25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[この心は何故こうも花を求めるのか。
身などなくなったというのに]
未練が一つ――。
お前の温かさを、もっとこの腕に感じたかった。
[色狂いだといわれたことを思い出し、ふ、と笑った]
……それは、ボクの?
彼岸へたどり着いてしまったら、
叶わない望みかもしれませんね。
[冬色の瞳が瞬いて
傍らの主を見上げる。
其の向こう
櫻に植えた種は、冬の気配帯びて
変わらず彼の傍に有りもする]
お前以外に、誰がいるというのですか。
[寄り添う花に回した腕は、やはり生前と同じほどの熱を感じることはなく]
たどり着いたら、――…たどり着けるのでしょうか。
もう、数珠も、落ちてしまった。
[床に散らばった数珠はいつの間にか片付けられていた。ゆるりと歩く。
傍らの花の手を引いて]
|
[しかし、また明はきえてしまったか。 そう、いなくなる。
ひとり。]
さて、でも、俺は、 しっかりしなきゃな。
(319) 2010/08/08(Sun) 01時頃
|
[熱はあるのかどうかわからない。
しなだれかかる身が
刳り貫き損ねた心の臓を胸の上から押さえる]
この身も、この身が覚えた芸も総て
主さまのもの。
如何様にも、好きに愛でて良いんですよ。
それが花の幸せ。
ボクも……多分。
ただ
……私は浄土へ行けぬ身
数珠落ちても
主さまは、ひとで 私は、獣
[冷たい雰囲気纏う幾らか幼い相貌に浮かぶ愁い。
手を引かれれば、少し驚きながらも後へ続く]
|
>>@46
ん?
[でもそう感じた時にまた気配。 もう、わかっている、明がどんな存在なのかと。]
ああ、そうか。 わかった。すまん、助かる。
[その舞わされた腕に一度目を閉じてから、 また階段を下りて、今度は本邸のほうへ。]
(323) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
|
始末屋 ズリエルは、目のツボに入って、ちょっと気持ちいい。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
[多分、という言葉にも。
この身は震えている]
――何故、浄土にいけぬというのです。
病にかかったから?
人を食らったから?
人は、生れしとき既に業を背負っている。
それを返してゆくのが生者としての使命。
ですが。
浄土に行けぬのは私も同じ身。
業を返しきれず。お前に私を食らわせようとした。
[先を行く身で言葉をこぼす]
始末屋 ズリエルは、小僧 カルヴィンに吃驚した。は、はやい・・・。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
私の病は、受け継がれるもの
この世のありさまを、壊す
そのために……酷いことを山ほど。
業を返すどころか、増やし続けて
……主さまもおなじ?
[半歩後を手引かれながら
ふわり、雲の上を歩くような心地
柔かで
それで居て物足りないと思うのは
死しても欲が出るものなのか]
一緒に逝けるなら、どれほど良いか
今このように、手を繋いで
何処までも
|
― 本邸階段途中 ―
[さすがにさっきものぼり、また登る階段。 疲れていたか、ペースはままならず、
するとすぐ横を、歌ううたいの小鳥が駆け上っていく。]
――……ッ
[驚いたが、その様子に、上には誰かがいること、確信できた。]
(332) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
|
|
>>@48
[またいつのまにか現れた明の愚痴をきいて、頭をかきつつ。イアンのことを訊かれれば、複雑な表情しかできない。]
イアンか…。ちょっと話しかけてみるか。
[そのとき、小鳥も舞い戻ってセシルがいること、報告してくれる。>>330]
(333) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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お前が犯してきたことは、お前の意思がそうさせたのか。
それとも、病であるからか。
――どちらでも、良いか。
[ふわりと。
応接の間を出て廊下を歩く。今は誰にも見られることはなく。
否。
あちらにいる二人の花には見えたかも知れず]
一緒に逝かないのですか。
辿り着く場所がどこでも。
私はこの手を離すつもりはありませんよ。
[艶の混じる硬質な声。
眉尻は微か下がっている]
…―わがころもでは
つゆにぬれつつ……
[小さく呟く。
りん、と現世が啼く度に
響いて常世もりん、と泣く。囁く歌。]
…… ――――
始末屋 ズリエルは、門下生 一平太に話の続きを促した。
2010/08/08(Sun) 02時頃
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>>337
[悲鳴のような声をあげてセシルを心配する小鳥に、大丈夫だと返しつつ、行くぞ、と声をかけた。
屋上につけば、そこには、セシルの姿があっただろう。]
セシル?大丈夫か?
