人狼議事


197 獣ノ國

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視点:


【人】 双生児 オスカー

>>2:381直後、自宅アパート ―

[添えられたカードと包装は、ソファーの上に置き捨て。
真新しいベージュ色のキャスケットをくるくると見回しながら、ベッドの足元へと座り、そのまま後ろへと身を倒す。]

 (……季節外れのサンタクロース)

[キャスケットを顔の上に落とせば、下ろし立ての独特な香りが鼻を擽る。頭部にはかなり緩いそれも、鹿角の前ではギリギリか丁度と言ったところだろうか。

ふ、と視線だけを洗面所へと向ける。湿り切った赤ずきんは、また随分と緩みの多そうな物だったと記憶している。]

 …まさか、早々に仕事争いになるとは――

[想像してなかった…とはいえ、明日はキャスケットの出番か。
薄く開かれた鳶色を、闇へと落としかけつつ。緩慢な仕草で、枕元へ帽子を腕ごと置くと、微睡みの海へ意識を委ねた。

波間に揺蕩う最中。知らず知らず、曇天を胸に描いた震える指先は、未だ冷たい毛布を掻き寄せて。
雨夜を湛える瞼の裏に、繰り返し描く痛みを*滲ませた*]

(19) 2014/10/07(Tue) 02時半頃

双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 02時半頃


[走る汽車の窓から外をぼんやりと眺めていれば、景色の向こうに見えたのは見慣れた大きな科学塔。
朝陽を浴びて遠くに見えるそれは、とても、とてもゆっくりと窓の外を走り行く。
――あの國で過ごしたのは、果たしてどのくらいの間だっただろう。故郷と呼ぶには短く、旅と呼ぶには長いその年月。徐々に遠くなるその塔の影を追ってしまうのは、やはりそれだけの年月を其処で過ごしたのだと、言うことなのだろうか。]

………ん、

[そうしてふ、と。震えるポケットに気付き。其れを開いて見たのなら、そこには二通のメールの通知。何方も、差出人はあの歳の近い友人だ。
先に来ていた一通は、昨日の昼の"デート"を揶揄る一言と、"今日"より先の晩酌の誘い。
応える事の叶わぬそれには、小さく、小さく苦笑を漏らす。
最後に付け加えられた一文には、呆れたように肩を竦めはしたけれど。]



……フン。自分の方こそ、十分にお楽しみだったじゃあないか。

[大学で見かけた時に、彼の隣に居た少女を思い浮かべ。"唯の生徒と先生"ならば、この言葉の限りでは無いのだろうけれど。
懐かしむように目を細め、呟いた言葉はあの國に残る友人には、決して届く事は無いだろう。
借りた本は、結局返さぬままに持って来てはしまったけれど。まぁ、あの友人の事だ。もしもこの先会うことがあったのなら――酒の一つと此方の話とで、きっと許しては貰えるだろう。
そうして最後の追伸に、ふ、と――嗚呼、何時だっただろう。まだ自分の歳が二十の前半だった頃、酔った勢いで悪戯に詐欺を装い、彼に電話をかけたりもしただろうか。]



…出来るなら、最後にまた一度お前と酒でも交わしながら…話でもしたかったんだが。

[二通目のメールに目を通しながら、ポツリと漏れたのはそんな一言。このメールを飛ばして来たと言うことは、恐らくはあの本は無事に持ち主の元へと届いたと思っていいのだろう。
此方から本を貸す時、或いは彼方から本を借りる時。返すと言うのを理由にして、数え切れない日々を共に朝まで語り明かしたかの友人。神話の生物の事を主に研究している男と、民俗学から神話や都市伝説まで幅広く精通している友人と。
大学に用事がある時は、その授業風景を時折覗きに行った事もある。そして彼の話す話は、男の興味を酷く惹きつける物だったから。
自分があの國で最も近しいと言える友人は、今頃何をしているのだろう。]



………、あぁ。

[メールへの返信は行わぬまま、携帯端末に登録されている全ての番号からの着信を、拒否に設定する。全てを置いてきた中で、この小さな機械だけは置いて来ることが出来なかったのは――それは果たして、あの國への未練故か。
そうして再び窓の外へと視線を移し。既に見えなくなってしまった科学塔に、知らずのうちに声が漏れる。
向かう先は、長年使っていない別荘へ。きっと埃に塗れて"仲間"の巣も沢山張られているだろう其処を思い浮かべ…男はひとつ、諦めたように息を吐いた。

