124 Acta est fabula.
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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壁の向こうだ、やつの足音が聞こえる。いよいよ隣室に迫る。 明日は、もう……
(0) 2013/06/03(Mon) 14時頃
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一つの芝居は、既に演じられ、終わった。
(#0) 2013/06/03(Mon) 14時頃
最後の人狼――村人だったあの人を殺した日。
霊能者は歓喜の声を上げて、自ら絶命した。
占い師も守護者も既にこの世に亡く。
占い師を騙った狂人も物言わぬ躯となった。
人間と判ぜられた人を殺し、
人狼と判ぜられた人を殺し、今日がある。
ある程度栄えていたはずの村は、容疑者を隔離するのが遅かったせいか、もう残りがたったの6人となっていた。
(#1) 2013/06/03(Mon) 14時頃
血の匂いの染み付いた村に雨が降り注ぐ。
廃村となった村から出るのには、森を越えなければならない。
生き残った人々は、血生臭い日々から脱出した。
酷い有様となった村にいても、もう命を脅かされる事はない。
幾つもの犠牲の上に繋いだ命を、森で落とすにはしのびないと、雨をしのぐ事にした。
残ったのは全員、なんの力もない村人だった。
そのはず、だった。
(#2) 2013/06/03(Mon) 14時頃
雨の降る中、
生きていたはずの一人が、
見慣れた、獣の傷を受け、死んでいるのが発見されるまでは。
――人狼はまだ生きている。
(#3) 2013/06/03(Mon) 14時頃
/*
突発村です。R18です。
一つの村が終わり、ダミーを含めた役職村人の6人だけが生き残りました。
ほっと一安心したところが、雨の間、廃村に留まる事に。
そんな中、一人が人狼として目覚めました。狂気に陥った人もいるようです。
という設定です。精神的にきつい状況で、生き残った5人がどうなるのか、という設定です。
(#4) 2013/06/03(Mon) 14時頃
/*
なお、セットはちゃんぷるにします。
時代観(森を歩いて抜ける程度)にそぐわないもの、人間ではないもの、和風はご遠慮下さい。
設定などは、あまりPL同士で話し合わずにいても問題ありません。
誰が占い師だったなどは、全員そろってから言った者勝ちでお願いします。
村建てはこれ以上の発言をしません。
それではお楽しみいただけることを願いまして**
(#5) 2013/06/03(Mon) 14時頃
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[村の生き残りの一人たる青年は、傍に居たもう一人にちらと視線を向けた。]
(1) 2013/06/04(Tue) 00時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2013/06/04(Tue) 00時頃
本屋 ベネットがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(本屋 ベネットは村を出ました)
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[集会所の軒下から、ベネット>>1はその男を見遣った。 雨に濡れたその男の手には、僅かに血痕の残る宝玉の首飾りがあった。]
(2) 2013/06/04(Tue) 00時頃
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定員に達しなかったため、村の更新日時が24時間延長されました。
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……あいつの弔いは、終えてきたさ。
[無表情に――正確には、疲弊も内に籠る感情も顔に出さずに ぽつりとベネットに告げて、屋根の下へと歩を進めた。]
雨が止んだら出立だ。 その時にまでしゃきっとしていないようじゃあ困る。 確り休んでおけ。
[しゃらり。手の内の女物の首飾りが微かに揺れる。 そのまま、男は振り返らずに、集会場の広間へと向かった。]
(3) 2013/06/04(Tue) 00時頃
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[集会所の窓際に椅子がひとつ。 視界には、暗澹とした空から村へと雫が落ちる様が映る。
手の中の縫い物は、随分と前から進まないまま。]
(4) 2013/06/04(Tue) 00時半頃
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―――――…
( 『チールー』 ?)
