人狼議事


56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――

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[どうやら相当お腹空いていた見たい。
 食事を口に運びながら、名乗る二人の名前を聞いて]

 フィリップスに、ヴァルキッソンか…

[名乗られたら、僕の名前を名乗り返さないとダメだろう。
 少しだけ、偽名を使おうかなとも考えたけど]


 僕はベネディクト・リヒテンブルク。
 一応、この国の公子、だよ。

[ベネット、って呼んでくれても良いよ、と付け加えて。
 僕は不用心過ぎる位にあっさり、自分の名前と身分を明らかにする。
 多分名前くらいは緑国にも知られているんじゃないかなと思う。
 隣に居るムパムピスと名乗った軍人はそれをどう思うだろう]


[普通に本名を名乗った公子殿下に、
 えええー!? という視線をつい向けてしまう。
 仮にも敵兵に、要人が簡単に身分を明かすのは
 不用意と言っても過言でないだろう。

 彼とフィリスの間ではらはらと視線を彷徨わせる。]

[――思えば、緑国の人と相対するのは
 これが初めての事だったわけだけれど。

 噂に聞いていたような、傲岸不遜で卑劣な、
 他国の事をけだもののように見下す人間達なのだ、
 という雰囲気とは、彼女は多少違っていた。

 もちろん、敵の只中に一人で怪我を負っているのに、
 柔和で礼儀正しく……といかないのは当然だが]


[食べながら、訝しげな顔をした]

 は?
 赤国の公子さんが何でこんなところにいるんだよ。
 面白い冗談だ。名乗りたくないなら、まぁ別にいいけど

[まさか本物がこんなところをうろついているとは、他国の彼女にはわからず、全く信じてない様子で笑った。]

 高そうな服だし、一般兵じゃあないんだろうけど。
 公子サマがこんな辺鄙なとこにいるなんて、誰も信じないよ、…自称ベネット。

[もとより快活な質らしく、少しばかり緊張のほぐれた顔で食事継続]


ムパムピスとベネットの様子を気にしながら食事をしている**


メモを貼った。


[あ、信じられなかった……
 内心しょぼんと落ち込みつつも、少し緊張のほぐれた顔になるフィリスの様子を見て、小さく笑う]

 所で、フィリスは何処の出身なの?
 近所の人?

[問い掛けながら、彼女の人柄を眺める僕が居る。
 傲岸不遜で卑劣、他者を獣か何かの様に見下す人間ばかりが揃う緑国。
 …色々な人がばら巻いたデマだ。きっと緑国では逆に赤国の事を好き勝手言ってると思う。

 だけど、赤国の人が血気盛んである事は確かな様に、緑国の人は比較的堅物が多いとは思うだけに、どちらかと言えば快活な気質であるフィリスは、興味深かった]


フィリップにお代わりも居る?と言い掛けたが、食糧事情に余裕は無いだろうと、思い直しただろうか


[本人の名乗りを一笑に付すフィリスの態度に、
 成程その通りだ、と兵士は思った。
 味方でさえ、彼がここに来るとは思いもしなかったから。

 信じていないなら、殊更主張する意味合いもない。
 空腹だったのが食事にありついて、
 下手すれば捕虜寸前の彼女も、少し落ちついたようだ]

 あの、こちらにはどういったご用向きで……

[公子殿下に控え目に訪ねてみるが、この様子だと、
 どうも純粋な興味で来たように思えてならなかった]


因みにフィリスの食事は主に自分の分から出されたわけだがそれも黙った。


 自分の眼で見ないと気が済まない性格なんだ。

[流石にここに居るフィリスに配慮して、言葉は曖昧に濁した。
 戦略上、拠点と成り得る場所、開戦に備えて。
 下手にそんな言葉で刺激しようとも思わなかったから]

 …後はー……あはは……
 城の中って窮屈だから逃げ出しついでに。

[場の空気を緩ませる為に、敢えて白状する。
 ついでに、しかも純粋な興味で、こんな所まで来るなんてどうだ、と思われるかも知れないけど]


