人狼議事


197 獣ノ國

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視点:


[走る汽車の窓から外をぼんやりと眺めていれば、景色の向こうに見えたのは見慣れた大きな科学塔。
朝陽を浴びて遠くに見えるそれは、とても、とてもゆっくりと窓の外を走り行く。
――あの國で過ごしたのは、果たしてどのくらいの間だっただろう。故郷と呼ぶには短く、旅と呼ぶには長いその年月。徐々に遠くなるその塔の影を追ってしまうのは、やはりそれだけの年月を其処で過ごしたのだと、言うことなのだろうか。]

………ん、

[そうしてふ、と。震えるポケットに気付き。其れを開いて見たのなら、そこには二通のメールの通知。何方も、差出人はあの歳の近い友人だ。
先に来ていた一通は、昨日の昼の"デート"を揶揄る一言と、"今日"より先の晩酌の誘い。
応える事の叶わぬそれには、小さく、小さく苦笑を漏らす。
最後に付け加えられた一文には、呆れたように肩を竦めはしたけれど。]



……フン。自分の方こそ、十分にお楽しみだったじゃあないか。

[大学で見かけた時に、彼の隣に居た少女を思い浮かべ。"唯の生徒と先生"ならば、この言葉の限りでは無いのだろうけれど。
懐かしむように目を細め、呟いた言葉はあの國に残る友人には、決して届く事は無いだろう。
借りた本は、結局返さぬままに持って来てはしまったけれど。まぁ、あの友人の事だ。もしもこの先会うことがあったのなら――酒の一つと此方の話とで、きっと許しては貰えるだろう。
そうして最後の追伸に、ふ、と――嗚呼、何時だっただろう。まだ自分の歳が二十の前半だった頃、酔った勢いで悪戯に詐欺を装い、彼に電話をかけたりもしただろうか。]



…出来るなら、最後にまた一度お前と酒でも交わしながら…話でもしたかったんだが。

[二通目のメールに目を通しながら、ポツリと漏れたのはそんな一言。このメールを飛ばして来たと言うことは、恐らくはあの本は無事に持ち主の元へと届いたと思っていいのだろう。
此方から本を貸す時、或いは彼方から本を借りる時。返すと言うのを理由にして、数え切れない日々を共に朝まで語り明かしたかの友人。神話の生物の事を主に研究している男と、民俗学から神話や都市伝説まで幅広く精通している友人と。
大学に用事がある時は、その授業風景を時折覗きに行った事もある。そして彼の話す話は、男の興味を酷く惹きつける物だったから。
自分があの國で最も近しいと言える友人は、今頃何をしているのだろう。]



………、あぁ。

[メールへの返信は行わぬまま、携帯端末に登録されている全ての番号からの着信を、拒否に設定する。全てを置いてきた中で、この小さな機械だけは置いて来ることが出来なかったのは――それは果たして、あの國への未練故か。
そうして再び窓の外へと視線を移し。既に見えなくなってしまった科学塔に、知らずのうちに声が漏れる。
向かう先は、長年使っていない別荘へ。きっと埃に塗れて"仲間"の巣も沢山張られているだろう其処を思い浮かべ…男はひとつ、諦めたように息を吐いた。

ガタン、ゴトン。
揺れる汽車に運ばれて、《蜘蛛》は漸く國の外へと。]*


奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 06時頃


奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 06時半頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

―早朝・自室―

[スースーと、規則正しい感覚で続いていた寝息は、目覚まし時計のベルの音で途切れる。

乱れた髪を手で軽く整えると、ベッドの上で伸び一つ。寝ぼけた頭をしっかりさせようと、ふるり首を軽く左右に振ってベッドから降りる。
窓の外で明るく囀る鳥の声。その囀りの意味も自分にはわからないけれど。それでも―――微笑みが浮かぶ。

これからが楽しみで、胸が弾むような気持ち。
新しい本を手にしたときよりも、遥かに強いその気持ちは。もう何年も経験したことがなかったもの。
家族で迎えるクリスマスや。誕生日のプレゼントを待つ時のそれと、とてもよく似ている気がした。]

 書類、書類――あ、その前に…。

[昨日渡された書類>>2:149を机の上に広げて、少し折れてしまった端っこを指で伸ばす。
昨夜の雨の中、身体を濡らしながらも護ってきたそれは、端の方が少し撚れてしまっているものの、雨に濡れることなく無事に机まで運ばれて。]

(44) 2014/10/07(Tue) 10時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[書類を前に深く息を吐き、雑貨屋で買ったボールペンを取り出し、くるりと指先で回す。

くるくる くるり

銀色のボールペンは数度回った後、カランと乾いた音を立てて床に落ちた。身を屈めてそれを拾い上げ、ふと思い立って机に放置されたままの端末に手を伸ばす。

昨日は返信するタイミングを逃してしまった。けれども、新しい報告がある今ならば、送っても大丈夫だろう。そんなことを考えて、端末に指を滑らす。

子供のような笑みが口元に浮かんだ。]

(45) 2014/10/07(Tue) 10時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
おはようございます。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
昨日はいろいろありがとうございました。
なぞなぞ遊びにも、付き合って頂けて楽しかったです。
誰かとなぞなぞしたのなんて久しぶりで、なんだか懐かしい気分でした。

カナリアにびっくりしてしまうくらいなら、狼さんに驚いてしまっても仕方がないですね。
動物苦手ではないと良いのですが……。

けれども、嫌な感じのする人ではなかったので
またお話しできたらいいな。と思っています。
喫茶店。あまり行ったことがないのですが今度行ってみますね。

ヤニクさんの冒険が楽しいものだといいな。と願っています。
追伸:
素敵な本との巡り合わせではなく自分で本を書いてみようかな。と思っています。アルバイトをはじめてみようかと。

(46) 2014/10/07(Tue) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[端末を操作し終え、打ち終えた文章ににっこりと笑う。

一番最後、どこでアルバイトをするのか書こうとして――止めた。
働いているときに会ったら面白い。
びっくりするだろうか。そんな悪戯っぽい考えが浮かんで、そのまま送信を押す。]