[広間へと向かう途中の廊下で、名を呼ばれた気がして一度振り返る。 けれどそれは亡き村人の声の幻想。 故に、ここで男が呼ばれた訳がない――もう、その人は居ないのだ。 チールーと呼ばれるその男は、ひとり、ふっと目を伏せた。
そんな顔も直ぐに取り繕い。 何も持たぬ手の方で、かちゃりとその扉を開いた。]
(5) 2013/06/04(Tue) 00時半頃
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[集会場の広い机で針と糸を教えていた頃の思い出は、 誰を処するかを話し合い、諍う記憶で上書きされていた。
数十年にわたる穏やかな積み重ねが、 たった一月にも満たない間に、黒く塗りつぶされてしまう。]
…………。
[随分と滑稽なこと、と。 皮肉に近い笑みを浮かべたつもりだったが、 顔は表情を忘れたように、無表情から動かない。]
(6) 2013/06/04(Tue) 00時半頃
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[『先生、今度仕上げのやり方教えてね。』
あの無邪気な声を聞くことは、もうない。 膝上の布地を撫でながら、けれど物思いに沈むことはせず。
扉の開く音>>5を聞けば、 外へと向けていた顔をそちらへと向けたか。**]
(7) 2013/06/04(Tue) 00時半頃
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[ ───── カラン ]
[雨が屋根を叩く音の合間に、石と金属がぶつかり合う音が響く。 集会場の廊下の窓から愛用していた鉈を外へと投げ捨て、男は鉈が雨に打たれる様を見詰めた。
紅い 赤い 朱い 色が、
鉈の刃を伝い地面へと染み込んで行く。 もう使うことの無い、もう使いたくも無いそれをしばらく見詰めた後。 雨に打たれるものから目を逸らし、廊下の窓から離れて行った]
………─────
[歩きながら、右手を左肩へと伸ばし緩やかに添える。 かつては相棒が居た場所。 騒ぎの最中に失ったそれは男の心に大きな空洞を作り。 元々少なかった口数は更に減り、瞳はこれまでのことを拒絶するかのように前髪の影に隠れた]
(8) 2013/06/04(Tue) 01時頃
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[開いた扉の先。暗い雨雲映す窓際に、シビル>>4の姿が見えた。 以前の日々のように、よう、と軽く挨拶することも無く。 気の毒だったな、と他人事めいた言葉述べることも無く。 視線の合ったその人>>7へと、一歩、二歩、歩み寄った。]
仕上がりには未だ、暫く掛かりそうかい。
[その膝の上の生地を、針仕事の道具を一瞥しながら。 今の己と同じように、無表情であるように見えたその人に、 やはり感情も何も滲ませない声で呼びかけた。]
(9) 2013/06/04(Tue) 01時頃
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[故郷であり郷愁を感じさせるはずの村には血の匂いが染み付く。 穏やかに、ささやかな幸せと共に、過ごした村の面影は遠く 生き残った者の一人であるベネットにも疲労の色が濃くみえた。 集会所の軒下で雨を凌ぐ彼の傍らでその視線の先を追うように ミルフィは雨に濡れるもう一人の手許を見遣る。 ベネットに言葉を向けた彼が集会所の中へと向かえば ミルフィは幼馴染であるベネットの様子を窺うように視線を送る。]
雨、止まないね。
[降り続ける雨の音にミルフィはそんな言葉を呟いて 色付く柔らかなくちびるをかたく結んだ。 雨の中、森を抜ける事がどれほど危険を伴うか この村に暮らした者ならば考えずとも分かる事。 例に漏れずそれを理解すればこそ無謀な真似をしようとは思わない。]
(10) 2013/06/04(Tue) 01時頃
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[広間へと向かう前、簡単な煮炊きが出来る厨房へと寄り、水を一杯手に入れて喉を潤す]
……───……──………
[水瓶の水もだいぶ減ってしまっていたか。 井戸で汲んでくるにもこの雨の中、ましてや気力も少ないために補充する気概は沸いてこない。 グラスに入れた水を飲み干すと、男は大きく深く息を吐いた]
…………………
[雨が止めば森を抜けてこの村を出て行く。 故郷を思う心が無いわけではないが、最早留まることは出来やしない。
それだけ、この村で起きた凄惨な出来事は生々しく脳裏に焼き付いていた**]
(11) 2013/06/04(Tue) 01時頃
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[――心身ともに疲れ果てて動けずに居る。 そう表現する方がしっくりくる有様ではあるが それはミルフィに限った事ではないだろう。 軒下に佇むベネットの袖口を指先で軽く引いて問い掛ける。]
雨が止んで、この村を出て 森を抜けたら、ベネットはどうするの?
[答えは返らない。 迷っているらしい気配を幼馴染から感じ ミルフィは小さく首を振った。]
すぐになんて決められないよね。 決まったら、聞かせてほしいな、なんて。
[雨音に掻き消されそうなほどの小さくなる語尾。 声が届いたか知れぬまま袖口を摘んでいた指先が彼の手に触れた。]
(12) 2013/06/04(Tue) 01時頃
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[集会場の、広間の隅に蹲っていた。 外からは雨音が響く。それから、誰かの足音。 その一つ一つにびくりとして、震える顔を上げた]
本当に、本当に――もう、終わったのよね……?