 ……皆様が心配されますよ……

[城を抜け出して来たのだと言う公子殿下に、
 呆れて頭を抱えはしたが。
 目上の人間に対する緊張を解くことについては、
 功を奏したと言えるだろう**]


[出身を問われ、僅かの思案の後、応える]

 この近くの、アメルンって村。

[このような処にキャンプをしている位だ、周辺の地理は事前に調べてきていれば、聞き覚え位はあるかもしれないと思った。
つまり国境付近といってもいいが、廃墟の領有権が中に浮いたまま赤国との間に横たわっていたため、
その実感は薄かった。
開戦後、もしも廃墟が拠点となるようなことがあれば―――恐らく無事では済むまい。
それは恐らく此処に居る誰もが察せられること。
それとなく家族に勧めた疎開は、住み慣れた土地への愛着と、見知らぬ土地へ行く不安から拒否された。]

 どうしてそんな事を、聞く?


[目の前の青年が大凡軍事と関係なさそうな質問をする事に不思議そうに問いかけた。
自分を油断させるためだろうか、とも考えたが、彼らの陣地にあって一人きりの自分はあまりにも無力だ。
情報を聞き出すのにそんな手間をかける必要はないし、洗脳してスパイに使おうという腹にも見えない
の遣り取りを聞けば、目を瞬いた]

 逃げ出すったってこんな辺鄙な処じゃなくてもいいのに、
 ……物好き。

[呆れたように呟いた時、一瞬だけ自分が敵国となるかもしれない場所にいることを忘れていた]


メモを貼った。


[ムパムピスと名乗った青年の方を見て、肩を竦めた]

 えーと、ムパ…なんだっけ?
 あんたたちも、大変だね。

[同情するように肩を竦めた]


 アメルン? ここからかなり近いですね……
 書類上ではほとんど無人口の地域とされていましたが。
 そうか……人が住んでいるんですか。

[フィリスの返答に思案げに呟く。
 一帯が戦争状態になれば無事ではすまない地域だ。
 公子殿下がなぜ彼女の出身を問うのかは分からず、
 それもごく純粋な興味だろうかと、視線を流した]

 ええ、まあ……
 こんな事になったのは、私は初めてなのですが。

[何とも言えぬ同情に、恐縮げに頷く


 ……あの、彼女の今後の扱いについては、
 決定したかどうか、ご存知ないでしょうか?

[フィリスを運びこんだ後の処遇については
 上官に指示を仰いで保留中となっていた。

 フィリス本人も聞いておいて良い話だろう、
 そう思って、公子殿下が何か知っていないかと、
 問いを向けてみる]


[無人口、という言葉に目を瞬いた。]

 片田舎の村には違いないけどね。

[それだけ言って、それ以上は言及を避けた。
相手の知らなかった自国の領地に関する情報を漏らしてしまったことに気づいたからだ。
どう扱われるかは、未だ新兵といってもいい彼女には考え及ばなかったが、自分が失態をおかしたことだけは気づいた]

 ―――、
 僕を連れてきたの、あんただったね。
 ということは、これ、あんたの分だったのかな。
 悪いね、なんで敵兵なんか助けちゃったわけ?

 ご馳走様、美味しかった。

[食事を終えると、携帯食のブリキの食器を置いて、話題を逸らすように笑って茶化したあとに礼を言った。
そして、携帯食の品ぞろえは自軍と変わらないんだな、と思った。]


 あぁ、アメルン。
 あの砂糖菓子最近食べてないな…。

[赤国とその国境付近の他国の地理は、村単位で憶えて居る
 まぁ、随分昔に叩き込まれた。
 何故、とこんなことを聞く理由を問われ、あぁ、と小さく笑う]

 緑国の国境付近の町村に居る皆は、今どんな生活をしてるのか。
 それとも皆疎開してしまったのか、とか。
 土地の人の詳しい話が聞きたくって。

[軍事的な情報なんて別に要らないけど、そう言った情報は是非とも欲しい。
 敵国の土地での情報。
 特に民の動きには、皆殆ど気を払う事も無いから]


