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…怒ってるっていうか…。
嫌われちゃったかなって思ってます。
こんな子嫌になっちゃったかなって、そう思ってます。
[触れられた話題にビクビクしながら応える。
見つめる目からは何も分からなくて。
変化を感じてもピッパが何を考えているのか、まるで分からなかった。]
[嫌われたという危惧をするマドカに
少しだけ笑った]
自己中心的ね。
別に嫌いになったわけじゃないわ。
マドカの残酷な一面を見て、少し驚いてる。
私はね。
怒ってないって言えば嘘になるけど、
でもマドカの言うとおりで
おんなじこと考えちゃって
死んだお父さんにごめんなさいをしてるところ。
[ふっと苦笑した]
お父さんがあの時死んでいなければ
私、マドカと出会えなかった。
自己中心的よね。私も、マドカも。
――ただ、さっき言った通り
マドカと出逢えたのはお父さんのお陰なんだって
あのタイミングで逝ったのには
理由があったんじゃないかって。
[そう思って――と瞑目し]
だからやっぱりお父さんには感謝してる。
マドカも言ってくれたわよね、感謝の言葉。
[開いた瞳には優しい色が点っていた。
それでいて哀愁の色も、少し混ざった茶色]
でも不謹慎なことには変わりないし
その罪は私もマドカも同じ。
だからね、今度良かったら付き合ってくれない?
お墓参り。
……いや、うん。
なんで、ドレスと男装の二択なんだ。方向が正反対過ぎんだろ……。
[とはいいつつ、検討は真剣に。
いやまあ、自分が着るなら王子一択なのだが]
ドレスは、うん、普通に可愛いだろうな。
意外性でいえば王子も見てみたい気はするな、悪くはなさそうだ。
男装の麗人……っていうには背とか凛々しさとか足りないし、胸はデカ過ぎるが。
俺がドレス着るなら、王子もいいかもな。キスで目を覚ます芝居でもするか?
[などと冗談口。自分に見立ててもらったのは、赤になるらしい]
アクセはいいとして、髪はこの長さだぞ?
リンダと違って、あんまり弄るとこないんじゃねぇかなぁ……。
[まあ、やってくれるというのだから任せよう。
愛しい相手が自分を綺麗にするために心を砕いてくれるというのは悪い気分ではないし、髪を弄られるのも悪くない]
[自己中心的、本当にそうだな、と。
私はピッパと自分どちらが大切なんだろう。
私はピッパを何だと思っているのだろう。
私を満たしてくれる人、としか思ってないではないだろうか。
怖くなった。]
ごめんなさい…。
[ピッパに、そのお父さんに謝る。
真っ直ぐピッパが見られない。]
うん、連れてってて下さい。
[俯いたまま。]
……マドカ。
どうして今、顔が上げられないのか
教えてくれる?
[俯いたマドカに、優しい言葉もかけられないし、厳しい言葉もかけられない。中途半端だな、と、少し自分が情けなくなりながらも、彼女の真意を知りたいように、問いかける。]
ごめんなさい…。
[俯いたまま。]
自己中心っていわれて本当にその通りだなって思って。
私は先輩の事を大事に思ってるのかなって。
本当は先輩が私を満たしてくれるから、こうしてるだけなんじゃなのかなって。
それが怖くて…。
私は先輩のことを道具として思っているだけなんじゃないかなって。
[ぽつぽつと吐き出す。]
ごめんなさい。
……。
[ちくり、と、胸に痛い言葉。
マドカの本音がそうだとしたら
自分は為す術もないのだろうか]
……私は
それでもマドカが好きよ。
[きっとこんな言葉すら、彼女を苦しめるんだろう]
マドカはどうしたい?
なんか、別れ話みたいで嫌だな。
[実は自分は、今、マドカの顔がちゃんと見えていない。
料理くらいなら眼鏡なしでも出来るけれど
こうしてテーブルくらいの距離があると
相手の顔が明確には見えない。
そんなぼやけた視界を嫌うように、軽く目に手を当てた。]
…ありがとうございます。
嬉しい、です。
[何でここまで言って好き、と言ってくれるのだろう。]
私は――…。
先輩と一緒にいたいです。
私は先輩のものになりたいし、先輩を私のものにしたいです。
これは絶対ウソじゃないです。
私は先輩なしではもう生きていけないです。
ずっと一緒にいたいんです。
もう、ダメなんです…。
別れたくなんかないです…。
[また涙をこぼして]
先輩愛し…。
………ごめんなさい。
[その言葉自分が口にしてもいいのか、分からなかった。]
だってこういうのも着てみたい…!