[最後の人狼を倒した、と霊能者が告げたのはちゃんと耳に届いていた。 けれど、その同じ声が、命を絶つ声に変わってしまった。 その声が、耳から離れない]
(13) 2013/06/04(Tue) 01時半頃
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[人狼の存在に村の日常を潰され。 処刑――人殺しという形で日常を潰す側にも回った男。 多くの村人の犠牲の上に、今の生があることは知っている。 その犠牲の一人には、目の前のシビルに教えを請うていた あどけなさ帯びたその人も居た訳で――。]
――――…
[その人の死を思い出しはすれど、口には出さない。]
(14) 2013/06/04(Tue) 01時半頃
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[手にしたままの宝玉の首飾りは、ある故人への贈り物。 長く村を出ていた折に、交易の中で手に入れたものの一つ。 それは丁度、故郷であるこの村の近くを通りかかる折。 美しく彩られたそれを、折角、ということで持ち帰ったのだ。
――帰郷から程無くして、人狼騒ぎが、起こった。 それでも一度は、かの人の許に捧げた首飾り。 今、かの人の血を纏わせたまま、男は再び手にしていた**]
(15) 2013/06/04(Tue) 01時半頃
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宝飾交易 黍炉は、メモを貼った。
2013/06/04(Tue) 01時半頃
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[最後の人狼は処刑された。 自分たちの手で、殺した――。人狼でなくても人狼であっても]
でも、そう簡単に喜べないわ……。
[自分の母も父も、今はもう墓の下だ。 二人とも、人狼に食われてしまった。
何人もいた友人の姿も、もうない。
部屋の隅で一人、小さくしゃくり*上げた*]
(16) 2013/06/04(Tue) 01時半頃
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私達も、なかに、はいろ。
[幼馴染の手を引き促す。 重い足取りで二人集会所の玄関を潜った。 背から扉の閉まる音が聞こえ、雨音を薄れさせる。 繋いでいた手をそっと解いてミルフィは振り返った。]
――――。
[呼びかけようとした名はベネットとは別。 もう一人の幼馴染で、恋人でもあった彼の名がのみ込まれる。 一つの事件は残された者の心にも深い傷を残していった。 弔われ土の中に眠る彼を想い ミルフィは耐えるようにくちびるを噛む。 俯いたミルフィの頭に軽く幼馴染の手が触れる感触が伝った。]
(17) 2013/06/04(Tue) 02時頃
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ごめん。 先に、いってて。
[辛うじてそれだけ伝えれば ベネットは広間の方へと歩き出した。 足音が遠ざかる。 俯いた女は細い肩を震わせて*失った者を想う*]
(18) 2013/06/04(Tue) 02時頃
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…完成にはほど遠いねぇ。
[チールー>>9に答える声に抑揚はない。
騒動以前であれば半日もあれば仕上げていた。 けれど騒動が終わり、再び針を手にし。 数針進めたところで酷く荒れた縫い目に 気づいて以来、針は布を通らない。
心は縫い目に現れるからお気をつけよ、と。 かつて教え子に何度も口にした言葉。]
(19) 2013/06/04(Tue) 07時半頃
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[数多くの犠牲者の中、 今チールーの手にある玉>>15を首にかけていた者がいた。 まだその胸元に玉がない頃に何度か針を教えたその子が、 恥ずかしげに、嬉しげに、 男のことを話していたのを覚えている。
悔やみも悼みの言葉も、今の村には空虚なものでしかなく。]
着替えて、髪を拭いてきたらどうだい。
[髪の房から滴る雫と、 点々と道標のように床に続いている水跡に。]
(20) 2013/06/04(Tue) 07時半頃
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[部屋の隅で蹲るミッシェル>>13>>16に、 かけられる言葉があればよかったが。
彼女の友人の一人を手にかけたのは夫だった。 その夫も数日後に人狼の疑いをかけられ死んだ。
誰かが誰かの死に関わって。 生き残った者もその柵から抜け出せないまま。**]
(21) 2013/06/04(Tue) 08時頃
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は。ハハッ! これで終わり、終わったんだな…!
