25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[袖に指先を仕舞い込む、 幾度も呼ばれる名に、目蓋を伏せる]
―――……、
[こちらから呼ぶ声に、 ゆらぐ気配は引き戻されて]
主様――…、 いえ、少しばかり暑気にあたりまして……
[伸ばした指先はもう、揺らぎはない。 けれど、先ほどのそれが幻ではないこと、主に確信は出来ただろう]
(@37) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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私の声が……聴こえるのなら
其れは生者としてはおかしな事
[白い鳥の視線はあちらへ。
答えが無くとも冬も花も気に留めず
現世留まる亡者を見る。
己の投げかけた言の葉は、
思うよりも随分広がったようだった。
主の傍にありながら、彼らの様子が手にとるように見える
ここは、狭間]
黄泉が手折りた 花ひとつ
うつつの月に 迷い染まる
あちらの虎鉄と謂う花も
……同じ?
[呟きはあやふや
彼については、人食いの花は聞いて居らず]
[主に何もできなかった己は―――なんて、無様な生贄だと。
すまない、と幾度目か謂って。
ふいに、聞こえたのは蝶の声]
――――…飛ぶ
[俯いていた鵠が
少しだけ、顔を上げる。]
…飛びたい…な…
[鈴の音に、重なる。]
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[伸ばされた手に、手を重ねるを躊躇う。 存在が揺らがぬようにと、願う。 この身を縛るが妄執であったとしても、 ――いま少しだけ、と]
……はい、お傍に。
[その手に引き寄せられて、現世に立つ。 うたがきこえる、狭間の歌を、振り切って]
すみません、大丈夫ですから。 主様こそ、お疲れでしょう? 暇なきことはわかりますが、少し休まれては――……
[笑みかけて、耳を掠めるそれに止まる。 鈴の音――眉根を寄せて曇る表情]
(@38) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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[漸く眸が常世と現世の狭間を映す。
ロビンの声が聞こえ]
…己たちの、こえが
聞こえる…?
[呟く。
そういえば、虎鉄は――最早あるはずのない場所で鵠の名を呼んだ]
どうして、…
簡単なことじゃないか。
[素っ気無い少年の硬質な声]
彼は……
多分もう一人も
生者に非ず
……そう謂う事。
嗚呼、この声も届いてしまうかな。
ボクは少し喋りすぎだ。
[―――触れたときの冷たい手。
思い出す。生けるものではあり得ない。]
…――――死んでいる、…
[そっけない声に対する答えは、殆ど吐息混じりで]
[吐息混じる声
答える硬質な音に艶混じり]
迷い迷うて ゆく先は
秋の心 のみぞ知る
愁い帯びて
誰ぞ元へ 迷い込み
降るは いくよの
涙あめ
[節つけて、囁きうたう]
――そう謂えば
主さまを、引き裂きはしたものの
喰らって居らぬ。
私も、彼らも
どれ程、腹が減って居るやら……
私はもう
感じぬけれど
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[聞こえる、黄泉のこえ、 重ねた手に感じる血の気配]
……私は、危険な目になど。
[俯くそれは、言葉端を飲み込む。 伏せた眼差しに昏い気配は一度過ぎる。 黄泉よりの声は言う、其は生きては非ず、と ――ひとつ続いた名は生きてる]
―――……、
[見上げた眸は一度歪んで、――りん、と鳴る鈴の音。 それが現世のものだと気づけば遅れてそちらを振り返る]
(@39) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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[常に似たその様子に何を思うか、と。 変わらぬ笑みを、少しだけ怖くも感じる。 ―――それは己の身に、ではなくて]
華月殿……
いえ、私は大丈夫ですから。 ご用件がおありでしたら、どうぞお構いなく。
[小さく頭を下げて、一歩控える。 背後に隠れて、主が衣が裾をそっと握って]
(@40) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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[華月の微笑ましげな声音には、小さく笑んで頷いて。 主が背に付き従いながら、そっと耳を傾ける。
現世の声と、狭間の声に――**]
(@41) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 22時半頃
此処に居るよ。
[冬を呼ぶ声聞こえれば
冷たくも、何処か柔かな声はセシルの傍で囁く]
何時でも、キミの傍(なか)に。
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[その声は白い桜花にのみ、届く。
「――此処に居るよ」
冬を呼ぶ声聞こえれば、 冷たくも、何処か柔らかな囁き声はセシルの傍で囁く。
「何時でも、キミの傍(なか)に。」 と**]
(@42) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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ボクは煙じゃないし馬鹿でもないけど
付き合うよ。
[セシルの傍で微かな苦笑い
それから、仕方ないなと溜息。
触るなと釘刺す言葉は無く、
彼の内に宿るは、獣の血
彼の内に宿るは、冬の魂]
もし、出来るなら
……屋根をつたって、逃げられたら良いのに
孕んだなど、人間に知れたら
どうなるか
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[――冬の声は桜花が元で囁いて]
「ボクは煙じゃないし馬鹿でもないけど 付き合うよ。」
[セシルの傍で微かな苦笑い それから、仕方ないなと溜息。 触るなと釘刺す言葉は無く、 彼の内に宿るは、獣の血 彼の内に宿るは、冬の魂]
「もし、出来るなら ……屋根をつたって、逃げられたら良いのに
孕んだなど、人間に知れたら どうなるか」
(@43) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
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――刷衛の部屋― [主についた黄泉花は、 同じくその絵画を主の背後より見た。 死者をあらわす――その言葉に目を留めた一箇所。
――“あわい”椿。
指先がその花に触れかけて、危うくひっこめた。 主を一度見上げる、その動きには気づかれただろうか]
………月瀬殿は、何処に?
