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ふふ。ネルの味。におい?
[少し悪戯気に言って、離れて。目が開かれたら、それを見て、にっこりと笑う]
……嘘だあ。
[だって、楽しそうに笑っているヨーランダは、ネルの目にはヨユウシャクシャクに見える。
いっぱいいっぱいなのは、ネルばっかり。
だけど手のひらからは、ヨーランダのどきどきが伝わってくる]
ネルばっかりどきどきしてるみたいに、見えるの。
なんでかなあ。
[ネルはちょっといろいろ顔に出すぎなんだろうか。唇を尖らせて少し考える。考えてもどうにもならないけど。
そしてまた、頬に下りてきた唇にどきどきする]
あ、あじ!?
[顔から火が出そう。向けられた笑顔を恨めしそうに睨んで、ちょっと仕返ししたくなった。
ぎゅうっと抱きついて、唇を落とすのは、さっきくすぐったいかもと言われた首筋]
ふふ。本当。
[また、ネルを抱き寄せて、お互いの手から、どきどきを伝える]
なんでだろう。ネルはきっと、素直なんだよ。
だから。
……それに、なんだろう。ちょっとでも余裕ぶらないと、冷静じゃなくなっちゃいそうで……。
[少し、うずもれるような体勢になりながら、恥ずかしげに、そう言って]
ふふ。うん。あーじ。
[恨めしそうな顔に、にこりと微笑む顔は、余裕そうに見えても、その実すごく赤くて]
わっ。
[抱き疲れてびっくりした声を出しながら、首筋に口付けられて]
〜”う、う”。
[声にならない声を上げながら、悶える]
はう、
[ネルの唇が離れたら、少し涙目で、そちらを見るだろう]
素直? うー。
なんか、負けてる気がする。
[口をちょっと曲げて言うけれど、恥ずかしげなヨーランダが見られたら、少し満足。そんな満足も、味発言で吹っ飛ぶわけだけれど]
…………えへへ。
[首筋に落とした口付けは、ある意味自爆攻撃で。
真っ赤な顔でちらりと見上げると、涙目のヨーランダと目が合った。
少し赤い目元にますますどきっとする。
男の人なのに、なんだか色っぽい]
ヨーラの、味っ!
[どきどきするのを誤魔化すようにわざとちょっと偉そうに言うけれど、ネルの頭からも湯気が出そう。
へったりと垂れた耳が、ネルにも余裕が全然ないことを伝えている]
[しばらく何かを言おうとして、うまく言葉にならなくて、口をぱくぱくさせて、それから、落ち着いたと思ったら、味、と言われて。更に真っ赤になる]
……ううう。ネルぅ。
[ぎゅっと、それ以上目を見ていられなくて。勢いのままネルを抱きしめて。色の混じった息を吐きながら、何とか落ち着こうと、息を整えるけど、近くにいるネルを感じてしまって、なんだか逆効果で]
はふ。
[熱っぽい目でネルを見ながら、おかえしに、その首筋に口付けた]
[とっても動揺しているヨーランダを見ると、少ししてやったりな気持ちになる。ネルにも全然余裕はないけど。
どきどきさせられっぱなしだったのだから、これくらいしてもいいと思っている]
えへへ。なあに?
わっ。
[恨めしげな声に、ちょっと優越感を覚えつつ返事したけれど、ぎゅうと抱き締められたらそんな余裕はなくなった]
よ、ヨーラ……?
[ネルに届くヨーランダの吐息が熱い。それがネルを落ち着かなくさせる。よくわからないけど、ぞわぞわする]
え?
[ふと目が合った、その瞳が、吐息と同じように熱っぽくて、どきりと心臓が跳ねる。射抜かれたような、気がした]
にゃぁっ!?