[霊能者だと宣言した人が告げた言葉に、笑いが零れた。 幾度も幾度も、他人の死を見た。 兄弟も死んだ。両親も死んだ。誰かを殺した。誰だっけ。重要な事じゃない、人間だったと霊能者が言った。それだけだ]
なんだよ、浮かない顔で――
[手の届く場所にいた。 手の届く場所で、霊能者は、自分の喉を掻き切った]
(22) 2013/06/04(Tue) 10時頃
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は、あは。 馬鹿じゃねえの。
[倒れた体の傷口に手を伸ばしたって赤くなるだけで変わりはしない。 涙なんて枯れている。 躊躇もない傷口から溢れるぬめった赤黒い血は、嗅ぎ慣れてしまった臭気。
狼は処刑された。 霊能者は自決した。 残ったのは村人だ。全員が、人間だ]
は、はは…
[外を見た目に雨が映る。血の匂いは流れるかもしれない、それでもここを離れるには、障害になる。 その時は、笑うことしかできなかった。 雨の中外に出て、扉の、窓の壊れた家を見て、習慣のように集会所へ戻る。 疑い合った、今や疑う必要のない、村の仲間の元に。**]
(23) 2013/06/04(Tue) 10時頃
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[男は広間に入ると部屋の隅へと行き、壁に背を預けて床へと座り込む。 前髪の奥から縫物の手が動かない女性>>21へと視線を投げた。 彼女の夫を手にかけたのは自分。 誰かが人狼だと言ったのを聞いて、愛用の鉈を手に取った。 その時のことは良く覚えていない。 とにかく必死だったことしか記憶にない]
………………
[かける言葉も見つからず、立てた左膝の上に左腕を乗せ、顔を床へと俯けた。
落ち込んだ時に励ましてくれた、育ての親でもある師はもう居ない。 長く続いた暗雲の先、最後の人狼として彼は果てた。 これ以上人が死ぬことが無く喜ばしいはずなのに、男の中には暗い靄が立ち込め続けて。 感情の整理も追いつかずに今に至る]
(24) 2013/06/04(Tue) 11時半頃
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────………
[男の耳はしばらくの間、雨音だけを拾った。 それだけを聞いていれば、何も考えずに済みそうだったから**]
(25) 2013/06/04(Tue) 11時半頃
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[自分は何をしてたんだっけ。 雨に濡れる事を今更嫌うわけもない。時間はどれくらいのものだったのか。 濡れた服は肌に付き、髪も纏わりついてくるが、気にする事もない。 雨は嫌いだったんだっけ、どうだっけ。一月前の事も、まともに思い出さない。思い出したくない。 考える時間は、今やたっぷりあった。
集会所に、人を選んで殺した場所に戻り、玄関を開けるとミルフィ>>18の姿]
何、やってんだよ。 部屋戻っとけば。
[軽く声をかけるだけはする。 相手は人間だ、疑う必要も殺す必要も、殺される心配も、もうないから。 皮肉げな笑みで、彼女の様子を見る**]
(26) 2013/06/04(Tue) 16時半頃
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[止まぬ雨音の中に、ミッシェル>>13の声が混ざって聞こえた。 部屋の片隅のその人のほうに、男は一瞥を向けた。]
あぁ、終わった。 あいつが、最期に、ああ言ったんだから、そうさ。
[端的に告げられたのはそれだけ。 平穏戻ったこの状況も、決して晴れやかなものでは無い。 そう簡単に喜べない、という呟き>>16が聞こえても、 否定の一つも口に出来ないままだった。
己もまた、彼女の友人たちを、間接的にしろ直接にしろ 死に追いやった一人で――。 彼女の母が、そして父が人狼に喰らわれるのもまた、 何の力も持たない身では阻むことが出来なかった。 異邦の優れた工芸品にも劣らぬ美しさを持って見えた装飾。 それを生み出したあの男の手を見ることも、もう無い。]
(27) 2013/06/04(Tue) 17時半頃
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[シビル>>19の膝上の布地、その縫い目の形を見れば 問い掛ける前から、その答えも幾らかは察せられた。 「縫い目が乱れていたら心も乱れているんだって」と 今は亡き女から、何時か教えられたことがあったから。]
……そうかい。
[改めて、抑揚ない声音で告げられたその答えを聞き、 慰めの言葉も添えず、男はそれだけぽつりと返した。 それからほんのしばらくの沈黙の後、 彼女から言われたこと>>20に瞬き、己の身を一度見下ろす。]