ガタン、ゴトン。
揺れる汽車に運ばれて、《蜘蛛》は漸く國の外へと。]*


[――ゴトン。
乾いた音と共に、床へと置いたトランクの周りで大きく埃の渦が舞う。
其れが肺に入るのを嫌うように――そもそも服に埃が付くことがそもそも我慢ならない事ではあったのだが――男は大きく眉を顰め、荒れるに任せるその別荘を見回した。
埃の絨毯はそれはそれは高く積み重なり、"仲間"の巣は至る所に張り巡らされている。必要最低限の家具はあるが、それでも暮らして行くには足りない。
――一先ず掃除は後回しにして、先に家具を揃えに行くか、と。この時間なら、無理を言えば夕方には届けて貰えるかもしれない――とそこで、ポケットの中で震えた端末に目を瞬かせる。]

………、待ち遠しいよ。

[家の外へと出ながら開いたメールに、漏れたのはそんな言葉。自分の声音に微かに滲んだ寂しさに苦笑しながらも、見慣れぬアドレスに僅かに目を見張り。
貰った名刺に書かれていたのは、"ジャニス"の名。そこに書かれたアドレスとは別のアドレスと…彼の名前に、男の顔には先とは別の笑みが浮かぶ。]


[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]

……――――。

[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]

……泣いていたな。

[去り際に彼が初めて見せた、その涙。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]


[彼の口からは、ついには"行くな"という一言は出はしなかった。男を困らせるような言葉は、一つたりとも出なかった。嗚呼、本当に――聡い子だ。もしも次に相見えたのなら、思い切り、我儘を言わせてやりたいものだ――あの時伝えられなかった言葉を、捧げながら。

そうしてふ、と手にした携帯端末に視線を落とす。
電話は拒否に設定したけれど、メールはそのままこの端末へと届く。そんな事を――相手からの一方通行だけを許すなんて、それは酷く未練がましい行為だとは…自覚はしているとも。
――嗚呼、だけれど。彼からのそのメールは慰みになどなりはしない。
更に募る恋しさに焦がれながらも、しかし今後ももしかしたら届くかもしれないそれを拒否する事なんて…どうしても、出来はしなかった。]*


【人】 双生児 オスカー

― 朝:自宅アパート → 本屋前 ―

[辺りはまだ、ひんやりと静まり返っていた。かつ、かつ、と短い階段を下る足音がいつにも増して、青白い空へと溶けた。

もう少し眠る余裕はあった。その合間に足が竦んでしまう可能性もまた、同じく。

――結局、使えそうなテキストと、アイロンの熱がまだ残る手拭いを鞄に入れて。
後はいつもと変わらない恰好に、ベージュのキャスケットを鹿角に引っかけるように被り足すと、足音静かに外へと飛び出たのだった。]

[馴染み薄い脇道を歩く、その道中。
ふと機器に光を灯せば、通知の文字と共に名前>>2:404が一つ。受信欄を開けば、もう一通未読のメール>>36に気が付いた。

少し迷った末に、今から会う彼の物を先に覗く。
詰めた息を吐きながら、他愛ない文面を読み進め――吐き過ぎた胸の重さと共に、画面を戻した。文面が彷彿させる温い空気に、浸りたくはなかった。

――それでも。
最後に置かれた一文には、少しだけ頬を緩め。あの時>>1:11の見えぬ心境を想像しては、冷めた瞳を不思議そうにはたりと瞬かせるのだった。]

(104) 2014/10/07(Tue) 18時半頃

【人】 双生児 オスカー

― →本屋前 ―

[帽子の恩恵もよく分からないままに、商店街を黙々と進み。未だ光の無い本屋の脇で、その足を止める。電灯の陰になったか、白い少女の姿>>88には気づかず。

窓の奥で潜めく闇に視線を通しつつ。鈍くも染み付いた動作でマフラーの巻きを整え、無意識のままに機器に光を灯す。
――意外にも、約束していた時間はそう遠くもなかった。

きっと、変わらない薄笑いを浮かべて現れるのだろう。
そんな予測をゲーム気分で立てては、相変わらず詰まったような胸の重さを吐息に乗せつつ、また伸びた話に目を通す。離席の文字には、少しだけ胸が心細さに震えた。

その場にしゃがみ込み、膝の上に組んだ腕に顎をかけていれば。ふと、握ったままの機器の振動が、視線を引き寄せた。]

 ――――、 …迷った?

