73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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──医務室──
[扉を潜れば、ただ、静か。 座り込む友人と、埋まった三つのベッド。 ベネット先輩、ジェフ先輩、ノックス。そして。]
オスカー!?
[先ほど別れた後輩がソファに眠っているのを見て慌てて駆け寄る。ぐったりしていたから心配で。額に触れる、けれど熱はない。]
なァにこれ、みんな寝てるわけ?
[薔薇はなんと言っていたっけ。精気を奪われた人は、こんなふうになってしまうのだろうか。]
薔薇の棘……。
[うろ覚えで呟く単語は、どこか怪しげ。]
(126) 2011/12/30(Fri) 02時頃
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…さむいじゃん、馬鹿。
[こんなに人がいても、ベッドが殆ど埋まっているから。 流石に、人様の寝ている寝台に潜り込む勇気はない。 寒い、というよりは寂しいのだと内心気付きながら 一人がけのソファの上に丸くなる。 その姿は少し胎児の有様に似ていた。 誰かが尋ねてくるまでは、暫くそうしてじっとしているつもり]
(127) 2011/12/30(Fri) 02時頃
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わっ?!
[とか思っているうちに現れたセレストに驚いて うっかり悲鳴を上げてしまった。 結局それでも周囲は目覚める気配がなかったのだけど]
…植物状態みたいなもんだよね。
(128) 2011/12/30(Fri) 02時頃
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俺も、少しはそう思うけれど
[フィリップの言葉に賛同する言葉は途中でとぎれ、笑顔に返される表情は少しだけ翳った、けれどやはり笑顔だった]
この香りはさ、変だよね。身体が言うこときかないっていうかさ
[どうきかないのかは言わなかったけれど、いや、言えなかったけれど。もしもフィリップもそうならわかるだろうか]
でも、さ
[手を繋ぎながら歩く廊下、何処に向かうかも分からずに、ただ、寒いから一緒にいればいいとそう思い]
ありがと、な
(129) 2011/12/30(Fri) 02時頃
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うわ、っ……
[引き寄せられ、抱きしめられれば、その腕の中で小さく震える。 どんなに酷くされても堪えようと、奥歯を噛み締めた。**]
(130) 2011/12/30(Fri) 02時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/12/30(Fri) 02時頃
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……――
[思い当たることがフィリップにもある。 握っていないほうの手で 少し熱くなった頬を冷やすように包む ……カルヴィンの言葉から、 カルヴィンにも何かあったのだろう]
あの、さ……なんか、俺が変になったら 殴って、止めて、いいからね……?
[サイラスと言う人が好きな年下に、 さすがにそんな無体はちょっと……と 自分のもの、と、いってくれた言葉に 甘え過ぎないよう自分に釘を、 カルヴィンに行動範囲をと口にする。]
[暗い廊下は先が見えないことの暗示のようで怖かった。 けれど、先が見えなくても、 もし、先が存在さえしなくても。]
(131) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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うん……俺こそ、ありがとう……
[手の暖かさが大丈夫といってくれるように思えて。]
………どうしよ、っか……? ロバートは、何とかしようと、してる、のかな?
[なら、止めたい気持ちもあって、口にする]
(132) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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そうだね。……精気を奪われた、ってやつなのかな。
[こんなことになっていると知っていたなら薔薇の精にもっと詳しいことを聞いてきたのだけれど。後悔は先に立たない。]
……ねェ、ヴェスはさ。今ここがおかしいことになってるの、どれくらい気づいてる?
[協力者は欲しい。けれど全てを明かして、信じてもらうには少しばかり荒唐無稽だ。質問は探るように。]
(133) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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変?
[会話の流れを思い出して、意味もわかったけれど]
今も充分変だろ。どう、変になるの?