 書類、出来るだけ綺麗に書かないと。ね。

[端末を文鎮のように書類の上に置いて、真剣な顔で書類に向き合い始めた。
メモ帳に試し書きをしながら、一文字一文字丁寧に記入していき。

書きあがったそれを目の前に掲げて大きく頷いて、白い封筒に折りたたんで入れる。
早く持っていこう。と、気持ちが急いたためか。]

 ―――っつ。

[封筒の隅で指先が切れ血が滲む。
指先に浮かぶ赤に表情を曇らせたが、それも束の間のこと。
ハンカチで傷口を拭い、封筒を抱いて本屋へと向かった。**]

(48) 2014/10/07(Tue) 11時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 11時頃


[――ゴトン。
乾いた音と共に、床へと置いたトランクの周りで大きく埃の渦が舞う。
其れが肺に入るのを嫌うように――そもそも服に埃が付くことがそもそも我慢ならない事ではあったのだが――男は大きく眉を顰め、荒れるに任せるその別荘を見回した。
埃の絨毯はそれはそれは高く積み重なり、"仲間"の巣は至る所に張り巡らされている。必要最低限の家具はあるが、それでも暮らして行くには足りない。
――一先ず掃除は後回しにして、先に家具を揃えに行くか、と。この時間なら、無理を言えば夕方には届けて貰えるかもしれない――とそこで、ポケットの中で震えた端末に目を瞬かせる。]

………、待ち遠しいよ。

[家の外へと出ながら開いたメールに、漏れたのはそんな言葉。自分の声音に微かに滲んだ寂しさに苦笑しながらも、見慣れぬアドレスに僅かに目を見張り。
貰った名刺に書かれていたのは、"ジャニス"の名。そこに書かれたアドレスとは別のアドレスと…彼の名前に、男の顔には先とは別の笑みが浮かぶ。]


[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]

……――――。

[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]

……泣いていたな。

[去り際に彼が初めて見せた、その涙。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]


[彼の口からは、ついには"行くな"という一言は出はしなかった。男を困らせるような言葉は、一つたりとも出なかった。嗚呼、本当に――聡い子だ。もしも次に相見えたのなら、思い切り、我儘を言わせてやりたいものだ――あの時伝えられなかった言葉を、捧げながら。

そうしてふ、と手にした携帯端末に視線を落とす。
電話は拒否に設定したけれど、メールはそのままこの端末へと届く。そんな事を――相手からの一方通行だけを許すなんて、それは酷く未練がましい行為だとは…自覚はしているとも。
――嗚呼、だけれど。彼からのそのメールは慰みになどなりはしない。
更に募る恋しさに焦がれながらも、しかし今後ももしかしたら届くかもしれないそれを拒否する事なんて…どうしても、出来はしなかった。]*


【人】 奇跡の子 カリュクス

―自宅→本屋―

[目的地へと急く心。
それを表すように、足も軽くなる。

足ごと、羽が生えたような。
本当の鳥になって飛んでいるかのような。
そんな錯覚を覚えながら、本屋へと向かう。

ピリ ピリ ピリ

指先の傷が時折、引き攣ったように傷んだが。
それも気にならずに。]

 あ……なんだろう。

[道中、端末が震える感触が二回したけれど。
それは、目的を達成してから。と言い聞かせて

端末を覗くことも、触れることもなく目的地へ。] 

(87) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―本屋・店の前―

[ベネットの書店の前に来て、足を止める。
開かれていない扉に幽かな違和感を感じた。

小首を傾げて、扉へと近づくと
躊躇いながらも、ノッカーを鳴らす。

  コン   コン
    コン    コン


固い音が耳を叩いたが、返る言葉はなく。
音を拾おうとそばだてた耳にも何も届かない。

店から感じるシンとした空気と
後の雑踏から聞こえる人の声。
それと、自分の呼吸と心臓の音。]

(88) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 そうだ……!端末。

[もしや先ほどの振動は、店主からのものだったのでは。
そんな考えが頭をよぎり、慌ててポケットに手を入れる。

新刊を予約した際に、連絡先を教えたことがあったから。

ガサガサと幾分荒く指先で探せば
小さな四角に指が触れ、急いでそれを掴みとる。

端末の液晶に並んだ名前は。
昨日の白いコートの男性>>50と、狼さん>>62

求める名前は―――なかった。

じわりと指先が痛むのを感じながら。
端末を操作する。]

(89) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ジャニスさん
――――――――――――――
指の怪我、大丈夫ですか?
20xx年 10月3日
――――――――――――――
おはようございます。
ジャニスさん――で、良かったですよね?
はい。昨日ぶりです。
今日は雨ではないようなので、少し安心しています。
ジャニスさんは雨に、降られませんでしたか?

今日ですか?はい。大丈夫です。
用事は有ったのですが
どうやら相手の方がお出かけしているみたいなので……。
お昼前くらいに、場所はまた連絡しますね。

追伸
本屋さんを知っていますか?もし、知っていてどこかですれ違ったら『カリュクスが本屋で待ってます』と伝えて頂けますか?