[柔く細められた瞳が、届いた言葉>>79に笑う。もしかすれば、予測は外れるのだろうか。それはそれで、いいと思った。]

(105) 2014/10/07(Tue) 18時半頃

【人】 双生児 オスカー

――――――――――――――
宛先:シメオン>>79
――――――――――――――
Re:気にしないで
20xx年10月3日 xx:yy
――――――――――――――
本屋の前に。恰好は黒のコートにマフラー。後、キャスケット

そっちが先に着いてない事に、寧ろ安心した。大丈夫
――――――――――――――

[連なる言葉の明るさに胸を撫で下ろしつつ。近づいているであろう距離に想像が回れば、少しだけ眉根を引き攣らせた。
深く読み返す事も無く送信を押し、ポケットの内へとそれを落とす。

次に開く時は恐らく、彼と別れた時だろう、と。

すっかり固まりかけていた身体を軽く解しつつ、道の先で揺れ近付く人影を一つ一つ追っていれば。やがてそれらしき金髪の持ち主>>79に鳶色が瞬き、熱を帯びた。

――どこか宙に浮いたようなキャスケットのつばを僅かに持ち上げ、相手が気づいたようなら、軽く手を挙げて見せただろう。
そうして、一歩、二歩と互いの距離を重い足取りで縮めるのだったか。]

(106) 2014/10/07(Tue) 18時半頃

【人】 双生児 オスカー

[互いに向き合う形となれば、暫くその様子を眺めつつ、他愛ない挨拶を交わすのだったか。
それも一段落すれば、さあ、と密やかに息を飲み。白い襟を一瞬見遣ってから、マフラーから露出させた唇を押し開く。]

 …それで、図書館にでも行く?

[―― 一人で? 二人で?
どうしてこうなったのだろう、と今更な感想は胸に積もり、呼吸を圧迫する。想像し続けたかいもなく、堪えきれずに視線は地に落ちる。]

 ……これから、 ――どうする、シメオン?

[息を詰めたまま、キャスケットを取り去る。今頃は、相手の暗灰色の瞳に、枝のような鹿角が映っているのだろうか――なんて]

(107) 2014/10/07(Tue) 18時半頃

【人】 双生児 オスカー

[――考えなければよかった。
そう思うよりも先に、ツンと早くも鼻の奥に熱が込み上げる。じわり、と目元へと昇ろうとするのは、口を引き締めて必死に押し留めた。

本当は、少しは恰好を保とうと、何でも無さげな笑みでも浮かべて見せたかったのに。仮に、一瞬でも友達だったのなら。そういうのが優しさだと、いつか見た本の感想をまま思い出す。

不甲斐なさを前に加速する熱に、眉間に薄い皺を寄せて。相手の両手へと、行き場に困った鳶色を向ける。
鹿角の根本がピリと痺れ、寒気立つようだった。いつでも言葉を続けられるようにと、喉奥を鳴らす息がとうとう、震えだす。

――あぁ、でも。

…それでも、逃げ出したくないぐらいには。
彼を友達だと、自分は既に思っていたのかもしれない。**]

(108) 2014/10/07(Tue) 18時半頃

双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 18時半頃


【人】 双生児 オスカー

― 回想:>>104直後、商店街付近 ―

[本屋に辿り着くまでには、まだ時間も距離もあり。
ならば、と二つ目のメール>>2:404を開き読めば、先(>>104)とはまた別の意味で胸に言葉が詰まった。]

 (……答えになってない)

[眉根を寄せては、細い溜息を零す。
大切なものは、大切…という言葉自体は理解出来るものの、聞きたかった解はそれではなく。]

 ……――あー…聞き方が、悪かった?

