩けそうになりながらも、相手は教授だから行かないと、と理性を総動員させて]

(257) 2014/10/08(Wed) 17時半頃

【人】 愛人 スージー

『愛してその人を得ることは最上である
 愛してその人を失うことはその次によい』

[教訓めいた言葉を素直に受け取れるほど大人じゃなくて、そんなの知らないとわがままを言ってしまいそうになったところで、踵を返される。
子供だったらもっと素直にわがままを言って一緒にいられるのかと思っても、子供だったらこんな関係になれないというのはよくわかっていて]

(ただでさえ10歳以上も差があるんだから、奇跡みたいな話だものね)

[思考を止めて廊下を先に行く人を追い抜く。流石に二人一緒に行けば怪しまれてしまうだろうと]

一人で行くわ
先生は講義の準備があると思うし
行くときに家に寄れば後が楽だと思うから
事故にだけは気をつけてね

[靴を履いたら、少しだけ振り向いて行ってきますと接吻を。
至近距離で笑いかけたら、後は照れ隠し代わりに外へ踊り出してしまおう]

(265) 2014/10/08(Wed) 19時半頃

【人】 愛人 スージー

[大学に登校すれば、顔なじみと軽い昼食を食べ、授業に備えただろう。イルカの王子や可愛らしい友人がいれば、共に昼食を食べただろうけれど、遭遇できただろうか。
講義室ではさして目立たない中程の席をとり、いつも通り授業を受けて。
いつもと違うのは、時折チョーカーの合わせの部分を指でなぞること。その表情は幸せそうな笑みを浮かべて。
講義が終われば、掲示板を確認してから教授にメールを打つだろう。]

――――――――――――――
差出人:スージー
宛先:錠
――――――――――――――
お疲れ様
20xx年 10月3日
――――――――――――――
家には寄ってきたから、この後用事はないけど
どこかで合流する?
――――――――――――――

(267) 2014/10/08(Wed) 20時頃

愛人 スージーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 20時頃


【人】 愛人 スージー

[空いた時間を無駄にはせずに、レポートの資料を探していたところで携帯が震える。確認して待ち人の返信だと知れば勝手に動き出す尻尾にスカートが揺れて。どうにも尻尾は言うことを聞かず、勝手に動く。困ったことだと小さくため息をつきながら、中世期の東西の冠婚葬祭に関する資料を借りて。
読むのは家でもできると鞄に滑り込ませ、すぐに待ち合わせの場所へと移動して]

(300) 2014/10/08(Wed) 23時頃

【人】 愛人 スージー

――――――――――――――
差出人:スージー
宛先:錠
――――――――――――――
了解
20xx年 10月3日
――――――――――――――
すぐに移動します
大学からだから同じ道を進むか
もしれないけど、誰がみてるか
わからないから公園までは声か
けたらダメだからね

先生が失脚するのは嫌だから
s.f
――――――――――――――

[少しくどいかもしれないけど、朝と同じことを懸念した注意を書いて、送信。
できるだけ平穏に、長くそばにいたいからと何度も言ってしまうけれど、もしかしたら嫌がっているかもしれないなんて心配も無いではなくて]

(301) 2014/10/08(Wed) 23時頃

[日もすっかりと沈み、町の喧騒も遠く消えた頃。あのぬるい珈琲を渋々と楽しんだのなら、男は寝室へと向かう。
バスローブから着替え、部屋の小さな灯りを灯し。机の前の椅子に座り、ふう、と息を。
――本当なら、もう少し小さなベッドで良かったのだけれど。
近くに見える、大きなベッドに視線を移せば、小さく、小さく笑い。年甲斐も無く、彼が此処へと来るのを楽しみにしている自分に、少々呆れもするけれど。]

……明日か、明後日か…、来週…来月。

[もしかしたら十年、二十年後かもしれない、と。朝に届いたあの二通のメールをもう一度開きながら、そんな呟きをひとつ。
この文面を見る限り、そう遠くないうちに会えるのだと、ついつい期待はしてしまっているのは事実だけれど。
――嗚呼、一日千秋の思いとは、こう言う事を言うのか、と。浮かんだその考えに、男は部屋で一人、小さく吹き出した。]