あぁ、悪い。 俺が風邪でも引いちまったら如何しようも無いしな。
[「俺が」と口にしたのは、他の若者たちの具合を 案じるところがあったから。 ずぶ濡れになっていたことを漸く意識した男は、 しゃくり上げていたミッシェルにも、誰にも何にも触れずに、 ひとり、広間を出る扉の方に足を向けた。]
(28) 2013/06/04(Tue) 17時半頃
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[広間を出ようと思った時に、ブローリン>>24の姿が見えた。 壁際に座り込む彼にもまた、この濡れた手は伸ばせない。 特に自分のように身を濡らしては居ないように見えれば、 そのことにだけは小さく安堵を覚えたりもしたのだが。
その肩に居るべき相棒の姿を見なくなってから、 元々言葉少なだった彼の変化には気づいていたが――。 更にその師を――最後の人狼として、失ったばかり。 彼の師のように上手く励ます術を、男は持っておらず、 故に掛けられる言葉の一つも、今は無かった。]
(29) 2013/06/04(Tue) 18時頃
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[やがて遅れて、ベネット>>18の姿も広間に見えた。 あの時動かなかった、憔悴の色の見えていた彼が 此処まで戻ってきたことに、小さく安堵の息を吐いた。 外気に触れる軒下よりは、屋内の方が冷えずに済むから。]
――…ところで、ミルフィはどうした?
[彼と共に居た、けれど未だ此処に戻ってはきていない 彼女>>10のことを思い、ふっと零した問い。 返事ともつかぬ返事を述べたベネットの素振りから、 あれから大事があった訳では無いとは察したが――。
それから男は、広間を出て行った。 廊下に落とす雫に交じる、ほんの微かな赤黒い色も、 村全体に染みていった血の匂いに比べれば、小さかった。]
(30) 2013/06/04(Tue) 18時半頃
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[ミルフィのこと、それに己が集会所に戻ってから 未だ姿を見ていないシメオンのこと。 ふたりのことは気に掛けながらも、先ず向かった先は 広間から幾らか進んだ先にあった一つの扉。
そこは容疑者として隔離された際に使っていた部屋。 この先もう、使う必要も無いのだと思うその部屋で、 結わえた髪を解き、布地でその雫を拭い取った。
手にしていた首飾りは、今は鏡の前に置いていた。 その鏡に映る男の顔に影が落ちたのは、 今この場所に、他の誰の姿も見えていなかったから。]
(31) 2013/06/04(Tue) 18時半頃
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[チールーよりも年下の、玉の首飾りを掛けていた若い女。 恋人と公言はせずとも、想い寄せていた女。 シビルの夫が「人狼」であると、初めはおずおずと、 けれどやがてはっきりと訴えたのは、彼女だった。
それはこの告発によって彼がブローリンに殺された時か、 或いはまた別に処刑された者の時か。 女に告発された者を、霊能者が「人だ」と告げたことで 彼女は騙る者と見做され、死に至ることとなる。 その心臓を刺す役を請け負ったのが他でも無くこの男だった。
止めを刺した瞬間の男の表情を。彼女に囁いた言葉を。 きちんと知るのは、刺された女くらいだったろう。 彼女を手に掛けた折にも――そして今に至るまでも、 チールーが感傷の類を周囲に見せることは無かった。
そうまでして、この男が気丈に振る舞い続けるのは この騒動で傷を負ったのは自分だけではない―― 誰かを失ったのは己一人ではない、という思いから**]
(32) 2013/06/04(Tue) 19時頃
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宝飾交易 黍炉は、メモを貼った。
2013/06/04(Tue) 19時頃
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[村を洗い流そうとするが如く降り続く雨。 冷水の獄のようにも思えるそれは、脅威の去った今はただの悪天候に過ぎないが。 空を覆う暗雲から零れる雫は人々の嘆きの様でもあった]
………────
[床へと顔を俯けた男の唇が微かに動く。 喉を潤したはずなのに、言葉を忘れたかのように掠れて音は紡がれず。 引き攣るように息を吸った後、唇を半開きにしたままゆっくりと顔を上げた。
その時にはもうチールーの姿は無く、代わりにベネットが広間へと姿を現していて。 前髪の奥に隠れた瞳だけでチールーの姿を探し、居ないと知れると頭を壁へと凭れた]