[今後の扱いがどうであれ、負傷した傷口から感染した状態で放置されず、助けられたことは事実だ。
放置されれば、最悪敗血症を起こして死亡していた可能性は低くなかった。

そこからくる印象を差し引いても。

二人と話すのは、初対面のはずなのにどこか懐かしいような錯覚を覚えた。
特に、ムパムピスに対しては親しい人間に抱くような感情に近いものを覚える。
彼の穏やかな物腰がそうさせるのかもしれないが…

首を振る。
負傷して赤国の兵のキャンプに連れられ、疲れているせいに違いない。]


[大変、の意味がどういう事なのか、あんまり解りたくなかった
 恐縮気に肯いているムパムピスにも、どういう意味なのかと、思わず苦笑が漏れるけど]


 彼女の扱い?
 ……………確かさっき聞いた時には、捕虜として街まで連れて行くと言ってたけど

[ふむ。間違いなく牢屋にぶち込まれる。
 彼女から軍事的な情報は期待して居ないけど、出来れば知ってる分の、近隣の民の動向は知りたい所。
 ……牢屋行は勿体ないなと思う]


[重ねて聞かれ、首を振る]

 答えられない。
 僕、これでも一応軍人だから。

[緑の軍服を摘まんで言った。
開戦間近と言われる相手国のキャンプで負傷して手当されて飯まで貰っている情けない体たらくなわけだが。
ヒトとモノの動きが重要なことくらいは、知っていた。
ベネットにその気がなくとも、彼からふとした拍子に話が漏れれば、どう扱われるかはわからない。]

 この制服着て、友人に話をするみたいにはいかないよ。
 でも、どうしてそんなことに興味があるの?

[公子というのは冗談にしても、良いところの子息だろうに、と思うと不思議だった]


 あ、いえ、お気になさらず。
 ……量が少なくてすみませんが。

[彼女の食事について言及されれば首を振る。
 計算して持ち込まれた糧食の中から、
 さらに一人分を供出するのには少し知恵を捻ったが、
 主に自分の分と、仲間の分を少量分けてもらえた。

 それも、彼女の軍事的な利用価値を考慮して、
 という面が多分に含まれていたことは否定できない。

 ただ、熱を出して倒れた彼女を見た時、
 敵国の民だとか、そういうことは別にして、
 単純に助けてやりたいと、自分は思ってしまったわけで。
 血気盛んな赤国軍の中では変わった奴だと、
 そう評されることも時々あった]


 ―― よし。 客人として連れてっちゃおう。


[今教えてくれそうに無いなら、時間を掛けて口説き落としちゃおう。
 付近の廃墟は粗方調べ終わった様だし、万一緑軍と鉢合わせて血が流れるのも好ましくない]

 流石に御咎め無しで逃がしてあげる事は僕でも出来ないんだ。
 だけど緑国とはまだ完全に戦争してる訳でもないからね。
 常に誰かとの行動さえしてくれたら――

 ――そうだ。 えっと、ムパムピスだっけ?
 折角だし、君に頼めない?

[それが良いね。そもそも彼女を連れてきたのは彼だし。
 そう思い至って、彼に話を振る]


[何故興味があるの、と言う言葉には肩を竦める]

 情報は何処で必要になるか解らないからね。

 民がまだ暮らしているのか、暮らして居ないのか。
 戦争の気配についてどう考えているのか。
 既に軍隊が駐留しているのか……は教えてくれそうにないけど。

[平和であるには越したことはない。
 だけど、最悪戦争に成った場合でも、出来る限りの最小限の被害で抑える為には小さな情報でも大きな役割を果たす事も良くある。
 その内教えてくれるように成ってくれたらいいんだけど]


[ベネットの話に、やっぱりかと内心溜息をつく。

 そうですか……了解いたしました。

[開戦前に捕虜を、それも国境未確定域から取ることは、
 緑国をいたずらに刺激してしまう危惧がある。
 何らかの措置を取った上で返還できないだろうかと、
 上官にはそう進言もしたのだが。
 生憎聞き入れられなかったらしい。

 ――のだが]

 はい?

