198 かるらさんのうなじ争奪村
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「おーーい、曽井ーーー!」
「キャッチキャーッチ!」
え?
[己の名前が呼ばれた事に気付き、足を止めた。珍しい。視線を上げると、野球の白い球が緩やかに放物線を描いていた。
キャッチ……出来るだろうか。
危ないとは言われなかった。
避けろとは言われなかった。
ゴミ箱を置いて、空けた両手を空に掲げた。]
おーらい、おーら……
[確かに、これは取れる球なのだろう。しかし、体育下手の曽井にはハードルが高かった。]
[落下予想地点まで後退り、いざ掴まえようと腕を動かしたが、ボールの到着の方が先だった。
鼻と目に衝撃。
火花でも散ったように目がチカチカとした。]
………うぅ。? 鼻 ぢ
[血を見ると気分が悪くなるのはトラウマのせい。
両手を赤に染め、曽井は気を失い後ろに倒れた。*]
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[ 頬に、ふわりと触れるは鬼灯の提灯。 鬼灯が揺れて、鞄のほうに戻り、赤い花がまだ、そこにあるのを知る]
……――っ、
[ 瞠目して、それからくしゃりと顔を歪めた。 どうして。――否、だって、そうだ。 かれは、忘れるなんて許さない、と、言った。 片手で顔を覆い、暫し。]
………僕は……
[自身の肩を抱いて、感情を宥めるように深く息を吐く。 ――置いていかれた。 ――でも、両親のそれとは、違う。 ――しかたが、ない ――彼には、会わなくてはいけない人がいる。 ――だから]
(126) 2014/10/10(Fri) 23時頃
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[ ややあって、鞄を拾いあげ ススキの原を、歩き始めた]
(127) 2014/10/10(Fri) 23時頃
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[飴をなめながら歩きつつ、 誰かとすれ違っても小さく挨拶をするだけで歩みは止めない。]
おう、楽しんでいるかい。
[顔は笑みを作って、彼らに向けるだろう。 これは夢なのだと、そういう笑顔で。]
(128) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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―ススキと曼珠沙華の狭間へ―
――、……ぁ
[ 道標があるわけではなく、とぼとぼと行く先。 誰か、>>119座り込んでいるのが見えた気がした ]
(129) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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[カミちゃんをずっと抱っこしているけれど、 あったかくて気持ち良いから何だか手放せない。]
……お花のこと? この 椿のことか。
……聞きたいか聞きたくないかってことなら そりゃ、聞きたいけど。
[意味とか、ここでの役割とか―― 不思議植物とかいう観点でも興味深い、のは後付だが。]
何故、あの子がこれをほしがるのか、 …とかね。
(130) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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[遠くに見える、影ひとつ。(>>129) 向こうにススキがあるのはわからないけれど。
少し、考えた後に 手を振る。]
今度は俺が、おはなばたけの中だよ。 ――相賀みたいに映えないな。
[苦笑して、おいでおいでしてみる。]
(131) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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――……松戸くん
[ やや頼りない足取りで、手招きされるまま、向かう。 揺れる赤色のなか、ひとりと、一匹 >>131]
――映えるとか、映えないとか、ないよ
[ 自分も苦笑を浮かべて。 ]
……休憩中?
(132) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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――うん、 まあ そんなとこ。
[へらり、笑う。 夢の中でも、眠れるんだな、とは思うけど。 離れていた相賀のシルエット。 だんだんと、近づくにつれて――]
…………。 相賀……、 ちょっと じっとして。
[カミちゃんを置いて、立ち上がると相賀の元へ。 服に手を伸ばし、布をつまんで、ぴっと着衣を正して]
……無防備がすぎるよ。
[赤い跡も見えたとかなんとか。]
(133) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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―船内―
[絨毯の長い毛は足音を消す。
カミちゃんに手を伸ばし、肩へと誘った。]
………あぁ、これは僕の好きな曲だ。
[好みなものばかり詰め込んだジュークボックス。]
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そう、……カミちゃんも一緒なんだ。 久しぶりに見た気が――――
……?……
[布をただされて、不思議そうにしていたが 思い当たると、ただされたあたりを押さえて、見る間に赤くなった]
ご、……ごめ ん !
