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―いつか・廃屋の外で―
[亡骸と遺品を残し、コリーンが廃屋を後にする
右腕に宿るヴェラも、当然彼女と共にある。
去り際、ふと捉えた、その場所へと入って行く人影……
コリーンは気づいていなかったのかもしれないが、右手はちゃんと彼女を見ていた。
無事だったな、の後に続く言葉は、氷の魔物への確信]
……お前だったのか。ホレーショー。
まったく。そうと言ってくれれば手加減などしないものを。
[こんな状態なのだから、偽りの強言の1つくらいは、許して欲しくれと求めたい。
何もない廃屋に入って行くソフィアが、あの魔物だとは思えないのだから。
声をかけてやりたかったが、魂はどんどん彼女から離れて行く]
弱いままでいい。
[ヴェラは、ぽつりと呟いた。
群の中には、力を持たないものもいる。だから、外敵が現れたなら、父親の狼が前に立ちはだかり家族を守る。
癒し手のソフィアは確かに重要な能力は持ってはいるが。
ただ、自らを弱いと名乗るのとともに、折々感じていた自信のなさから、父親の背に隠れている子供の狼を想起してしまうのだ]
弱いままでいい、が。
[父親が倒れたら、母親が立ちはだかる。母親が倒れたら、年長の子供が立ち上がる。
強い者から、弱い者へと、その立場は引き継がれ……だから]
精一杯、戦え。
[彼女がその場で見た光景に、何を感じるかは分からないが。
もう見えないソフィアに向けて、弱い者同士のエールを送った]*
[―やがてコリーンはその場所に辿り着く。
そうすれば、彼女の右手に宿る魂にも其処に広がる光景が見えた。
ヤニクを生贄にせんとするホレーショーの姿。
けれど、ヤニクの身体に右手を置いたまま、ホレーショーは動かない。]
…ホレーショーさん。
[名前を紡ぐ事は出来ても、自分には彼の‘声’が聞こえる故に、早く糧にとは促せない。]
【人】 放蕩者 ホレーショー[どれだけ逡巡していたのか。 (23) 2013/06/21(Fri) 23時半頃 |
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 放蕩者 ホレーショー − 広場 − (24) 2013/06/21(Fri) 23時半頃 |
【人】 放蕩者 ホレーショー……泣いているのか…。 (25) 2013/06/21(Fri) 23時半頃 |
―止まった手―
[男の背に近づいていく
ヤニクを生贄とするのを、確かに止めていたその手
『救済』の思考を持たないヴェラには、ヤニクは僅かに延命をしたようにしか感じなかったが……。
意図が分からず、先ほど感じた思い
やがて、こちらに向けられる言葉。『決着』の2文字。
やがて氷の魔物と化したホレーショーは広場へ向かい……]
いかんな。一度思い始めると、気になってしかたがない。
それに……。
[ヴェラの魂は、狼を象ったまま、ふわりと浮遊する。
行く先は、先ほどの呼びかけが
すまんが。ここ、構わないか?
[詫びや、再会の言葉を排し、共にいても? と問いかける。
この場所にはツェツィーリヤの魂も、まだ共にいたのだろうか。
ホレーショーの動きを気にかけているであろう、彼の邪魔をする気は、今のところない。
ただ、ふん、と鼻息をつき。言い訳のように付け加えた]
私は、1人でいると寂しくて死んでしまうタチでな。
[殺し合った者同士。断られたなら、当然距離を置くつもりだが。
見守る、と誓ったが。この結末を1人で受け入れるのは、弱いヴェラには少し荷が重すぎるのかもしれない]
イアンといるならばツェツィーリヤとの会話も、もちろんお邪魔をするつもりはない。
[僅かに呼吸に上下する胸]
[次第に弱くなりながらも、拍動し続ける心臓]
[あの時のように、心と体は生死の狭間に在る]
[止まぬ雨]
[このまま時が過ぎれば、いずれ…]
…あ。
[
―彼の魂があるのも当然、感じていた。]
…いい、けど。
[彼と殺しあった事。
彼らを裏切った事。
どちらつかずの自分。
それらを鑑みれば、どう接したらいいか目は泳ぐが。]
…狼なのに兎みたい。
[言い訳のような言葉には、ぽつりと呟く。
ツェツィーリヤの姿があれば、大丈夫か、と聞いただろう。]
[イアンの返答
そして、仮にツェツィーリヤがいたとしても、彼女の返答の前にふてぶてしく座り込んだ]
遠慮はしないぞ。
もっとも、邪魔になったら尻を叩いて追い払えばいい。
[目を泳がすイアンのことを、ちらりと狼の目で見やり]
……どっちも生き物だ。
たいして変わらん。
[尻を叩かれたら飛び起きるだろうが。
ともあれ、今はそう言って両前足の間に顎を置き、外の世界へと感覚を澄ました]
[頬に触れた手]
……俺が生かされたことに。
貰った命に、意味があるんなら…
[翳された右手へと、魂は手を伸ばす]
…使い切ってくれ!
