68 Trick or Treat? ― Battle or Die ―
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― 広場 ―
[聞こえた叫び声>>27、>>31のメモ]
(……そうだ、倒さなくちゃ。 それで、守らなくちゃ。 皆の、お菓子)
[死と引き換えのお菓子は命にも似る。 立ち上がれば、何処からともなく湧き出るお化け達]
(渡さない、絶対……ただのお化けなんかに)
[浮遊するジャックランタンが見える。 しかし、それはゾーイように喜怒哀楽もなければ声も出さない]
(渡すもんか……――!!)
[放たれた焔を素早く猫に変じてかわす。 背後には大きな影、これはフランケンシュタインだ。 しかし、サイラスのように動きは機敏でも優しくもない]
(56) 2011/10/26(Wed) 21時頃
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― 路地裏 ―
……は、……はあ、……っそ……
[どれくらい走った頃だっただろうか。男の走る速度は徐々に緩み、歩みに近付いてきていた。不意に、足がもつれ、転びかけて。そのまま壁に右手を突き、男はついに立ち止まった。 荒く呼吸をする度に、揺れる肩が痛んだ。裂けた耳も鼓動に伴って痛み]
……ち、…… なんか……出しとか、ねえと、……
[広く赤く染まった肩口と右手とを見ては、舌打ちして。近くの地面から、前のものとは違う種らしい犬を出した。それ以上は、幾ら念じても出す事が出来なかった。消耗のせいだろう、と考えて]
……来るんじゃねえよ、骨野郎……
[半ば祈るように呟きながら。男は歩み、少しでも遠くに行こうとし]
(57) 2011/10/26(Wed) 21時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2011/10/26(Wed) 21時頃
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[スティーブンは意識が無い様で、そのお菓子を狙って大きなミノタウロスが近づいている]
(ああ、最悪。) (ただでさえ長期戦とか苦手なのに。)
[ましてや自分の手には大穴、血のグローブ、ジクジクとした痛みのアクセサリーを纏ってそれでも爪を長く伸ばす]
(それでもやらなきゃね、こんなところで終わりたくないもの。) (終わらせるわけにもいかないし、ね。)
[ふと、骸骨の相手を一人で任せてしまったリンディは無事だろうかと不安に駆られる。 ゾーイも空にメッセージを飛ばしてもこの場に来ていないという事は、と考えると胸が痛む]
(あの時、一緒に行ってあげるべきだったのかな。)
(58) 2011/10/26(Wed) 21時頃
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[猫めがけて振り下ろされる拳は、鈍い。 空振りして地面へと振り下ろされるその腕にすとりと着地すると、 そのまま肩、頭へと駆け上がっていく。
そして、こちらにカンテラを向けたジャックランタン目掛けて 大きく跳躍し――空中で一回転すると同時に人型に戻る。 カンテラの発した炎がツギハギの顔を焦がし、 宙へと待った黒猫の踵が南瓜の頭へとめり込む]
[ぐしゃり]
[南瓜が砕けカンテラが地面に叩き付けられて割れた。 お菓子を落とさずお化けは消滅し、 きゅ、と踵を返して焼け爛れたフランケンシュタインに向き直る]
(59) 2011/10/26(Wed) 21時頃
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…ん?
[どうやら、暫く意識が飛んでいたらしい。 気が付けば、大量のお化けが周りを取り囲んでいた。]
やれやれ。 君達もしつこいね。
[ゆらりと立ち上がり、近くにあったぶなの木に手を付く。 広範囲を凪ぎ払うべく、枝が伸びた。]
きりがないねえ。
(60) 2011/10/26(Wed) 21時頃
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で、リンディ君と骸骨は何処行ったんだい?
[ぶなの木に手を付いたままで、辺りを見回す。 毒は大分抜けた気はするが、骸骨との戦いに加勢出来る程回復していない。 あまり近くにはいてほしくないというのが本音でもあった。
巻き込まれたくないし。]
(61) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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― 路地裏 ―
[血の跡を追う。その先に、動くものが見えた。包帯を巻かれた犬。そして。]
見つけた、ぜ?
