204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[物が焦げる臭いがする。
それ以上に辺りを包むのは、バーナバスの甘い血の匂い。
食べたい。 でも食べたらもう、本当に、会えなくなってしまう。 居なくなってしまう。 置いていかれてしまう。
だから、衝動を抑えたくて。 口付けを強請ったのに、叶えてくれない。]
(206) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時頃
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[離れたくないと何度も口付けて、名前を呼んでも返事がない。 口付ける度にこのまま食い千切りたいと思う衝動が湧くが、体温を失っていくバーナバスの身体が抑えてくれる。 なんて皮肉だろう。 バーナバスの顔が涙で濡れる。
抜いた矢もそれを射った相手>>74も、もう意識の外だ。 肩を叩かれ、涙と血とで汚れた顔で振り返る。]
なぁ……目、開けてくれないんだ。 冷たくなってくんだよ……。
[泣いているところを人に見られるのは嫌だ。 でもそれ以上に、バーナバスが居なくなるのは嫌で。
ノックスへと、訴えた。]
(207) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時頃
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[バーナバスの手首に触れるノックスを眺める。 自分ではどうしたら良いのか分からない。
言われるままに、傷口を押さえる。 失われる血と、体温。 流れる命をそこに留める為に。]
(208) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時頃
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[握られた手に応えるように握り返すけれど。 綴られた文字>>86に、頷くことも首を振ることも出来ない。 バーナバスがいなければ、生きていけないから。
縫われていく傷口。 その針と糸とで、バーナバスがこの世に繋ぎとめられていくように思えた。 なんて細い。 それでもそれに縋るしかない。
火は、勢いを増してくる。]
(209) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時頃
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[動かないかった指先が動いた気がした>>133。 恐る恐る、血に汚れた手を伸ばす。]
……置いてかないで。 傍にいてよ……。
[握り返された力は、弱いけれど>>136。 まだ、そこに居てくれた。 それが嬉しくて、何度も名前を呼んだ。
その指先を口元に運び、自分の指ごと舐める。]
(210) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時頃
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[血の匂いで、このままバーナバスを食べてしまいたい衝動に駆られる。 その度に、唇を噛んで堪えた。
だって、名前を呼んでくれるのは。 あの、自分だけの名前を呼んでくれるのは。
――呼んで欲しいのは。
バーナバスしかいない。]
(211) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時半頃
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[処置が終わる。 まだ身体が冷たい気がする。 傷口に残っていた血を舐めとってから、着ていたバーナバスの外套を着せた。
出来ることなら、ずっと抱き締めていたかったけれど、ノックスがしてくれたのは応急処置だ。
早く、医者のところに連れて行かなければならないのだ。
早く、抱き締めてもらいたい。 火が回って来ているのに寒い。 だから、早く抱き締めて欲しい。
いつもはそんなこと言えないけれど、今なら直接そう言える。
言うから。叶えて。]
(212) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時半頃
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[ノックスへバーナバスを任せて、急いで使っていた部屋へと戻る。 二人分の荷物を持って、山を下る体力はない。 それは分かっている。
だからこそ、二人の荷物から仕事道具と少しの作品だけを持って戻った。 自分の外套を着てから、バーナバスの身体を支え――ようと思ったが、無理だった。 それが少し悔しい。 でも今はそんなことを言っていられない。
バーナバスはノックスに任せ、代わりにトレイルの身体を預かり、山小屋を後にした。*]
(213) okomekome 2014/11/28(Fri) 05時半頃
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[面白いおもちゃ そう思っているフランシスに 瓶で遊ぶ 阻止されて一鳴き 猛る場面もあり] [賑やかな 食事風景 慣れない けれど 供えられたラルフの分 一緒の食事 ラルフの冷たい腕に すり と頬ずり]
3年ーーーーー20半ば
[眉を下げる 3年だけでも 申し訳なさが募る のに 今 自分がいくつ なのかーーー指折り数え]
10年近く……
[途方もない時間に ジャムをつけてもらった 乾パンを一口食べた
……少しの間の後 もぐもぐ と さらに2口 3口と 止まらない様子]
(214) うに 2014/11/28(Fri) 08時半頃
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[ ルーツに面白いおもちゃ扱いされているとも知らず、警戒しながらジャムを遠ざけた。 ]
個人差はあるけどね。 ……例えばおれは、比較的早めに旅を終えて独り立ちしたし。
[ 性質によるものだろう。 先祖返りのフィリップは――後から目覚めたドナルドはどうだろう。経験無く、不安はあるが彼らを信じると、きっと守ると決めている。 ]
……おれたちの血筋が抱えた性質は、 それくらいひととして生きるには 厄介、ってこと。
[ ジャムをのせた乾パンを増やしつつ ]
……おいしい?
