人狼議事


251 【誰歓RP】鬼渡し

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―隠神社:鳥居の下―
[泣き疲れた明日香は蹲り、思考を停止していた。
泣いてた時同様、誰かが声を掛けてくれることを待っていたのかもしれない。
でも、それはあり得ないだろうというのは、さすがに気付いていた。

これからどうしよう。
呆然とそんなことを思うが、まだ立ち直れていないせいで思考ができずに。
ただただ蹲ってぐすぐすと鼻を鳴らしていた。**]


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[腕が空を切る感覚と
熱が離れて行く名残惜しさと
ひんやりとした夜の風が一陣。]

 あ、れ…?

[目を閉じていたわけではないけど
今までの景色と打って変わって静かな田舎の神社の雰囲気に
自分が今まで寝ていたのかと錯覚する。
遠くの方はまだ夕焼けが残っており、薄暗くなってきた。
そんな頃合い。おそらく時間はさほど経っていないように思えた。]

 さっきまで…。

[抱きしめていた、誰かを。
長い髪、田舎育ちに不釣合いな白い肌。
薄手の寝巻き。]

 櫻子!
 


 あ、そうか俺…。綾瀬明日香に捕まって…。

[記憶を辿れば、その後の自分の情けない言動やら恥ずかしい言動やらも
ばっちり覚えている。いや忘れられるものなら忘れたかった。]

 うわーーー…。
 俺はなんちゅうことを…。
 恥ずかし過ぎて死ぬ…。ばか恥ず…。

[と両手で顔を押さえてしばし*もだえた*]


─隠神社:社務所─

[ここにずっと居ても始まらない。
そう思うと足は境内の中をうろうろと。]

 おーい、櫻子ぉー、実代子ー、晶!
 智花ぁー、おさかなくーん!!

[呼べど返答があるわけもなく。]

 おいおい…マジかよ。

[そんな時だろうか。
ぐすぐすと人の気配を感じたのは。]

 誰かいるんか?

[そう言うと鳥居の方に見つけた人影に向かって走っていった。]



 …ッ……。

 綾瀬  明日 香…?

[現世で見る彼女は、おどろおどろしさなどない
年齢相応の十の少女であった。
ぴすぴすと鼻を鳴らす彼女がこの現世で何を“見た”のか
大体は想像がつく。]

 …家、見て来たんか……?

[家か、村の景色か、人か、とにかくきっと彼女がいなくなった時と何もかも変わっていたのだろう。
そう思うとその幼い少女を慰めようと、腕を広げて招き寄せた。]

 可哀想に。こっちけぇ。

[少女はその声に応じてくれただろうか。]


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―神社:鳥居下―
[蹲ったままぴすぴすと鼻を鳴らしていると、名前を呼ばれた
のろのろと顔を上げると、どこか、面差しが善一に似てる気がする――――。]

 ……っ

[明日香の知ってる善一は子供だ。
目の前の大人は善一に似てるが知らない。善一の父親とも違う。
だから身構えたが]

 ……家、ねェっんだ どこにも……

[やっと泣き止んだのに、また視界が滲み出して。
「こっちけぇ」と抱き寄せられれば、しがみついてまたわあわあと泣き始めた。

抱き締められた温もりは、今、一番欲しかったものだから。**]
 


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[「家がない」そう言う明日香に親父譲りの眉をくしゃりとハの字に歪めて。]

 そっか…。
 帰るとこがねぇってのは、辛いろ。

[しがみついて泣く子の頭をごつごつした手でぽんぽんと撫でて、櫻子の時とは対照的に正面から明日香を抱きしめた。

明日香が泣き止むまでは特にこちらから話掛けることもせず、ただ背中をさすったり、頭を撫でたり。
少しでも不安な気持ちが癒えるように。]


[どのくらいの時間が経ったろうか。
あたりは静かなまま、他の人間……──自分が鬼を渡した櫻子がここに戻る気配はない。

一度家に戻らないと。
櫻子や智花、七尾の家のものも心配しているだろう。

そう思うと、明日香に目線を合わせてこう打診した。]

なあ、俺は七尾辰次。おめさん綾瀬明日香……だろ?
俺の“知り合い”がおめさんのこと知ってんらけど……
行くとこねんなら、俺と一緒に来ねっか?

いや、来てくれ。

[そう告げて、彼女が頷くのを見ると頭に大きな掌をのせて
よかった、と穏やかに微笑んだ。]


─七尾家─

[辰次は知らない。彼女が一度ここに訪れていることを。
家には村の人間が何人か集まっているようで。
己の姿を認めた若衆は辰っちゃん!と声を挙げて出迎える。

心細そうに腰のあたりにしがみつく明日香の背中を押し出すように優しく手を添えて。ぎゅっと裾を掴む手があれば、大丈夫と言葉を掛けて。]

皆は?!やっぱけぇってねんだろっか?!