[直前に送ったメールを読みつつ、小さく唸る。何となく、から始まった疑問は、いつの間にか胸の隅にすっかり根を下ろしているようだった。
寄せた眉もそのままに、少しずつ冷えだす指が文字盤を叩き始める。]

(146) 2014/10/07(Tue) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

――――――――――――――
宛先:青桐
――――――――――――――
Re:
20xx年10月3日 xx:yy
――――――――――――――
すっかり寝てた。おはよう

初回無料、みたいな? サービスは、合ってる。多分
ああ、それなら、五十蔵先生に手拭いの届け物と「昨日はありがとうございました」って伝えてほしい

…どうして、俺が大切なの? 獣だから?
俺は何もしてないし、吉さんの事、何も知らない
――――――――――――――

[友達といい、大切といい――どうして、こんなにも軽いのだろう。自分が重く捉え過ぎている、という面もあるのだろうが。

結んだ唇の裏で、物言いたげな歯が滑り、堪える喉がこく、と鳴る。送信済みに表示される"青桐"の名より、"吉サン"の方が好きだと思った。]

 ……、 ……そういえば。腕、治ったのかな。吉サン。

(147) 2014/10/07(Tue) 22時半頃

双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 23時頃


―街中の喫茶店―

[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]

…珈琲を。豆は…

[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]


[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]

――……殴られた?

["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]

……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。

…帰りに氷を買っていくか。

[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]



………、美味いな。

[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。

嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。

――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。

そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]

…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。

あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。

[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]

…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。

[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]


[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]

…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。

[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。

初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。

…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*


【人】 双生児 オスカー

[それは、あの日と少し似ていた。手を差し出し、それが取られる瞬間>>1:11に。
止まったその手>>165、微かに感じ取れる鹿角への視線。その辺りは想定通りだと、唇の先から細い息だけが漏れる。]

 (――あまり驚かないんだね。…皆そうだったけど)

[第一声>>166への感想は、その程度。と胸の中で、他人事のように締めくくる。込み上げる熱は収まりも、溢れもせず。なみなみと注がれたコップのようだった。

…訪れてしまう想定通りの沈黙に、地を、布が擦る音が乗る。
呼びたい名は、喉奥で止まっていた。口にした拍子に、立ち去られないか、他の物が零れてしまわないか、ありきたりの心配ばかりが脳裏を駆けて。囁く。]

 (ほら、――逃げる? 追いかけも、襲いもしないよ)

[それは、どちらへ向けた言葉だったか。
知らず知らず重なろうとしていた、静かに零れる互いの息の音が、喉の締まる高い音と圧に混ざって、不規則な音へと戻る。*]

(202) 2014/10/08(Wed) 03時頃

【人】 双生児 オスカー

 ――っ、 ………、

[撫でるような声>>167だと思ったのは、そう――。
咄嗟に飲んだ息が、唇に僅かな音を生み、早鐘を鳴らして回る。目が回りそうな熱の中、首だけをどうにか横に振り、堪えた。

鼓動が耳に焼き付く中、警戒の薄そうな歩みは、ただ呆然と見守るしかなかった。
やがて、止まっていた気配が腕へ伸びれば、数拍遅れて、固まり切った指はキャスケットを地に捨て落とし。相手の手首を、震えと共に掴み取った。

手首は掴んだまま、その場に崩れるようにしゃがみ込むと。漸く、その表情をゆるゆるとした鈍い仕草で仰ぎ見た。
その上を掠れた声が過ぎ、暗灰色が日常めいた言葉と共に、鳶色へと落ちれば。深く息を吸って――滲んだ鳶色が伏せられる。]

 …… ……シメオン、が …こわい

[足元に落ちたキャスケットに、灰色が滲む。
――今の方が、逃げるよりもかっこ悪い気すらした。]

 …――これでも こんなでも、俺を友達だと、呼ぶの。

[手首を掴む指は、振り払おうと思えば振り払える強さまで落ちて。引き攣り震える声が、成り損ないの軽い声色で問いかけた。]