(90) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[白いコートの人からの連絡。
こんなに早く来るとは思っていなかったので少し意外で。

それでも、約束を守ってくれたことが嬉しいと
波だった心が僅かに落ち着く。

待ち合わせ場所は悩んだけれど
向こうの雰囲気をみて決めようと思った。

すぐに連絡がつく自宅か、この本屋が見える場所。
いつ店主から連絡が来ても平気なところがいいけれど。

もし彼が獣を怖がるならば、
人目があるところの方が良いかもしれない。

そう考えて、送信を押す。]

(91) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[視線は商店街の通りを、意識は本屋に向けたまま。
そして、もう一通。狼さんへと通信を打ち始め]

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
件名なし
20xx年 10月3日
――――――――――――――
懐かしい気分は真新しいものと
どこか似ているように感じました。

似たようなことをしていても
すべて同じではないから、新しくても古い。
そういう風に感じるのかもしれません。

暗記するほど読み込んだお気に入りの本に
ある時、気づかなかった誤植があるのと似ていますね。

(95) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

意地悪を……ああ、犬歯を見せたのでしたっけ?
たしかに、びっくりしてしまいますよね。
私が味方でも頼りないとは思いますが。
話すことも上手ではないですし。

甘い物ですね。わかりました!
今日、彼と会う約束をしたので、用意してみます。

あ、そうだ…何処かで本屋さんを見かけませんでしたか?
見当たらなくて。
もしどこかで見かけたら、私が待っていたと伝えてください。
お昼近くまでは、待とうと思っていますから。
―――――――――――――

(96) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[通信を打ち終えて長く息を吐く。
緊張、期待、不安。
心ごと吐き出してしまうようなそんな呼吸。

そして、通りを歩く人々を眺めながら
店主の帰りを待つ。

あの日、母が亡くなった時。
学校から戻った後、こうやって
いつまでも開かないドアの前で待ち続けた。

そんな、遠に忘れたと思っていた記憶が
ゆっくりと浮かび上がっては消えていく。

目尻に浮かんび始めた涙を隠すように
膝を抱えて店先にうずくまる。
こうすれば、店が開くまでの間
待っているだけに見えるだろう――と。]

(97) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―昼近く・本屋前―

[本屋の影、電灯に寄りかかりながら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

姿勢を変え顔を横に向けた瞬間。
高く昇った太陽、その光が瞼の裏を赤く染めた。

眩しさに顔を顰めながらも、視線はすぐに本屋へと向けられる。

暗い店内は相変わらずシンと静まり返っていて、人の気配もない。
眠っている間に人の声>>105>>107を聞いた気がしたけれども
今現在、店内の様子に変わりがないことを考えれば、あれはきっと通行人の声か、夢だったのだろう。

それにもし、話しかけられていたとしても、寝ぼけた頭では、まともな返事は出来なかったのではないか―――
そんな風に考えて体を起こす。

ギシリ。長時間同じ姿勢で居たためか、体は硬くこわばっていた。]

(129) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス


[時間を確認しようと端末を取り出し、画面を覗けば案の定、時刻は昼近く。

そして約束した相手の名前>>94が受信欄にあることに気がついて、慌てて文章を打つ。

できるなら、このままこうして待っていたい気持ちもあった。けれども―――

約束したところに相手がいない。
居場所となるはずだったところに、行くことができない。
その不安感を相手に味わわせたくはなかったから。]

(130) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ジャニスさん
――――――――――――――
それなら良かったです。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
室内にいたなら良かったです。
怪我は水に触れると、余計に痛みますから。
私は少し濡れてしまいましたが、
雑貨屋さんで傘を買ったので大丈夫でした。

はい。本屋さんでアルバイトをしようと思って
書類を書いてくるように言われたのですが。留守みたいで。
もしかしたらば、遠くに配達に行ってるのかもしれないので
また夕方にでも足を運ぶつもりです。

待ち合わせ場所。
私は今、商店街にいるのですが
ジャニスさんがもし近くにいるなら、そちらに向かいます。

(131) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[端末に文章を打ち込んで、送信ボタンを押す。
昨日よりも柔らかい印象を受ける彼の分面に、何があったのだろう。と、疑問に思いながら。
それでも、敵意を露わにされるよりはずっと良い。と一人で納得する。

今、棘を刺されれば
たとえそれが小さな棘でも、その傷口からヒビが全身に広がり、体ごと粉々に割れてしまう。
そんな気がしたから。

気持ちを切り替えるように瞼を閉じ、深呼吸を一つする。
そして、ポケットからメモ帳を取り出して伝言を書き、ドアに挟み込む。

白い紙が風にパタパタと揺れるのを、ただ黙って見つめる。
連絡が来ればすぐに足を運べるように、立ったままで。]

(133) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 21時半頃


カリュクスは、マユミという名前を構内で聞いたことがあるが、こころあたりもなく

2014/10/07(Tue) 22時頃


―街中の喫茶店―

[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]

…珈琲を。豆は…

[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]


[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]

――……殴られた?

["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]

……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。

…帰りに氷を買っていくか。

[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]



………、美味いな。

[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。

嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。

――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。

そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]

…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。

あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。

[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]

…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。

[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]


[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]

…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。

[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。

初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。

…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*


【人】 奇跡の子 カリュクス

[パタパタと風に煽られはためくメモ。
『また来ます』の言葉と、名前、連絡先。
果ては住所まで几帳面に書いたそれを、ただぼうっと見つめていると、端末が震えていることに気がつき>>157
視線を落とした。]

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
Re.Re.件名なし
20xx年 10月3日
――――――――――――――
たしかに…そうですね。
毎朝、食べているパンや紅茶も
その時の気分や体調によって、感じる味は微妙に変わりますから。

食べ物ですらそうなら
書物は人の心が映されやすい分、もっと違いが出てくるのかも…。
昔の書物や、昔からの言い回しが残っているのは、そういう理由があるからかもしれませんね。
もちろん、それが全てではないのでしょうけれど。

(177) 2014/10/08(Wed) 00時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

証拠を見せろっていわれたのですか
それなら仕方がないのかも。
私も、翼で信じてもらえなかったら困ってしまいます。
雄なら求愛の囀りは綺麗ですけれど。私は雄ではないですし。

はい。ベネットさんです。
ヤニクさんも会えなかったのですか…。
私は昨日のお昼間に会って、それっきりなのです。
大事な書類を渡さないといけないのに。

ヤニクさんも探してくださるなら、ありがたいです。
私にはあまり知り合いがいないので、心あたりがなくて…。
心配してくれてありがとう。
大丈夫、一度帰ってから出直すことも考えていますから。
ヤニクさんも、無理はしないでくださいね?
―――――――――――――――

(178) 2014/10/08(Wed) 00時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[未だに慣れない端末操作。
一文字一文字悩みながら、消したり書き加えたり。
悩みつつ全文を打ち終えて、ほっと肩の力を抜く。