[長身の男は壁に手をついたまま、ゆっくりと肩を揺らしている。その表情は、こちらからは見えない。奴はどんな顔をしているだろうか。憎悪か?諦観か?絶望か?想像するだけで、鳥肌が立ちそうだ。
俺は歩み寄りながら、まだ記憶を辿っていた。確かに、名前を聞いたはずなのだ。]
――ああ、思い出した。
…エリック。
(62) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[瞼が焼け爛れ視界を失ったのだろうか、闇雲に振り回される腕]
(違う、こいつらは人じゃない)
[割れたカンテラを持ち上げる。 小柄な体でその懐に飛び込むと殴り上げるように 渾身の力でカンテラを相手の顎めがけて振り上げた。
カンテラのフレームがひしゃげ、重い振動が腕を伝った。 相手がのけぞり、しかし見えない敵を捕らえようと組み付いてくる。 巨体の作り出す影の中]
(そんなやり方で私は捕まらないよ)
[人は猫へ、猫は影へ。 またも空を掻いた腕、猫は背後の影から飛び出すと、 先の一撃で縫い目の幾つかが弾け飛んだ首へ、 目一杯に開いた口から鋭い牙を突き立てた]
(63) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[ミノタウロスの胸に斬りかかろうとすれば、軽々と相手が手にした大斧に吹き飛ばされる。 いくらなんでも質量差がありすぎる、大斧の表面を抉り取ったからとてなんの意味があるのだろう]
(せめて大きな武器が出せれば……。)
[念じてみたところでやはり手には爪しか現れない。 力が無くなってしまったのだろうかと思う、吹き飛ばされた衝撃から来る眩暈が慢性的な貧血になりつつある自分には酷く堪える]
(頭がグラグラする、まだ本調子じゃないのかしら。)
[花の毒は完全に消えたわけではなく、一部はまだ残っているものもある、幻覚毒は疲労や貧血との相性が良いらしくしつこく頭に住みついていた]
(64) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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へえ。 やるねえ、黒猫君。
[やりあわなくて良かったかもしれないと、黒猫の戦いぶりを見て思う。]
しかし、この雑魚お化け、親玉はいないのかねえ。
[お化けをまとめて何匹か薙ぎ払わせながら、呟く。]
あまり消耗させたくないんだよねえ。 一応、緊急手段があるとはいえ。
(65) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[引き剥がそうともがくフランケンシュタイン。 ぶちり、ぶちり、牙は縫糸を千切るように首をなぞる。 がしりと肩を捕まれ、骨が軋んだ。 ずり落ちないように立てていた爪の片方を抜き、 背中から心臓の辺りを目掛けて突き立て、抉り込む。
牙から顎へ、赤とはいい難い液体が伝っていく。 そして、同様に背中に突き立てた爪からも。 奥へ抉り込む度にポンプのように傷口から液体が溢れ出る]
……っ、。
[掴まれた肩が限界に近い。 これ以上やれば砕ける、少なくとも骨が外れる。 そう判断して爪と牙を引き抜いて しなやかな猫の体を活かし一旦逃げの手を打った]
(66) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[敵の手に武器がある限りはこちらの手が出せない。 幸い動きは緩慢らしいので避ける事自体は楽だが、稀に目で追った動きとはまるで違う動きをしている時があるので油断は出来ない、それが相手の力なのかと勘違いをしているのは最後まで道化に毒があった事を知らないが故]
(脚を狙えば……。)
[牛頭は上半身の守りは大斧のお陰か軽々とこなして見せるが、足元の守りは疎かだった、爪で軽く撫でてやるだけですぐに大斧と自分の重みで足がひしゃげた]
(こいつはお菓子は持ってなさそうね。)
[ふと、夢の中で女に言われた事を思い出してそんな事を思う]
(67) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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――さて。お楽しみ、と行こうかね。
面白いもんだよな、テンション上がると痛み感じねえの。 なんかエラい事になってる気配はすんだが。
[胸の辺りまで濡れた上着をちらと見て。]
ああ、後ろの連中が追いつくまでに終わらせないといけないよなあ…『いつもより』時間はねえのか。
…なあ、顔上げろよ、エリック。 今どんな顔してんの?見せてよ俺に。
[奴に挑発の言葉を投げつつ、犬には警戒を向ける。三度も噛みつかれて、たまるかよ。]
(68) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[ある程度お化けを蹴散らした後、大きな斧を持ったミノタウルスがいたことに気付く。]
…相性が悪い相手だな。 あれを退治出来るの、いるのか?