(215) azuma 2014/11/28(Fri) 09時頃
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―バーミリオン/山小屋―
[プリシラは泣いていた。>>207 バーナバスに纏う死を感じて。
幼馴染みに射られた矢が粛清の矢だとしても。フィリップに、誰を裁く権利があるというのか。
唯一の保護者を奪われた自分と姿を重ね、ノックスは息を吐き、決意する。
――生きよう。 ――生き続けよう、と。]
(216) k_karura 2014/11/28(Fri) 10時半頃
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[プリシラの反応は薄かった。>>209 彼の世界には、バーナバスしか居ないのだ。そう思うと、尚更必死になる。命の漏れ出す穴を縫い合わせ、命を繋ぐために。>>134
何度も何度もバーナバスを呼ぶ声。>>210 衝動を抑える為だろう唇を噛む様。>>211]
(217) k_karura 2014/11/28(Fri) 10時半頃
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[プリシラを待つ間、手を染めたバーナバスの血を舐め取った。 さっぱりとした甘みがあるのを確かめる。>>213
‘良い大人’から、少年時代の表情に戻る。バーナバスから貰った黒曜石のペンダントをポケットの上から抑えた。爪の代わりにしたものだ。石には罅が入ってしまった。
それでも夜は焔光を浴びて、美しい。]
『馬鹿バーニィ。 置いていかれる方の気持ちを、いい加減分かれって。
僕は……プリシラの分も渡したんだ。まだ仔狼の彼に教えなければならないことが、山程あるだろう?
だから、だから――…』
(218) k_karura 2014/11/28(Fri) 10時半頃
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[布を引き裂き、身体を支えるための紐を作りながら。>>132>>135 ノックスはバーナバスの生きる意志を、願う。彼は今でも、ノックスの明かりなのだから。
胃を満たしている愛し子たちの愛は、きっと彼等を、ノックスを生かすために在る。**]
(219) k_karura 2014/11/28(Fri) 10時半頃
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[口の端 ジャムをつけたまま聞いた ーーフランシスが比較的早い のには とても納得をして 頷き一つ
ジャムが美味しいかには 素早く二つ頷いて]
…………それくらい…… 厄介なのに どうして……?
[皆は人里に紛れるのだろうか? 今迄していたように 狩猟技術を持って 隠れ生きるやり方ーー母から学び ホレーショーに黙認されていたそれではなく]
(220) うに 2014/11/28(Fri) 13時半頃
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[――なぜ。どうして。 疑問符は、純粋で、そしてとても重い。]
種の保存 血の存続 ……とか、言い伝えられてるけど
でもそういう理屈だけじゃなくて おれはこう思う。 ――…… しあわせを 願うから。
[――呪うように そんな魔法を手に入れられた人が何人いたのかと嘲笑う壊れたオルゴールのような笑い声、聞こえる気がして眉を寄せ目を閉じる。 そうではない、と、]
(221) azuma 2014/11/28(Fri) 14時頃
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知らなければ 辛くはないかもしれないけれど 言葉を持って 知識を得て 世界が広がる喜びは きっとなにものにもかえがたいものだとおれは思う
例えば、そう ……衝動とうまくつきあえるようになれば ひとを、すきになっても、 ……すきって、いえるだろう?