彼からの文章にあった『視る』事が得意という部分には心当たりがなく。
むしろ自分は鳥目だから。などと考えたけれど、よく考えれば文字が違う。

会話とは違う文字での対話は、そうした意味の違いに気がつかせてくれる。
そんなことに気がつけば、新しい発見をしたようで、くすりと笑みが零れ、少しだけ心が落ち着いたのを感じ、送信を押した**]

(179) 2014/10/08(Wed) 00時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 00時半頃


メモを貼った。


奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 09時頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

[そして通信が無事に波に乗ったのを見届けると、本屋の壁に寄りかかりゆっくりと瞼を閉じる。

太陽の動きを目に捉えれば
不在の時間とその長さを感じてしまいそうで。
本でも持ってくればよかった。と、考えて小さく苦笑い。

自室にある本の数々。そのどれもが、この店で買ったもの。
絵本は母に、辞書は祖母に、そして小説は自分で―――
だから、どれを持ってきても、この店と店主を思い起こさせられるのは、同じなのだ。

苦い笑いを浮かべた後は、ツンと鼻の奥が痛くなる。
涙が出る予感を感じた時に、再び端末が震えた。

会う約束をした白いコートのその人>>215からだと気がついて、ふっと表情を柔げて四角に指先を走らせる。]

(225) 2014/10/08(Wed) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ジャニスさん
――――――――――――――
カフェですね。わかりました。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
絆創膏、気がついていただけてよかったです。
伝え忘れてしまったので…。
風邪は、多分大丈夫です。鳥の羽は保温性があるんですよ。

意外でしたか?本は大好きなんです。
とは言っても小説とかなのですけれど。
いろんな場所を想像させてくれるし
逢えない人にももう一度、逢わせてくれるので。
夕方には帰ってきていると思うので、大丈夫です。
本だって頁を捲らなければ進まないので。

カフェですね?
あまり行ったことがないですが、行ってみます。

(226) 2014/10/08(Wed) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[初めて逢った時には想像もつかなかったような会話。それを、今はしている。
その奇妙さにクスクスと笑いながら、送信を押して歩き始める。

程なく、新しい連絡が>>219
木の枝に止まる鳥が囀りを交わすようだ。と目を細めて新たな文章を打ち込み始める。]

(227) 2014/10/08(Wed) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
果物と硝子とパズルと囀り
20xx年 10月3日
――――――――――――――
グレープフルーツジュースが好きなのですか?少し意外です。
私は果物系全般を…鳥は果物好きですから。
グレープフルーツジュースなら朝起きた時に飲めば、その日の気分や体調で全然違って感じそうですね。
朝食の時だと、他の物の味が邪魔をしてしまいそうですが。
秘密なのですか?広めても楽しいかもしれませんが、小さな隠し事は宝物みたいですからね。

お礼に私も秘密を一つ聞いていただければ、教えますよ?
小さな小さなものですけれど。

(228) 2014/10/08(Wed) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

そうですね。最初に読んだときには綺麗で透き通っていると思いました。けれども今は、さみしいな…。と思います。
夢の中でいくら恋人と過ごしても、現実の恋人と思い出を共有することはできないですから。

失われた言葉は、はまり込む場所を見つけてしまったものかもしれません。
完成したパズルをばらして、また組み立てる人がいれば
新しい発見もあるのでしょうけれど。
これ以外ない――と言う形になると掘り起こすことも減ってしまいますから。

雄の歌声は求愛なので、雌はお喋りに近いのでしょうか。
鳥は聴力と嗅覚ですね。
鳥目なので、視力の方は夜になると困ってしまいます。

綴り手になるためと、他の方の物語を読むのに必要な物ですね。

友達とお話ししがてらついでに……で、お願いします。
私もヤニクさんと連絡出来るのが楽しいので。

追伸:はい!ジャニスさんもそこにいる様なので行ってみようかと。人を探している人―――?同じようにベネットさんを探しているのでしょうか?
――――――――――――――――――――――――

(229) 2014/10/08(Wed) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[人にぶつからないように舗道の隅を歩きながら
時折、笑い声を洩らして通信を打つ。

鳥の鳴き交わしにも似た会話。
その楽しさを味わえば、心に浮かぶのは

もっと早くに―――――
郷愁にも似た思いを抱えながら、カフェへとたどり着いた*]

(230) 2014/10/08(Wed) 11時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 11時頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

―昼過ぎ・カフェテラス―

[ザワザワと人の声がする。
その音を掻き分けるように耳を澄ます。

お昼時とあって、人が多い。
求める人も食事を摂りに立ち寄っているかと。
約束の相手と、求める人。
運が良ければその双方が見つかるかと。

ぐるり辺りを見回せば、約束相手の姿>>213
ひらひらと手を振って、最後にもう一度周囲に視線を巡らせる。
――――求める相手の、深い色の髪は見当たらなかったけれど。

それでも、約束の相手に会えたことに安堵を覚え、近寄りつつ声をかける]

 ジャニスさん。遅くなってごめんなさい。

[珈琲の苦い匂いと、ミルクティーの甘い香りにが漂っている気がした。]

(235) 2014/10/08(Wed) 12時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―カフェ・ジャニスとの会話―

[小さく否定の形に振られる首。
そして、その唇から言葉>>244を聞けば、
良かった。と言うように目元を綻ばせる。

示された対面の席に着くと、
テーブルの上には見覚えのある袋。
漂っていた二種類の香りと、ヤニクからの通信>>220
にあった一文を思い起こし。]

 ヤニクさんが、貴方に…お詫びをって
 考えていたものなんです。

 わたしは、自分の綺麗だと思うものを教えただけ。
 だから、お礼は彼に。

[持ち主となるべき相手に、お詫びの品はたどり着けた。
そう考えれば、安堵感が胸を満たして
にこりと口元が緩む。]

(245) 2014/10/08(Wed) 14時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[そして彼が、自分の背の方に視線を移すのに気が付き、
一拍おいて加えられた申し出にこくりと頷く]

 はい。邪魔にならない、人の少ないところ――

[どこがいいだろう。と数秒の間悩んだのち。]

 ―――私の家にいらっしゃいますか?
 そこならば、私も翼をのばせますし。
 ジャニスさんもお話がしやすいかもしれません。

[話がしやすい。そう言い足したのは、彼の荷物を見て何処かへ行くのでは。と思ったから。

そして、何より自分自身が。求める人に逢えない不安で、油断をすれば泣いてしまいそうだと思ったから。それを、翼をのばしやすいという口実に乗せる。

そして移動する場所が決まったなら。]

 あの……誰かを探している人って。ジャニスさんのことですか?