[労いの言葉と共にぶなの木から手を離し、もう少し堅い木を探して広場を歩き回る。**]
(69) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[何ともいえない味の液体を、牙から拭う。 首が半分千切れ背中に穴の開いた巨体が、 何かに蹴躓いてばたりと倒れる。 その衝撃で完全に頭が胴から離れ、フランケンシュタインも消失した]
フ、――っ、は、っ……。
[少し、息が荒い。 服の下の肌には大きな指の後が青痣として残るだろう]
(70) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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[脚がひしゃげて歩く事がままならなくなったミノタウロスは、それでも壊れたおもちゃのように全身しようと身をよじる]
(さようなら。)
[四つの赤い軌跡が横に流れると牛の頭はバラリと崩れる、次に目に入るのは大きなつぎはぎの化け物と戦う黒猫の姿]
(あれはお菓子を持っていそうね。)
[じいっと、黒猫の動きを見る、お化けに襲われているのならおそらく人であろうが、どうも黒猫が襲っているように見える。 であればあれは道化と同じモノなのだろうか]
(71) 2011/10/26(Wed) 21時半頃
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モニカは、一息吐いて辺りを見渡した。
2011/10/26(Wed) 21時半頃
[気づけば観戦しようとした、男2人の戦いは場所を移したよう。
ざわざわと地を埋め、蠢く異形たちと
相応の能力を振りかざし戦う人間。
その様を数メートル上から眺めつつ]
こうしてみたら、見た目だけが
違うように見えてきますねぇ。
俺もお菓子を持ってないお化けを、人ではなかったお化けを殺しましたが。
さて、違いはなんだったんでしょう。
生きているという点では、何も変わらない?
[ぽん、と投げ出した言葉は誰に答えを求めるでもない。]
もっとも、牛豚と人間の違いのようなものなんでしょうね。
殺すだの、食べるだの。
[右手を見つめる。
この手は何に対して振るって来ただろう]
どこででも、血みどろ。
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っ、
[息を、呑んだ。ふと、背後から足音が、骨の鳴る音が聞こえてきた]
……骨、野郎。 ……来やがったか……
[振り向き、その姿を見据えては、汗が滲む顔に、不敵なような笑みを小さく浮かべた。笑えるような状況ではとてもなかったが、そうして無理に強がってみせでもしなければ、すぐさま渦巻く感情に呑み込まれてしまうような気がして。 エリック。そう己の名が聞こえて、少しく瞬いた]
……何だよ。……俺の名前、知ってるのか。 ち、……なんか知らないけどよ、楽しそうにしやがって……
[なるべく常のように喋ろうとしながら。合図なく、不意に犬をけしかける。 同時に力を振り絞って再び走り出そうとして]
(72) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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[フレームのひしゃげたカンテラを、再度拾い上げる。 振り回すための武器程度にはなるだろう。
大きなミノタウロスが吸血鬼にとどめを刺されたところを目にする。 口の中に残る苦い味の液体を地面に吐き出し]
(吸血鬼……)
[ゾーイが『おんなきゅうけつき』がコリーンだと言っていた。 もしや、と周囲のお化け達を威嚇しながらそちらへと足を向ける。
その姿が相手にどう映ったかは、判らない。 人型の黒猫が、壊れたカンテラを手に歩いて来るのだから]
(73) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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[黒猫がこちらに向かって歩いて来るのが見える、手になにかを持っているようだけれど遠くて良く分からない。 霞む目を擦って改めて見ればそれはどこかで見たような、けれど随分と形が変わってしまったカンテラ]
(あのカンテラ……は……?)
[困ったようにジェスチャーを繰り返していたカボチャのお化けはその手に何を持っていたか]
(そう、やっぱりあの子は……。)
[探しに行った何かは見つけられたのだろうか。 それとも探す間に殺されてしまったのだろうか、道化を倒して死の際を彷徨ってようやく冷えたはずの頭が再び熱を帯びる]
(74) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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[広場に押し寄せてくるであろう、数多く存在するお菓子を持たぬお化け達が、皆を襲っているのを見て、自分では如何しようも出来ない無力感に苛まれながら]
私が生きてタラ……スティーブンを武器に薙ぎ払う事が出来たのデスガ……。
[もっとも彼はそれを嫌がるのだろう、とは思うのだが、それが最善の方法かも、と思ってしまった故に口を滑らせてしまったのがある。
と、ネイサンに視線を戻すと]
そうデスネ、この原始的な世界では人間の本性が出てしまう、そんな気がシマス。
[今まで出会った人の中で、何名か本性を丸出しした人が居た。
そういうのを見え、穢らわしくあり、美しくもあり――そう思う自分は異端なのか、とふと思ってしまう]
それだからコソ、強く輝くのかも知れまセン。そう言った意味では、貴方も輝いていマシタ。
[ネイサンの様子をたまたまだったのか、何時の間に見ていたのかは分からないが、右手の反応を見逃さなかった]
貴方、何か思い出したのデスカ?