[先に戻ったのは自分だけ、そう悟と苦虫をかみ潰したように苦悶の表情を浮かべて告げる。

神隠しにあったこと、櫻子を始めとする村の人間、それから村長宅に滞在していた刑部が共にいた事。自分と傍らの少女だけがあの不思議な世界から戻ってこれたこと。

傍らの少女は随分前に村で失踪したと言われる綾瀬明日香だ、ということ。]


[されるがままになりながら、ひたすらに嗚咽を漏らしていた。
ただ、掛けてもらえる言葉が嬉しくて、温もりが心地良くて。
辰次の服がぐちょぐちょになる、なんてこと気にする余裕もなかったから、不安が溶けきるまで泣き続け。
やがて泣き止めば、覗いてきた瞳を不安そうに、でも真っ直ぐ見て。]

 ……行く

[自分の名前を知ってる相手なら、この辰次とかいう大人の知り合いは、自分の知り合いなのだろうと安易に考え。
大人しく頭を撫でられた。*]


―七尾家―
[連れて行かれたのは善一の家だったはずの場所
前へ押し出されれば不安そうに顔を見上げて裾を握る。大丈夫だと言われても、一度奇異な目で見られた恐怖は中々拭い去ることはできず、不安そうにキョロキョロと辺りを見渡すだけだった。

辰次のする話は、自分が会ったときと同じような、覚えのない内容。
オニのウツワになっていた間の記憶は何となくしかないから、朧気に思い出せる程度で。]

 ぇ……ぁ、

[「随分前に失踪した」?
自分の耳を疑う。]

 なァ、兄ちゃ
 あっちがいなくなってどのぐれェ経ったんだ……?

[恐る恐る、小さな声で尋ねてみたが果たして聞こえたか。*]


「 てめぇッ…辰!!
 子どもらを……櫻子を置いて
 よぐけぇって来れたもんらけ!!! 」

[そう言うのは、北館の村長の息子、櫻子の父。]

「 場所はわかるのか?子どもたちの消えた場所は。 」

[智花の父は、冷静な言葉だが顔色は真っ青で優れない。]

 ほんに、勘弁……。
 それが、神社らろも、神社でねぇ変な場所だすけ……。
 この世でねぇような。

[そこまで言うと、気まずい空気を遮るのは
残酷な現実を突きつけるその瞬間。]



[何と言おうか、言葉を探るがうまい言い方が浮かばない。どんな言葉も、この事実を前に彼女をきっと傷つけてしまう。
嘘は言いたくないけど、本当のことなんてもっと言えない。]

 ……。
 これから言うことは受け入れがたいかもしれない。すぐに全部をわかる必要はない。
 
 ここは……、おめが神隠しにあってから
 うんと経った隠村だ。
 おめを置いて帰った善一が
 大きくなって、結婚して、子どもを三人産んで
 孫までこさえて、病気して死んだ。
 そんくらいうんと経っちまった隠村だ。

[明日香の目を見つめて言おうと思った気持ちが
その悲観そうな表情がどんどん歪むのを前に
何度揺らいだことか。
言い切った後、彼女をまだ見つめられただろうか。]


[怒鳴る声にビクッと体を震わせる。]

 あ、あん場所、あっちらじゃ行けね
 オニに手引きしてもらえねェと……

[小声でボソボソと呟くように、辰次の援助をしようと。]

[語られる事実
自分が生きていた時代より、遙か未来の村だなんて信じたくない信じられない。]

 嘘

[駄々捏ねるように辰次の服の裾を引っ張る。]

 んなこと言って、善ちゃんいるんっけさ?
 会わせれよ 会わせれ お願ェだ……

[私の目を見て嘘だと言って。]


[集まった村の男たちが子どもらを探そうと懐中電灯を取り出す。]

 神社だ。きっと子どもたちが戻ってくるとしたら…。
 隠神社。

 でも…、鬼は言ってた…。一人は帰ってこれないって。

[その言葉にどよめきが走る。
居てもたってもいられない者から車に乗り込み神社へと向かう。]

 俺…、村長のとこに報告に行く。
 すまねぇけど皆後のコトは任せた。

[昔から何かあれば、当事者は村長の元へと報告に行く。
そういう凝り固まったしきたりの中で生きてきた彼ら。
反論する者はいなかった。]



 えっと…。明日香ちゃん?
 難儀かったら俺の部屋に布団敷くけど…
 俺は今から村長…──北館の家に行くんだけど

 一緒に来るか?

[辛い話をした後は、神社から七尾家に来るのとはわけが違う。
同行してくれれば村長に説明もしやすいが…、彼女の意志を
村長したいとおそるおそる確かめてみる。*]


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