[一段押さえた声で問いかけた**]

(248) 2014/10/08(Wed) 14時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 14時半頃


―自宅―

[郊外にある自宅に戻り、まず行った事。それはスーツの上着を脱ぎ、袖を捲り上げる事だった。
箒に雑巾にモップに。一通り買い揃えて来た掃除器具を手に持ち、気が遠くなる惨状から目を逸らさずに掃除を始める。
人を雇う、という選択肢は最初から男の中には無い。自宅に人を入れる事を、男はあまり好んで居なかった。
うず高く積まれた埃を払い、床を磨き。日が傾く頃には漸く、全ての部屋を掃除し終えただろうか。
そうして運ばれて来た家具を受け取り終えた時には、もう日はほとんど暮れかけてしまっていたけれど。]

………、歳かな。

[シャワーを浴び、身体に付いた埃を落とし。バスローブを羽織ったまま、ソファに身体を沈める。
そのまま数分、軽い微睡に身を任せてはいたけれど。新しく買ったヤカンの湯が沸いてきた音が聞こえたのなら、立ち上がり棚から珈琲の豆を取り出す。
昼間に行った喫茶店で買った豆だ。ミル等も、あの店で揃えさせて貰った。
未だ手に馴染まないそれでガリ、ガリリと豆を挽きながら、ふ、と。あの友人に借りた本の事が、頭に浮かんだ。]



……"外"に、誰か居たかな。

[異国の言語で綴られたその本を思い返し、男は豆へと湯を注ぎながら訝しむ。ここは最早、國の外なのだ。多少は読めはするものの、やはり訳が欲しくはあるもので。
――最悪、自分で訳すか。
興味のあるものに対しては、そんなものはさして苦にもならない。
男からの返信が来ぬ事を、きっとあの友人は訝しんでいる事だろうけれど――返信は、そこそこに豆だったものだし――今や、どうする事もなく。
まるで神隠しのように消えた自分を、彼は果たしてどう思うかと苦笑しながら、ソファに再び身を沈めながらこの地で初めて淹れた珈琲を味わう。]

――……む。

[――嗚呼、少しばかり温度が低かったらしい。新しい地で、新しい道具で。今迄通りとはいかないものということだろうか。
そうして溜息をひとつ。少々味気ないものになってしまったその液体に、男は小さく、肩を竦めた。]


【人】 奇跡の子 カリュクス

[自らの提案に目を見開くその様子>>249に、不思議そうな面持ちで、きょとんと相手の顔を見つめる。
警戒心が全くないと言えば嘘になるが。
獣である自分に対して、柔らかい口調で話そうとする。
相手の姿勢をそう受け止めれば、警戒する気持ちにならないのが事実で。]

 貴方からは嫌な感じはしないのです。
 こう見えても、カナリアは勘が良いですから。

[小さく洩らした息。
その音には気が付いていたが、深くは触れずに。
唇をゆっくりと笑みの形にして。]

 はい。道案内しますね。
 お菓子とかはあまりありませんが、果物なら。

[ありますよ。と笑いかけ、会計をする彼の後ろについて店を出る。
押さえた声で問いかけた言葉への返事には、一度小さくうなずいて。
人がいないところで。と、小さく返答をし]

(258) 2014/10/08(Wed) 18時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス


―商店街→住宅街―

[自分よりは背の高い彼の姿を見失わないよう
若干小走りになりながら、商店街を通り抜ける。
その途中、一度だけ本屋の方を振り返り
そこに変わらず人の気配がないことを確認して、
静かに目を閉じ、頭の中の靄を払うように首を振った。

そして、人通りのない住宅街に来れば
歩く速度を落として。]

 蜘蛛さんでしたら。会ったことはないですが。
 お話したことは―――あります。

[すう。と、息を大きく吸い、まっすぐに
あいての口元をみつめる。足は止めずに。]

(259) 2014/10/08(Wed) 18時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―住宅街→自宅―

 人間達にも掲示板のようなものがあると聞きました。
 それと同じように、私達のような獣にも
 会話をするところがあるのです。
 そこに、蜘蛛とおっしゃっていた方がいたのです。

[こくり。息をのみ視線は彼の口からゆるりと瞳へ。
その色を見逃さないように。自分の瞳を見えるように。
隠した視線では何も語れないから。]

 その方は、しばらく離席するといったきり
 きのうからいらしていません―――

[家についた――大きな樹と、薄い色の煉瓦
がらんとした二階建ての家が二人を迎える。]

 つきました。誰もいませんので安心してください。

[扉に手をかけ開くと、手を招いた。]

(260) 2014/10/08(Wed) 18時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 18時半頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

―自宅―

[ガチャリ。扉のノブを捻りながら後ろを振り返る。
鍵はかけない。取られて困るものなど、元から何もない。

否、あるにはあるけれど
その価値はきっと他人にはわからないだろうから。

そして、家に着く前に彼が洩らした言葉>>262を思い出し、静かに目を伏せる。]

 他愛もないお喋りの場でした。
 蜘蛛さんは物静かで、知的な感じを受けました。

 あとは―――

(268) 2014/10/08(Wed) 20時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[一旦言葉を切り靴を脱ぎ、廊下へと。
一人暮らしなのか。という問いかけには一瞬躊躇ったのち、曖昧に頷いて。