派手に使って、ぶっ倒そうぜ!!
なんも出来ねえで、このまま終わるなんて嫌なんだ!!
[肉体に残った、なけなしの生命力]
[体に囚われたままだった、魂の意思]
[力へと変換され、魔法へと昇華する!!]
[
廃屋の中、人の姿で狼の姿の彼と話していた時から、そう経っていない筈なのに。
座り込んだその姿を拒む事はしない。]
この状況で、邪魔とかないでしょ。
[野犬を追い払うみたいに、彼に接したりはしない。
狼と兎。大して変わらないと言われれば。]
…そうかなぁ。
[肉食獣と草食動物。結構変わると思うけど、と思いつつ。
【人】 放蕩者 ホレーショー[ぎょろりぎょろりと、餌を求めて忙しなく動かす目に (31) 2013/06/22(Sat) 01時頃 |
【人】 放蕩者 ホレーショー[今しがた喰い損ねた魔法使いの供物だと気付くと、 (32) 2013/06/22(Sat) 01時頃 |
[追い払われないこと
似たようなもんだ。
どっちも食って生きて……。
[コリーンの手が、ヤニクに触れる
両手と体を覆う、無数の有刺鉄線
力強い青年の決意
いつか死ぬ。
[イアンの心中は分からない。ただ、ヴェラはかつての群の仲間に。
声と共に、身に纏った生贄魔法を放つ魔法使い
ぶちかませ、と心の中で呟いた]
【人】 放蕩者 ホレーショー[降り注ぐ茨の雨は確実に尾だけでなく、 (34) 2013/06/22(Sat) 01時頃 |
[―その括りで言うなら、魔物も人間もそう変わらないんじゃないのか。
けれどそれは口には出さない。]
…っ…。
[魂を使って発動させる生贄魔法の力の強大さは、喰らった自分が一番よく分かっている。
茨の雨を喰らう同族
…げ、て。
―生きて。
そう願うのは、彼にとって重荷だろうか。
―それでも、願う事をやめられない。]
【人】 放蕩者 ホレーショーウオアアアアアアアアアッッ!! (35) 2013/06/22(Sat) 01時半頃 |
[茨の鉄線が降り注ぐ
唇を噛み締めるイアンの表情をちらりと見つつ]
…………。
[声をかけることはしなかった。
食い込み、突き刺さり、鉄線により傷つく魔物の体
多くの魔物との戦いで聞きなれているはずなのに、その悲鳴に、思わず軽く目を細める。
無数の茨を纏ったまま、こちらに近づこうとする魔物の体は。
円月輪
振り上げられる、かつて一度止められた鉤爪
[会えたのかというイアン
まだ会えては居ないが、いずれ会えると信じている、と。
そんな意味を含んだ笑み。]
壁……そうですか?
……そうかもしれませんね。
[壁を作り。
ツェツィーリヤはは、もう二度と
あのような思いを、したくなかったのだから。]
【人】 放蕩者 ホレーショー[その身を引き千切る様にして蜥蜴は進む。 (38) 2013/06/22(Sat) 01時半頃 |
メモを貼った。
【人】 放蕩者 ホレーショーヲ前に、生きてイテ欲しカッタ……。 (39) 2013/06/22(Sat) 02時頃 |
[−例え出会ったばかりとはいえ、少なからず言葉を交わした。
正体を暴かれる身となっても、
戦友を手に掛ける事になっても、自分は孤独ではなかった。
だから。
彼が何と言おうが、
自分にとって彼は、‘他人’ではない。
間近に届く彼の苦痛の声を遮らず。
茨の鉄線に、円月輪に、
その身が深く傷付けられても尚、コリーンに立ち向かおうとする氷蜥蜴の姿をじっと見つめる。**]
メモを貼った。
【人】 放蕩者 ホレーショー[目の前で逸れる円月輪>>40 (41) 2013/06/22(Sat) 02時頃 |
……皆さんにも、そういうものがあったのでしょうか?
[ツェツィーリヤは小さく呟いた。
何かを失ったこと。
再び会いたいと思った存在。
魔法使いを長く続ければ続ける程、
失うモノは多くなる。
それは、きっと
魔法使いの悲しい宿命。]
[魔法使いになったということは、
何かを守りたかったのだろうともツェツィーリヤは思う。
ツェツィーリヤも、また。
初めは何か――もう忘れてしまったけれど――を
守りたいと願い。
そして、セシルを失ってからは。
彼の為に生きたい――死にたいと願った。
一歩間違えれば、おそらく彼女も
二人のように魔へと落ちた可能性もある。
落ちずに済んだのは、
おそらく―― だったからかもしれない。**]
【人】 放蕩者 ホレーショー[『聖杯』はきっと悪魔の盃。 (42) 2013/06/22(Sat) 02時頃 |
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