[いたたまれなくなって体を斜めにそらし、視線も逸らした。]
(134) 2014/10/11(Sat) 00時半頃
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いや、 謝らなくても。
[――想像しても、驚くことはない。 男の着衣が乱れていることに、違和感を感じたりとか そういう純情さは当然ない。]
そのパーカー、 友の?
[赤くなって身ごと斜めに逸らす様にくすっと笑う。 噂の結末の更に結末がこうなるとは、など思いつつ。]
和解は、 できたんだよな。 うん。 できてなくてそんなだったら ぶん殴りに行くけど。
(135) 2014/10/11(Sat) 00時半頃
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入れ違い。 僕を迎えに来てくれたのかと思ったら、今から海外で急な仕事だって。
はは、俺は留学の後向こうで就職しただけで、すごいのは姉さんだけだよ。 知らない? 今、モデルやっててHIMEとかそういうタレント名だったと思うけど。
[西高良くんの視線がなぜかまぶしい。 そんなに、期待されるような結果も残せていないのに]
ん、恋心って、どうなんだろう?とは思ったね。 同級生の男の子しかいないみたいだし。
でも少し、わかるかな。
(136) 2014/10/11(Sat) 00時半頃
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[扉を開けて、あけて、あけて。
広いフロアーはパーティーの装い。
一段と華やかだった。
音は澄んで清らか。何処までも穏やかに。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 00時半頃
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……――、 ――
[訝らないのか、と。 不安そうに、松戸のほうに視線を恐る恐る戻した。 彼がどう変わったのか、どんな経験をしてきたのか、 それはまだ、玲のあずかり知らぬところであり。]
……そ、…そう、だけど…… ―――、
[パーカーを握りしめたまま、答える。]
ん、……その。大丈夫、だ、った。 心配かけて、ごめん。……――
(137) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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うん?
[視線の意味が一瞬わからなくて首を傾げるけど。 不安げな瞳は、奇異の目を恐れるようでもあり、 ああ、と声をもらして、ふわ、と頭を撫でた。]
俺は、大丈夫だよ。 まあ、色々、あるし――……ね。
[それは愛想笑いにも似るけれど、単に濁しただけで。 赤いパーカーを握りしめる姿に、僅かに目を細める。]
そ、なら、いいや。 あいつ、笑ってた?
[後悔しないように、と、自分棚上げで説教した身。]
(138) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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[チョコレートタワーに果物を近付け、カミちゃんにも差し出す。
椅子は自動で引かれ、腰を下ろせば卓上に料理が現れる。国籍関係なく、曽井の好みの品ばかり。]
あぁ、これこれ。たこ焼き。
食べ損ねて居たんだよね。
紅しょうが少し多めで。うん、確かに。
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[撫でられたのが何故かわからず、瞠目する]
……大丈夫、って、…… ……おかしいとか、……思わない、か?
[いろいろ、というのには深く含みがある気がした。 松戸は、とても頭がよく、聡明だ。気づいていてなお、そう謂うということは。つまり。けれど、皆まで言わぬまま――]
……。 ――ん。
[頷く。昔のように笑っていた。 冗談めかして、忘れられなくしてくれないか、と謂ったとき。]
(139) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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――おかしい。 って、言ってほしい?
[悪戯げに笑みを引いて、けれど言うことはしない。]
健全だと思うよ、 友も、相賀も。 ――なんて、軽々しく言うのもアレかな。
[ごめんね?と添えるのは、 幾度か見た相賀の危うさとか、色気とか、そういう。]
笑ってたなら良かった。 相賀のおかげかな?