……まさかこの歳で、そんな初々しい事を考えさせられるとはな。
俺に責任を取れと言うなら…取ってやるとも。
だが、君にも取って貰うぞ…ヨハン。

[画面に浮かんだその名を、慈しむように指でなぞり。呟いた"恨み言"は、彼には届きようも無いけれど。]


[――嗚呼、嗚呼。彼をもしも再び、この腕の中へと迎える事が出来たのならば。
そうしたら、今度こそ。嘘偽り無く、きっと離しはしないのに。
移ろう月のように、この気持ちは決して変わったりはしない。例え彼がここに来るのが十年の後だとしても、百年の後だとしても。
この生ある限りは、焦がれに焦がれながらも彼の姿を待ち続けてやろうと。]

――……我ながら、執念じみている。
だが、余りに来ないようなら…迎えに、行ってしまいそうで怖いよ。

[クツ、と一つ喉を鳴らし、キチリと響いた指からは細い糸がたらりと垂れて。
獲物が巣に掛かるのを待つではなく、待ちきれずに獲物を追い掛けて行くなどと、何とも《蜘蛛》らしくは無いとは思いつつも――それもまた悪くない、と。]

……綺麗な月だ。

[そんな想いを胸に密かに滲ませて、男は部屋の灯りを消す。
窓に見える仄かな月の姿にあの白を重ね、愛おしいあの姿を重ね。
"嗚呼今宵の月は何と美しいのだろう"、と。
――そんな事を、思いながら。]*


ー回想•昨晩、一時過ぎー


[気がついたら銀河鉄道に乗っていた。


(…気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座すわっていたのです。)



ベネットは窓の外を見た。ああほんとうにまるで銀河鉄道の夜みたいに、ジョバンニみたいに、青白く光る銀河の岸に、銀いろのすすきがもうまるでいちめんさらさら さらさらと波を立てていたので、ここは銀河鉄道だった。

銀河ステーションもカムパネルラも、黒曜石でできたりっぱな地図もないけれど、ここは銀河鉄道だった。


銀河鉄道だった。


銀河鉄道ーーー…?



[はた、とベネットはそこで思いとどまった。そうだ自分は、黒髪の少年と、銀色の少女とバイトの話をして、それから…………それから?

うんうんと思い出そうとしても、しろいもやがかかったようで思い出せない。目をつぶれば暗闇にちりばめられた緑や橙や青の光がじゃまをして、なんにもわからないのだった。

ああでも、容姿がほんとうに少女がカムパネルラで、少年がジョバンニのようだ。二人が来たから、もしかしたら二人の今生の幸いのために自分が代わりに連れ去られてしまつたのかもしれない。
なんて、馬鹿馬鹿しいけれど。

不思議と逃げ出したいとは思わなかった。ただただ、放置して来てしまった二人のことが心配だった。困惑しているだろう。嗚呼ヤニクとの約束も、こちらが破ってしまった。性格がよろしいとは言えない彼だから、怒っているかもしれない。本をどれでもひとつもっていっていいから赦してくれないだろうか。伝える機会もないけれど。


メモを貼った。


【人】 愛人 スージー

[公園に移動する間、資料として借りた本を歩きながら読み始め。慣れているのかすいすいと人混みを避けながら公園に向かう。
商店街では肉屋でオヤツにコロッケを買いつつ、歩きながら読むんじゃ無いと小言をもらったか。そんな日常を楽しみながら公園に着いて。
まだ着いていないなら、公園の入り口に近いベンチで座って待とうか。
赤いベレー帽は出かけた時と変わらずに、誇らしげに犬の娘の頭に鎮座していて]

(レポートにするなら東西の葬礼についての違いか、冠婚葬祭に使う色について...書きやすいのは色かしら)

[脳内でレポートのあらすじを考えながら、暗くなっていく中で真剣に文字を追って]

(309) 2014/10/08(Wed) 23時半頃

汽車のなかに自分はひとりだ。

カムパネルラが姿を現さなければ、ジョバンニはずっと、ずうっと、白鳥の停車場にも、プリオシン海岸にもいけず、北十字も見られず、鳥を捕る人にも会えずにくらい銀河のなかを走り続けてゆかねばならないのかもしれなかった。]