(33) 2013/06/04(Tue) 20時頃
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[相棒はあの日襲われた者の傍に居たのか、人狼の手にかかり紅を散らしていた。 人ではないただの動物だ、人狼にとっても取るに足らない存在だったろう。 戯れに爪と牙を向けられたのか、どの人狼が手にかけたのか、それについてを知る術は残されていない。 分かったところでどうすることも出来ないのだが]
(34) 2013/06/04(Tue) 20時頃
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[人狼を退治するための手段は、いつしか人狼であることを確かめるための手段へと形を変えて行き。 幾度もそれが繰り返されたある時、事態は動いた。 「人狼」として処刑された者が、「人間」だったことが判明したのだ。 その事実は騙る者の存在を浮き彫りにし、その人物の処刑を決定付けることとなる。
それを手がけたのが、騙る者と親しかったチールーだと言うのに男は驚いた。 親しいが故なのか、それとも他に思うところがあったのか。 チールーの考えを測ることは出来ない。
ただ、彼が感傷の色を見せなかったことに、男は恐ろしさを感じていた。 騒動の最中、彼を人狼ではないかと疑ったことさえある。 今となっては人狼は潰え、人間であることが証明されているため、疑うことは無いのだが]
(35) 2013/06/04(Tue) 20時頃
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………………
[相変わらず言葉は紡ぎ出されず、ただ沈黙ばかりが流れ行く。 早く雨が止めば良いと、願うように前髪の奥の瞳が窓の外を見た]
(36) 2013/06/04(Tue) 20時頃
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雨が止んだら森を歩くんだ。 誰もあんたを背負えないからね。自愛しておくれ。
[チールー>>28へとひとつ頷く。 残った者の中に男を背負えるほど体格のいい者はいない。
…あるとしたらブローリン>>24くらいか。 壁際、夫を殺した男へ向ける眼に、 怒りや憎しみの色はなかった。
数少ない同じ村の生き残り。 その認識を抱くことに抵抗を抱かなかったのは、 夫が人ではなく獣であったと死の翌日に知ったからか。
夫を人狼と言った、あの首飾りの持ち主は 数日後に騙りの存在として処刑された。 なぜ彼女が夫に対して『真実』を述べたのかは 最期まで聞けぬままだった。]
(37) 2013/06/04(Tue) 20時半頃
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[あの朝、霊能者の唇から紡ぎ出された『結果』を聞いた時。 狼を殺したと喜ぶでもなく、 長年騙され続けていたことを詰るでもなく。 ただ虚しさが胸に詰まった。
添うた二十年余りの時は色褪せたように。 いつか思い出す事もあるのだろうが、 虚しさはこれからも埋まる事はないのだろう。]
(38) 2013/06/04(Tue) 20時半頃
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[チールーが広間から出る前、 ベネットが広間に姿を見せた。>>30 幼馴染の彼が来たのなら、 直にミルフィもここへやってくるだろうか。 姿の見えないシメオンは外かと、 空で顔を思い出せてしまうだけの数となった村人を思い。]
…………。
[針道具を片付け、腰をあげた。 片隅で小さくなっているミッシェル>>16へ近づく。]
お茶を淹れようと思うんだけれど、 手伝ってくれるかい? 外に出ていたのが何人かいるようだからね。
[雨の日に体を冷やしたままはよくないと、 先のチールーとのやりとりにかけて。]
(39) 2013/06/04(Tue) 21時頃
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[家がボロボロなのは、容疑者の隔離が遅れたせいだ。 まだ幼い弟がいたからか、兄と二人、外の警戒に出ていたときに襲われた。 そういう家はまだ他にもある。
兄はその後、殺された。人狼になのか、人間になのか、今やそれはどうでもいいことだ。生きていないから。 生き残った名前は、言える。 それで良いじゃないかと、シメオンは考える。**]
(40) 2013/06/04(Tue) 22時頃