[ネルは人狼なのに。首筋に降りてきた唇に、上げたのは猫のような悲鳴で。
背筋を抜けていくぞくぞくした感覚に、思わずヨーランダにしがみつく。しっぽがぶわっと膨らんだ]
……ん、ネルぅ。
[しがみつかれて、ぎゅっと抱きしめて。熱は収まらないどころか、余計に帯びてしまって
もう少し、もう少し、と首筋に何度か、口付けを落として、結果的に、少し舌でなぞる感じになってしまって]
……なんだろ。俺。おかしくなっちゃった。みたい。
[そうぼそりと呟いて、なんとか顔だけ、ネルから離れて。にこりと微笑む。その顔も、目も、相変わらず熱っぽかったけど]
あんまり抱きつくと、危ないよ?
[言いながら、ぎゅっと抱きしめて、ネルの首と肩の間に、顔をうずめる。相変わらず、息は、熱い。どきどきは、もうどうしようもないくらい、伝わっていくだろう]
あ、あ、やだあ……。やっ、嫌じゃないんだけどっ、だ、だめ。
あうっ。
[首筋に、何度も何度もヨーランダの唇が降ってきて。ネルがネルでなくなりそうな気がした。ネルの体なのに、どうにもならない。
反射的に拒絶の声を上げてしまって、でも嫌がっていると思われたくなくて必死で訂正して、なにがなんだかわからなくなる。
ヨーランダの唇も吐息もとても熱くて、触れられたそこから、ネルの全身も熱くなっていく]
……はあっ。
[ヨーランダの顔が離れて、ようやく大きく息を吐く。ネルの瞳も熱っぽく潤んでいる]
ネルも、おかしいの。
ヨーラ、熱い、よう……。
[荒い息を吐きながら切れ切れの声でそう言って、危ないという意味がわからなくて首を傾げる。
危ないと言いながら、強く抱き締めてくるヨーランダはとても矛盾していて、でもそんなことももうわからない]
やだ。
[危ないと言われてもしがみつく。ぎゅうっとしがみついて体を支えないと、ネルを保っていられない気がした]
嫌じゃないけど……?
[言われながら、止めようとしたり、けれどむさぼる様になってしまったり。自分でもなんだかよく分からない
熱く熱くなっていくのはネルも同じで、そんなネルをもっと見たいと思ってしまって。何とか、離れて]
熱い、ね。すごく……あつい。
[ネルの熱さと、どきどきと、息の上下と、全て感じながら]
……ん、すごい。ネル、かわいい……。色っぽい。
[潤んだ目元に思わずそう言って、けどそう言う自分の目元も、きっとそうなっていただろう]
ふふ。一緒だね。一緒に、おかしくなる?
[膨らんだ尻尾にも気づいていて、なんだか自分の尻尾もさっきから危ないのだけど、気にせず抱きしめていた。そっと、その頬を手にとって。潤んだ目でネルの目を眺める]
……ん。
[やだといって、しがみつくのに、こちらもぎゅっと抱きしめて、その体重が心地よくて、酔ってしまいそうで、ネルを見つめる]
熱い、よ?
ネル、変なの。
[潤んだ瞳でそう訴えて、けれど戻ってくるのは熱っぽい眼差し]
い、色っぽ、い?
ネル、色気より、食い気なのに。
[荒い息を吐きながら、そんな色気のないことを言ってしまうのは、やっぱりネルで]
ヨーラ、も、おかしいの?
一緒?
[なんだかヨーランダの目は酔ってるみたい。多分ネルも酔ってるんだろう、と思う。ヨーランダという、男の人に]
嫌じゃ、ないよ?
でも、ちょっと、怖い。
[ネルがネルのものじゃなくなる。ヨーランダのものになるなら、それもいいかも、なんて思う気持ちも半分。
でも、やっぱり怖い気持ちも半分。
だけど、ネルの頬に触れるヨーランダの手は優しい]
ヨーラ、は?
ヨーラは、どうしたい?
ふふ、そうだね。変みたい。
[そっと、眼差しはそのままに、撫でて]
うん。色っぽい。食い気があって色っぽいだって、あるんじゃないかな。
[ちょっとだけ、和みながら、笑って、抱きしめる]
うん。一緒。
[そっと、また、首元に、口付けて]
うん。怖いね。どうなっちゃうんだろう。
[そっと、優しくなでながら]
けど、俺はそうしたい。ネルは?