[わざとらしく聞いてみればどう答えるだろうかと。 ロバートが何とかしようと、という言葉には、彼は自分でどうにかするのだろうか、と疑問に思い、ロバートに会いたいのならば談話室か食堂か、どちらかだろうな、と考えた。何か言いつけられる時は大抵そのどちらかだったから。彼の自室は不思議と知らなかった。部屋には、けして呼ばれなかった]
(134) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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…よくわかんない。 俺も、多分とっくにおかしい。
[思えば薔薇の香りのし始めたあの段階から 自分の中の箍が外れたような気がする。 寒さに小さく身を震わせもしたが]
逆に、この状況下が普通って事のほうがありえないよ。
[緩い感覚の少年にしてはまともなことを言った**]
(135) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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[あれ、ロバートと集団ヒステリー云々の時、 カルヴィンもいたよとか、 会話の流れでわかる、よな?とは考えつつも、 人付き合いのないフィリップには わざと尋ねる理由も見つからず。]
え………っと、その 性……的に、触れたくなる、とか……
[口ごもる声は、徐々に小さく。 声に出すと逆に変に意識に残りそうだとも。 ロバートと話している時も 酷く照れ困惑したのは今も変わらない。 それでも、握った手を離すことはないが
そのロバートがどこにいるかは、 カルヴィンに任せようと思ったけれど。]
(136) 2011/12/30(Fri) 02時半頃
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[想像通りの答えを、それでも懸命に紡ぐフィリップがなんだか可愛くて、触れたくなる、の言葉と同時に頬に人差し指で触れてみた]
フィリップも、同じなんだね
[ほっとしたのと同時に、困惑も少しだけあって。 足は食堂へと向いていた。最後に食べたのが夕食で、もし次食べたら夜食になるのだろうか?よく、わからないけれど、ロバートもいるかもしれないし、それでなくとも誰かいるかもしれないと思って]
(137) 2011/12/30(Fri) 03時頃
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ひゃ……っ
[伸ばされた指先に過剰な程肩が揺れた。 鮮やかなほうのフィリップがそれに抗議するよう フィリップの短い髪をくちばしで引っ張る。]
―――〜〜 や、やっぱりわかってたっ!!
[ただ、カルヴィンの続いた言葉は やっぱりわかってたと言う拗ねる気持ちと 突然触れられたことへの驚きと、 そういえば同室と言ってたっけと、 納得する気持ちがない交ぜに。
ただ、カルヴィンの向かう先が食堂とわかれば 人が多いこと多い故に緊張もした。 ……が、夕方頃は会いたくなくても遭遇したのに 今は、妙に静かで人に会わない、と、ふと気になった]
(138) 2011/12/30(Fri) 03時頃
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そりゃあ、うん わかるよ。
[平然と頷いて、またその頭を撫でたかったけれど今度は我慢した]
食堂、嫌? 部屋でも行く?
[きっと今はサイラスもいないだろう、と最後に見かけた姿から思い、少しだけ冷たくなったような手を温めようと握りなおして問いかける]
(139) 2011/12/30(Fri) 03時頃
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[平然と頷かれて、フィリップは最初言葉もなく パクパク、と、酸欠金魚の様子。]
……じゃぁ、聞かなくて、いいじゃん
[顔が熱くて、心拍数も上がって 結局、抗議らしい言葉は これくらいしか思いつかなかった。]
ん……ごめん、俺、食堂苦手で…… それにしても、人、会わなくなったね ……寝てる、のかな……
[先ほど思い出したばかりの同室、であること ……泣いていた時の様子を思えば、 いろいろあったことぐらいは想像できて 握りなおす手を握り返す。 ……話題を部屋のことやそこから悲しいことにならないように そんなことを口にした。実際ある意味そうなのも知らず]
(140) 2011/12/30(Fri) 03時半頃
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えと、まあそうなんだけど ……ごめんな?
[言わせたかっただけ、なんて言ったらもっと拗ねられそうだ]
皆寝てて、起きてるのが俺たちだけなら面白いよな。 食堂苦手なら俺の部屋でも行く? …同室がいるかもしれないけど、さ
[フィリップがサイラスのことを気にしてるなんて思いもよらず、普通の会話の続きとして口に出した。もしもいたら なんて、言おう]
(141) 2011/12/30(Fri) 03時半頃
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[謝罪の言葉が聞こえれば、 それ以上抗議も続かない。 こくり、とひとつ頷いて。知らぬが仏。 鮮やかな方は髪を引くのに飽きたのか今はおとなしく。]
うん……それもおもしろいよね セシルの曲が聞けないのは残念だけど いろいろ、気兼ねないし……
ん……サイラス、だっけ…… いたら……カルヴィン次第、かな。
[結局話題は戻ってきて。 あの時の様子から会いたくない? ふと、セシルと話していた時の 「一緒にいると、つらい相手」が頭によぎる。 それとも、会いたいのだろうか? どちらか判断できず、且つ、 傷を抉るかも知れないと思えば聞けなくて そのままカルヴィンに案内されて彼の部屋へと向かう]
(142) 2011/12/30(Fri) 04時頃
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…そ、サイラス。サイラスがいても、フィリップがいれば
フィリップも、いればいいよ
[言い直す。きっとすぐに逃げ出したくなるだろうけれど、離れたいわけでもなかったから。いっそいない方が楽だろう、とすら考えて]
お菓子とかあった気がするし、まあ…入ってよ
[部屋につけば促しながら扉を*開けた*]
(143) 2011/12/30(Fri) 04時頃
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[言い直された言葉に、 会いたくない、気配が強いのだろうか?と 食堂が怖い自分を申し訳なく思うし 自分の部屋を提案すればよかったとも、思う ……薬瓶なんかが転がるから、 避けたかった、のだが。]
……うん。 いない、みたいだね……
[人の部屋に入るのも初めてで 同じつくりの部屋名はずなのに、 ぜんぜん様子が違って見える部屋に きょろきょろと見渡せば、人がいないことがわかり 二重の意味で安堵しつつ、 どちらの寝台かわからないけど寝台脇に腰掛けた*]
(144) 2011/12/30(Fri) 04時頃
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サイラスのこと考えただけで、もう、こうなっちゃった。
[モリスは熱く高ぶった中心の昂ぶりをサイラスに押しつける。
モリスの迸る中心の熱は、衣服ごしにサイラスへ主張している。]
(145) 2011/12/30(Fri) 07時頃
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[押し付けられた凶器の熱は、布地越しにすら伝わって。 怯えたまま小さく息を呑んだ。]
…構わない。 君の、気の済むように…して。
[緊張に喉はカラカラで、消え入るようにそんな覚悟を告げる。 薔薇の香りが苦しくて、 手足はとても冷たかったけれど、身体の内側は熱っぽくなっていた。]
(146) 2011/12/30(Fri) 07時半頃
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震えてるのか?それとも、寒いだけ?