入ってすぐの服かけに白いケープは引っ掛けて、上着を脱ぐようならばそこに。とジャニスにも声をかける。

飛べない白い翼が自由になり、細かな羽毛を散らす。]

 火の粉の一つでも舞ったなら。自分の巣が台無しだ―――と。 
 それと、『いつ燃えるかわからない屋根に怯えて暮らすなら、火の粉を消しに飛んだ方がマシ』と

[そう言っていました。と短く伝え階段へと誘う。

殺風景な家の中、階段の壁には段に合わせるように母と娘の写真が飾られていて、そこだけは彩を持っている。

首も座らぬ赤子と母、小学に満たない年齢の幼児と母。
そして十歳程の子供と赤いカナリアと―――母。

写真はそこでふつりと途切れている。]

(269) 2014/10/08(Wed) 20時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 ですから。蜘蛛さんが火の粉を気にしていたのだとしたら。
 あなたと話すのも、人目につかない、場所がいいと思ったのです。

[掲示板から姿を消す前に蜘蛛が書いた言葉を思い出し、ふるりと体を震わせて。]

 私が知っているのはそれだけ―――です。
 これは話を聞ける仲間なら。皆が知っている事。
 実際に蜘蛛さんと知り合いだったあなたの方が
 知っていることは多いと思います。

[翼から羽根を一本引き抜いて軸を持ち、指先でくるくると回す。
鳥が遊んでいるような行動を取りながら、深く息を吐いて。]

 私が探しているのは。
 通信でもお話したとおり、べネットさん。
 ―――本屋さんです。

(270) 2014/10/08(Wed) 20時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 私の翼は、風切羽を切られているので飛べません。
 本物の鳥ならばいつかは羽根が伸びるのですが。
 与えられた翼では、それも叶うかどうか。

 それならば、自分の足で居場所を探そうと。
 そう思って、雇ってもらおうとした矢先でした。

[力を込め自分の手を握る。
爪が食い込むほどに強く、強く。
もとから血色の悪い肌は、より一層白くなった。]

 気の所為ならばいいと思っています。
 でも……。不在の店先を見ると。

 一人になった子供の時のことを
 思い出さずにはいられないのです。

(276) 2014/10/08(Wed) 20時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[一気に話し終え、呼吸を落ち着かせようと、深呼吸を繰り返す。
ふと、目尻に涙が溜まっていることに気がつき、慌てて顔を背ける。
気がつかれないことを祈りながら。]

 飲み物と果物を持ってきますね。
 ジャニスさんは、休んでいてください。

[自分の部屋の扉を開け、右手奥にあるソファーを示し

自らは止められなければキッチンへ。と
けれども、もし止められれば、ソファーか床にでも座って、話を続けるだろう。]

(277) 2014/10/08(Wed) 20時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 21時頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

[果物を持ってこようと動きかけ『長居するつもりはない』と、ぽんぽんとソファーを叩く様子>>285に、動くのを止めた。

そのまま示されるままに隣に腰をかけ、彼の言葉に耳を傾ける。]

 べネットさんは人―――だと
 そう思います。
 姿は見えない通信での会話ですが。
 それらしい方はいなかったので。

[柔らかく髪に触れられれば母親に甘える子供のように体の力を抜き。優しく慈愛を込めて頭を撫でられれば、くすぐったそうに目を細める。

そして思うのは、こうして頭を撫でてくれた人々のこと。
大学の教授、仲間の声を聞くことのない狼、すぐ隣に座る白いコートの彼、そして―――本屋の。

欲しいもの。求めてやまないものの欠片。
それは、自分で探さなくてはならないのだ。と、頷く代わりにゆっくりと瞬き一つ。]

(286) 2014/10/08(Wed) 22時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 待ってるだけでは――――
 ですよね。
 止まる枝は、自分で探さなくては。
 好みの木が生えてくるまで待つのは
 いつになるかわからないですし。

[呟くように言われた言葉と薄い笑みには、くすりと声に出して笑い。
『確かに』と、小さく付け加える。

傍の彼と蜘蛛との関係はわからないが、それでもなぜだか自分と似ているような気がして。]

 火の粉の意味は私もわかりません。
 けれども、いなくなる前に
 もし蜘蛛さんに何かがあって、それで身を隠しているならば
 ジャニスさんは彼が戻ってくるのを待ちますか?
 それとも――――

(287) 2014/10/08(Wed) 22時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[探しに行きますか。
とは、言わずにまっすぐに視線を注ぐ。

『火の粉』が何を指しているのかわからないといった彼>>284
けれども、その火の粉がどんなものであっても、彼を探しに行くのでは――と、そんな気がして。

それと同時に心に決めたのは一つ。

自分がここに居たいと望んだ居場所。
それを探しに、行こう。

心の中ではっきりと、そう決めた。]

(288) 2014/10/08(Wed) 22時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 22時頃


[日もすっかりと沈み、町の喧騒も遠く消えた頃。あのぬるい珈琲を渋々と楽しんだのなら、男は寝室へと向かう。
バスローブから着替え、部屋の小さな灯りを灯し。机の前の椅子に座り、ふう、と息を。
――本当なら、もう少し小さなベッドで良かったのだけれど。
近くに見える、大きなベッドに視線を移せば、小さく、小さく笑い。年甲斐も無く、彼が此処へと来るのを楽しみにしている自分に、少々呆れもするけれど。]

……明日か、明後日か…、来週…来月。

[もしかしたら十年、二十年後かもしれない、と。朝に届いたあの二通のメールをもう一度開きながら、そんな呟きをひとつ。
この文面を見る限り、そう遠くないうちに会えるのだと、ついつい期待はしてしまっているのは事実だけれど。
――嗚呼、一日千秋の思いとは、こう言う事を言うのか、と。浮かんだその考えに、男は部屋で一人、小さく吹き出した。]


……まさかこの歳で、そんな初々しい事を考えさせられるとはな。
俺に責任を取れと言うなら…取ってやるとも。
だが、君にも取って貰うぞ…ヨハン。

[画面に浮かんだその名を、慈しむように指でなぞり。呟いた"恨み言"は、彼には届きようも無いけれど。]


