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[触れることのかなわぬ王女の傍に寄り添っていれば、
また一つ命の輪が切れたのを感じる]
…………。
[その命の輪が誰のものであったのかは、
意識を集中せずとも判った。判っていた。
悲しい、という感情は生まれない。
ただ彼の人が心安らかであればいい。
自分のように寂しさからの妄執に取り憑かれていなければいいと。
それだけを、ただ想った――]
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【見】 水商売 ローズマリー――朝・三階私室―― (@0) 2013/02/24(Sun) 13時頃 |
― reminisence/研究室 ―
[一仕事終えて、息を吐く。
妙な疲労感と頭重感。吐く息が少し熱い。
傷のせいか。
切り上げて休もうか、そう考えて―――]
……ノックくらいせんか。
[医師の目には当然入っただろう。
ピッパの遺体を包んだ白い布。
恐らく彼女が死んだことをまだ知らぬのではないか。
そう思い、丁度いいから話を……と思った瞬間。]
―――…おい、医者…
[倒れるミナカタの姿。
その後ろから現れる――青年の姿。]
― reminisence/研究室 ―
[名前も顔も見覚えのない騎士だ。
だが――羽ばたいた鳥。それで察しがついた。
ピッパとコリーンに何かしたという、騎士。]
……ふ。
ふふ、ふふふ……
[加担疑惑―――そう言う青年に嘲う。]
地下牢への招待券かね?
あそこも中々素敵な場所ではあるが――
今は遠慮させてもらおうか。
仕掛かり中の仕事が気になるんでな?
[ひゅ、と風を切って薬瓶が飛ぶ。
医師に避けろよ、と無茶なことを思いつつ。
割れた瓶の中身が床を溶かす。
飛沫でも飛んで騎士が撤退してくれればいい、そう思ったが。]
― reminisence/研究室 ―
―――ッ、ぐ、ぁ
[想像以上に青年の動きは素早かった。
断ち切られる神経。
下肢の力が一瞬で抜けて、斃れる体。]
[ …やくそく、だよ。 ]
[――――…急速に闇に飲まれる意識の中で
それだけははっきり聞こえた。
けど、それはもう。]
……、ごめ……ね…
[果たせない。
―――…頬を伝う暖かい感触も、もう感じることは出来なかった。*]
[王女の唇が自分の名前を調べるのを聞いて、
寂しさにしぼんでいた心は花が開くように暖かくなった]
ここに、いるよ。
[瞑目する眸。
決して彼女が死を悼んでいるわけではないと識っている。
それでも囁かずにはいられなくて。
風に乗せて、そっと紡ぐ。此処にいると。傍にいると。
ああ、だけど。
眸が再び開いても、そこには自分は映らない――**]
― 研究室 ―
[おかあさん。
呼ばれた気がして、頭を擡げた。
声は聞きなれているのに、妙な違和感。]
―――…ぁ
[死んだはずの女騎士が其処にいて。
そして生きていたはずの私が其処にいて。
それはつまり。]
……上手くいった、か。
[人工生命――ホムンクルス。
少し信じられないような気持ちで、動き回るピッパを見た。]
[言動は少し幼いようだ。
これは――生きていたら今後の研究に
面白い材料になったろうが。]
……つまらん。
[死んでしまっては弄繰り回すこともできない。]
しかし、これ程上手くいくとはな。
奇妙な生命体にでもなる可能性のが高いんじゃないかと
思っていたんだがな……
[余程強い怨念でも篭もったんだろうか。
そう思い、しげしげとピッパの顔を眺めた。
わんわん泣き始める様子に苦笑する。]
……そういう面白い言動は、
私が生きてる時にしてくれ。
[頭を撫でてやることも、慰めることもできない。]
[研究室には再び自分ひとり。
何に触れられるわけでもない。
所謂精神体になったことに興味は沸いたが、
それよりも―――]
……。
居ない、んだな。
[おかあさん。
本当にそう呼んで欲しかった姿は、無い。]
―――…10年も経てば、消えてしまうものなのかね。
それとも……
約束破ったこと、怒ってる?