[淡く、気恥かしそうな、その癖苦しそうな笑みを浮かべ]
そのためには、……一族の中に籠っているわけには、いかないから
(222) azuma 2014/11/28(Fri) 14時頃
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ーーーーしあわせ……
[どれだけ我慢しても 耐えられなくて その上 二人を失って ーーー暖かな手はあり 二人を困らせぬよう 二人の言うことをついて行くなら 聞こうとは思うけど
それは人になりたいから そうありたいからとは違う]
ーーー………… フランシスは いいたいの?
[笑みに混じるものに ジャムがついた乾パンを 口にするのをやめてーーーじっと 孔雀石が緑を見る ]
(223) うに 2014/11/28(Fri) 14時頃
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……獣のしあわせ、ってことじゃないよ 「人」としてのしあわせ。
……人に憧れた獣が やがて人の姿をとったものが おれたちの末裔なんだ、って 古い言い伝えを……聞いたことがあってさ。
……いまも、ちゃんと「人」になるために、……あがき続けてるんだって思ってる。だから……
……ぇ?
[孔雀石が、見つめてくる。フランシスは視線を彷徨わせて、少し目元を染めた。]
……ま、……まぁ そう、だね、……謂えるなら……
(224) azuma 2014/11/28(Fri) 14時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
azuma 2014/11/28(Fri) 14時半頃
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[里に下り宿にゆく間も フランシスとフィリップの様子に隻眼を和ませる。 「俺も街に出た時はちょっとびっくりしたな」と 故郷を出て旅をし始めた頃の事を思い出し重ねて笑った。 ラルフの件で視線交わし、小さく息を吐く。 ひとひとり担いで旅するは人目もあり難儀なのはわかっていた。
慣れぬ雪道のくだりは思いのほか身体への負担が大きく 通された宿の部屋のあたたかな空気にほっとして 疲れがどっと押し寄せた。 ラルフの亡骸を部屋の一番涼しい場所へと寝かせて、 荷をおろし外套を脱いで一息つく。
フィリップがラルフの傍から視線向ければ なんでもないという風に微かな笑みを浮かべる。
休息にフランシスが取り出すは乾パンとジャム。 フランシスからそれを受け取り、全員分――、 ラルフに供えるまで見届けてから、ぱくとほおばる。 口腔に広がる甘さが染みて己が空腹であったことを思い出した。]
(225) helmut 2014/11/28(Fri) 14時半頃
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[何年ぐらいで慣れたかとフィリップが問うを聞き 考える間にフランシスの応えがある。]
――…何年だったかなぁ。 最初こそびっくりしたけど、 俺も、ラルフも其処まで人見知り無かったから、 フランシスのこと見てるうちにいつの間にか慣れてたかな。
まあ仕事の方はなかなか難しくてまだ手伝い止まりだけど。
[衝動に関しての言を改めて聞けば少しだけ眉を寄せ考える風。 衝動が落ち着くまで、まだ数年あろう事に長さを感じ つ、とフランシスを見詰めて、また視線を床へとおとした。]
(226) helmut 2014/11/28(Fri) 14時半頃
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[ふと、視線を感じ目を向ければフランシスの声が耳にとまる。 フィリップを説得する際のことを言われれば、瞬きして]
声が届くなら遠吠えでなくてもいいし、 それに、俺がフランシスの立場なら、 同じように寂しいと思うだろうから。
[鎖された眸が何を思うかまでは考えられぬまま そのときを振り返りぽつりぽつりと言葉にして*]
(227) helmut 2014/11/28(Fri) 14時半頃
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ドナルドとラルフが 人見知りしない子だったのは、 ほんとに助かったなぁ……
……おれも、結構がっちがちだったんだよ
[ふふ、と小さく、笑って。>>226]
……――大丈夫、上達してきてるもの。
[衝動が、落ち着いて。――落ち着いたら。 ドナルドの方を、見て。そ、と目を伏せる]