(204) 2014/10/08(Wed) 03時頃

双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 03時半頃


メモを貼った。


―自宅―

[郊外にある自宅に戻り、まず行った事。それはスーツの上着を脱ぎ、袖を捲り上げる事だった。
箒に雑巾にモップに。一通り買い揃えて来た掃除器具を手に持ち、気が遠くなる惨状から目を逸らさずに掃除を始める。
人を雇う、という選択肢は最初から男の中には無い。自宅に人を入れる事を、男はあまり好んで居なかった。
うず高く積まれた埃を払い、床を磨き。日が傾く頃には漸く、全ての部屋を掃除し終えただろうか。
そうして運ばれて来た家具を受け取り終えた時には、もう日はほとんど暮れかけてしまっていたけれど。]

………、歳かな。

[シャワーを浴び、身体に付いた埃を落とし。バスローブを羽織ったまま、ソファに身体を沈める。
そのまま数分、軽い微睡に身を任せてはいたけれど。新しく買ったヤカンの湯が沸いてきた音が聞こえたのなら、立ち上がり棚から珈琲の豆を取り出す。
昼間に行った喫茶店で買った豆だ。ミル等も、あの店で揃えさせて貰った。
未だ手に馴染まないそれでガリ、ガリリと豆を挽きながら、ふ、と。あの友人に借りた本の事が、頭に浮かんだ。]



……"外"に、誰か居たかな。

[異国の言語で綴られたその本を思い返し、男は豆へと湯を注ぎながら訝しむ。ここは最早、國の外なのだ。多少は読めはするものの、やはり訳が欲しくはあるもので。
――最悪、自分で訳すか。
興味のあるものに対しては、そんなものはさして苦にもならない。
男からの返信が来ぬ事を、きっとあの友人は訝しんでいる事だろうけれど――返信は、そこそこに豆だったものだし――今や、どうする事もなく。
まるで神隠しのように消えた自分を、彼は果たしてどう思うかと苦笑しながら、ソファに再び身を沈めながらこの地で初めて淹れた珈琲を味わう。]

――……む。

[――嗚呼、少しばかり温度が低かったらしい。新しい地で、新しい道具で。今迄通りとはいかないものということだろうか。
そうして溜息をひとつ。少々味気ないものになってしまったその液体に、男は小さく、肩を竦めた。]


【人】 双生児 オスカー

[――変わらないな、と伏せた鳶色は思った。
緩んだ暗灰色>>205の闇は、ゆらり、ゆらりと揺蕩うように視界を満たし続ける。焼き付いた色に、胸と喉を詰まらせるのは、意地のような行為になりつつあった。

どこから意地だったのだろう。ふつりと湧いた疑問は、また少し瞼を強張らせ。それでも、曲線を描く唇には僅かな隙間を残した。
下る気配を耳が覚れば、僅かに顎を引く。引いたつもりの鹿角が、僅かに前へと出る事になってしまった事に気づいたのは、一寸後の事だった。]

 ――、 …………。

[虚を突かれたように、瞳は伏せたまま睫が跳ねる。
怖い理由は、明白だった。明白だったからこそ、口にする事が恐ろしく、こんな事になっているのにと、自分でも相手でもない何かへ思考が詰る。]

 (…度胸が無いから)

[同じ意味か、否かは別として。もし、言葉を返すとしたら、そう。
迂回するような言葉で、思いを煙に巻く。

譲歩、なんて言える身でない事は分かっていても、それで零れ落とす物があるとしても――思えば思う程、熱が詰まり、目から落ちたが――核心の一枚外を、解として紡いだ。(>>204)]

(254) 2014/10/08(Wed) 17時半頃

【人】 双生児 オスカー

 …… …… 分からない、 ――人。

[どうしたら信じられるのか。なんて、何一つ考えていなかった事を。それを今、突きつけられた>>206のだと。すうっと覚め行く頭は、自覚した。
見透かされている、と過ったのは錯覚だろうが。恐らく。

――同時に、出会って数日にも満たない相手に、何を求めているのだろうと。口端が温い息を溜めたまま、嘲笑う。]

 ――そう。
 聖人とか。そういうのじゃない、 …普通の――ごめん。
 …放っておくのが、不安な――――、

[どこまでその像が本物なのか――そんな捉え方しか出来なくなっていた自分を一言一言矯正しながら、曲げながら。
掴んでいた手首は、離した。暗灰色が届き、絡まり落ちる前に、両の目元を潰すように袖で拭う。