[プリシラがお姫様ならば王子様かなと自分に当ててみる。
確かに身長は足りないし胸を押し込むの大変そうだが、たぶん早々に脱いでしまうだろう。]
そう、だね。お姫様を起こすよ。
まずドレス着てきて、そしたらアクセもコーデしよ。
[そうと決まったら早速衣装替えだ、とプリシラを押しやって自分も着替えタイム。
髪は束ねて一つに結上げると普段とはがらりとイメージが変わる。]
マドカ……ちょっとこの間みたいに、席詰めていいかしら。
[こんな話の最中で変なことをするつもりはない。
ただ、マドカの顔が、ちゃんと見たくて。]
……あのね。
私は最初にマドカを見たとき、なんて可愛い子なんだろうって思った、それが最初の理由。
[立ち上がり、そっとマドカの手に触れ、すぐに離す代わりに隣に座って]
マドカが詩文部の部室に来てくれて、初めて私、女の子にシてあげたの。あんなに素直に、私の指で感じてくれて、とっても嬉しかった。
その後別れても……マドカに会えないかなって、心の中でマドカの存在が大きくなって、でも風邪ひいてるって聞いて。心配して――もし自分のせいで風邪ひいたなら、私が責任を取りたいって思うようになった。
責任なんて言葉も変だけど、要するに、マドカのためなら何でもしてあげたいって思ったわ。
[隣の席から、マドカの俯いた顔を見る。
その涙が、ぽたぽたと落ちる軌道を、目で追って]
好きって言ってくれて、嬉しかった。
――恋人になれたことが本当に幸せだった。
もうマドカしか考えられないって、何度も言った通りよ。
……ね。私はこんなふうにして、マドカを好きなったの。
逆に、……そうね、もっと早く聞けば良かった。
"マドカは私のどこが好き?"
……その理由が言えないのなら、ただ欲しいものをくれる相手だと、そうなっちゃうわね。
[涙を拭ってあげたい気持ちを、必死で堪える。
今はマドカが、マドカ自身に問い、彼女が答えを出す時だ。]
メモを貼った。
……。
[詰めてもいいか、尋ねられても言葉を返せない。]
私は…。
[何で好きなんだろう。
自問自答するように言葉を紡ぐ。]
初めて会ったのは先生に体育倉庫の鍵をしまってこいって言われて。
…すっごく美人な先輩だなって思いました。
そんな美人にお茶を誘われて、断るはずもなくて、ついていって…。
いきなり変なこと聞かれたけど。
お話してたら、可愛い人だなって思って。
[そういえばそれから美人より可愛いって思うようになったなぁ、と]
…そう、その時初めて、そういう事をしたいって思っちゃいました。
先輩とならしたい、って。
その時は…えっちな事をするために好きだって、理由をつけて。
嘘じゃなかったけれど、本心でもなくて…。
でも、思えばもうその時、惚れていたのかもしれないです。
私がそういう事したいって思ったのはその時が初めてで、先輩にだけだったんです。
[自分の気持ちを理解するように]
次の日、風を引いて、先輩からのお見舞いをもらって。
すごく嬉しかった…。
どんな悪戯をされても、先輩にもらった飴は誰にも上げたくなかったです。
[思い出すように]
その後、先輩に食堂であって、その時もそれだけで幸せでした。
席からいなくなろとした時、本当にさびしかったんですからね。
[少し、笑う。]
口移しなんか、頭までとろけちゃいそうで。
…それから告白、みたいなのされて。
嬉しかったけど、怖くて、聞いて。
そしたら先輩はやっぱり他の人とそういう事してて。
本当に悔しかったし、悲しかったし、辛かったです。
…こういうのも好き、なのかな。
そしたら先輩に大好きって言ってもらえたんです。
飛び上がるくらい嬉しかったです。
先輩を私のものにする。
先輩が私以外のことを考えられないようにする。
先輩を私でいっぱいにする。
先輩の愛する初めての人。
先輩を愛する初めての人。
全部全部嬉しかったです。
こんなに幸せでいいのかなっておもっちゃいました。
恋人になった時の指切り。
今でも、その時の感触は覚えています。
[愛おしそうに小指を撫でる。]
そうやって先輩を好きになりました。
だから、私は先輩を……愛してます。
[顔を上げて、笑顔で]
![]() | 【人】 お針子 ジリヤ― 秘密のお部屋 ― (48) 2013/11/04(Mon) 22時半頃 |
![]() | 【人】 お針子 ジリヤ[少女たちの禁猟区。 (49) 2013/11/04(Mon) 22時半頃 |
……
[マドカの言葉一つ一つが、全部
胸に、果てしない重みを課してくる。
少し息苦しくて、目を覆ったのはあふれる涙を隠すため。
なんだこの子は。
こんな私のどこがいいんだ、って。
でもマドカは、私が告白した醜い姿も全部全部
嫌わないでいてくれた。
―――嬉しかった。]
重い!!