……落ち着いてるほうだと思うけどね。 “先祖返り”は――おれも、はじめて、だから。……手探りだ。
[フィリップは衝動を持て余しているようだった。ゆっくり、飼いならすのには時間がかかるかもしれない。 途中で目覚めたドナルドはどうだろう。ドナルドの情が、彼自身を傷つけることがないよう祈る。もし向けられるなら――自分へがいい、などと思うは、罪深いか]
(228) azuma 2014/11/28(Fri) 15時頃
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がっちがちのフランシスってのが想像つかねぇけど それはそれで、ちょっと……
[みてみたかった、と年齢差あることを残念に思う。 フランシスに上達を認められれば嬉しそうに笑い]
だといいな。 俺もさ、フランシスの助けになりてぇから。
[今はまだ力及ばずともいずれは、と。 フィリップ同様衝動覚えるものの自制慣れする分読み取り難く、 必要な栄養はひとの血肉でなく食事で賄えるという知識もまた それを理性で押し込める役にたっていた。 大人のようにしかと飼いならせるのはまだ先ではあるのだけど。 緑の双眸が伏せられるに気付けば不思議そうに首傾げて]
フランシス?
[と、名を呼びかける。]
(229) helmut 2014/11/28(Fri) 16時頃
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[しあわせ、について、 フィリップとフランシスの二人が言葉交わすに耳を傾ける。]
……衝動とうまくつきあえるようになれば、か。
[ぽつ、と呟き、何か考える風にまた口を噤んだ。*]
(230) helmut 2014/11/28(Fri) 16時頃
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……ちょ、ちょっと、 ……なんだい。 見たって何の得にもならないからな。
[拙い姿を想像されるのは恥ずかしいか、首を横に振る。]
――うん。 一人だとね、限界もあるから。 フィリップは手先は器用そうだけど、どうかな
[力になってくれると謂うのは、心強い。 ラルフも一緒に、と思っていたことは、胸に棘を刺したまま。――山小屋は惨劇を生み訪問者は散り散りになった。旅の一族は集まってはならないと、口伝は強く伝わっていくだろう。]
……っ、 な、なんでもないよ
[名前を呼ばれ、願望と恋慕混じりの思考を振り払うように、そう謂った。>>229]
(231) azuma 2014/11/28(Fri) 17時頃
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……――、?
[ふと黙る、ドナルドを見た――伝えたい相手。会話の合間**>>230]
(232) azuma 2014/11/28(Fri) 17時頃
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緊張してるとことかあんま想像つかねぇから 気になるし見てみたかったな、と。
[フランシスが首振る>>231のを見れば あまりみられたくないのだろうと想像できる。]
狩りは得意らしぃけど、 そうだな、調律もフランシスから学べば。 手先もだけど、感覚とか、飲み込みもはやそうだし。
[コクと頷き向けてフィリップの方をみる。 なんでもないとフランシスが言うのには 疑問符浮かべながら、また首を傾げ。 思考に耽ってだんまりする間に不思議そうな眼差し>>232感じる。]
五年って、長ぇな、と思ってさ。
[ぽつ、と考える一端を零して苦く笑った。*]
(233) helmut 2014/11/28(Fri) 17時半頃
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[置いていかないで。傍にいて。 繰り返される言葉と>>210、頬に触れる雪の冷たさが渦巻いて、意識は何度も呑まれかけていく。
自分が今どこにいるのか分からないまま、風雪の冷たさと痛みに時折意識がふわと浮上する。
そんなことを何度も繰り返し、]
(234) 唐花 2014/11/28(Fri) 18時頃
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[次に目覚めたのは簡素な寝台の上だった。]
(235) 唐花 2014/11/28(Fri) 18時頃
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