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店番 ソフィアに少しだけ勝ち誇った笑みを浮かべた。
ま、悩んでてもしゃーないか。
やらにゃならん事から逃げても、な。
[しばし、空を眺めた後、引っ張り出すのは携帯。
かちり、と開いて、メール作成画面を呼び出す]
『To:ソフィア
Sub:話したいことあり
Text:
屋上で待ってる。
時間ないなら、後でもOK』
[送信したのは、シンプルな内容。
送ったのを確認して、携帯を閉じようとする、ものの]
……え?
[一瞬、液晶に何かが映った気がして。
しばし、動きが止まった]
[勝ち誇ったような笑みを向けたサイモンを、スプーン握り締めたままぺちぺちしていると]
にゃ? あ、カルヴィナ先輩いらっしゃいませー!
[ぶんぶんスプーンを振る。
シチューありますよシチュー、と鍋の方を指し]
厭世家 サイモンなんとなしに、先ほど間違いメールのときの様子が気にかかりつつ、おかわりされるのを見た。
…なんなんだ 君たちは、こんなに暑い夏休みに。
闇鍋ならぬ闇シチューでもしてるの?
[湯気をたてたシチューをハフハフと食べている面々をみて片眉をあげる]
(あれ…すごく暑かったはずだよね…さっきまで、なのになんで今はそんなに暑く感じないかも…)
[また起きる不思議な感覚、ふるっと首をふって気づかない振りをした]
[お皿を差し出してくれるルーカスににっこりと微笑んで]
ありがと、会長さんは紳士よね、タキシードとか似合いそう。
[ついこの間皆でコスプレをして遊んだ時はコスプレしてくれなかったなぁ、などと思い返しながらスプーンを口に運んで]
ん、美味しい。
シチュー仲間って‥‥‥そういうものなの?
[不思議そうな顔をしているルーカスにも聞きながら]
なぁんだ、てっきりホリーと会長さんがラブラブなのかなって思ったのに。
ダブルデートとか楽しそうだと思ったのになー。
もちろん、私とホリーのデートと、ラルフと会長さんのデートでダブルデートだけど。
[そう言えば夏休みにもラルフと会長さんが自分とホリーに対抗してたっけ、と思い返しながら笑う]
おや、カルヴィナーレさん。ちょうど良かった。あんまり遅いと、なくなっちゃうところでしたから。
[カルヴィナに気づいて、早速よそうと、差し出す。]
小僧 カルヴィンにゆるりと手を振った。
店番 ソフィアしょぼんとしているのをぽふって、バジルバターを塗ったフランスパンを置いた。
[ソフィアの返し
ふふ。なんとなく、言ってみただけ。
[何故か。サイモンの隣で、言ってはいけない気がして。
そうして話を打ち切って、
姿を見せたカルヴィナに、シチューだよと手を振っただろう]
っ!
[唐突に、カメラのシャッター音がポケットから。
正直、自分でもまぞいんじゃないかなと思いつつ、その音でメールの差出人は分かる。
ひじょーに気まずそうに、もそりと携帯を取り出すと]
『to:エドワード
title:了解』
[たった2文字を打ち終わるのに。
(09)分ほど、掛かった]
あっ…そうだ、忘れてた。
あのね、ルーカス
[ポケットの中の携帯]
子猫の飼い主見つかったって…メィからメールが入ってたんだ
……オレ、よっぽど、疲れてんのかな……。
[液晶に映ったのは。
屋上に、異質な──ありえない色が散ったような。
そんな、異様な画面。
もっとも、それはすぐに消えてしまうのだけれど]
……やっぱ、暑さに当たってんのかなあ。
[誤魔化すように、呟いて、みる。
けれど、何となく──それだけではないように、思えて。
場所も指定したし、と屋上へ向けて歩き出した]
にんじんうさぎ…こういうのかわいすぎてたべられなくなるんだよ…ぽつりという
えっ、これ闇シチューだったのっ!?
[カルヴィナの指摘
…… ちょっと、行ってきまーす。
[パンくずを払うと、にへら笑って、ひらひら手を振り。
猫の飼い主見つかったんだ、とか小耳に挟みながら、調理室を後にした]
[
はは、タキシードくらいでよければ、いつでも。どこかに、ありましたっけ……?
[生徒会室だったかな、と考えながら。]
ん……どうでしょう。なんとなく、シチュー作って、誘ってみたんです、が。シチューのように溶けあう、ってわけではないですね。
あはは。それはいいですね。ラル君、もらっちゃいますよ。
[
…まあ物騒な話はなしですよなし。
[不思議と続きそうになる言葉と、表情がみるみるかわりそうな態度の豹変を隠して。]
[メールが届いたのは、階段を二段抜かしで駆け上がる途中。
りん、と鈴を鳴らすような音がひとつ、ポケットから響く]
……なんつーか。
オレ、相当やらかしてる?
[文字通り、用件だけのメールに浮かぶのは苦笑。
音を立てて携帯を閉じると、残りの階段を駆け上がって、屋上へ抜けた]
特性 シチューに間に合って良かった
[嬉しそうにシチューを受け取る]
ってにんじんうささんは少なめにって!
[注がれたシチューにたっぷりのにこにこウサギさん]
うーっ!みんな美味しく食べてやるよ
[困ったように唸るけど、うまうまっ 戴きます]
おや。
[カルヴィナの言葉に
……仔猫。ぬいぐるみじゃなくて。
[少し考え、夏が始まる前、確かにそうだったことを思い出す。]
みぃちゃんですか。それはよかった。メィさんって人が探してくれたんですね。それは、お礼を言って置いてあげてください。
今はカルヴィナさんのところにいるんでしたっけ?