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[ミルフィのもう一人の幼馴染は薬屋の跡取りだった。 薬の知識が豊富な彼は閉ざされたこの空間でも 不調を訴える者には親身に接していた。 そんな彼が人狼の疑いを掛けられて処刑されたのは 犠牲者の傍らに、薬の包みが落ちていたというだけの理由。 ミルフィは勿論、彼の無実を訴えたけれど大勢は傾かない。 死した彼をみて霊能者を名乗る者は「違った」と首を振った。
その時の事を思い出し無力さに打ちひしがれる。 懐かしくも優しい日々も彼の笑顔も遠く感じ ずきずきと痛む胸をきつく押さえた]
(41) 2013/06/04(Tue) 22時頃
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[人に泣き顔を見せるのが苦手なミルフィが 人前で大泣きしたのは幼馴染が処刑されたあの時だけ。 堪えきれぬ嗚咽が漏れかけたその時、玄関の扉が開いた。 聞こえたシメオンの声>>26にはっとする。]
――――っ。
[ぐずりかけた鼻の頭を手の甲で軽く擦り、顔を上げて]
ちょっと考え事してただけよ。 シメオンこそ、何してるの。 ずぶ濡れじゃない……、風邪ひいたら大変よ。
[見慣れた皮肉げな笑みの彼に言い返すのは条件反射のよう。 濡れて肌に張り付く服と髪にちらと眼差しを向けた。]
(42) 2013/06/04(Tue) 22時頃
|
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― 客室 ―
[鏡に映る己の面持ちの弱さに目を伏せながら、 男は、冷たい雨水を吸ったシャツを脱いだ。
露わになった上体は、逞しい偉丈夫のそれ。 あの時シビル>>37に言われてしまった通り、 この体格の男を負える者など、生き残りの中には まず期待しない方が良い、と男は思う。 それもあるからこそ、彼ら彼女らの前で 弱い部分を見せる気にはなれないでいた。
騒動が続いていた時にも取っていた、そんな態度。 故に怖れられたり、疑われたこともあったもので、 ブローリンからもそんな目を向けられていたと察していた。 それでも捨てなかった表向きの顔が、今もなお続いている。]
(43) 2013/06/04(Tue) 22時半頃
|
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[広間の中で動く気配を感じると、男は顔をそちらへと向ける。 シビルが椅子から立ち上がり、男とは離れた箇所に居るミッシェルへと声をかけていた。
男が手にかけたシビルの夫は、師と同じく人狼だった。 彼女から負の感情をぶつけられないことが最初理解出来なかったが、師が人狼だと判った今、何となくではあるが、解るように思う。 抱く想いが一致するとは言い切れないが、似たような心境なのではないかと思うようにはなった。
男自身、師を手にかけた者に憎悪を抱くことは出来なかったために]
………────
[ぼんやりと、広間に居る者の動きに視線を投げる。 ゆるりと流れていく時間。 張り詰めた雰囲気が消えたその空間は、全てが終わったことを証明していた]
(44) 2013/06/04(Tue) 22時半頃
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[問いかける時も表情は無のままだったろう。 それがミッシェルにどんな印象を与えていたかは、 彼女の反応でわかるだろうか。
さて、笑顔とはどうやって作るのだったか―― この騒動が起こるまで、意識すらしなかったことだ。 考えてみても、あの朝に置いてきたかのように、 笑い方を思い出せそうになかった。]
(45) 2013/06/04(Tue) 23時頃
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― →玄関 ―
[肌に付いていた露を拭ってから、客室の着替えに身を通した。 髪は後ろに結わえ直し、首飾りは左腕に巻きつけた。 こうして再び廊下に出た頃には、また無表情に戻っていた。
それから男が脚を向けたのは玄関の方。 先程、幼馴染同士の二人が居た場所を尋ねてのことだったが 見えた人影はそのミルフィ>>42と、雨濡れ姿のシメオン>>26。]
シメオン。 先ずはその服を着替えて、髪も拭いて来い。風邪引くぞ。
[先ず零したのは、ミルフィが彼に言い返したのと似た、 そして己にもさっき掛けられてしまった言葉だった。]
(46) 2013/06/04(Tue) 23時頃
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宝飾交易 黍炉は、メモを貼った。
2013/06/04(Tue) 23時頃
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―玄関―
こんな場所で?