[愛してます、に被せるように、びしっと言って
情けなく笑った。]
マドカの愛が重すぎて、
大きくて大きすぎて、私なんかでいいのかなって
ちょっとびっくりしたわ。
[だけどその表情に曇りはない。]
……ごめんね、試すようなこと言って。
でもマドカ、ちゃんと私のこと
ちゃんとちゃんと、好きでいてくれた。
マドカの重たい愛を、全部受け止めてあげる。
迷うことなんかないじゃない。
マドカの自己満足でも自己中心的でもないわ。
私が、マドカにどんなに救われてると思ってるのよ……
[ふわ、と涙が伝ったままの顔で笑って]
…愛してます。
私もマドカを、心底愛してます。
もー不安になって損した!!
マドカの愛を疑った私を責めてもいいのよ?
[ぐすぐすと泣き笑いで、マドカの涙を指先で拭って]
メモを貼った。
重いって…。
ひどいです。
[顔は笑顔で]
嬉しいです。
…私も先輩、大好きです!
[泣き笑いの表情]
責めなんかしませんよ。
むしろ疑わせた私を責めてもいいんですよ?
[くすぐったそうに涙を拭かれ。
ピッパの涙を指ですくう、真似っ子。]
ごめん。こんなに大きな愛に包まれるのが初めてで
なんだかちょっとびっくりしてるわ。
マドカはやっぱり……マドカ、だね。
[よく分からないことを言うけれど、自分の中では繋がっている。]
こんな小さな身体に、大きな愛を抱えて歩いてるんだから
私もその愛を一緒に持つから、
二人の愛を一緒に紡いで
一緒に大きな幸せにしていこ?
[涙を指で掬われ、照れくさそうに微笑んで]
責めるのはむしろさっきの言葉かな。
マドカだってご両親、大切でしょ?
私だから言える……ご両親を大切にしてあげて。
私は私…?
[よくわからないといった風に]
はい!
2人で幸せ、です。
私も先輩の分の愛をもつから、たくさん先輩の愛くださいね?
[照れくさそうにはにかむ。]
…ごめんなさい。
はい…。
[両親とピッパ、迷うことなくピッパを選びそうな自分がいる。
でも、ピッパの言葉は重くて、しっかりと胸に刻む。]
私が好きになったマドカは今ここにいるマドカと同じだって
……あ、当たり前なんだけどね?
[よほどのことで人は変わらない。
身体目当てだったりしたら、その人は変わってしまうけれど
マドカは、変わらないのだ。]
うん。
私の中の愛も大きいから
抱えるのも、向けられるのも大変よ?
バランス取らなきゃね。
[愛を囁いて、愛を行為で示して、
でもそれだけじゃないんだと思う。
日常でも二人の思いは、所々で垣間見えるだろう。]
うちのお父さん優しいから大丈夫、天国で許してくれてるわ。
マドカのご両親には、いつかご挨拶にいかせて。
お嬢さんを下さい!って……まさか私が言う台詞だと思わなかったけど……
そうだといいんですけど…。
本当にごめんなさい。
[今はお父さんに向けて]
結婚するんですもんね。
えへへ、楽しみです。
私の両親はほんわかしてるから大丈夫ですよ。
私も弟さんには挨拶して。
…ちゃんと先輩のご両親にも報告させてください。
絶対に幸せにしますって。
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