甘ったれ、と自責を浮かべれば、歪であれ、どうであれ口元は持ち上がる。
そういう所だけ上手くいく、と眉だけは僅かに顰めつつ、胸に冷たく刺さる空気を浅く吸って――、]

(255) 2014/10/08(Wed) 17時半頃

【人】 双生児 オスカー

 ――…ともだち …になりたい、 ……奴。

[拾われたキャスケットに片腕を伸ばし、鳶色を逃がし。聞かれたくないからと相反した気持ちで、自ずと尻すぼみになる声を肯定する。
…重ねに重ねた想定とは、別の意味で逃げたい、とも。

流石に、そこまで踏み込まれはしないだろうと、マフラーに鼻先を埋め。もやもやと、落胆とも諦めとも言えそうな色濃い息を、零す。]

 (…――もう、どうにでもなれ)

[そう思えただけ、確かめようと試みた価値はあった。
一瞬先にどんな結末が来ようとも、それだけは言い聞かせ、認めてしまおうと。

――春を描いた便箋に、思いを馳せた。**]

(256) 2014/10/08(Wed) 17時半頃

双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 18時頃


双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/08(Wed) 18時頃


【人】 双生児 オスカー

― ???:→本屋前 ―

[――シメオンと別れたのは、一体いつの事だったか。ともあれ、遅くなる前に、なるべく早く、と走り。細い道を抜けて行った。

そうして、本日二回目。本屋の前へと辿り着けば、肩で息を吐きつつ、店先へと近づき。カウベルのあるであろう辺りに視線を飛ばしては、一段と大きな息を地へ吐くのだった。]

 ――…、 …、 ……あ …れ?

[ふ、と顔を上げては、目を瞬かせる。
店内は妙に、暗かった。マフラーの層を下へとずらしつつ、怪訝そうに首を傾げては、窓から中を窺う。

――薄っすらと雲間から零れる陽光が窓辺に差し込む他に、店内を横切るものは、ない。]

[履歴書を持って来る――というのは今日の話だった筈。

ふと、ポケットから機器を取り出し、光を灯しては、そこに表示される時間を見遣る。営業時間と照らし合わせてみても、時間に問題はなさそうだった。
なら、と困惑したように唇が緩く曲がり、浅い息が鼻から抜ける。]

(289) 2014/10/08(Wed) 22時頃

【人】 双生児 オスカー

[腕を組みつつその場で考え込む事、一間。はっ、と唇から短い息を零しながら、瞳を瞬かせた。]

 ――――そう、だ。 店の、電話番号とか、……

[――こんな事になるなら、昨日聞いておけばよかったか。
店先に書いていないか、暫く扉、窓、看板と視線を走らせる。だが、それらしき物が少年の目に留まる事はなかった。

…流石にお手上げだ、と。じんわりと疲労で痺れる足首を、くるりくるりと回しつつ。
もう一度、静けさを保つ店内を窓越しに覗いては、肩を丸めながら踵を返し、のろのろと歩きだす。

――運悪く、配達か何かと被ってしまったのかもしれない。何せ、一人か二人かで営業している本屋だ。

ぼんやりと店についての記憶を辿りながら、また一つ、疲労の滲んだ息を落とし。ぼんやりと再度手に取った機器に表示される新着を、惰性のままに開き見た。*]

(290) 2014/10/08(Wed) 22時半頃

[日もすっかりと沈み、町の喧騒も遠く消えた頃。あのぬるい珈琲を渋々と楽しんだのなら、男は寝室へと向かう。
バスローブから着替え、部屋の小さな灯りを灯し。机の前の椅子に座り、ふう、と息を。
――本当なら、もう少し小さなベッドで良かったのだけれど。
近くに見える、大きなベッドに視線を移せば、小さく、小さく笑い。年甲斐も無く、彼が此処へと来るのを楽しみにしている自分に、少々呆れもするけれど。]

……明日か、明後日か…、来週…来月。

[もしかしたら十年、二十年後かもしれない、と。朝に届いたあの二通のメールをもう一度開きながら、そんな呟きをひとつ。
この文面を見る限り、そう遠くないうちに会えるのだと、ついつい期待はしてしまっているのは事実だけれど。
――嗚呼、一日千秋の思いとは、こう言う事を言うのか、と。浮かんだその考えに、男は部屋で一人、小さく吹き出した。]