[ミルフィの動作も表情も見ている癖に、言葉は軽い調子のように響く。 しかし次いだ言葉には、ゆるく頭に手をやって。 絞ってすらいない金の髪が水をばさりと散らした。]
俺、若いし、大丈夫だっての。 外行ってたんだよ。 雨は良かった。 匂いが飛ぶ。
[視線を一度戸の方に投げて。 戻した時に、やって来たチールーを視線で捉える。]
ああ、そうか。 着替え部屋においてあったな。わかった。 でも風邪は大丈夫だろ。
(47) 2013/06/04(Tue) 23時頃
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[玄関にもう一つ足音が近づく。 振り向けばチール―の姿がみえて、はたりと瞬きをした。 シメオンに向けられる言葉にうんうんと小さく二度ほど頷く。 そうしてシメオンに向き直り]
この雨じゃ湿気で服もなかなか乾かなさそうだけど 体冷やさないようにね。
[着替えて、の言葉はチール―が言ったから良いかと省き、 少しだけ年下のシメオンにお姉さんぶった口調を向ける。 風邪は大丈夫と彼がいえばそれ以上言葉は重ねない。 幼馴染たちにはどちらかといえば面倒をみられてしまう方で そうした態度をとれる相手は数少なく今では彼くらいのもの。 こんな場所でといわれると、う、と言葉に詰まり]
……こんな場所で。
[前言撤回はしないあたり意地っ張りなのかもしれない。 シメオンの語る雨にはその良さが感じられたけれど 今、先を阻んでいるのもその雨で――]
(48) 2013/06/04(Tue) 23時半頃
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雨の匂いはきらいじゃないけど
[ぽつ、と呟いて扉とは反対側に視線を向ける。 広間に戻るか部屋に戻るか。 話し合いも疑いあいももう終わったはずだから 広間を選択肢にいれずとも良い状況のはずなのに 暫く続いたこの習慣はすぐには消えずにいる]
また外に出るの?
[中から玄関に戻ってきたチール―に訊ねてはみる。 ミルフィはそれ以外に彼が此処に来た理由が思いつかなかった。]
(49) 2013/06/04(Tue) 23時半頃
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[着替え部屋に、と答えたシメオン>>47に小さく頷きながらも。 その後に続いたことには、わざと眉を寄せてみせた。]
若ければ何でも大丈夫、という訳じゃあ無い――、 とにかく、身体は冷やしてくれるな。
[こんな口出しを入れてしまう己も歳か、などと思いながら 一先ずそれ以上は、風邪が如何こうとは 小うるさく言わないことにした。
そんな中で、シメオンに対するミルフィの、 お姉さんぶった、確りして聞こえた口調を耳にしたこともあり 彼女が此処に未だ留まっていた訳は 敢えて問わない心算でいたのだが――。]
(50) 2013/06/04(Tue) 23時半頃
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こんな場所で。
[ミルフィの様子ににやにやと言い返す。]
仕方ないからそういう事にしておくけど。 はいはい、わかった。 二人して。
[身体を冷やさないようにと口々に言われれば、参ったというように髪後ろに流す。ぼたぼたと伝っていく水。 ミルフィが問うたから、自分は問わなかった。外に出るのか、とか。そんな事は。]
(51) 2013/06/04(Tue) 23時半頃
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――いいや。 今日はもう、これ以上雨に打たれる心算は無いさ。ただ、
[ミルフィ>>49への返答の後、続く言葉が暫く途切れたのは シメオンに対して何か言葉を詰まらせていた様子故に。 ちらと少年の方にも視線を向けてから、再び少女を見遣る。]
ベネットのやつを先に此方に向かわせてまで、 こんな寒い場所に一人で残っていた君を連れ帰る為だ。
[実際には、様子を見に来た、程度のものではあったが。 こんな場所に置いておけない、という点では間違っても居なかった。]
(52) 2013/06/05(Wed) 00時頃
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[にやにや言われればシメオンに見透かされている気がして ミルフィはむっとしたようにくちびるがへの字を描く。]
いいじゃない。 そういうことなの。
[理由にもならない言葉を口にして シメオンの足元に落ちる水音を聞いた。]
(53) 2013/06/05(Wed) 00時頃
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[それに、君も――とシメオン>>51に言い掛けて、やめた。 わかった、という返事も、参ったような素振りも捉えていたから、 こんな寒い中に置いておけない、という心配の言葉を重ねるのは 年寄りの余計な振る舞い、とでも言うべきものに思ったものだ。]
……床も後で拭いておく必要があるな。
[それは自分が落としてきた水痕についても同じこと。 ここを故郷とはしても、帰るべき家がある訳でも無かった男は 晴れる気配無い天候に、今暫くは此処に留まることに なってしまうか、と思っていた。]
(54) 2013/06/05(Wed) 00時頃
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