そう言えば、こうやって会った覚えがありマス。それを思い出したのでしょうカ。
[目を細めて様子を伺うと、お菓子を持たないお化け達の方へ視線を戻す。
ネイサンからでは此方の表情をどう見えるのだろうか]
あぁ、思い出したついでに、彼女にも思い出させるのも悪くはありまセンネ。
もしかして、想像だけで彼女に一矢報えるのかも知れませんヨ。
[身も蓋も無い言い様。だけど、この狂った世界ではそれすらも叶いそうな錯覚に陥りそうでもある]
想いだけで、人は殺せるものなんでショウカ。
そうなった場合――……。
[この先は言ってはいけない気がして口を紡いでしまう]
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[目を擦った際に掌から滴る血が目の周りについて、凄惨な面持ちになっていただろうか。 小さく息をついてから牛の血で汚れた爪を振ってその血を払う、目には憎悪を、結ぶ口には憤怒を、そうして声にならない声で叫びながら黒猫へと駆ける――]
(75) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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[男は、エリックは笑った。反抗的な笑み。――ああ。]
…ひひ。そうこなくちゃ、だよなあ。
[唐突に、犬が走り出した。咄嗟に、身を捻ってかわす。エリックが走り出そうとしたのが見えて、反射的に足を狙って斧を投げつけた。]
逃げちゃ駄目だろ?遊ぼうぜ?
[斧の行く末を見届ける間もなく、犬が襲い掛かる。鬱陶しい奴だ。]
(76) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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(コリーンさんには、ゾーイちゃんがわかってたんだよね。 だったら、あれがコリーンさんなら。 私の事も、判るはず)
[そう思って、少し様子を見ながら近付いていく。 彼女の力が限定的なものだとは知らず。 まだ荒い息を整えながら]
ニャウ、ニャアァ。 (私の事が、わかる? わからない?)
[乾いた血で染まったワンピースで、鳴き声を発した]
(77) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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――ッ!!
[そうするや否や、恐ろしい形相で吸血鬼がこちらへと駆け出した]
(これは、敵だ――ッ)
[そう判断した黒猫もまた、毛を逆立たせて。 右腕の爪を構えて、低い姿勢で相手に向かって突進した]
(78) 2011/10/26(Wed) 22時頃
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[骸骨が投げ付けてきた斧は、ぎりぎりのところで男の足を逸れた。脇の壁にめり込んだそれを一瞥だけしつつ、男は大きな疲労と多少の貧血からうまく動かない足で必死に走っていった。犬は獰猛に骸骨へ噛み付こうと、その足止めをしようとして]
誰が……!
[遊ぼう。そう聞こえた声に吐き捨てるように返しながら、男は路地裏から路地裏へと駆け回り―― 程無くして、その足を再び止める事になった。 今度は刹那、思考も共に止まって]
……マジ、かよ、……
[愕然と呟く。道筋を考える余裕もなく男が入り込んだその細い道の先は、行き止まりになっていた。早く、引き返さなければ。別の道へと進まなければ。酷く焦燥しながら踵を返す。 だが、もう、遅かったか]
(79) 2011/10/26(Wed) 22時半頃
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[黒猫は一寸甘えたように声を出してから、即座に毛を逆立ててこちらに向かってくる]
(傷だらけだから馬鹿にしてると言う事かしら。)
[全身は生身で見れば青痣だらけで、痛々しいものだろうけれど、幸か不幸かお化けという見た目ではそれは伝わる事はないだろう。 痛みを堪えてただ走る、状態は悪く思うようには脚は動かないけれど、それでも眼光は炯々と輝いて突進してくる猫の爪を右腕で受けようと腕を盾にする]
(あわよくばぶつかる寸前にまた例の力が出せればいいんだけど。)
[血が何らかの形を成す事は傷が癒えるまでは起こり得ないのだろう、身体を動かせば動かしただけ出血は酷くなるばかりで、肉体を凌駕する精神のみで自分は動いているのだと自覚すらない]
(80) 2011/10/26(Wed) 22時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2011/10/26(Wed) 22時半頃
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(このお化け、相当消耗してる……)
[そうだ、吸血鬼は「 」と戦っていたのだ。 サイラスは枯れ木のお化けは味方だと言った。 枯れ木のお化けが「 」のとどめを刺した。 ヤニクが殺されるところを見ていなかった黒猫には、 もはや何が何だか判らなくなりかけていた]
(でも、向かって来るなら……敵だっていうなら。 倒さないといけないんだ!!)
[振り翳した爪は相手の腕に受け止められる。 先程のフランケンシュタインのおかげで左腕は上まで上がらない。 カンテラを右手に持ち替えて。 その歪んだフレームで思い切りその腕を折り潰す勢いで振り下ろす]
(81) 2011/10/26(Wed) 22時半頃
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