65 In Vitro Veritas
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[赤毛から身を離すと振り向いて、へたり込む蛯江に隻眼を瞬かせた。]
オイ、ヤニク、どうしたィ。 だいじょぶか、気分でも悪りィか……?
[幽霊に気分が悪いかとは妙な言い草だな、と苦笑する。
手を差し出そうと、数歩歩み寄った。 そういえば、こんなことが以前>>3:+28にもあったな、なんて思いながら。 立ち上がった彼には、無理すんなよ、と声をかけ。]
うン、何か……、……… ……へ?
[突然伸ばされた腕に軽く身を引くも、予想外の行動には対応できず。唇に触れた意外すぎる感触に、右目は最大限に見開かれる。]
ちょ、オイ、待てヤニク……!
[口元を押さえ、立ち竦み。一拍遅れて駆け出した。]
(83) hatsuse 2011/10/10(Mon) 00時半頃
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[バラバラにされた身体。 そして、ニックが切り離された首を持ち上げる。
……厭な予感がした。]
ぉい、やめ……ろ、よ…………。
それだけは……冗談じゃ、ねぇ……!
[しかしニックの足が向かうのは、数多くのクローンが遺棄された、あの瞑い穴……]
や……め…………!
[奪い返そうと腕を伸ばす。 すり抜ける。
伸ばす、のばす……ぬける……
そして、首はニックの手を離れ─────]
(84) nordwolf 2011/10/10(Mon) 00時半頃
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ぅわぁぁぁあぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!
[慟哭は、はたしてどこまで響いたか───……]
(85) nordwolf 2011/10/10(Mon) 00時半頃
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セシルは、そして、鼻づまりがひどくなってきてしまったのだった。ぐず
nostal-GB 2011/10/10(Mon) 00時半頃
セシルは、なんか、赤毛がんばれ、でも、ヤニクもがんばれ
nostal-GB 2011/10/10(Mon) 01時頃
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[自慢の脚力も、幽霊になってしまえば然程強みにはならないらしい。蛯江の背に追いつくことは中々できず、いつしか見失う。]
……ドコ行きやがった、アイツ。 にしても、さっきのは……どういうこった?
[知らず、口元に手をやって。その意味を考えようとしたときに、叫び声>>85が届いた。]
……あっちか!
[再び駆け出し、ゴミ処理所の方へ。 途中、蛯江のクローンとすれ違って、……厭な予感が、した。]
オイ、何があった! ヤニク!
[状況はさっぱり分からない。 けれども、赤いパーカーを認めれば、混乱した様子の蛯江を落ち着かせるべく、その手首に手を伸ばそうと。]
(86) hatsuse 2011/10/10(Mon) 01時頃
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[なくなった。 何もかもが、奪われた。
空虚な目で、深い穴を覗き込むが、底など見えるはずもなく。
意識が遠のき、ゆらりと身体が傾いて、吸い込まれるように、落ちそうになる。]
───!
[すんでの所で意識が繋ぎ止められたのは、不意に伸ばされた大きな手のおかげ。 何が起きたのか理解できず、ただ目を見開いて、その手の主を見つめ]
岩……せ、さ…………。
アンタ、何で……ここに…………。
(87) nordwolf 2011/10/10(Mon) 01時頃
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セシルは、フランシスカが運命なんだよ、にっく・・・
nostal-GB 2011/10/10(Mon) 01時半頃
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何で、って。 アンタが突然逃げるからに決まってンだろ。
[どこか虚ろな蛯江の表情に眉を顰めると、右目をすっと細めて逸らす。けれども掴んだその手は離さずに。]
ホラ、こんなトコ居たら気が滅入っちまう。 つゥか、死んでまで辛気くせェ顔してるこたァねェだろ? 俺ァ常々、映画に出てくるユーレイが暗ァい顔してんの、気に要らなかったんだよなァ。
出られっかは分かンねェけど、試合見てェよ、試合!
[事情は分からずとも、あまりこの場に放っておいてよさそうにも思えなかったから。腕を少し強く、ぐい、と引いた。]
(88) hatsuse 2011/10/10(Mon) 01時半頃
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セシルは、は!>>-801だと?
nostal-GB 2011/10/10(Mon) 01時半頃
セシルは、801なんばー追尾しつつおやすみ!
sen-jyu 2011/10/10(Mon) 01時半頃
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だって俺……あんな事して……! それに岩瀬さんには、あのクローンが……。
……ッ、俺、またクローンに……っ!
ぅっく……!!
ひとり……なっちま……!
ぃや、で……!!
[堰が切れたように泣き出して、しゃくり上げながら訴える。]
………!
[引かれる腕には逆らうことなく。 涙に濡れた顔を、胸元に押し付け]
俺、だって……! まだ野球、見たい……っ、すよ!!
(89) nordwolf 2011/10/10(Mon) 01時半頃
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[泣き出した蛯江>>89にぎょっと、瞬きひとつ。]
どういうこった、……アンタも赤毛も涙腺脆すぎンだろ。
[何ゆえ成人男性二人もに目の前で泣かれなくてはいけないのか。天井仰いで嘆息すると、視線を戻す。覗き込むように、その泣き顔をまじまじと。]
あんなコト……俺にはクローンが……? いやそりゃまァ、何で突然……、
[先ほどの感触を思い出しかけて、慌てて首を振る。]
ああいうコトしたのか、俺にゃァ分かンねェけども。
(90) hatsuse 2011/10/10(Mon) 02時頃
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一人だ、なんて、ンなこたァねェだろ。 少なくともココにゃァ俺も居るし?