……まさかこの歳で、そんな初々しい事を考えさせられるとはな。
俺に責任を取れと言うなら…取ってやるとも。
だが、君にも取って貰うぞ…ヨハン。

[画面に浮かんだその名を、慈しむように指でなぞり。呟いた"恨み言"は、彼には届きようも無いけれど。]


[――嗚呼、嗚呼。彼をもしも再び、この腕の中へと迎える事が出来たのならば。
そうしたら、今度こそ。嘘偽り無く、きっと離しはしないのに。
移ろう月のように、この気持ちは決して変わったりはしない。例え彼がここに来るのが十年の後だとしても、百年の後だとしても。
この生ある限りは、焦がれに焦がれながらも彼の姿を待ち続けてやろうと。]

――……我ながら、執念じみている。
だが、余りに来ないようなら…迎えに、行ってしまいそうで怖いよ。

[クツ、と一つ喉を鳴らし、キチリと響いた指からは細い糸がたらりと垂れて。
獲物が巣に掛かるのを待つではなく、待ちきれずに獲物を追い掛けて行くなどと、何とも《蜘蛛》らしくは無いとは思いつつも――それもまた悪くない、と。]

……綺麗な月だ。

[そんな想いを胸に密かに滲ませて、男は部屋の灯りを消す。
窓に見える仄かな月の姿にあの白を重ね、愛おしいあの姿を重ね。
"嗚呼今宵の月は何と美しいのだろう"、と。
――そんな事を、思いながら。]*


ー回想•昨晩、一時過ぎー


[気がついたら銀河鉄道に乗っていた。


(…気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座すわっていたのです。)



ベネットは窓の外を見た。ああほんとうにまるで銀河鉄道の夜みたいに、ジョバンニみたいに、青白く光る銀河の岸に、銀いろのすすきがもうまるでいちめんさらさら さらさらと波を立てていたので、ここは銀河鉄道だった。

銀河ステーションもカムパネルラも、黒曜石でできたりっぱな地図もないけれど、ここは銀河鉄道だった。


銀河鉄道だった。


銀河鉄道ーーー…?



[はた、とベネットはそこで思いとどまった。そうだ自分は、黒髪の少年と、銀色の少女とバイトの話をして、それから…………それから?

うんうんと思い出そうとしても、しろいもやがかかったようで思い出せない。目をつぶれば暗闇にちりばめられた緑や橙や青の光がじゃまをして、なんにもわからないのだった。

ああでも、容姿がほんとうに少女がカムパネルラで、少年がジョバンニのようだ。二人が来たから、もしかしたら二人の今生の幸いのために自分が代わりに連れ去られてしまつたのかもしれない。
なんて、馬鹿馬鹿しいけれど。

不思議と逃げ出したいとは思わなかった。ただただ、放置して来てしまった二人のことが心配だった。困惑しているだろう。嗚呼ヤニクとの約束も、こちらが破ってしまった。性格がよろしいとは言えない彼だから、怒っているかもしれない。本をどれでもひとつもっていっていいから赦してくれないだろうか。伝える機会もないけれど。


メモを貼った。


【人】 双生児 オスカー

― 回想午前:本屋前 ―

[短く返された声>>291に、跳ねるように喉が小さな音を鳴らす。
一段と響く心音に言葉は散り、胸が騒めき、神経ばかりが尖って行った。

自然と、漠然と視界は固さを帯びる相手の腕を映す。その意味を深く考えるよりも先に、鋭さを伴って胸を刺した。
逃れるように、袖を目元へと寄せては拭い(>>255)、暗中に手を伸ばすような恰好のままに、言葉を続けた。(>>256)]

 ……どうしたら、いい? …――何、するの。皆。

[落ちかけた手>>291に逡巡しつつ、投げかけられた問い>>292に鈍い動作で首を横に振る。相手がその口端を震わせる理由にもまた、同じ物を抱きながら。
日頃避けていた"不登校者"の意識が零れた事には、気づかない。

――そして。染み付いた距離外の事柄に。一間、赤い瞳を強張らせ、喉奥にて音も無く息を唸らせた。
遥か過去の自分なら、持ち合わせていたかもしれない解を追いかけたい、と。せめて、と。錆びていた思考を回す。]