ひとは誰もが、自分だけのカムパネルラを探している


[そう喩えたのは誰だっただろう。自分の暗闇を照らす唯一の光を、照らして手を伸ばしてくれる誰かを探している。

そのカムパネルラが、どこまでもゆこうと言った途端に消えてしまうのだ。銀河鉄道は、そうゆうことを表しているのであり、カムパネルラもまた、人間だったのだ。

賢治のカムパネルラは妹のトシだった。


カムパネルラーーー信仰を一つにするたったひとりのみちづれが消えてしまうそのことに、何度胸を打たれただろう。

黄玉(トパーズ)や青宝玉(サファイア)を散りばめたような賢治の世界が、窓の外に広がっている。



孤独の散乱する、綺麗な空だった。


けれども自分には、カムパネルラはいないのだ。
いつだって、いまだって。



このまま何処へゆくんだろう。


大声で泣いた。少しだけ笑った。

このまま何処かへゆくんだろう。



ことんことんと、振動音だけが響いていく。]


【人】 愛人 スージー

[呼ばわれてすぐにピンと立ち上がり反応する犬耳を軽く押さえながら、タクシーに近づく。顔は会えたことに安堵と嬉しさを滲ませて微笑み]

お疲れ様
急がせてない?

[隣の席に座りながら、メールを送ったことで急がせたのでは無いかと少しだけ不安げに尋ねて。
会えたのは嬉しいしそばにいられるのは幸せだけど、その結果仕事が滞らせてしまうのは悪いと外では少し遠慮気味になってしまうよう]

デートではどこに連れて行ってくれるのかしら
鎖をつけてくれる?
それともまた違う用件?

(326) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 愛人 スージー

[仕事の邪魔をしていないという言葉には、安心したように笑って。勉強熱心と言われたら、嬉しそうに無邪気な笑顔を見せるだろう]

できがよかったら褒めてくれるんじゃ無いかと思って
褒められると頑張れるから

[犬は褒められるのが好きなのよ?と運転手には聞こえないように彼の耳へと囁いて。
休息を取れていないことを心配しながらそっと腹に添えられる手に、ふと腹の中の子供を心配しているようだと空想の翼を広げて、一人クスクスと笑う]

大丈夫、体調に問題は無いわ。何かあったら言うって言ったでしょう?

[だから大丈夫、と安心させるために腹の上の手に自らの手を重ねて]

『ネックレスはどんなのが好き?』

[苦笑した顔に、運転手に誤魔化してるのと判断しながら、ふと彼の名前を思い出し、名案だと柔らかく笑う]

錠前の形のものがいいな
チェーンの、銀色のもの

[名前で繋ぎとめられるのはとても素敵だと、彼に繋がれている気がするからと、少し甘くなった声でねだって]

(342) 2014/10/09(Thu) 01時頃

[月の光の差し込める薄闇の中、ぼんやりと月を眺めてどれ程の時間が経っただろう。
傍に置いた懐中時計の針を見たのなら、思いの外時間が過ぎていて――"とんだ時間泥棒だ"、と月に喩えたかの人へと捧げる恨み言を胸に。
そうして漸く、その月から目を離したのであれば。図ったように、携帯端末が音を立てて震えはしただろうか。]

……、土産か。
それは嬉しい。どんな時計を…贈ってくれる?

[そろそろ見慣れたその名とアドレスに、知らずのうちに顔を綻ばせ。返信の代わりにぽつりと言葉を零しながら、眉を寄せて目を伏せる。
――嗚呼、折角。今宵の月が、恋しさをほんの僅かにだけ慰めてくれたと言うのに。
このタイミングで送って来るとは…これじゃあ本当に、ひと時たりとも彼を浮かべぬ事など出来ないじゃあないか。]



………、あの時は、太陽が昇らなければ良いと思ったものだが。

[あの夢の一夜へと、想いを馳せて。あの時話したささやかな趣味の話を、彼が覚えてくれていた事に歓びを。
彼のくれるという時計は、果たして如何なるものなのだろう。年甲斐も無く踊る心を宥める気など、今はとてもありはしなくて。
全て置いて来たあの時計達も、また集め直さねばなるまい。そしてその最初の一つが…彼からの土産であるのなら。
それは何と、幸せな事だろう。]

……今は、太陽が昇るのが…何よりも、待ち遠しいよ。

[呟いた声に、最早皮肉も余裕もありはしない。只々その身を焦がす恋しさだけを滲ませて、最後にひとつ呟いた名は、月明かりの中へと溶けて行きはしただろうか。]*


メモを貼った。


愛人 スージーは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 01時頃


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