[目を点にした。

 というかなにいってるのかわからなかった。]


[捕虜として街に、と聞いて、そうなるだろうな、と思案する。

脱走するとしたら、丁重に扱われている怪我人だと思わせておけるうちに隙を見て、か、移送中しかないだろう。
捕虜になる気はない。
そう言ったのは、自国の負担になりたくないというよりは、新米兵一人のために国が多くの犠牲を払うわけがなく、切り捨てられることが容易に想像できたからだ。
これは、酷いのではなく、指揮官として当然の判断だと思うから、彼女は自力で生き伸びるか、拷問尋問の末の死を避けるための最終手段としての自害しかない。
できれば、前者を取りたいわけで。

とか考えていたら予想もつかなかった言葉を聞いてばっと顔をあげて目を見開いた]

 …はあぁ!?
 ベネット、本気で言ってるのか?
 連れていくって、何処に…

[あまりにも驚きすぎて、矢継ぎ早に畳みかける。
一瞬後に冷静に考えれば、赤国に、ということで、そうなれば色々見てしまった自分が祖国に帰れる可能性は更に低くなる訳で。
だが、命には変えられない。色々な思考がぐるぐると一気に脳裏を駆け巡った。]


[驚きが収まらないながらも、返事を聞けば、目を細めて首を傾げた]

 …村人を盾にとって有利に戦争するために?

[ぽつりと呟いた声は、少し重かった。
ベネットが被害を抑えたいと願っている事は、聞かなければ彼女には解らない。
だから、やはり擦りこまれた先入観が、そんな風に言わせる]


 つ、常に同行と仰いましても……
 自分は軍人であります、殿下。

 任務中にまでフィリップスさんを同行させることは
 非常に困難、かつ危険を伴いますし、
 国内に残って頂くとしても一定の措置は必要です。

 それでしたら、正式な捕虜として取り扱う方がまだ……

[そしておろおろし始める。

 フィリスの驚きようも無理なからぬ事だろう、
 敵国の兵を客人として招くなどという話は前代未聞だ]


 近くの街はララント……
 確かこの小隊もララントからの派遣だったでしょう?

 ――だめ?
 特例措置で、名目上は警護と監視にしたら通ると思うんだけど

[何で二人ともそこまで驚いているんだろう?
 まぁ、余り御多例のある事じゃないけど、別に不可能じゃないと思うけど。
 おろおろしてるムパムピスがダメだと言うなら、別に他の方法を考えるのも一つだけど……]


 ……いいや? そんな馬鹿はしたくないね。
 
[少し重く呟かれる声には、否と返しただけで。
 今態々、全て伝える必要性も無いかなと言う思いから。

 立ち上がり、天幕を出て、この調査の為の陣を引き払わせて近くの街まで撤収させようとするけど。
 何かムパムピスからあったなら、もう少し考え直すつもり]


 だ、駄目かどうかは……

[無理な気もするが、自分では判断がつかない。
 その辺りを裁量する権限が、兵士にはないのだ。

 つまりはムパムピスの任務を、
 フィリスの護送と監視に切り替えるということだろう。
 明日のご飯は何にするレベルの聞き方をする公子殿下に、
 やっぱり困ったような顔を見せたのだった]


[ 否定して、天幕を出て行こうとする男の背を見ていた]

 そっか。……そっか。

[軍に入り、そんな戦術があると知った時、馬鹿なと思ったものだ。
同じように評した青年に、内心驚き。

同時に、彼女はこれから戦争が起こって自分が戦う相手が、わからなくなった。
同じように平和を望んでいるとしたら、何故戦争が起きるのか。
それはきっと政治的なものだとか、色々な思惑による巧みな誘導なのだろう、そうは理解しておれど。

困ったようにボブショートに切りそろえられた髪を掻き、ムパムピスを見た]

 ……どうすんの?

[だめ?と可愛らしく言った、恐らく上官の言葉に彼がどうするのか、最早見守るしかなかった]


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