――友は、どっちの花、渡すんだろう。
[それは、気になったからつぶやいただけで。 答えを強いる響きではない。]
(140) 2014/10/11(Sat) 01時半頃
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―――、 それは、
[困ったような顔になって、首を横に振る。]
健全、かは、……大多数の人から見ては、 わからないけど、……、気持ちは、うれしい。ありがとう。
[松戸が自身を見て、危ういなどと思っていたとは、知らず。]
―― …… そこまで、自惚れられ ない。 ……とも、を思う人は、たくさん、いる
[どちらの花を、渡すかについては――黙して目を伏せ。]
(141) 2014/10/11(Sat) 01時半頃
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―――、 僕らを、ここに招いたひとは、
……意地悪だ な……
[――と、小さく。]
(142) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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そういうトコが――
[健全に見える、とか口にしてしまうと。 じゃあ俺はなんなのって思うから、しまいこみ。]
まあ、マジョリティでは ないか。
[と、事実だけをひとつ落とす。]
友は人気者だし、きっと今も、そうだけど。 自惚れていいと思うよ、 ちょっとだけでも。
[親指と人差し指で、ちょっと、と示して。]
(143) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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……うん、 ひどい って、思ったけど。
[マサルと話した時に、そう思ったし、そう言った。 けど、]
夢、なんて。
起きたら、何一つ覚えてない時だってあるのに。 記憶か、感情か、どちらかは絶対持って帰れるなら。
失うんじゃなくて、得るのかな とも。
あいつが、どっちを持って帰るのか知らないし、 相賀がどうするかなんてさっぱりわからないけど、
何かは残してあげないと、 あいつ報われないから。
[よく選ぶといいよ、と。人には言うんだけどね**]
(144) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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……、 ?
[しまいこまれた言葉の先、気になりはすれど、 突っ込んで聞いていいものかわからず、 少し渋い顔をして、頷いただけに留まった。]
…… ―――
[自分の手元で、松戸の真似をして、ちょっとだけ。]
(145) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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……
[黙して、松戸の話を聞いていた。 ああ、――やはり、変わらず、いや、ますますもって、彼は聡明で、本質を把握しようとしているのだと思う。]
――得る、 か
[そんな発想は、――聞くまで、浮かんでこなくて。 後ろ向きで、悪夢だと呟いた己に恥じ入る。 それでも、ひどい、と思ったのは、まだ変わらず]
残す。――残す さ……
[どちらを選ぶべきか。 どうだろう。]
(146) 2014/10/11(Sat) 02時半頃
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……、君は。……どっちが、 って 決めてしまって、いる……?
[選択に忠告を告げる、彼は ――もっと、はっきりと、選べているのだろうか。
玲は、思う。 「――友は、今も人気だから」 そんな風にいう君は。 想いを、向けているのでは もしかしたら、他の、ひとも―――
痛み、苦さ、浮かぶ疑問を、口にすることは、出来ないまま。]
(147) 2014/10/11(Sat) 03時頃
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[もし“そう”だったなら、 どんな顔をしたらいいか、わからなくなる。
けれど、憂うあまりに記憶を捨てるということはない。 一時は、忘れないでいてくれるならと 記憶すべてを差し出してもいいと思って いたのに。
―――「そんなのはダメだ、許さない」>>102
あの言葉は、楔となって 玲の心に打ち込まれたのだ。だから。]
(148) 2014/10/11(Sat) 03時頃
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[――行方を尋ねられることは、あったろうか。 そうでなくとも、ぽつりと、こう、謂う]
―――― …… 甲斐くんに 会いに行くって……謂って たんだ
[彼らは、会えただろうか。 ――俺はどうでもいい、軽い存在だと、 そんな、泣きながら笑っているような甲斐の心は、 少しは晴れているであろうか。 泣いてないよ、と、そう、謂っていた、彼は。]
(149) 2014/10/11(Sat) 03時頃
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松戸君……ひとつ お願いを、聞いてほしい。
[――きっと、これは、酷いお節介だ。でも。]
……甲斐君と 話してあげてくれないかな
何にも言わず 行ってしまわれたこと すごく、気にしてたから
[―――どうでもいい、軽い存在だったんだなあ、なんて、彼が口にしたことは、言わない。言えない。大切なものは、しまいこんで、自分も、忘れて、なんて、謂ってしまう人だ。
鈍感なものか。――柔らかい部分が、酷く繊細だ。]
(150) 2014/10/11(Sat) 03時頃
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