[ネルを見つめるヨーランダの瞳は、熱っぽく潤んでいるけれど、優しい、と思う。
色っぽいなんて言われたのも初めてで、ヨーランダは本当に、ネルにたくさんの初めてをくれる]
ひゃ、っ。
[首元にまた口付けられると、またぞくぞくと背筋が震えて。
だけどそれはきっと、ネルがヨーランダのものになっている瞬間]
怖い、けど。
でも、ヨーラと一緒なら、だいじょうぶ。
[だってその時、きっとヨーランダはネルのもの]
……あ、だけど。
[けれど、そこでちょっと冷静になった]
この、お部屋……だいじょうぶ、かなあ?
[ドアの方をちらちらと気にして。作業を頼んだ人が戻ってきてしまったりしたら、ネルは恥ずかしくて死んでしまう]
ありがとう。
[一緒なら、と言われて抱きしめて。]
ふふ。ちょっとずつ、一緒に、ね。
おかしくなろう。
[ネルが部屋を気にする様子にきょとんとして、それからくすくすと笑う。そっと、その唇を、とって、それと分かるようにしてから、口付ける。約束の代わりに**]
[というか、今のこのへにゃへにゃネルを見られてしまったら、多分ネルは生きていけない。
こんなネルを見てもいいのはヨーランダだけだ。
そんなことを考えただけで、窓からなんだか逃げ出したくなる]
……あう。
[抱きしめられて、お礼を言われて。どんな言葉を返していいのかわからない。
ヨーランダの腕の中で、ただ首を横に振った]
うん、ちょっとずつ。
ヨーラと一緒で、ちょっとずつなら、安心。
[ほうっと息を吐いて、へにゃんと緩んだ笑みを浮かべて顔を上げる。
ヨーランダの手が唇に触れると、どきりと心臓がうるさくなったけれど、おとなしく目を閉じた。
ちょっとずつ、ちょっとずつ。そうしてずうっと一緒にいられたら、きっとネルはしあわせ**]
……ん。
[そっと、その唇に口付けて、なんだか止まらなくなってしまいそうだったから、ちょっとだけで、離れて]
またネルからも。
[してね、と笑いながら、ぎゅっとして、名残惜しげに一旦離れる。どきどきはずっと続いていて、息を吐く]
どうしよう。これ報告に行って。その後は。お祭り見に行く? それともちょっと休む?
[すごく、汗もかいてしまって、一旦またお風呂に行った方がいいかなあと思いながら。へにゃへにゃになって、座っていたところにもたれかかる。なんだかまだ、ちょっと力が入らない**]
[唇が離れたら、ゆっくりと閉じていた目を開けて。とろんとした目でヨーランダを見るけれど、はっと慌てたようにすぐにその目は逸らされる。
伏せた顔は真っ赤で]
ね、ネルから!?
む、無理っ。
[笑いながら言われた言葉に、真っ赤な顔のままぷるぷると首を横に振った。
首筋に唇を寄せるよりずっと、顔に顔を寄せることは恥ずかしい]
そ、そうだねっ。報告、いかないとっ。
……ヨーラは、どこか行きたいところ、ある?
ネルねえ、ヨーラに案内したい場所があるんだっ。
[作業が終わって休憩のはずだったのに、休憩の方がずっと疲れてしまったような気がする。
へにゃへにゃしているヨーランダの横に座ったまま、まだちょっと赤い顔でへにゃっと笑った。
ぱたぱたとしっぽを振りながら思い浮かべるのは、集落の外れの丘の上。ネルお気に入りのお昼寝場所**]
[とろんとした目に、こちらもとろんとしながら。慌てた様子に、ちょっと笑って]
ふふ。じゃあまた俺から?
[つん、と伏せた顔の唇を指で突付いて、笑う。報告の言葉に、少し顔を引き締めて]
うん、いこっか。
案内? わあ。じゃあそこいこっか。
[まだお互いへにゃへにゃしていて、そっと抱き寄せて、少し目を伏せて余韻に浸ってから、そっと離れると、部屋を片付けて。そうして少し休んでから部屋を出た]
[唇を突かれるとびくんと震える。またしてほしいなんて言えるわけない。
なんだかちょっと怒ったような赤い顔でそっぽを向いたまま、こくこくと頷いた。もちろん怒ってるわけじゃない]
……えへへ。
[けれど、抱き寄せられるとそんな表情はキープできない。だらしなく頬を緩めて余韻に浸った]
うん! 行こ行こ!