[返らない答え。虚しいだけの問い。]
[私も一緒に逝くから―――]
[ だめだよ。 ]
[思わぬ強い口調。
まだまだ赤ん坊だと思っていたのに。
髪の色も、瞳の色も似つかぬ子だったけれど
利発そうな瞳の光だけは強い繋がりを何時も感じていた。]
[ 人をたくさん助けるんでしょ? ]
[ できることがあるなら、やらなきゃ。 ]
[立てられた小さな小指。
絡めてやる。]
[ やくそくだよ。 ]
[―――――最期の、大切な約束。]
……。
[暗澹たる気分を払うように立ち上がる。
自分と同じ死霊の気配はあちこちにある。
生前は人が減ったような感じがしたが。]
―――…女王様の首とってもなぁ。
こんな様子じゃ呪いの幽霊城だぞ。
こんなとこに人が集まるのかね。
……生きてるうちは見えないからいいのか。
[自分も生前は指の先程も感じなかった。
だから普通の人には大した問題ではないのかもしれない。]
【見】 水商売 ローズマリー――王城一階・廊下―― (@1) 2013/02/24(Sun) 14時頃 |
― →貴賓室 ―
[見知った顔があっても、話すことも出来ない。
研究室に居ても道具に触れるわけでもない。
暇つぶしに事の成り行きでも見守るか。
そう思い、ふらりと城内を歩く。]
―――…あぁ、うん。
[ちょっと羨ましくなるような肢体の持ち主が
形容し難い格好で出てくる。]
……。
そういうものってな、隠すからこそ
価値があるんじゃないのかね……
[呆れ顔。
ミナカタの行動には、同情的な視線を送った。]
【見】 水商売 ローズマリー そうね、私も会いたかったわ。 (@2) 2013/02/24(Sun) 14時頃 |
[ふわふわと王女の傍を漂う魂は、
死んだはずの友人――否、友人だった人――の姿に、
同じく眸を見開いた]
ピッパ……。
[何でも相談に乗ると言ってくれたあの日が、
まだ一週間も経たぬと言うのに遠い落日に思える。
ピッパの顔に浮かぶ表情は、恋狂うそれ。
自分も覚えのある感情に、ちりっと胸が痛む。
会いたかったと、
その想いを伝えられる彼女が羨ましく、そして妬ましい]
私は声を届けることも、
触れることも叶わないのに――。
[もうあの眸を見てくれる事はない。
あの唇が愛してると言ってくれる事はない。
そんなことは判っているのに。
それでも縋りついてしまう愚かさに、自嘲う]
だからせめて、
少しだけ……。
[そのぬくもりを分けてほしいと言うように。
するりと入りこむ、ホムンクルスの身体。
意識を奪うようなことはしない。
ただそこにあるだけ。
空っぽになった胎からの中へ、そっと宿る。
とくん、とくん…と聞こえる心臓の音。
もはや自分には存在しない音に安らぎを覚えて、
赤子のように身を丸め、蹲る。
ピッパの皮膚越しに触れる王女の暖かさに、
女はほぅっと。漸く安堵の息を吐いた]
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【見】 水商売 ローズマリー 錬金術師、か――― (@3) 2013/02/24(Sun) 18時頃 |
【見】 水商売 ローズマリー ふぅん……。 (@4) 2013/02/24(Sun) 18時半頃 |
【見】 水商売 ローズマリー[ピッパの呪詛は聞こえたかどうか。 (@5) 2013/02/24(Sun) 19時頃 |
【見】 水商売 ローズマリー――兵舎近く―― (@6) 2013/02/24(Sun) 19時半頃 |
― 貴賓室 ―
[医師が丁寧な手付きでピアスを外すのを見ていた。
たゆん、と。
ゼラチン菓子が震えるように揺れる双丘に
ぷに、と人差し指を伸ばしてみる。
―――無論触れられるわけはないのだが。]
……。
うーむ。
この母乳を出させてる何か、
ちょっと研究させてもらえばよかったか。
[ちょっとしたおもちゃが作れたかもしれない。
尤も魔族特有の何かが使われているのだとしたら
徒労に終わっただろうが。]
― 貴賓室 → ―
[廊下を団長室の方に駆けていく姿。
幽霊か化け物かと襲い掛かる兵士を薙ぎ倒していく。]
……昨日死んだとは思えん元気の良さだな。
[頑丈そうな女騎士の素体を元にしているし。
まぁ、当然といえば当然かと思わないでもない。]
あまり暴れ狂ってまた死ぬような真似はするなよ。
……といっても聞いちゃおらんだろうがな。
[怒涛のように駆けていく姿にやれやれと溜息。]
……。
やっぱり、未完成で良かったよ。
死んでも取り戻せるんじゃ……
生きるってことの意味が無い。
[兵舎じゃ今頃ドナルドに切りかかっている頃か。
それを見届けようとは思わない。
彼女を信じていないわけではないが―――]
死ぬってのは……
何度も経験するもんじゃあないな……
[もしそうなってしまったら、女騎士に掛ける言葉もない。]
【見】 水商売 ローズマリー――兵舎近く―― (@7) 2013/02/24(Sun) 21時頃 |
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……重い、な。
[取り戻しのつかないことだからこそ。
奪うことの重みを知る。]
馬鹿弟子はどうしてるかね……
未だ補佐殿の尻を追いかけてなきゃいいが。
[死んでまで妄執に取り憑かれることには
なっていないだろうかと僅かばかりの危惧。
そうなってたら叱ってやるかと小さな吐息。]
【見】 水商売 ローズマリー――兵舎・団長室の窓の外―― (@8) 2013/02/24(Sun) 21時半頃 |
【見】 水商売 ローズマリー 驕りは死に繋がるのも覚えておくことね。 (@9) 2013/02/24(Sun) 22時頃 |
……聞こえるのか。
[瞬く。
生者とは接点を持てないと思っていただけに、
自分の声を聞き当てられて酷く驚いた。]
一度死んだせいか?