[――嗚呼、嗚呼。彼をもしも再び、この腕の中へと迎える事が出来たのならば。
そうしたら、今度こそ。嘘偽り無く、きっと離しはしないのに。
移ろう月のように、この気持ちは決して変わったりはしない。例え彼がここに来るのが十年の後だとしても、百年の後だとしても。
この生ある限りは、焦がれに焦がれながらも彼の姿を待ち続けてやろうと。]

――……我ながら、執念じみている。
だが、余りに来ないようなら…迎えに、行ってしまいそうで怖いよ。

[クツ、と一つ喉を鳴らし、キチリと響いた指からは細い糸がたらりと垂れて。
獲物が巣に掛かるのを待つではなく、待ちきれずに獲物を追い掛けて行くなどと、何とも《蜘蛛》らしくは無いとは思いつつも――それもまた悪くない、と。]

……綺麗な月だ。

[そんな想いを胸に密かに滲ませて、男は部屋の灯りを消す。
窓に見える仄かな月の姿にあの白を重ね、愛おしいあの姿を重ね。
"嗚呼今宵の月は何と美しいのだろう"、と。
――そんな事を、思いながら。]*


ー回想•昨晩、一時過ぎー


[気がついたら銀河鉄道に乗っていた。


(…気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座すわっていたのです。)



ベネットは窓の外を見た。ああほんとうにまるで銀河鉄道の夜みたいに、ジョバンニみたいに、青白く光る銀河の岸に、銀いろのすすきがもうまるでいちめんさらさら さらさらと波を立てていたので、ここは銀河鉄道だった。

銀河ステーションもカムパネルラも、黒曜石でできたりっぱな地図もないけれど、ここは銀河鉄道だった。


銀河鉄道だった。


銀河鉄道ーーー…?



[はた、とベネットはそこで思いとどまった。そうだ自分は、黒髪の少年と、銀色の少女とバイトの話をして、それから…………それから?

うんうんと思い出そうとしても、しろいもやがかかったようで思い出せない。目をつぶれば暗闇にちりばめられた緑や橙や青の光がじゃまをして、なんにもわからないのだった。

ああでも、容姿がほんとうに少女がカムパネルラで、少年がジョバンニのようだ。二人が来たから、もしかしたら二人の今生の幸いのために自分が代わりに連れ去られてしまつたのかもしれない。
なんて、馬鹿馬鹿しいけれど。

不思議と逃げ出したいとは思わなかった。ただただ、放置して来てしまった二人のことが心配だった。困惑しているだろう。嗚呼ヤニクとの約束も、こちらが破ってしまった。性格がよろしいとは言えない彼だから、怒っているかもしれない。本をどれでもひとつもっていっていいから赦してくれないだろうか。伝える機会もないけれど。


メモを貼った。


【人】 奇跡の子 カリュクス

[どれだけの時間、言葉を重ねただろうか。
ぽつり、ぽつりと重ねられた言葉。時計の音。
その二つが合わさって、部屋の空気まで埋め尽くされる。
そんな想像をすれば、物語の中に引き摺り込まれそうで

霧を払うようにふるりと体を震わせる。
時計を見れば、針はもうだいぶ進んでいて
旅立つ時間だと知らせていた。]

 私も。ベネットさんを探すことにします。

 ジャニスさんも………どうか。
 貴方の望む人とともに過ごせますように。

[祈りにも似た言葉を捧げ空を見る。
茜色は紺碧へと徐々に染まって行く。

そして――――
ジャニスが外へと向かうのならば、彼の背を見送って
その姿が見えなくなった頃、自らも旅の支度を始めただろう]*

(310) 2014/10/09(Thu) 00時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 00時頃


汽車のなかに自分はひとりだ。

カムパネルラが姿を現さなければ、ジョバンニはずっと、ずうっと、白鳥の停車場にも、プリオシン海岸にもいけず、北十字も見られず、鳥を捕る人にも会えずにくらい銀河のなかを走り続けてゆかねばならないのかもしれなかった。]


ひとは誰もが、自分だけのカムパネルラを探している


[そう喩えたのは誰だっただろう。自分の暗闇を照らす唯一の光を、照らして手を伸ばしてくれる誰かを探している。

そのカムパネルラが、どこまでもゆこうと言った途端に消えてしまうのだ。銀河鉄道は、そうゆうことを表しているのであり、カムパネルラもまた、人間だったのだ。

賢治のカムパネルラは妹のトシだった。


カムパネルラーーー信仰を一つにするたったひとりのみちづれが消えてしまうそのことに、何度胸を打たれただろう。

黄玉(トパーズ)や青宝玉(サファイア)を散りばめたような賢治の世界が、窓の外に広がっている。



孤独の散乱する、綺麗な空だった。


けれども自分には、カムパネルラはいないのだ。
いつだって、いまだって。



このまま何処へゆくんだろう。


大声で泣いた。少しだけ笑った。

このまま何処かへゆくんだろう。



ことんことんと、振動音だけが響いていく。]


【人】 奇跡の子 カリュクス

―夜・住宅街―

[星がチラチラと瞬く紺碧を見つめ、ゆっくりと歩き出す。
お守りのように空色のタオルを握って。

ケープは家に置いてきたから、翼は剥き出しのまま。
群青色の闇の中、はっきりと見える白い翼。そこにヒヤリとした夜気を感じ、静かに口角を上げる。

この翼を外で広げたのは初めて。
そんなことに今更気がついた。

そして、出かける前にもう一度―――と端末を開き、そこにある名前>>271にふわりと笑った]

(319) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
暖かいアップルパイとアイス
20xx年 10月3日
――――――――――――――
ワインですか。お酒はまだ飲んだことがないんです。
鳥だから。そう理由をつければ、果物をたくさん買う言い訳になるでしょう?
果物は実はけっこう高価ですから。

