1 とある結社の手記:6
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[感謝の言葉と彼女の署名でとじられていた手紙を、何度も何度も目で追い、もう歪んだ視界では読めなくなっても。 一つ一つの言葉が、心に響き、当時の少年に幾星霜の時を越えて届いていくよう。 形跡もなくインクの滲んでしまったそれを、最後に丁寧に封筒に戻して、懐に入れた。]
確かに、受け取りました。 配達します。少年だった頃の私に。
……料理、しましょうか。
[いつかのように調理する。ピッパをキッチンに入れまいと工作しながら。 メニューは、少年の好物オンパレード。食料庫をフルに使って、彼が人肉よりも美味しいと思ってくれればいいと。普段は食事に面倒な手間をかけないのがモットーの郵便屋も腕を奮った。]
(512) 2010/02/27(Sat) 05時頃
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ローズマリーさん。 その猟銃を貸していただけますか。
使い方も、教えてくださると嬉しいです。
[それは覚悟とけじめ。 人狼がその正体を表そうという刻限、一発の銃声が男の手により冷えた空気を震わせた。]
私はカルヴィン君を…… まるで自分の息子のように、想っていましたよ。
[銃口から上る硝煙、長い銃身に苦労しながら、次はそれを黒い封筒と彼女からの手紙を重ねた自身の心臓に向けて。
引鉄を、引いた――。**]
(513) 2010/02/27(Sat) 05時頃
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