(340) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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……私はイビセラの花
言ってしまえば病そのもの
今は
人を喰らう力こそ無くとも
[同じ場所、同じ道を通る。
されど現世のひとには見えず]
逝けるでしょうか。
人でなくとも
其の手が私を離さぬなら
[桜の傍らに、ざわめく気配。
冬の色は彼の内]
――
[櫻は
要らぬかどうか答えは無く。
ただ、現世で告げた言葉
彼に届いていなかったのかと、愁い混じる]
[駒鳥と、センターの人間がやってくれば
彼の傍にあった気配はなりを潜め息を殺した]
[届く鈴の音。
そちらを一度見て]
思うのならば、今は届かぬほうを思うと良い。
寂しいからですか。
貴方がなくのは。
その鈴の音は、貴方の涙のようです。
[見る視線は生きていた頃と同じ。色はなく。
けれども僧であったものとしての慈悲を浮かべる]
|
[屋上で一人、たたずむセシルに近づいていく。]
セシル、どうした。 こんなところにくると危ないぞ?
[その手に何かもっている、なんだろうと目を細めた。]
(345) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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始末屋 ズリエルは、ゆっくりとセシルに近づいていく。あと少し
2010/08/08(Sun) 02時頃
逝ける。
逝けぬなら、私も往かぬまで。
[足を止めて、空を見上げた。
欠けた満月]
ロビン、お前は私の花です。
こちらに来た以上、それはずっと。
お前が厭というまで。
[月の下、花の身に触れて、心の臓が時を止めたのと同じように、かき抱く]
――…ボクの為に、染めた髪
[小さく呟く声、僅か。
これは聞こえぬ方が良い
きっと、彼にとっては]
|
>>350
剪定?
[そして、目の前にたどり着く。 桜色の髪は、風に流れて………。]
どうして切るんだ? いや、切ってもいいが……。
とにかく、ここは、危ない。 みんな、心配する。
[その手を差し伸べる。]
(353) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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始末屋 ズリエルは、明も真横にきていて、ぱちくりした。
2010/08/08(Sun) 02時半頃
[鈴の音に、主が声かけるを花は傍で控えている。
主が話すに口を挟むのは――
そう雛鳥に告げたのは、未だ昨夜の事。
足を止めた彼を見ている]
ボクも……法泉さまの花
ずっと
切り捨てられる事は、無い?
[不意に視界が覆われて、腕に擁かれたのだと知る。
頬を胸に摺り寄せて、鍵爪の無い手が背に回る]
厭などと、誰が謂うでしょう
私は主さまの花
人食でも良いと、選んでくださったのは主さま
お傍に置いてください。
共になら、奈落に堕ちても構わない
|
>>359
[全然大丈夫そうなセシルに脱力したのは事実で…。]
そ。そうか。ならばよかった。
[心底ほーっとした顔をした。]
(362) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
|
何故切り捨てると?
お前が私の花だという以上は――。
私の花はお前だけだ。
[摺り寄せられる頬。
頬に触れて、その眸は此方を向くのだと、向けさせて]
堕ちるまえにも。
もう一度歌を聴かせておくれ。
お前のその顔で。
私の為に、啼いてほしい。
[笑みを見せて、唇に触れる。
触れる感触は、生きていた頃と同じもの]
[僧の慈悲。
届くのは、こえ。]
……、ないてなどいない。
[――――りん、と
小さな鈴の音。
眉はきつく寄せられて
けれど涙は流さない。
重なるように華月と、朧の会瀬を意識に重ねる。]
|
>>365 何言ってる。助けるのは当然だ。
もう俺は明とお前は買うつもりだからな。 ああ、どんなに文句言おうと、そう決めている。
[セシルの言葉にそう答える。 また怒られるようなことを言っているのかもしれないが、正直な気持ちだった。]
と、腹…か。そうか。
[その意味は、もう知れた。微かに視線を落としてから。]
ならたくさん、飯も食わないとな。
[そして、セシルの身体を抱えあげる。背負うのではなく、両手で抱き上げる。]
行くぞ。
[明と小鳥に声をかけた。]
(370) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
|
[見ている]
[感じている]
[願っている]
―――――朧さま、
……―――華月……
[己をきつく、抱いて。
震える肩、
―――りん、と鈴は鳴るばかり**]
始末屋 ズリエルは、おっこちないように階段はとっても気をつけておりています。**
2010/08/08(Sun) 03時頃
[幾人も、花を囲うなら
気に入りが変われば切り捨てられる
習ったこの世の有様は、恐ろしいもの。
なれど]
うたを
……詠いましょう、主さまのために
[頬に触れる手に僅か震えて
冷たい冬色は嬉しそうに細まる]
奏でる曲はお任せします
穏やかな春でも 熱さ溢れる夏でも
実り多き秋も 身引き裂く寒い冬でも
[そっと瞳を閉じる。遠くで鳴る鈴の音も
流れる血の鮮やかさも、今は意識の外に追いやって]
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