[自ずと我が耳も捉える、 現世の声――使用人たちの囁き]
(@44) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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[姿見えぬ少年は、変わらず応接の間に。
主の傍に寄り添っている。
ここは狭間
宿る種が囁く声は、彼の内に]
[登る煙が、浄土への道しるべのよう。
穏やかに、哀愁帯びて伸びていく]
……
[物言わぬ気配はただ、傍にあるだけ。
無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた
あの頃のように]
落胤 明之進は、室内から ふわり、と庭へ出る
2010/08/08(Sun) 00時半頃
落胤 明之進は、一度振り返り、戻れば主が傍らに。
2010/08/08(Sun) 01時頃
落胤 明之進は、小さくその袖を引く。
2010/08/08(Sun) 01時頃
[花の傍に佇む。
生きていた頃より静かに。
けれど裡にくすぶるのは炎。
花が桜へと声をかけるのを、聞いている。
ここにいるはずの花の声が、桜がいるほうから響く]
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―刷衛の部屋、前庭― [一度庭に下りた黄泉花は、見上げて。 再び室内へと戻ったのだけれど、小さく呟く]
空を……
[白い桜花の傍らの冬もまた、見上げていた。 浄土への道しるべのように、登る煙を。 穏やかに、哀愁帯びて伸びていく。
もの言わぬその気配は、彼の傍にあるだけ。 無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた あの頃のように]
(@45) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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[この心は何故こうも花を求めるのか。
身などなくなったというのに]
未練が一つ――。
お前の温かさを、もっとこの腕に感じたかった。
[色狂いだといわれたことを思い出し、ふ、と笑った]
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―B棟・階段―
……たなびく煙が見えました、 本邸の屋上の方に。
それと、あまり……根をおつめになりませぬよう。
[頭を抱えたようなその、仕草に。 普段はいくら背伸びしても、届かないから。
階段の段差、一段後ろから そっと肩に手をまわし、小さく抱いて離した。 それはやはり、冷たいのだろうけれど]
(@46) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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……それは、ボクの?
彼岸へたどり着いてしまったら、
叶わない望みかもしれませんね。
[冬色の瞳が瞬いて
傍らの主を見上げる。
其の向こう
櫻に植えた種は、冬の気配帯びて
変わらず彼の傍に有りもする]
落胤 明之進は、もしかしたら、2段3段くらいは、後ろだったかもしれない。
2010/08/08(Sun) 01時頃
お前以外に、誰がいるというのですか。
[寄り添う花に回した腕は、やはり生前と同じほどの熱を感じることはなく]
たどり着いたら、――…たどり着けるのでしょうか。
もう、数珠も、落ちてしまった。
[床に散らばった数珠はいつの間にか片付けられていた。ゆるりと歩く。
傍らの花の手を引いて]
[熱はあるのかどうかわからない。
しなだれかかる身が
刳り貫き損ねた心の臓を胸の上から押さえる]
この身も、この身が覚えた芸も総て
主さまのもの。
如何様にも、好きに愛でて良いんですよ。
それが花の幸せ。
ボクも……多分。
ただ
……私は浄土へ行けぬ身
数珠落ちても
主さまは、ひとで 私は、獣
[冷たい雰囲気纏う幾らか幼い相貌に浮かぶ愁い。
手を引かれれば、少し驚きながらも後へ続く]
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[ふわり、棚引く煙を追う。 月瀬から、わずかに香った気がする煙管の煙]
眼差しは一度、何処を彷徨った。 聞こえる こえ が増えているような、気がする。
現世の躯持ったまま、 心だけが“こちら”に引き寄せられている。
そんな存在があることを知らず、 現世よりもはっきりと、狭間よりも小さく響く やけに明るいような こえ]
(@47) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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