[猫、と。その姿がどこにあったか、とっさには思い出せず。
にんじんうさぎは、作った覚えがなかったので、ちょっと不思議そうにした。先っちょの方、皮を削ったらそうなったのかな、と思いつつ。]
[カラン。スプーンが、床に落ちる。
何かが終わってしまうような、底冷えのする予感]
……お願い。……負けないで。
[自分は何を言っているのだろう。
ちょっとごめん、と逃げるように調理室を出ていく]
部屋を出るソフィアには手を振った。
いってらっしゃい、こけないようにね。
[ソフィアに手を振る。…と子猫の事を思い出して]
生徒会室に預かってもらってるあの子猫のね飼い主が見つかったって連絡があった。
新聞部の1年のソフィーと言う女の子なんだけど知ってる?
……あれ?
[カルヴィナによそったにんじんは、なぜかうさぎさんで。
目をこするも。あまり深くは気にしないことにした。せっかくなので一杯入れて、にこりと差し出した。]
─屋上─
[見慣れた、場所。
見慣れた、風景。
何も変わっていないはずなのに、違和感を感じるのはなんなのか]
……まあ、ここで寝てた事とか、この妙な痣とか。
しょーじき、わけ、わかんねぇ、よなぁ……。
[見た目、何も変わらないそこを見回して。
小さな声で、ぽつり、呟いた]
ん‥‥‥あれ、この間皆でコスプレして遊んだ後どこにしまったっけ?
まだ生徒会室に置きっぱなしだったっけ?
[スプーンを咥えて視線を上に向けながらこてりと首を傾げ]
この間着てくれればよかったのに、ホリーのウェディングドレスに合わせて。
んん、結構お似合いだと思うけどな、ホリーと会長さん。
ふわふわ同士だし。
[ぽつりと呟き、友人とルーカスを交互に見て笑う]
あら、ラルフは浮気しても私のところに帰ってきてくれるって信じてるもの、大丈夫よ?
じゃあ、今度4人で本当に遊びに行く?
[ラルフの名前が出ると胸を張って自信げに、それから再びきょろきょろと友人とルーカスを見てにこりと笑顔になる]
猫。
[生徒会室に
……ほりりん?
[逃げるようにして立ち去るホリーを見て、思わず立ち上がった。]
えっと。すみません。
[と、アイリスの方を見やって、調理室を出ようとした。]
あのね…ちょっと前にメールみたんだけど…。
すぐに言い出せなくって…
せっかく子猫、生徒会室に慣れてきたし、あそこにいくとネコに会えるし…
それに…
[続きを言おうとしてソフィアの話が耳にとまって]
ふわふわ・・・
→ 屋上 ―
…… うー。
[おそるおそる、屋上への扉を開くと。
其処には、見慣れてるんだけど、今はあんまり、どちらかといえば見たくなかったもしれない、柔らかな髪色]
……うー、やだな。なんで泣いたかとか、あたしにも分かんないのに…… っ?
[やっぱり戻ろっかな、なんて落ち着きなく、扉を半開きにしたままぶつぶつ呟いていたら。
何故か、視線の先。みずたまり]
…… …
[空はこんなに青くて、誰か赤いペンキでも零してしまったのかな、なんて思って。
引き寄せられるように、それを追って、足を踏み出せば。
ついさっき、ホリーが口にした言葉が、過ぎったりなんかして]
… … …なに、してるの?
[其処には、自分が居た。
向こうの自分も、こちらが見えるのだろうか。
嘲るような笑みは、今から表情筋を鍛えても、自分には到底無理で。
そもそも、そんな表情、しようと思ったこと、ないし。
それより、なんで。
その前に、立ち尽くすクラスメートが、ペンキに足を突っ込んでるんだろう、とか。
なんで、自分の手も、ペンキ塗れなんだろう、とか。
分からない。
分からない、けど]
――――っ!!
[悲鳴は、こえにならなかった]
[
あれ……?
(なんだか前もどこかで…ふたりが手をとりあって駆け出していくのをじっと見てきた気がした)
良家の息子 ルーカスに大丈夫だからと、どうにか笑顔で手を振って、駆け出していった。
ああ。ずっといてほしかったんですね。
[調理室を出ようとして、カルヴィナの言葉に、ぽふりとして。それから。]
けど、ずっとは飼えませんから。みぃちゃんにありがとうって。お友達によろしくお願いしますって。言いましょう。
……大丈夫じゃなさそうですよ?
[ホリーの笑顔には、笑顔では返せなかった。
ただ、追いかける足は止めて。ゆっくりと探しに行った。邪魔はしてしまわないよう。*]
うん…。いってらしゃーい
[教室をでていくルーカスに手を振る]
─屋上─
[扉の軋む音に振り返る。目に入ったのは半開きの扉で。
開けた人物を探して視線を動かした先──]
……え?
[何かが見えた]
ちょ、ま。なんだよ、これ……。
[裏庭で偶然知り合った、バンドのギター。
丁寧に育てられている花々に、直感的に『イイヤツだ』と思って。
それを、そのままぶつける事で、いつの間にかそこで離すようになっていた、彼。
その彼を取り巻く状況の異様さ、言葉が失せる──ものの]
……っ! ソフィ!
[同じものを見ているらしきソフィアが目に入ると、とっさ、そちらに駆け寄って。
支えるように、肩に手をかけていた]
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