それとも器のせいか……?
[元々の資質とは知らないから、首を捻る。]
……殴りこみにいく時点で賢いとは言えんが。
まぁまるきりの莫迦でもなかったな。
[逃げたと聞いて頷く。姿が見えているのかはわからないが。]
[ おかあさん ]
[誰かが呼ぶ声がする。
ピッパ―――ではない気がする。]
……。
私なら逃げるね。
十中八九勝ち目が無い。
生きてりゃまぁ、手伝ってやらんこともないが、
生憎とそういうわけにもいかんのでな。
[騎士団長に勝つつもりでいるらしい女騎士に溜息。]
東方には房中術なんてものがあるらしいがな。
寝首でもかいてみるかね?
……。
取り殺すぞ、貴様。
[現れた青年の姿
もっともあちら様はこちらは見えないだろうが。]
へえ、ピッパは死の淵から蘇ったのか。
[独り、呟く。
彼はいつも独り。恐らくはこれからも独りなのかも知れない。
独り、神の椅子に座り、世界を睥睨するだけの男が声を発した。
結果として何処に届いたとしても、届かせる意図はない]
あそこではもう人間という存在が最早、肩書きに過ぎなくなっているようだ。
ピッパ。お前は
何を背負い、何の為に、何と戦う。
何の為に殺そうとして、何の為に逃げる。
[見てきた事、理解してきた事、思いつくだけの事を知りながら、なお発する]
力、力、力か。
内なる異能の力に目覚めるか。
人間の限界を目指すか。
尋常ならざる武器や凶器を欲するか。
神は何も与えぬ。
神は何も教えぬ。
神は何も関わらぬ。
あざとく生きよ、人間。
強かに生きよ、人間。
闇雲に生きよ、人間。
人の子よ。
生きることこそ、唯一の定め也。
[自死を固く禁ずる神の言葉。それは果たして神が言った言葉なのだろうか。神は信じない。けれどもそれ以上に、神を語る存在を信じない。故に神を騙る]
コリーン。
君は実に美しい。
[城内であれだけの苛烈な責めを身に受けながらも、今日もまた歩き続ける姿
どれだけ侵され、冒され続けても尚、
人であり続ける。
地獄にも、此処にも相応しくない君。
今のままならば、
君は召されるといい。
[僅かな時、本当にわずかばかりの時間。彼女は家族だった。家族としての関わりは殆どしやしなかった。だからこそ彼女の輝きには、目をみはる。そしてわずかばかりの後悔]
(――――も、そうだったのかな)
[それは、もう二度と確かめようもない繰言]
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ラエティア家の娘。
君が何を思おう
[座った椅子の前で、脚を組み直す。これで酒壜の一つでもあればと思う。が、あれば次はチーズでも欲しがる事だろう。そう思えば椅子の一つでも満足すべきなのかも知れない。立ち続ける事に、疲労はなかったが]
滑稽で、酷く気の毒な女だ。
自分の中の真実にだけ、引き篭もれば束の間の幸せを手に入れられるかも知れない。
だが、それすらも、俺という、繋がりたくない先人と同じ道を歩むという痛烈な皮肉。
[一つ、ため息をつく]
悉く、不運な女だ。
ただ一つ、
手に零れた雫があるとすれば――
[アイリスの棺の前で慟哭し、別れの口付けを交わした彼女
(――は、此処にはいないかも、知れない)
[もしそうならば、彼女は――のだろう、そう思った]
成る程。
まぁそういう資質を持つ人間はいるというしな。
[魔法の存在を考えたら不思議ではあるまい。
フィリップの方を睨みつつ。]
……あんた一人でどうにかなる問題を
とうの昔に過ぎているよ。
其処の目の前の男も……な。
[房中術について説明しようかと口を開いた矢先。
言動が急に幼くなる。]
―――…あー。
なんというか、やはり中途半端に成功した感か。
[どうなっているのだろうな、としきりに首を捻る。]
そうか…ピッパ、君は此処と其処を繋ぐ少女となったか。
胎内に還り、世界を視、産まれに戻るか。
[彼。自身の永きに渡った独白。果てなく届かぬ声が届いている様子
(嘗ての三十路の処女が――か)
[そう思うととても可笑しい。あの彼女が、と嘗ての頃を思い出せば身を捩って身体が震える。嬉しさとおかしさに暫し、視る事を忘れて肩を震わせ、声を殺して笑い続ける]
[その呼称には色々言いたいことはあったが、
とりあえずぐっと飲み込んだ。]
……だめだ。
そのお兄さんはお前をさらって食べてしまうんだ。
[だからついていくなよ、と。]
【見】 水商売 ローズマリー――兵舎・団長室付近―― (@10) 2013/02/25(Mon) 00時頃 |
【見】 水商売 ローズマリー[仲魔を悼むという感情は存在しない。しかし道具、という言葉も否定する] (@11) 2013/02/25(Mon) 00時頃 |
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