[サイラスの緊張を察すると]
寒いなら、着たまんまでもいーけど。
[サイラスの緊張を解すように、そして躰を温めるように、その手で撫でていく。]
(147) 2011/12/30(Fri) 08時頃
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ん、そういや、サイラスはじめてって言ってたっけ。
[サイラスの躰が温まってくる頃に、モリスは自らのベルトに手をかけ。]
じゃあ、オレが痛くない方やるから。サイラスはベッドに横になるだけ。オーケー?
[モリスは窮屈な衣服を解放し、クリームを手に取ればサイラスを自分のベッドへと誘う。]
(148) 2011/12/30(Fri) 08時頃
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…ううん、寒くない。…平気。
[肌に触れるモリスの手がとても熱く思えて、 上がりそうになった声を噛み殺す。 体温が此方へ感染るみたいに、次第に熱く、呼吸は乱れて行って。]
…ぅ……… [眉寄せた小さな呻きは、確かに昂りを滲ませる。 その先がとても怖かったけれど、怖いなんて今更言えなかった。]
(149) 2011/12/30(Fri) 08時頃
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[初めてなのは、本当で。 羞恥に顔を染めて小さくうなづく。]
…痛くない、方? いいよ、そんな気…使わなくたって。
[罰ならばいっそ、痛くても構わないのにと、 そんな風に思ってしまったのは、無知ゆえの無謀か。
戸惑いのままに、ベッドの上へあがった。]
(150) 2011/12/30(Fri) 08時頃
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いいよ。オレ、こっち慣れてるし、さ。
[ベッドに横になるサイラスのベルトをゆっくりと外す。]
怖がんねーでいいって。 これから先、多分何回もするんだし。
(151) 2011/12/30(Fri) 08時半頃
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なんかい、も…
[こんな事を、これからずっとと思えば、 嫌悪感と羞恥に身は竦む。 ベルトに掛けられた手を押し留めたいのを我慢しながら、 大人しく脱がされれば、すっかり縮こまっていた。]
(152) 2011/12/30(Fri) 08時半頃
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だから、怖いモンじゃねーってばよォ……
[モリスはクリームを手につけると、縮こまったサイラスを丁寧に愛で、刺激を*加える*]
(153) 2011/12/30(Fri) 09時頃
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…っ!!
[クリームまみれの指が触れる感触に、ビクッと身体が跳ねる。 自分でもそんなに触らない箇所からの感覚に酷く戸惑って。
いつしかシーツを強く握り締めて、煽られた熱を持て余すようになる。**]
(154) 2011/12/30(Fri) 09時頃
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―中庭―
[懐中電灯の明かりを薔薇に向ける。変わらぬ姿、変わらぬ色、変わらぬ香り。 振り払うように頭を振った。
ここに来れば、ヴェスパタインに会えるかと思ったから来たまで。 今すぐに薔薇をどうこうするつもりはなかった。
ただ、手を伸ばして。硬い葉に触れ。]
……あなたは、何を、望むのですか? どうしたら、終わるのでしょう?
…彼らが目を覚まさないのも、時間が留まるような感覚も…… 性欲に溺れさせるという、あなたの仕業ですか?
冬薔薇よ……
[問いかけ。花弁に口付けを落とし]
(155) 2011/12/30(Fri) 10時半頃
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