アップルパイ…大好きです。
バニラアイスを添えると、甘酸っぱさと
アイスの冷たい甘さが合わさって、とても楽しいのです。
これが、ヤニクさんのさっきの通信にあった
『好きな物しか選ばない』と似たような現象かもしれませんね。
でも、ごめんなさい。
明日はちょっと、戻って来られないかもしれないです。

(320) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

前にヤニクさんが教えてくれたように
翼がなくても歩けるのなら、自分の足で空に近づいてみようかと。
与えられた翼で飛べない空を眺めるよりも
頼りなくても歩ける足で、空に近づいた方がいい時もあるみたいですから。

私の聴力とヤニクさんの目。
そういえば、狼は夜行性でしたね。
確かにそうすれば、見つかるかもしれないです。
でもその前に出来るだけ、自分の足で―――

そうしないと、飛べないばかりか足まで弱ってしまいますから。
飛べなくて歩けなくなったら、食べられるしかないでしょう?
鶏ならばそれでも役に立てますが…カナリアだと。

(321) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

冬の空を選んだのは、どの季節の物よりも、それが優しいと思ったから。
淋しくて優しい。矛盾していますが、そんな感じがするのです。
飛ぶのにも、地上で見つめるのにも。冬の空が一番優しいと。

夢の中での彼は…幸せだったとは私にはあまり思えないです。
楽しそうに語られたとしても。自分には身に覚えがないのですから…。
それでも幸せだと思えるのは
一年に一度、待ち続けた相手の笑顔が見られるからかもしれません。

とびきりの笑顔のために一年にの孤独に耐えるか、それとも他愛もない話や喧嘩をしながら一年をともに過ごすか…
ヤニクさんならどう思いますか?

追伸:
巣を作るのにいい場所が見つかったなら連絡しますね。
――――――――――――――――

(322) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[全てを打ち終えると送信を押す。
話が得意でない、人と関わることの苦手な自分。
そんな自分がこんなに長い文章を書いてしまう。
その奇妙さが面白くて。

やがて、実体のない手紙が空を飛んだなら
自らもまた歩き出し]

(323) 2014/10/09(Thu) 00時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 カタタン ゴトトン カタタン ゴトトン

[どのくらい歩いただろう。
群青色の空だけが続き、身体も心もそれに染まったように思えた頃。

汽車のような音が聞こえ、じくじくと痛み始めた足を止めれば

暗闇の苦手な鳥。その瞳にも列車の姿ははっきりと捉えられて。

橙の灯りの灯る窓の中、ぼやりと深い色の髪が視え]

(333) 2014/10/09(Thu) 00時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 やっと、逢えた―――

[飛べないはずの翼を懸命にはためかせれば、ふわりと目眩にもにた感覚。

夢の中で飛ぶのより、もっと心許ないその感覚。
堕ちてしまわないうちに。と、何度も羽ばたきを繰り返し、列車へと――――

 コン コン コン
  コン コン コン

窓を叩くノックの音が、彼には聞こえただろうか]*

(334) 2014/10/09(Thu) 00時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―回想・家を出る直前―

[忘れ物はないか。と辺りを見回した時、目に止まったのは黒い傘。
道すがら返しに行こうかと悩んだけれど、
暗くなった今、明確な『目的地』に辿り着くのは不可能な気がして
代わりに一つ、通信を送る]

(339) 2014/10/09(Thu) 01時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:シメオンさん
――――――――――――――
昨日はありがとうございました。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
昨日は傘を交換してくださって
ありがとうございました。
しばらく急な用事で出かけないといけないので
返しに行くのが遅くなってしまいそうです。

シメオンさんがもしよければ、うちの玄関に
扉を開けてすぐのところにありますので

(340) 2014/10/09(Thu) 01時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

扉の鍵はあいているので、
ご自由にはいっていただければ助かります。

家の場所は地図を送りますね。

勝手なお願いで本当にごめんなさい


  [添付ファイル.地図jpg]
――――――――――――――――――

[手短にメールを打ち終えると
傘立てに傘を置き、住宅街を歩き出した]

―回想・了―

(341) 2014/10/09(Thu) 01時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
ありがとう。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
少しだけですが
私、飛ぶことができましたよ。

この分ならいつかは
囀れなくても唄えるかもしれません。

そのときには、約束の
私の好きな曲を――――

たくさん練習しておきます。

またいつか、お話できる時まで。

(343) 2014/10/09(Thu) 01時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 01時頃


[月の光の差し込める薄闇の中、ぼんやりと月を眺めてどれ程の時間が経っただろう。
傍に置いた懐中時計の針を見たのなら、思いの外時間が過ぎていて――"とんだ時間泥棒だ"、と月に喩えたかの人へと捧げる恨み言を胸に。
そうして漸く、その月から目を離したのであれば。図ったように、携帯端末が音を立てて震えはしただろうか。]

……、土産か。
それは嬉しい。どんな時計を…贈ってくれる?

[そろそろ見慣れたその名とアドレスに、知らずのうちに顔を綻ばせ。返信の代わりにぽつりと言葉を零しながら、眉を寄せて目を伏せる。
――嗚呼、折角。今宵の月が、恋しさをほんの僅かにだけ慰めてくれたと言うのに。
このタイミングで送って来るとは…これじゃあ本当に、ひと時たりとも彼を浮かべぬ事など出来ないじゃあないか。]



………、あの時は、太陽が昇らなければ良いと思ったものだが。

[あの夢の一夜へと、想いを馳せて。あの時話したささやかな趣味の話を、彼が覚えてくれていた事に歓びを。
彼のくれるという時計は、果たして如何なるものなのだろう。年甲斐も無く踊る心を宥める気など、今はとてもありはしなくて。
全て置いて来たあの時計達も、また集め直さねばなるまい。そしてその最初の一つが…彼からの土産であるのなら。
それは何と、幸せな事だろう。]

……今は、太陽が昇るのが…何よりも、待ち遠しいよ。

[呟いた声に、最早皮肉も余裕もありはしない。只々その身を焦がす恋しさだけを滲ませて、最後にひとつ呟いた名は、月明かりの中へと溶けて行きはしただろうか。]*


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