[しがみつく背を軽く叩いた。 服をクリーニングに出さなきゃな、と考えかけてはたと気づき。うぉ、ユーレイ便利ィ、とぼそり。]
そんじゃァ、こんなトコに居ねェで、試しに行ってみようぜェ? ……一緒に。
[野球を見たいと聞けば、にやりと嬉しげに笑う。天井――上の階を顎でしゃくった。]
(91) hatsuse 2011/10/10(Mon) 02時頃
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……………はい。
[まだ涙声ではあるが、はっきりとそう答える。]
……岩瀬さん。 俺、やっぱアナタの事……大好きです。
[どういう意味での「好き」なのか。 自分でも、分からなくなっていたけど。 それでも構わないと思った。
この人と───野球に、これからも、触れる事が出来るなら。]
(92) nordwolf 2011/10/10(Mon) 02時頃
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[腕を引いて階段の方に向かいかけたが、蛯江の言葉に振り向くと、寂しげに笑う。]
ン、サンキュな。 もう、俺が打つトコも守るトコも、見せてやれるこたァねェけど。
[呟くと、その頭に手を伸ばし、嫌がられなければ軽く撫でようと。 特に、ファンとしての好意だと疑問を抱きはしなかったけれども、ふと、先ほどの感触を思い出して。]
アレ、それって……。
[思考停止。そんなハズは、と、慌てて深呼吸。]
い、行こうぜェ。 表出られたらドコ行くかね。 ココのスタジアムもイイが、世界中の試合見て回る旅行なんてェのも楽しそうじゃねェ?
[歩きながら浮かれ気味に、他所の都市のドームやら野球場を数え上げた。]
(93) hatsuse 2011/10/10(Mon) 02時半頃
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[頭を撫でる手がやけに温かく感じ、ささくれ立っていた心の痛みが、すぅっと引いてゆく気がした。]
や、岩瀬さんがいれば、そんで……。 ……って、いや、だからその…………。
………ですよ。
[赤くなった顔を片手で覆い、とにかく思考を切り替えようと、岩瀬に会わせて各地の球場を思い出す。]
ど、どうせ行くなら、天然芝のあそこ行ってみたいす、ね……!
あ……でもやっぱ、アレっすよね。 そん時は、クローンの……なんつったっけ、赤毛? あいつも一緒、なんすよね。
……俺、イヤっすよ。 岩瀬さんと同じ顔してんのに、野球の事なにも知らねーヤツと一緒だなんて。
[むっと顔を顰める。 そして岩瀬をじっと見て]
(94) nordwolf 2011/10/10(Mon) 03時頃
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だから。
とことん教え込まねぇと! まずは球団名に、ルールに……それと応援歌!
あと、岩瀬さんがどんだけスゲー選手だったのか、ルーキーの頃の話から、全部聞かせる!
[考え出すと、何だか楽しくなってきた。 赤毛が、それを受け入れるかどうかは分からないが。]
(95) nordwolf 2011/10/10(Mon) 03時半頃
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[赤毛も一緒かと問われれば、一瞬足を止め。]
あー、野球知りてェっつってたしな、アイツも連れてってやろうと……、
[クローンをあまりよく思っていなかった蛯江は、それを嫌がるだろうかと、気になって言葉を切る。 こちらを見つめる瞳を見つめ返した後、続く予想外の言葉に軽く噴き出した。]
なんつゥか、俺ン目の前で俺の話されんの、若干恥ずいよな。
[再び廊下を歩きながら、蛯江に右手を差し出す。 拒まれなければしっかと握り、一人ではないのだと伝えるように。]
(96) hatsuse 2011/10/10(Mon) 04時頃
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[そうして、先刻の場所で立ち竦む階上の赤毛を認めれば、左手をぽんとその頭に乗せる。]
悪りィ、待たせたなァ! ホラ、アンタも一緒に行くぜェ、野球だ野球! 拒否権はナシ、だ!
[赤銅色をかき混ぜるように、ぐしゃぐしゃと。]
あーあ、もう試合出来ねェってのは悔やんでも悔やみきれねェ、が。
[ちらりと横を見やった。 蛯江の楽しげな様子を見ているだけで、試合を見るのすら楽しくてたまらなかった子どもの頃を思い出す。観戦も悪くないか、とふと笑みを零し。]
なァ、赤毛は……もしかして、空も見たコトねェの?
[外の世界を見せてやったら、さぞや面白い反応をするんだろう。 にやりと笑うと、その背に触れてから、問答無用でぐいと彼の手を取った。]
(97) hatsuse 2011/10/10(Mon) 04時頃
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な、何で笑うんすか! だってあいつ、何も知らねーとか! そんなの俺、マジで許せねーし!
[半分は本気。 あと半分は、照れ隠しも混ざっていたかもしれないが。
差し出された右手をしっかり握る。 怒りも不安も、何処へやら吹っ飛んでいった。
赤毛はどうしていただろう。 その姿を見つければ、指を差し、開口一番]
お前、これから毎日野球の勉強だからな! 覚悟しとけ!!
[どんな反応を示されようと、知ったことではない。 こうなったら、とことん教え込まないと気が済まない。]
(98) nordwolf 2011/10/10(Mon) 04時半頃
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ですよね岩瀬さん!
[岩瀬へと、同意を求めるように満面の笑みを向ける。
漸くちゃんと笑えた気がした。 岩瀬に伝えたい事は、とても沢山あったけれど……その為の時間は、この先、たっぷりとあるだろうから**]
(99) nordwolf 2011/10/10(Mon) 04時半頃
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