(314) 2014/10/09(Thu) 00時頃

汽車のなかに自分はひとりだ。

カムパネルラが姿を現さなければ、ジョバンニはずっと、ずうっと、白鳥の停車場にも、プリオシン海岸にもいけず、北十字も見られず、鳥を捕る人にも会えずにくらい銀河のなかを走り続けてゆかねばならないのかもしれなかった。]


ひとは誰もが、自分だけのカムパネルラを探している


[そう喩えたのは誰だっただろう。自分の暗闇を照らす唯一の光を、照らして手を伸ばしてくれる誰かを探している。

そのカムパネルラが、どこまでもゆこうと言った途端に消えてしまうのだ。銀河鉄道は、そうゆうことを表しているのであり、カムパネルラもまた、人間だったのだ。

賢治のカムパネルラは妹のトシだった。


カムパネルラーーー信仰を一つにするたったひとりのみちづれが消えてしまうそのことに、何度胸を打たれただろう。

黄玉(トパーズ)や青宝玉(サファイア)を散りばめたような賢治の世界が、窓の外に広がっている。


【人】 双生児 オスカー

[――だが。その最中、軽く投げられてしまった”今度”の新たな問題>>292に。逆に掴まれる事となった手首に。本能混じりに頬を引き攣らせ、目を瞬かせた。]

 ――…え、間に合 っ…――、 こん、ど?

[じり、と蹄が身動ぎ、鳶色が僅かに見開く。
一瞬、絵具を広げたように色付いた解を、消える前にと思考が慌てて追いかけた。答えを掴もうと、口を僅かに数度ほど開閉させて、――控えめな声が、文字に乗る。]

 ……、 今度、――また、…会える?

[ふ、と顔を持ち上げ、暗灰色を見据える。鼻の奥にまた熱が溜まりそうになりつつも、少しでも見なければ覚れない、鈍い自分を急き立てた。

それは、気のせいでも、妄想でもないと、いい。

緩々と息を零し――気の早い唇を口内へと巻き込み、真っ直ぐ結び直し。無意識に落ちそうになる瞬を、惜しんだ。]

(315) 2014/10/09(Thu) 00時頃


孤独の散乱する、綺麗な空だった。


けれども自分には、カムパネルラはいないのだ。
いつだって、いまだって。



このまま何処へゆくんだろう。


大声で泣いた。少しだけ笑った。

このまま何処かへゆくんだろう。



ことんことんと、振動音だけが響いていく。]


双生児 オスカーは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 00時半頃


[月の光の差し込める薄闇の中、ぼんやりと月を眺めてどれ程の時間が経っただろう。
傍に置いた懐中時計の針を見たのなら、思いの外時間が過ぎていて――"とんだ時間泥棒だ"、と月に喩えたかの人へと捧げる恨み言を胸に。
そうして漸く、その月から目を離したのであれば。図ったように、携帯端末が音を立てて震えはしただろうか。]

……、土産か。
それは嬉しい。どんな時計を…贈ってくれる?

[そろそろ見慣れたその名とアドレスに、知らずのうちに顔を綻ばせ。返信の代わりにぽつりと言葉を零しながら、眉を寄せて目を伏せる。
――嗚呼、折角。今宵の月が、恋しさをほんの僅かにだけ慰めてくれたと言うのに。
このタイミングで送って来るとは…これじゃあ本当に、ひと時たりとも彼を浮かべぬ事など出来ないじゃあないか。]



………、あの時は、太陽が昇らなければ良いと思ったものだが。

[あの夢の一夜へと、想いを馳せて。あの時話したささやかな趣味の話を、彼が覚えてくれていた事に歓びを。
彼のくれるという時計は、果たして如何なるものなのだろう。年甲斐も無く踊る心を宥める気など、今はとてもありはしなくて。
全て置いて来たあの時計達も、また集め直さねばなるまい。そしてその最初の一つが…彼からの土産であるのなら。
それは何と、幸せな事だろう。]

……今は、太陽が昇るのが…何よりも、待ち遠しいよ。

[呟いた声に、最早皮肉も余裕もありはしない。只々その身を焦がす恋しさだけを滲ませて、最後にひとつ呟いた名は、月明かりの中へと溶けて行きはしただろうか。]*


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