[腕を解かれるとぴょんと立ち上がってにぱっと笑う。一緒に部屋を片付けて。少しの休憩のあと部屋を出る。
作業が終わったことを報告し、お客様を案内することを告げると、それ以上のお手伝いは頼まれなかった]
ヨーラ、こっちこっち!!
[集落の外れの丘の上。ヨーランダの腕を引っ張らんばかりの勢いで丘を登る]
ここね、ネルのお気に入りの場所なの!
[青草の広がる小高い丘は、マーマル村の丘と違って、花が咲いていたりはしないけれど、集落が一望できる眺めのよい場所]
ネル、ここしか知らないけど。
ここからだと、遠い景色が見えるの。
ネルの知らない、広い世界の欠片に触れられるような、そんな気がするんだあ。
ヨーラの住んでいる村はどっちの方向かなあ…と目を細める。
わっ。
[腕を半ば引っ張られながら、丘へと駆けて行く]
へえ。なんだかすごく、気分のいい場所だね。
[ふわ、と思わず深呼吸して、周辺を眺める]
うん。すごく眺めがいい。日当たりもいいし、ごきげんだねっ。
[言いながら、ぐるりと辺りを見渡す]
広い世界かあ。
あ。あっちかな。俺が来たのは。
[なんとなく、見覚えのある道がかなり遠くにちらりと見えた気がして、指差す。森の向こうだけれど]
うん。ネルね、いっつもここでお昼寝するの!
とっておきの場所!
[ぱたぱたとご機嫌でしっぽを振ってそう言って、ヨーランダの指差す方へと目をこらす]
ヨーラの村は、あっちの方にあるんだあ。
そっかあ……。
[じぃっとそちらの方を眺めて、ぽつんと零した]
ネル、ちょっと、心配だなあ……。
お昼ね? そっかあ。気持ちよさそうだもんね。
[その言葉を聞いて、すとんと一番高いところに座ると、ぐっと背伸びして、地面に手をつく]
うん。ここからは見えないかな? けどもうちょっと行けばあるよ。
[微笑んで]
心配? 違うことが?
[ヨーランダの言葉に、ぷるぷると首を横に振る。隣りに座って、だけどヨーランダの顔は見られない]
ヨーラ、森に近づいちゃいけないって、言われてたんだよね。
ヨーラの村の人は、誰も、この集落のことも、ネルたちのことも、知らないんだよね。
そこに、ヨーラが帰って。
お祭りのことも、ネルのことも、夢でも見たのかもって、思っちゃったら、どうしようって。
ネル、トリコシグロウだよね。
そんな心配性なんかじゃ、ないはずなんだけどなっ。
[あははっと冗談のように笑い飛ばそうとして、できなかった。
笑おうとしたのに、浮かぶのは泣き出しそうな顔]
……もし、もうヨーラに会えなかったら、どうしようって。
[そこまで言って、耐え切れなくなったように自分の膝に顔を埋めた]
[ネルが隣に座るのに、高いところが半分になるように空けて、見上げながら微笑む。顔をあわせてくれないのは不思議そうにしながら、話を聞く]
うん。なんでだろう? あんまり聞いたことなかったなあ。危ないからなのか、それとも触れてはならない、とかなのか。
多分? もしかしたら知ってるのかもだけど、聞いたことはなかったから。
夢、かあ。
確かに夢みたいだけど。
[そっと、ネルを抱き寄せて]
ネルは、ここにいるよね。
[そっと、抱きしめると、泣き笑いのような顔が見えて、もう少し、強く抱きしめて、頬へと口付ける。
顔をうずめてしまうのには、どうしたらいいか分からなくて、後ろからぎゅっと抱きしめて、背中を撫でながら]
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